JP2008246046A - 生体圧迫装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コアと外カバー及び/又は内カバーとの擦れによるノイズ発生を効果的に抑え、脈波を精度よく測定することにより、動作の信頼性及び血圧の測定精度を向上させることができ、さらに、装着性を向上させることができる生体圧迫装置の提供を目的とする。
【解決手段】生体圧迫装置1は、外カバー22と内カバー21とで形成される帯状袋内に、空気袋3と、この空気袋3の外側に配置されているコア2とが収納され、コア2の一端部がコア2の他端部を内側に巻き込んだ環状状態で血圧測定を行う生体圧迫装置であり、コア2と、外カバー22及び内カバー21とが糸4によって縫合された構成としてある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、生体圧迫装置に関し、特に、自動血圧計に使用され、コアと外カバー及び/又は内カバーとの擦れによるノイズ発生を効果的に抑え、脈波を精度よく測定することにより、動作の信頼性及び血圧の測定精度を向上させることができる生体圧迫装置に関する。
近年、血圧計は、病院等に限らず、健康管理を目的として、一般家庭にも広く普及してきた。これら一般家庭用の血圧計は、通常、操作が簡単な自動血圧計である。
自動血圧計は、様々な測定方式や構成のものが開発されているが、その一つに、オシロメトリック式電子血圧計がある。このオシロメトリック式電子血圧計は、カフ圧上に重畳した脈波を検出し、この脈波の振幅変化にもとづいて血圧を算出する。
上記オシロメトリック式電子血圧計100は、図3に示すように、空気袋111及びコア112を有するカフ110と、配管116を介して空気袋111と連通した、圧力センサ113、ポンプ114及び排気弁115と、圧力センサ113、ポンプ114及び排気弁115と接続された情報処理装置120と、情報処理装置120と接続された操作スイッチ121及び表示器122とからなっている。
カフ110は、血圧測定の際、コア112の一端部が他端部を内側に巻き込んだ環状状態で、上腕に取り付けられる。また、情報処理装置120は、圧力センサ113からフィルタやA/D変換器(図示せず)を介して圧力信号を入力し、ポンプ114及び排気弁115を制御する。
また、図示してないが、通常、空気袋111及びコア112は、外カバーと内カバーとで形成される帯状袋内に収納されている。
また、オシロメトリック式電子血圧計100は、図4に示すように、まず、カフ圧力が、加圧適正値まで加圧され、その後徐々に減圧される過程で、収縮期血圧(最高血圧)及び拡張期血圧(最低血圧)を測定する。この際、オシロメトリック法では、収縮期血圧に対応するS点、脈波振幅の極大点(P点)及び拡張期血圧に対応するD点を含む脈波振幅の変化パターン(脈波包絡線)の全体が必要となる。すなわち、オシロメトリック式電子血圧計100は、空気袋111内の脈波(微小な圧力変動)を圧力センサ113によって検出することにより、情報処理装置120が、血圧を算出している。
また、オシロメトリック式電子血圧計100は、測定動作に入るまでに予めS点以上の加圧を行っておく必要がある。仮に、S点以上の加圧(加圧適正値までの加圧)が達成されていないと、血圧測定動作中に、P点検出時点でS点不在となり、収縮期血圧(最高血圧)を算出できず測定失敗となる。
このため、オシロメトリック式電子血圧計100は、後述するカフ圧の自動設定方法の技術などが用いられている。この技術は、加圧中の空気袋111内の脈波(微小な圧力変動)を圧力センサ113によって検出することにより、情報処理装置120が、加圧適正値を算出している。
(従来例)
また、自動血圧計に関して、様々な技術が開発されてきた。
例えば、特許文献1には、駆血用袋と脈波検出用袋との間に設けられた振動遮蔽板とを備え、振動遮蔽板と脈波検出用袋との間に、振動遮蔽板と脈波検出用袋との接触を防止する滑り布を設けた血圧測定用二重カフの技術が開示されている。
また、この文献には、脈波検出用袋、滑り布および振動遮蔽板を、脈波検出用袋の長手方向両端において、互いに縫い合わせて一体化する技術が記載されている。
また、特許文献2には、外側片(外カバー)と内側片(内カバー)で形成される帯状袋内に、流体の出入により膨張・収縮する流体袋(空気袋)と、この流体袋の外側に固定され、流体袋の外側への膨らみを抑えると共に所定の湾曲形状を弾性的に保持する可撓性のクリップ板(コア)とを備え、流体袋の端部に流体を入れないダミー部分を設け、このダミー部分と外側片及び内側片とを、例えば共縫いにより一体に固定した生体圧迫装置の技術が開示されている。
また、この文献には、クリップ板と流体袋を2枚の両面テープで貼り合わせる技術が記載されている。
さらに、特許文献3には、カフの加圧課程で圧力センサにより脈波信号を検出し、この脈波信号から最大振幅の脈波を検出し、このときのカフ圧力に所定の値を加えた圧力を加圧適正値とし、この加圧適正値までカフを加圧するようにした、カフ圧の自動設定方法の技術が開示されている。
特開2004−321251号公報 特開2001−224560号公報 特開平1−256930号公報
しかしながら、特許文献1に記載された血圧測定用二重カフの技術は、駆血用袋、脈波検出用袋及び振動遮蔽板を備える必要があり、部品点数が増加することにより、製造原価のコストダウンを図ることができないといった問題があった。
また、特許文献2に記載された技術では、コアと外カバー及び/又は内カバーとの擦れによるノイズ発生を効果的に抑えることができず、脈波を精度よく測定することができないといった問題があった。
また、上記オシロメトリック式電子血圧計100は、加圧中の空気袋111内の脈波を圧力センサ113によって検出することにより、情報処理装置120が、加圧適正値を算出し、また、減圧中の空気袋111内の脈波を圧力センサ113によって検出することにより、情報処理装置120が、血圧を算出している。すなわち、加圧中及び減圧中の圧力信号から被験者の微小な脈波信号を精度よく検出できることが前提条件となっている。また、コア112の一端部が他端部を内側に巻き込んだ環状状態で腕に巻き付けられたカフ110は、加圧中や減圧中に、コア112と外カバー及び/又は内カバーとが擦れる場合がある。この擦れは、通常、微小距離の擦れであるが、この擦れによるノイズを脈波信号として誤って検出すると、カフ圧力を自動的に設定することができなくなる、あるいは、誤ったカフ圧力に設定してしまうといった問題や、血圧を精度よく算出することができなくなるといった問題があった。
さらに、カフ110を装着する際に、カフ110を広げたとしてもコア112の端部が外カバー22に追従せずに内カバー21側へ突出してしまい、上腕へ巻き付けにくくなるといった問題があった。
また、カフ110は、図5(a)に示すように、正常に腕に巻き付けられるときは、一端部側の外カバー22、コア112及び内カバー21と、他端部側の外カバー22、コア112及び内カバー21が、それぞれ所定の状態を維持したまま移動することによって、スムースに腕に巻き付けられていた。ところが、外カバー22及び/又は内カバー21とコア112とは相対的に移動可能となっていた。このため、図5(b)に示すように、カフ110を締め付ける際、縫合された外カバー22と内カバー21の一端部側の先端が、内側に巻き込まれてしまう場合があった。かかる場合、装着感が悪くなったり、外カバー22が引き伸ばされることにより、外カバー22の美観が損なわれたりするといった問題があった。また、図示してないが、他端部側の先端も外側に捲れ上がったり、あるいは、内側に巻き込まれてしまうといった問題があった。
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、自動血圧計に使用され、コアと外カバー及び/又は内カバーとの擦れによるノイズ発生を効果的に抑え、脈波を精度よく測定することにより、動作の信頼性及び血圧の測定精度を向上させることができ、さらに、装着性を向上させることができる生体圧迫装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の生体圧迫装置は、外カバーと内カバーとで形成される帯状袋内に、空気袋と、この空気袋の外側に配置されているコアとが収納された生体圧迫装置において、前記コアと、前記外カバー及び/又は前記内カバーの少なくとも一部とが固着された構成としてある。
このようにすると、コアと外カバー及び/又は内カバーとの間で、相対的な移動が少なくなるので、擦れによるノイズ発生を効果的に抑えることができる。したがって、脈波を精度よく測定することができるので、動作の信頼性及び血圧の測定精度を向上させることができる。
また、コアと外カバー及び/又は内カバーとが固着されているので、生体圧迫装置を装着する際に、生体圧迫装置を広げるとコアも一緒に広がるので、上腕への巻き付けを容易に行うことができる。さらに、一端部側先端及び/又は他端部側先端の外カバーと内カバーとの固着部分(例えば、縫合部分)が、オーバーラップしている部分の内側に巻き込まれないので、良好な装着感や美観が得られる。
また、好ましくは、前記コアの長手方向両端の少なくとも一方の端部付近において、前記コアと、前記外カバー及び/又は前記内カバーとが固着されるとよい。
このようにすると、擦れが発生する可能性の高い場所において、擦れによるノイズ発生を効果的に抑えることができる。また、一端部側先端及び/又は他端部側先端の外カバーと内カバーとの固着部分(例えば、縫合部分)の巻き込みを、効果的に防止することができる。
また、好ましくは、前記空気袋と前記コアとの少なくとも一部が固着されているとよい。
このようにすると、空気袋がずれるといった不具合を防止することができる。
また、好ましくは、前記空気袋の長手方向両端において、前記空気袋と前記コアとが固着されているとよい。
このようにすると、空気袋がずれるといった不具合を、確実かつ容易に防止することができる。
また、好ましくは、前記固着が、縫製、溶着又は接着であるとよい。
このようにすると、確実かつ容易に固着することができる。
本発明の生体圧迫装置によれば、コアと外カバー及び/又は内カバーとの擦れによるノイズ発生を効果的に抑え、脈波を精度よく測定することにより、動作の信頼性及び血圧の測定精度を向上させることができる。また、コアと外カバー及び/又は内カバーとが固着されているので、生体圧迫装置を装着する際に、生体圧迫装置を広げるとコアも一緒に広がるので、上腕への巻き付けを容易に行うことができる。さらに、一端部側先端及び/又は他端部側先端の外カバーと内カバーとの固着部分(例えば、縫合部分)が、オーバーラップしている部分の内側に巻き込まれないので、良好な装着感や美観が得られる。
[生体圧迫装置の一実施形態]
以下、本発明の生体圧迫装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る生体圧迫装置の概略斜視図を示している。
また、図2は、本発明の一実施形態に係る生体圧迫装置の、要部の概略展開図を示している。
図1、2において、生体圧迫装置1は、自動血圧計用腕帯(カフ)として用いられており、内カバー21、外カバー22、コア2、空気袋3、糸4及び締付手段5を備えている。この生体圧迫装置1は、内カバー21と外カバー22とで形成される帯状袋内に、空気袋3とこの空気袋3の外側に配置されているコア2とが収納され、さらに、生体圧迫装置1の一端部が生体圧迫装置1の他端部を内側に巻き込んだ環状状態で自動血圧測定を行う。
なお、自動血圧測定を行う構成は、上記オシロメトリック式電子血圧計100とほぼ同様としてある。
空気袋3は、矩形状としてあり、コア2の長手方向に沿って、コア2の内側に両面テープ32で貼り付けられている。本実施形態では、コア2と空気袋3の長手方向両端とが、二枚の両面テープ32によって貼り付けられている。このように両面テープ32を用いると、空気袋3を容易に固着することができるので、製造原価のコストダウンが図られる。また、空気袋3がずれるといった不具合を、確実かつ容易に防止することができる。
なお、固着手段は、上記構成に限定されるものではなく、たとえば、空気袋3の長手方向両端の外周部に縫製しろを設け、空気袋3とコア2に設けた縫製しろとを縫合することによって、空気袋3とコア2とを固定してもよい。また、溶着や接着により固着してもよい。このようにしても、確実かつ容易に固着することができる。
また、空気袋3は、外側の面に上記配管116(図3参照)と連結するためのジョイント31が突出してある。このジョイント31は、コア2及び外カバー22を貫通して外側に露出している。
さらに、空気袋3は、通常、コア2より長手寸法が短い形状であり、コア2の他端部の先端付近寄りに設けられている。すなわち、コア2の他端部がコア2の一端部の内側に巻き込まれ、この他端部の内側には空気袋3が貼り付けられている。したがって、仮にコア2の一端部の先端付近寄りに空気袋3を設けた場合と比べると、空気袋3を有効に利用することができ、また、ほぼ均一に腕を圧迫する(他端部側のコア2を介して、腕を圧迫するといった不具合を回避する。)。
コア2は、樹脂製のほぼ矩形状のシートであり、上述したように空気袋3が内側に設けられている。空気袋3の貼り付けられたコア2は、内面を覆うほぼ矩形状の内カバー21と外面を覆う矩形状の外カバー22によって挟まれるように、内カバー21及び外カバー22に収納されている。内カバー21及び外カバー22は、通常、樹脂製の布が用いられ、コア2及び空気袋3を挟んだ状態で、締付け用ベルト51が突き出る開口部24を除く周縁部が、糸23によって縫合されている。
生体圧迫装置1は、コア2の一端部の先端付近において、コア2と外カバー22及び内カバー21とが、糸4によって縫合されている。すなわち、コア2は、腕方向に沿って、かつ、締付け用ベルト51を避けるようにして、糸4によって外カバー22及び内カバー21と共縫いされている。これにより、コア2と外カバー22及び内カバー21との間で、相対的な移動が少なくなるので、空気袋3内を加圧したり減圧する際、コア2と外カバー22やコア2と内カバー21の擦れによるノイズ発生を効果的に抑えることができる。
また、本実施形態では、上述したように、コア2の一端部の先端付近において縫合しているので、擦れが発生する可能性の高い場所において、擦れによるノイズ発生を効果的に抑えることができる。
さらに、コア2と外カバー22及び内カバー21とが固着されているので、生体圧迫装置1を装着する際に、生体圧迫装置1を広げるとコア2も一緒に広がるので、上腕への巻き付けを容易に行うことができる。さらに、一端部側先端の外カバー22と内カバー21との縫合部分が、オーバーラップしている部分の内側に巻き込まれないので、良好な装着感や美観が得られる。
なお、縫合する場所は、上記場所に限定されるものではなく、たとえば、コア2の他端部の先端付近でもよく、また、コア2の一端部の先端付近及び他端部の先端部付近の両方において縫合してもよい。また、本実施形態では、コア2、内カバー21及び外カバー22を共縫いしているが、これに限定されるものではなく、たとえば、内カバー21や外カバー22の材質などに応じて、コア2と内カバー21だけを縫合したり、又は、コア2と外カバー22だけを縫合してもよい。
また、コア2と外カバー22及び/又は内カバー21との固着手段は、上記縫合に限定されるものではなく、たとえば、溶着や接着によって固着してもよい。このようにしても、確実かつ容易に固着することができる。
締付手段5は、内カバー21及び外カバー22に収納されたコア2及び空気袋3を腕などに締め付け、その締め付け状態を保持する手段であり、締付け用ベルト51、撮み52、基台53及び開放レバー54などを備えている。
基台53は、接着や溶着などによりコア2のほぼ中央部に取り付けられている。
締付け用ベルト51は、ほぼ環状状態のコア2の外周を少なくとも一回りする構造としてあり、一端が基台53に連結され、コア2と外カバー22に挟まれた状態でコア2の一端部側まで収められている。また、上記開口部24から外側に露出した締付け用ベルト51の他端では、撮み52と連結されたピニオン(図示せず)にラック55が係合している。すなわち、締付け用ベルト51の一部が、コア2と外カバー22との間に挟まれ、さらに、締付け用ベルト51の他部が、コア2の一端部の先端から外に出ている。これにより、締付け用ベルト51の一部が、コア2の一部(ほぼ中央部から一端部までの間の部分)を大きく開いた状態に保持するので、腕を容易に挿入することができる。
上記構成の締付手段5は、撮み52が時計回り方向に回されると、締付け用ベルト51が、コア2及び空気袋3が縮径するように締め付け、その締付け状態を保持する。そして、血圧が測定され、開放レバー54が押下されると、締付け状態を開放する。なお、締付け状態が開放されると、締付け用ベルト51が最も広がった状態となる。
次に、上記構成の生体圧迫装置1の動作及び効果について、説明する。
まず、血圧を測定しようとする被験者は、締付け用ベルト51が最も広がった状態の生体圧迫装置1に腕を挿入し、生体圧迫装置1が上腕に達したところで、撮み52を回転させる。締付け用ベルト51が、コア2及び空気袋3が縮径するように上腕を軽く締め付け、所定の締付け力に到達すると、トルクリミッター機構により撮み52が空回りし、この締付け状態が保持される。
ここで、腕を挿入する際、上述したように、締付け用ベルト51の一部が、コア2の一部を大きく開いた状態に保持しているので、腕を容易に挿入することができる。また、この容易性により、生体圧迫装置1が適切に装着される確率が高くなるので、擦れによるノイズ発生の一因を効果的に排除することができる。
さらに、コア2と外カバー22及び内カバー21とが固着されているので、生体圧迫装置1を広げるとコア2も一緒に広がるので、上腕への巻き付けを容易に行うことができる。また、一端部側先端の外カバー22と内カバー21との縫合部分が、オーバーラップしている部分の内側に巻き込まれないので、良好な装着感や美観が得られる。
次に、配管116が接続されたジョイント31から空気袋3に空気が送入されると、空気袋3が、腕を圧迫する。このとき、配管116と連通した圧力センサ113は、上述したように脈波を含んだ圧力信号を検出し、圧力信号を情報処理装置120に出力している。
そして、空気袋3に空気が送入されるにつれて、空気袋3が、より大きな力で腕を圧迫する。この力の作用により、コア2と外カバー22やコア2と内カバー21の間で相対的な移動が発生するが、コア2、外カバー22及び内カバー21は、糸4により共縫いされているので、極めて微小距離の移動となり、あるいは、全く移動しない状態に維持することができ、擦れによるノイズ発生を効果的に抑えることができる。したがって、脈波を精度よく測定することができ、加圧適正値を精度よく算出するので、動作の信頼性を向上させることができる。
次に、生体圧迫装置1は、加圧適正値まで加圧すると、減圧を開始し、減圧中における脈波を検出する。減圧する際の力の作用により、コア2と外カバー22やコア2と内カバー21の間で相対的な移動が発生するが、コア2、外カバー22及び内カバー21は、糸4により共縫いされているので、極めて微小距離の移動となり、あるいは、全く移動しない状態に維持することができ、擦れによるノイズ発生を効果的に抑えることができる。したがって、脈波を精度よく測定することができ、血圧の測定精度を向上させることができる。
このように、本実施形態の生体圧迫装置1によれば、カフ圧力を自動的に加圧する際、及び、血圧測定のためにカフ圧力を減圧する際、コア2と外カバー22やコア2と内カバー21の間で発生する、擦れによるノイズ発生を効果的に抑えることができる。したがって、脈波を精度よく測定することができるので、動作の信頼性及び血圧の測定精度を向上させることができる。
また、コア2と外カバー22及び内カバー21とが固着されているので、生体圧迫装置1を広げるとコア2も一緒に広がるので、上腕への巻き付けを容易に行うことができる。また、一端部側先端の外カバー22と内カバー21との縫合部分が、オーバーラップしている部分の内側に巻き込まれないので、良好な装着感や美観が得られる。
以上、本発明の生体圧迫装置について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る生体圧迫装置は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、生体圧迫装置1は、オシロメトリック式電子血圧計に限定されるものではなく、たとえば、コロトコフ音にもとづいて血圧を測定する自動血圧計にも適用することができる。
また、生体圧迫装置1は、締付け用ベルト51を用いた締付手段5を備えた構成としてあるが、本発明は、締付手段5の代わりに、たとえば、圧迫固定用空気袋などを備えた生体圧迫装置にも適用することができる。
以上説明したように、本発明の生体圧迫装置は、血圧計用腕帯に用いられる場合に限定されるものではなく、たとえば、加圧中の脈波を精度よく測定する必要のある、止血用の生体圧迫装置などとしても有効に適用することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る生体圧迫装置の概略斜視図を示している。 図2は、本発明の一実施形態に係る生体圧迫装置の、要部の概略展開図を示している。 図3は、従来のオシロメトリック式電子血圧計の要部の概略ブロック図を示している。 図4は、従来のオシロメトリック式電子血圧計における、カフ圧力と脈波振幅を説明するグラフを示している。 図5は、従来のオシロメトリック式電子血圧計のカフにおける、巻き付け時の状態を説明する要部の概略拡大図であり、(a)は正常な状態の断面図を示しており、(b)は不具合発生時の断面図を示している。
符号の説明
1 生体圧迫装置
2 コア
3 空気袋
4 糸
5 締付手段
21 内カバー
22 外カバー
23 糸
24 開口部
31 ジョイント
32 両面テープ
51 締付け用ベルト
52 撮み
53 基台
54 開放レバー
55 ラック
100 オシロメトリック式電子血圧計
110 カフ
111 空気袋
112 コア
113 圧力センサ
114 ポンプ
115 排気弁
116 配管
120 情報処理装置
121 操作スイッチ
122 表示器

Claims (5)

  1. 外カバーと内カバーとで形成される帯状袋内に、空気袋と、この空気袋の外側に配置されているコアとが収納された生体圧迫装置において、
    前記コアと、前記外カバー及び/又は前記内カバーの少なくとも一部とが固着されたことを特徴とする生体圧迫装置。
  2. 前記コアの長手方向両端の少なくとも一方の端部付近において、前記コアと、前記外カバー及び/又は前記内カバーとが固着されたことを特徴とする請求項1に記載の生体圧迫装置。
  3. 前記空気袋と前記コアとの少なくとも一部が固着されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の生体圧迫装置。
  4. 前記空気袋の長手方向両端において、前記空気袋と前記コアとが固着されたことを特徴とする請求項3に記載の生体圧迫装置。
  5. 前記固着が、縫製、溶着又は接着であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の生体圧迫装置。
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