JP2008249419A - 無線測位システム、移動体、そのプログラム - Google Patents

無線測位システム、移動体、そのプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】自律型ロボット等の自律的に移動できる移動体が、無線測位可能な環境下で、障害物の影響による誤差を少なくし、高精度に測位を行う。
【解決手段】ジャイロ23及び回転数検知用エンコーダ24によって移動方向、移動量を検知することで位置推定する。この位置推定は、移動量が多くなるに従って誤差が増大する。また、無線端末21によって各基地局との無線通信を行うことで無線測位を行う。そして、任意の各地点毎に、無線測位結果に基づいて無線測位可否データ、通信状態データを生成して、その位置座標に対応付けて記憶することを繰返すことでこれらデータを蓄積する。データ蓄積量が多くなるに従って、蓄積したデータを参照すれば、無線測位不能/可能なエリアが分かるようになるので、例えば目的地が無線測位不能エリア内にある場合には、無線測位不能エリア内での移動距離が少なくなるように移動制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自律型ロボット等の自律的に移動できる移動体が、無線測位可能な環境下で、障害物の影響による誤差を少なくし、高精度に測位を行う方法等に関する。
自律的に移動を行う自律型ロボット等の移動体では、例えば、加速度センサ、ジャイロ等の自律型センサや車輪等の回転量を検出する自律型センサによる検出結果により、移動方向や、基準位置からの移動量(距離)を計測して、この計測結果に基づいて当該移動体の位置を推定することが行われている。
この計測結果には誤差が生じる為、移動量の増加や時間経過により誤差が累積することで、正しい位置推定を行えなくなる。このため、誤差を適度に補正することが必要となる。補正手段として、例えば特許文献1に記載されているような、周囲に標識を設置し、それを画像処理技術により認識する方法や、地面に予め磁気や光学検知可能な印を埋め込むもしくは描きマーキングを施し、その位置をもって位置校正を行う方法がある。しかし、画像処理技術を用いるのはシステムが複雑になる。また地面へのマーキングは広い場所を移動するような場合、そのマーキングを数多くの地点に設置する必要が生じ、非効率的である。
これに対して、近年、例えば特許文献2,3に記載のような、電波を用いて位置を特定するシステムが提案されている。この無線測位システムでは、複数の基地局から送信された信号をノードが受信し、受信時刻の差からノードの位置を検出している。
特公平6−61101号公報 特開2006−170891号公報 特開2005−117440号公報
上記特許文献2,3等の無線測位システムでは、障害物による直接波の遮断や直接波以外の電波(マルチパス波等)の影響がなければ、位置を高精度に求めることができる。
しかし、そのような環境は特殊であり、通常、何等かの障害物があることが多く、障害物による直接波の遮断や直接波以外の電波の影響で、測位できない、もしくは大きな誤差を含む結果となる場合が多い。
本発明の課題は、上述したような無線測位システムにおいて、障害物による直接波の遮断や直接波以外の電波の影響で、無線測位ができない場合又は無線測位の結果に大きな誤差を含む場合にも、高精度で位置を求めることができる無線測位システム、移動体、そのプログラム等を提供することである。
本発明の移動体は、複数の基地局で囲まれた測位対象エリア内を自律移動する移動体であって、前記各基地局との無線通信を行って、該各無線通信によって得られる各基地局との測距データに基づいて現在位置座標を測位する無線測位手段と、自律型センサによって計測される移動方向と移動量に基づいて現在位置座標を推定する位置推定手段と、前記測位対象エリア内の任意の各地点毎に、前記無線測位手段によって前記無線測位を試みて、通信状態データと無線測位可否データを生成して、前記現在位置座標が無線測位できた場合には該無線測位で求めた該位置座標に対応付けて前記通信状態データと無線測位可否デ
ータを記憶し、無線測位できない場合には前記位置推定手段によって推定された位置座標に対応付けて前記通信状態データと無線測位可否データを記憶するデータ蓄積手段と、該データ蓄積手段に蓄積された情報を利用して、前記測位対象エリア内での任意の目的地への移動制御、あるいは任意の無線測位不能な地点の位置座標を求める手段とを有する。
移動体は無線測位を行いながら、移動範囲内の各場所で無線測位を行って各基地局との通信状況についてデータを蓄積しておく。そして、この蓄積データを利用することで、例えば目的地が無線測位不能エリア内にある場合に無線測位不能エリア内での移動距離が少なくて済むように移動制御したり、あるいは例えば無線測位不能エリア内の任意の地点の位置座標を正確に知ることができる。
より多くの場所で、無線測位を行って上記通信状況についてのデータを蓄積することで、このデータの蓄積量増加とともに、より多くの場所を高精度かつ効率的に測位できるようになる。
上記移動体は、例えば更に、任意の目的地へ移動する場合、前記データ蓄積手段に該目的地の位置座標に対応付けた情報が記憶されており、且つそれが前記無線測位不能を示す情報である場合には、更に前記データ蓄積手段を参照して、該目的地に近い前記無線測位可能地点を経由して前記目的地へ移動するように前記移動制御を行う移動制御手段を有する。
上記移動体は、例えば、現在位置が前記無線測位不能な任意の地点であり、且つ現在位置に至るまでに無線測位不能な状態のまま所定距離以上移動してきた場合には、前記データ蓄積手段を参照して、現在位置に近い前記無線測位可能地点を求め、該求めた地点へ前記位置推定手段による推定を行って移動して、該移動先で前記無線測位を行った結果と該推定結果との誤差に基づいて、前記無線測位不能な任意の地点の位置座標を求める。
上記移動体は、任意の地点で前記無線測位手段による無線測位を行った結果、現在位置座標の候補が2つあった場合、前記データ蓄積手段を参照して、該各候補の位置座標に対応付けた前記通信状態データがある場合には、該各通信状態データを用いて、現在位置座標を前記2つの候補のうちの1つに特定する。
あるいは、本発明の移動体は、複数の基地局で囲まれた測位対象エリア内を自律移動する移動体であって、前記各基地局との無線通信を行って、該各無線通信によって得られる各基地局との測距データに基づいて現在位置座標を測位する無線測位手段と、自律型センサによって計測される移動方向と移動量に基づいて現在位置座標を推定する位置推定手段と、前記測位対象エリア内の任意の各地点毎に、前記無線測位手段によって前記無線測位を試みて、通信状態データと無線測位可否データを生成して、前記現在位置座標が無線測位できた場合には該無線測位で求めた該位置座標に対応付けて前記通信状態データと無線測位可否データを記憶し、無線測位できない場合には前記位置推定手段によって推定された位置座標に対応付けて前記通信状態データと無線測位可否データを記憶するデータ蓄積手段と、その位置座標に関して既に前記データ蓄積手段にデータ記憶されている任意の地点で再度前記無線測位手段による無線測位を行った場合、前記データ蓄積手段に記憶されている前記通信状態データと、今回の通信状態データとを比較することで、環境変化を検知する環境変化検知手段とを有する。
上記蓄積データを利用することで、環境変化検知(人間の侵入等)を行うこともできるようになる。
本発明の無線測位システム、移動体、そのプログラム等によれば、無線測位システムにおいて、障害物による直接波の遮断や直接波以外の電波の影響で、無線測位ができない場合又は無線測位の結果に大きな誤差を含む場合にも、高精度で位置を求めることができる。更に、無線測位不能エリアを実質的に狭めることもできる。あるいは、人の侵入や環境変化等の検知にも応用できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本例の移動体のハードウェア構成図である。
図示の移動体10は、無線端末21、アンテナ22、ジャイロ23、回転数検知用エンコーダ24、及びコンピュータ30等を有する。尚、車輪、移動用モータ、操舵等の移動体10を移動させる為の構成は省略して示してある。
本例の移動体10は、2種類の方式によりそれぞれ当該移動体10の現在位置を求めている。すなわち、上記ジャイロ23及び回転数検知用エンコーダ24(これらを自律型センサと呼ぶ)によって移動体10の移動方向と移動量を計測することで移動体10の現在位置を推定する方式と、上記無線端末21及びアンテナ22によって後述する各基地局との無線通信を行うことで移動体10の現在位置を求める方式(上述した無線測位システム)とを有している。尚、無線端末21と各基地局との通信方式は、任意に決めてよいが、例えば上記特許文献2,3と同様、無線LANを利用してもよい。
上記ジャイロ23は、移動体10の移動方向検知用のセンサである。回転数検知用エンコーダ24は、不図示の移動用モータ又は駆動車輪の回転数を検知するセンサであり、検出した回転数に基づいて上記移動体10の移動量を算出できる。
コンピュータ30は、CPU31、記録媒体(記憶装置)32、メモリ33、入出力インタフェース34等を有する。
CPU31は、当該移動体10全体を制御する為の中央処理装置であり、記録媒体32(記憶装置)に記憶されている各種アプリケーション・プログラムをメモリ33上に読出し・実行することにより、上述した現在位置の算出や、後述する図4、図5、図8等のフローチャート図に示す各種処理を実現する。
記録媒体(記憶装置)32は、例えばハードディスク、フラッシュメモリ、ROM、FD(フレキシブルディスク)、メモリカード等であり、上記CPU31に実行させる各種アプリケーション・プログラムを記憶している。また、後述する各地点毎の通信状態データ等が、記録媒体32に記憶・蓄積される。
入出力インタフェース34には、無線端末21、ジャイロ23、及び回転数検知用エンコーダ24が接続しており、CPU31は、入出力インタフェース34を介して、例えば、ジャイロ23、及び回転数検知用エンコーダ24による移動方向、移動量等の測定結果を入力する。そして、これら測定結果に基づいて、当該移動体10の現在位置を推定する。尚、この推定処理は、既存技術であり、特に説明しない。あるいは、CPU31は、入出力インタフェース34を介して、無線端末21による無線通信(送信又は受信)の制御を行う。
以下、上記無線通信による測位システムについて図2を参照して説明する。
図2において図示の4個の基地局1〜4で囲まれたエリア(図示の点線の矩形のエリア)を測位対象エリアとする。移動体10は、基本的に、この測位対象エリア内を移動する。尚、基地局1〜4は無線基地局であり、上記の一例では無線LAN基地局となるが、この例に限らない。基地局1〜4は、以下に説明する無線測位の処理例に示す機能を備えている。
移動体10は、上記の通り、移動方向と移動量を計測できる自律型センサによる計測結果に基づいて、当該移動体10の現在位置を推定することができる。但し、上記の通り、移動量の増加や時間経過により誤差が累積する為、正確な位置推定を行えなくなる場合がある。一方、上記無線端末21等により各基地局1〜4との無線通信を行うことによって、現在位置を求めることができる。従来技術で説明した通り、このような無線測位では、障害物による直接波の遮断や直接波以外のマルチパス波などの影響がなければ、位置を高精度に求めることができる。しかしながら、従来技術の課題として説明した通り、障害物等によって無線測位できない場合がある。
ここで、上記無線測位の処理例について説明しておく。
無線測位はTOA(Time Of Arrival)方式で以下のように行う。
(a)移動体10から例えば基地局1に向けて時刻t1tに電波を送信する。
(b)移動体10から発射された電波を基地局1が受信すると、一定の処理時間td1後、移動体10に向けて電波を送信する。
(c)移動体10が基地局1から送信された電波を時刻t1rに受信する。
(d)移動体10は予め例えば記録媒体32等に上記一定の処理時間td1を記憶しており、これと上記(a)〜(c)の処理によって得られた送信時刻t1t、受信時刻t1rとに基づいて、CPU11は以下の(1)式により移動体10と基地局1との距離d1を算出する。
d1=(t1r-t1t-td1)*c/2 (cは光速) ・・・(1)式
(e)他の基地局2〜4に対しても、それぞれ、上記(a)〜(d)の処理を行うことで、移動体10と、基地局2,3,4それぞれとの距離d2,d3,d4を求める(測距する)。
(f)基地局1〜4の位置はそれぞれ既知であり移動体10内に記憶されているので、上記処理で求められた距離d1〜d4により移動体10の現在位置を特定することができる。
ここで、図2に示す例では、測位対象エリア内に、2つの障害物P,Qがある。この場合、移動体10の位置によっては、障害物による直接波の遮断等によって無線通信出来ない基地局がある場合もある。しかし、たとえ1つの基地局との無線通信が出来なかったとしても、他の3つの基地局との無線通信が行えてそれぞれ距離を算出できたなら、この3つの距離によって移動体10の現在位置を特定することができる。また、2つの基地局としか無線通信が出来なかった場合には、後述するように、移動体10の現在位置を1つに特定できない場合もあれば、移動体10の現在位置を1つに特定できる場合もある。勿論、1つの基地局としか無線通信が出来なかった場合には、移動体10の現在位置は特定できない。
すなわち、2次元の位置を特定するためには、基本的には、移動体10が3個以上の基地局と直接波により測距(通信)できることが必要である。但し、上記の通り、2つの基地局としか無線通信が出来なかった場合でも、条件次第では、移動体10の現在位置を1つに特定できる場合もある。つまり、任意の2個の基地局と直接波により測距できた場合、2つの解(位置)が得られることになる。よって、位置を1つに特定する為には、例えば、得られた2つの解のうち1つのみが測定対象エリア内にある等の条件を満たすことが必要となる。
例えば図2において、図上に三角印で示す位置Aからは、障害物Pがある為、基地局3
,4とは測距(直接波で通信)できず、基地局1,2の2つの基地局とのみ測距(直接波で通信)可能である。
よって、位置Aにおいて測位を行うと、図2に示す上記位置A以外に、基地局1,2との距離が位置Aと同じである図示の位置A’が求められることになる(2つの解が得られる)。この例では、位置A’は測位対象エリア外であり、位置Aは測位対象エリア内であるので、位置を1つに特定できる(現在位置は位置Aであると判定できる)。一方、もし、得られた2つの解の両方が測位対象エリア内であったならば、どちらが現在位置であるのか判別できない(位置を1つに特定できない)。尚、上記の通り、各基地局1〜4の位置座標は記憶されているので、これらに基づいて測位対象エリアの領域は判別できる。
また、図2に示す測位不能エリアaは、移動体10と直接波で通信可能な基地局が1つだけとなるエリアである。よって、測位不能エリアa内で測位を行っても、移動体10の位置は特定できない。例えば、移動体10が、図2において図上丸印で示す位置で測位を行うと、障害物Qがある為に基地局1,3とは直接波による測距は出来ず、障害物Pがある為に基地局4との直接波による測距は出来ず、基地局2とだけ直接波による測距が行える。この様に、1つの基地局とだけしか測距が行えないので、移動体10の現在位置は特定できない。
また、図2に示す測位不能エリアbは、2つの基地局とのみ測距(直接波で通信)可能であるが位置を1つに特定できないエリアである。すなわち、上記2つの解の両方が測位対象エリア内もしくはその近辺となるエリアである。
尚、マルチパス波によって通信が行えても、これによる測距結果は間違いである(誤差が非常に大きい)ので、実質的に、測距は出来ないものである。よって、ここでは、上記説明の通り、測距可能とは、直接波で通信可能なことを意味することにしている。
本手法では、予め又は運用中に随時、移動体10を上記測位対象エリア内を自由に移動させながら、測位対象エリア内の任意の各地点において上記無線測位を行って、図2に示す測位不能エリアa、bを判別可能とする為のデータや通信状態データ(後述する)を収集する。
以下、上記通信状態データ等の収集処理について説明する。
まず予め、測位対象エリアを、例えば図3に示すように適当な大きさのM×Nのメッシュに分割しておき、これらメッシュの各点の位置座標を点(x,y)で表すものとする(x;1〜M、y;1〜N)。そして、移動体10を移動させつつ任意の各地点(x,y)において各基地局との無線通信を行って、通信状態データ等を記憶・蓄積していく。尚、必ずしも全ての地点で通信状態データ等を収集する必要はない。また、当然、障害物P,Qがあるエリアには、移動体10を移動させること自体できない。
各地点(x,y)で収集する上記通信状態データは、例えば以下のように表される。
Data(x,y)=[ dp1, dp2, dp3, dp4]
ここでdp1〜dp4はそれぞれ移動体10と基地局1〜4との通信状態とし、0:通信不可能、1:直接波で通信可能、2:マルチパス波で通信可能、を意味するものとする。例えば、上記図2に示す地点Aにおいて、マルチパス通信がないとすると、上記の通り基地局1、2との間で直接波による通信が可能なので、地点Aにおける通信状態データは、[1,1,0,0]と表される。
また、上記通信状態データ以外に、更に、各地点(x,y)において無線測位可能か不能かを判定して、この判定結果(無線測位可能か不能かを示すデータ;以下、無線測位可否
データと呼ぶものとする)も記憶する。
尚、メッシュの大きさは予め分かるので、任意の2つの地点間の距離は容易に算出できる。例えば、測位対象エリアが50m×30mでM=50、N=30としたならば、メッシュの大きさは1m×1mとなるので、例えば2つの地点(0,0)−(10,0)間の距離は、10mと算出できる。
図4に、上記通信状態データの収集・蓄積処理のフローチャート図を示す。この処理は、上記の通り、移動体10内のコンピュータ30(CPU31)が実行する。
図4において、まず最初に、オペレータ等が、測位対象エリア内において、正確に無線測位可能な位置に移動体10を置く(ステップS11)。この初期設置位置は、上記無線測位によって位置を1つに特定できる位置であり、上述した通り、基本的には3つ以上の基地局と(直接波により)測距できる位置が望ましいが、2つの基地局とだけ(直接波により)測距できる位置であっても上記の通り位置を1つに特定できれば構わない。そして、この初期設置位置において、各基地局1〜4との通信を試みることで、上記通信状態データや無線測位可否データを生成して、これを記録媒体32等に記憶する(ステップS12)。
ここでは、仮に、図3に示す地点(m,n)に移動体10を設置するものとする。この位置(m,n)は、図2に示す地点Aである。従って、上記の通り、
通信状態データData(m,n) = [1,1,0,0]
が生成されて、記録媒体32等に記憶される。尚、記憶媒体32には、予め、例えば図3に示すようなデータ蓄積メッシュが記憶されており、このメッシュ上の位置(m,n)にリンクさせて上記通信状態データ[1,1,0,0]が記憶されることになる。また、尚、上記の通り、地点(m,n)は無線測位可能地点であるので、無線測位によって現在位置座標が(m,n)であることが分かることは言うまでもない。当然、無線測位可否データは「無線測位可能」となり、これが上記通信状態データ[1,1,0,0]と一緒に記録媒体32に記憶されることになる。
次に、上記地点(m,n)から、任意の新たな地点(ここでは、仮に、地点(m’,n’)とする)へ向けて、上記自律型センサ(ジャイロ23とエンコーダ24)によって移動方向と移動量を計測しながら、移動体10を移動させる(ステップS13)。
そして、上記新たな地点(m’,n’)において、各基地局との無線通信を行う。この無線通信を行うことで、この地点(m’,n’)において通信可能な基地局が分かり、この通信で得られた各測距データに基づいて、可能であれば現在位置座標を判定するが、ここではまず、通信可能な基地局の個数に応じて図示の通り処理を分岐させる(ステップS14)。尚、ここでの通信可能な基地局は、直接波により測距可能な基地局に限らず、反射や回折などによるマルチパス波で通信可能となった基地局も含まれている可能性がある。
上記ステップS14の分岐判定で、通信可能な基地局の個数が3個以上の場合にはステップS17の処理へ移り、2個の場合にはステップS15の処理に移り、1個の場合にはステップS18の処理に移る。
まず、通信可能な基地局の個数が1個の場合の処理について説明する。
この場合には、既に述べた通り、たとえこの1つの基地局との通信が直接波による通信であったとしても、無線測位不能なので(現在位置座標特定は出来ない)、現在位置座標は、上記自律型センサによる計測結果に基づく推定位置であるものとする。上記の通り、位置(m’,n’)を目的地として移動してきているのであるが、既に述べた通り、自律型センサによる計測結果に基づく推定位置には誤差が生じる場合があるので、現在位置が本当
に位置(m’,n’)であるのかは分からないが、現在位置は(m’,n’)であるものとして、上記通信状態データData(m’,n’)と無線測位可否データ(この場合は「無線測位不能」)を記録媒体32に記憶する(ステップS19)。但し、その前に、通信可能な基地局(ここでは1個のみ)との通信が、直接波によるものか、マルチパス波によるものかを判定する(ステップS18)。この判定は、例えば以下の通り行う。
すなわち、例えば、直近の過去の無線測位点から、自律型センサにより(dx,dy)移動したと検知された場合に予想できる各基地局との測距結果量の変化量に対し、実際の無線測距結果の変化量がk倍(例えば1.5倍)以上である場合にはマルチパス波と判定し、1.5倍未満であれば直接波と判定する。尚、1.5倍は一例であり、この例に限らないが、通常、マルチパス波による位置誤差は、自律型センサによる推定位置誤差に比べると非常に大きくなるので、これにあわせてkの値を任意に設定すればよい。
あるいは、自律型センサによる計測結果に基づく推定位置と各基地局との距離は分かるので(予め記憶しておいてもよいし、その都度算出してもよい)、この距離と比較して上記通信可能な基地局との通信で得られた測距データが適正な範囲内であれば、直接波と判定し、そうでなければマルチパス波と判定する。
例えば、仮に基地局1とだけ通信可能であった場合、直接波と判定された場合にはData(m’,n’) = [1,0,0,0]が記憶され、マルチパス波と判定された場合にはData(m’,n’) = [2,0,0,0]が、ステップS19で記憶されることになる。
また、上記ステップS14の分岐判定で、通信可能な基地局の個数が2個の場合には、移動体10の現在位置を1つに特定できない場合には(ステップS15がNOで且つステップS16がNO)、上記通信可能な基地局の個数が1個の場合と同じ処理(ステップS18,S19の処理)を実行する。
一方、移動体10の現在位置を1つに特定できる場合には(ステップS15がYES、又はステップS16がYES)、上記通信可能な基地局の個数が3個以上の場合と同じ処理を行うことになる。尚、ステップS15の処理は、上述した通り、2つの候補のうちの何れか一方のみが測位対象エリアである場合には現在位置を1つに特定できるものである。ステップS16の処理は、後述する図8のステップS56〜S60のように、蓄積されたデータを用いることで、現在位置を1つに特定できるか否かを試みるものである。詳しくは後に図8を参照して説明する。
上述したことから、以下、移動体10の現在位置を1つに特定できる場合(2個であっても特定できる場合、3個以上の場合)、つまり無線測位可能な場合の処理について説明する。まず、ステップS17の処理について説明する。
上記の通り無線測位によって現在位置座標を判別できるので、この無線測位結果による現在位置座標(仮に(x’、y’)とする)と、上記自律型センサによる推定現在位置(位置(m’,n’)を目的地として移動してきているのであるから、(m’,n’))との誤差(点(x’、y’)と点(m’,n’)間の距離等)が、適正な範囲であるか否か、すなわち予め任意に設定される所定の閾値W以下であるか否かを判定する(ステップS17)。この閾値Wは任意に設定してよいが、この判定は、無線測位結果(x’、y’)が、マルチパス波の影響により、本当の現在位置から大きくズレた位置となっているか否かを判定するものであるので(上記の通り自律型センサによる推定には誤差が生じる可能性があるが、この誤差があるか否かを判定するのではない)、この判定の目的に合致する適切な閾値Wを設定することが望ましい。
そして、誤差が閾値W未満であった場合には(ステップS17,YES)、無線測位により正確に現在位置が測定できたものと見做せるので、この現在位置座標(x’、y’)と関連付けて各基地局との通信状態データData(x’,y’)と無線測位可否データ(この場合は「無線測位可能」)を、記録媒体32に記憶する(ステップS20)。Data(x’,y’)に関しては、ステップS14の処理によって通信可能な基地局が分かっており、更に上記処理によりマルチパス波は含まれていないと判定できるので、例えば基地局1,2,3と通信出来ていたなら、Data(x’,y’)= [1,1,1,0]が記憶されることになる。
尚、目的地は(m’,n’)であるので、本来であれば(x’,y’) =(m’,n’)となるはずであるが、自律型センサによる推定位置が必ずしも正しいとは限らないので(上記の通り誤差が生じる場合がある)、(x’,y’) ≠(m’,n’)となる場合もある。この場合、ステップS17の判定がYESであれば(x’,y’)が正しい現在位置と見做せるので、上記の通りData(x’,y’)が記憶されることになる。
一方、誤差が閾値W以上であった場合には(ステップS17,NO)、ステップS18の処理に移る。つまり、この場合には、上記通信可能な基地局が1個の場合と同様の処理を行うことになる。すなわち、ステップS18、S19の処理を実行することで、通信可能な基地局のうちマルチパス波によって通信が行われた基地局がある場合にはData(m’,n’)に反映させたうえで、このData(m’,n’)を、無線測位可否データ(この場合には「無線測位不能」)と共に、記録媒体32に記憶する。
以上説明した処理により蓄積したデータを用いることで、本手法では、以下に説明するように、自律型ロボット等の自律的に移動できる移動体10が、無線測位可能な環境下で、障害物等による影響を少なくし、移動体10を高精度かつ効率的に目的地に移動させることができる。あるいは、無線測位不能エリア内の特定の地点の位置座標を正確に求めることができる。この効果は、上記データの蓄積量が増加するに従って、より顕著なものとなる。上記の通り、運用前にエリア内の全ての地点のデータを収集しなければならないものではないので(収集しても構わないが)、運用中に、随時、上記処理を行ってデータ収集して、データ蓄積量を増やしていってもよい。
以下、上記蓄積したデータを用いた、運用中の移動体10の移動制御処理について図5、図6を参照して説明する。
図5は、移動体10の移動制御処理のフローチャート図である。図6は、図5の処理の具体例を説明する為の図である。
まず、無線測位可能な任意の地点(図6に示す地点A等)に移動体10が設置され(あるいは、移動体10が自らこの様な地点を探して移動し)(ステップS31)、例えば図6に示す任意の目的地Cが設定、又は何等かの処理により決定されると、上記蓄積したデータ(無線測位可否データ)を参照することで、目的地Cが無線測位可能であることが既知か否かを判定する(ステップS32)。もし、目的地Cに関して既にデータ収集済みであれば、上記の通り無線測位可否データが記憶されているので、もしこれが「無線測位可能」である場合には、ステップS32の判定はYESとなり、ステップS36に移る。つまり、現在地点Aからそのまま目的地Cへと移動する(ステップS36)。
一方、ステップS32の判定がNOならば、目的地Cが無線測位不能であることが既知か否かを判定する(ステップS33)。目的地Cに関して未だデータ収集されていない場合には、ステップS33の判定はNOとなり、上記ステップS32の判定がYESの場合と同様、現在地点Aからそのまま目的地Cへと移動する(ステップS36)。
一方、目的地Cに関する無線測位可否データが「無線測位不能」となっていた場合には(ステップS33,YES)、ステップS34へ移る。ステップS34の処理では、上記蓄積データを参照して、「無線測位可能」となっている全ての地点の中で最も目的地Cとの距離が短い(最も目的地Cに近い)地点Dを求め、この地点Dと目的地Cとの距離が、予め任意に設定される閾値L以下であるか否かを判定する。そして、上記閾値L以下の条件を満たす場合には(ステップS34,YES)、一旦、移動体10を地点Dへ移動させた後(ステップS35)、地点Dから目的地Cへ移動させる(ステップS36)。これによって、無線測位不能エリア内の移動距離が最も短くて済む(但し、これは、現在収集済みのデータで判断できる限りで最も短くて済むものである)ルートで、移動体10を移動させることができ、自律型センサによる位置推定の誤差の累積が少なくて済むので、ほぼ正確に目的地Cへ到達できる。
上記の通り、閾値Lは任意に決めてよい。但し、上記のように、一旦、点Dを経由させるようにする理由は、測位不能エリア(aやb)内での移動距離を出来るだけ小さくする為である。測位不能エリアでは当然無線測位できないので、自律型センサによって計測しながら移動することになるが、その際に生じる誤差は、基本的に、距離が大きくなるほど大きくなるので、測位不能エリア内での移動量が出来るだけ小さいことが望ましいが、要は目的地Cへ正しく到達できていればいいのであるから、距離L以内の移動であれば目的地からズレないという程度の基準で、Lの値を適宜設定すればよい。
尚、上記説明では閾値L以下の条件を付けているが、収集データから分かる範囲では点D−C間が最も測位不能エリア内での移動距離が短くて済むのであるから、閾値L以下の条件はなくしても良い。
一方、上記地点Dが上記閾値L以下の条件を満たさない場合には(ステップS34,NO)、移動体10を地点Aからそのまま目的地Cへ移動させる(ステップS36)。
尚、上記何れの場合でも、移動中は、無線測位、自律型センサによる計測の両方を行う。そして、無線測位可能な状態であれば無線測位結果に従って現在位置座標を認識しながら移動し、無線測位不能な状態では上記自律型センサによる計測結果に基づいて、最後に無線測位可能であった地点を基準にして現在位置座標を推定しながら移動する。
上記何れの方法によって移動体10が目的地C(目的地Cが無線測位不能である場合には、目的地Cであると推定される地点)へ到達すると、この目的地Cで無線測位可能であるか否かを判定する(ステップS37)。上記ステップS32がYESの場合には、当然、ステップS37はYESとなり、ステップS43へ移る。上記ステップS33がNOの場合、すなわち未だデータ未収集である場合には、まず図4のデータ収集処理を実行して、新たなデータを記憶する。そして、図4の処理の結果、無線測位可能と判定された場合にも(ステップS37,YES)、ステップS43へ移る。ステップS43では、次の目的地があるか否かを判定し、ある場合には(ステップS43、YES)ステップS32に戻り、次の目的地に関して上記目的地Cの場合と同様の処理を行う。もし、次の目的地が無いならば(ステップS43,NO)、本処理は終了する(ステップS44)。
一方、図4の処理を実行した結果、無線測位不能であると判定された場合(ステップS37,NO)には、ステップS38の処理に移る。但し、もしステップS35の処理が実行されていた場合には、そのままステップS43の処理へ移行してもよい。
ステップS38の処理が実行されるケースでは、例えば図6の例では、地点Aから目的地Cへ直接移動する場合に、地点Aから地点Bまでは無線測位可能エリア内であり、地点Bを最後に測位不能エリアに侵入していたことになる。このような移動経路上における直近の(最後の)無線測位可能点である地点Bと、目的地Cとの距離を求め、この距離が上
記予め任意に設定される閾値L以下であるか否かを判定する(ステップS38)。もし、地点B−C間の距離が閾値L以下であれば(ステップS38,YES)、既に述べた理由により、移動体10の現在位置、すなわち点Bからは自律型センサによる計測結果に基づいて移動して目的地Cであるものと推測して到達した位置が、目的地Cであるものと見做す(正しく目的地に到達できたと見做す)ことができる(ステップS40)。その後は、ステップS43に移り、次の目的地があるならばステップS32に戻る。
この様に、必ずしも点Dを経由しなくても、測位不能エリア内の移動距離がL以下であれば、目的地Cに到達しているはずである。
一方、点B−C間の距離が閾値L以下でない場合には(ステップS38,NO)、移動体10の現在位置が目的地Cであるとは限らないので、上記ステップS34と略同様の処理によって上記最寄りの無線測位可能点である位置Dを求めて、点C−D間の距離が上記閾値L以下であるか否かを判定する(ステップS39)。もし、閾値L以下ではない場合には(ステップS39,NO)、上記ステップS40の処理を行う。但し、この場合には、現在位置が目的地Cであるとは限らないことになる。
一方、点C−D間の距離が上記閾値L以下である場合には(ステップS39,YES)、移動体10を、自律型センサによる計測結果を用いて点Dと推定される位置へ移動させる(ステップS41)。この場合は上記の通り点C−D間の距離が上記閾値L以下であるから、上記目的地Cであるものと推定して到達した地点(仮にC’とする)が、本当に目的地Cであったならば、ステップS41の処理によって地点Dに着いているはずである。一方、到達した位置が目的地Cではなかった場合、地点D以外の地点(仮にD’とする)に着いていることになるが、C−C’間の位置ズレ(距離と方向)とD−D’間の位置ズレとはほぼ同じとなるはずである。
よって、ステップS41による移動先で無線測位を行うことで、もし現在位置座標が点Dの座標であるならば、上記目的地Cであるものと推定して到達した地点は、目的地Cであったものと判定できる。一方、そうでなければ、現在位置で無線測位を行って例えば上記地点D’の位置座標を求めることで、C−C’間の位置ズレが分かるので、これによってC’の位置座標を求めることができる。もし、D’で無線測位出来ない場合には、更に任意に移動させて無線測位可能な状態にして、無線測位によりその位置座標を求めて、D’からこの位置までの移動量、方向も考慮することで、C’の位置座標を求めることができる。
そして、その後、上記ステップS35,S36の処理と同様に、点Dから自律型センサによって目的地Cへ移動してもよい。
尚、ステップS37〜S42の処理のみを独立して行っても良い。
すなわち、例えば、移動体10が測位不能エリア内を移動中に、ある地点で何等かの発見(異常等)をした場合に、この地点の位置座標を正確に知りたい場合がある。このとき、測位不能エリア内をある程度の距離以上移動していた場合、上記の通り誤差が蓄積している為、自律型センサによる推定位置座標が正しいとは限らない。この為、最後に無線測位した地点からの移動距離が上記閾値L以下であった場合には(ステップS38でNOに相当)、上記ステップS39の判定を行って、判定YESならば、上記ステップS41、S42の処理を行うことで、上記何等かの発見(異常等)をした地点の正確な位置座標を求めることができる。勿論、この場合には、更に点Dから点Cへ移動するような処理は行う必要はない。
この様に、ステップS37〜S42の処理は、測位不能エリア内の特定の位置の位置座標を正確に知りたい場合にも有効である。
以上説明した処理により、本例の手法によれば、自律型ロボット等の自律的に移動できる移動体10が、無線測位可能な環境下で、障害物の影響によって部分的に無線測位不能なエリアが存在する場合でも、誤差を少なくし、高精度に測位を行うことができる。
すなわち、上述したように、目的地Cのデータ(通信状態データ等)が無い場合には、移動体10はとりあえず例えば図6に示す無線測位可能なA地点から目的地であるC地点へ直線的に(最短距離で)向かうことになり、途中、図示のB地点(最後に無線測位可能な地点)を通過することになる。この場合、移動体10は、A地点からB地点までは自分の位置を無線測位により精度よく知ることができる。更に、B地点から目的地であるC地点に向かうと、B地点−C地点間は測位不能エリア内となるので(移動体10は1つの基地局としか直接波で通信出来ないので、無線測位ができない)、B地点から先は、自律型センサによる計測によって求められる変移量を用いて位置を推定して、移動体10を一旦推定目的地へ到達させる。
そして、測位不能エリア内での移動距離(B地点から推定目的地までの距離)が小さければ、つまり上記閾値L以下であれば、自律型センサの計測による位置推定の誤差は小さいと考えられ、推定目的地(到達点)が目的地Cである可能性が非常に高いと考えられるので、目的地に到達していると判定できる。
一方、測位不能エリア内での移動距離が上記閾値Lを越える場合には、すなわちB地点からC地点まで比較的距離が長く、自律型センサによる変移量推測値に誤差が累積されていることが予想される場合には、上記の通り、一旦、最寄りの無線測位可能地点(上記例ではD点)に移動して、そこから再び目的地C点へ自律型センサで計測しながら移動することで、ほぼ正確に目的地C点へ到達できる。
また、目的地Cのデータ(通信状態データ等)があり、C点が測位不能エリア内にあることが分かっている場合には、上記の通り、蓄積されたデータにより、C地点に近い(そしてC地点からの距離が閾値L以内の)無線測位可能位置があるか否かを判定して、この条件を満たす地点(例えばD地点)がある場合には、A点からD点を経由してC点に到達するルートで、移動体10を移動させる。図6の例では、A点からD点までは、無線測位により精度良く位置を検出しながら移動できる。そして、D地点からC地点へ向かう。D地点からC地点までは自律型センサによる変移量を用いて位置推定する。この距離はL以下なので誤差の累積は少なく、正確に目的地C点へ到達できる。また、最初からD点を経由するルートとしているので、効率的に目的地C点へ到達できる。
あるいは、測位不能エリア内の特定の地点の位置座標を正確に知りたい場合に、蓄積データを利用して、最寄の無線測位可能地点であって現在地点からの距離が閾値L以内の地点があるか否かを判定し、ある場合には、最寄の無線測位可能地点と推測される地点へと自律型センサで計測しながら移動する。そして、上記の通り、移動先での無線測位結果と、上記特定の地点から移動先までの自律型センサによる計測結果に基づく推定結果とから、上記特定の地点の位置座標をほぼ正確に求めることができる。
また、上記蓄積データを利用すれば、上記測位不能エリア自体を実質的に狭めることも可能となる。以下、この実施例について説明する。
データの蓄積エリアが多くなってくると、無線測位による解が2つ出現するにもかかわらず、そのうち1つに特定できる場合が生じる。
例えば図7(b)に示す地点Aに移動体10がある場合、この地点Aから直接波で通信できる基地局は基地局2,3の2個であり、通信結果から求められる位置は、図示のAとA’の2点が得られる。図示の通り、この2つの候補は両方とも測位対象エリア内である
ので、上述した方法では1つに特定できない。しかし、既にA,A’において図4の処理を実行しており、A,A’における通信状態データが記憶されている場合には、どちらか一方のみが今回の無線測位で得られた通信状態データと一致するならば、一致する方が移動体10の現在位置であると特定できる(この例では、当然、Aは一致するが、A’も一致する可能性がある)。
移動体10の現在位置が図7(b)に示す点Bである場合も、通信結果から求められる位置は、図示のBとB’の2点であるが、もし既に点B、B’の通信状態データが蓄積されているならば、上記点Aの場合と同様に、位置を特定できる場合がある。
このように、データの蓄積によって、図2に示す測位不能エリアbの範囲が、実質的に、図7(a)、(b)に示す測位不能エリアcの範囲まで狭められることとなり、図示のエリアdが新たに測位可能エリアとなる。
上記通信可能な基地局が2個の場合の処理フローチャート図を、図8に示す。
以下、図8の処理について説明する。
図8の処理は、移動体10が任意の地点(現在位置;仮に点Aとする)で無線測位を行った結果、通信可能な基地局数が2個であった場合(ステップS51)に実行される。尚、ステップS51の判定の段階では、通信可能な基地局が、直接波によるかものか、マルチパス波によるものか、までは分からない。
既に述べた通り、通信可能な基地局数が2個の場合には、この通信結果によって2つの解が得られる。ここでは、仮に、解A1、A2であるとすると、まず、これら2つの解A1、A2のうちの少なくとも1つが、上記測位対象エリア(4個の基地局1〜4で囲まれたエリア)内であるか否かを判定し(ステップS52)、もし両方とも測位対象エリア外であれば(ステップS52,NO)、本処理は終了する。
もし、解A1、A2のうちの少なくとも1つが測位対象エリア内であるならば(ステップS52,YES)、まず、既に述べた手法により位置を1つに特定することを試みる。すなわち、ステップS52がYESであるならば、上述した通り、解A1、A2の両方が測位対象エリア内である場合を除いては、位置を1つに特定できる。よって、もし、点A1のみが測位対象エリア内にあるならば(ステップS53がYES、且つステップS54がNO)、上記現在位置Aは点A1であると仮定する(ステップS61)。一方、もし、点A2のみが測位対象エリア内にあるならば(ステップS53がNO;従って、点A2のみが測位対象エリア内にあると判定される(ステップS55))、上記現在位置Aは点A2であると仮定する(ステップS62)。
一方、もし、解A1、A2の両方が測位対象エリア内である場合には(ステップS53がYES且つステップS54がYES)、蓄積されたデータを参照することで位置を1つに特定することを試みる。
まず、蓄積データのなかに点A1の通信状態データが存在し、且つ、この点A1の通信状態データが、マルチパス無しに通信可能な基地局が3つ以上あるものであるか否かを判定する(ステップS56)。例えば、点A1の通信状態データ= [1,1,1,0]であればステップS56の判定はYESとなる。また、点A1の通信状態データ= [1,1,2,0]であれば、通信可能な基地局は3つであるが、そのうちの1つはマルチパスにより通信可能となっているので、マルチパス無しに通信可能な基地局は2つということになるので、ステップS56の判定はNOとなる。
ステップS56の判定がYESの場合には、上記現在位置Aは点A2であると仮定する(ステップS62)。尚、これは一例であり、例えば、ステップS56の判定がYESの場合にも、後述するステップS57と同様の処理を行って判定YESならば、終了としてもよい。もし、現在位置Aが点A2ではないならば、後述するステップS63の判定がNOとなるはずなので、ここでは上記の通り現在位置Aは点A2であると仮定しても構わない。
ステップS56の判定がNOの場合、続いて、点A2に関して上記ステップS56と同様の判定を行う。すなわち、蓄積データのなかに点A2の通信状態データが存在し、且つ、この点A2の通信状態データが、マルチパス無しに通信可能な基地局が3つ以上あるものであるか否かを判定する(ステップS57)。
ステップS57の判定がYESの場合には、上記現在位置Aは点A1であると仮定する(ステップS61)。勿論、現在位置Aが、点A1、A2のどちらでもない可能性はあり得るが(例えば、点Aでの通信可能な基地局の1つが、マルチパス通信によって通信可能となっていた場合等)、この場合には、上記の通り、後述するステップS63の判定がNOとなるはずである。
上記ステップS56,S57の判定が何れもNOであった場合には、蓄積データのなかに点A1の通信状態データが存在し、且つ、この点A1の通信状態データにおいて、通信可能な基地局が2つとなっており且つこれら各通信状態にマルチパスを含まない、ものとなっているか否かを判定する(ステップS58)。例えば、点A1の通信状態データ= [1,1,0,0]であればステップS58の判定はYESとなり、例えば点A1の通信状態データ= [1,2,0,0]や[2,1,0,0]や[1,0,0,0]等であれば、ステップS58の判定はNOとなる。
そして、ステップS58がYESであればステップS59の処理、ステップS58がNOであればステップS60の処理を行うが、ステップS59,S60は同じ処理である。
すなわち、ステップS59又はS60は、蓄積データのなかに点A2の通信状態データが存在し、且つ、この点A2の通信状態データにおいて、通信可能な基地局が2つとなっており且つこれら各通信状態にマルチパスを含まない、ものとなっているか否かを判定する。
そして、ステップS58がYES且つステップS59がNOであれば、上記現在位置Aは点A1であると仮定する(ステップS61)。ステップS58がYES且つステップS59がYESであれば、本処理は終了する。ステップS58がNO且つステップS60がYESであれば、上記現在位置Aは点A2であると仮定する(ステップS62)。ステップS58がNO且つステップS60がNOであれば、本処理は終了する。
もし、上記ステップS61又はS62の処理が実行された場合には、任意の位置から上記現在位置Aに移動する際に自律型センサによる計測を行っていることで現在位置座標の推定を行えるので、この推定位置座標と点A1又は点A2の位置座標との誤差(距離)が、予め任意に設定される閾値未満であるか否か(誤差が適正な範囲か否か)を判定し(ステップS63)、誤差が適正範囲内であれば(ステップS63,YES)、現在位置は上記ステップS61又はS62で仮定した位置(A1又はA2)であると決定する(ステップS64)。もし、誤差が適正範囲内でなければ(ステップS63,NO)、本処理は終了する。
尚、ステップS63の処理は、ステップS17の処理と略同様である。
尚、図8の処理は、図4のステップS15,S16,S17の処理の詳細フローと考え
てよい。この場合、ステップS64の処理後にステップS20の処理を行うことになる。また、ステップS63の判定がNOの場合は、終了とはせずに、ステップS18,S19の処理を行うことになる。これは、ステップS59がYES又はステップS60がNOの場合にも同様である。
また、上記蓄積データを利用することで、様々は応用が可能である。
例えば、既に通信状態データを収集・記憶してある任意の地点において、再度、無線測位を試みた結果、既存の通信状態データと異なる結果が得られたならば、人の侵入や物の移動などの環境変化があったと判定することが可能となる。すなわち、例えば、蓄積されていた、現在地点に対応する通信状態データと、今回の無線測位によって得られた通信状態データとを比較して、両者が一致するならば、環境変化無しと判定し、不一致ならば環境変化ありと判定する。例えば、現在位置で無線測位の結果、現在位置座標が(m,n)であると判定され、蓄積データを参照することで地点(m,n)の通信状態データが[1,1,1,0]であった場合、今回の無線測位による通信状態データが[1,1,1,0]であれば環境変化無しと判定し、[1,0,1,0]や [1,2,1,0]等であった場合には環境変化ありと判定して、例えば報知等を行う。
この様に、人の侵入検知等にも応用でき、更に例えば人が居ないはずの時間帯を設定しておくことで、不審者の侵入検知等も可能となる。
(付記1) 複数の基地局で囲まれた測位対象エリア内を自律移動する移動体であって、
前記各基地局との無線通信を行って、該各無線通信によって得られる各基地局との測距データに基づいて現在位置座標を測位する無線測位手段と、
自律型センサによって計測される移動方向と移動量に基づいて現在位置座標を推定する位置推定手段と、
前記測位対象エリア内の任意の各地点毎に、前記無線測位手段によって前記無線測位を試みて、通信状態データと無線測位可否データを生成して、前記現在位置座標が無線測位できた場合には該無線測位で求めた該位置座標に対応付けて前記通信状態データと無線測位可否データを記憶し、無線測位できない場合には前記位置推定手段によって推定された位置座標に対応付けて前記通信状態データと無線測位可否データを記憶するデータ蓄積手段と、
該データ蓄積手段に蓄積された情報を利用して、前記測位対象エリア内での任意の目的地への移動制御、あるいは任意の無線測位不能な地点の位置座標を求める手段と、
を有することを特徴とする移動体。
(付記2) 任意の目的地へ移動する場合、前記データ蓄積手段に該目的地の位置座標に対応付けた情報が記憶されており、且つそれが前記無線測位不能を示す情報である場合には、更に前記データ蓄積手段を参照して、該目的地に近い前記無線測位可能地点を経由して前記目的地へ移動するように前記移動制御を行う移動制御手段を更に有することを特徴とする付記1記載の移動体。
(付記3) 前記目的地に近い前記無線測位可能地点を、一旦、経由地候補とし、該経由地候補地点と前記目的地との距離が予め設定される所定値以下の場合には、該経由地候補地点を経由して前記目的地へ移動することを特徴とする付記2記載の移動体。
(付記4) 現在位置が前記無線測位不能な任意の地点であり、且つ現在位置に至るまでに無線測位不能な状態のまま所定距離以上移動してきた場合には、前記データ蓄積手段を参照して、現在位置に近い前記無線測位可能地点を求め、該求めた地点へ前記位置推定手段による推定を行って移動して、該移動先で前記無線測位を行った結果と該推定結果との誤差に基づいて、前記無線測位不能な任意の地点の位置座標を求めることを特徴とする
付記1記載の移動体。
(付記5) 前記現在位置に近い前記無線測位可能地点と現在位置との距離が予め設定される所定値以下か否かを判定し、所定値以下の場合には前記求めた地点へ移動して位置座標を求める処理を実行し、所定値以下ではない場合には前記位置推定手段によって前記現在位置に至るまでに前記自律型センサによって計測される移動方向と移動量に基づいて推定された位置座標を、前記任意の地点の位置座標とすることを特徴とする付記4記載の移動体。
(付記6) 任意の地点で前記無線測位手段による無線測位を行った結果、現在位置座標の候補が2つあった場合、前記データ蓄積手段を参照して、該各候補の位置座標に対応付けた前記通信状態データがある場合には、該各通信状態データを用いて、現在位置座標を前記2つの候補のうちの1つに特定することを特徴とする付記1記載の移動体。
(付記7) 複数の基地局で囲まれた測位対象エリア内を自律移動する移動体であって、
前記各基地局との無線通信を行って、該各無線通信によって得られる各基地局との測距データに基づいて現在位置座標を測位する無線測位手段と、
自律型センサによって計測される移動方向と移動量に基づいて現在位置座標を推定する位置推定手段と、
前記測位対象エリア内の任意の各地点毎に、前記無線測位手段によって前記無線測位を試みて、通信状態データと無線測位可否データを生成して、前記現在位置座標が無線測位できた場合には該無線測位で求めた該位置座標に対応付けて前記通信状態データと無線測位可否データを記憶し、無線測位できない場合には前記位置推定手段によって推定された位置座標に対応付けて前記通信状態データと無線測位可否データを記憶するデータ蓄積手段と、
その位置座標に関して既に前記データ蓄積手段にデータ記憶されている任意の地点で再度前記無線測位手段による無線測位を行った場合、前記データ蓄積手段に記憶されている前記通信状態データと、今回の通信状態データとを比較することで、環境変化を検知する環境変化検知手段と、
を有することを特徴とする移動体。
(付記8) 前記通信状態データは、前記各基地局毎に、その基地局との通信が、通信不可能、直接波で通信可能、マルチパス波で通信可能の何れであるかを示すデータであることを特徴とする付記1〜7の何れかに記載の移動体。
(付記9) 複数の基地局と、該複数の基地局で囲まれた測位対象エリア内を自律移動する移動体とを有する無線測位システムであって、
前記移動体は、
前記各基地局との無線通信を行って、該各無線通信によって得られる各基地局との測距データに基づいて現在位置座標を測位する無線測位手段と、
自律型センサによって計測される移動方向と移動量に基づいて現在位置座標を推定する位置推定手段と、
前記測位対象エリア内の任意の各地点毎に、前記無線測位手段によって前記無線測位を試みて、通信状態データと無線測位可否データを生成して、前記現在位置座標が無線測位できた場合には該無線測位で求めた該位置座標に対応付けて前記通信状態データと無線測位可否データを記憶し、無線測位できない場合には前記位置推定手段によって推定された位置座標に対応付けて前記通信状態データと無線測位可否データを記憶するデータ蓄積手段と、
該データ蓄積手段に蓄積された情報を利用して、前記測位対象エリア内での任意の目的
地への移動制御、あるいは任意の無線測位不能な地点の位置座標を求める手段と、
を有することを特徴とする無線測位システム。
(付記10) 複数の基地局で囲まれた測位対象エリア内を自律移動する移動体のコンピュータを、
前記各基地局との無線通信を行って、該各無線通信によって得られる各基地局との測距データに基づいて現在位置座標を測位する無線測位手段と、
自律型センサによって計測される移動方向と移動量に基づいて現在位置座標を推定する位置推定手段と、
前記測位対象エリア内の任意の各地点毎に、前記無線測位手段によって前記無線測位を試みて、通信状態データと無線測位可否データを生成して、前記現在位置座標が無線測位できた場合には該無線測位で求めた該位置座標に対応付けて前記通信状態データと無線測位可否データを記憶し、無線測位できない場合には前記位置推定手段によって推定された位置座標に対応付けて前記通信状態データと無線測位可否データを記憶するデータ蓄積手段と、
該データ蓄積手段に蓄積された情報を利用して、前記測位対象エリア内での任意の目的地への移動制御、あるいは任意の無線測位不能な地点の位置座標を求める手段、
として機能させるためのプログラム。
本例の移動体のハードウェア構成図である。 無線通信による測位システムについて説明する為の図である。 通信状態データの記憶フォーマット例である。 通信状態データの収集・蓄積処理のフローチャート図である。 移動体の移動制御処理のフローチャート図である。 図5の処理の具体例を説明する為の図である。 (a)、(b)測位不能エリアが狭まる様子を示す図である。 通信可能な基地局が2個の場合の処理フローチャート図である。
符号の説明
1,2,3,4 基地局
10 移動体
21 無線端末
22 アンテナ
23 ジャイロ
24 回転数検知用エンコーダ
30 コンピュータ
31 CPU
32 記録媒体(記憶装置)
33 メモリ
34 入出力インタフェース

Claims (7)

  1. 複数の基地局で囲まれた測位対象エリア内を自律移動する移動体であって、
    前記各基地局との無線通信を行って、該各無線通信によって得られる各基地局との測距データに基づいて現在位置座標を測位する無線測位手段と、
    自律型センサによって計測される移動方向と移動量に基づいて現在位置座標を推定する位置推定手段と、
    前記測位対象エリア内の任意の各地点毎に、前記無線測位手段によって前記無線測位を試みて、通信状態データと無線測位可否データを生成して、前記現在位置座標が無線測位できた場合には該無線測位で求めた該位置座標に対応付けて前記通信状態データと無線測位可否データを記憶し、無線測位できない場合には前記位置推定手段によって推定された位置座標に対応付けて前記通信状態データと無線測位可否データを記憶するデータ蓄積手段と、
    該データ蓄積手段に蓄積された情報を利用して、前記測位対象エリア内での任意の目的地への移動制御、あるいは任意の無線測位不能な地点の位置座標を求める手段と、
    を有することを特徴とする移動体。
  2. 任意の目的地へ移動する場合、前記データ蓄積手段に該目的地の位置座標に対応付けた情報が記憶されており、且つそれが前記無線測位不能を示す情報である場合には、更に前記データ蓄積手段を参照して、該目的地に近い前記無線測位可能地点を経由して前記目的地へ移動するように前記移動制御を行う移動制御手段を更に有することを特徴とする請求項1記載の移動体。
  3. 現在位置が前記無線測位不能な任意の地点であり、且つ現在位置に至るまでに無線測位不能な状態のまま所定距離以上移動してきた場合には、前記データ蓄積手段を参照して、現在位置に近い前記無線測位可能地点を求め、該求めた地点へ前記位置推定手段による推定を行って移動して、該移動先で前記無線測位を行った結果と該推定結果との誤差に基づいて、前記無線測位不能な任意の地点の位置座標を求めることを特徴とする請求項1記載の移動体。
  4. 任意の地点で前記無線測位手段による無線測位を行った結果、現在位置座標の候補が2つあった場合、前記データ蓄積手段を参照して、該各候補の位置座標に対応付けた前記通信状態データがある場合には、該各通信状態データを用いて、現在位置座標を前記2つの候補のうちの1つに特定することを特徴とする請求項1記載の移動体。
  5. 複数の基地局で囲まれた測位対象エリア内を自律移動する移動体であって、
    前記各基地局との無線通信を行って、該各無線通信によって得られる各基地局との測距データに基づいて現在位置座標を測位する無線測位手段と、
    自律型センサによって計測される移動方向と移動量に基づいて現在位置座標を推定する位置推定手段と、
    前記測位対象エリア内の任意の各地点毎に、前記無線測位手段によって前記無線測位を試みて、通信状態データと無線測位可否データを生成して、前記現在位置座標が無線測位できた場合には該無線測位で求めた該位置座標に対応付けて前記通信状態データと無線測位可否データを記憶し、無線測位できない場合には前記位置推定手段によって推定された位置座標に対応付けて前記通信状態データと無線測位可否データを記憶するデータ蓄積手段と、
    その位置座標に関して既に前記データ蓄積手段にデータ記憶されている任意の地点で再度前記無線測位手段による無線測位を行った場合、前記データ蓄積手段に記憶されている前記通信状態データと、今回の通信状態データとを比較することで、環境変化を検知する環境変化検知手段と、
    を有することを特徴とする移動体。
  6. 複数の基地局と、該複数の基地局で囲まれた測位対象エリア内を自律移動する移動体とを有する無線測位システムであって、
    前記移動体は、
    前記各基地局との無線通信を行って、該各無線通信によって得られる各基地局との測距データに基づいて現在位置座標を測位する無線測位手段と、
    自律型センサによって計測される移動方向と移動量に基づいて現在位置座標を推定する位置推定手段と、
    前記測位対象エリア内の任意の各地点毎に、前記無線測位手段によって前記無線測位を試みて、通信状態データと無線測位可否データを生成して、前記現在位置座標が無線測位できた場合には該無線測位で求めた該位置座標に対応付けて前記通信状態データと無線測位可否データを記憶し、無線測位できない場合には前記位置推定手段によって推定された位置座標に対応付けて前記通信状態データと無線測位可否データを記憶するデータ蓄積手段と、
    該データ蓄積手段に蓄積された情報を利用して、前記測位対象エリア内での任意の目的地への移動制御、あるいは任意の無線測位不能な地点の位置座標を求める手段と、
    を有することを特徴とする無線測位システム。
  7. 複数の基地局で囲まれた測位対象エリア内を自律移動する移動体のコンピュータを、
    前記各基地局との無線通信を行って、該各無線通信によって得られる各基地局との測距データに基づいて現在位置座標を測位する無線測位手段と、
    自律型センサによって計測される移動方向と移動量に基づいて現在位置座標を推定する位置推定手段と、
    前記測位対象エリア内の任意の各地点毎に、前記無線測位手段によって前記無線測位を試みて、通信状態データと無線測位可否データを生成して、前記現在位置座標が無線測位できた場合には該無線測位で求めた該位置座標に対応付けて前記通信状態データと無線測位可否データを記憶し、無線測位できない場合には前記位置推定手段によって推定された位置座標に対応付けて前記通信状態データと無線測位可否データを記憶するデータ蓄積手段と、
    該データ蓄積手段に蓄積された情報を利用して、前記測位対象エリア内での任意の目的地への移動制御、あるいは任意の無線測位不能な地点の位置座標を求める手段、
    として機能させるためのプログラム。
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