JP2008246934A - 複合成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】多孔質成形体本来の特性を維持しつつ強度を向上させた複合成形体を提供する。
【解決手段】多孔質材料から成形され、表裏をなす第一面11及び第二面12を有する多孔質基部10と、前記多孔質基部10を補強する補強部20と、を備えた複合成形体1であって、前記第一面11には、並列に配置された複数の第一溝21が形成され、前記第二面12には、平面視で前記第一溝11と交差するよう並列に配置された複数の第二溝22が形成され、前記第一溝21と前記第二溝22とは、前記第一面11と前記第二面12との間の一部の範囲で連通し、前記補強部20は、前記第一溝21及び前記第二溝22に、前記多孔質材料より強度が高い補強材料を充填して形成されている複合成形体1とする。
【選択図】図1
【解決手段】多孔質材料から成形され、表裏をなす第一面11及び第二面12を有する多孔質基部10と、前記多孔質基部10を補強する補強部20と、を備えた複合成形体1であって、前記第一面11には、並列に配置された複数の第一溝21が形成され、前記第二面12には、平面視で前記第一溝11と交差するよう並列に配置された複数の第二溝22が形成され、前記第一溝21と前記第二溝22とは、前記第一面11と前記第二面12との間の一部の範囲で連通し、前記補強部20は、前記第一溝21及び前記第二溝22に、前記多孔質材料より強度が高い補強材料を充填して形成されている複合成形体1とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、複合成形体に関し、特に、多孔質成形体を複合化し、圧縮強度と寸法安定性を向上させた複合成形体に関する。
硬質ポリウレタンフォームやケイ酸カルシウム保温材等の多孔質成形体は、その断熱性や軽量性等の特性を利用して、低温又は高温で流体を輸送する配管構造の断熱材や、建築用のパネル等に広く用いられている。
多孔質成形体は、かさ密度が小さいほど軽量となり、また熱伝導率が低下して、断熱材として適しているが、かさ密度が小さくなると圧縮強度が低下し、また寸法安定性が低下する、といった問題点がある。
圧縮強度に関しては、多孔質成形体は、局所的な荷重、例えば鋭利な先端部をもつものを押し当てることによる荷重に弱く、荷重がかかった部分だけ挫屈するという問題点があった。
従来、このような問題点を解決するために、例えば、多孔質成形体の表面に、多孔質材料の保護を目的として石膏ボードなどの板状材料を複合する断熱パネルが知られている(特許文献1参照)。このようなパネルはサンドイッチパネルと呼ばれ、局所的な荷重に弱い多孔質材料の強度向上に使用されている。
また、寸法安定性に関しては、施工後に生じる多孔質材料の変形に対応して、あらかじめ多孔質材料と多孔質材料との隙間にグラスウールなどの緩衝材を詰めて、多孔質材料が収縮してできた間隙を塞ぐようにする、などの対処をしている(特許文献2参照)。
実開昭58−196124号公報
特開平10−299983号公報
しかしながら、上記従来技術においては、局所的な荷重に対する強度向上には効果があるが、継続的な荷重がかかった場合、補強が平面的であるため補強されていない方向への荷重によって多孔質成形体が次第に圧縮され、変形(クリープ現象)を起こすという問題点があった。
また、収縮による間隙をグラスウールで塞ぐ方法に関しても、グラスウールの熱伝導率は多孔質成形体に比較して高いため、熱損失を防ぐことは困難であった。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであって、多孔質成形体の軽量で、熱伝導率が低いという特性を維持しつつ、圧縮強度と寸法安定性とを向上させた複合成形体を提供することをその目的の一つとする。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る複合成形体は、多孔質材料から成形され、表裏をなす第一面及び第二面を有する多孔質基部と、前記多孔質基部を補強する補強部と、を備えた複合成形体であって、前記第一面には、並列に配置された複数の第一溝が形成され、前記第二面には、平面視で前記第一溝と交差するよう並列に配置された複数の第二溝が形成され、前記第一溝と前記第二溝とは、前記第一面と前記第二面との間の一部の範囲で連通し、前記補強部は、前記第一溝及び前記第二溝に、前記多孔質材料より強度が高い補強材料を充填して形成されていることを特徴とする。本発明によれば、第一溝及び第二溝に充填された補強材料によって、多孔質基部の多孔質材料の中に、どの方向から荷重がかかっても変形しにくい三次元の補強骨格構造が形成される。また、この三次元の補強骨格構造は、当該補強骨格構造に囲まれた多孔質基部の多孔質材料が収縮しようとする時に、その収縮応力を支える効果も発揮するため、当該多孔質材料の経時劣化、熱劣化による寸法変化を効果的に抑えることができる。したがって、本発明によれば、多孔質成形体の軽量で、熱伝導率が低いという特性を維持しつつ、圧縮強度と寸法安定性とを向上させた複合成形体を提供することができる。
また、前記第一面には、前記第一溝と交差して連通し、且つ平面視で前記第二溝と重複することなく並列に配置された複数の第三溝が形成され、前記第二面には、前記第二溝と交差して連通し、且つ平面視で前記第一溝と重複することなく前記第三溝と交差しつつ並列に配置された複数の第四溝が形成され、前記第三溝と前記第四溝とは、前記第一面と前記第二面との間の一部の範囲で連通し、前記補強部は、前記第一溝、前記第二溝、前記第三溝、及び前記第四溝に、前記補強材料を充填して形成されていることとしてもよい。
また、前記多孔質材料は、発泡材料であり、前記補強材料は、無発泡材料であることとしてもよい。また、前記多孔質材料は、高分子化合物の発泡材料であり、前記補強材料は、前記高分子化合物の無発泡材料又は前記発泡材料よりも気泡率の低い前記高分子化合物の発泡材料であることとしてもよい。この場合、前記高分子化合物は、硬質ポリウレタン又は硬質ポリイソシアヌレートであることとしてもよい。また、前記多孔質材料は、無機多孔質材料であり、前記補強材料は、セラミックスであることとしてもよい。この場合、前記無機多孔質材料は、ケイ酸カルシウム保温材又はロックウール保温材であることとしてもよい。
本発明の一実施形態に係る複合成形体は、多孔質材料から成形され、表裏をなす第一面及び第二面を有する多孔質基部が複数積層されてなる積層基部と、前記積層基部を補強する補強部と、を備えた複合成形体であって、前記多孔質基部の前記第一面には、並列に配置された複数の第一溝が形成され、前記多孔質基部の前記第二面には、平面視で前記第一溝と交差するよう並列に配置された複数の第二溝が形成され、前記第一溝と前記第二溝とは、前記第一面と前記第二面との間の一部の範囲で連通し、前記積層基部において、複数の前記多孔質基部は、互いの前記第一溝及び前記第二溝が連通するよう積層され、前記補強部は、前記積層基部の前記第一溝及び前記第二溝に、前記多孔質材料より強度が高い補強材料を充填して形成されていることを特徴とする。本発明によれば、多孔質材料の厚みが大きい積層基部に対して、薄い各多孔質基部を補強する場合と同様の三次元の補強骨格構造を形成させることができる。したがって、本発明によれば、多孔質成形体の軽量で、熱伝導率が低いという特性を維持しつつ、圧縮強度と寸法安定性とを向上させた厚みの大きな複合成形体を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る複合成形体の製造方法は、多孔質材料から成形され、表裏をなす第一面及び第二面を有する多孔質基部と、前記多孔質基部を補強する補強部と、を備えた複合成形体の製造方法であって、前記第一面に、並列に複数の第一溝を形成し、前記第二面に、平面視で前記第一溝と交差するような配置で、前記第一面と前記第二面との間の一部の範囲で前記第一溝と連通するよう、並列に複数の第二溝を形成し、前記第一溝及び前記第二溝の少なくとも一方に、硬化することで前記多孔質材料より強度が高くなる補強材料の原液を流し込み、前記原液を前記第一溝及び前記第二溝に充填するとともに硬化させ、硬化した前記補強材料が前記第一溝及び前記第二溝に充填されてなる前記補強部を形成することを特徴とする。本発明によれば、多孔質基部の多孔質材料の片面から補強材料を充填することができ、当該多孔質材料の内部における補強材料の充填不良による空隙の形成等の不具合を効果的に回避することができる。したがって、本発明によれば、多孔質成形体の軽量で、熱伝導率が低いという特性を維持しつつ、圧縮強度と寸法安定性とを向上させた複合成形体の成形方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る複合成形体の製造方法は、多孔質材料から成形され、表裏をなす第一面及び第二面を有する多孔質基部が複数積層されてなる積層基部と、前記積層基部を補強する補強部と、を備えた複合成形体の製造方法であって、前記多孔質基部の前記第一面に、並列に複数の第一溝を形成し、前記多孔質基部の前記第二面に、平面視で前記第一溝と交差するような配置で、前記第一面と前記第二面との間の一部の範囲で前記第一溝と連通するよう、並列に複数の第二溝を形成し、互いの前記第一溝及び前記第二溝が連通するよう複数の前記多孔質基部を積層して前記積層基部を形成し、前記積層基部の積層方向における一方端の前記多孔質基部又は他方端の前記多孔質基部の少なくとも一方の前記第一溝又は前記第二溝に、硬化することで前記多孔質材料より強度が高くなる補強材料の原液を流し込み、前記原液を、前記積層基部の前記第一溝及び前記第二溝に充填するとともに硬化させ、硬化した前記補強材料が前記積層基部の前記第一溝及び前記第二溝に充填されてなる前記補強部を形成することを特徴とする。本発明によれば、積層基部の多孔質材料の厚みが大きい場合であっても、当該積層基部の積層方向における一方側の面から当該積層基部の全体に補強材料を充填することができ、且つ当該多孔質材料の内部における補強材料の充填不良による空隙の形成等の不具合を効果的に回避することができる。したがって、本発明によれば、多孔質成形体の軽量で、熱伝導率が低いという特性を維持しつつ、圧縮強度と寸法安定性とを向上させた厚みの大きな複合成形体の成形方法を提供することができる。
以下に、本発明の一実施形態に係る複合成形体について、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明に係る複合成形体は、本実施形態に限られるものではない。
図1、図2、図3はそれぞれ、本実施形態に係る複合成形体1の一例についての斜視図、平面図、正面図である。図4は、図3に示すA−A線で切断した複合成形体1の断面図である。この図4は、図3に示す複合成形体1を厚さTの半分の位置で切断した断面図である。図5、図6、図7はそれぞれ、図1〜図4に示す複合成形体1の一部を構成する多孔質基部10の斜視図、平面図、正面図である。図8は、図7に示すB−B線で切断した多孔質基部10の断面図である。この図8は、図7に示す多孔質基部10を厚さTの半分の位置で切断した断面図である。
複合成形体1は、多孔質材料から成形された多孔質基部10(以下、「基部10」という)と、当該基部10を補強する補強部20と、を備えている。
基部10に用いられる多孔質材料としては、内部に微細な空隙が二次元的又は三次元的に複数形成された多孔質の材料であれば特に限られず、目的に応じて任意の多孔質有機材料又は多孔質無機材料を選択して用いることができる。
この多孔質材料としては、断熱性、保温性に優れたものや、多孔化により軽量化を図ったものを用いることができ、例えば、発泡を伴って成形できる発泡材料を好ましく用いることができる。発泡材料としては、例えば、発泡成形の過程で孔内に断熱性や保温性に寄与するガスが閉じ込められた独立気泡構造を有するものを好ましく用いることができる。具体的に、この多孔質材料としては、例えば、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリイソシアヌレートフォーム、ポリイミドフォーム等の高分子化合物の発泡材料を用いることができ、特に、硬質ポリウレタンフォームや硬質ポリイソシアヌレートフォームを好ましく用いることができる。
また、多孔質材料としては、例えば、内部に微細な空隙が形成された無機多孔質材料を用いることができる。無機多孔質材料としては、ロックウール保温材、グラスウール保温材、セラミックファイバー保温材等の繊維質保温材、ケイ酸カルシウム保温材等の粉末質保温材、パーライト保温材、バーミキュライト保温材等の発泡質保温材、無機繊維紙コルゲート保温材等の空気層保温材を用いることができ、特に、ロックウール保温材、グラスウール保温材、ケイ酸カルシウム保温材を好ましく用いることができる。本実施形態において、基部10は、多孔質材料として硬質ポリウレタンフォームを用いて成形された板状の発泡成形体である。
この基部10は、表裏をなす第一面11(以下、「上面11」という)及び第二面12(以下、「下面12」という)を有している。上面11及び下面12は、基部10が有する6つの表面のうち最も面積の大きい2つの矩形表面である。
そして、基部10は、図5〜図8に示すように、上面11に形成された複数の第一溝31と、下面12に形成された複数の第二溝32と、を有する溝部30を備えている。複数の第一溝31は、上面11において、互いに並列に配置されるよう形成され、複数の第二溝32は、下面12において、互いに並列に配置されるよう形成されている。
また、第一溝31と第二溝32とは、平面視で互いに交差するよう配置されている。すなわち、本実施形態においては、図6に示すように、第一溝31と第二溝32とは、平面視で直交するよう配置されている。
また、第一溝31と第二溝32とは、上面11と下面12との間の一部の範囲で連通している。すなわち、図7に示すように、上面11と下面12とは、基部10の厚さTだけ離れて配置されているのに対して、第一溝31の深さD1及び第二溝32の深さD2はそれぞれ当該厚さTより小さく、且つ当該深さD1と当該深さD2との合計は当該厚さTより大きくなっている。具体的に、本実施形態においては、第一溝31の深さD1と第二溝32の深さD2とは等しく、いずれも基部10の厚さTの半分よりも所定長さだけ長くなっている。
このため、第一溝31と第二溝32とは、基部10の内部の厚さ方向において、上面11から当該第一溝31の深さD1だけ離れた位置と、下面12から当該第二溝32の深さD2だけ離れた位置と、の間の範囲で連通している。したがって、図8に示すように、少なくとも上面11と下面12との中間の位置(すなわち、上面11及び下面12のいずれからも厚さTの半分の深さの位置における図8に示す切断面)においては、複数の第一溝31の各々と複数の第二溝32の各々とが互いに交差し、連通している。このように、溝部30は、基部10の上面11から下面12まで、当該基部10の内部の厚さ方向全域にわたって連続的に形成されている。
また、第一溝31及び第二溝32は、基部10の側面の一部から他の一部まで、上面11及び下面12を横断するようにそれぞれ形成されている。すなわち、基部10は、上面11の外縁と下面12の外縁とを繋ぐ側面として、表裏をなす第一側面13(以下、「前側面13」という)及び第二側面14(以下、「後側面14」という)と、表裏をなす第三側面15(以下、「左側面15」という)及び第四側面16(以下、「右側面16」という)と、を有している。そして、第一溝31は、前側面13から後側面14まで形成され、第二溝32は、左側面15から右側面16まで形成されている。
一方、複合成形体1の補強部20は、このような基部10の第一溝31及び第二溝32に、当該基部10の成形に用いられた多孔質材料より強度が高い補強材料を充填して形成されている。
この補強部20に用いられる補強材料としては、流動性のある原液を第一溝31及び第二溝32に流し込んで硬化させることによって当該第一溝31及び第二溝32に充填できるものであって、基部10を構成する多孔質材料に比べて圧縮強度、曲げ強度、引っ張り強度等の力学的強度が大きい材料であれば特に限られず、目的に応じて任意の有機材料又は無機材料を選択して用いることができる。
この補強材料としては、流動性のある原液の粘性が小さく、第一溝31及び第二溝32を形成する多孔質材料の壁面との親和性が高いものを好ましく用いることができる。また、補強材料としては、例えば、基部10の多孔質材料との接着性に優れたもの、断熱性、保温性に優れたもの、軽量化されたもの等を好ましく用いることができる。また、基部10を構成する多孔質材料が有機系材料である場合には、補強材料として有機系材料を好ましく用いることができる。具体的に、この場合、補強材料としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、クロロプレンゴム、酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエゴム、フェノール樹脂、ポリイミドなどからなる接着剤や、ポリウレタン、ポリイソシアヌレートなどの樹脂等の有機系材料を用いることができ、特に、エポキシ樹脂接着剤、硬質ポリウレタン、硬質ポリイソシアヌレートを好ましく用いることができる。また、基部10を構成する多孔質材料が無機系材料である場合には、補強材料として無機系材料を好ましく用いることができる。具体的に、この場合、補強材料としては、例えば、シリカ系、アルミナ系、セラミック系、セメントなどの無機系バインダーやペーストを用いることができ、特に、アルミナ系ペーストのセラミックスを好ましく用いることができる。また、補強部20は、これら補強材料の無発泡体又は発泡体とすることができる。本実施形態において、補強部20は、エポキシ樹脂接着剤から構成されている。
また、基部10に用いる多孔質材料と補強部20に用いる補強材料との組み合わせは、目的に応じて任意に選択することができる。すなわち、例えば、基部10を発泡体とし、補強部20を無発泡体とすることができる。この場合、基部10を高分子化合物の発泡体とし、補強部20を当該高分子化合物と同一の種類又は異なる種類の高分子化合物の無発泡体とすることができる。また、基部10を高分子化合物の発泡体とし、補強部20を当該発泡体よりも気泡率の低い当該高分子化合物と同一種類の高分子化合物の発泡体とすることができる。この高分子化合物の発泡体としては、例えば、硬質ポリウレタンフォームや硬質ポリイソシアヌレートフォームを好ましく用いることができる。また、基部10を無機多孔質材料とし、補強部20をセラミックスとすることができる。すなわち、例えば、無機多孔質材料としての繊維質保温材や粉末質保温材と、補強材料としてのアルミナ系ペーストのセラミックスと、の組み合わせを好ましく用いることができる。
この補強部20は、その一部として第一溝31に補強材料を充填して形成された第一補強部21を有し、他の一部として第二溝32に当該補強材料を充填して形成された第二補強部22を有している。そして、これら第一補強部21と第二補強部22とは、第一溝31と第二溝32とが連通している部分で繋がっており(図4参照)、補強部20を一体的に構成している。
このように、補強部20は、基部10の上面11から下面12まで、当該基部10の厚さTの全範囲にわたって一体的に形成されている。また、補強部20は、前側面13から後側面14まで、及び左側面15から右側面16まで、上面11及び下面12の全体にわたって一体的に形成されている。このため、例えば、複合成形体1の上面11と下面12とに圧縮荷重が加わった場合には、当該複合成形体1のうち補強部20が当該圧縮加重を効果的に受け止めることができる。したがって、複合成形体1のうち複数の第一溝31間及び複数の第二溝32間を埋めている多孔質材料は、当該複合成形体1に対する荷重から保護される。
また、基部10内部の多孔質材料は経時劣化や熱劣化によって収縮し、寸法が変化し得るが、補強部20がこの収縮しようとする応力に反発して当該多孔質材料の形状を保持するため、複合成形体1全体としての収縮は無視できるほどに低減することができる。すなわち、複合成形体1は寸法安定性に優れている。
この結果、例えば、基部10を構成する多孔質材料の孔構造を保護することができるため、当該孔構造に由来する当該多孔質材料に特有の特性を効果的に維持することができる。具体的に、例えば、多孔質材料は内部に形成されている空隙中に存在するガスが当該空隙中に保持されることで断熱性を保持するが、補強部20は当該ガスの当該空隙からの流出を防ぐ隔壁としての役割を果たすことにより、複合成形体1の断熱性を効果的に保持することができる。例えば、水を発泡剤として発泡成形され、独立気泡内に炭酸ガスが閉じ込められた硬質ポリウレタンフォームを用いる場合等、ガスを保持している独立気泡を有する多孔質材料を用いて基部10が成形されている場合には、当該独立気泡からの当該ガスの漏洩を防止することができるため、当該多孔質材料に特有の断熱性、保温性、軽量性を効果的に維持することができる。
また、基部10のうち、上面11側で一本の第一補強部21によって仕切られ、又は下面12側で一本の第二補強部22によって仕切られた、互いに隣接する2つの短冊形の多孔質材料部分は、当該第一補強部21又は第二補強部22によって互いに独立しているため、例えば、一方側の多孔質材料部分に破損等の不具合が生じた場合であっても、当該不具合が他方側の多孔質材料部分に及ぶことを効果的に抑制することができる。
このように、複合成形体1は、補強部20を設けることによって、強度を効果的に高めることができるとともに、基部10の多孔質材料が本来的に備える特性を効果的に維持することができる。
このような複合成形体1は、次のようにして製造することができる。すなわち、まず、ポリオール、イソシアネート、反応触媒、発泡剤、制泡剤を反応させて、硬質ポリウレタンフォームからなる板状の基部10を発泡成形する。そして、この基部10の上面11に、複数の第一溝31を並列に形成するとともに、下面12には、平面視で当該第一溝31と交差するような配置で複数の第二溝32を並列に形成する。
また、このとき、第一溝31の深さD1と第二溝32の深さD2との合計が基部10の厚さTより大きくなるよう調整して、当該第一溝31と当該第二溝32とを、上面11と下面12との間の一部の範囲で互いに連通させる。なお、基部10に第一溝31及び第二溝32を形成する加工方法は特に限られないが、例えば、切削加工により当該基部10のうち当該第一溝31及び第二溝32を形成すべき部分を削り取る方法を用いることができる。
次に、基部10の第一溝31及び第二溝32の少なくとも一方に、硬化することで当該基部10に用いた多孔質材料より強度が高くなる補強材料の流動性のある原液を流し込む。すなわち、第一溝31と第二溝32とは基部10の内部で連通しているため、例えば、上面11側から第一溝31に原液を流し込むことにより、当該原液を、当該第一溝31の全体のみならず、基部10の内部における当該第一溝31と第二溝32との連通部分まで流入させ、更に当該第二溝32の全体にまで流入させることができる。このようにして、補強材料の原液を、基部10の上面11から下面12まで、溝部30の全体に充填することができる。なお、補強材料の原液を溝部30に充填する方法は特に限られず任意の方法を選択して用いることができ、例えば、当該溝部30の一部と他の一部とに圧力差を形成し、当該圧力差を利用して当該原液を当該溝部30内に流入させる方法を用いることができる。
また、補強材料の原液は、基部10の上面11及び下面12のみならず、側面から溝部30に流し込むこともできる。すなわち、補強材料の原液は、例えば、前側面13又は後側面14の少なくとも一方から第一溝31に流し込み、左側面15又は右側面16の少なくとも一方から第二溝32に流し込むこともできる。
そして、このように第一溝31及び第二溝32に充填された補強材料の原液を、当該補強材料の特性に応じた所定の条件で硬化させる。この結果、硬化した補強材料が第一溝31及び第二溝32に充填されてなる補強部20を形成することができる。
また、補強材料の溝部30への充填は、基部10を、複合成形体1の施工対象である他の部材の表面に応じた形状に変形した後に行うこともできる。すなわち、例えば、複合成形体1が高温又は低温の流体を輸送する配管を被覆する断熱材・保温材として用いられる場合には、まず、第一溝31及び第二溝32が形成された基部10を施工表面である当該配管の外面に沿うように湾曲させる。この基部10の湾曲は、例えば、施工表面を模した型の湾曲面に当該基部10の上面11又は下面12を押し当てて変形させることにより行うことができる。そして、この湾曲させた基部10の第一溝31及び第二溝32に補強材料の原液を流し込むことができる。
この場合、例えば、基部10の下面12が施工表面に沿うように基部10を湾曲させた状態で、当該基部10の上面11側から第一溝31に補強材料の原液を流し込むことによって、溝部30の全体に当該原液を充填することができる。そして、基部10の湾曲状態を維持したまま、溝部30に充填した補強材料を硬化させて補強部20を形成することにより、施工表面に沿った形状で湾曲した複合成形体1を製造することができる。
図9、図10、図11はそれぞれ、本実施形態に係る複合成形体1の他の一例についての斜視図、平面図、正面図である。図12は、図11に示すC−C線で切断した複合成形体1の断面図である。この図12は、図11に示す複合成形体1を厚さTの半分の位置で切断した断面図である。図13、図14、図15はそれぞれ、図9〜図12に示す複合成形体1の一部を構成する基部10の斜視図、平面図、正面図である。図16は、図15に示すD−D線で切断した基部10の断面図である。この図16は、図15に示す基部10を厚さTの半分の位置で切断した断面図である。
この例に係る複合成形体1は、図1〜図8の例に係る複合成形体1の一部として用いられた基部10に、第三溝33と第四溝34とが更に形成され、当該第三溝33及び第四溝34にも更に補強材料が充填されることにより補強部20が形成された構成となっている。すなわち、図13及び図14に示すように、この基部10の上面11には、第一溝31と交差して連通し、且つ平面視で第二溝32と重複しないよう並列に配置された複数の第三溝33が形成され、下面12には、第二溝32と交差して連通し、且つ平面視で第三溝33と交差するとともに第一溝31と重複しないよう並列に配置された複数の第四溝34が形成されている。そして、第三溝33と第四溝34とは、基部10の上面11と下面12との間の一部の範囲で連通している。
すなわち、この例において、上面11には、互いに直交する第一溝31と第三溝33とからなる格子状の上溝35が形成され、下面12には、互いに直交する第二溝32と第四溝34とからなる格子状の下溝36が形成され、当該上溝35と当該下溝36とは、平面視で重複しないようにずれて配置されている。具体的に、本実施形態においては、各第三溝33は、平面視において、隣接して並行に延びる2つの第二溝32の中間位置に当該第二溝32と並行に延びる配置で形成され、各第四溝34は、平面視において、隣接して並行に延びる2つの第一溝31の中間位置に当該第一溝31と並行に延びる配置で形成されている。
また、図11に示すように、第一溝31と第三溝33とは同じ深さD1で形成され、第二溝32と第四溝34とは同じ深さD2で形成されている。すなわち、上溝35の深さD1及び下溝36の深さD2はそれぞれ複合成形体1の厚さTより小さく、且つ当該深さD1と当該深さD2との合計は当該厚さTより大きくなっている。このため、図16に示すように、少なくとも上面11及び下面12からそれぞれ厚さTの半分の深さの位置において、上溝35と下溝36とは連通している。
そして、補強部20は、第一溝31、第二溝32、第三溝33、及び第四溝34に、補強材料を充填して形成されている。すなわち、補強部20は、第一溝31に補強材料を充填して形成された第一補強部21及び第三溝33に補強材料を充填して形成された第三補強部23からなる上補強部25と、第二溝32に補強材料を充填して形成された第二補強部22及び第四溝34に補強材料を充填して形成された第四補強部24からなる下補強部26と、を互いに異なる一部として有している。そして、これら上補強部25と下補強部26とは、上溝35と下溝36とが連通している部分で繋がっており(図12参照)、補強部20を一体的に構成している。
このように、補強部20は、基部10の上面11から下面12まで、当該基部10の厚さTの全範囲にわたって一体的に形成されている。また、補強部20は、前側面13から後側面14まで、及び左側面15から右側面16まで、上面11及び下面12の全体にわたって一体的に形成されている。したがって、この例に係る複合成形体1は、図1〜図8に示した複合成形体1について上述した効果をより高いレベルで達成することができる。
この例に係る複合成形体1を製造するにあたっては、基部10の上溝35及び下溝36の少なくとも一方に補強材料の原液を流し込む。すなわち、基部10においては、第一溝31と第三溝33とが上面11で交差して連通し、第一溝31と第二溝32とが当該基部10の内部で連通し、第二溝32と第四溝34とが下面12で交差して連通し、第三溝33と第四溝34とが当該基部10の内部で連通しているため、例えば、上面11側から上溝35に原液を流し込むことにより、当該原液は、当該上溝35の全体のみならず、基部10の内部における当該上溝35と当該下溝36との連通部分まで流入し、更に当該下溝36の全体にまで流入することができる。このようにして、補強材料の原液を、基部10の上面11から下面12まで厚さ方向において溝部30の全体に充填することができる。
そして、上溝35及び下溝36に充填された補強材料の原液を、当該補強材料の特性に応じた所定の条件で硬化させる。この結果、硬化した補強材料が上溝35及び下溝36に充填されてなる補強部20を形成することができる。なお、補強材料の溝部30への充填は、上述のように、基部10を、複合成形体1の施工対象である他の部材の表面に応じた形状に変形した後に行うこともできる。
図17は、本実施形態に係る複合成形体1の更に他の例についての斜視図である。図18は、図17に示す複合成形体1の一部を構成する積層基部40についての斜視図である。この例に係る複合成形体1は、図13〜図16に示した例に係る基部10が複数積層されてなる積層基部40と、当該積層基部40を補強する補強部50と、を備えている。
この積層基部40においては、図18に示すように、4つの基部10a〜dが、互いの上溝35a〜d及び下溝36a〜dが連通するよう積層されている。すなわち、積層基部40は、例えば、隣接する2つの基部10aと基部10bのうち、一方の基部10aの下面12aと他方の基部10bの上面11bとが対向し、且つ、当該下面12aの格子状の下溝36aと当該上面11bの格子状の上溝35bとが交差して、当該下面12aと当該上面11bとの接合面において連通するよう積層されている。
具体的に、本実施形態においては、一方の基部10aの上溝35a及び下溝36aと、他方の基部10bの上溝35b及び下溝36bと、がそれぞれ平面視において重複するような配置で、当該一方の基部10aと当該他方の基部10bとが積層されている。
そして、この複合成形体1の補強部50は、積層基部40を構成する4つの基部10a〜dの各々の上溝35a〜dと下溝36a〜dとにそれぞれ補強材料を充填して形成されている。すなわち、この補強部50は、積層基部40を構成する複数の基部10を積層方向において貫通するように一体的に形成されている。
ここで、この複合成形体1においては、例えば、隣接する2つの基部10aと基部10bのうち、対向する一方の基部10aの下面12aと他方の基部10bの上面11bとの間を埋める薄い補強材料の層(図示せず)(以下、「接着層」という)が形成されている。すなわち、補強部50は、上補強部25a〜dと下補強部26a〜dとを繋ぐように一方の基部10aの下面12aと他方の基部10bの上面11bとに沿って形成される接着層を有している。補強部50は、この接着層を有することにより、積層基部40を構成する4つの基部10a〜dを互いに強固に接着することができる。
この例に係る複合成形体1は、次のようにして製造することができる。すなわち、まず各基部10の上面11に格子状の上溝35を形成する。一方、各基部10の下面12には、格子状の下溝36を平面視で上溝35と重複しない配置で形成する。
このとき、各基部10において、上溝35の深さD1と下溝36の深さD2との合計が当該各基部10の厚さTより大きくなるよう調整して、当該上溝35と当該下溝36とを、上面11と下面12との間の一部の範囲で互いに連通させる。
次に、このように製造した複数の基部10を、互いの上溝35及び下溝36が連通するよう積層し、積層基部40を形成する。そして、こうして形成した積層基部40の積層方向における一方端の基部10a又は他方端の基部10dの少なくとも一方の上溝35a又は下溝36dに、硬化することで積層基部40の多孔質材料より強度が高くなる補強材料の原液を流し込む。
このとき、積層基部40を構成する複数の基部10のうち互いに隣接する一対の基部10は、接合面で上溝35と下溝36とが連通しているため、例えば、積層方向における一方端の基部10aの上面11a側から上溝35aに原液を流し込むことにより、当該原液は、当該一方端の基部10aの上溝35a及び下溝36aの全体のみならず、当該積層方向における他方端側に積層されている他の複数の基部10b〜dの上溝35b〜d及び下溝36b〜dの全体にまで順次流入することができる。このとき4つの基部10a〜dの間にスペーサ等を挿入することにより僅かな隙間を空けて積層した状態で補強材料を充填することにより、当該隙間を埋めて基部10a〜d間に広がる接着層を形成することができる。
なお、補強材料の原液は、積層基部40を構成する複数の基部10のうち少なくとも一部の基部10の側面から上溝35又は下溝36の少なくとも一方に流し込むこともできる。すなわち、少なくとも一部の基部10において、補強材料の原液を、前側面13又は後側面14の少なくとも一方から第一溝31に流し込み、左側面15又は右側面16の少なくとも一方から第二溝32に流し込むこともできる。
このようにして、補強材料の原液を積層基部40の一方端の基部10aの上面11aから、他方端の基部10dの下面12dまで、当該積層基部40の高さ方向において溝部60(図18参照)の全体に充填することができる。
そして、積層基部40を構成する全ての基部10に充填した補強材料の原液を、当該補強材料の特性に応じた所定の条件で硬化させる。この結果、硬化した補強材料が積層基部40の上溝35及び下溝36に充填されてなる補強部50を形成することができる。こうして形成された補強部50は、積層基部40を構成する複数の基部10を積層方向において貫通するように一体的に形成される。
また、積層基部40への補強材料の充填は、当該積層基部40を施工対象である他の部材の表面に応じた形状に変形した後に行うこともできる。すなわち、複合成形体1が高温又は低温の流体を輸送する配管の断熱材・保温材として用いられる場合には、例えば、まず、積層基部40を施工表面である当該配管の外面に沿うように湾曲させる。この積層基部40の湾曲は、例えば、施工表面を模した型の湾曲面に当該積層基部40の積層方向一方側の基部10dの下面12dを押し当てて変形させ、当該変形させた基部10dの上に更に複数の基部10a〜cを変形させつつ積層することにより行うことができる。そして、この湾曲させた積層基部40の上溝35及び下溝36に補強材料の原液を流し込むことができる。
この場合、例えば、積層基部40の積層方向における一方端の基部10dの下面12dが施工表面に沿うように当該積層基部40を湾曲させた状態で、当該積層基部40の他方端の基部10aの上面11a側から上溝35aに補強材料の原液を流し込むことによって、当該他方端の基部10aから当該一方端の基部10dまで、全ての溝部60に当該原液を充填することができる。
そして、積層基部40の湾曲状態を維持したまま、溝部60に充填した補強材料を硬化させて補強部50を形成することにより、施工表面に沿った形状で湾曲した複合成形体1を製造することができる。
図19は、積層基部40と補強部50とを備えた複合成形体1の他の例についての斜視図である。この例に係る複合成形体1は、高温又は低温の流体を輸送するための配管の断熱材・保温材として用いられるものであって、図17に示すような複合成形体1に、施工表面である当該配管の外面に対応する湾曲面70を形成したものである。この湾曲面70は、例えば、補強材料が充填されていない図18に示すような積層基部40の一部を、配管に対応する形状で切削により刳り貫くことによって形成することができる。
そして、湾曲面70が形成された積層基部40の上溝35及び下溝36に補強材料の原液を充填して硬化させることにより、補強部50を形成する。この補強部50の形成によって、湾曲面70が形成された積層基部40を構成する複数の基部10を互いに強固に接着させることもできる。
このような複合成形体1は、例えば、その湾曲面70上に配管が載置される場合であっても、補強部50が当該配管の重量を十分に受け止めることができる。また、図17及び図19に示す複合成形体1においては、積層基部40を構成する複数の基部10a〜dの対向する下面12a〜dと上面11a〜dとの間に形成された接着層を含む補強部50によって、補強部50による隔壁が複合成形体1の全体に三次元的に形成される。すなわち、補強部50は、多孔質材料の孔内からのガスの流出を防ぐ隔壁としての役割を果たし、断熱性を保持することができるため、各基部10の多孔質材料の軽量で、熱伝導率が低いという特性を維持しつつ、当該配管の断熱・保温を効果的に行うことができる。
なお、複合成形体1は上述の例に限られない。すなわち、例えば、基部10の表裏をなす一対の面の各々に形成される溝(例えば、第一溝21と第二溝22)の深さは、一方側の面の溝と他方側の面の溝とが当該一方側の面と当該他方側の面との間の一部の範囲で連通するよう設定すれば互いに等しいものに限られず、一方側の面の溝の深さが他方側の面の溝の深さより大きくすることもできる。また、例えば、基部10の上面11に形成する第一溝31と第三溝33とは、直角をなして交差するものに限られず、鋭角又は鈍角をなして交差するよう形成することもでき、下面12の第二溝32と第四溝34も同様である。また、基部10の上面11には互いに交差する第一溝31と第三溝33とを形成し、下面12には第二溝32又は第四溝34の一方のみを形成することとしてもよい。また、基部10の上面11及び下面12は矩形のものに限られず、例えば、他の多角形や円形とすることもできる。また、基部10の溝部30を構成する溝の全部又は一部は、深さ方向において一定の幅で形成されるものに限られず、例えば、当該基部10の深部に向かうにつれて幅が小さくなり又は大きくなるテーパ形状に形成することもできる。
1 複合成形体、10 多孔質基部、11 上面、12 下面、13 前側面、14 後側面、15 左側面、16 右側面、20 補強部、21 第一補強部、22 第二補強部、23 第三補強部、24 第四補強部、25 上補強部、26 下補強部、30 溝部、31 第一溝、32 第二溝、33 第三溝、34 第四溝、35 上溝、36 下溝、40 積層基部、50 補強部、60 溝部、70 湾曲面。
Claims (10)
- 多孔質材料から成形され、表裏をなす第一面及び第二面を有する多孔質基部と、
前記多孔質基部を補強する補強部と、
を備えた複合成形体であって、
前記第一面には、並列に配置された複数の第一溝が形成され、
前記第二面には、平面視で前記第一溝と交差するよう並列に配置された複数の第二溝が形成され、
前記第一溝と前記第二溝とは、前記第一面と前記第二面との間の一部の範囲で連通し、
前記補強部は、前記第一溝及び前記第二溝に、前記多孔質材料より強度が高い補強材料を充填して形成されている
ことを特徴とする複合成形体。 - 前記第一面には、前記第一溝と交差して連通し、且つ平面視で前記第二溝と重複することなく並列に配置された複数の第三溝が形成され、
前記第二面には、前記第二溝と交差して連通し、且つ平面視で前記第一溝と重複することなく前記第三溝と交差しつつ並列に配置された複数の第四溝が形成され、
前記第三溝と前記第四溝とは、前記第一面と前記第二面との間の一部の範囲で連通し、
前記補強部は、前記第一溝、前記第二溝、前記第三溝、及び前記第四溝に、前記補強材料を充填して形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の複合成形体。 - 前記多孔質材料は、発泡材料であり、
前記補強材料は、無発泡材料である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の複合成形体。 - 前記多孔質材料は、高分子化合物の発泡材料であり、
前記補強材料は、前記高分子化合物の無発泡材料又は前記発泡材料よりも気泡率の低い前記高分子化合物の発泡材料である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の複合成形体。 - 前記高分子化合物は、硬質ポリウレタン又は硬質ポリイソシアヌレートである
ことを特徴とする請求項4に記載の複合成形体。 - 前記多孔質材料は、無機多孔質材料であり、
前記補強材料は、セラミックスである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の複合成形体。 - 前記無機多孔質材料は、ケイ酸カルシウム保温材又はロックウール保温材である
ことを特徴とする請求項6に記載の複合成形体。 - 多孔質材料から成形され、表裏をなす第一面及び第二面を有する多孔質基部が複数積層されてなる積層基部と、
前記積層基部を補強する補強部と、
を備えた複合成形体であって、
前記多孔質基部の前記第一面には、並列に配置された複数の第一溝が形成され、
前記多孔質基部の前記第二面には、平面視で前記第一溝と交差するよう並列に配置された複数の第二溝が形成され、
前記第一溝と前記第二溝とは、前記第一面と前記第二面との間の一部の範囲で連通し、
前記積層基部において、複数の前記多孔質基部は、互いの前記第一溝及び前記第二溝が連通するよう積層され、
前記補強部は、前記積層基部の前記第一溝及び前記第二溝に、前記多孔質材料より強度が高い補強材料を充填して形成されている
ことを特徴とする複合成形体。 - 多孔質材料から成形され、表裏をなす第一面及び第二面を有する多孔質基部と、
前記多孔質基部を補強する補強部と、
を備えた複合成形体の製造方法であって、
前記第一面に、並列に複数の第一溝を形成し、
前記第二面に、平面視で前記第一溝と交差するような配置で、前記第一面と前記第二面との間の一部の範囲で前記第一溝と連通するよう、並列に複数の第二溝を形成し、
前記第一溝及び前記第二溝の少なくとも一方に、硬化することで前記多孔質材料より強度が高くなる補強材料の原液を流し込み、
前記原液を前記第一溝及び前記第二溝に充填するとともに硬化させ、
硬化した前記補強材料が前記第一溝及び前記第二溝に充填されてなる前記補強部を形成する
ことを特徴とする複合成形体の製造方法。 - 多孔質材料から成形され、表裏をなす第一面及び第二面を有する多孔質基部が複数積層されてなる積層基部と、
前記積層基部を補強する補強部と、
を備えた複合成形体の製造方法であって、
前記多孔質基部の前記第一面に、並列に複数の第一溝を形成し、
前記多孔質基部の前記第二面に、平面視で前記第一溝と交差するような配置で、前記第一面と前記第二面との間の一部の範囲で前記第一溝と連通するよう、並列に複数の第二溝を形成し、
互いの前記第一溝及び前記第二溝が連通するよう複数の前記多孔質基部を積層して前記積層基部を形成し、
前記積層基部の積層方向における一方端の前記多孔質基部又は他方端の前記多孔質基部の少なくとも一方の前記第一溝又は前記第二溝に、硬化することで前記多孔質材料より強度が高くなる補強材料の原液を流し込み、
前記原液を、前記積層基部の前記第一溝及び前記第二溝に充填するとともに硬化させ、
硬化した前記補強材料が前記積層基部の前記第一溝及び前記第二溝に充填されてなる前記補強部を形成する
ことを特徴とする複合成形体の製造方法。
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2007
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