JP2008249059A - 多孔質成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】曲面施工性や寸法安定性に優れた多孔質成形体を提供する。
【解決手段】多孔質材料から成形され、表裏をなす第一面11及び第二面12を有する多孔質成形体1であって、前記第一面11に、格子状の第一溝21が形成され、前記第二面12に、平面視で前記第一溝21と重複しない配置で格子状の第二溝22が形成され、前記第一溝21と前記第二溝22とは、前記第一面11と前記第二面12との間の一部の範囲で連通している多孔質成形体1とする。
【選択図】図1
【解決手段】多孔質材料から成形され、表裏をなす第一面11及び第二面12を有する多孔質成形体1であって、前記第一面11に、格子状の第一溝21が形成され、前記第二面12に、平面視で前記第一溝21と重複しない配置で格子状の第二溝22が形成され、前記第一溝21と前記第二溝22とは、前記第一面11と前記第二面12との間の一部の範囲で連通している多孔質成形体1とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、多孔質成形体に関し、特に、曲面への施工に優れた多孔質成形体に関する。
硬質ポリウレタンフォームやケイ酸カルシウム保温材等の多孔質成形体は、それが本来的に備える断熱性や軽量性等の特性に基づいて、低温又は高温で流体を輸送する配管構造の断熱材や保温材、建築用のパネル等に広く用いられている。
従来、多孔質材料を保温材等として配管やタンクなどの曲面に施工する場合、多孔質材料をパイプカバーやタンク壁面などの形状に切削して曲面加工する方法があった(特許文献1、特許文献2参照)。
また、可撓性シート上にプラスチックフォーム層を形成し、当該プラスチックフォーム層の当該シートと反対側の面にV字溝を形成し、当該V字溝の両傾斜面を当接させることによって湾曲させるようにしたものがあった(特許文献3参照)。
実公昭54−19361号公報
特開2002−276894号公報
特開平9−60789号公報
特開平10−299983号公報
特開平3−255298号公報
しかしながら、上記従来技術においては、パイプカバー形状に切削する場合には、多孔質材料から所定の寸法の形状に切削加工するため、材料のロスが大きく、加工にはNC(Numerical Control)ルーターなどの切削機械を用いる必要があり、生産性も悪かった。また、多孔質成形体を球面形状に加工することは困難であった。
また、プラスチックフォーム層のシートと反対側の面にV字溝を形成する方法も、曲面への施工性は向上するものの、球面形状に加工することは困難であり、寸法安定性は従来の多孔質材料と同じである。
さらに、多孔質成形体は、かさ密度が小さいほど軽量となり、また熱伝導率が低下して、断熱材として適しているが、かさ密度が小さくなると寸法安定性が低下する、という問題点があった。
このため、経時劣化や熱劣化などによって多孔質材料が収縮し、外形寸法の変化を伴う多孔質材料の変形に対応するため、例えば、あらかじめ多孔質材料と多孔質材料の隙間にグラスウールなどの緩衝材を詰めて、多孔質材料が収縮してできた間隙を塞ぐようにする(特許文献4参照)ことや、多孔質材料と多孔質材料の境目をステップジョイントと呼ばれる凹凸形状に加工しておき、隙間の距離を長くすることで漏れを防ぐことや、2重管の中に保温材を入れて変形を防ぐ(特許文献5参照)ことなどにより対処する必要があった。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであって、曲面施工性や寸法安定性に優れた多孔質成形体を提供することをその目的の一つとする。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る多孔質成形体は、多孔質材料から成形され、表裏をなす第一面及び第二面を有する多孔質成形体であって、前記第一面に、格子状の第一溝が形成され、前記第二面に、平面視で前記第一溝と重複しない配置で格子状の第二溝が形成され、前記第一溝と前記第二溝とは、前記第一面と前記第二面との間の一部の範囲で連通していることを特徴とする。本発明によれば、第一溝及び第二溝が三次元的に形成されることで、様々な曲面形状への対応が可能となり、曲面施工性に優れた多孔質成形体を提供することができる。
また、曲面に施工するための多孔質成形体であって、前記第一面又は前記第二面が前記曲面に対応した湾曲形状に変形しており、前記第一溝及び前記第二溝には充填材料が充填されていることとしてもよい。この場合、前記充填材料は、前記多孔質材料より強度が高い材料であることとしてもよい。また、前記多孔質材料は、発泡材料であり、前記充填材料は、無発泡材料であることとしてもよい。また、前記多孔質材料は、高分子化合物の発泡材料であり、前記充填材料は、前記高分子化合物の無発泡材料又は前記発泡材料よりも気泡率の低い前記高分子化合物の発泡材料であることとしてもよい。また、前記高分子化合物は、硬質ポリウレタン又は硬質ポリイソシアヌレートであることとしてもよい。また、前記多孔質材料は、無機多孔質材料であり、前記補強材料は、セラミックスであることとしてもよい。この場合、前記無機多孔質材料は、ケイ酸カルシウム保温材又はロックウール保温材であることとしてもよい。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る多孔質成形体は、多孔質材料から成形され、表裏をなす第一面及び第二面を有する単位成形体が複数積層された多孔質成形体であって、前記単位成形体の前記第一面に、格子状の第一溝が形成され、前記単位成形体の前記第二面に、平面視で前記第一溝と重複しない配置で格子状の第二溝が形成され、前記第一溝と前記第二溝とは、前記第一面と前記第二面との間の一部の範囲で連通し、複数の前記単位成形体は、互いの前記第一溝及び前記第二溝が連通するよう積層されていることを特徴とする。本発明によれば、変形性に優れた多孔質成形体を提供することができる。また、曲面に施工するための多孔質成形体であって、積層された複数の前記単位成形体のうち、積層方向における一方端に配置された前記単位成形体の前記第一面又は前記第二面は、前記曲面に対応した湾曲形状に変形しており、複数の前記単位成形体の前記第一溝及び前記第二溝には充填材料が充填されていることとすることもできる。この場合、複数の単位成形体同士を効果的に接着させることができ、また、多孔質成形体の強度を向上させることもできる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る多孔質成形体の製造方法は、多孔質材料から成形され、表裏をなす第一面及び第二面を有する、曲面に施工するための多孔質成形体の製造方法であって、前記第一面に、格子状の第一溝を形成し、前記第二面に、平面視で前記第一溝と重複しない配置で、前記第一面と前記第二面との間の一部で前記第一溝と連通するよう格子状の第二溝を形成し、前記第一面又は前記第二面の一方を前記曲面に対応した湾曲形状に変形させるとともに、充填材料の原液を、前記第一面又は前記第二面の他方側から前記第一溝又は前記第二溝に流し込んで前記第一溝及び前記第二溝に充填し、前記第一面又は前記第二面の一方が前記湾曲形状に変形した状態で前記第一溝及び前記第二溝に充填した前記原液を硬化させることを特徴とする。本発明によれば、曲面施工性に優れた多孔質成形体を提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る多孔質成形体の製造方法は、多孔質材料から成形され、表裏をなす第一面及び第二面を有する単位成形体が複数積層された、曲面に施工するための多孔質成形体の製造方法であって、前記単位成形体の前記第一面に、格子状の第一溝を形成し、前記単位成形体の前記第二面に、平面視で前記第一溝と重複しない配置で、前記第一面と前記第二面との間の一部の範囲で前記第一溝と連通するよう格子状の第二溝を形成し、複数の前記単位成形体を、互いの前記第一溝及び前記第二溝が連通するよう積層し、積層方向における一方端に配置された前記単位成形体の前記第一面又は前記第二面を、前記曲面に対応した湾曲形状に変形させるとともに、充填材料の原液を、前記積層方向における他方端に配置された前記単位成形体の前記第一溝又は前記第二溝に流し込んで、複数の前記単位成形体の前記第一溝及び前記第二溝に充填し、前記一方端に配置された前記単位成形体の前記第一面又は前記第二面が前記曲面に対応した湾曲形状に変形した状態で、複数の前記単位成形体の前記第一溝及び前記第二溝に充填された前記原液を硬化させることを特徴とする。本発明によれば、曲面施工性に優れた多孔質成形体を提供することができる。
以下に、本発明の一実施形態に係る多孔質成形体について、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明に係る多孔質成形体は、本実施形態に限られるものではない。
図1、図2、図3はそれぞれ、本実施形態に係る多孔質成形体1(以下、「成形体1」という)の一例についての斜視図、平面図、正面図である。図4は、図3に示すA−A線で切断した成形体1の断面図である。この図4は、図3に示す成形体1を厚さTの半分の位置で切断した断面図である。
成形体1は、多孔質材料から成形されている。この多孔質材料としては、内部に微細な空隙が二次元的又は三次元的に複数形成された多孔質の材料であって可撓性を有するものであれば特に限られず、目的に応じて任意の多孔質有機材料又は多孔質無機材料を選択して用いることができる。
この多孔質材料としては、断熱性、保温性に優れたものや、多孔化により軽量化を図ったものを用いることができ、発泡を伴って成形できる発泡材料を好ましく用いることができる。発泡材料としては、例えば、発泡成形の過程で孔内に断熱性や保温性に寄与するガスが閉じ込められた独立気泡構造を有するものを好ましく用いることができる。具体的に、この多孔質材料としては、例えば、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリイソシアヌレートフォーム、ポリイミドフォーム等の高分子化合物の発泡材料を用いることができ、特に、硬質ポリウレタンフォームや硬質ポリイソシアヌレートフォームを好ましく用いることができる。
また、多孔質材料としては、例えば、内部に微細な空隙が形成された無機多孔質材料を用いることができる。無機多孔質材料としては、ロックウール保温材、グラスウール保温材、セラミックファイバー保温材等の繊維質保温材、ケイ酸カルシウム保温材等の粉末質保温材、パーライト保温材、バーミキュライト保温材等の発泡質保温材、無機繊維紙コルゲート保温材等の空気層保温材を用いることができ、特に、ロックウール保温材、グラスウール保温材、ケイ酸カルシウム保温材を好ましく用いることができる。本実施形態において、成形体1は、多孔質材料として硬質ポリウレタンフォームを用いて成形された板状の発泡成形体である。
この成形体1は、表裏をなす第一面11(以下、「上面11」という)及び第二面12(以下、「下面12」という)を有している。上面11及び下面12は、成形体1が有する6つの表面のうち最も面積の大きい2つの矩形表面である。そして、成形体1は、上面11に形成された格子状の第一溝21と、下面12に形成された格子状の第二溝22と、を有する溝部20を備えている。
第一溝21は、上面11において、並列に配置された複数の第一縦溝23と、当該第一縦溝23と直角をなして交差するよう並列に配置された複数の第一横溝24と、を含む。第二溝22は、下面12において、並列に配置された複数の第二縦溝25と、当該第二縦溝25と直角をなして交差するよう並列に配置された複数の第二横溝26と、を含む。第一縦溝23と第一横溝24とは交点で連通し、第二縦溝25と第二横溝26とは交点で連通している。
第一溝21と第二溝22とは、図2に示すように、平面視で互いに重複しない配置で形成されている。すなわち、本実施形態においては、平面視において、第二溝22の各第二縦溝25は、隣接して並行に延びる2つの第一縦溝23の中間の位置に当該2つの第一縦溝23と平行に延びる配置で形成されている。また、第二溝22の各第二横溝26は、隣接して並行に延びる2つの第二横溝24の中間の位置に当該2つの第一横溝24と平行に延びる配置で形成されている。
また、第一溝21と第二溝22とは、第一面11と第二面12との間の一部の範囲で連通している。すなわち、図3に示すように、上面11と下面12とは、成形体1の厚さTだけ離れて配置されているのに対して、第一溝21の深さD1及び第二溝22の深さD2はそれぞれ当該厚さTより小さく、且つ当該深さD1と当該深さD2との合計は当該厚さTより大きくなっている。具体的に、本実施形態においては、第一溝21の深さD1と第二溝22の深さD2とは等しく、いずれも成形体1の厚さTの半分よりも所定長さだけ長くなっている。
このため、第一溝21と第二溝22とは、成形体1の内部の厚さ方向において、上面11から当該第一溝21の深さD1だけ離れた位置と、下面12から当該第二溝22の深さD2だけ離れた位置と、の間の範囲で連通している。
したがって、図4に示すように、少なくとも上面11と下面12との中間の位置(すなわち、上面11及び下面12のいずれからも厚さTの半分の深さの位置における図4に示す切断面)においては、複数の第一縦溝23の各々と複数の第二横溝26の各々とが互いに交差して連通するとともに、複数の第一横溝24の各々と複数の第二縦溝25の各々とが互いに交差して連通している。このように、第一溝21と第二溝22とからなる溝部20は、成形体1の上面11から下面12まで当該成形体1の内部の厚さ方向全域にわたって連続的に形成されている。
また、第一溝21及び第二溝22は、基部10の側面の一部から他の一部まで、上面11及び下面12を横断するようにそれぞれ形成されている。すなわち、成形体1は、上面11の外縁と下面12の外縁とを繋ぐ側面として、表裏をなす第一側面13(以下、「前側面13」という)及び第二側面14(以下、「後側面14」という)と、表裏をなす第三側面15(以下、「左側面15」という)及び第四側面16(以下、「右側面16」という)と、を有している。そして、第一溝21の第一縦溝23及び第二溝22の第二縦溝25は、前側面13から後側面14まで形成され、第一溝21の第一横溝24及び第二溝22の第二横溝26は、左側面15から右側面16まで形成されている。
このような成形体1は、次のようにして製造することができる。すなわち、まず、ポリオール、イソシアネート、反応触媒、発泡剤、制泡剤を反応させて、硬質ポリウレタンフォームからなる板状の成形体1を発泡成形する。そして、この成形体1の上面11に、格子状の第一溝21を形成するとともに、下面12には、平面視で当該第一溝21と重複しないようにずれた配置で格子状の第二溝22を形成する。
また、このとき、第一溝21の深さD1と第二溝22の深さD2との合計が成形体1の厚さTより大きくなるよう調整して、当該第一溝21と当該第二溝22とを、上面11と下面12との間の一部の範囲で互いに連通させる。
なお、第一溝21及び第二溝22を形成する加工方法は特に限られないが、例えば、発泡体の一部を削り取る切削加工によって、まず上面11に第一溝21の第一縦溝23を形成し、次いで当該第一溝21の第一横溝24を形成し、更に同様にして下面12に第二縦溝25、第二横溝26を順次形成する方法を用いることができる。
このようにして製造される成形体1は、溝部20を有することにより曲面施工性に優れている。すなわち、例えば、成形体1を配管の外側面等の円筒曲面に施工する場合には、その上面11又は下面12を当該円筒曲面に対応する湾曲形状に変形させることが可能である。また、例えば、成形体1を建築物のドーム状表面等の球面に施工する場合には、その上面11又は下面12を当該球面に対応する三次元的な湾曲形状に変形させることが可能である。
図5及び図6には、施工の対象とする構造物30が球状表面31を有する場合において、図1〜図4に示した成形体1を当該球状表面31に施工した状態の一例を示す。図5は、球状表面31に施工された成形体1を前側面13側から見た側面図であり、図6は、当該成形体1を上面11側から見た平面図である。
多孔質材料で成形された成形体1は、上面11に形成された格子状の第一溝21と、下面12に形成された格子状の第二溝22と、が当該上面11と当該下面12との間で連通することによって、溝部20が当該上面11から当該下面12まで厚さ方向の全域に設けられているため、二次元的又は三次元的な変形性に優れている。このため、図5及び図6に示すように、成形体1は、例えば、下面12(図1及び図3参照)が施工の対象である球状表面31に対応する湾曲形状となるように、その全体を三次元的に変形させることができる。したがって、成形体1は、施工前に予め変形させておくことにより、又は球状表面31に押し当てて変形させることにより、図5及び図6に示すように、当該球状表面31沿って適切に配置することができる。また、成形体1は、いったん平板状に成形された後、対象とする曲面に合わせて変形させるだけで当該曲面に施工することができるため、従来の切削により曲面加工を行う場合のような材料のロスや廃材の発生を回避することができる。
また、成形体1は、上面11又は下面12が施工の対象である曲面に対応した湾曲形状に変形しており、且つ第一溝21及び第二溝22に充填材料が充填されてなる充填部40を備えた、当該曲面に施工するための多孔質成形体とすることもできる。
図7及び図8には、施工の対象とする構造物30が球状表面31を有する場合において、充填部40を備えた成形体1を当該球状表面31に施工した状態の一例を示す。図7は、球状表面31に施工された成形体1を前側面13側から見た側面図であり、図8は、当該成形体1を上面11側から見た平面図である。
充填部40の形成に用いられる充填材料としては、流動性のある原液を第一溝21及び第二溝22に流し込んで硬化させることによって当該第一溝21及び第二溝22に充填できるものであれば特に限られず、目的に応じて任意の有機材料又は無機材料を選択して用いることができる。
この充填材料としては、例えば、成形体1を構成する多孔質材料に比べて圧縮強度、曲げ強度、引っ張り強度等の力学的強度が高い補強材料を好ましく用いることができる。また、充填材料としては、流動性のある原液の粘性が小さく、第一溝21及び第二溝22を形成する多孔質材料の壁面との親和性が高いものを好ましく用いることができる。また、充填材料としては、例えば、成形体1を構成する多孔質材料との接着性に優れたもの、断熱性、保温性に優れたもの、軽量化されたもの等を好ましく用いることができる。
また、成形体1を構成する多孔質材料が有機系材料である場合には、充填材料として有機系材料を好ましく用いることができる。具体的に、この場合、充填材料としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、クロロプレンゴム、酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエゴム、フェノール樹脂、ポリイミドなどからなる接着剤や、ポリウレタン、ポリイソシアヌレートなどの樹脂等の有機系材料を用いることができ、特に、エポキシ樹脂接着剤、硬質ポリウレタン、硬質ポリイソシアヌレートを好ましく用いることができる。また、成形体1を構成する多孔質材料が無機系材料である場合には、充填材料として無機系材料を好ましく用いることができる。具体的に、この場合、充填材料としては、例えば、シリカ系、アルミナ系、セラミック系、セメントなどの無機系バインダーやペーストを用いることができ、特に、アルミナ系ペーストのセラミックスを好ましく用いることができる。また、充填材料は、これら無発泡材料又は発泡材料とすることができる。本実施形態において、充填材料は、エポキシ樹脂接着剤である。
また、多孔質材料と充填材料との組み合わせは、目的に応じて任意に選択することができる。すなわち、例えば、成形体1を発泡体とし、充填材料を無発泡材料とすることができる。この場合、成形体1を高分子化合物の発泡体とし、充填材料を当該高分子化合物と同一の種類又は異なる種類の高分子化合物の無発泡材料とすることができる。また、成形体1を高分子化合物の発泡体とし、充填材料を当該発泡体よりも気泡率の低い当該高分子化合物と同一種類の高分子化合物の発泡材料とすることができる。この高分子化合物の発泡体としては、例えば、硬質ポリウレタンフォームや硬質ポリイソシアヌレートフォームを好ましく用いることができる。また、成形体1を構成する多孔質材料を無機多孔質材料とし、充填材料をセラミックスとすることができる。すなわち、例えば、無機多孔質材料としての繊維質保温材や粉末質保温材と、充填材料としてのアルミナ系ペーストのセラミックスと、の組み合わせを好ましく用いることができる。
この充填部40は、その一部として第一溝21(図1〜図6参照)に充填材料を充填して形成された第一充填部41を有し、他の一部として同様に第二溝22に当該充填材料を充填して形成された第二充填部42を有している。そして、これら第一充填部41と第二充填部42とは、第一溝21と第二溝22とが連通している部分で繋がっており、充填部40を一体的に構成している。
このように、充填部40は、成形体1の上面11から下面12まで、当該成形体1の厚さTの全範囲にわたって一体的に形成されている。また、充填部40は、前側面13から後側面14まで、及び左側面15から右側面16まで、上面11及び下面12の全体にわたって一体的に形成されている。このため、例えば、充填材料として、多孔質材料より強度が高い補強材料を用いた場合には、成形体1の上面11と下面12とに圧縮荷重が加わった場合であっても、当該成形体1のうち充填部40が当該圧縮加重を効果的に受け止めることができる。したがって、成形体1のうち充填部40の格子間を埋めている多孔質材料は、当該成形体1に対する荷重から保護される。
また、成形体1内部の多孔質材料は経時劣化や熱劣化によって収縮し、寸法が変化し得るが、充填部40がこの収縮しようとする応力に反発して当該多孔質材料の形状を保持するため、当該成形体1全体としての収縮は無視できるほどに低減することができる。すなわち、成形体1は寸法安定性に優れている。
この結果、例えば、成形体1を構成する多孔質材料の孔構造を保護することができるため、当該孔構造に由来する当該多孔質材料に特有の特性を効果的に維持することができる。具体的に、例えば、多孔質材料は内部に形成されている空隙中に存在するガスが当該空隙中に保持されることで断熱性を保持するが、充填部40が当該ガスの当該空隙からの流出を防ぐ隔壁としての役割を果たすことにより、成形体1の断熱性を効果的に保持することができる。例えば、水を発泡剤として発泡成形され、独立気泡内に炭酸ガスが閉じ込められた硬質ポリウレタンフォームを用いる場合等、ガスを保持している独立気泡を有する多孔質材料を用いて成形体1が成形されている場合には、充填部40によって当該独立気泡からの当該ガスの漏洩を防止することができるため、当該多孔質材料に特有の断熱性、保温性、軽量性を効果的に維持することができる。
また、成形体1のうち、上面11側で第一充填部41の各格子によって囲まれ、又は下面12側で第二充填部42の各格子によって囲まれた、直方体状の多孔質材料ブロック部分は、当該各格子によって互いに独立して配置されているため、例えば、一つの多孔質材料ブロック部分に破損等の不具合が生じた場合であっても、当該不具合が他の多孔質材料ブロック部分に及ぶことを効果的に抑制することができる。
このように、成形体1は、充填部40を設けることによって、多孔質材料が本来的に備える特性を効果的に維持することができ、充填材料として当該多孔質材料より強度が高い補強材料を用いた場合には、当該成形体1の強度を効果的に高めることもできる。また、この充填部40を備えた成形体1についても、いったん平板状に成形された後、対象とする曲面に合わせて変形させた状態で当該充填部40を形成するだけで当該曲面に施工することができるため、従来の切削により曲面加工を行う場合のような材料のロスや廃材の発生を回避することができる。
この充填部40を備えた、曲面に施工するための成形体1は、次のようにして製造することができる。すなわち、まず、上述の充填部40を有しない成形体1と同様に、図1〜図4に示すような平板状の成形体1を製造する。
次に、成形体1の上面11又は下面12の一方を、施工する曲面に対応した湾曲形状に変形させるとともに、充填材料の原液を、当該上面11又は当該下面12の他方側から第一溝21又は第二溝22に流し込んで当該第一溝21及び当該第二溝22に充填する。すなわち、図7及び図8に示す例においては、成形体1の下面12が球状表面31に沿った三次元的な湾曲形状となるよう、硬質ポリウレタンフォームで成形された成形体1の全体を変形させるとともに、硬化することで当該硬質ポリウレタンフォームより強度が高くなるエポキシ樹脂の流動性のある原液を上面11側から第一溝21に流し込んで当該第一溝21及び第二溝22に充填する。
ここで、第一溝21と第二溝22とは成形体1の内部で連通しているため、上面11側から第一溝21に原液を流し込むことにより、当該原液を、当該第一溝21の全体のみならず、成形体1の内部における当該第一溝21と第二溝22との連通部分まで流入させ、更に当該第二溝22の全体にまで流入させることができる。このようにして、充填材料の原液を、成形体1の上面11から下面12まで、溝部20の全体に充填することができる。なお、充填材料の原液を溝部20に充填する方法は特に限られず任意の方法を選択して用いることができ、例えば、当該溝部20の一部と他の一部とに圧力差を形成し、当該圧力差を利用して当該原液を当該溝部20内に流入させる方法を用いることができる。
また、充填材料の原液は、成形体1の上面11及び下面12のみならず、側面から溝部20に流し込むこともできる。すなわち、充填材料の原液は、例えば、前側面13又は後側面14の少なくとも一方から第一縦溝23又は第二縦溝25に流し込み、左側面15又は右側面16の少なくとも一方から第一横溝24又は第二横溝26に流し込むことができる。
そして、上面11又は下面12の一方が施工対象の曲面に対応する湾曲形状に変形した状態で、第一溝21及び第二溝22に充填された充填材料の原液を当該充填材料の特性に応じた所定の条件で硬化させる。すなわち、本実施形態においては、少なくとも下面12が球状表面31に沿った椀状に変形した状態で、溝部20の全体に充填されたエポキシ樹脂の原液を硬化させる。この結果、湾曲した成形体1において、硬化したエポキシ樹脂が第一溝21及び第二溝22に充填されてなる充填部40を形成することができる。
なお、このような成形体1の製造は、曲面への施工前に行うことができる。すなわち、例えば、湾曲した施工表面に成形体1を施工する前に、当該施工表面を模した型の湾曲面に当該成形体1の上面11又は下面12を押し当てて、当該上面11又は下面12が当該湾曲面に対応する湾曲形状となるように当該成形体1を変形させ、当該施工表面への施工前に、変形させた当該成形体1の第一溝31及び第二溝32に充填した充填材料を硬化させることができる。
図9は、成形体1の更に他の例についての斜視図である。この成形体1は、単位成形体10a〜dが複数積層されて構成されている。この成形体1を構成する4つの単位成形体10a〜dは、図1〜図4に示した例と同様に、上面11a〜dに格子状の第一溝21a〜dが形成され、下面12a〜dに格子状の第二溝22a〜dが形成されている。そして、第一溝21a〜dと第二溝22a〜dとは、平面視で互いに重複しない配置で形成されるとともに、上面11a〜dと下面12a〜dとの間の一部の範囲で連通している。
また、この成形体1において、単位成形体10a〜dは、互いの第一溝21a〜d及び第二溝22a〜dが連通するよう積層されている。すなわち、成形体1は、例えば、隣接する2つの単位成形体10aと単位成形体10bとのうち、一方の単位成形体10aの下面12aと他方の単位成形体10bの上面11bとが対向し、且つ、当該下面12aの第二溝22と当該上面11bの第一溝22bとが交差して、当該下面12aと当該上面11bとの接合面において連通するよう積層されている。
具体的に、本実施形態においては、一方の単位成形体10aの第一溝21a及び第二溝22aと、他方の単位成形体10bの第一溝21b及び第二溝22bと、がそれぞれ平面視において重複するような配置で、当該一方の単位成形体10aと当該他方の単位成形体10bとが積層されている。
そして、この積層構造を有する成形体1もまた、図5及び図6に示した単体の場合と同様に、溝部50を有することにより曲面施工性に優れている。すなわち、例えば、成形体1を配管の外側面等の円筒曲面に施工する場合には、積層された4つの単位成形体10a〜dのうち、積層方向における一方端に配置された単位成形体10dの下面12dを、当該円筒曲面に対応した湾曲形状に変形させることが可能である。また、例えば、成形体1を建築物のドーム状表面等の球面に施工する場合には、積層された4つの単位成形体10a〜dのうち、積層方向における一方端に配置された単位成形体10dの下面12dを、当該球面に対応する三次元的な湾曲形状に変形させることが可能である。
また、この成形体1は、図7及び図8に示した単体の場合と同様に、曲面に施工するための多孔質成形体であって、複数の単位成形体10a〜dの第一溝21a〜d及び第二溝22a〜dに充填材料が充填されてなる充填部(不図示)を有するものとすることもできる。すなわち、この場合、例えば、成形部1を構成する4つの単位成形体10a〜dのうち、積層方向における一方端に配置された単位成形体10dの下面12dが、施工対象の曲面に対応した湾曲形状に変形していることとなる。そして、この変形された成形体1の充填部は、当該成形体1を構成する4つの単位成形体10a〜dの各々の第一溝21a〜dと第二溝22a〜dとにそれぞれ充填材料を充填して形成される。すなわち、この充填部は、成形体1を構成する複数の単位成形体10を積層方向において貫通するように一体的に形成される。
ここで、この成形体1においては、例えば、隣接する2つの単位成形体10aと単位成形体10bのうち、対向する一方の単位成形体10aの下面12aと他方の単位成形体10bの上面11bとの間を埋める薄い補強材料の層(図示せず)(以下、「接着層」という)が形成されている。すなわち、充填部は、第一溝21a〜dに充填材料が充填されてなる部分と第二溝22a〜dに充填材料が充填されてなる部分とを繋ぐように一方の単位成形体10aの下面12aと他方の単位成形体10bの上面11bとに沿って形成される接着層を有している。充填部は、この接着層を有することにより、成形体1を構成する4つの単位成形体10a〜dを互いに強固に接着することができる。
この充填部を備えた積層構造の成形体1は、次のようにして製造することができる。すなわち、まず各単位成形体10a〜dの上面11a〜dに格子状の第一溝21a〜dを形成する。一方、各単位成形体10a〜dの下面12a〜dには、格子状の第二溝22a〜dを平面視で第一溝21a〜dと重複しない配置で形成する。
このとき、各単位成形体10a〜dにおいて、第一溝21a〜dの深さと第二溝22a〜dの深さとの合計が当該各単位成形体10a〜dの厚さより大きくなるよう調整して、当該第一溝21a〜dと当該第二溝22a〜dとを、上面11a〜dと下面12a〜dとの間の一部の範囲で互いに連通させる。
次に、このように製造した4つの単位成形体10a〜dを、互いの第一溝21a〜d及び第二溝22a〜dが連通するよう積層する。
そして、この積層構造を形成した、図9に示すような成形体1を、施工対象である他の部材の表面に応じた形状に変形させる。すなわち、成形体1が高温又は低温の流体を輸送する配管の断熱材・保温材として用いられる場合には、例えば、まず、成形体1を施工表面である当該配管の外面に沿うように湾曲させる。この成形体1の湾曲は、例えば、施工表面を模した型の湾曲面に当該成形体1の積層方向一方側の単位成形体10dの下面12dを押し当てて変形させ、当該変形させた単位成形体10dの上に更に3つの単位成形体10a〜cを変形させつつ積層することにより行うことができる。
そして、この湾曲させた成形体1の第一溝21a〜d及び第二溝22a〜dに充填材料の原液を流し込む。すなわち、成形体1の積層方向における一方端の単位成形体10dの下面12dが施工表面に沿うように当該成形体1を湾曲させた状態で、当該成形体1の他方端の単位成形体10aの上面11a側から第一溝21aに充填材料の原液を流し込む。ここで、成形体1を構成する4つの単位成形体10a〜dの第一溝21a〜dと第二溝22a〜dとが互いに連通しているため、積層方向における他方端の単位成形体10aの上面11a側から第一溝21aに原液を流し込むことにより、当該原液は、当該他方端の単位成形体10aの第一溝21a及び第二溝22aの全体のみならず、当該積層方向における一方端側に積層されている他の3つの単位成形体10b〜dの第一溝21b〜d及び第二溝22b〜dの全体にまで順次流入することができる。また、このとき4つの単位成形体10a〜dの間にスペーサ等を挿入することにより僅かな隙間を空けて積層した状態で充填材料を充填することにより、当該隙間を埋めて単位成形体10a〜d間に広がる接着層を形成することができる。なお、充填材料の原液は、成形体1を構成する4つの単位成形体10a〜dのうち少なくとも一部の側面から第一溝21a〜d又は第二溝22a〜dの少なくとも一方に流し込むこともできる。
このようにして、充填材料の原液を成形体1の一方端の単位成形体10aの上面11aから、他方端の単位成形体10dの下面12dまで、当該成形体1の高さ方向において溝部50(図9参照)の全体に充填することができる。
そして、成形体1の湾曲状態を維持したまま、全ての単位成形体10a〜dに充填した充填材料の原液を、当該充填材料の特性に応じた所定の条件で硬化させる。この結果、硬化した充填材料が成形体1の第一溝21b〜d及び第二溝22b〜dに充填されてなる充填部を形成することができる。こうして形成された充填部は、成形体1を構成する4つの単位成形体10a〜dを積層方向において貫通するように一体的に形成される。
こうして、4つの単位成形体10a〜dが互いに強固に接着し、且つ積層方向における一方端の単位成形体10dの下面12dが施工対象の曲面に対応する湾曲形状に変形した成形体1を製造することができる。また、充填材料として、硬化することで単位成形体10a〜dを構成する多孔質材料より強度が高くなる補強材料を用いることにより、当該多孔質材料本来の特性を維持しつつ、成形体1の強度を向上させることもできる。
図10には、成形体1の更に他の例についての斜視図を示す。図10に示す成形体3は、上面11に形成された第一溝21の形状を除き、図1〜図4に示した成形体1と同様に構成されている。
この成形体3の第一溝21の第一縦溝23及び第一横溝24は、いずれも下面12側の端部から上面11側の開口部に向けて幅が大きくなる側面視でV字型のテーパ状に形成されている。このため、例えば、施工表面である球状表面等の曲面の曲率が大きい場合であっても、成形体1は、上面11を当該曲面に対応する形状に変形することにより、当該曲面に沿った形状で適切に湾曲することができる。
なお、成形体1は上述の例に限られない。すなわち、例えば、第一溝21と第二溝22とは平面視で重複しないよう配置されていれば上述の例に限られず、例えば、平面視において、隣接する2つの第一縦溝23の間に配置される第二溝22の各第二縦溝25が、当該2つの第一縦溝23のうち一方により近い位置に配置されることとしてもよい。また、成形体1の上面11及び下面12は矩形のものに限られず、例えば、他の多角形や円形とすることもできる。
1 多孔質成形体、10 単位成形体、11 上面、12 下面、13 前側面、14 後側面、15 左側面、16 右側面、20 溝部、21 第一溝、22 第二溝、23 第一縦溝、24 第一横溝、25 第二縦溝、26 第二横溝、30 構造物、31 球状表面、40 充填部、41 第一充填部、42 第二充填部、50 溝部。
Claims (12)
- 多孔質材料から成形され、表裏をなす第一面及び第二面を有する多孔質成形体であって、
前記第一面は、格子状の第一溝が形成され、
前記第二面は、平面視で前記第一溝と重複しない配置で格子状の第二溝が形成され、
前記第一溝と前記第二溝とは、前記第一面と前記第二面との間の一部の範囲で連通している
ことを特徴とする多孔質成形体。 - 曲面に施工するための多孔質成形体であって、
前記第一面又は前記第二面が前記曲面に対応した湾曲形状に変形しており、
前記第一溝及び前記第二溝には充填材料が充填されている
ことを特徴とする請求項1に記載の多孔質成形体。 - 前記充填材料は、前記多孔質材料より強度が高い材料である
ことを特徴とする請求項2に記載の多孔質成形体。 - 前記多孔質材料は、発泡材料であり、
前記充填材料は、無発泡材料である
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の多孔質成形体。 - 前記多孔質材料は、高分子化合物の発泡材料であり、
前記充填材料は、前記高分子化合物の無発泡材料又は前記発泡材料よりも気泡率の低い前記高分子化合物の発泡材料である
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の多孔質成形体。 - 前記高分子化合物は、硬質ポリウレタン又は硬質ポリイソシアヌレートである
ことを特徴とする請求項5に記載の多孔質成形体。 - 前記多孔質材料は、無機多孔質材料であり、
前記充填材料は、セラミックスである
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の複合成形体。 - 前記無機多孔質材料は、ケイ酸カルシウム保温材又はロックウール保温材である
ことを特徴とする請求項7に記載の複合成形体。 - 多孔質材料から成形され、表裏をなす第一面及び第二面を有する単位成形体が複数積層された多孔質成形体であって、
前記単位成形体の前記第一面に、格子状の第一溝が形成され、
前記単位成形体の前記第二面に、平面視で前記第一溝と重複しない配置で格子状の第二溝が形成され、
前記第一溝と前記第二溝とは、前記第一面と前記第二面との間の一部の範囲で連通し、
複数の前記単位成形体は、互いの前記第一溝及び前記第二溝が連通するよう積層されている
ことを特徴とする多孔質成形体。 - 曲面に施工するための多孔質成形体であって、
積層された複数の前記単位成形体のうち、積層方向における一方端に配置された前記単位成形体の前記第一面又は前記第二面は、前記曲面に対応した湾曲形状に変形しており、
複数の前記単位成形体の前記第一溝及び前記第二溝には充填材料が充填されている
ことを特徴とする請求項9に記載の多孔質成形体。 - 多孔質材料から成形され、表裏をなす第一面及び第二面を有する、曲面に施工するための多孔質成形体の製造方法であって、
前記第一面に、格子状の第一溝を形成し、
前記第二面に、平面視で前記第一溝と重複しない配置で、前記第一面と前記第二面との間の一部で前記第一溝と連通するよう格子状の第二溝を形成し、
前記第一面又は前記第二面の一方を前記曲面に対応した湾曲形状に変形させるとともに、充填材料の原液を、前記第一面又は前記第二面の他方側から前記第一溝又は前記第二溝に流し込んで前記第一溝及び前記第二溝に充填し、
前記第一面又は前記第二面の一方が前記湾曲形状に変形した状態で前記第一溝及び前記第二溝に充填した前記原液を硬化させる
ことを特徴とする多孔質成形体の製造方法。 - 多孔質材料から成形され、表裏をなす第一面及び第二面を有する単位成形体が複数積層された、曲面に施工するための多孔質成形体の製造方法であって、
前記単位成形体の前記第一面に、格子状の第一溝を形成し、
前記単位成形体の前記第二面に、平面視で前記第一溝と重複しない配置で、前記第一面と前記第二面との間の一部の範囲で前記第一溝と連通するよう格子状の第二溝を形成し、
複数の前記単位成形体を、互いの前記第一溝及び前記第二溝が連通するよう積層し、
積層方向における一方端に配置された前記単位成形体の前記第一面又は前記第二面を、前記曲面に対応した湾曲形状に変形させるとともに、充填材料の原液を、前記積層方向における他方端に配置された前記単位成形体の前記第一溝又は前記第二溝に流し込んで、複数の前記単位成形体の前記第一溝及び前記第二溝に充填し、
前記一方端に配置された前記単位成形体の前記第一面又は前記第二面が前記曲面に対応した湾曲形状に変形した状態で、複数の前記単位成形体の前記第一溝及び前記第二溝に充填された前記原液を硬化させる
ことを特徴とする多孔質成形体の製造方法。
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JP2007092721A JP2008249059A (ja) | 2007-03-30 | 2007-03-30 | 多孔質成形体 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012163258A (ja) * | 2011-02-07 | 2012-08-30 | Mitsubishi Electric Corp | 貯湯式給湯装置 |
CN114001204A (zh) * | 2021-04-27 | 2022-02-01 | 北京瀚江新材料科技有限公司 | 一种高抗菌环保型医疗用消音风管及其高抗菌涂层 |
JP7499034B2 (ja) | 2020-01-30 | 2024-06-13 | 株式会社荏原製作所 | 配管用保温装置、および配管用加熱装置 |
-
2007
- 2007-03-30 JP JP2007092721A patent/JP2008249059A/ja active Pending
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