JP2008245921A - 中空糸膜および中空糸膜の製造方法 - Google Patents

中空糸膜および中空糸膜の製造方法 Download PDF

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晴彦 堤
Tsutomu Kamisaka
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Abstract

【課題】
本発明の目的は、均一膜構造を有する中空糸膜において、アルブミンふるい係数の経時的な上昇を抑制した中空糸膜およびこれが内蔵された血液浄化器を提供することにある。
【解決手段】
均一膜構造を有するポリマーを含む原液から中空糸膜を製膜した後、82℃以上で熱処理することで、下記式を満たすことを特徴とする中空糸膜を得ることが可能である。
SC−SC≦1.1
ここで、SC:γ線で滅菌された時点から常温で3日間保管後のアルブミンふるい係数(%)、SC:γ線で滅菌された時点から常温で3週間保管後のアルブミンふるい係数(%)
【選択図】 図1

Description

本発明は、小分子タンパク尿素物質β2−マイクログロブリン(以下、β2−MGと略す)の除去性能に優れた中空糸膜およびこれを内蔵してなる血液浄化器に関するものである。
血液透析においては、腎機能の低下により体外に排出出来なくなった種々の老廃物を除去する性能が求められる。除去すべき老廃物には尿素、クレアチニンといった小分子量物質や透析性アミロイドーシスの原因物質として注目されるβ2−MGなどに代表される小分子量蛋白質がある。現在血液浄化器の主流になりつつあるポリスルホン膜に代表される非対称膜構造を有する膜はシャープな分子量分画特性によりこのような小分子量タンパク質を除去するものであるが、ろ過特性が優れているために、人体に有用なアミノ酸なども大量に除去される問題点がある。一方で、厚み方向に均一膜構造(または、対称膜構造ともいう)を有する膜の代表例であるポリメチルメタクリレート系膜は、濾過だけではなく吸着によってもタンパク質を除去するというユニークな特性を有しており、β2−MGなどの除去すべき小分子量タンパク質を吸着によって除去することが出来、アミノ酸の大量喪失も防ぐことが出来る。また、陰性荷電を有することにより長期透析患者の生活の質(QOL)に問題となっているかゆみの原因物質を吸着に除去することが出来る(特許文献1)。しかし、このような膜は収縮性が高い場合が多く、残留応力、熱により経時的に膜が収縮し、膜に存在する孔の大きさが変化することで、一般に除去すべきではないと言われているアルブミンの漏出量の指標であるアルブミンふるい係数が大幅に増加するなどの問題があった。
特開昭58−092364号公報
本発明の目的は、均一膜構造を有する中空糸膜において、アルブミンふるい係数の経時的な上昇を抑制した中空糸膜およびこれが内蔵された血液浄化器を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために、次の構成を有する。
1. 均一膜構造を有し、下記式を満たすことを特徴とする中空糸膜。
SC−SC≦1.1
ここで、SC:γ線で滅菌された時点から常温で3日間保管後のアルブミンふるい係数(%)、SC:γ線で滅菌された時点から常温で21日間保管後のアルブミンふるい係数(%)
2. 前記膜がβ2−マイクログロブリン吸着特性を有する素材を含むことを特徴とする前記1記載の中空糸膜。
3. 前記膜が陰性荷電を有する素材を含むことを特徴とする前記1または2に記載の中空糸膜。
4. 前記膜がポリメチルメタクリレートを含むことを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の中空糸膜。
5. 前記1〜4のいずれかに記載の中空糸膜が内蔵されたことを特徴とする血液浄化器。
6. 人工腎臓であることを特徴とする前記5に記載の血液浄化器。
7. 均一膜構造を有するポリマーを含む原液から中空糸膜を製膜した後、82℃以上で熱処理することを特徴とする中空糸膜の製造方法。
8. 前記膜が陰性荷電を有する素材を含むことを特徴とする前記7に記載の中空糸膜の製造方法。
9. 前記膜がポリメチルメタクリレートを含むことを特徴とする前記7または8に記載の中空糸膜の製造方法。
10. 前記7〜9のいずれかに記載の中空糸膜を内蔵することを特徴とする血液浄化器の製造方法。
本方法により、均一膜構造を有する中空糸膜において、中空糸膜の収縮性を抑え、アルブミンふるい係数の経時的な上昇を抑制することが出来る。
本発明に係る中空糸膜は、主に血液浄化器に用いることができ、通常、中空糸膜束として筒部分であるプラスチック製のケース、ヘッダー等から構成されるモジュール内部に内蔵される。血液浄化器としては、人工腎臓と呼ばれる血液透析器、血液濾過器や救急救命用途の緩徐式血液濾過器および血液透析濾過器等が挙げられる。
本発明における中空糸膜は、東レ社製“フィルトライザー(登録商標)”BKシリーズ、ニプロ社製“トリアセテートホローファイバーダイアライザー(登録商標)”FBシリーズのような均一膜構造を有するものである。素材としては、ポリメチルメタクリレート(以下、PMMAという)、ポリアクリロニトリル(以下、PANという)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、セルローストリアセテート等が用いられるが、中でも、β2−MGを吸着できる特性を有する素材を含むことが好ましく、例えば、PMMA、PAN等が挙げられる。特に、素材の少なくとも一部が陰性荷電を有している素材が、等電点の低いアルブミンを過剰に漏出させることなく、それよりも等電点の高いβ2−MGを除去するためには好ましい。陰性荷電を有する素材としては、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、亜リン酸基、硫酸エステル基、亜硫酸基、次亜硫酸基、スルフィド基、フェノール基、ヒドロキシシリル基等の置換基を有する素材が挙げられる。スルホン酸基を有するものとしてはビニルスルホン酸、アクリルスルホン酸、メタクリルスルホン酸パラスチレンスルホン酸、3−メタクリロキシプロパンスルホン酸、3−アクリロキシプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、ピリジン塩、キノリン塩、テトラメチルアンモニウム塩などがあげられる。陰性荷電量としては、乾燥した中空糸膜1gあたり5μeq以上、30μeq以下のものが、よりアルブミンを過剰に漏出させることなく、β2−MGをよりよく除去する点で好ましい。陰性荷電量は、例えば、滴定法を用いて測定することが出来る。
また、膜がβ2−MG吸着特性を有する場合、膜構造としては、膜の厚み方向にほぼ均一な均一膜が好ましい。β2−MGは分子量11,800であるため、分子量約67,000のアルブミンに比較して、小さい孔を通過し得る。しかしながら、β2−MGを吸着によって除去する場合、内表面の開孔率を大きくして分子量11,800のβ2−MGの吸着サイト、すなわち、β2−MG分子が十分に入り込むスペースの孔を増加させる必要がある。このとき、膜の構造の均一性が高い程、アルブミンの漏出を抑えやすい。
また、中空糸膜の膜厚は20〜50μmであることが好ましい。血液浄化器として用いる場合、この範囲であると、性能向上、コンパクト性に有利であり、かつ十分な膜強度を保つことが可能になる。さらに、膜の内径が小さいと血液浄化器として用いるときのコンパクト化を図ることが可能であり、一方で小さすぎると血液浄化器に血液を流した場合に血液の圧力損失が増大することがあるため、内径は150〜300μmであることが好ましい。
人工腎臓として用いる場合、要求されるアルブミンのふるい係数は使用目的に応じて変わるが、アルブミンは生体の活動に必須なタンパク質であるため人工腎臓を継続使用する場合にはアルブミンの漏出を最小限におさえる必要があり、アルブミンふるい係数は経時変化を含めて5%未満であることが好ましく、3%未満であることが特に好ましい。ここでのアルブミンふるい係数とは、日本透析医学会の定める方法(血液浄化器の性能評価法、透析会誌29(8)1231−1245、1996)に従い、ACD−A液を用いて抗凝固したタンパク濃度6〜7g/dLの血漿を血液側溶液として用い、血液側流量を200mL/min、濾過流量を10mL/min/mで循環した時の60分後の試験液から血液入口側液、血液出口側液および濾液を採取して、液中アルブミン濃度を測定して得た値である。濃度は、アルブミンとブロムクレゾールグリーン(以下BCGと略す)やブロムクレゾールパープルなどの色素との結合による色調の変化を利用して測定する。なお、循環中に得られた濾液は血液側に戻す。ふるい係数の算出式はJIST3250(2005)に従った。
以下に本発明に係る中空糸膜の作成例を説明する。
ポリマーを溶媒に溶かした紡糸原液を調整する。このとき、陰性荷電基を有するポリマーを同時に溶解することも出来る。中空糸膜は、内側の管に中空部分を形成させるための液体もしくは気体を、外側の管に紡糸原液を流すことができる2重管環状スリット型中空糸用口金を用い、これらの液体等を一定距離の乾式空中部分を通した後に凝固浴に吐出する事により得られる。内側の管に注入される液体としては、たとえば、上記紡糸原液が溶解可能な溶媒、水やアルコールなどの凝固剤、これらの混合物、あるいはこれらに溶解可能な重合体やそれとの混合物の非溶媒であるような疎水性の液体、たとえば、n−オクタン、流動パラフィンなどの脂肪族炭化水素、ミリスチン酸イソプロピルの様な脂肪酸エステルなども使用できる。また、吐出糸条が空中での温度変化によってゲル化したり、凝固によって速やかに強固な構造を形成する場合には、自己吸引や圧入によって、窒素ガスや空気などの不活性気体を用いることができる。このような気体注入法は工程上からも非常に有利な方法である。温度変化によってゲル化をおこすような原液系の場合には、乾式部分において冷風を吹き付け、ゲル化を促進させることができる。中空糸の膜厚は紡糸原液の吐出量により、内径は注入液体もしくは気体の量によりコントロールする方法が一般的である。
2重管環状スリット中空糸膜用口金から吐出された紡糸原液は凝固浴にて中空の糸形状に凝固される。凝固浴は通常、水やアルコールなどの凝固剤、または紡糸原液を構成している溶媒との混合物からなる。通常は水を用いることができる。本発明においては、凝固浴の温度をコントロールすることにより、アルブミンふるい係数を変化させることができる。アルブミンふるい係数は紡糸原液の種類・組成や内側の管に注入される液体もしくは気体の種類によって影響を受けるために、凝固浴の温度もそれらによって適宜選択されるものであるが、一般に凝固浴温度を高くすることにより、アルブミンふるい係数を高くすることが出来る。しかしながら、凝固浴温度が高くなりすぎると、アルブミンふるい係数が高くなりすぎるために、例えば、中空糸膜がPMMAを含む膜で、内管に気体を入れる場合の凝固浴温度は41〜48℃が好ましい。より好ましくは42〜48℃である。
次いで、凝固し、製膜された中空糸膜に付着している過剰量の溶媒を洗浄する工程を通過させる。中空糸膜を洗浄する手段は特に限定されないが、単段もしくは多段の水洗浴と呼ばれる水を張った浴中に中空糸を通過させる方法が好んで用いられる。水洗浴中の水の温度は、膜を構成する重合体の性質に応じて決めればよい。例えば、中空糸膜がPMMAを含む膜である場合、30〜50℃が好ましい。
また、中空糸膜は水洗浴の後に孔径を保持するために、保湿成分を付与する工程を入れても良い。保湿成分の代表例としてはグリセリンやその水溶液などがある。
水洗や保湿成分付与の終わった後、収縮性の高い中空糸膜の寸法安定性を高めるため、熱処理浴と呼ばれる工程を通過させる。熱処理浴には加熱した保湿成分の水溶液が満たされており、中空糸膜がこの熱処理浴を通過することで、熱的な作用を受けて収縮し、以後の工程で収縮しにくくなる。本発明においては、熱処理浴の加熱温度は82℃以上が好ましく、84℃以上86℃以下がより好ましい。また、中空糸膜が熱処理される時間は、0.5秒以上が好ましく、1秒以上がより好ましい。また一方で上限としては、熱処理時間が長いと中空糸膜が過度に収縮して、本来の性能が発揮されないことがあるため、10秒以下が好ましく、3秒以下がより好ましい。
得られた中空糸膜を用いて血液浄化器とする手段は特に限定されないが、一例を示すと次の通りである。
まず、中空糸膜を必要な長さに切断し、必要本数を束ねた後、血液浄化器用モジュールの筒部分となるプラスチックケースに入れる。その後両端に仮のキャップをし、中空糸膜両端部に中空糸膜をケースに固定するための樹脂を入れてポッティングする。医療用ポッティング樹脂としては、ポリウレタン系樹脂が好ましく用いられる。このとき遠心機でモジュールを回転させながら底部キャップもしくは、人工腎臓であれば透析液用のポートから樹脂を入れてポッティングする方法は、樹脂が均一に充填されるために好ましい方法である。樹脂が固化した後、両端をカッター等で切断して中空糸膜が樹脂で閉塞している部分を取り除いて開口端面を形成し、ヘッダーキャップと呼ばれる血液入り口、出口ポートを取り付けて血液浄化器用のモジュールを得ることができる。
本発明に係る中空糸膜は、上記した製造方法により、下記式を満たす特徴を有する。
SC−SC≦1.1
ここで、SC:γ線で滅菌された時点から常温で3日間保管後のアルブミンふるい係数(%)、SC:γ線で滅菌された時点から常温で21日間保管後のアルブミンふるい係数(%)
ここで、3日間とは、γ線で滅菌された時点から36時間±4時間である。また、21日間とは、504時間±10時間である(3週間程度経過すると、アルブミンふるい係数の数値はほぼ変動しない)。
なお、PMMA系の中空糸を用いた血液浄化器ではγ線で滅菌された直後は収縮性が高く、アルブミンふるい係数の変化率も大きいが、常温である程度日数が経過すると収縮が収まり、アルブミンふるい係数の変化もしにくくなる傾向があり、ある程度の日数(例えば3週間程度)の経時変化が分かれば、以後の状態を予測することが可能である。なお、本発明で言う、常温とは25℃±5℃を言う。
(アルブミンふるい係数の測定)
アルブミンふるい係数は次のようにして測定した。
1.ACD−A液を用いて抗凝固した牛血液を遠心分離してタンパク濃度6.5g/dLの牛血漿溶液を調整する。
2.透析会誌29(8)1231−1245、1996記載の閉鎖循環回路を用いて、血液側(中空糸膜内側)流量(QBin)200mL/min、濾過液流量10mL/min/mの条件で2Lの牛血漿溶液を個人用透析装置(TR3000S、東レ製)を用いて循環する。
3.循環開始59〜60分の間に血液入口側液、血液出口側液および濾液を採取し、アルブミンふるい係数測定用サンプルとする。
4.サンプル中のアルブミン濃度をアルブミン・グロブリン比測定用キット(A/G B−テストワコー、Code274−24301、和光純薬製)を用いたBCG法で測定する。
アルブミンふるい係数は以下の式により算出される。
アルブミンふるい係数(%)=2CF/(CBin+CBout)×100
CBin : 血液入口側のアルブミンの濃度(g/dL)
CBout: 血液出口側のアルブミンの濃度(g/dL)
CF : 濾液のアルブミンの濃度(g/dL)
(実施例1)
重量平均分子量が51万のアイソタクチックポリメチルメタクリレート(iso−PMMA)3.5重量部と、重量平均分子量が89万のシンジオタクチックポリメチルメタクリレート(syn−PMMA)13.3重量部と、パラスチレンスルホン酸ソーダを1.5mol%含む分子量30万の共重合シンジオタクチックポリメチルメタクリレート(syn−PMMA)4.2重量部をジメチルスルホキシド79重量部と混合し、110℃で8時間撹拌し紡糸原液を調製した。
得られた紡糸原液の110℃での粘度は1240poiseであった。
得られた紡糸原液を96℃に保温された環状スリット部分の外径/内径=2.1/1.95mmφの2重管中空糸膜用口金から、2.5g/minの速度で、空気中に吐出した。
ここで、同時に2重管の内管部分には空気を注入し、空中部分を50cm走行させた後、凝固浴に導いた。凝固浴に用いた水温(凝固浴温度)を41〜44℃の間で表1に示すように変更し、それぞれ異なる中空糸膜を得た。それぞれの中空糸膜を水洗後、保湿剤としてグリセリンを63重量%水溶液として付与し、熱処理浴温度を82〜86℃の間で表1に示すように変更して2秒間熱処理を行い、余分のグリセリンを除去した後、スペーサーヤーンを巻き付けて60m/minで巻き取った。
それぞれの中空糸膜の内径/膜厚は200/30μmであった。
中空糸膜を条件毎に区別して、公知の方法で中空糸膜を束ねて、有効膜面積1.6mとなるように内径40mmの血液浄化器用モジュールの筒部分となるプラスチックケースに13000本の中空糸膜を有効長19.5cmとなるように装填し、その後両端に仮のキャップをし、遠心機でモジュールを回転させながら透析液用のポートから中空糸両端部に樹脂を入れた。樹脂が固化した後、両端を切断し、中空糸が樹脂で閉塞している部分をカッターで取り除き、ヘッダーと呼ばれる血液入り口、出口ポートを取り付けて図1に示すような人工腎臓モジュールを作成した。得られた人工腎臓モジュールは、RO水で内部を洗浄した後、各ポートをキャップでシールし、フィルムで包装し、γ線照射を行った。
この様にして得た人工腎臓モジュールサンプルのγ線で滅菌された時点から常温で3日間保管後と21日間保管後のアルブミンふるい係数を測定し、比を算出した。
Figure 2008245921
表1に示すとおり、熱処理浴温度を82℃以上にすると3週間経過後のアルブミンふるい係数と製造直後のアルブミンふるい係数の差が1.1%以下であった。
(比較例2)
実施例1の方法のうち、熱処理浴の温度を78℃とし、他は同様の条件として中空糸膜を得た。それぞれの中空糸膜の内径/膜厚は200/30μmであった。それぞれ中空糸を束ねて実施例1と同様の方法で有効膜面積1.6mの人工腎臓を作成し、アルブミンふるい係数を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2008245921
熱処理温度が78℃の場合は21日間保管後のアルブミンふるい係数と3日間保管後のアルブミンふるい係数の差が1.1%以上であった。
実施例および比較例における人工腎臓モジュール
符号の説明
1:筒状ケース
2:中空糸膜
3:ポッティング材
4a:血液導入用ヘッダーキャップ
4b:血液導出用ヘッダーキャップ
5a、b:開口面
6a、b:処理液導出用ノズル
7:人工腎臓

Claims (10)

  1. 均一膜構造を有し、下記式を満たすことを特徴とする中空糸膜。
    SC−SC≦1.1
    ここで、SC:γ線で滅菌された時点から常温で3日間保管後のアルブミンふるい係数(%)、SC:γ線で滅菌された時点から常温で21日間保管後のアルブミンふるい係数(%)
  2. 前記膜がβ2−マイクログロブリン吸着特性を有する素材を含むことを特徴とする請求項1記載の中空糸膜。
  3. 前記膜が陰性荷電を有する素材を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の中空糸膜。
  4. 前記膜がポリメチルメタクリレートを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の中空糸膜。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の中空糸膜が内蔵されたことを特徴とする血液浄化器。
  6. 人工腎臓であることを特徴とする請求項5に記載の血液浄化器。
  7. 均一膜構造を有するポリマーを含む原液から中空糸膜を製膜した後、82℃以上で熱処理することを特徴とする中空糸膜の製造方法。
  8. 前記膜が陰性荷電を有する素材を含むことを特徴とする請求項7に記載の中空糸膜の製造方法。
  9. 前記膜がポリメチルメタクリレートを含むことを特徴とする請求項7または8に記載の中空糸膜の製造方法。
  10. 請求項7〜9のいずれかに記載の中空糸膜を内蔵することを特徴とする血液浄化器の製造方法。
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