JP2008246272A - アスベスト含有建材の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アスベストの飛散を確実に防止しつつ良好に処理可能なアスベスト含有建材の処理方法を提供する。
【解決手段】 ケーシング2内部にアスベスト含有建材破砕用の破砕手段3を備えると共に、前記ケーシング2内部には少なくとも破砕手段3が浸かるように助燃性の液体であるグリセリンGを貯留しておく。そして、このケーシング2内部にアスベスト含有建材Aを供給し、グリセリンG中に浸漬させながら破砕手段3にてアスベスト含有建材Aを破砕処理した後、グリセリンG中に沈降したアスベスト含有建材の破砕片A´をキルン等で加熱溶融処理することにより、破砕処理時におけるアスベストの大気中への飛散を確実に防止できると共に、溶融処理時においては破砕片A´に付着、或いは浸み込んでいるグリセリンGが助燃効果を発揮して、効率よく良好に処理することが可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スレートやケイ酸カルシウム板等のアスベストを含有した建材を処理する方法に関する。
従来より、配管等の保温材や建築物の屋根材、内装・外装等の建材として、例えば、ケイ酸カルシウムに適宜量のアスベストを混合成形して製造されるケイ酸カルシウム板や、同様にセメントにアスベストを混合成形して製造されるスレート等が知られている。これらのアスベスト含有建材は、強度や、耐熱性、断熱性、遮音性等、様々な面で優位性を発揮するため広く一般的に使用されていたが、近年アスベストが原因とされる健康被害が社会問題化しており、その製造や使用等が規制されつつある。
このようなアスベスト含有建材を使用した建築物が今後老朽化を迎えるにつれて、改修工事や解体工事等が増えてくると予想されるが、それら工事に伴い大量のアスベスト含有建材の廃材が発生する。これら廃材であるアスベスト含有建材の一般的な処理方法としては、例えば埋め立て処分があるが、今後増え続ける廃材量に対して埋め立て処分場が不足することは明らかである。これに対して、アスベスト含有建材をキルン等で高温で加熱して溶融処理するといった方法があり、この処理方法によれば有害なアスベストを完全に無害化できるため、埋め立て処分以外にも路盤材や骨材等として再生利用することが可能となる上、特に処理に十分な配慮を要する飛散性のアスベスト廃棄物に区分されるケイ酸カルシウム板等に対してより好ましい処理方法と考えられる。
ところで、本発明者らは、これら廃材であるアスベスト含有建材を防塵用の液中において破砕して減容処理する方法及び装置を提案している(特許文献1)。この発明によれば、スレート等のアスベスト含有建材を防塵用の液体である、例えば水中に浸漬させた状態で破砕するようにしているので、破砕する際にアスベストが周囲に飛散するおそれが無く、安全に減容処理することを可能としている。そして、例えば、ケイ酸カルシウム板やスレート等のアスベスト含有建材をこの装置にて細かく破砕処理した後、前記のようにキルン等に投入して加熱溶融処理するようにすれば、アスベストの飛散のおそれもなく、より一層良好に処理できると考えられる。
特願2006−172271号
しかしながら、上記特許文献1記載の発明のように、アスベスト含有建材を水中に浸漬させた状態で破砕処理を行うと、アスベストの飛散は確実に防ぐことができる反面、破砕片内部にまで多量の水分が浸み込んでしまうため、その後の溶融処理における加熱効率は大幅に低下して燃費が嵩んでしまうだけでなく、処理に要する時間も長く掛かってしまうことが予想される。
本発明は上記の点に鑑み、アスベストの飛散を確実に防止しつつ良好に処理可能なアスベスト含有建材の処理方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、例えば、最近注目を集めつつあるリサイクル燃料の一つに、廃食油をメチルエステル化させることにより軽油の代替燃料とされるBDF(バイオディーゼル燃料)を製造する方法があるが、その製造過程において副産物として多量に生じるグリセリンに着目し、この非常に安価にかつ手軽に手に入り易いグリセリン、或いはその水溶液をアスベスト含有建材を浸漬させる水に代えて用いるようにすれば良好に処理できるようになるのではないかと考えた。つまり、グリセリンが有している、可燃性、保湿性、水溶性等の性質を上手く利用することにより、アスベスト含有建材を破砕処理する際にはアスベストの飛散を確実に防止しつつ、次工程で破砕片を加熱して溶融処理する際には、破砕片に多量に付着、或いは浸み込んだグリセリンが助燃効果を発揮し、その結果、アスベスト含有建材を効率よく良好に加熱溶融処理することができると考えたのである。
即ち、上記課題を解決するために、本発明に係る請求項1記載のアスベスト含有建材の処理方法では、ケーシング内部にアスベスト含有建材破砕用の破砕手段を備えると共に、前記ケーシング内部には少なくとも破砕手段が浸かるように助燃性の液体または所定濃度に調整した助燃性の液体の水溶液を貯留しておき、このケーシング内部にアスベスト含有建材を供給して前記液中に浸漬させながら破砕手段にてアスベスト含有建材を破砕した後、液中に沈降したアスベスト含有建材の破砕片を回収するようにしたことを特徴としている。
また、請求項2記載のアスベスト含有建材の処理方法では、前記回収したアスベスト含有建材の破砕片を所定温度にて加熱して溶融処理することを特徴としている。
また、請求項3記載のアスベスト含有建材の処理方法では、前記助燃性の液体は、アルコール系化合物であることを特徴としている。
また、請求項4記載のアスベスト含有建材の処理方法では、前記助燃性の液体は、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールから選択される1種または2種以上の混合物であることを特徴としている。
本発明に係る請求項1記載のアスベスト含有建材の処理方法によれば、ケーシング内部にアスベスト含有建材破砕用の破砕手段を備えると共に、前記ケーシング内部には少なくとも破砕手段が浸かるように助燃性の液体または所定濃度に調整した助燃性の液体の水溶液を貯留しておき、このケーシング内部にアスベスト含有建材を供給して前記液中に浸漬させながら破砕手段にてアスベスト含有建材を破砕した後、液中に沈降したアスベスト含有建材の破砕片を回収するようにしたので、アスベスト含有建材からアスベストが飛散するのを確実に防止しながら破砕可能として良好に処理することができる。
また、本発明に係る請求項2記載のアスベスト含有建材の処理方法によれば、前記回収したアスベスト含有建材の破砕片を所定温度にて加熱して溶融処理するので、前工程で破砕したアスベスト含有建材の破砕片に多量に付着、或いは浸み込んでいる助燃性の液体により、燃焼が促進されて効率よく加熱溶融することが可能となって良好に処理することができる。
また、本発明に係る請求項3記載のアスベスト含有建材の処理方法によれば、前記助燃性の液体は、アルコール系化合物であるので、アルコール系化合物が有している、可燃性、保湿性、水溶性等の性質を利用して、破砕処理時においてはアスベストの飛散を確実に防止しつつ、溶融処理時においては燃焼を促進して効率よく加熱溶融することができる。
また、本発明に係る請求項4記載のアスベスト含有建材の処理方法によれば、前記助燃性の液体は、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールから選択される1種または2種以上の混合物であるので、これら液体が有している、可燃性、保湿性、水溶性等の性質を利用して、破砕処理時においてはアスベストの飛散を確実に防止しつつ、溶融処理時においては燃焼を促進して効率よく加熱溶融することができる。
本発明のアスベスト含有建材の処理方法にあっては、略密閉構造のケーシングを備え、該ケーシング内部にはアスベスト含有建材であるケイ酸カルシウム板やスレート等を細かく破砕処理する、例えば破砕ローラ等の破砕手段を備えている。また、前記ケーシング内部には、少なくとも破砕手段全体が完全に浸かるように、助燃性を有する液体である、例えば、アルコール系化合物のグリセリンや、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等を単独で、或いはこれら2種以上の混合物を貯留させている。なお、前記助燃性の液体は、原液の状態で貯留させるようにしてもよいが、原液の状態では取り扱いにくいようであれば水に溶かして適宜濃度の水溶液として使用するようにしてもよい。また、破砕手段にて破砕処理したアスベスト含有建材の破砕片を所定温度、例えば1000〜1500℃程度の高温で加熱してアスベストを溶融処理する、例えばキルン等の溶融手段を最終処分場やリサイクル工場に設置している。
そして、アスベスト含有建材である、例えばケイ酸カルシウム板やスレートを処理するときには、先ず、ケーシング内に備えた破砕手段である破砕ローラを駆動させながら、解体現場より回収したアスベスト含有建材をケーシング内に供給し、破砕ローラにて細かく破砕処理する。このとき、破砕ローラはその全体をグリセリン等の助燃性の液体、或いはその水溶液中に浸けた状態としているため、破砕処理時における衝撃等によってアスベスト含有建材からアスベストが大気中に飛散してしまうようなおそれはない。
前記破砕ローラにて細かく破砕し終えたアスベスト含有建材の破砕片は、ケーシング底部のグリセリン液中へと沈降していくと、ケーシング底部位置に備えたスクリューコンベヤ等によって順次送り出されてグリセリンごとフレコンバック等に封入され、その状態にて最終処分場やリサイクル工場まで運搬される。このとき、グリセリン等のアルコール系化合物は高い保湿性を有しているため、運搬途中で乾燥してアスベストを飛散させるといったおそれもなく、例え最終処分場やリサイクル工場が遠隔地であっても安全に運搬することができる。そして、最終処分場やリサイクル工場に設置したキルン内にフレコンバックに封入したアスベスト含有建材の破砕片を投入し、高温で加熱溶融処理してアスベストを完全に無害化させる。このとき、アスベスト含有建材の破砕片の表面や内部には、助燃性を有するグリセリンが多量に付着、或いは浸み込んでいるため、燃焼が促進され、効率よく短時間にて加熱溶融処理することができる。
このように、グリセリン等の助燃性の液体中でケイ酸カルシウム板やスレート等のアスベスト含有建材を破砕処理するため、破砕時におけるアスベストの大気中への飛散を確実に防止することができると共に、加熱溶融処理時にはアスベスト含有建材の破砕片に付着、或いは浸み込んでいる多量のグリセリンが助燃効果を発揮するため、燃焼効率が大幅に向上して短時間で良好に処理することが可能となる。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図中の1はケイ酸カルシウム板やスレート等のアスベスト含有建材を適当なサイズに破砕処理する破砕装置であって、略密閉構造のケーシング2を備え、該ケーシング2の内部にはアスベスト含有建材Aを破砕処理する破砕手段3を備えると共に、該破砕手段3にて破砕処理を終えたアスベスト含有建材の破砕片A´をケーシング2外部へ送り出す送出手段4とを備えている。
破砕手段3は、ケーシング2内壁に両端を回転自在に軸支させたローラ体5の周囲に多数の破砕歯6を周設した複数の破砕ローラ7を所定間隔を設けて配設していると共に、各破砕ローラ7をそれぞれ図中の矢印方向へ所定の回転速度にて回転させる駆動装置(図示せず)を備えている。
前記破砕ローラ7の間隔は、破砕処理するアスベスト含有建材Aのサイズよりも若干狭く設定しておけば破砕処理が好適に行え、例えば特定の破砕ローラ7を残りの破砕ローラ7に対して進退自在に調整可能にしておけば、サイズや形状等の異なるケイ酸カルシウム板やスレート等、多種多様なアスベスト含有建材Aにも柔軟に対応することが可能となって好ましい。また、本実施例においては、破砕ローラ7を三基配設しているが、一対、或いは四基以上配設するようにしてもよい。
また、破砕ローラ7周囲の破砕歯6は、その数、及び形状等において様々なものを採用することができ、例えば本実施例においては、略鋸歯形状のものを採用している。そして、各破砕ローラ7間にアスベスト含有建材Aを供給したときには、各破砕ローラ7の破砕歯6がアスベスト含有建材Aの内部へ噛み込むようにして押し潰していき、アスベスト含有建材Aを確実に破砕可能としている。
前記ケーシング2の内部には助燃性の液体である、例えば、アルコール系化合物のグリセリンGを貯留させており、図1に示すように、少なくとも破砕手段3である破砕ローラ7全体が完全に浸かる程度の液量を貯留させている。したがって、アスベスト含有建材Aの破砕処理は完全にグリセリンGの液中において行われることになり、その結果、破砕処理時にアスベストが大気中に飛散するようなおそれはなく、確実にグリセリンGの液中に捕捉されて回収される。
なお、助燃性の液体として、本実施例においては、先に詳述したように、BDF製造過程において副産物として多量に生じ、非常に安価にかつ手軽に手に入り易いグリセリンを採用したが、特にこれに限定するものではなく、例えば、グリセリンと同様に、可燃性、保湿性、水溶性等の性質を有するアルコール系化合物のエチレングリコールや、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等を単独で、或いはグリセリンを含めたこれらアルコール系化合物を2種以上混合したものを貯留させるようにしてもよい。
また、グリセリン等の原液は粘性が比較的高いため、原液の状態のままではアスベスト含有建材A内部まで容易に浸透せず、その結果、ケイ酸カルシウム板のように比重が小さい建材の破砕片ではケーシング2内の液中に沈降しにくい等、取り扱いが困難な場合もあるが、水溶性という性質を利用して適宜量の水に溶かして所定濃度の水溶液として使用するようにすれば、アスベスト含有建材A内部まで容易に浸透するようになって取り扱い易くすることができる。このとき、水の量は多いほどより取り扱い易くなるが、次工程の溶融処理において助燃効果が極力発揮されるように出来るだけ水の量を抑える方が好ましく、処理対象であるアスベスト含有建材の材種や性状等に応じて適宜決定するようにするとよい。
ケーシング2の上面部には、アスベスト含有建材Aをケーシング2内部に供給するための供給口8を備えていると共に、該供給口8を手動または自動にて開閉させる開閉蓋9を備え、アスベスト含有建材Aをケーシング2内に供給するとき以外は常に閉鎖させるようにしている。
また、前記送出手段4は、本実施例においてはスクリューコンベヤ10を採用しており、基端部側の投入口11をケーシング2底部に接続していると共に、先端部側の排出口12を少なくともケーシング2内部に貯留したグリセリンGの液位よりも高位置となるように傾斜配置し、図1に示すように、スクリューコンベヤ10内部にもケーシング2内部と同じ高さまでグリセリンGが貯留された状態となっている。そして、破砕ローラ7にて破砕処理したアスベスト含有建材の破砕片A´をスクリュー羽根13にて送り出していく際に、破砕片A´に付着する過剰量のグリセリンGをスクリュー羽根13の周縁部より切っていき、比較的取り扱い易い状態にしてからフレコンバックFに投入させるようにしている。なお、スクリューコンベヤ10では送り出し作用と併せて、二次破砕装置としての役割も期待できる。
また、ケーシング2の上位にはケーシング2内を負圧状態に保つ負圧手段である集塵機14を配設しており、該集塵機14としてはアスベスト等の微細な粒子をも確実に捕捉可能な高性能のものを採用している。そして、集塵機14は、アスベスト含有建材Aを破砕処理するときは常に駆動させ、ケーシング2内部を常に負圧状態に保ち、アスベスト含有建材A破砕処理時に万が一にもアスベストがケーシング2外部へと放出されてしまうことのないようにしている。
なお、前記ケーシング2内部に、貯留しているものと同じ助燃性の液体や、その水溶液を噴霧させるようにしてもよく、その場合、常時或いは適宜噴霧させることにより、前記集塵機14と併せて、より確実にアスベストが飛散するのを防止することができる。また、その場合、スクリューコンベヤ10にてアスベスト含有建材の破砕片A´と共に持ち去られる助燃性の液体の液量を見計らって、或いは液量センサ等で計測しながら、常にケーシング2内部の助燃性の液体の液位が略一定に保たれるように、助燃性の液体を噴霧させるようにすると好ましい。更には、スクリューコンベヤ10内部にも同様に助燃性の液体や、その水溶液を常時或いは適宜噴霧させるようにしてもよい。
また、図面には示していないが、破砕装置1にて破砕処理したアスベスト含有建材の破砕片A´を所定温度、例えば1000〜1500℃程度の高温で加熱してアスベストを溶融処理する、例えばキルン等の溶融装置を最終処分場やリサイクル工場等に別途設置している。
そして、上記構成の装置を使用してケイ酸カルシウム板やスレート等のアスベスト含有建材を処理するときには、予めケーシング2内部に助燃性の液体である、例えばアルコール系化合物のグリセリンGを破砕ローラ7が完全に浸かる程度まで貯留させておく。そして、集塵機14を駆動させてケーシング2内部を負圧状態に保ちつつ、破砕ローラ7、及びスクリューコンベヤ10を回転駆動させる。そして、作業者が回収したアスベスト含有建材Aを供給口8よりケーシング2内部へ供給すると、アスベスト含有建材Aは各破砕ローラ7の破砕歯6によって噛み砕かれて細かく破砕されていく。
このとき、破砕ローラ7は助燃性の液体であるグリセリンGに完全に浸かった状態にあるため、アスベスト含有建材AはグリセリンGに浸漬した状態にて破砕処理を受けることになり、アスベスト含有建材Aの破砕時にアスベストが大気中へと飛散してしまうようなおそれはない。また、万が一、アスベストがケーシング2内の空気中に舞い上がってしまうようなことが生じたとしても、ケーシング2内は集塵機14によって負圧状態に保たれているので集塵機14にて確実に捕捉されて外部に漏出することはない。
一方、破砕ローラ7にて破砕し終えたアスベスト含有建材の破砕片A´は、ケーシング2底部のグリセリンGの液中へと沈降していき、やがてスクリューコンベヤ10の投入口11に到達すると、スクリュー羽根13の回転に伴って先端側の排出口12へと順次送り出される。このスクリューコンベヤ10の先端側はグリセリンGの液面よりも高位置となるように傾斜配置されているため、アスベスト含有建材の破砕片A´に帯同する過剰量のグリセリンGを適度に切ることができる。
こうして、グリセリンGと共にスクリューコンベヤ10より送り出されるアスベスト含有建材の破砕片A´は、排出口12の下位に用意しておいたフレコンバックF等に封入される。このとき、グリセリン等のアルコール系化合物は高い保湿性を有しているため、途中で乾燥してアスベストを飛散させるといったおそれもなく、フレコンバックFごと遠隔地の最終処分場やリサイクル工場まで安全に運搬することができる。
そして、前記最終処分場やリサイクル工場等に設置したキルン内にフレコンバックFに封入したアスベスト含有建材の破砕片A´を投入し、1000〜1500℃程度の高温で加熱して溶融処理を行い、建材中のアスベストを完全に無害化させる。このとき、アスベスト含有建材の破砕片A´の表面や内部には、助燃性を有するアルコール系化合物のグリセリンGが多量に付着、或いは浸み込んでいるため、キルン内での燃焼が大幅に促進され、極めて効率よく短時間にて加熱溶融処理することができる。また、比重の小さいケイ酸カルシウム板を処理するような場合には、例えば、グリセリンを適宜量の水に溶かしたグリセリン水溶液を用いる方が内部まで浸透し易くなり、その結果、容易に沈降するようになるため取り扱い性は向上する。このとき、グリセリン原液と比較して若干助燃効果が低下することは避けられないが、水溶液の濃度を適宜調整することにより一定の助燃効果は十分に期待することができる。
このように、助燃性の液体中でケイ酸カルシウム板やスレート等のアスベスト含有建材を破砕処理するようにしたので、アスベストの大気中への飛散を確実に防止できると共に、破砕片を加熱溶融処理する際には、破砕片の表面や内部に付着、或いは浸み込んでいる多量の助燃性の液体が助燃効果を発揮するため、燃焼効率が大幅に向上して短時間で良好に処理することが可能となる。
なお、前記助燃性の液体には、本実施例で採用しているグリセリン以外にも様々なものが考えられるが、少なくとも可燃性、保湿性、水溶性等の性質を有しているアルコール系化合物を採用するようにすれば、上記各処理に対しては勿論のこと、水に溶かして水溶液とすることで取り扱い性を向上させたり、運搬時等の乾燥も防止できて好ましく、特に、BDF製造過程において副産物として多量に生じるグリセリンは非常に安価にかつ手軽に手に入り易いため、極めて低コストにて処理することが可能となってより一層好適である。
また、本実施例においては、アスベスト含有建材として、図1に示すように、アスベストを含有したケイ酸カルシウム製の保温材等を解体処理した場合に多く見られる不定形の塊状のものを処理対象とした装置にて説明しているが、例えば、スレート等の板状のもの等も当然処理対象とすることができ、その場合には、それら板状のものも良好に投入、破砕処理等が可能となるように適宜設計変更するとよい。
また、本実施例においては、助燃性の液体中で破砕処理したアスベスト含有建材の破砕片をフレコンバックに一旦封入し、そのフレコンバックを遠隔地の最終処分場やリサイクル工場等まで運搬し、これら最終処分場やリサイクル工場等に設置しているキルン等にフレコンバック内のアスベスト含有建材の破砕片を投入して加熱溶融処理するようにしているが、例えば、破砕装置1とキルンとを並設し、破砕装置1のケーシング2に備えたスクリューコンベヤ5の排出口15をキルンの投入口に直結させ、助燃性の液体が付着、或いは浸み込んだ状態のアスベスト含有建材の破砕片をキルンに直接投入して加熱溶融処理するようにしてもよい。
本発明に係るアスベスト含有建材の処理方法の一実施例を示す説明図である。
符号の説明
1…破砕装置 2…ケーシング
3…破砕手段 4…送出手段
A…アスベスト含有建材 A´…アスベスト含有建材の破砕片
G…グリセリン(助燃性の液体) F…フレコンバック

Claims (4)

  1. ケーシング内部にアスベスト含有建材破砕用の破砕手段を備えると共に、前記ケーシング内部には少なくとも破砕手段が浸かるように助燃性の液体または所定濃度に調整した助燃性の液体の水溶液を貯留しておき、このケーシング内部にアスベスト含有建材を供給して前記液中に浸漬させながら破砕手段にてアスベスト含有建材を破砕した後、液中に沈降したアスベスト含有建材の破砕片を回収するようにしたことを特徴とするアスベスト含有建材の処理方法。
  2. 前記回収したアスベスト含有建材の破砕片を所定温度にて加熱して溶融処理することを特徴とする請求項1記載のアスベスト含有建材の処理方法。
  3. 前記助燃性の液体は、アルコール系化合物であることを特徴とする請求項1または2記載のアスベスト含有建材の処理方法。
  4. 前記助燃性の液体は、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールから選択される1種または2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1または2記載のアスベスト含有建材の処理方法。
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