JP2008246862A - 樹脂積層フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
容易な製造方法で任意の波長帯の光を反射する樹脂積層フィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】
屈折率が異なる樹脂を交互に積層した多層膜と、
該多層膜の両側に該多層膜よりも厚みが相対的に厚い、樹脂からなる保護層を有する積層フィルムにおいて、
前記多層膜を厚み方向に順に、多層部A、多層部B、多層部Cの順に3等分し、各々多層部を構成する多層膜1層あたりの平均膜厚をa、b、cとしたとき、a,c>b、またはa,c<bが成り立つことを特徴とする積層フィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、屈折率が異なる樹脂を交互に積層した構成によって光学的特性を有する樹脂積層フィルムに関し、特に任意の波長帯の光を選択的に反射させる樹脂積層フィルムに関する。
紫外線あるいは赤外線といった特定波長の光を反射し光による影響を防ぐための樹脂フィルムや、あるいは画像表示スクリーン用の光反射樹脂フィルム、液晶表示の背面反射板、特定の光を透過又は反射によって色純度を高める樹脂フィルム等、種々の光学的特性を有する樹脂フィルムが開発され使用されている。これらの光学樹脂フィルムは一般に2種類以上の樹脂を積層し延伸等によって薄層化し製造されており、積層された樹脂の屈折率の差によって樹脂層間で生じる光干渉を利用して光学特性を提供するものである(例えば、特許文献1、2)。
このような構成の光学樹脂フィルムは積層する樹脂層が多いほど光を高反射する特性が得られるが、積層する層数が多いほど高度な製造技術を必要とする。
また、それらの多層積層する樹脂層の厚さが均一であるほど特定波長を選択的に反射する特性が得られるが、各樹脂層を所定の厚さかつ均一に延伸するには非常に高度な技術を必要とする。
一方、光学樹脂フィルムでは、例えば、紫外線防止フィルム、画像表示スクリーン等、ある程度波長域の広い反射特性を要求される用途も多く、特定波長域でかつ波長域の広い高反射特性を有する光学樹脂フィルムが望まれている。
特開平6−344487号公報 特開2004−314570号公報
本発明は上記に鑑み、容易な製造方法で任意の波長帯の光を反射する樹脂積層フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、樹脂積層フィルムを
屈折率が異なる樹脂を交互に積層した多層膜と、
該多層膜の両側に該多層膜よりも厚みが相対的に厚い、樹脂からなる保護層を有する積層フィルムにおいて、
前記多層膜を厚み方向に順に、多層部A、多層部B、多層部Cの順に3等分し、各々多層部を構成する多層膜1層あたりの平均膜厚をa、b、cとしたとき、a,c>b、またはa,c<bが成り立つ構成としたことを特徴とするものである。
また、本発明の積層フィルムの多層部A、多層部B、多層部Cの平均膜厚であるa、b、cについてa,c>b、またはa,c<bが成り立つ構成は、屈折率が異なる樹脂を交互に積層した多層膜前駆体の両側に樹脂からなる保護層を有する積層フィルム前駆体を、予備圧着する工程と、
前記積層フィルム前駆体を熱圧着可能な温度で圧着し一体化する熱圧着工程と、
機械的手段により前記積層フィルム前駆体の膜厚を減少させる薄膜化工程とを有する製造工程によって形成されることを特徴とする。
なお、ここで積層フィルム前駆体とは予備圧着する工程と熱圧着工程と薄膜化工程とによって本発明の積層フィルムとなるものであり、多層膜前駆体とは、製造後の積層フィルムにおいて多層膜部分となる樹脂積層体を言うものとする。
本発明の樹脂フィルムは多層膜の両側に保護層を設けて延伸あるいはプレス等の機械的手段により膜厚を減少させて、多層膜を構成する層間の厚さが徐々に異なるような構成としたことによって、所定の波長域での反射率を向上させ安価で光学特性に優れた樹脂積層フィルムを提供することができる。
本発明における第1の実施形態の積層フィルムの断面構成の模式図を図1に示す。
本発明の積層フィルムは屈折率の異なる樹脂が交互に多層積層された多層膜と多層膜よりも厚みが相対的に厚い保護層がその両側に設けられた構成となっている。多層膜部分の断面構成模式図を図2に示す。
多層膜を構成する交互積層膜の各1層の厚さは多層膜の両側部分では厚く、中央部分方向に向かうに従って、徐々に薄くなっている。
すなわち、多層膜を厚み方向に3等分し、それぞれ多層部A、B、Cとすると、A、Bを構成する多層膜の各1層の厚さは多層部AおよびCに挟まれた多層部Bを構成する多層膜の各1層の厚さよりも厚くなっており、それぞれの平均膜厚をa、b、cとすると、a,c>bの関係が成り立っている。
(発明を実施するための第2実施の形態)
第2の実施形態の積層フィルムも第1の実施の形態の積層フィルム同様屈折率の異なる樹脂が交互に多層積層された多層膜と多層膜よりも厚みが相対的に厚い保護層がその両側に設けられた構成となっている。第2の実施形態の積層フィルムの多層膜部分の断面構成図を図3に示す。
第2の実施形態の積層フィルムが第1の実施形態の積層フィルムと異なるところは、多層膜を構成する交互積層膜の各1層の厚さは多層膜の両側部分では薄く、中央部分方向に向かうに従って、徐々に厚くなっているところである。
すなわち、多層膜を厚み方向に3等分し、それぞれ多層部A、B、Cとすると、A、Bを構成する多層膜の各1層の厚さは多層部AおよびCに挟まれた多層部Bを構成する多層膜の各1層の厚さよりも薄くなっており、それぞれの平均膜厚をa、b、cとすると、a,c<bの関係が成り立っている。
次に本発明の積層フィルムを構成する樹脂について説明する。
(多層膜)
本発明で交互に積層された多層膜に使用する2種類の樹脂フィルムは要求される性能に応じて熱可塑性樹脂が適宜選択されるが、非晶性の樹脂及び結晶性の樹脂のいずれも使用することができる。好ましい組み合わせは、非晶性樹脂同士又は結晶性樹脂同士の組み合わせであり、屈折率の差、及び相溶性等を考慮すると非晶性樹脂の組み合わせがより好ましい。
例示すると下記のものが挙げられるが、本発明においてはこれらの樹脂に限定されるものではない。
(i)非晶性樹脂として、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、AS樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテリイミド、ポリイミド等が挙げられる。
また、非晶性であるアクリレート系樹脂として下記のものが挙げられるが、カッコ内の数値は最初の数値は屈折率を示し、最後の数字はガラス転移温度(Tg)(℃)を示す。
ポリ(t〜ブチルメタクリレート)[ 1.464, 60 ]、ポリイソプロピルメタクリレート[ 1.473, 81 ]、ポリイソブチルメタクリレート[ 1.477, 60 ]、ポリビニルブチラール[ 1.485, 49 ]、ポリメチルメタクリレート[ 1.489, 105 ]、ポリビニルアルコール[ 1.51, 85 ]、ポリシクロヘキシルメタクリレート[ 1.507, 83 ]、ポリ(2〜ヒドロキシエチルメタクリレート) [1.512, 55 ]、ポリイソプロピルメタクリレート[ 1.552, 81 ]、ポリ(p−イソプロピルスチレン)[ 1.554, 87 ]、ポリベンジルメタクリレート[ 1.568, 54 ]、ポリフェニルメタクリレート[ 1.571, 110 ]、ポリスチレン[ 1.591, 100 ]
(ii)結晶性樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。
(iii)上記した熱可塑性樹脂の中で、屈折率差、融点、ガラス転移温度、溶融粘度比等を考慮すると、種々の組合せが考えられるが、好ましい例として、ポリスチレンとポリメチルメタクリル系樹脂等が挙げられる。
また、光学特性上、多層膜は少なくとも20層以上交互積層した構成とすることが好ましい。
(保護層)
保護層は、多層膜の両外側面に配置されて、予備圧着、熱圧着及び薄膜化する際の多層膜を保護する層として機能する。保護層を設けることにより、プレス又は圧延により薄膜化する際の多層膜の層の乱れを少なくでき、薄膜化加工においてより薄くすることが可能になる。
さらには、多層膜に対する保護層の厚さを適宜選択することにより、薄膜化する際に多層膜を構成する交互積層膜1層あたりの厚さを厚み方向に徐々に変えることを可能にする。
ここで、積層フィルムの多層膜部分全体の厚さをT、保護層1層の厚さをtとすると、多層部A、B、Cについて、a,c>bの関係が成り立つフィルム、即ち、各層の膜厚が中央部分で薄くなっている第1の実施形態のフィルムを製造する場合には、2.5<t/T<7となるような厚さの保護層を使用することが好ましく、2.7<t/Tとすることがより好ましい。また、多層部A、B、Cについて、a,c<bの関係が成り立つフィルム、即ち、各層の膜厚が中央部分で薄くなっている第1の実施形態のフィルムを製造する場合には、1<t/T<2.5となるような厚さの保護層を使用することが好ましく、t/T<2.0とすることがより好ましい。
両側の保護層の厚さは多少異なっていてもよいが、それぞれの保護層の厚さ比率の両方が、2.5<t/T<7又は1<t/T<2.5のいずれか同じ範囲内に収まっている必要がある。
すなわち、両側の保護層の厚さをそれぞれt、tとしたとき、2.5<t/T<7かつ2.5<t/T<7、もしくは、1<t/T<2.5かつ1<t/T<2.5の関係が成り立っていることが好ましい。
保護層に使用する樹脂は多層膜同様に、上記に挙げた熱可塑性樹脂を適宜選択することができる。多層膜にポリスチレンとポリメチルメタクリル系樹脂を使用した場合には、保護層としては ポリスチレンを使用することが好ましい。
次に本発明の樹脂フィルムの製造方法について説明する。製造工程は、主に各樹脂フィルムを積層する積層工程と、各層間の気体を除去する予備圧着工程と、積層された樹脂フィルムを熱と圧力により一体化する熱圧着工程と、プレスや延伸等により薄膜化する薄膜化工程とからなっている。
(積層工程)
2種類の屈折率の異なる樹脂フィルムを交互に積層し、多層膜前駆体とする。2つの保護層の間に多層膜前駆体に配置されるように積層し、本発明の積層フィルム前駆体を形成する。
(予備圧着工程)
積層フィルム前駆体を各層が熱圧着しない程度の温度および圧力で、厚み方向に圧力をかけることにより、各層間の気体を除去する。
予備圧着の条件は、実用的には厚み方向に2500Pa以上でかつ薄膜化工程でのプレス又は延伸の圧力の2分の1以下で、好ましくは2500〜10000Pa、より好ましくは2500〜8000Pa、特に好ましくは3000〜6000Paである。
尚、予備圧着における積層フィルム前駆体の温度は、熱圧着が進行しない程度の温度であればよく、室温(25℃)程度で行うのが効率的である。また、予備圧着において積層フィルム前駆体の温度は、変形を防止する意味からも使用する2種類の樹脂のそれぞれのガラス転移温度Tg以下に維持するのが好ましい。
(熱圧着工程)
予備圧着された積層フィルム前駆体を熱圧着可能な温度および圧力で、厚み方向に圧力をかけ一体化する。なお、熱圧着工程では、プレス又は圧延等により一体化と、一体化された積層フィルムを薄膜化する薄膜化工程を連続的に行うようにしてもよい。
熱圧着する際の積層フィルム前駆体の温度は、多層膜を構成する2種類の熱可塑性樹脂フィルムに応じて、下記(i)〜(iii)とすることが好ましい。
(i)2種類の熱可塑性樹脂フィルムが共に非晶性樹脂である場合には前記2種類の熱可塑性樹脂の双方のガラス転移温度(Tg)よりも40〜80℃高い温度
(ii)2種類の熱可塑性樹脂フィルムの一方が非晶性樹脂で他方が結晶性樹脂である場合には前記2種類の熱可塑性樹脂のうちの低い方のガラス転移温度(Tg)よりも50℃高い温度から前記結晶性樹脂の融点(Tm)より30℃低い温度
(iii)2種類の透明な熱可塑性樹脂フィルムが結晶性樹脂の場合には前記2種類の熱可塑性樹脂の双方の融点(Tm)より30〜50℃低い温度
上記(i)〜(iii)の条件において、それぞれの温度範囲の前記下限以上の温度で加工性を維持でき、一方、前記上限以下の温度であれば熱圧着時に変形することなく、層構造を維持することができる。
(薄膜化工程)
薄膜化は、熱圧着後の積層フィルム前駆体を公知の方法等を使用してプレス(圧延)又は延伸により薄膜化する工程である。予備圧着工程および熱圧着工程をおこなった後、薄膜化することにより多層膜を構成する各層に乱れを生じにくくすることができる。
圧延(プレス)により薄膜化する場合、1度の圧延で積層フィルム(C)を1/10ないし1/90の厚みに薄膜化することが可能である。
薄膜化は、熱圧着における温度条件範囲内で行われるのが望ましく、プレス又は圧延の圧力は3〜200MPa程度が望ましい。
上記圧延又はプレスの後に更にチャッキング手段等の引張力による延伸を行うことができる。
例えば、前記(i)予備圧着、(ii)熱圧着、及び(iii)1段又は多段の圧延を複数のローラー手段を用いて行い、更に(iv) チャッキング手段等の引張力による延伸を行うことにより、前記(i)予備圧着ないし(iv)延伸を連続的に行うことができる。特に、連続して延伸薄膜化を行う工程においては多層膜の薄膜化による反射波長の変化を確認しながら延伸倍率をインラインでコントロールできるという利点がある。
また、引張力による延伸は、連続工程でなくバッチ式工程で行うこともできる。バッチ式工程での延伸は、1回でも良いし、複数回行って良く、その際の延伸方向と延伸回数の選定は必要に応じて自由に選択できる。また、バッチ式工程での延伸は、同時2軸延伸を行ってもよい。
延伸倍率として1度の延伸でそれぞれの方向に2〜4倍の範囲で行うことができる。
以下に本発明を実施例によって説明する。
尚、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(1)使用した材料
(i)ポリスチレン
PSジャパン(株)製、商品名:PSJ-ポリスチレン、屈折率:1.59、Tg:100℃
(ii)ポリメチルメタクリレート樹脂
三菱レイヨン(株)製、商品名:アクリペット、屈折率:1.49、Tg:105℃
(2)評価方法
(i)ガラス転移温度(Tg)、融点(Tm)
ガラス転移温度(Tg)(℃)は、DSC法(示差走査熱量測定法、昇温速度10℃/min)により測定した。融点(Tm)は、同様にDSC法(示差走査熱量測定法、昇温速度10℃/min)により測定した。
(ii)多層部平均膜厚
走査電子顕微鏡(SEM)による断面撮影を行い、計測した。
(iii)保護層膜厚比
走査電子顕微鏡(SEM)による断面撮影を行い.、多層膜部分全体の厚さをT、保護層1層の厚さをtとし、t/Tを求めた。
(iv)−1.光学特性(反射光の色)
目視による。
(1)積層フィルムの製造
(i)多層膜前駆体の形成
熱可塑性樹脂フィルムの材料として、ポリスチレン及びポリメチルメタクリレート樹脂を使用した。共押出機を使用して、これらの熱可塑性樹脂から各層の厚みがそれぞれ約38μmの2層フィルムを得た。得られた2層フィルムを50層又は70層になるように交互に積層した積層フィルムに、更に両外層側に厚みがそれぞれ表1に示すようなポリスチレン(熱可塑性樹脂フィルムに使用したポリスチレンと同じ樹脂)を保護層として配置して積層体を得た。
(ii)予備圧着
前記積層体にバッチ式プレス機で温度25℃、5600Paの荷重をかけて30秒間維持することにより予備圧着して、積層体の層間に残存する空気を除去した。
(iii)熱圧着
予備圧着での5600Paの荷重を維持して、電気ヒータにより両面側から積層体を予熱して積層体中心部が160℃に到達してから20分間維持し、積層体の各樹脂層の界面を熱圧着させて一体化した。
(iv)圧延
圧延ローラー(ロール径:55mm、ローラー回転速度:4mm/sec)を用い、熱風炉内で積層フィルム前駆体が160℃となる温度で、圧延した。
前記圧延により、積層フィルム前駆体の全体の厚みは1/25の厚みに薄膜化された。さらに、得られた積層フィルム前駆体をさらに、圧延を繰り返し、予備圧着後の積層フィルム前駆体の全体の厚みに対し、1/50程度となった積層フィルムを得た。
表1に実施例および得られた積層フィルムを評価した結果を示す。
Figure 2008246862
図4に実施例1により得られた積層フィルム断面のSEM写真を示す。
保護層膜厚比の高い実施例1の積層フィルムでは、多層膜を構成する各層の膜厚が、両側部分では厚く、中央部分方向に向かうに従って、徐々に薄くなっている。多層膜を厚み方向に順に、多層部A、多層部B、多層部Cの順に3等分すると、それぞれ1層あたりの平均膜厚は、160nm、96nm、261nmである。
すなわち、多層部A、B、Cとすると、それぞれの平均膜厚をa、b、cには、a,c>bの関係が成り立っている。
このような積層フィルムでは多層膜の積層数が少ない場合でも高い反射率を得られる。
図5に実施例5により得られた積層フィルム断面のSEM写真を示す。また、
保護層膜厚比の低い実施例5の積層フィルムでは、多層膜を構成する各層の膜厚が、多層膜の両側部分では薄く、中央部分方向に向かうに従って、徐々に厚くなっている。
多層膜を厚み方向に順に、多層部A、多層部B、多層部Cの順に3等分すると、それぞれ1層あたりの平均膜厚は、58nm、130nm、63nmである。
すなわち、それぞれの平均膜厚をa、b、cには、a,c<bの関係が成り立っている。
このような積層フィルムでは実施例1のようなa,c>bの関係を有する積層フィルムに比べ、比較的広い波長域で光を反射することができる。また、多層膜部分の層の乱れが発生しにくい傾向があり、製造が容易である。
表1に示した実施例1〜5のように、多層膜の両側を保護層で挟んだ構成を有する積層フィルムにおいて、圧着、圧延、延伸等の加工後の、保護層の多層膜部に対する厚さの比率を2.5<t/T<7となるように加工することによって、多層部A、B、Cのそれぞれの平均膜厚をa、b、cに、a,c>bの関係が成り立つ積層フィルムを得ることができる。
また、保護層の多層膜部に対する厚さの比率を1<t/T<2.5となるように加工することによって、多層部A、B、Cのそれぞれの平均膜厚をa、b、cに、a,c<bの関係が成り立つ積層フィルムを得ることができる。
これらの、光反射の機能を担う多層膜部分の平均膜厚が徐々に異なる積層フィルムでは、多層膜全体が均質な膜厚で構成された積層フィルムに比べ、膜厚を制御するための製造条件が緩やかなものとなり、製造工程を容易にすることができる。また、多層膜全体が均質な膜厚で構成された積層フィルムに比べ、それぞれの波長に適した膜厚を有する多層部が形成されているため、反射波長域の広い光学特性を有する積層フィルムの製造も容易となる。また、多層膜の個々の層を形成するために使用される樹脂フィルムは同一の厚さのものを使用することができ、両側の保護層の厚さに応じ加工によって、多層膜の各層の膜厚が異なる積層フィルムを提供できるため、製造コストを安価なものとすることができる。
本発明の第1の実施形態に係る積層フィルムの断面構成の模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る積層フィルムの多層膜部分の断面構成の模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る積層フィルムの多層膜部分の断面構成の模式図である。 実施例1によって得られた積層フィルム断面の多層膜近傍のSEM写真である。 実施例5によって得られた積層フィルム断面の多層膜近傍のSEM写真である。

Claims (6)

  1. 屈折率が異なる樹脂を交互に積層した多層膜と、
    該多層膜の両側に該多層膜よりも厚みが相対的に厚い、樹脂からなる保護層を有する積層フィルムにおいて、
    前記多層膜を厚み方向に順に、多層部A、多層部B、多層部Cの順に3等分し、各々多層部を構成する多層膜1層あたりの平均膜厚をa、b、cとしたとき、a,c>b、またはa,c<bが成り立つことを特徴とする積層フィルム。
  2. 前記多層膜の厚さをTとし、前記多層膜の両側に設けられた保護層の片側の厚さをtとしたとき、前記多層膜がa,c>bの関係を有するときは、2.5<t/T<7の関係を有することを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記多層膜の厚さをTとし、前記多層膜の両側に設けられた保護層の片側の厚さをtとしたとき、前記多層膜がa,c<bの関係を有するときは、1<t/T<2.5の関係を有することを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
  4. 前記多層膜は屈折率が異なる樹脂を交互に少なくとも20層積層されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の積層フィルム。
  5. 前記保護層は前記多層膜を構成する樹脂のいずれか1と同一の樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の積層フィルム。
  6. 屈折率が異なる樹脂を交互に積層した多層膜前駆体の両側に樹脂からなる保護層を有する積層フィルム前駆体を、予備圧着する工程と、
    前記積層フィルム前駆体を熱圧着可能な温度で圧着し一体化する熱圧着工程と、
    機械的手段により前記積層フィルム前駆体の膜厚を減少させる薄膜化工程とを有する請求項1〜5のいずれか1に記載の積層フィルムの製造方法。
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