JP2008248485A - 橋脚補強板及び橋脚補強工法 - Google Patents

橋脚補強板及び橋脚補強工法 Download PDF

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Abstract

【課題】地盤を軟化・掘削するための高圧水や、振動発生装置を使用せずに、荷重を加えるだけで、橋脚補強板を地盤内へ圧入可能な手段を提供する。
【解決手段】下端縁に鋭角先導部Pが形成され、内面にスペーサ4,5が設けられた橋脚補強板1の二つを橋脚Kの四側面を覆うように組み合わせて連結し、補強板連結体Rを構築する。圧入装置10で補強板連結体Rの上端部を押圧して地盤G内へ圧入すると、補強板連結体Rと橋脚K表面との間には隙間Sを有するから圧入抵抗が比較的小さくなり、地中の岩石Zは鋭角先導部Pにより外側へ押し出されるから、高圧水も振動発生装置も使わずに、補強板連結体Rを容易に地盤G内へ圧入することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、橋脚の表面を地中部において覆うことにより耐震性を高めるのに用いる橋脚補強板の改良、及び、この補強板を用いた橋脚補強工法に関する。
橋脚の耐震性を高めるための技術として、橋脚の地中部から地上部に至るまでの表面を鉄鋼製の補強板で覆った後、橋脚と補強板との隙間をコンクリートやモルタルで充填する補強構造が知られている。この補強構造を施工するには、従来、橋脚の地中部分を補強板で覆うために、掘削機械で橋脚周囲の地盤を掘削し、橋脚を露出させることが行われている。しかしながら、この工法は重機を用いた手間のかかる作業となるので、工期が長くなり経費も高くつくという問題を有していた。かかる問題点を解決する手段として、特許文献1に、高圧水で地盤を掘削すると共に補強板に振動を与えて押し下げることにより、補強板を橋脚の地中部に沈下させる工法が記載されている。この工法によれば、橋脚周囲の地盤を掘削機械で掘り返す必要がなくなり、工事規模が縮小されるので、工期の短縮化及び工費の低廉化を図れるとされている。
特許第3608584号公報
特許文献1に記載の工法は、掘削機械は不要であるが、地盤を軟化・掘削するための高圧水を供給する設備と、補強板に振動を与えるための振動発生装置とが必要である。また高圧水で泥状となった土砂や排水の処理に手間を要するという欠点が有った。
本発明者は、鉄鋼等の十分な強度を有する材質で製作した補強板については、その下端部形状を工夫すると共に橋脚表面からの距離を一定範囲以内に設定すれば、特殊な地質でない限り、高圧水を使用しなくとも、当該補強板に鉛直方向の荷重を加えるだけで、これを地盤内へ圧入することが可能であるという知見を得た。本発明は、かかる知見に基づき創案するに至ったものである。
本発明は、橋脚補強板に関し、複数の形態を提案する。そのひとつは、請求項1に記載する如く、断面矩形の橋脚における四側面のうち隣接する二側面を地中において当該二側面から所定間隔の隙間を空けて覆うための補強板であって、実質的に直角に連設された二つの平板部分から成る本体部を有し、前記本体部における高さ方向の下端縁に断面が下方へ向かって先細りのテーパ面となる鋭角先導部が形成され、本体部内面から起立して本体部の高さ方向へ延びる板状部材から成り、橋脚表面に当接して所定間隔の隙間を形成するためのスペーサが、前記本体部の内隅部を挟む内隅両脇位置及び幅方向の両側端縁それぞれの近傍位置に配設され、前記スペーサの本体部内面からの起立高さが20〜50mmの範囲に設定され、内隅両脇位置それぞれのスペーサは下端部分が内隅部へ向かって折れ曲がり下端において互いに当接するように形成され、本体部の両側端縁近傍位置それぞれのスペーサは下端部分が本体部の側端縁へ向かって折れ曲がり下端において本体部側端縁に達するように形成されていることを特徴とするものである。
また請求項2に記載する如く、前記橋脚補強板において、本体部内面の下部領域に、当該内面から起立して本体部の高さ方向に延びると共に本体部下端から下方へ突出する部分を有する複数の刃口板を、本体部の幅方向に所定間隔を置いて設け、前記刃口板は、本体部内面からの起立高さが前記スペーサの起立高さ以下であり、本体部から下方へ突出する部分は下方へ向かうに従って先細りとなるテーパ形状に形成されているものとすることもできる。
さらに本発明に係る橋脚補強板は、請求項5に記載する如く、実質的に直角に連設された二つの平板部分から成る本体部を有し、前記本体部の内面に、橋脚表面に当接して所定間隔の隙間を形成すると共に、当該本体部が橋脚表面に沿って高さ方向に移動するのを案内するための転動体が設けられ、前記2つの平板部分それぞれにおける下端部分を折り曲げて下方へ向かうに従って橋脚表面へ接近するように傾斜する傾斜面部が形成され、前記傾斜面部は、平板部分に対する傾斜角度が25〜35°の範囲であり、且つ平板部分の内面に対する垂直な方向の変位量が前記転動体の突出寸法以下に設定され、前記傾斜面部の内面に、当該内面に対し垂直に起立し本体部の高さ方向に延びる複数の補強リブが幅方向に所定間隔を置いて取着され、当該補強リブの本体部内面からの起立高さは前記転動体の突出高さ以下であることを特徴とするものとすることができる。
なお本発明は、前述した橋脚補強板を用いた橋脚補強工法を提供する。請求項1又は2に記載の橋脚補強板を使用する場合は、請求項3に記載するように、地上において、請求項1又は2に記載する補強板の2つを組み合わせて橋脚の四側面を覆うように連結することにより初段の補強板連結体を設け、当該初段の補強板連結体をその上端部を押圧して地中内へ押し込む第一圧入工程と、前記初段の補強板連結体の上に、本体部の構成並びにスペーサの配設位置及び起立高さについては請求項1に記載する補強板と実質的に共通であるが、本体部の下端縁に鋭角先導部が形成されていない点及びスペーサは本体部の高さ方向の全域に渡って直線的に形成されている点で異なる延長用補強板の2つを積み重ね、当該延長用補強板どうしを連結すると共にこれらと初段の補強板連結体とを連結して延伸用補強板連結体を設け、当該延伸用補強板連結体の上端部を押圧して補強板連結体の全体を地中内へ押し込む第二圧入工程と、前記と同様にして前記延伸用補強板連結体の上に新たに延伸用補強板連結体を連設し、当該新たな延伸用補強板連結体の上端部を押圧して補強板連結体の全体を地中内へ押し込む圧入工程を所要回数行う追加圧入工程とを行うことにより、複数段の補強板連結体から成り橋脚の四側面を所定間隔を空けて覆う補強構造体を形成し、当該補強構造体の4つの内隅部における補強板本体部とスペーサと橋脚表面とによって囲まれた空間に、モルタル・コンクリート等の硬化材を注入する硬化材充填工程を行うことを特徴とする。
前記補強工法にあっては、請求項4に記載する如く、前記初段の補強板連結体の4つの内隅部において、2つのスペーサによって挟まれた空間部分の下端部に、土砂の浸入を阻止するキャップを装着してもよい。
他方、請求項5の橋脚補強板4を使用する場合の橋脚補強工法は、請求項6に記載する如く、地上において、請求項5に記載する補強板の2つを組み合わせて橋脚の四側面を覆うように連結することにより初段の補強板連結体を設け、当該初段の補強板連結体をその上端部を押圧して地中内へ押し込む第一圧入工程と、前記初段の補強板連結体の上に、本体部が直角に連設された二つの平板部から成る点及び当該本体部の内面に転動体が設けられている点については請求項5に記載する補強板と実質的に共通するが、上記平板部は高さ方向の全域に渡って平坦であり傾斜面部を持たない点で異なる延長用補強板の2つを積み重ね、当該2つの延長用補強板どうしを連結すると共にこれらと前記初段の補強板連結体とを連結することにより延伸用補強板連結体を設け、当該延伸用補強板連結体の上端部を押圧して補強板連結体の全体を地中内へ押し込む第二圧入工程と、前記と同様にして前記延伸用補強板連結体の上に新たに延伸用補強板連結体を連設し、当該新たな延伸用補強板連結体の上端部を押圧して補強板連結体の全体を地中内へ押し込む圧入固定を所要回数行う追加圧入工程とを行うことにより、複数段の補強板連結体から成り橋脚の四側面を所定間隔を空けて覆う補強構造体を形成し、当該補強構造体と橋脚表面との間の隙間にモルタル・コンクリート等の硬化材を注入する硬化材充填工程を行うことを特徴とする。
請求項1に係る橋脚補強板は、その2つを橋脚の四側面を囲むように組み合わせて連結すると、本体部内面に設けたスペーサにより、橋脚表面との間に20〜60mm(?)の隙間が形成される。こうして2つの橋脚補強板を連結して設けた補強板連結体の上端部を押圧して地盤内へ圧入すると、土砂が補強板連結体と橋脚表面との隙間へ侵入するため、補強板連結体を地盤内へ沈下させる抵抗が小さくなる。また、補強板連結体を地盤内へ沈下させるのに障害となるのは地中の岩石であるが、橋脚表面と補強板との隙間寸法よりも径の大きい岩石は、橋脚と補強板との隙間に侵入することがない。また補強板下端縁の鋭角先導部が、その下方に先細りテーパ面の形態によって、岩石を補強板の外側へ押し出すように機能する。以上のような作用により、本願発明の橋脚補強板で構成した補強板連結体は、土砂や所定寸法以下の小さい砂礫を橋脚表面との隙間に取り込みつつ、所定寸法を超える大きな岩石は排除しながら地盤内を沈降するから、従来のように振動を与えたり高圧水で地盤を軟化・掘削したりしなくても、容易に地盤内へ圧入することが可能である。その結果、地盤掘削用の重機・振動発生装置・高圧水の供給装置等が不要となるから、橋脚補強工事に使用する機器の簡略化、及び、施工時間の短縮化を図ることができる。
また補強板連結体を地盤内へ圧入し終えた後、補強板と橋脚表面との隙間にモルタル・コンクリート等の硬化材を注入するが、硬化材による補強は、構造計算上、橋脚の四つの稜線部に対して施せばよいことが分かっている。本発明では、2つの橋脚補強板を連結して設けた補強板連結体で橋脚表面を覆うことにより、橋脚の4つの稜線部の外側に、橋脚表面と補強板本体部とスペーサとによって囲まれた空間を形成するので、この空間に硬化材を注入充填して、所要の補強を施せばよい。本発明では、本体部の内隅両脇位置に配設したスペーサの下端部分が折れ曲がり、下端において当接して閉じた端部を形成するように構成されている。他方、2つの橋脚補強板の連結部分においても、各補強板の両側端縁近傍位置に配設した各スペーサそれぞれの折り曲げた下端部分が下端で合わさって、やはり閉じた端部を形成している。従って、補強板連結体で橋脚表面を覆ったときに、橋脚稜線部の外側に形成されるスペーサで囲まれた空間は、土砂が非常に侵入しにくい構造となり、ある径以上の大きさの石は決して侵入できないようになる。それ故、硬化材の注入にあたり、前もって充填対象の空間から土砂を除去する必要があるが、本発明では当該空間から除去すべき土砂の量が少なくなるので、土砂排除作業に要する時間が短くて済む。また補強板と橋脚表面との隙間のうち、上記四隅以外の部分については、土砂の侵入を許容したから、硬化材の注入を省略できる。その結果、本発明は、硬化材の使用量を少なくできると共に、充填に要する注入時間も短くて済む。
なお本発明に係る橋脚補強板は、本体部がほぼ直角の平板部分であるから、積み重ねが容易であり、多数を運搬するときの容積を小さくできる効果を有する。
請求項2に記載した橋脚補強板は、本体部内面の下部領域に、本体部の高さ方向に延びると共に本体部下端から下方へ突出し、且つ下方へ向かって先細りとなるテーパ形状に形成された複数の刃口板を、幅方向に所定間隔を置いて設けたので、この刃口板が、補強板を地盤内へ圧入する際の案内部材になると共に、地中の岩石を排除する機能を発揮する。従って、請求項2に係る橋脚補強板で構成した補強板連結体も、上端部を押圧するだけで地盤内へ容易に圧入することができるから、地盤掘削用の重機・振動発生装置・高圧水の供給装置等が不要であり、短い工期で橋脚補強工事を終わらせることが可能である。
請求項3に記載した本発明に係る橋脚補強工法は、橋脚補強板を組み合わせて連結した補強板連結体を所要段数積み重ね、これらを順次地中内へ押し込む圧入工程を行うにあたり、前述したように初段の補強板連結体を請求項1又は2に記載した橋脚補強板を用いて構成したので、地盤内への圧入が容易になると共に、圧入終了後の硬化材充填作業は橋脚稜線部に対応するスペーサで囲まれた空間だけでよく、しかも、この空間から排除すべき土砂量は少なくなる。よって、橋脚補強工事に必要な使用機器を簡略にでき、各作業に要する労力が軽減され、工期も短縮化される。
請求項4に記載の如く、初段の補強板連結体の4つの内隅部に形成されるスペーサで挟まれた空間部分の下端部にキャップを装着した場合は、補強板連結体を地盤内へ圧入する際に、上記空間内への土砂の侵入を大幅に阻止できる。依って、硬化材注入前の土砂除去作業が著しく軽減され、あるいは省略が可能となる。
請求項5に係る橋脚補強板は、橋脚の四側面を囲むように2つを組み合わせて連結すると、本体部内面に設けた転動体により、橋脚表面との間に所定寸法の隙間が形成される。当該補強板の2つを連結して設けた補強板連結体の上端部を押圧すると、上記転動体が橋脚表面に当接して補強板連結体の移動を案内するので、補強板連結体の地盤内への進行を容易にする。補強板の下端部分に傾斜角度が25〜35°の傾斜面部を形成したことにより、補強板連結体を地盤内へ圧入する際、上記傾斜面部が、地中で衝突した岩石を補強板の外側へ排除する機能を発揮するから、従来のように振動を与えたり高圧水で地盤を軟化・掘削したりしなくても、補強板連結体を容易に地盤内へ圧入することが可能である。しかも、傾斜面部の平板部分に対する垂直方向の変位量を、前記転動体の突出寸法以下に設定したので、傾斜面部が橋脚表面に接触して、圧入抵抗となるおそれがない。なお、傾斜面部の内面に垂直に起立し本体部の高さ方向に延びる複数の補強リブを幅方向に所定間隔を置いて取着したので、傾斜面部は、圧入時に土砂や岩石を排除するのに必要な強度を発揮することができる。なお上記補強リブの本体部内面からの起立高さを、転動体の突出高さ以下としたので、補強板が橋脚表面に接触することがなく、圧入抵抗を増大させることがない。
請求項6に係る橋脚補強工法は、橋脚の四側面を囲む複数段の補強板連結体のうち、初段部分を請求項5に記載する橋脚補強板を連結して設けたので、内面側の転動体によって補強板連結体の橋脚表面に沿った移動が円滑化される。また下端部に設けた傾斜面部が、補強板連結体を地盤内へ圧入する際、土砂や岩石を排除する機能を発揮する。依って、掘削機械等の重機や振動発生装置・高圧水供給装置等を使用することなく、補強板連結体の上端部を押圧することにより、容易に地盤内へ圧入することが可能である。また圧入終了後には、補強板と橋脚表面との隙間に硬化材を充填するが、傾斜面部の土砂排除機能により、この空間内へ土砂や砂礫が侵入する量がわずかに抑えられる。それ故、上記空間から排除する土砂量が非常に少なくなるか又は土砂排除作業を省略できるので、硬化材充填作業に伴う労力が軽減される。要するに、橋脚補強工事に必要な使用機器を簡素化でき、各作業に要する労力が軽減され、工期も短縮化される効果が発揮される。
[第1の実施形態]
請求項1に記載する橋脚補強板、及び、これを用いた請求項3に記載する橋脚補強工法の実施形態を、図1〜図14を用いて説明する。
(橋脚補強板)
図1(A)に示す如く、橋脚補強板1の本体部2は、実質的に直角に連設された二つの平板部分3,3から成り、例えばJIS分類SS又はSMA等の鋼板を、若干湾曲するように直角に折り曲げて製作される。鋼板を使用する場合、その厚みは、6〜12mmが適当である。強度・耐久性・価格等を考慮すると、補強板1を鋼板製とするのが最適と考えられるが、必要な物性を備えるのであれば、鉄鋼以外の金属・プラスチック・セラミック・FRP・GRP等で製作することを妨げるものではない。
本実施形態に係る橋脚補強板1は、単独では橋脚の四側面のうちの隣接する二側面を、側面から所定間隔の隙間を空けて覆うものであり、橋脚四側面を覆うために、当該補強板1を2つ組み合わせ連結して用いる(図3〜5参照)。従って、平板部分3,3の幅寸法は、上記隙間を形成できるように、橋脚側面の幅寸法より大きく設定される。なお、補強板1の高さ寸法は適宜であるが、800〜1500mm程度とするのが好ましい。
図1(B)に示すように、本体部2における高さ方向の下端縁には、断面が下方へ向かって先細りのテーパ面となる鋭角先導部Pが形成される。鋭角先導部Pのテーパ面の傾斜角度θは25〜35°の範囲が適当である。なお図示する如く、原則として鋭角先導部Pの形態は、本体部2の内面側は下端部3cまでの平面状とし、外面側を傾斜面とするのが好ましい。
本体部2の内面には、平板部分3,3の連設部分に形成される内隅部3aを挟む両脇位置及び幅方向の両側端縁3b,3bの近傍位置それぞれに、高さ方向へ直線的に延びる板状部材から成るスペーサ4,5が溶接等の手段により起立固定される。内隅両脇位置のスペーサ4,4は、下端部分4aが内隅部3aへ向かって折れ曲がり、下端で互いに当接するよう形成されている。他方、本体部2の両側端縁3b,3b近傍にそれぞれ配設されるスペーサ5,5は、下端部分5aが本体部2の側端縁3bへ向かって折れ曲がり、下端において本体部側端縁3bに達するように形成されている。従って、2つの補強板1,1を組み合わせて連結したときに、各補強板1,1のスペーサ5,5が下端で互いに当接し、閉じた端部を形成する。本体部2内面の上端部には、補強板どうしを上下方向に連結するための裏当て部材6が、上方へ突出するように取着される。この裏当て部材6は、当初より設けておいてもよいが、補強板どうしの上下連結時に後付けすることとしてもよい。
図2(A)に示す如く、内隅両脇位置のスペーサ4,4は、内隅部3aからの距離L=100〜200mmに配設され、本体部2内面からの起立高さH=20〜50mmの範囲に設定される。なお内隅部3aの曲率半径r=30〜60mmとするのが適当である。一方、本体部側端縁3b近傍のスペーサ5は、本体部2内面からの起立高さHについては内隅両脇位置のスペーサ4と共通であり、側端縁3bからの距離M=100〜200mmに設定される。スペーサ4,5の高さHを20〜50mmとしたのは、20mm未満では後述する土砂の侵入が容易ではなくなるおそれがあるからであり、50mmを越えると、径の大きい岩石を排除するのが困難になるからである。
(橋脚補強工法)
次に、前記橋脚補強板1を用いた橋脚補強工法について説明する。図2に示すように、橋脚補強板1の二つを用意し、地上において、補強工事の施工対象となる橋脚Kの四側面を覆うように組み合わせ、側端部3b,3bどうしを溶接などで連結し、図4に示す如き初段の補強板連結体Rを構築する。当該補強板連結体Rにおける平板部分3,3と橋脚Kとの間には、図5(A)に示す如く、橋脚補強板1の本体部2内面に設けたスペーサ4,5が橋脚K表面に当接することにより、スペーサ4,5の高さ寸法Hに相当する間隔の隙間Sが形成される。また図5(B)(C)に示すように、補強板連結体Rは、橋脚補強板1の内隅部3aによって形成される隅部と、橋脚補強板1の側端縁3b,3bどうしを連結することによって形成される隅部とを有するが、これら4つの隅部には、補強板本体部2とスペーサ4又は5と橋脚K表面とで囲まれた空間Q1,Q2が形成される。なお図5(C)において、7は橋脚補強板1の本体部側端縁3bを溶接する際に用いる裏打ち材である。
こうして橋脚K表面を覆う初段の補強板連結体Rを設けたならば、引き続き、図6及び図13(A)に示す如く、補強板連結体Rを地盤G内へ沈下させるための圧入装置10を橋脚Kに取り付ける。圧入装置10は例えば油圧ジャッキ12が利用され、橋脚Kの四側面それぞれの所定位置に埋設したアンカーボルトを用いてブラケット11を固定し、各ブラケット11それぞれに油圧ジャッキ12を取着し、各油圧ジャッキ12の先端部15を補強板連結体Rの上端部に連接する構成が考えられる。ブラケット11は、例えば鋼鉄等の金属製であり、図7に示すように、基板部11aの中央にジャッキ取付部11cを設けたものである。基板部11aにはアンカーボルトを挿通させるための開孔11bが適数個設けられている。ジャッキ取付部11cは、天板部11dと、底板部11eと、これらを連結する断面十字状の補強部11fと、天板部11dの上方補強部11gとから成り、底板部11eには、油圧ジャッキ12の取着用ボルトを挿通させるための開孔11hが設けられている。
油圧ジャッキ12は、油圧に基づいて進退するロッド13の先端に、必要に応じて使用する延長部材14と、補強板連結体Rの上端部に嵌合する連接部材15とが設けられる。連接部材15は、例えば、橋脚補強板1の本体部2上端を挟むスリットを有する形態が考えられる。延長部材14は交換可能であり、長さの異なるものを用意したり、あるいは複数個を連結可能として、長さの拡大を可能とする。このようにすれば、油圧ジャッキ12のストローク寸法が橋脚補強板1の高さ寸法に比べて短くても、1ストロークごとに延長部材14を長くすることにより、補強板連結体R全体を地盤G内へ押し込むことが可能である。また、かかる構成によって、ストロークが比較的短い小型の油圧ジャッキ12の使用が可能となるから、ジャッキ取付作業が容易になり、施工能率が向上する。なお、橋脚Kの四側面それぞれに取り付けた油圧ジャッキ12の動作を同期させる適宜の制御装置を設けて、各油圧ジャッキ12が同一のロッド伸長動作を行うようにすることが望ましい。
橋脚Kに圧入装置10を取り付け補強板連結体Rの上端部に連接したならば、図8に示すように油圧ジャッキ12を動作させ、補強板連結体Rの上端部を押圧して地盤G内へ圧入する。補強板連結体Rと橋脚K表面との間には隙間Sを有するから、土砂がこの隙間S内へ侵入することができるため、補強板連結体Rの圧入抵抗が比較的小さくなる。また、橋脚補強板1の本体部2内面に設けたスペーサ4,5が、橋脚Kの表面に当接して、補強板連結体Rの姿勢を安定させる。そして図9に示すように、地中に岩石Zが在った場合、本発明の橋脚補強板1は、橋脚K表面との隙間寸法が20〜50mmの小さい寸法に設定されているから、この隙間寸法より径の大きい岩石Zは、同図(A)に示す如く橋脚補強板1に衝突すると隙間S内へ入ることができず、補強板1下端に設けた鋭角先導部Pの機能により、同図(B)(C)に示すように、補強板連結体Rの沈下に伴って外側へ押し出される。以上述べた作用により本発明は、高圧水も振動発生装置も使わずに、補強板連結体Rを容易に地盤G内へ圧入することが可能である(第一圧入工程)。
なお補強板連結体Rの圧入に際し、振動発生装置の併用を拒むものではない。振動発生装置を補強板連結体Rに装着して振動を与えると、圧入圧力を軽減したり圧入速度を向上させたりする効果は無いものの、条件によっては補強板連結体Rの姿勢を安定化させる機能が発揮される。
ところで、比較的小型の油圧ジャッキ12を用いたため、その1ストローク分の圧入では、補強板連結体R全体を地盤G内へ沈下させることができないときには、1ストローク終了ごとに、ロッド13の先端に接続する延長部材14をより長いものに取り替えたり、あるいは図10に示す如く、複数の延長部材14,14…を順次接続したりすることによって、複数ストロークの圧入作業で、補強板連結体R全体を地盤G内へ沈下させることが可能である。なお後続作業の能率を考慮して、補強板連結体Rの上端部を、地表より上方に露出させてもよい。
初段の補強板連結体Rを地盤G内へ圧入したならば、図11に示すように、その上に延長用補強板21を積み重ねて延伸用補強板連結体Rnを構築する。延長用補強板21は、図12に示すように、初段の補強板連結体Rを構成する橋脚補強板1と比べると、実質的に直角に連設された二つの平板部分23,23で本体部22が構成される点、本体部22の上端部に裏打ち部材26を設けた点、本体部22の内隅部23aを挟む内隅両脇位置及び幅方向の両側端縁23b,23bそれぞれの近傍位置にスペーサ24,25が配設される点、並びに、各スペーサ23,24の起立高さについては共通であるが、本体部22の下端には鋭角先導部が形成されていない点、及び、スペーサ24.25は本体部22の高さ方向の全域に渡って直線的に形成されている点で異なっている。この延長用補強板21の2つを側端部23bで溶接等により連結すると共に、これらと初段の補強板連結体Rとを溶接等で連結して、二段目の補強板連結体(延伸用補強板連結体Rn)を設ける。その際、裏当て部材6が位置決めと補強の機能を果たす。しかるのち、圧入装置10で延伸用補強板連結体Rnの上端部を押圧することにより、初段を含めた補強板連結体R,Rnの全体を、地中内へ押し込む(第二圧入工程)。
第二圧入工程のあと、前記と同様にして、新たな延伸用補強板連結体Rnを積み重ねて連設し、当該新たな延伸用補強板連結体Rnの上端部を圧入装置10で押圧して、補強板連結体R,Rn,…の全体を地中内へ押し込む(追加圧入工程)。この追加圧入工程は、図13(B)に示す如く、橋脚Kの地中部分の要所を覆うことができるまで、所要回数反復して行う。これにより、複数段の補強板連結体R,Rn,…から成り、地中において橋脚Kの四側面を覆う補強構造体Uが形成される。なお必要であれば、補強板連結体Rnで橋脚Kの地上部分を覆ってもよい。
前記補強構造体Uは、図14に示すように、その四隅部に、補強板本体部1(21)、スペーサ4,5(24,25)、及び橋脚K表面によって囲まれた空間Q1,Q2が形成される。この空間Q1,Q2に、モルタル・コンクリート等の硬化材30を注入する硬化材充填工程を行い、所定の養生を行うことにより、目的とする橋脚補強工事が完了する。但し、硬化材30の注入に先立ち、高圧水洗浄装置や吸引装置を用いて、空間Q1,Q2から土砂を除去する必要がある。本発明では、初段の補強板連結体Rを構成する補強材1が、スペーサ4,5の下端部分を折り曲げて空間Q1,Q2の下端を閉じた構造になされているので、補強板1(21)の圧入時に、上記空間Q1,Q2内へ侵入する土砂の量は少ない。従って、土砂の除去作業が軽減され、場合によっては不要となるから作業能率がよい。なお硬化材30の充填は、上記四隅の空間Q1,Q2について行えば十分な強度が得られるとされているが、所望により、平板部分3(23)と橋脚K表面との隙間Sについても土砂の除去を行ったのち、硬化材充填を施すことも妨げない。
[第2の実施形態]
2つの橋脚補強板1,1を連結して補強板連結体Rを構築することにより、本体部2内面に設けたスペーサ4,4間に空間Q1が形成され、スペーサ5,5間に空間Q2が形成される。そこで図15(A)(B)に示すように、スペーサ4,5の下端部分にキャップ40を装着して、空間Q1,Q2の底部を閉塞する構成を採用すれば、補強板連結体Rを地盤内へ圧入する際に、上記空間Q1,Q2内へ侵入する土砂の量を低減させることができる。その結果、硬化材注入前の土砂除去作業が著しく軽減され、あるいは省略が可能となる。なおキャップ40の材質としては、補強板1と同じか又は同程度の強度を有するものを用いることが望ましい。また、キャップ40を補強板連結体Rへ装着する手段としては、溶接や接着剤によるもの等が考えられる。
[第3の実施形態]
図16は、本発明に係る橋脚補強板31の異なる実施形態を示すものである。同補強板31は、同図(A)に示すように、本体部2内面の下部領域に、当該内面から起立して本体部2の高さ方向に延びると共に、本体部下端3cから下方へ突出する部分33を持つ複数の刃口板32を、本体部2の幅方向に所定間隔dを空けて設けたところを特色とする。なお本例では、本体部下端3cに鋭角先導部を形成する必要はない。
図16(B)に示す上記刃口板32の本体部2内面からの起立高さfは、スペーサ4,5の起立高さH(図2参照)と同一か又はそれ以下とし、本体部2から下方へ突出する部分33は、下方へ向かうに従って先細りとなるテーパ形状に形成され(先端角度α=25〜35°)、その突出部分33の長さe=35〜90mm程度に設定される。一例として前記d,e,fの各寸法は、4d=e=2fの関係を満たすように設計するとよい。
本例の橋脚補強板31は、下部領域に設けた複数の刃口板32が、当該補強板31を地盤内へ圧入する際の案内部材になると同時に、地中の比較的大きな岩石に対する排除機能に優れる。また、刃口板32どうしの間隙を通って、土砂が補強板31と橋脚K表面との間の隙間へ侵入できる。従って、この橋脚補強板31で構成した補強板連結体Rも、上端部を押圧するだけで地盤内へ容易に圧入することができ、地盤掘削用の重機・振動発生装置・高圧水の供給装置等が不要であり、橋脚補強工事の工期短縮化が可能である。
[第4の実施形態]
図17に、本発明に係る橋脚補強板51のさらに異なる実施形態を示す。同図(A)に示す如く、本例の補強板51は、実質的に直角に連設された二つの平板部分53,53から成る本体部52の内面に、橋脚表面に当接して所定間隔の隙間を形成すると共に、本体部52が橋脚表面に沿って高さ方向に移動するのを案内する転動体57を設けたところを第1の特色とする。上記転動体57は、補強板51を圧入する際の姿勢を安定させるために、一つの平板部分53当たり四個以上、好ましくは六個以上を配設する。本例では、上記転動体57として、例えば戸車の如く円盤体又は円筒体を回転自在に軸支した構造や球状体を回転自在に軸支した構造のボールベアリングを、補強板51の内面へ点溶接で取着したものを使用することが考えられる。転動体57の本体部52内面からの突出高さは、20〜50mm程度に設定される。なお、転動体57を補強板51にベース部材58を介して固定する構造を採用した場合、上記ベース部材58の厚みを変更することで、転動体57の突出高さを調節することが可能である。
また、図17(B)に示すように、2つの平板部分53,53それぞれにおける下端部分を折り曲げて、下方へ向かうに従って橋脚表面の方へ接近するように傾斜する傾斜面部54を形成すると共に、この傾斜面部54の内面に、垂直に起立し且つ本体部52の高さ方向に延びる複数の補強リブ55を幅方向に所定間隔g(好ましくはg=200〜300mm)を空けて取着したところを第2の特色とする。各平板部分53,53の下端53cは、その断面が、傾斜面部54の傾斜角度βとほぼ同一角度の鋭角形状となるように形成する。なお図中の56は、上下に補強板を連結する際に用いる裏当て部材である。
前記傾斜面部54は、平板部分53に対する傾斜角度β=25〜35°の範囲であり、且つ、本体部52(平板部分53)の内面に対する垂直な方向の変位量hが、前記転動体57の突出寸法と同一か又はそれ以下に設定されている。また前記補強リブ55の本体部52内面からの起立高さも、前記転動体の突出高さと同一か又はそれ以下とされる。これは、転動体57によって、橋脚補強板51の橋脚表面に沿った移動を案内する際に、傾斜面部54の先端や補強リブ55が橋脚表面と接触して、圧入抵抗を増大させることがないようにするためである。なお本例では、傾斜面部54の本体部52内面に対する垂直方向の変位量と、補強リブ55の本体部52内面からの起立高さとが、同一の値hとなるように構成したが、転動体57の突出高さ以下の範囲で、異なる値とすることも妨げない。
前記橋脚補強板54を、橋脚の四側面を囲むように2つを組み合わせて連結して補強板連結体を構築すると、図18に示すように、本体部52内面に設けた転動体57により、橋脚K表面との間に所定寸法の隙間Sが形成される。そして、圧入装置10により当該補強板51で構成した補強板連結体Rの上端部を押圧すると、上記転動体57が橋脚K表面に当接して補強板連結体Rの移動を案内するので、補強板連結体Rの地盤G内への沈降が容易になる。補強板51の下端部分に傾斜角度β=25〜35°の傾斜面部54を形成したことにより、上記傾斜面部54が地中で衝突した岩石を補強板51の外側へ排除する機能を発揮する。従って、従来のように振動を与えたり高圧水で地盤を軟化・掘削したりしなくても、補強板連結体Rを容易に地盤G内へ圧入することが可能である。また傾斜面部54の内面に、複数の補強リブ55を幅方向に所定間隔を置いて取着したので、補強板連結体Rの圧入時に、傾斜面部54が土砂や岩石を排除するのに必要な強度を発揮できる。
なお、傾斜面部54の本体部52内面に対する垂直方向の変位量及び補強リブ55の本体部52内面からの起立高さを、転動体57の突出寸法以下に設定したので、同図(B)に示すように、傾斜面部54及び補強リブ55と橋脚K表面との間に隙間が生じるため、傾斜面部54及び補強リブ55が橋脚Kに接触して圧入抵抗を増大させるおそれがない。上記隙間寸法δ=10〜20mmであることが望ましい。
本実施形態でも、前掲の実施形態と同様に、前記橋脚補強板51で構成した初段の補強板連結体Rの上に延伸用補強板連結体Rnを所要段数積み重ねて、地盤G内へ圧入された補強構造体を構築し、しかる後、図19に示すように、補強板連結体R(Rn)と橋脚K表面との隙間Sへ硬化材を注入・充填する。本例では、延伸用補強板連結体Rnを構築する延長用補強板として、図17(A)の補強板51から、下端部分の傾斜面部54と補強板55とを省略した形態のものを用いることが考えられる。
本例の橋脚補強板51を用いて構築した初段の補強板連結体Rは、傾斜面部54の土砂排除機能により、橋脚K表面との間の隙間S内へ土砂や砂礫が侵入する量が僅かになる。それ故、上記隙間Sから排除する土砂量が非常に少なくなるか又は土砂排除作業を省略できるので、硬化材充填作業に伴う労力が軽減される。その結果、橋脚補強工事に必要な使用機器を簡素化でき、各作業に要する労力が軽減され、工期も短縮化される効果が発揮される。
なお図示は省略するが、本実施形態の橋脚補強板51において、図1に例示した橋脚補強板1で採用したスペーサ4,5を付設してもよい。これにより、転動体57の個数が少なくても、補強板連結体Rを圧入する際の姿勢安定性を確保できる。
本発明の第1の実施形態に係る橋脚補強板を示すものであって、図(A)は内面側から見た斜視図、図(B)は本体部の下端部分を拡大して示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る橋脚補強板に関するものであって、図(A)は内隅部分を拡大して示す平面図、図(B)は側端縁部分を拡大して示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に関するものであって、2つの橋脚補強板を組み合わせて補強板連結体を構築する要領を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に関するものであって、2つの橋脚補強板を組み合わせて構築した補強板連結体を示す斜視図である。(橋脚については断面して示す。) 本発明の第1の実施形態に関するものであって、図(A)は橋脚の四側面を覆う補強板連結体を示す平面断面図、図(B)は図(A)における内隅部分(b部)を拡大して示す平面断面図、図(C)は図(A)における側端縁部分(c部)を拡大して示す平面断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る橋脚補強工法に関するものであって、補強板連結体の上端部に圧入装置を連接した状態の正面図である。 圧入装置の油圧ジャッキを橋脚に取り付けるためのブラケットを示すものであって、図(A)は正面図、図(B)は底面図、図(C)は左側面図、図(D)は油圧ジャッキを連結した状態の左側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る橋脚補強工法に関するものであって、補強板連結体を圧入装置で押圧して地盤内へ沈下させている状態の側面断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る橋脚補強工法に関するものであって、補強板連結体の圧入に伴い、鋭角先導部によって地中の岩石が排除される状況を説明する側面断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る橋脚補強工法に関するものであって、初段の補強板連結体を地盤内へ圧入し終えた状態の正面図である。 本発明の第1の実施形態に係る橋脚補強工法に関するものであって、初段の補強板連結体の上に延伸用補強板連結体を積み重ねて連接した状態の正面図である。 本発明の第1の実施形態に関するものであって、延伸用補強板連結体を構成する延長用補強板を示す内面側から見た斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る橋脚補強工法に関するものであって、図(A)は初段の補強板連結体を圧入する前の状態を示す正面図、図(B)は複数段の補強板連結体の圧入を終えて補強構造体を構築した状態を示す正面図である。 本発明の第1の実施形態に係る橋脚補強工法に関するものであって、補強構造体の四隅の空間に硬化材を充填した状況を示す平面断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る橋脚補強板を示すものであって、図(A)は内面側から見た斜視図、図(B)は内隅部分を拡大して示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る橋脚補強板を示すものであって、図(A)は内面側から見た斜視図、図(B)は本体部の下端部分を拡大して示す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る橋脚補強板を示すものであって、図(A)は内面側から見た斜視図、図(B)は本体部の下端部分を拡大して示す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る橋脚補強工法に関するものであって、図(A)は補強板連結体を圧入装置で地盤内へ圧入している状況を示す側面断面図、図(B)は補強板連結体の下端部分を拡大して示す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る橋脚補強工法に関するものであって、補強板連結体と橋脚との隙間に硬化材を充填した状態を示す平面断面図である。
符号の説明
G…地盤 K…橋脚 P…鋭角先導部 Q1,Q2…補強板連結体の四隅の空間 R…補強板連結体 Rn…延伸用補強板連結体 S…橋脚補強板の平板部分と橋脚との隙間 U…補強構造体 1…橋脚補強板 2…本体部 3…平板部分 3a…内隅部 3b…側端縁 3c…下端 4…スペーサ 4a…スペーサの折り曲げた下端部分 5…スペーサ 5a…スペーサの折り曲げた下端部分 10…圧入装置 11…ブラケット 12…油圧ジャッキ 13…ロッド 14…延長部材 21…延長用補強板 31…橋脚補強板 32…刃口板 33…突出部分 40…キャップ 51…橋脚補強板 54…傾斜面部 55…補強リブ 57…転動体

Claims (6)

  1. 断面矩形の橋脚における四側面のうち隣接する二側面を地中において当該二側面から所定間隔の隙間を空けて覆うための補強板であって、実質的に直角に連設された二つの平板部分から成る本体部を有し、前記本体部における高さ方向の下端縁に断面が下方へ向かって先細りのテーパ面となる鋭角先導部が形成され、本体部内面から起立して本体部の高さ方向へ延びる板状部材から成り、橋脚表面に当接して所定間隔の隙間を形成するためのスペーサが、前記本体部の内隅部を挟む内隅両脇位置及び幅方向の両側端縁それぞれの近傍位置に配設され、前記スペーサの本体部内面からの起立高さが20〜50mmの範囲に設定され、内隅両脇位置それぞれのスペーサは下端部分が内隅部へ向かって折れ曲がり下端において互いに当接するように形成され、本体部の両側端縁近傍位置それぞれのスペーサは下端部分が本体部の側端縁へ向かって折れ曲がり下端において本体部側端縁に達するように形成されていることを特徴とする橋脚補強板。
  2. 前記本体部内面の下部領域に、当該内面から起立して本体部の高さ方向に延びると共に本体部下端から下方へ突出する部分を有する複数の刃口板が、本体部の幅方向に所定間隔を置いて設けられ、前記刃口板は、本体部内面からの起立高さが前記スペーサの起立高さ以下であり、本体部から下方へ突出する部分は下方へ向かうに従って先細りとなるテーパ形状に形成されている請求項1に記載の橋脚補強板。
  3. 地上において、請求項1又は2に記載する補強板の2つを組み合わせて橋脚の四側面を覆うように連結することにより初段の補強板連結体を設け、当該初段の補強板連結体をその上端部を押圧して地中内へ押し込む第一圧入工程と、前記初段の補強板連結体の上に、本体部の構成並びにスペーサの配設位置及び起立高さについては請求項1に記載する補強板と実質的に共通であるが、本体部の下端縁に鋭角先導部が形成されていない点及び上記スペーサは本体部の高さ方向の全域に渡って直線的に形成されている点で異なる延長用補強板の2つを積み重ね、当該延長用補強板どうしを連結すると共にこれらと初段の補強板連結体とを連結して延伸用補強板連結体を設け、当該延伸用補強板連結体の上端部を押圧して補強板連結体の全体を地中内へ押し込む第二圧入工程と、前記と同様にして前記延伸用補強板連結体の上に新たに延伸用補強板連結体を連設し、当該新たな延伸用補強板連結体の上端部を押圧して補強板連結体の全体を地中内へ押し込む圧入工程を所要回数行う追加圧入工程とを行うことにより、複数段の補強板連結体から成り橋脚の四側面を所定間隔を空けて覆う補強構造体を形成し、当該補強構造体の4つの内隅部における補強板本体部とスペーサと橋脚表面とによって囲まれた空間に、モルタル・コンクリート等の硬化材を注入する硬化材充填工程を行うことを特徴とする橋脚補強工法。
  4. 前記初段の補強板連結体の4つの内隅部において、2つのスペーサによって挟まれた空間部分の下端部に、土砂の浸入を阻止するキャップを装着したことを特徴とする請求項3に記載の橋脚補強工法。
  5. 断面矩形の橋脚における四側面のうち隣接する二側面を地中において当該二側面から所定間隔の隙間を空けて覆うための補強板であって、実質的に直角に連設された二つの平板部分から成る本体部を有し、前記本体部の内面に、橋脚表面に当接して所定間隔の隙間を形成すると共に、当該本体部が橋脚表面に沿って高さ方向に移動するのを案内するための転動体が設けられ、前記2つの平板部分それぞれにおける下端部分を折り曲げて下方へ向かうに従って橋脚表面へ接近するように傾斜する傾斜面部が形成され、前記傾斜面部は、平板部分に対する傾斜角度が25〜35°の範囲であり、且つ平板部分の内面に対する垂直な方向の変位量が前記転動体の突出寸法以下に設定され、前記傾斜面部の内面に、当該内面に対し垂直に起立し本体部の高さ方向に延びる複数の補強リブが幅方向に所定間隔を置いて取着され、当該補強リブの本体部内面からの起立高さは前記転動体の突出高さ以下であることを特徴とする橋脚補強板。
  6. 地上において、請求項5に記載する補強板の2つを組み合わせて橋脚の四側面を覆うように連結することにより初段の補強板連結体を設け、当該初段の補強板連結体をその上端部を押圧して地中内へ押し込む第一圧入工程と、前記初段の補強板連結体の上に、本体部が直角に連設された二つの平板部から成る点及び当該本体部の内面に転動体が設けられている点については請求項5に記載する補強板と実質的に共通するが、上記平板部は高さ方向の全域に渡って平坦であり傾斜面部を持たない点で異なる延長用補強板の2つを積み重ね、当該2つの延長用補強板どうしを連結すると共にこれらと前記初段の補強板連結体とを連結することにより延伸用補強板連結体を設け、当該延伸用補強板連結体の上端部を押圧して補強板連結体の全体を地中内へ押し込む第二圧入工程と、前記と同様にして前記延伸用補強板連結体の上に新たに延伸用補強板連結体を連設し、当該新たな延伸用補強板連結体の上端部を押圧して補強板連結体の全体を地中内へ押し込む圧入固定を所要回数行う追加圧入工程とを行うことにより、複数段の補強板連結体から成り橋脚の四側面を所定間隔を空けて覆う補強構造体を形成し、当該補強構造体と橋脚表面との間の隙間にモルタル・コンクリート等の硬化材を注入する硬化材充填工程を行うことを特徴とする橋脚補強工法。
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