JP2008249521A - 光学特性測定装置、光学特性測定方法 - Google Patents

光学特性測定装置、光学特性測定方法 Download PDF

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義幸 長嶋
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Katsutoshi Tsuruya
Tomohiro Fukamizu
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Abstract

【課題】正反射角の高い検出精度を有する光学特性測定装置及び光学特性測定方法を提供する。
【解決手段】分光部22と受光部20とを一体化し、これらをジオメトリー平面に直交し、且つ、開口中心Aを通る軸を回転軸として回転可能に構成した。また、反射特性値の測定動作を行う前に、正反射光の反射方向に相当する位置を基準とする所定領域内で詳細にスキャンする(複数の位置で受光動作を行う)ようにした。そして、その正反射光の位置に基づいて反射特性値を算出するための測定位置を決定し、その測定位置で測定動作を行うようにした。
【選択図】図3

Description

本発明は、照明方向や観察方向によって異なる色彩を有するメタリック塗装やパール塗装などの特殊効果塗膜の光学特性の測定に用いられる光学特性測定装置及び光学特性測定方法に関する。
例えば自動車のボディの塗装などに用いられるメタリック塗料やパールカラー塗料には、薄片状のアルミニウムやマイカなどからなる光輝材が含まれており、この光輝材の向きに起因する反射光のばらつきにより、光輝材からの反射光強度が見る方向によって異なり、これによってメタリック効果やパール効果が得られる。このような性質を有するメタリック塗装やパールカラー塗装などの素材の光学特性を測定する場合は、1つの角度から見た反射光のみで測定を行っても光輝材のばらつきによる光学特性の違いを評価することはできないことから、通常、複数の角度の反射光を測定することで前記光学特性の違いを評価する。ここで、複数の角度の反射光を測定できる装置としてマルチアングル測色計が用いられる。
この種のマルチアングル測色計においては、一般的に、以下のようなジオメトリー誤差を有する。
(1)初期角度誤差;この誤差は、製造上の様々な誤差によって、照明方向及び受光方向の測定面法線(測定対象物の被測定面の法線)からの角度(対法線角)が、本来の設計値からずれることにより生ずる誤差である。
(2)姿勢誤差;この誤差は、測定面法線とマルチアングル測色計の基準軸とが一致しないために生じる誤差。測定面が平面でない場合に生じ易い誤差である。
このようなジオメトリー誤差は、とりわけ反射特性の方向依存性が大きい正反射に近い方向での角度誤差に起因する測定安定性に影響を与える。例えば、測定面法線に対し45°傾斜した方向から照明光を照射し、当該照明光の正反射方向から15°、25°、45°、75°及び110°だけそれぞれ傾いた各方向(位置)で受光する一方向照明多方向受光方式のマルチアングル測色計では、正反射方向から15°、25°方向の測定値に対するジオメトリー誤差の影響が特に大きくなる。
このようなジオメトリー誤差の影響を解消すべく、例えば下記特許文献1には前記姿勢誤差の補正技術が示されている。特許文献1の方法は、補正の基礎となる姿勢誤差量を45°方向の照明に対する反射特性の方向依存性を関数近似して姿勢誤差を推定し、この推定値に基づいて誤差補正を行うものである。
しかしながら特許文献1の方法では、一般的なマルチアングル測色計の45°方向の照明系を、姿勢誤差検出用の照明系として用いている関係上、精度良く姿勢誤差の補正を行うことができなかった。すなわち、測定面法線から大きく離間した45°方向の照明系を用いた場合、前記反射特性の方向依存性を求めるに際してベースとなる反射特性が、正反射方向の両側での媒質の光学特性の非対称性や他の要因の影響を受けて対称な反射特性とならないことから、関数近似の精度が十分でなく、姿勢誤差量の精度も十分でないという問題があった。
そこで、このような問題を解決するべく、下記特許文献2には、照明光学系とは別系統の測定系で構成された姿勢誤差検出用照明系を備え、姿勢誤差検出用照明系により、測定面に向けて、測定面と直交する面内の略法線角方向から照明光を照明し、その反射光強度に基づいて姿勢誤差を検出する構成が開示されている。
特開2001−50817号公報 特開2006−10508号公報
しかしながら、前記特許文献2は、実際の正反射光を検出するものではなく、正反射光から離れた位置で、姿勢誤差検出用照明系における反射光の強度に基づいて姿勢誤差を検出するため、依然として十分な正反射角(姿勢誤差)の推定精度が得られなかった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、正反射角の高い検出精度を有する光学特性測定装置及び光学特性測定方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、被測定物を照明する照明部と、前記照明部による照明状態下で前記被測定物により反射される反射光を複数の受光角で受光可能な受光部と、前記各受光角で前記受光部から得られた出力信号に基づき、前記正反射光の位置を検出する検出部と、前記検出部により検出された正反射光の位置を基準に、予め設定される所定の位置で前記照明部の照明動作により被測定物から反射される反射光を前記受光部に受光させる受光制御部と、前記受光制御部の指示により前記受光部から得られた出力信号に基づいて、前記被測定物の光学特性値を算出する算出部とを有する光学特性測定装置である。
請求項6に記載の発明は、被測定物を照明する照明部と、前記照明部による照明状態下で前記被測定物により反射される反射光を複数の受光角で受光可能な受光部とを備えた光学特性測定装置の光学特性測定方法であって、検出部が、前記各受光角で前記受光部から得られた出力信号に基づき、前記正反射光の位置を検出するステップと、受光制御部が、前記検出部により検出された正反射光の位置を基準に、予め設定される所定の位置で前記照明部の照明動作により被測定物から反射される反射光を前記受光部に受光させるステップと、算出部が、前記受光制御部の指示により前記受光部から得られた出力信号に基づいて、前記被測定物の光学特性値を算出するステップとを有する光学特性測定方法である。
これらの発明によれば、前記受光部に複数の受光角で反射光を受光させ、前記各受光角で前記受光部から得られた出力信号に基づき、前記正反射光の位置を検出するようにしたので、正反射光の位置(出射方向)を正確に検出することが可能となる。
そして、そのようにして検出した正反射光の位置を基準に、予め設定される所定の位置で前記照明部の照明動作により被測定物から反射される反射光を前記受光部に受光させて、その受光動作で得られた出力信号に基づいて、前記被測定物の光学特性値を算出するようにしたので、被測定物の光学特性値を正確に算出することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光学特性測定装置において、前記受光部は、前記被測定物に入射する入射光の光軸と前記被測定物による反射光の光軸とを含むジオメトリー平面に直交し、且つ、前記入射光の光軸と前記反射光の光軸との交点を通る軸を回転軸として回転可能に構成されているものである。
この発明によれば、前記受光部を、前記被測定物に入射する入射光の光軸と前記被測定物による反射光の光軸とを含むジオメトリー平面に直交し、且つ、前記入射光の光軸と前記反射光の光軸との交点を通る軸を回転軸として回転可能に構成したので、前記被測定物により反射される反射光を前記受光部が複数の受光角で受光可能な構成を、比較的簡単な構成で実現することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の光学特性測定装置において、前記受光部は、前記被測定物の測定面に接する中心軸に対して回転対称な反射面を有するトロイダル鏡と、前記中心軸と一致する回転軸を中心として回転可能に構成され、前記トロイダル鏡の反射面で反射された反射光のうち、回転角度に対応する反射光を反射する回転光学系と、前記回転光学系により導かれた光を受光する受光センサとを備え、前記トロイダル鏡は、前記照明部による照明状態下で前記被測定物から反射される反射光のうち、前記中心軸に垂直な測定平面に平行な反射光を反射するとともに、当該トロイダル鏡の焦点円周上の前記中心軸回りの各方向に応じた位置に収束するものであり、前記被測定物から反射される反射光の反射方向に応じた位置に収束された光が、それぞれ前記回転光学系の回転軸周りの回転角度に応じて前記受光部に選択的に導かれるように構成されているものである。
この発明によれば、前記被測定物により反射される反射光を前記受光部が複数の受光角で受光可能な構成を、コンパクトな構成で実現することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の光学特性測定装置において、前記検出部は、前記各受光角で前記受光部から得られた出力信号のうち最大の出力値を有する出力信号を抽出し、この抽出した出力信号が得られた受光角に相当する位置を前記正反射光の位置として検出するものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の光学特性測定装置において、前記検出部は、前記各受光角で前記受光部から得られた出力信号の分布に対して重心を算出し、該重心に相当する位置を前記正反射光の位置として検出するものである。
請求項4,5に記載の発明によれば、正反射光の位置を複雑な演算を要することなく比較的簡単に且つ短時間で精度良く検出することができる。特に請求項4に記載の発明によれば、前記各受光角で前記受光部から得られた出力信号のうち最大の出力値を有する出力信号を抽出するだけであるから、重心の演算を要する請求項5に記載の発明に比して、短時間で正反射光の位置を検出することができる。一方、請求項5に記載の発明によれば、重心を算出するため、単に最大の出力値を有する出力信号を抽出する請求項4に記載の発明に比して、正反射光の位置をより高精度に検出することができる。
本発明によれば、被測定物の光学特性値を正確に算出することができるため、被測定物本来の光学特性、好ましくは光学的表面特性、さらに好ましくは反射特性を評価することができるとともに、被測定物の光学特性値の測定毎に、正反射光の位置を正確に検出するため、測定再現性を向上することができる。
本発明に係るマルチアングル測色計の実施形態について説明する。図1は、本発明に係るマルチアングル測色計の外観例を示す図である。図1に示すように、マルチアングル測色計1は、作業者により保持される保持部1aと、該保持部1aの一端側に設けられた操作表示部1bと、前記保持部1aの他端側に設けられた当接部1cとを備えて構成されており、持ち運び可能なポータブル構造を有している。
保持部1aには、被測定物に対する測定動作の開始を指示する入力を行うための測定トリガボタン1a−1が備えられている。測定トリガボタン1a−1は、前記測定動作の開始指示入力の操作性を考慮して、例えば保持部1aを測定者が把持した際に親指が当接する位置に設置されている。操作表示部1bは、測定結果を表示する表示部1b−1と、電源のオンオフを切り替えるための電源ボタン、表示部1b−1による表示動作のオンオフを切り替えるための表示切替ボタン等からなる操作部1b−2とを備える。当接部1cは、被測定物の測定面に接触させる底面1c−1を備えた部位であり、該底面1c−1には測定開口3が穿設されている。
図2は、測定開口3近傍の構成を示す断面図である。図2に示すように、当接部1cの底面1c−1は平面をなし、測定開口3は、この平面内で例えば楕円形状を有して形成されている。以下、この平面を開口平面Xといい、また、測定開口3の中心を開口中心A、前記開口平面Xに直交し、開口中心Aを通る直線を法線Gというものとする。なお、図2では、開口平面Xを示すため、当接部1cの底面1c−1と被測定物Sの測定面とを離間して図示しているが、被測定物Sの測定面が均一な平面の場合には、当接部1cの底面1c−1と被測定物Sの測定面とは密着する。
図3は、本発明に係るマルチアングル測色計1の内部構成の一例(第1の実施形態)を示す図である。図4は、マルチアングル測色計1の制御系を示すブロック図である。
図3に示すように、マルチアングル測色計1は、照明部10と、受光部20と、制御部30とを備えている。照明部10は、ハロゲンランプやキセノンフラッシュランプ等からなる光源11と、光源11を駆動する発光回路12と、光源11から出力される光束を規制する光束規制板13と、コリメートレンズ14とを備えて構成されている。光源は、法線Gに対して所定角度(例えば45°)を有する位置に設置されている。光束規制板13は、その開口13aがコリメートレンズ14の焦点位置に一致するように配置されており、光束規制板13の開口13aを通過した光源11からの光束は、コリメートレンズ14によってコリメート(集光)されて平行光束となって被測定物Sの測定面に導かれる。
受光部20は、被測定物Sから反射された平行光束を集束する受光光学系21と、この受光光学系21の結像位置に配設され、受光光学系21を透過した光を制限する後述の入射スリット22a及び入射光束を波長ごとに分離する後述の回折格子22a(図5参照)を備えた分光部22と、光強度に応じた分光データを出力する受光センサ23とを備えて構成されており、受光光学系21を透過して入射スリット22aに入射した光束の分光強度を測定するものである。図5は、分光部22の一例を示す構成図である。
図5に示すように、分光部22は、前記入射スリット22aが適所に形成されたケース22d内に、レンズ22bと回折格子22cとを備えて構成されている。レンズ22bは、入射スリット22aを通過した被測定光を平行光にして回折格子22cへ導くと共に、回折格子22cによって分散された入射スリット22aの分散像を受光センサ23の受光面に結像させる。回折格子22cは、入射した測定光を波長に応じて反射・分散させる機能を有し、受光センサ23上に前記入射スリット22aの分散像を結像させるものである。
受光センサ23は、所定の間隔で配列された複数の受光チャンネル(画素)を備えてなり、例えばシリコンフォトダイオードが一方向に1列に配列されたシリコンフォトダイオードアレイにより構成される。受光センサ23の各受光チャンネルに入射した分散光(入射スリット分散像)は、各々のフォトダイオードの光電変換作用により電流に変換される。
図3、図4に戻り、受光センサ23の各受光チャンネルから出力されるアナログ受光信号は、図略の増幅回路により増幅処理とA/D変換部24によりA/D変換処理とが行われた後、制御部30により取り込まれ、制御部30において、被測定光の分光強度及び該分光強度に基づく反射特性値が算出される。
分光部22は、モータ25からの駆動力を受ける駆動力伝達部材の一例としてのアーム26が接続されている。また、分光部22と受光センサ23とは一体化されている。そして、アーム26がモータ25から駆動力を受けると、分光部22及び受光センサ23は、前記被測定物Sに入射される入射光の光軸L1と前記被測定物Sによる反射光の光軸L2とを含む平面R(図1の紙面:以下、ジオメトリー平面という)に直交し、且つ、前記入射光の光軸と前記反射光の光軸との交点(開口中心A)を通る軸を回転軸として、図1に示す矢印Qの方向に回転する。この構成により、受光部20は反射光の受光位置を変えることができ、複数の受光位置で反射光を受光することができる。なお、前記受光位置は、受光角で規定されるものであり、該受光角とは、本実施形態では、法線Gと受光部20(受光光学系21)の光軸とのなす角をいう。
制御部30は、図略のCPU(Central Processing Unit:中央演算処理部)と、そのCPUの動作を規定するプログラムを格納するROM(Read Only Memory)や一時的にデータを保管するRAM等の記憶部などを有して構成されており、マルチアングル測色計1の全体の動作を制御するものである。制御部30は、機能的に、光源11の発光動作を制御する照明制御部31と、受光センサ23の受光動作を制御する受光制御部32と、受光センサ23からの出力信号に基づいて被測定物Sの反射特性値等を求める演算処理部33と、モータ25の駆動を制御する駆動制御部34とを有する。受光制御部32は、前記受光制御部を含み、演算処理部32は、前記検出部及び算出部を含む。
ここで、本実施形態では、制御部30における前記各部31〜33が次のような処理を行う点に特徴を有している。図6は、制御部30による一連の処理を示すフローチャートである。
図6に示すように、まず、制御部30は、ダーク測光を行う(ステップ♯1)。このダーク測光とは、受光センサ23や受光部20に備えられる各種回路のオフセット(受光センサ23に光が略完全に入射されない状態で得られる出力値)をキャンセルするため、光源11を消灯させた状態で受光センサ23の受光動作を行わせて出力値を得る動作である。前記出力値は、制御部30内の図略の記憶部に格納される。
次に、制御部30は、光源11を点灯させ(ステップ♯2)、受光部20を正反射光の近傍位置へ移動させる(ステップ♯3)。正反射光の近傍位置とは、光源11と法線Gに対して略対称な位置であり、正反射光を受光できると想定される位置である。そして、制御部30は、その位置で受光部20に測光動作を行わせるとともに、受光部20による測光回数をカウントする図略のカウンタを動作させてそのカウント値NをN=0に設定した後(ステップ♯4)、受光部20を予め定められた比較的微小な角度ピッチ(例えば1°)だけ図1に示す矢印Qで示す方向に回転させ、その位置で受光部20に測光動作を行わせる(ステップ♯5)。制御部30は、前記正反射光の近傍位置を中心に複数の位置で受光部20に測光動作を行わせたか否か、すなわち、受光部20による測光回数Nが予め定められた回数Ntに達したか否かを判断し(ステップ♯8)、達していない場合には(ステップ♯8でNO)、ステップ♯5〜♯7を繰り返し実行する。例えば、前記正反射光の近傍位置から矢印Qが示す2つの方向に正負を設定すると、ステップ♯5〜♯7においては、制御部30は、前記近傍位置から例えば±5°の移動角度で表される測定範囲を例えば1°ピッチで受光部20に測光動作を行わせる。
そして、制御部30は、受光部20による測光回数Nが予め定められた回数Ntに達すると(ステップ♯8でYES)、前記各位置で得られた出力値からステップ♯1のダーク測光で得られたオフセットを差し引いた値に基づいて正反射光の位置を検出する(ステップ♯9)。ここで、正反射光の位置検出は、反射特性値の算出処理を行う必要はなく、前記受光センサ23が受光動作を行った前記各位置と受光センサ23の出力値との関係から正反射角を導出することで、演算時間の短縮化を図ることができる。すなわち、前記各位置と受光センサ23の出力値との関係から正反射角を導出する方法として、例えば、前記各位置で得られた受光センサ23の出力値のうち、最大の出力値(ピーク値)が得られた位置をそのまま正反射光の位置として設定する方法がある。また、これとは別に、前記各位置において受光センサ23から得られた出力値の分布について重心位置を算出し、この重心位置を正反射光の位置として設定する方法もある。すなわち、前記各位置をK(1),K(2),…,K(N−1),K(N)、これらの位置で受光センサ23から得られた出力値をD(1),D(2),…,D(N−1),D(N)とすると、制御部30は、次式により重心位置Kgを算出する。
Kg={D(1)×K(1)+D(2)×K(2)+…+D(N−1)×K(N−1)+D(N)×K(N)}/{K(1)+K(2)+…+K(N−1)+K(N)}
前記各位置で得られた受光センサ23の出力値のうち、最大の出力値(ピーク値)が得られた位置をそのまま正反射光の位置として設定する方法を採用した場合には、重心位置を算出する方法を採用する場合に比して、短時間で正反射光の位置を検出することができる一方、重心位置を算出し該重心位置を正反射光の位置として設定する方法を採用した場合には、最大の出力値(ピーク値)が得られた位置をそのまま正反射光の位置として設定する場合に比して、正反射光の位置をより高精度に検出することができる。
次に、制御部30は、ステップ♯9で検出された正反射光の位置を基準に複数の測定位置を決定する。例えばDIN(ドイツ工業標準規格)の規格では、メタリック塗装の測色を行う場合、正反射光の位置から+15°、+25°、+45°、+75°、+110°の各角度(以下、アスペキュラー角という)だけ移動した位置が測定位置として設定されている。制御部30は、決定した複数の測定位置のうち第1番目の測定位置に受光部20を移動させ(ステップ♯10)、その測定位置で測光動作を行う(ステップ♯11)。
そして、制御部30は、全ての測定位置での測定動作が完了したか否かを判断し(ステップ♯12)、全ての測定位置での測定動作が完了していない場合には(ステップ♯12でNO)、ステップ♯10に戻り、受光部20を他の測定位置に移動して測光動作を行う。一方、全ての測定位置での測定動作が完了すると(ステップ♯12でYES)、制御部30は、光源11を消灯させ(ステップ♯13)、受光部20を初期位置に移動させ(ステップ♯14)、ステップ♯11の測光動作で受光センサ23から得られた各出力値に基づいて、各測定位置での反射特性値を算出する(ステップ♯15)。
以上のように、本実施形態では、反射特性値の測定動作を行う前に、正反射光の反射方向に相当する位置を含む所定領域内(前述の例では、前記近傍位置から例えば±5°の移動角度で表される測定範囲)で詳細にスキャンする(複数の位置で受光動作を行う)ようにしたので、正反射光の位置を正確に検出することができる。そして、その正反射光の位置を基準に反射特性値を算出するための測定位置を決定し、その測定位置で測定動作を行うようにしたので、被測定物Sの反射特性値を正確に検出することができる。
図7は、光源11により被測定物Sの測定面を照明したときに該測定面で反射される反射光の強度分布を開口中心Aからの距離の大小で示した図である。図7(a)〜(c)に示す強度分布M〜M”において、突出した部分は正反射光を示し、他の部分は拡散光を示す。図7(a)に示すように、マルチアングル測色計1における測定開口3の開口平面Xと被測定物Sの測定面Saとが略一致している場合、正反射光の想定位置と実際の正反射光の位置とは一致する。したがって、図7(a)の強度分布Mに示すように、正反射光の想定位置(図7(a)の「A」で示す位置)にピーク値が存在し、その想定位置からアスペキュラー角だけ移動した位置(図7(a)の「B」で示す位置)を測定位置として設定することができる。
ところが、測定開口3の開口平面Xと被測定物Sの測定面Saとが略一致していない場合、正反射光の想定位置と実際の正反射光の位置とは一致せず、例えば、ピーク値が得られる位置が、図7(b)に示すように、「A」で示す位置から「A’」で示す位置に移動する。ここで、被測定物Sからの反射光を、「A」で示す位置を基準とした「B」で示す位置で受光すると、正反射光の位置が図7(a)に示す場合とずれているため、受光センサ23による出力値に誤差が生じる(ここでは図7(a)に示す場合より大きな出力値となる)。
本実施形態では、このような場合でも、正反射光の想定位置を含む所定領域内で詳細にスキャンすることで、実際の正反射光の位置、ここでは図7(b)の「A’」で示す位置を正確に検出することができるので、その位置からアスペキュラー角だけ移動した位置(図7(b)の「B’」で示す位置)も正確に検出することができる。したがって、図7(a)の「A」で示す位置を正反射光の位置として測定位置を算出し該測定位置で測定動作を行う場合に比して、誤差の少ない出力値を得ることができる。
また、被測定物Sに光輝材(アルミフレークSf)が含まれており、その光輝材が被測定面に対して傾いた状態で含有されている場合にも、正反射光の位置と実際の正反射光の位置とは一致しない場合がある。この場合、ピーク値が得られる位置が、図7(c)に示すように、「A」で示す位置から「A”」で示す位置に移動する。ここで、被測定物からの反射光を、「A」で示す位置を基準とした「B」で示す位置で受光すると、正反射光の位置が図7(a)に示す場合とずれているため、受光センサ23による出力値に誤差が生じる(ここでは図7(a)に示す場合より大きな検出値となる)。
本実施形態では、このような場合でも、正反射光の想定位置を含む所定領域内で詳細にスキャンすることで、実際の正反射光の位置、ここでは図7(c)の「A”」で示す位置を正確に検出することができるので、その位置からアスペキュラー角だけ移動した位置(図7(c)の「B”」で示す位置)も正確に検出することができる。したがって、図7(a)の「A」で示す位置を正反射光の位置として測定位置を算出して該測定位置で測定動作を行う場合に比して、誤差の少ない出力値を得ることができる。
本件は、前記各実施形態に代えて、或いは前記各実施形態に加えて次の変形形態も採用可能である。
[1]被測定物Sから反射される反射光を受光する受光角を変える構成は、前記実施形態のように一体化された分光部22及び受光センサ23をモータ25により図1に示す矢印Qの方向に駆動する構成に限らず、次のような構成も採用可能である。図8は、マルチアングル測色計の内部構成の他の例を示す断面図、図9は、図8の法線Gにおける側断面図、図10は、図8に示す光源の位置における側断面図、図11は、マルチアングル測色計の内部構成を立体的に示した斜視図である。
図8〜図11に示すように、本実施形態のマルチアングル測色計100は、測定面Saに接する中心軸Z(図9〜図11参照)に対して回転対称の反射面を有するトロイダル鏡110と、前記測定面Saに対して照明光を照射する照明部120と、前記測定面Saからの反射光を受光する受光部130と、制御部30とを備えている。なお、制御部30は、前記第1の実施形態における制御部30と略同様である。
トロイダル鏡110は、互いに直交する面内で異なる断面をもつ凹面鏡である。本実施形態で例示しているトロイダル鏡110は、中心軸Zをもち、この中心軸Zに直交する面内の断面は、図8に示すように比較的大きな円弧111とされ、中心軸Zを含む面内の断面は、図9に示すように比較的小さい円弧112とされた半円環状の光学部材である。
すなわち、測定面Saの中心Pにおける法線Gを含む面を測定平面R(図8参照)とすると、トロイダル鏡110は、前記測定平面Rに直交し且つ前記測定面Saに接する中心軸Zを有する。また、トロイダル鏡110は、前記中心軸Zに直交する面内では、中心軸Zを中心とする大きな円弧状の断面(円弧111)を有し、前記中心軸Zを含む面内では、放物線状の断面(円弧112)を有している。但し、前記円弧112(放物線)は、前記測定平面Rに平行で所定距離だけ離れた面内の中心軸Zを中心とし、前記円弧111のおよそ1/2の半径を有する焦点円周111f上に焦点Fを有し、前記焦点Fから中心軸Zに降ろした垂線hを対称軸とする放物線である。
このようなトロイダル鏡110を具備させることで、測定面Saからの反射光のうち、前記中心軸Zに垂直な測定平面Rに平行で、且つ前記中心軸Z上で反射された反射光がトロイダル鏡110により反射される。そして、当該トロイダル鏡110の焦点円周111f上の、前記測定面Saで反射される前記反射光の反射方向に応じた位置に光束が収束されるようになる。
照明部120は、トロイダル鏡110の焦点円周111f上であって、法線Gに対して45°傾いた位置に配置された光源121を有している。光源121から出力される照明光束は、直接測定面Saへ照射されるのではなく、図8、図10に示すように、一旦トロイダル鏡110で反射されることで平行光束に変換された上で測定面Saに照射される。このような構成とすることで、測定面Saの周囲に光源121と前記第1の実施形態のようなコリメートレンズ14(図3参照)とを設置する構成に比べて、照明部120を大幅に小型化できるようになる。
受光部130は、回転光学系として機能する平面鏡131と、リレー光学系としてのリレーレンズ132とを有する受光光学系と、前記実施形態と略同様の分光部22及び受光センサ23とを備える。なお、リレーレンズ132は、回転しない固定光学系である。分光部22及び受光センサ23は、前記実施形態と略同様であるからその説明を省略し、前記実施形態と同一の番号を付している。
平面鏡131は、楕円形(図11参照)を有する高反射率の反射面を有する光学部品であって、前記トロイダル鏡110の中心軸Zと一致する回転軸131x(図9参照)を有している。具体的に、平面鏡131は、回転軸131xに対して所定角度だけ傾斜して設置されており、制御部30により、回転軸131x周り(図8、図11に示す矢印cの方向)に回転駆動されるようになっている。平面鏡131の回転範囲は、トロイダル鏡110における前記円弧111の全範囲に対向できるよう、回転軸131x周りに180°程度回転するように設定されている。
すなわち、平面鏡131は、トロイダル鏡110で反射され焦点円周111f上に収束した全ての光束が入射可能な位置に、且つ、中心軸Z(回転軸131x)の方向に前記光束を反射させることが可能な所定の傾斜角度で回転自在に配置される。そして、平面鏡131の回転角度により、前記焦点円周111f上における光束の収束位置が選択され、特定方向の光束のみが分光部22の入射スリット22a(入射開口)へ導かれる。このように、平面鏡131の回転により、前記被測定物Sから反射される反射光のうち、受光する反射光を変えることができ、ひいては複数の受光角で反射光を受光することができる。なお、本実施形態における受光角とは、測定面Saで反射されトロイダル鏡110に入射される光束(後述する反射光束121c)の光軸と法線Gとのなす角をいう。
図12は、平面鏡131の機能を説明するための図であって、図11に示した平面鏡131の反射面と中心軸Zとの交点Tを通り、中心軸Zに直交する面における断面を模式的に示す図である。
図12の実線で示すように、平面鏡131の断面の稜線が測定面Saに平行な場合、測定面Saからの反射光のうち、前記法線Gに一致する半径RP1に平行な成分が、トロイダル鏡110における前記測定面Saと正対する反射面部分A1で反射され、焦点円周111f上の点F1に収束された後、入射スリット22aへ選択的に再収束される。
一方、図12の点線で示すように、平面鏡131の断面の稜線が測定面Saに平行な状態から所定角度θだけ回転した場合、前記法線Gから角度θだけ回転した半径RP2に平行な成分が、トロイダル鏡110における前記測定面Saと正対する反射面部分A2で反射され、焦点円周111f上の点F2に収束された後、入射スリット22aへ選択的に再収束される。
このように平面鏡131は、その回転角度に応じて反射光の方向を選択し、入射スリット22aへ入射させることができる。すなわち、平面鏡131は、照明方向に対する受光方向の角度が、平面鏡131の回転角度に応じて可変とされるものである。
リレーレンズ132は、正の光学的パワーを有する光学レンズからなり、平面鏡131で反射された中心軸Z(回転軸131x)方向の反射光を、入射スリット22aに収束させるものである。これにより、平面鏡131の回転角度に応じて選択された焦点円周111f上の所定位置に収束した光束が入射スリット22aに入射することとなる。
以上のように構成されたマルチアングル測色計100の動作(光路)を、図8、図9、図11を参照しつつ説明する。
法線Gに対して45度傾いた位置に配置された光源121から、トロイダル鏡110に向けて出力された光束121aは、トロイダル鏡110により反射され、測定平面Rに平行であって対法線角45度の方向の平行光束121bとなって測定面Saに照射される。前記平行光束121bは、この測定面Saにより当該測定面Saの反射特性に応じて反射される。
この反射光のうち、前記測定平面Rに平行な成分である反射光の光束121c(図8,図9では、法線G方向の光束のみを示している)が、トロイダル鏡110にて反射される。そして、この反射光束121dは、トロイダル鏡110の円弧112が前記垂線hを対象軸とする放物線とされていることから、焦点円周111f上の、前記測定面Saで反射される前記反射光の反射方向に応じた位置(トロイダル鏡110での反射方向に依存する点)に収束される。
焦点円周111f上の各点は、前記平面鏡131とリレーレンズ132とによって、分光部22の入射スリット22aと結像関係を有する。また、平面鏡131の回転によって、前記焦点円周111f上の各点に収束した光束が選択される。従って、平面鏡131の回転角に応じて、トロイダル鏡110から入射スリット22aへ至る光路が形成される。すなわち、平面鏡131で選択された焦点Fからの拡散光束121eは、平面鏡131にて中心軸Z(回転軸131x)方向へ反射され、リレーレンズ132へ入射する。そして、該リレーレンズ132により収束された光束121fとされて入射スリット22aへ入射する。
このとき、受光センサ23により計測される分光強度は、平面鏡131の回転角度で決定する方向の反射光の分光強度となる。図8の例では、平面鏡131の回転角度が、法線G方向の反射光が選択される回転角度とされているので、前記照明光に対する対法線角0度方向の反射光の分光強度が測定されることとなる。
以上のような構成において、正反射光が入射スリット22aに導かれると想定される平面鏡131の回転角度を予め導出しておき、該平面鏡131をその回転角度から所定回転角度ピッチずつ回転させつつ受光センサ23により受光動作を行うことで、正反射光の位置(本実施形態では正反射光が導かれている方向に相当)を正確に検出することができる。そして、その検出した正反射光の位置を基準に平面鏡131の回転角度、ひいては受光角を決定し、その受光角で測定動作を行うことで、被測定物Sの反射特性値を正確に検出することができる。
[2]前記変形形態[1]を実用化するに際しては、次の(1)〜(3)の点を解決することが望ましい。
(1)平面鏡131の回転軸131x、リレーレンズ132の光軸及び分光部22の入射スリット22aが、測定面Saに接するトロイダル鏡110の中心軸Zに一致する構成であることから、平面鏡131、リレーレンズ132及び分光部22の一部が、測定面Saよりも下側に配置され(図9参照)、測定面Saとマルチアングル測色計100の一部とが干渉することから大きな被測定物を測定対象とすることができない。
(2)トロイダル鏡110で反射された光束は、焦点円周111f上の各点に収束した後、再び拡散して平面鏡131、リレーレンズ132に入射するため、大きな有効径を有する平面鏡131やリレーレンズ132を必要とし、マルチアングル測色計100が大型化する懸念がある。
(3)光源11の変動をモニタする参照光学系を組み込む必要がある。
図13は、上記(1)〜(3)の点を考慮したマルチアングル測色計200の構成を示す正面図であり、図14は、図13の側断面図である。このマルチアングル測色計200が、先に説明した変形形態[1]のマルチアングル測色計100と相違する点は、トロイダル鏡110と被測定物Sとの間に、トロイダル鏡110の実際の中心軸Zと所定の角度をなして前述の測定平面R(図8,図9参照)を折り曲げる反射鏡201を備えている点である。これにより、上記(1)の問題を解消することができ、自動車ボティのような大きなサイズの測定面Saの光学特性の測定を行うことができる。また、リレー光学系として平面鏡131と焦点円周111fとの間に第2リレーレンズ202を配置した点、及び参照光学系250を具備させた点においてもマルチアングル測色計100と相違する。これにより、上記(2)、(3)の問題を解消している。以下、これら相違点を中心に説明する。なお、前記変形形態[1]と同様の機能を有する部材については、その説明を省略し、前記変形形態[1]と同一の番号を付するものとする。
反射鏡201は、細長い矩形状を有する平面ミラーからなり、トロイダル鏡110の中心軸Zとトロイダル鏡110の反射面との間に、測定平面Rを90°折り曲げる傾斜角度で固定して配置されている(図14参照)。なお、測定面Saの位置は、反射鏡201で光路が折り曲げられるものの、実質的にはトロイダル鏡110の中心軸Zに接する位置と等価な位置である。このように、トロイダル鏡110と測定面Saとの関係については、先のマルチアングル測色計100のようにトロイダル鏡110の中心軸Zに実際に接するように測定面Saを配置しても、このマルチアングル測色計200のように反射鏡201を介在させることで、実際には中心軸Zに接していないが接している態様と等価な態様で測定面Saを配置することができる。
リレー光学系は、平面鏡131と入射スリット22aとの間に配置された第1リレーレンズ132に加えて、平面鏡131と焦点円周111fとの間に配置された第2リレーレンズ202とを備えて構成されている。第2リレーレンズ202は、図示を簡略化しているが、平面鏡131が回転駆動されると、該平面鏡131と一体的に回転する。第2リレーレンズ202を加えることで、焦点円周111f上の各点に収束した光束の拡散を抑えることができ、これにより平面鏡131及び第1リレーレンズ132に入射する光束が絞られることから、平面鏡131並びに第1リレーレンズ132の有効径を抑えることが可能となる。従って、マルチアングル測色計100のコンパクト化が図れる。
参照光学系250は、拡散板251と参照用ファイバ252とを具備してなり、トロイダル鏡110の中心軸Z方向に延設された延長部110xで反射された参照光束260r(光源11から出力される光束の一部)が入射する位置に設置されている。拡散板251は、参照光学系250の入射面を構成するものであって、入射光を拡散透過させる性質を有する光学部材からなり、トロイダル鏡110の中心軸Z上に配置される。なお、拡散板251は、図14に示すように、反射鏡201と干渉しない位置に設置されている。また、参照用ファイバ252は、前記拡散板251の裏面側にその入射端252aが配置され、拡散板251に入射しこの拡散板251を拡散透過した参照光束260rの一部の光束251rが参照用ファイバ252の入射端252aに参照光として入射する。
なお、前記拡散板251を設置せず、参照用ファイバ252の入射端252aを、トロイダル鏡110の中心軸Z上に直接配置して参照光を取り入れるようにしても良い。しかし、この実施形態のように、拡散板251を介して参照用ファイバ252の入射端252aに参照光を取り入れる構成としておけば、拡散板251によって拡散された参照光束260rの一部が入射端252aに入射することから、例えば焦点円周111f上に複数の光源を配置したような場合でも、各方向の光源についての参照光を参照用ファイバ252の入射端252aに取り入れることができるという利点がある。
本実施形態の分光部133には、リレー光学系を経由する反射光が入射する前述の入射スリット22aと、参照光を入射させるための参照光スリット22eとの2つの入射スリットを備えるデュアルチャンネル型の構成を有する。入射スリット22aは、中心軸Zの延長線上に配置され、また、参照光スリット22eには、前記参照用ファイバ252の出射端252bが接続される。
平面鏡131を回転駆動させる機構として、本実施形態では、パルスモータ及びパルスモータ駆動回路を備えるモータ部253を用いる例を示している(図14参照)。前記パルスモータの出力軸は、平面鏡131の回転軸253aに直結されており、パルスモータ駆動回路から所定の駆動パルスがパルスモータに与えられることで、平面鏡131が回転軸253a周りに回転駆動されるように構成されている。モータ駆動回路の動作は、制御部30により制御される。
以上のように構成されたマルチアングル測色計200の動作(光路)を、図13,図14を参照しつつ説明する。法線Gに対して45度傾いた位置に配置された光源11から出力された光束121aは、トロイダル鏡110にて反射され、対法線角45度の方向の平行光束121bとなって反射鏡201に入射され、該反射鏡201で反射された平行光束121cが測定面Saに照射される。この測定面Saにて、当該測定面Saの反射特性に応じて前記平行光束121cが反射され、その反射光束121dが再び反射鏡201に入射し、反射される。
この反射光のうち、中心軸Zに垂直な測定平面Rに平行な成分である反射光の光束121eがトロイダル鏡110にて反射される。そして、この反射光束121fは、トロイダル鏡110の円弧112が前記垂線hを対象軸とする放物線とされていることから、焦点円周111f上の、前記測定面Saで反射される前記反射光の反射方向に応じた位置121gに収束される。この収束位置121gは、前述の通り平面鏡131の回転角に応じて選択される。その後、平面鏡131で選択された収束位置121gからの拡散光束121hは、第2リレーレンズ202により絞られた上で、この透過光束121iが平面鏡131にて中心軸Z方向へ反射され、リレーレンズ132へ入射する。そして、該リレーレンズ132により収束され、その光束121jが入射スリット22aへ入射する。
一方、参照光については、光源121から出力される光束の一部であってトロイダル鏡110の延長部110xで反射された参照光束260rが拡散板251に照射され、拡散板251を拡散透過した光の一部が参照光として参照用ファイバ252の入射端252aに入射する。そして、参照用ファイバ252により前記参照光が伝送されて、参照光スリット22eへ入射する。
[3]前記変形形態[1],[2]では、光源121を、焦点円周111f上に配置する例について例示したが、この形態に代えて、図15に示すような構成を有する照明部120’を設置しても良い。なお、図15は、前記変形形態[2]の構成に、本実施形態の構成を適用した図を示している。
図15に示すように、照明部120’は、光源121、光源反射鏡122及び集光レンズ123を備えて構成されている。光源反射鏡122は、トロイダル鏡110の焦点円周111f上において所定の角度で配置され、光源121から出力された、集光レンズ123で収束された光束124aを反射し、トロイダル鏡110の反射面に拡散光束124bとして射出する。この拡散光束124bは、トロイダル鏡110で反射されることで平行光束124cとされ、測定面Saに(前記変形形態[1]の場合は直接測定面Saに、また、前記変形形態[2]の場合は反射鏡201を介して測定面Saに)照射される。なお、トロイダル鏡110の延長部110xで反射された光束124aは、参照光束260rとして拡散板251(図14参照)上に照射される。
[4]変形形態[1]〜[3]のようなトロイダル鏡110を製造する場合に、トロイダル鏡110全体を一体成型で製造する方法を採用すると、均一で高い反射率を曲面の内面全域で確保することが難しい。そこで、トロイダル鏡110を複数の部品から構成されるようにし、各部品を結合してトロイダル鏡110を構成するようにするとよい。
ただし、この場合、製造上の誤差により図16の矢印Wで示すような各部品の繋ぎ目部分の表面には凹部や凸部が発生し、トロイダル鏡110の反射面の曲面連続性が損なわれる。このような繋ぎ目部分では、図17に示すように、光の反射が乱れて光の反射率にロスが生じる。そして、この繋ぎ目部分が、被測定物Sの測定面Saから受光センサ23により受光されるまでの光路上に位置するときには、受光センサ23によりスキャンを行ったときに平面鏡131の回転角度に応じて損失量が変化し、その損失量の変化が誤差となって現れる。
そこで、前記繋ぎ目部分が、光源121から被測定物Sの測定面Saまでの光路上に位置するように各部品の設計を行えば、平面鏡131の回転角度が変化しても損失量は略一定となるから、前述のような誤差はほとんど発生しない。
本発明に係るマルチアングル測色計の外観例を示す図である。 測定開口近傍の構成を示す断面図である。 本発明に係るマルチアングル測色計の内部構成の一例を示す図である。 マルチアングル測色計の制御系を示すブロック図である。 分光部の一例を示す構成図である。 制御部による一連の処理を示すフローチャートである。 光源により被測定物の測定面を照明したときに該測定面で反射される反射光の強度分布を開口中心Aからの距離で示した図である。 マルチアングル測色計の内部構成の他の例を示す断面図である。 図8の法線Gにおける側断面図である。 図8に示す光源の位置における側断面図である。 マルチアングル測色計の内部構成を立体的に示した斜視図である。 平面鏡の機能を説明するための図である。 マルチアングル測色計の他の構成を示す正面図である。 図13の側断面図である。 照明部の変形形態を示す図である。 トロイダル鏡を複数の部品で構成した場合を示す図である。 図16に示すトロイダル鏡の問題点を示す図である。
符号の説明
1,100,200 マルチアングル測色計
3 測定開口
10,120 照明部
11,121 光源
20,130 受光部
23 受光センサ
25 モータ
26 アーム
30 制御部
31 照明制御部
32 受光制御部
33 演算処理部
34 駆動制御部
110 トロイダル鏡
131 平面鏡
131x 回転軸
201 反射鏡
253 モータ部
253a 回転軸
A 開口中心
F 焦点
G 法線
R 測定平面、ジオメトリ平面
Sa 測定面
X 開口平面
Z 中心軸
S 被測定物
Sf 光輝材

Claims (6)

  1. 被測定物を照明する照明部と、
    前記照明部による照明状態下で前記被測定物により反射される反射光を複数の受光角で受光可能な受光部と、
    前記各受光角で前記受光部から得られた出力信号に基づき、前記正反射光の位置を検出する検出部と、
    前記検出部により検出された正反射光の位置を基準に、予め設定される所定の位置で前記照明部の照明動作により被測定物から反射される反射光を前記受光部に受光させる受光制御部と、
    前記受光制御部の指示により前記受光部から得られた出力信号に基づいて、前記被測定物の光学特性値を算出する算出部と
    を有する光学特性測定装置。
  2. 前記受光部は、前記被測定物に入射する入射光の光軸と前記被測定物による反射光の光軸とを含むジオメトリー平面に直交し、且つ、前記入射光の光軸と前記反射光の光軸との交点を通る軸を回転軸として回転可能に構成されている請求項1に記載の光学特性測定装置。
  3. 前記受光部は、
    前記被測定物の測定面に接する中心軸に対して回転対称な反射面を有するトロイダル鏡と、
    前記中心軸と一致する回転軸を中心として回転可能に構成され、前記トロイダル鏡の反射面で反射された反射光のうち、回転角度に対応する反射光を反射する回転光学系と、
    前記回転光学系により導かれた光を受光する受光センサとを備え、
    前記トロイダル鏡は、前記照明部による照明状態下で前記被測定物から反射される反射光のうち、前記中心軸に垂直な測定平面に平行な反射光を反射するとともに、当該トロイダル鏡の焦点円周上の前記中心軸回りの各方向に応じた位置に収束するものであり、
    前記被測定物から反射される反射光の反射方向に応じた位置に収束された光が、それぞれ前記回転光学系の回転軸周りの回転角度に応じて前記受光部に選択的に導かれるように構成されている請求項1に記載の光学特性測定装置。
  4. 前記検出部は、前記各受光角で前記受光部から得られた出力信号のうち最大の出力値を有する出力信号を抽出し、この抽出した出力信号が得られた受光角に相当する位置を前記正反射光の位置として検出する請求項1ないし3のいずれかに記載の光学特性測定装置。
  5. 前記検出部は、前記各受光角で前記受光部から得られた出力信号の分布に対して重心を算出し、該重心に相当する位置を前記正反射光の位置として検出する請求項1ないし3のいずれかに記載の光学特性測定装置。
  6. 被測定物を照明する照明部と、前記照明部による照明状態下で前記被測定物により反射される反射光を複数の受光角で受光可能な受光部とを備えた光学特性測定装置の光学特性測定方法であって、
    検出部が、前記各受光角で前記受光部から得られた出力信号に基づき、前記正反射光の位置を検出するステップと、
    受光制御部が、前記検出部により検出された正反射光の位置を基準に、予め設定される所定の位置で前記照明部の照明動作により被測定物から反射される反射光を前記受光部に受光させるステップと、
    算出部が、前記受光制御部の指示により前記受光部から得られた出力信号に基づいて、前記被測定物の光学特性値を算出するステップと
    を有する光学特性測定方法。
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