JP2008249876A - 液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶表示素子の動作特性の変化に対して最適な表示を行うことができる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶表示素子21の背面側に各々発光色が異なる複数のLED22a〜22cを配置した照明部を備え、LED22a〜22cと液晶表示素子21との駆動タイミングを対応させて、複数の表示色を発生する液晶表示装置1は、液晶表示素子21の温度を検出する温度センサ4と、温度センサ4の検出温度に基づいて、液晶表示素子21を駆動するときに光透過率が所定レベルに上昇するまでの立ち上がり応答時間(τr)と、駆動を停止するときに光透過率が所定レベルに下降するまでの立ち下がり応答時間(τd)とを特定するMCU31とを備え、立ち上がり応答時間(τr)と立ち下がり応答時間(τd)のいずれか一方または両方に基づいて、LED22a〜22cの駆動タイミングを決定する。
【選択図】図1
【解決手段】液晶表示素子21の背面側に各々発光色が異なる複数のLED22a〜22cを配置した照明部を備え、LED22a〜22cと液晶表示素子21との駆動タイミングを対応させて、複数の表示色を発生する液晶表示装置1は、液晶表示素子21の温度を検出する温度センサ4と、温度センサ4の検出温度に基づいて、液晶表示素子21を駆動するときに光透過率が所定レベルに上昇するまでの立ち上がり応答時間(τr)と、駆動を停止するときに光透過率が所定レベルに下降するまでの立ち下がり応答時間(τd)とを特定するMCU31とを備え、立ち上がり応答時間(τr)と立ち下がり応答時間(τd)のいずれか一方または両方に基づいて、LED22a〜22cの駆動タイミングを決定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、液晶表示素子(LCD)、特にフィールドシーケンシャル方式の液晶表示素子を用いた液晶表示装置に関する。
従来、液晶表示装置をカラー表示するための手法としては、例えば、TFT液晶のようなカラーフィルタを用いたものが知られている。カラーフィルタを用いた液晶表示装置では、白色光のバックライトを用いて、光の3原色である赤色、緑色及び青色のカラーフィルタを備えた液晶セルにバックライトの白色光を選択的に透過させることによりカラー表示を行う。しかし、かかる液晶表示装置では、白色光から特定波長域の光を取り出すため、光の利用効率が悪いことに加え、1つのセルは、その部分のカラーフィルタに対応した色の表示しかできず解像度を高めることが困難となる。また、カラーフィルタを用いるために、液晶表示装置の製造コストも高くなる。
そこで、近年、カラー液晶表示装置として、フィールドシーケンシャル液晶表示装置が提案されている(特許文献1及び2参照)。フィールドシーケンシャル液晶表示装置は、光の3原色を順次発光するバックライト光源と、バックライト光源の発光に同期して画像を表示する液晶表示素子とから構成されている。かかるフィールドシーケンシャル液晶表示装置では、3原色のバックライト光源を順次発光させる動作を繰り返しながら、光源の発光するタイミングに合わせて液晶表示素子のオン、オフを行うことにより、人間の目の時間に対する積分能力を利用して、一つの表示画素で様々な表示色を表示させる。
具体的に、フィールドシーケンシャル液晶表示素子の表示方法を図5のタイミングチャートを用いて説明する。上記3原色の光源は、同図に示すようにR(赤)、G(緑)、B(青)の順番で発光する動作を繰り返している。それぞれの発光色の間にいずれの光源も発光しない期間が存在するが、これはその期間に液晶表示素子のオン、オフ動作を行うための遷移期間Ttである。
図5の(a)、(b)、(c)に示すように、3色の光源の内いずれか一色に対応した期間のみ液晶表示素子を透過状態にすれば、R(赤)、G(緑)およびB(青)のいずれかの色を表示することができ、同図の(d)、(e)、(f)に示すように、3色の光源の内いずれか2色に対応した期間に液晶表示素子を透過状態にすれば、該2色が加法混色されるため、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のいずれかの色を表示することができる。また、同図の(g)に示すように、3色の光源の全てに対応した期間に液晶表示素子を透過状態にすれば、該3色が加法混色されるため、白色(W)を表示することができ、さらに、同図の(h)に示すように、3色の光源のいずれの期間も液晶表示素子を遮光状態に保っておけば、いずれの光源の光も透過しないため、黒色(BK)を表示することができる。
このように、フィールドシーケンシャル法では、カラーフィルタを用いることなくカラー表示が可能となると共に、透過状態になるタイミングを調整することにより、一つの領域で複数の色表示が可能である。
しかしながら、液晶表示素子の応答速度には温度依存性があり、低温時における応答速度は遅くなるという傾向がある。フィールドシーケンシャル液晶表示装置における応答速度の遅れは、表示色の変化となって現れ、表示品位を低下させるという不都合を生ずる。
具体的には、低温時における液晶表示素子の応答速度が遅れると、その応答時間が大きくなる。そして、液晶表示素子の応答時間が、いずれの光源も発光しない遷移期間Ttよりも長くなると、図6に示すように、前後して発光する光源の表示色が混色してしまう。例えば、同図左側において、青色表示を行う液晶表示素子の応答時間が大きくなり、その応答時間が遷移期間Ttを超えると、青色表示セルの透過率が0%に戻る前に、次のR(赤色)光源の発光が開始されてしまい、図中のTe期間で混色を起こしてしまう。同様に同図中央においては、赤色表示を行う液晶表示素子の応答時間が大きくなり、その応答時間が遷移期間Ttを超えると、赤色表示セルの透過率が0%に戻る前に、次のG(緑色)光源の発光が開始されてしまい、図中のTe期間で混色を起こしてしまう。また、同図の右側において、緑色表示を行う液晶表示素子の応答時間が大きくなり、その応答時間が遷移期間Ttを超えると、緑色表示セルの透過率が0%に戻る前に、次のB(青色)光源の発光が開始されてしまい、図中のTe期間で混色を起こしてしまう。
このような低温時における液晶表示素子の応答時間の遅れの問題を解決させるために、液晶パネルに温度測定手段及び抵抗加熱手段を設け、温度測定手段の測定温度が所定温度以下の場合には、抵抗加熱手段によって液晶を加熱するものがある(特許文献3及び4参照)。しかしながら、抵抗加熱手段によって液晶パネルを加熱するには、ヒ−タ−などの抵抗加熱手段を液晶表示装置に内蔵させなければならず、製造コストが嵩むと共に、液晶装置自体の小型化が困難となってしまう。
また、液晶表示素子の駆動電圧及びリセット電圧を温度によって変化させて応答時間の遅れを補うことも考えられるが(特許文献5及び6参照)、電圧を可変させる必要が生じ、制御回路が複雑となり製造コストが高くなってしまう。
特開2005−70421号公報
特開2005−70440号公報
特開2003−131391号公報
特開平6−258619号公報
特開平7−318904号公報
特開2006−227458号公報
そこで、本発明は、液晶表示素子の動作特性の変化に対して最適な表示を行うことができる液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、液晶表示素子の背面側に各々発光色が異なる複数の発光素子を配置した照明部を備え、前記複数の発光素子と前記液晶表示素子との駆動タイミングを対応させて、複数の表示色を発生する液晶表示装置において、前記液晶表示素子の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段の検出温度に基づいて、前記液晶表示素子を駆動するときに光透過率が所定レベルに上昇するまでの立ち上がり応答時間と、駆動を停止するときに光透過率が所定レベルに下降するまでの立ち下がり応答時間とを特定する応答時間特定手段とを備え、前記特定した立ち上がり応答時間と立ち下がり応答時間のいずれか一方または両方に基づいて、前記複数の発光素子の駆動タイミングを決定することを特徴とする。
本発明の液晶表示装置によれば、応答時間特定手段が、液晶表示素子の温度に基づいて、液晶表示素子の動作特性である、液晶表示素子を駆動するときに光透過率が所定レベルに上昇するまでの立ち上がり応答時間(τr)と、駆動を停止するときに光透過率が所定レベルに下降するまでの立ち下がり応答時間(τd)とを特定する。そして、かかる立ち上がり応答時間(τr)と立ち下がり応答時間(τd)のいずれか一方または両方に基づいて、複数の発光素子の駆動タイミングを決定する。
例えば、液晶表示素子の応答速度が遅れて、その立ち下がり応答時間(τd)がいずれの発光素子も駆動していない遷移期間(Tt)を超え得る場合には、立ち下がり応答時間(τd)に応じて遷移期間(Tt)を大きくして、次に駆動する発光素子の駆動タイミングを遅らせることができる。これにより、直前の発光で駆動した液晶表示素子の透過率が所定レベルに戻る前に、次の発光素子が駆動されて発光が開始されることを防止することができ、表示色が変化して表示品位を低下させることを回避することができる。このように本発明の液晶表示装置によれば、液晶表示素子の動作特性の変化に対して最適な表示を行うことができる。
本発明の液晶表示装置において、前記複数の発光素子の駆動タイミングは、一の発光素子の駆動を停止させてから、前記立ち下がり応答時間(τd)から前記立ち上がり応答時間(τr)を減算した時間間隔(τd−τr)をとって、次の発光素子の駆動を行うことが望ましい。
直前の発光で駆動した液晶表示素子の透過率が所定レベルに戻る前に、次の発光素子が駆動されて発光が開始されることによる表示色の混色を防止するためには、一の発光素子の駆動を停止させてから次の発光素子の駆動を行うまでの遷移期間(Tt)を立ち下がり応答時間(τd)だけ確保すればよい。一方で、遷移期間(Tt)を大きくすると、発光素子を駆動させておく発光時間が短くなってしまう。ここで、光透過率が所定レベルに上昇するまでの立ち上がり応答時間(τr)の間は、次の液晶表示素子を駆動しても、その駆動した液晶表示素子が表示に寄与することはない。そのため、立ち下がり応答時間(τd)から、立ち上がり応答時間(τr)だけ早く次の発光素子を駆動させることができる。すなわち、遷移期間(Tt)をTt=τd−τrとすることで、いずれの発光素子も駆動していない遷移期間(Tt)を最小としながら、表示色の混色を防止するこができ、良好な表示特性を実現することができる。
また、本発明の液晶表示装置において、前記立ち上がり応答時間(τr)と前記立ち下がり応答時間(τd)とのいずれか一方または両方に基づいて、前記複数の発光素子の光出力値を変化させることが好ましい。
液晶表示素子の応答時間(τr,τd)を考慮して前記遷移期間(Tt)を決定する場合には、応答時間(τd)が長くなるに従って遷移期間(Tt)も長くなり、結果として、1つの発光素子の発光時間が短くなってしまう。そこで、液晶表示素子の応答時間(τr,τd)に応じて、発光素子の光出力を変化させることで、液晶表示装置の表示輝度を一定とすることができる。
さらに、本発明の液晶表示装置において、応答時間特定手段は、前記検出温度と前記立ち上がり応答時間及び立ち下がり応答時間の関係を規定したデータテーブルに基づいて、該立ち上がり応答時間及び立ち下がり応答時間を特定することが好ましい。かかるデータテーブルに予め備えることによって、液晶表示素子の測定温度から、その立ち上がり応答時間(τr)と立ち下がり応答時間(τd)とを簡易な構成で特定することができる。
図1に信号処理系のブロック図で示すように、本実施形態のフィールドシーケンシャル液晶表示装置1は、液晶表示モジュール2と、液晶表示モジュール2の表示全体を制御する制御部3と、応答時間特定手段を構成する温度検出手段としての温度センサ4を備える。
液晶表示モジュール2は、液晶表示素子21と、液晶表示素子21の背面側に配置された照明部としての発光素子22とを備える。
液晶表示素子21は、液晶分子が配列された液晶層を対向する2枚の基板間に狭持してなる液晶セルを有し、基板間に駆動電圧を印加又は遮光(ON/OFF)することにより、発光素子22から照射された光を透過又は遮光する。具体的に、液晶表示素子21は、制御部3からの制御信号を受けた液晶駆動部5により所定の駆動電圧が生成されることのよって駆動される。
また、液晶表示素子21の隣接する位置には、温度センサ4が設けられており、液晶表示素子21の温度を測定して測定値を制御部3に出力する。
発光素子22は、光の三原色に対応したR(赤)、G(緑)、B(青)の発光ダイオード(LED)22a,22b,22cからなる。LEDは、その応答速度が数ナノ秒(nsec)であることから、発光素子としてLEDを用いることで、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色を時間分割して発光させて表示を行っても人の目に違和感のないカラー表示が実現できる。具体的に、各LED22a〜22cは、制御部3からの制御信号を受けたLED駆動部6により所定の駆動電力が所定のタイミングで供給されることのよって駆動される。
制御部3は、液晶駆動部5及びLED駆動部6の駆動を制御する制御信号を生成するMCU(Micro Control Unit)31と、温度センサ4から出力された信号をA/D変換してMCU31に取り込むA/Dコンバータ32と、MCU31に取り込まれた液晶表示素子21の測定温度から、液晶表示素子21の応答時間を特定するためのデータテーブル等が記憶された記憶手段としてのROM33とを備える。ここで、MCU31は、ROM33のデータテーブルを参照して、液晶表示素子21の測定温度に対応した液晶表示素子21が駆動されたときに光透過率が所定レベルに上昇するまでの立ち上がり応答時間(τr)と、駆動が停止されたときに光透過率が所定レベルに下降するまでの立ち下がり応答時間(τd)とを特定する。立ち上がり応答時間(τr)の基準となる所定レベルの光透過率としては、例えば、光透過強度が0%から10%に立ち上がるまでの時間を用いる。一方、立ち下がり応答時間(τd)の基準となる所定レベルの光透過率としては、例えば、光透過強度が100%から10%に立ち下がるまでの時間を用いる。
また、MCU31は、特定された応答時間に基づいて、いずれのLED22a,22b,22cも駆動しない遷移期間(Tt)をTt=(τd−τr)とする制御信号を生成して、LED制御部6へ送信する。表示素子21,22の光透過強度が100%から10%に立ち下がるまでの間は、駆動を停止した表示素子21,22が表示に寄与することになるため、立ち下がり応答時間(τd)を遷移期間(Tt)としてもよい。一方で、表示素子21,22の光透過強度が0%から10%に立ち上がるまでの間は、駆動した表示素子21,22が表示に寄与することはない。そのため、前後して発光するLEDの表示色が混色することを回避する観点からは、立ち上がり応答時間(τr)だけ早く次の発光素子を駆動させることができ、遷移期間(Tt)をTt=(τd−τr)とすることができる。
次に、MCU31により特定された表示素子21,22の応答時間に応じて、本実施形態のフィールドシーケンシャル液晶表示装置1を作動させる場合について、タイミングチャートを用いて説明する。
まず、フィールドシーケンシャル液晶表示装置1の第1の作動態様について、図2に示すタイミングチャートを用いて説明する。
R(赤)、G(緑)、B(青)のLED22a,22b,22cが順次1回ずつ発光する期間を1フレーム(Tf)、1フレーム(Tf)を各表示色毎に分割した期間をサブフレーム(Ts)とすると、図中下段に示すように、サブフレーム(Ts)に対応して赤色LED22a、緑色LED22b、青色LED22cがそれぞれ1回発光すると共に、図中中段に示すように、それに対応した液晶表示素子21の駆動が行われる。
具体的に、第1の態様における液晶表示素子21の駆動タイミングおよび各LED22a,22b,22cの駆動タイミング(発光タイミング)は、図の左側より、表示色が赤色のサブフレーム(Ts)に移行した時点で、赤色表示に対応する液晶表示素子21を駆動させると同時に、直前に表示を行った青色表示に対応する液晶表示素子21の駆動を停止させる。
このとき、赤色のサブフレーム(Ts)における赤色LED22aの駆動タイミングは、赤色のサブフレーム(Ts)に移行した時点(直前に表示を行った青色表示に対応する液晶表示素子21の駆動を停止させた時点)から、立ち下がり応答時間(τd)だけ経過した後とする。
一方で、直前に表示を行った青色LED22cは、赤色のサブフレーム(Ts)に移行した後も、立ち上がり応答時間(τr)だけは、赤色表示に対応する液晶表示素子21を駆動させても、この表示素子21が表示に寄与することはない。そのため、直前に表示を行った青色LED22cの駆動は、赤色のサブフレーム(Ts)に移行した後、立ち上がり応答時間(τr)まで継続させる。この場合、青色LED22cの駆動を停止させてから赤色LED22aの駆動を行うまでの遷移時間(Tf)は、Tt=(τd−τr)であって、赤色表示において青色との混色を防止することができる。
同様に、図の中央に示すように、表示色が緑色のサブフレーム(Ts)に移行した時点で、緑色表示に対応する液晶表示素子21を駆動させると同時に、直前に表示を行った赤色表示に対応する液晶表示素子21の駆動を停止させる。そして、緑色のサブフレーム(Ts)における緑色LED22bの駆動タイミングは、緑色のサブフレーム(Ts)に移行した時点(直前に表示を行った赤色表示に対応する液晶表示素子21の駆動を停止させた時点)から、立ち下がり応答時間(τd)だけ経過後とする。一方で、直前に表示を行った赤色LED22aの駆動は、緑色のサブフレーム(Ts)に移行した後、立ち上がり応答時間(τr)まで継続させる。この場合、赤色LED22aの駆動を停止させてから緑色LED22bの駆動を行うまでの遷移時間(Tf)は、Tt=(τd−τr)であって、緑色表示において赤色との混色を防止することができる。
さらに同じく、図の右側に示すように、表示色が青色のサブフレーム(Ts)に移行した時点では、青色表示に対応する液晶表示素子21を駆動させると同時に、直前に表示を行った緑色表示に対応する液晶表示素子21の駆動を停止させる。そして、青色のサブフレーム(Ts)における青色LED22cの駆動タイミングは、青色のサブフレーム(Ts)に移行した時点(直前に表示を行った緑色表示に対応する液晶表示素子21の駆動を停止させた時点)から、立ち下がり応答時間(τd)だけ経過後とする。一方で、直前に表示を行った緑色LED22bの駆動は、青色のサブフレーム(Ts)に移行した後、立ち上がり応答時間(τr)まで継続させる。この場合、緑色LED22bの駆動を停止させてから青色LED22cの駆動を行うまでの遷移時間(Tf)は、Tt=(τd−τr)であって、青色表示において緑色との混色を防止することができる。
次に、フィールドシーケンシャル液晶表示装置1の第2の作動態様について、図3に示すタイミングチャートを用いて説明する。
具体的に、第2の態様における液晶表示素子21の駆動タイミングおよび各LED22a,22b,22cの駆動タイミング(発光タイミング)は、図の左側より、表示色が赤色のサブフレーム(Ts)に移行する時点から立ち下がり応答時間(τd)だけ前に、赤色表示に対応する液晶表示素子21を駆動させると同時に、赤色LED22aを駆動させる。ここで、赤色のサブフレーム(Ts)に移行する前から、赤色表示に対応する液晶表示素子21を駆動させているが、立ち上がり応答時間(τr)の間は、この表示素子21が表示に寄与することはない。
そして、赤色のサブフレーム(Ts)の終了から立ち下がり応答時間(τd)だけ前に、赤色表示に対応する液晶表示素子21の駆動を停止させると同時に、赤色LED22aの駆動を停止させる。これにより、次の緑色のサブフレーム(Ts)に入る前に、赤色表示に対応する液晶表示素子21の透過光を一定のレベルまで減少させておくことができる。
次に、図の中央に示すように、表示色が緑色のサブフレーム(Ts)に移行する時点から立ち下がり応答時間(τd)だけ前に、緑色表示に対応する液晶表示素子21を駆動させると同時に、緑色LED22bを駆動させる。そして、緑色のサブフレーム(Ts)の終了から立ち下がり応答時間(τd)だけ前に、緑色表示に対応する液晶表示素子21の駆動を停止させると同時に、緑色LED22bの駆動を停止させる。これにより、次の青色のサブフレーム(Ts)に入る前に、緑色表示に対応する液晶表示素子21の透過光を一定のレベルまで減少させておくことができる。
さらに、同様に、図の右側に示すように、表示色が青色のサブフレーム(Ts)に移行する時点から立ち下がり応答時間(τd)だけ前に、青色表示に対応する液晶表示素子21を駆動させると同時に、青色LED22bを駆動させる。そして、青色のサブフレーム(Ts)の終了から立ち下がり応答時間(τd)だけ前に、青色表示に対応する液晶表示素子21の駆動を停止させると同時に、青色LED22cの駆動を停止させる。これにより、次の赤色のサブフレーム(Ts)に入る前に、青色表示に対応する液晶表示素子21の透過光を一定のレベルまで減少させておくことができる。
この第2の態様においても、直前LEDの駆動を停止させてから次のLEDの駆動を行うまでの遷移時間(Tf)は、Tt=(τd−τr)となる。ここで、各LED22a,22b,22cの駆動タイミングを各サブフレーム(Ts)に移行した時点(この場合Tt=τd)にしてもよいが、表示輝度を確保するためには、混色を起こさない範囲で各LED22a,22b,22cの駆動時間を長く保つのがよい。
尚、上述の第1及び第2の作動態様において、立ち上がり応答時間(τr)及び立ち下がり応答時間(τd)としては、事前に測定された温度センサ4の出力値からMCU31が特定したものを用いてもよいが、液晶表示素子21の動作特性に基づく最適な表示を行うためには、フレーム毎(Tf)又は数フレーム(Tf)に1回、温度センサ4の測定を行うことにより特定された最新の応答時間(τr,τf)を用いるのがよい。
また、上述の第1及び第2の作動態様において、各LED22a,22b,22cの発光強度は、応答時間(τr,τf)に関わらず一定の値となっているが、立ち上がり応答時間(τr)及び立ち下がり応答時間(τd)に応じて、その光出力値を変化させるようにしてもよい。立ち下がり応答時間(τd)が大きくなると、相対的に、各サブフレーム当たりのLED22a,22b,22cの駆動期間が小さくなり、表示輝度が小さくなる可能性がある。そこで、各LED22a,22b,22cの駆動期間とLEDに通電する電流値を掛け合わせた値が一定となるように、MCU31がLED駆動部6を制御するようにしてもよい。
また、サブフレームに対するLED22a,22b,22cの駆動期間に応じた所定の閾値を設定して、その光出力値を段階的に大きくするようにしてもよい。例えば、各LED22a,22b,22cをそれぞれ複数設けて、その駆動期間がサブフレームの1/2以下となる場合には、LEDの光出力値が1.5倍となるように、各LED22a,22b,22cのうちの所定数を駆動させ、駆動期間がサブフレームの1/3以下となる場合には、LEDの光出力値が2倍となるように各LED22a,22b,22cのうちの所定数を駆動させるようにしてもよい。
また、本発明の液晶表示装置は、ディスプレイやインターフェイスとして、例えば、車両や事務機器、家庭用電化製品、医療機器、測定機器などの電子機器に搭載することができ、表示品位の高い情報表示手段を安価に提供することができる。
1…フィールドシーケンシャル液晶表示装置、2…液晶表示モジュール2、3…制御部、4…温度センサ(温度測定手段)、5…液晶駆動部、6…LED駆動部、7…プリズムシート、21…液晶表示素子、22…LED(発光素子)、23…応答時間測定用表示素子、31…MCU、32…A/Dコンバータ、33…ROM(記憶手段)。
Claims (4)
- 液晶表示素子の背面側に各々発光色が異なる複数の発光素子を配置した照明部を備え、前記複数の発光素子と前記液晶表示素子との駆動タイミングを対応させて、複数の表示色を発生する液晶表示装置において、
前記液晶表示素子の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段の検出温度に基づいて、前記液晶表示素子を駆動するときに光透過率が所定レベルに上昇するまでの立ち上がり応答時間と、駆動を停止するときに光透過率が所定レベルに下降するまでの立ち下がり応答時間とを特定する応答時間特定手段とを備え、
前記特定した立ち上がり応答時間と立ち下がり応答時間のいずれか一方または両方に基づいて、前記複数の発光素子の駆動タイミングを決定することを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1記載の液晶表示装置において、
前記複数の発光素子の駆動タイミングとして、一の発光素子の駆動を停止させてから、前記立ち下がり応答時間(τd)から前記立ち上がり応答時間(τr)を減算した時間間隔(τd-τr)をとって、次の発光素子の駆動を行うことを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1又は2記載の液晶表示装置において、
前記複数の発光素子は、前記立ち上がり応答時間と前記立ち下がり応答時間とのいずれか一方または両方に基づいて、光出力値を変化させることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項記載の液晶表示装置において、
応答時間特定手段は、前記検出温度と前記立ち上がり応答時間及び立ち下がり応答時間の関係を規定したデータテーブルに基づいて、該立ち上がり応答時間及び立ち下がり応答時間を特定することを特徴とする液晶表示装置。
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