JP2008245732A - ミシンの糸調子装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の糸に適切な張力を付与する
【解決手段】糸調子皿8に付与する加圧力を規定するカム面をそれぞれ有する二つの糸調子カム25,26を同一軸(27)上に重ねて配置すると共に、糸調子選択ダイヤル5の軸方向への進退移動に連動して糸調子の調節に使用するカムを糸調子カム25又は26の何れか一方に切替えるカム切替え機構130を設けた。また、糸調子選択ダイヤル5を回転操作することで糸調子カム軸27を回転させ、糸張力を設定可能とした。さらに、スラスト位置検出スイッチ51及び回転検出センサー53からの検出信号に基づき、糸調子選択ダイヤル5のスラスト位置及び回転位置に基づき設定される各糸調子ユニット110の組み合わせに対応する縫目を表示装置50に表示する縫目表示制御手段(制御部60)を設けた。これにより、ミシン1を大型化することなく複数の糸Tに適切な張力を付与することが可能となった。
【選択図】図4
【解決手段】糸調子皿8に付与する加圧力を規定するカム面をそれぞれ有する二つの糸調子カム25,26を同一軸(27)上に重ねて配置すると共に、糸調子選択ダイヤル5の軸方向への進退移動に連動して糸調子の調節に使用するカムを糸調子カム25又は26の何れか一方に切替えるカム切替え機構130を設けた。また、糸調子選択ダイヤル5を回転操作することで糸調子カム軸27を回転させ、糸張力を設定可能とした。さらに、スラスト位置検出スイッチ51及び回転検出センサー53からの検出信号に基づき、糸調子選択ダイヤル5のスラスト位置及び回転位置に基づき設定される各糸調子ユニット110の組み合わせに対応する縫目を表示装置50に表示する縫目表示制御手段(制御部60)を設けた。これにより、ミシン1を大型化することなく複数の糸Tに適切な張力を付与することが可能となった。
【選択図】図4
Description
本発明は、ミシンの糸調子装置に関し、特に、回転により張力を変化させるカムを備えたミシンの糸調子装置に関する。
従来、複数の針及び針と協働して縫いを行う複数のルーパを有するミシン(例えば、オーバーロックミシンやインターロックミシンなど)にあっては、複数の針やルーパに各々挿通される糸にそれぞれ適切な糸張力を付与するためのミシンの糸調子装置(以下、単に糸調子装置という)が設けられている。
かかる糸調子装置には、各糸を個別に挟持する一対の糸調子皿、この糸調子皿を加圧する加圧バネ、この加圧バネによる加圧力を軸方向に移動されることで調節するカム体(エンドカム)及び糸調子調節体をそれぞれ有する複数の糸調子ユニットと、前記各カム体を軸方向に同時に変位せしめる変換軸を有し、複数の糸調子ユニットの糸挟持力を縫目の種類に対応した圧力に一括して変更するべく選択設定可能な糸調子選択ダイヤルと、前記各糸調子調節体を他と独立に軸方向に変位せしめる微調整ダイヤルを有し、この微調整ダイヤルを原点位置(基準位置)からそれ以外の位置に移動することで、糸調子選択ダイヤルにより設定された各糸挟持圧力を他と独立に増減するべく微量調節可能な糸張力微量調節機構と、が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
また、個々の微調整ダイヤルを一括して原点位置に復帰する構成としたミシンの糸調子装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。
実開平5―88486号公報
特許第2686188号公報
かかる糸調子装置には、各糸を個別に挟持する一対の糸調子皿、この糸調子皿を加圧する加圧バネ、この加圧バネによる加圧力を軸方向に移動されることで調節するカム体(エンドカム)及び糸調子調節体をそれぞれ有する複数の糸調子ユニットと、前記各カム体を軸方向に同時に変位せしめる変換軸を有し、複数の糸調子ユニットの糸挟持力を縫目の種類に対応した圧力に一括して変更するべく選択設定可能な糸調子選択ダイヤルと、前記各糸調子調節体を他と独立に軸方向に変位せしめる微調整ダイヤルを有し、この微調整ダイヤルを原点位置(基準位置)からそれ以外の位置に移動することで、糸調子選択ダイヤルにより設定された各糸挟持圧力を他と独立に増減するべく微量調節可能な糸張力微量調節機構と、が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
また、個々の微調整ダイヤルを一括して原点位置に復帰する構成としたミシンの糸調子装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。
ところで、近年、例えば家庭用ミシンにおいては、布端をメスで切り落としつつその切り揃えた布端に縁かがり縫いや巻き縫いを行うオーバーロックミシンに、インターロックミシンやカバーステッチミシンによって行われる布端から離れた位置に形成される縫目(例えば、カバーステッチなど)をも形成可能とする機能を搭載することが主流となってきている。その結果、多様なパターンの縫目を実現できるように、針数及びこれらの針と協働して縫いを行うルーパの数が増加するに伴い、使用される糸の本数も増加する。従って、各糸に個別に適切な張力を付与する必要がある他、縫いパターンによってもそれぞれの糸に多様なパターンの適切な張力を個別に付与する必要が生じている。
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に示す従来のミシンの糸調子装置にあっては、各糸の張力を変化させるためのカム体が、円筒又は円板の軸方向端部にカム部を有するいわゆる端面カム(エンドカム)であり、このカム体を糸調子皿と同軸に設ける構成としていた。このため、縫いパターンの増加に対応するにはカム体を大径化しなければならず、その結果軸方向についてミシン全体が大型になるという問題があった。また、縫製パターンの増加に対応することが困難であるという問題があった。
本発明は、複数の糸にそれぞれ適切な張力を付与することをその目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、糸を挟持する一対の糸調子皿と、この糸調子皿を加圧する加圧バネと、円周に沿って複数のカム面が形成され、回転によりカム面の切替えが可能な複数の回転カムと、前記各回転カムごとに設けられ、各回転カムのカム面による変位に応じて前記加圧バネを伸縮させて加圧力を調節するカム受け部材とを有し、前記各回転カムが同一軸上で同回転可能に軸支された複数の糸調子ユニットと、進退移動操作と回転操作の入力により前記各糸調子ユニットの糸挟持力を一括して変換させる糸張力設定手段と、を備えることを特徴とするミシンの糸調子装置である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記回転操作により前記各糸調子ユニットの各回転カムに回転動作を付与する回転動作伝達手段と、前記進退移動操作により前記各糸調子ユニットの複数のカム受け部材のいずれか一つのみを回転カムに係合するように順次切替えるカム切替え動作伝達手段と、を備えることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記糸張力設定手段の進退移動操作を検出するスラスト位置検出手段と、前記糸張力設定手段への回転操作量を検出する回転検出手段と、前記スラスト位置検出手段及び回転検出手段からの検出信号に基づき前記糸張力設定手段で選択された前記各糸調子ユニットの糸挟持力の組み合わせに対応する縫目を表示手段に表示する縫目表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3の何れか一項記載の発明において、前記各糸調子ユニットの糸挟持力をそれぞれ他と独立に調節する微調整手段を備えることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、アクチュエータの駆動により前記微調整手段を回転操作方向における原点位置に復帰させる復帰手段と、前記原点復帰動作の実行を入力する復帰指示入力手段とを備えることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、同一軸上で同回転可能に軸支された複数の回転カムを回転させることにより、この回転カムの円周に沿って形成された複数のカム面を切替えることができる。そして、各回転カムのカム面による変位に応じてカム受け部材が加圧バネを伸縮させることにより、糸を挟持する糸調子皿の加圧力が調節される。つまり、請求項1記載の発明によれば、円周に沿って複数のカム面が形成された複数の回転カムを同一軸上で同回転可能に軸支する構成としたことにより、回転カムを大径化することなくこの回転カムのカム面による変位に応じて各糸調子皿に付与する加圧力のパターンを従来よりも増加させることができる。その結果、種々の縫製パターンに応じて各糸を適切な加圧力で挟持することができるため、美しい縫目を得ることができる。また、糸張力設定手段に進退移動操作と回転操作とを入力することにより、各糸調子ユニットの糸挟持力を一括して変換させることができるため、複数の糸にそれぞれ適切な張力を付与するための操作を容易に実行することができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を得ることができる他、特に、回転動作伝達手段を回転操作することにより、各糸調子ユニットの各回転カムに回転動作を付与することができる。また、カム切替え動作伝達手段を進退移動操作することにより、各糸調子ユニットにおける複数のカム受け部材のいずれか一つのみを回転カムに係合するように順次切替えることができる。そして、各回転カムの円周に沿って形成された複数のカム面によるカム受け部材の変位に応じて各糸調子ユニットの加圧バネを一括して伸縮させることができるため、各糸調子皿に付与する加圧力を一括して調節することができる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は請求項2記載の発明と同様の効果を得ることができる他、特に、スラスト位置検出手段及び回転検出手段によって検出された糸張力設定手段の進退移動操作と回転操作量とにより、糸張力設定手段で選択された各糸調子ユニットの糸挟持力の組み合わせに対応する縫目を特定することができる。そして、このスラスト位置検出手段及び回転検出手段からの検出信号に基づき、縫目表示制御手段が、糸張力設定手段で選択された各糸調子ユニットの糸挟持力の組み合わせに対応する縫目を表示手段に表示する。これにより。糸張力設定手段で選択された各糸調子ユニットの糸挟持力の組み合わせに対応する縫目を視覚により容易に把握することができる。従って、種々の縫目に対応するように各糸調子ユニットの糸調子皿に付与する加圧力を設定する張力設定動作の容易化を図ることができる。
請求項4記載の発明によれば、請求項1から請求項3の何れか一項記載の発明と同様の効果を得ることができる他、特に、微調整手段により、各糸調子ユニットの糸挟持力をそれぞれ他と独立に調節することができる。従って、縫目のパターンに応じて各糸に適切な張力を付与することができるため、美しい縫目を得ることができる。
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の発明と同様の効果を得ることができる他、特に、復帰指示入力手段から原点復帰動作の実行が入力されると、復帰手段のアクチュエータが駆動して微調整手段が原点位置に復帰する。つまり、復帰指示入力手段からの原点復帰動作の実行の入力に伴い、微調整手段を自動的に原点位置に復帰させることができる。これにより、例えば、縫目パターンを切替える際にこの復帰指示入力手段から原点復帰動作の実行を入力することにより、切替えた後の縫目パターンにおいて各糸を他と独立に微調節して適切な張力を付与する設定動作を、縫目パターン切替え前の個々の糸調子ユニットにおける設定値の影響を受けることなく設定することができる。これにより、各糸の張力を他と独立に設定するための設定動作の容易化を図ることができる。
また、微調整手段を原点位置に復帰させる復帰手段の駆動源としてアクチュエータを用いることにより、例えば、糸数の増加に対応して糸調子ユニットの数が増加した場合であっても、各微調整手段を一括して原点位置に復帰させる際の原点復帰操作に伴うオペレータの負担を軽減することができる。
また、例えば、回転検出手段やスラスト位置検出手段を復帰指示入力手段とすることもできる。このようにすれば、糸張力設定手段が回転方向或いは進退移動方向に操作された際に、復帰手段のアクチュエータを駆動して微調整手段を原点位置に復帰させることができる。つまり、糸張力設定手段の操作に伴い、各糸調子皿に付与する加圧力を他と独立に微調節する微調整手段を一括して自動的に原点位置に復帰させることができる。
以下、図1〜図11に基づき本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
また、以下の説明において、ミシンMの垂直上下方向をZ軸方向とし、水平面に設置した状態におけるミシンMのアーム部1cの長手方向(左右方向)をY軸方向とし、図示しない針板の板面に平行であってY軸方向に直交する前後方向をX軸方向とする。また、X軸方向とY軸方向とZ軸方向とは互いに直交するものとする。
また、以下の説明において、ミシンMの垂直上下方向をZ軸方向とし、水平面に設置した状態におけるミシンMのアーム部1cの長手方向(左右方向)をY軸方向とし、図示しない針板の板面に平行であってY軸方向に直交する前後方向をX軸方向とする。また、X軸方向とY軸方向とZ軸方向とは互いに直交するものとする。
(実施形態の全体構成)
図1は本実施形態たるミシンの糸調子装置100(以下、単に糸調子装置100とする)を搭載するミシンMの外形を示す正面図である。
図1に示すように、ミシンMは、ミシンフレーム1と、このミシンフレーム1のアーム部1c先端で針棒3に支持されて上下動を行う縫い針4及びこの縫い針4と協働して縫目を形成する図示しない下ルーパ並びに
上ルーパに各々挿通される糸Tに張力を付与する糸調子装置100と、後述する糸調子選択ダイヤル5を操作することで選択される縫目を表示する表示手段たる表示装置50と、ミシンMの駆動部を集中制御する制御部60(図10参照)と、を備えている。以下、各部を詳細に説明する。
なお、ミシンMには、ミシンモータ66(図10参照)から縫い針4に上下動を伝達する針駆動機構や、この針駆動機構に同期して下ルーパに揺動力を伝達する下ルーパ駆動機構、及び、上ルーパに揺動力を伝達する上ルーパ駆動機構等、縫製を行うための種々の機構が設けられているが、これらは周知の技術と同様の構成であるため、本実施形態では図示及び説明を省略するものとする。
図1は本実施形態たるミシンの糸調子装置100(以下、単に糸調子装置100とする)を搭載するミシンMの外形を示す正面図である。
図1に示すように、ミシンMは、ミシンフレーム1と、このミシンフレーム1のアーム部1c先端で針棒3に支持されて上下動を行う縫い針4及びこの縫い針4と協働して縫目を形成する図示しない下ルーパ並びに
上ルーパに各々挿通される糸Tに張力を付与する糸調子装置100と、後述する糸調子選択ダイヤル5を操作することで選択される縫目を表示する表示手段たる表示装置50と、ミシンMの駆動部を集中制御する制御部60(図10参照)と、を備えている。以下、各部を詳細に説明する。
なお、ミシンMには、ミシンモータ66(図10参照)から縫い針4に上下動を伝達する針駆動機構や、この針駆動機構に同期して下ルーパに揺動力を伝達する下ルーパ駆動機構、及び、上ルーパに揺動力を伝達する上ルーパ駆動機構等、縫製を行うための種々の機構が設けられているが、これらは周知の技術と同様の構成であるため、本実施形態では図示及び説明を省略するものとする。
(ミシンフレーム)
図1に示すように、ミシンフレーム1は、その下部をなすベッド部1aと、ベッド部1aの一端から上方に立設された縦胴部1bと、縦胴部1bの上部からベッド部1aの長手方向(Y軸方向)に沿って延設され当該ミシンフレーム1の上部をなすアーム部1cとからなり、正面視にて略コ字状に成形されている。
このミシンフレーム1の内側には、ベッド部1a内でY軸方向に沿って延在し、ミシンモータ66の駆動により回転して下ルーパ及び上ルーパに駆動力を伝達する下軸(図示略)や、アーム部1c内でY軸方向に沿って延在し、下軸の回転に連動して縫い針4に上下動を伝達する上軸(図示略)等の動力伝達機構が設けられている。
また、ミシンフレーム1には、図示しない下ルーパや上ルーパにミシンMの外部から糸Tを導くための複数の糸溝Sが設けられている。
さらに、ミシンフレーム1における縦胴部1bの側面(図1に示すミシンフレーム1の右側面)には、下軸の一端に固定され当該下軸をミシンMの外部から手動操作可能とするはずみ車2や、糸溝S及び縫い針4に供給される糸Tに張力を付与する糸調子装置100(後述する)を操作するための操作部たる糸調子選択ダイヤル5が設けられている。
そして、ミシンモータ66が駆動してはずみ車2が回転すると、周知の技術により針棒3が上下動して縫目が形成される。なお、本実施形態では、図1における紙面手前側においてミシンのオペレータによる縫製作業が行われる。
図1に示すように、ミシンフレーム1は、その下部をなすベッド部1aと、ベッド部1aの一端から上方に立設された縦胴部1bと、縦胴部1bの上部からベッド部1aの長手方向(Y軸方向)に沿って延設され当該ミシンフレーム1の上部をなすアーム部1cとからなり、正面視にて略コ字状に成形されている。
このミシンフレーム1の内側には、ベッド部1a内でY軸方向に沿って延在し、ミシンモータ66の駆動により回転して下ルーパ及び上ルーパに駆動力を伝達する下軸(図示略)や、アーム部1c内でY軸方向に沿って延在し、下軸の回転に連動して縫い針4に上下動を伝達する上軸(図示略)等の動力伝達機構が設けられている。
また、ミシンフレーム1には、図示しない下ルーパや上ルーパにミシンMの外部から糸Tを導くための複数の糸溝Sが設けられている。
さらに、ミシンフレーム1における縦胴部1bの側面(図1に示すミシンフレーム1の右側面)には、下軸の一端に固定され当該下軸をミシンMの外部から手動操作可能とするはずみ車2や、糸溝S及び縫い針4に供給される糸Tに張力を付与する糸調子装置100(後述する)を操作するための操作部たる糸調子選択ダイヤル5が設けられている。
そして、ミシンモータ66が駆動してはずみ車2が回転すると、周知の技術により針棒3が上下動して縫目が形成される。なお、本実施形態では、図1における紙面手前側においてミシンのオペレータによる縫製作業が行われる。
(糸調子装置)
次に、図2〜図9に基づき糸調子装置100の構成について詳しく説明する。
図2は、図1に示すアーム部1cのI方向透視図であり、縦胴部1b側から見た糸調子装置100の構成を示す。
この図2に示すように、糸調子装置100は、ミシンフレーム1におけるアーム部1c内に搭載されており、各糸Tに張力を付与するための複数(本実施形態では4つ)の糸調子ユニット110(図3及び図4参照)と、回転操作と進退移動操作の入力により各糸調子ユニット110の糸挟持力を一括して変換させる糸張力設定手段たる糸調子選択ダイヤル5(図5参照)と、糸調子選択ダイヤル5の回転操作により各糸調子ユニット110の糸調子カム25,26(後述する)に回転動作を付与する回転動作伝達手段たる回転動作伝達機構120(図5参照)と、糸調子選択ダイヤル5の進退移動操作により各糸調子ユニット110に設けられた2つの接触子19,20(後述する)のうちいずれか一方のみが糸調子カム25,26に係合するように順次切替えるカム切替え動作伝達手段たるカム切替え機構130(図4及び図6参照)と、糸調子選択ダイヤル5への回転操作量を検出する回転検出手段たる回転検出センサー53(図5及び図10参照)と、糸調子選択ダイヤル5の進退移動操作を検出するスラスト位置検出手段たるスラスト検出スイッチ51(図5及び図10参照)と、を備えている。なお、各糸調子ユニット110は機構的には同構造であるため、以下、1つの糸調子ユニット110について説明する。
次に、図2〜図9に基づき糸調子装置100の構成について詳しく説明する。
図2は、図1に示すアーム部1cのI方向透視図であり、縦胴部1b側から見た糸調子装置100の構成を示す。
この図2に示すように、糸調子装置100は、ミシンフレーム1におけるアーム部1c内に搭載されており、各糸Tに張力を付与するための複数(本実施形態では4つ)の糸調子ユニット110(図3及び図4参照)と、回転操作と進退移動操作の入力により各糸調子ユニット110の糸挟持力を一括して変換させる糸張力設定手段たる糸調子選択ダイヤル5(図5参照)と、糸調子選択ダイヤル5の回転操作により各糸調子ユニット110の糸調子カム25,26(後述する)に回転動作を付与する回転動作伝達手段たる回転動作伝達機構120(図5参照)と、糸調子選択ダイヤル5の進退移動操作により各糸調子ユニット110に設けられた2つの接触子19,20(後述する)のうちいずれか一方のみが糸調子カム25,26に係合するように順次切替えるカム切替え動作伝達手段たるカム切替え機構130(図4及び図6参照)と、糸調子選択ダイヤル5への回転操作量を検出する回転検出手段たる回転検出センサー53(図5及び図10参照)と、糸調子選択ダイヤル5の進退移動操作を検出するスラスト位置検出手段たるスラスト検出スイッチ51(図5及び図10参照)と、を備えている。なお、各糸調子ユニット110は機構的には同構造であるため、以下、1つの糸調子ユニット110について説明する。
図3に示すように、糸調子ユニット110は、糸Tを挟持する一対の糸調子皿8(8a,8b)と、この糸調子皿8を加圧する加圧手段たる加圧バネ11と、各糸調子ユニット110の糸調子皿8を加圧する加圧力(糸挟持力)を他と独立して個別に微調節するための微調整機構140と、円周に沿って複数のカム面が形成され、回転によりカム面の切替えが可能な複数(本実施形態では2枚)の回転カムたる糸調子カム上25及び糸調子カム下26と、各糸調子カム25,26ごとに設けられ、各糸調子カム25,26のカム面による変位に応じて加圧バネ11を伸縮させて加圧力を調節するカム受け部材たる接触子上19及び接触子下20と、アクチュエータの駆動により微調整機構140を回転操作方向における原点位置に復帰させる復帰手段たる復帰機構150と、を備えている。
糸調子皿8a,8bは、支持体13を介してミシンフレーム1に固定された支持軸9によりY軸方向に沿って滑動自在に支持されている。各糸調子皿8a,8bは、支持体13から突出する支持ピン(図示略)に係合することで、支持軸9の軸方向にのみ移動可能となっている。図3で左側に示す一方の糸調子皿8aは、後述する糸調子腕16に当接することでY軸方向に沿う一方向への移動(図3において左方向への移動)が規制されている。また、図3で右側に示す他方の糸調子皿8bは、その右側端面に当接する加圧バネ11の付勢力により、糸調子皿8aに向けて付勢されている。そして、各糸調子皿8a,8bの間には、ミシンMの外部から導かれた糸Tが挟持される(図2参照)。
加圧バネ11は、圧縮ばねであり、一端(図3における左端)が糸調子皿8bに、他端(図3における右端)が支持軸9に螺合された糸調子ギヤ12の端面に当接している。
加圧バネ11は、圧縮ばねであり、一端(図3における左端)が糸調子皿8bに、他端(図3における右端)が支持軸9に螺合された糸調子ギヤ12の端面に当接している。
微調整機構140は、周面に目盛りが付された微調整ダイヤル6と、この微調整ダイヤル6と一体に設けられたギヤ部6aに中間ギヤ7を介して歯合する糸調子ギヤ12とを備えている。微調整ダイヤル6は、Y軸方向に沿う軸10により、その周面の一部がオペレータの作業位置側となるミシンフレーム1の外側(正面側)に露出した状態でアーム部1c内に回動自在に支持されている(図1及び図2参照)。糸調子ギヤ12は、その左端面に当接する加圧バネ11の端部位置を規制している。そして、ミシンMのオペレータにより微調整ダイヤル6が回動操作されると、中間ギヤ7を介して糸調子ギヤ12が支持軸9周りに回動され、該糸調子ギヤ12が支持軸9に沿ってY軸方向(左右方向)に移動する。これにより、微調整機構140は、各糸調子ギヤ12を他と独立に軸方向(Y軸方向)に変位せしめて加圧バネ11を伸縮させ、各糸Tに付与する張力を個別に微調節して縫目を最適にコントロールする。
糸調子カム上25及び糸調子カム下26は、図3及び図4に示すように、両者の中心部をそれぞれ貫通する糸調子カム軸27により、ミシンフレーム1内に固定された取付土台14に回動自在に支持されている。すなわち、糸調子カム25及び糸調子カム26は、互いが同一軸上で上下に積層された状態で同回転可能に軸支されている。これら糸調子カム上25及び糸調子カム下26の周面には、周方向における起伏パターンの異なるカム面(カム部)が形成されている。なお、各糸調子カム25,26は、例えば、かがり縫い用や巻き縫い用、或いは、カバーステッチ用等、種々の縫目に合わせて、各糸調子ユニット110の糸調子皿8a,8bにおいて挟持される糸Tに付与する張力を最適とするように、所望のパターンのカム面を形成したものと交換することができる。
図3及び図4に示すように、接触子上19は、揺動により糸調子カム上25のカム面に当接可能に設けられ、接触子下20は、揺動により糸調子カム下26のカム面に当接可能に設けられている。
ここで、図3及び図4に基づき、糸調子カム上25又は糸調子カム下26により糸調子皿8の加圧力を調節するための動力伝達機構の構成について説明する。
図4に示すように、ミシンフレーム1内に固定された取付土台14にはZ軸方向に沿って糸調子腕支点軸15がカシメられている。この糸調子腕支点軸15には、下方から順に切替え腕下18の一端部と、糸調子腕16の中央部と、切替え腕上17の一端部とが、EリングによりそれぞれZ軸方向の移動が規制されると共に該糸調子腕支点軸15を支点に回動可能に組み付けられている。
ここで、図3及び図4に基づき、糸調子カム上25又は糸調子カム下26により糸調子皿8の加圧力を調節するための動力伝達機構の構成について説明する。
図4に示すように、ミシンフレーム1内に固定された取付土台14にはZ軸方向に沿って糸調子腕支点軸15がカシメられている。この糸調子腕支点軸15には、下方から順に切替え腕下18の一端部と、糸調子腕16の中央部と、切替え腕上17の一端部とが、EリングによりそれぞれZ軸方向の移動が規制されると共に該糸調子腕支点軸15を支点に回動可能に組み付けられている。
糸調子腕16は、その上部と下部とがそれぞれ所定の間隔をおいて平行に配設されたリンク部材であり、当該上部と下部とは互いの一辺の中央部に設けられた連結部において連結されて一体をなしている。この糸調子腕16は、先端(一端)部に糸調子皿8aに向けて突設された当接部を有し、該当接部において糸調子皿8aに当接するようになっている。また、糸調子腕16の他端部における上部と下部との間には、Z軸方向に沿う作動軸16bが設けられている。なお、上記所定の間隔、すなわち、糸調子腕16の上部と下部との距離は、該糸調子腕16が糸調子腕支点軸15を中心に揺動することで、それぞれの先端の当接部が何れも糸調子皿8に当接可能な距離となっている。
切替え腕上17は、その長手方向の中間に設けられた穴17bにおいて後述する切替えリンク上21の突起部21aと回動自在に嵌合しており、該切替えリンク上21の左右方向(Y軸方向)の動きに応じて糸調子腕支点軸15を中心に揺動される。同様に、切替え腕下18は、その長手方向の中間に設けられた穴18bにおいて後述する切替えリンク下22の突起部22aと回動自在に嵌合しており、該切替えリンク下22の左右方向(Y軸方向)の動きに応じて糸調子腕支点軸15を中心に揺動されるようになっている。
接触子上19は、その一端部に糸調子カム上25側に向けて突設された当接部を有し、長手方向の中間に設けられた接触子支点軸19aが切替え腕上17の他端部に設けられた穴17cに回動自在に嵌合されている。また、接触子上19は、その他端部に設けられたU字状の嵌合部19bにおいて糸調子腕16の作動軸16bに嵌合している。そして、接触子上19の当接部は、後述する切替えリンク上21の左右位置により、糸調子カム上25のカム面に対して離接移動するようにコントロールされる。かかる接触子上19は、Y軸方向に沿う切替えリンク上21の移動に伴う切替え腕上17の揺動により、接触子支点軸19aを中心に回動しつつ、嵌合部19bに嵌合された作動軸16bを介して糸調子腕16に糸調子腕支点軸15を中心とする回動力を付与するようになっている。
同様に、接触子下20は、その一端部に糸調子カム下26側に向けて突設された当接部を有し、長手方向の中間に設けられた接触子支点軸20aが切替え腕下18の他端部に設けられた穴18cに回動自在に嵌合されている。また、接触子20は、その他端部に設けられたU字状の嵌合部20bにおいて糸調子腕16の作動軸16bに嵌合している。そして、接触子下20の当接部は、後述する切替えリンク下22の左右位置により、糸調子カム下26のカム面に対して離接移動するようにコントロールされる。かかる接触子下20は、Y軸方向に沿う切替えリンク下22の移動に伴う切替え腕下18の揺動により、接触子支点軸20aを中心に回動しつつ、嵌合部20bに嵌合された作動軸16bを介して糸調子腕16に糸調子腕支点軸15を中心とする回動力を付与するようになっている。
次に、図5に基づき回転動作伝達機構120の構成について説明する。
図5に示すように、ミシンフレーム1のアーム部1c内に固定された取付土台31には、Y軸方向に沿って平行にダイヤル軸38、プーリー33及びプーリー34がそれぞれ回動自在に取り付けられている。ダイヤル軸38は、軸方向(スラスト方向)にも移動自在であり、このダイヤル軸38の一端には糸調子選択ダイヤル5が取り付けられている。そして、この糸調子選択ダイヤル5をミシンMの外側から操作することで、Y軸方向に沿ってダイヤル軸38を回転操作及び進退移動操作できるようになっている。
図5に示すように、ミシンフレーム1のアーム部1c内に固定された取付土台31には、Y軸方向に沿って平行にダイヤル軸38、プーリー33及びプーリー34がそれぞれ回動自在に取り付けられている。ダイヤル軸38は、軸方向(スラスト方向)にも移動自在であり、このダイヤル軸38の一端には糸調子選択ダイヤル5が取り付けられている。そして、この糸調子選択ダイヤル5をミシンMの外側から操作することで、Y軸方向に沿ってダイヤル軸38を回転操作及び進退移動操作できるようになっている。
かかるダイヤル軸38の他端にはギヤ36が取り付けられており、ギヤ36にはプーリー33のプーリーギヤ33bが歯合している。また、プーリー33のプーリー部33aとプーリー34との間にはタイミングベルト35が掛け渡されている。ギヤ30を支持する糸調子カム駆動軸29はY軸方向に沿って延在しており、この糸調子カム駆動軸29と上述した糸調子カム軸27とが、各軸29,27に固定されたギヤ30,28(かさ歯車)により連結されている。そして、オペレータの手動により糸調子選択ダイヤル5がY軸周りに回転操作されると、ダイヤル軸38、ギヤ36、プーリー33,34及びタイミングベルト35を介して糸調子カム駆動軸29がY軸周りに回転し、ギヤ30,28を介して糸調子カム軸27が回転する。これにより、各糸調子カム25,26が同時に同方向に回転することとなる。
つまり、ダイヤル軸38、ギヤ36、プーリー33,34、タイミングベルト35、糸調子カム駆動軸29及びギヤ28,30により、本発明の回転動作伝達機構120が構成されている。
つまり、ダイヤル軸38、ギヤ36、プーリー33,34、タイミングベルト35、糸調子カム駆動軸29及びギヤ28,30により、本発明の回転動作伝達機構120が構成されている。
次に、図5及び図6に基づきカム切替え機構130の構成について説明する。
図5に示すように、ダイヤル軸38には、切替え駆動腕37が取り付けられている。この切替え駆動腕37は、スラスト方向における両端部をEリングで位置決めされることで、ダイヤル軸38に対して軸方向に位置決めされると共に軸周り方向には回動自在に設けられている。かかる切替え駆動腕37には、Y軸方向と直交するほぼ水平方向に向けて軸部37a,37bが互いに逆向きに突設されている。そして、一方の軸部37aが、X軸方向に沿う支点軸24aによりミシンフレーム1内で揺動自在に支持された切替え駆動腕23の下端部に設けられた長穴23d内に嵌合している。つまり、糸調子選択ダイヤル5の軸方向(Y軸方向)に沿う進退移動操作により、ダイヤル軸38及び切替え駆動腕37の軸部37aを介して切替え駆動腕23の下端部が、該糸調子選択ダイヤル5と同じ方向に揺動されることとなる。
図5に示すように、ダイヤル軸38には、切替え駆動腕37が取り付けられている。この切替え駆動腕37は、スラスト方向における両端部をEリングで位置決めされることで、ダイヤル軸38に対して軸方向に位置決めされると共に軸周り方向には回動自在に設けられている。かかる切替え駆動腕37には、Y軸方向と直交するほぼ水平方向に向けて軸部37a,37bが互いに逆向きに突設されている。そして、一方の軸部37aが、X軸方向に沿う支点軸24aによりミシンフレーム1内で揺動自在に支持された切替え駆動腕23の下端部に設けられた長穴23d内に嵌合している。つまり、糸調子選択ダイヤル5の軸方向(Y軸方向)に沿う進退移動操作により、ダイヤル軸38及び切替え駆動腕37の軸部37aを介して切替え駆動腕23の下端部が、該糸調子選択ダイヤル5と同じ方向に揺動されることとなる。
かかる切替え駆動腕23の揺動中心である支点軸24aと該切替え駆動腕23の下端部との中間には、切替えリンク下40の一端が軸部23cによりX軸回りに回動自在に連結されている(図5及び図6参照)。また、切替え駆動腕23の上端部には、切替えリンク上39の一端が軸部23bによりX軸回りに回動自在に連結されている。
切替えリンク上39の他端には、切替えリンク上21の一端がX軸回りに回動自在に連結されている。切替えリンク上21はY軸方向に沿って延在しており、その中間部に設けられた長穴21bがミシンフレーム1内に固定された土台41の上面に突設された軸部41aと嵌合することで、Y軸方向に沿って移動可能に設けられている。かかる切替えリンク上21は、各糸調子ユニット110の切替え腕上17に設けられた長穴17bに嵌合する複数(本実施形態では4本)の突起部21aを備えている。そして、切替えリンク上21がY軸方向に移動すると、切替え腕上17が、Z軸方向に沿う糸調子腕支点軸15を中心に揺動(旋回)することとなる。
一方、切替えリンク下40の他端には、上記切替えリンク上39の場合と同様に、切替えリンク下22の一端がX軸周りに回動自在に連結されており、切替えリンク下22には、各糸調子ユニット110の切替え腕下18に設けられた長穴18bに嵌合する複数(本実施形態では4本)の突起部22aが設けられている。そして、切替えリンク下22がY軸方向に移動すると、切替え腕下18が、Z軸方向に沿う糸調子腕支点軸15を中心に揺動(旋回)することとなる。
ここで、切替えリンク上21と切替えリンク下22とは、切替え駆動腕23の揺動中心である支点軸24aを挟んで上下においてそれぞれ切替え駆動腕23に連結されているため、Y軸方向に沿う糸調子選択ダイヤル5の進退移動操作により切替え駆動腕23が揺動されると、Y軸方向に沿って互いに逆向きに移動するようになっている。従って、切替えリンク上21に連結されている切替え腕上17と切替えリンク下22に連結されている切替え腕下18とは、糸調子腕支点軸15を中心にして互いに逆向きに揺動する(図7及び図8参照)。すなわち、糸調子選択ダイヤル5を軸方向に沿って進退移動操作した際に、切替え腕上17に連結された接触子上19と、切替え腕下18に連結された接触子20とが互いに逆向きに旋回することで、一方の接触子(例えば、接触子上19)が対応する糸調子カム(例えば、糸調子カム上25)のカム面と係合する際(図7参照)には、他方の接触子(例えば、接触子下20)が対応する糸調子カム(例えば、糸調子カム下26)のカム面から離隔されるようになっている(図8参照)。また、逆の場合も同様である。
そして、糸調子カム上25又は糸調子カム下26のうち、接触子上19又は接触子下20の何れか一方と係合する糸調子カムのカム面による接触子(接触子上19又は接触子下20)及び糸調子腕16の変位に応じて、糸調子皿8aがY軸方向に移動され、加圧バネ11による糸調子皿8a,8bへの加圧力(糸調子)が変更されるようになっている。
そして、糸調子カム上25又は糸調子カム下26のうち、接触子上19又は接触子下20の何れか一方と係合する糸調子カムのカム面による接触子(接触子上19又は接触子下20)及び糸調子腕16の変位に応じて、糸調子皿8aがY軸方向に移動され、加圧バネ11による糸調子皿8a,8bへの加圧力(糸調子)が変更されるようになっている。
次に、スラスト位置検出スイッチ51及び回転検出センサー53について説明する。
図5に示すように、スラスト位置検出スイッチ51は、ミシンフレーム1内におけるダイヤル軸38の近傍であって、切替え駆動腕37の軸部37bと係合可能な位置に設けられている。このスラスト位置検出スイッチ51は、糸調子選択ダイヤル5を軸方向(Y軸方向)に進退移動操作することでY軸方向に移動する切替え駆動腕37の軸部37bによってON/OFF切替えられるようになっている。そして、このスラスト位置検出スイッチ51のON/OFFを示す出力信号が、後述する制御部60に送信されるようになっている(図10参照)。
図5に示すように、スラスト位置検出スイッチ51は、ミシンフレーム1内におけるダイヤル軸38の近傍であって、切替え駆動腕37の軸部37bと係合可能な位置に設けられている。このスラスト位置検出スイッチ51は、糸調子選択ダイヤル5を軸方向(Y軸方向)に進退移動操作することでY軸方向に移動する切替え駆動腕37の軸部37bによってON/OFF切替えられるようになっている。そして、このスラスト位置検出スイッチ51のON/OFFを示す出力信号が、後述する制御部60に送信されるようになっている(図10参照)。
回転検出センサー53は、図5に示すように、ミシンフレーム1内において糸調子カム駆動軸29に取り付けられた検出板52のスリットを読み取り可能な位置に設けられている。この回転検出センサー53は、糸調子選択ダイヤル5の回転操作による糸調子カム駆動軸29の回転角度を検出することで、対応する糸調子カム上25又は糸調子カム下26の回転角度を検出するためのものである。そして、この回転検出センサー53によって検出された糸調子カム駆動軸29の回転角度を示す出力信号が、後述する制御部60に送信されるようになっている(図10参照)。
ここで、本実施形態におけるスラスト位置検出スイッチ51及び回転検出センサー53は、後述する制御部60が、これらスラスト位置検出スイッチ51や回転検出センサー53からの検出信号に基づきロータリーソレノイド47(後述する)を駆動して微調整ダイヤル6を回転操作方向における原点位置に復帰させることにより、糸調子ギヤ12をY軸方向における進退移動操作方向の原点位置に復帰させる原点復帰動作の実行を入力する本発明の復帰指示入力手段として機能する。
次に、図9に基づき、微調整機構140の微調整ダイヤル6を一括して基準位置(原点位置)に復帰する復帰機構150の構成について説明する。
図9は、図2と同方向(図1におけるI方向)から見た復帰機構150の構成を示す概略図である。
この図9に示すように、微調整ダイヤル6には、当該微調整ダイヤル6と一体にギヤ部6aが設けられており、このギヤ部6aには略扇型の復帰ギヤ42のギヤ部が歯合している。この復帰ギヤ42は、支持軸9と平行に設けられた支持軸43によりY軸回りに回動自在に設けられている。また、復帰ギヤ42におけるギヤ部の中央部近傍の側面には突起部42aが設けられている。
かかる復帰機構150には、Y軸方向に沿う支持軸44により回動自在に支持された復帰リンク45,46が設けられている。各復帰リンク45,46は、その中間部において支持軸44に軸支されると共に、各々の一端が突起部42aの上下にそれぞれ配置され、各々の他端はロータリーソレノイド47の出力軸に設けられた略楕円状の復帰カム48の周面に当接している。そして、常にはバネ49の付勢力により、互いの一端部が復帰ギヤ42の突起部42aから離隔されるように付勢されている。一方、復帰リンク45,46は、ロータリーソレノイド47が駆動してその一端が閉じた際に、突起部42aを挟持して復帰ギヤ42を基準位置(原点位置)に復帰するようになっている。これにより、ギヤ部6aを介して微調整ダイヤル6が回動され、該微調整ダイヤル6が基準位置(原点位置:例えば、微調整ダイヤル6の目盛りをゼロ、或いは、所定の数値とする位置)に復帰することとなる。すなわち、復帰ギヤ42、復帰リンク45,46及びロータリーソレノイド47は、アクチュエータの駆動により微調整ダイヤル6を原点位置に復帰させる本発明の復帰手段として機能する。
図9は、図2と同方向(図1におけるI方向)から見た復帰機構150の構成を示す概略図である。
この図9に示すように、微調整ダイヤル6には、当該微調整ダイヤル6と一体にギヤ部6aが設けられており、このギヤ部6aには略扇型の復帰ギヤ42のギヤ部が歯合している。この復帰ギヤ42は、支持軸9と平行に設けられた支持軸43によりY軸回りに回動自在に設けられている。また、復帰ギヤ42におけるギヤ部の中央部近傍の側面には突起部42aが設けられている。
かかる復帰機構150には、Y軸方向に沿う支持軸44により回動自在に支持された復帰リンク45,46が設けられている。各復帰リンク45,46は、その中間部において支持軸44に軸支されると共に、各々の一端が突起部42aの上下にそれぞれ配置され、各々の他端はロータリーソレノイド47の出力軸に設けられた略楕円状の復帰カム48の周面に当接している。そして、常にはバネ49の付勢力により、互いの一端部が復帰ギヤ42の突起部42aから離隔されるように付勢されている。一方、復帰リンク45,46は、ロータリーソレノイド47が駆動してその一端が閉じた際に、突起部42aを挟持して復帰ギヤ42を基準位置(原点位置)に復帰するようになっている。これにより、ギヤ部6aを介して微調整ダイヤル6が回動され、該微調整ダイヤル6が基準位置(原点位置:例えば、微調整ダイヤル6の目盛りをゼロ、或いは、所定の数値とする位置)に復帰することとなる。すなわち、復帰ギヤ42、復帰リンク45,46及びロータリーソレノイド47は、アクチュエータの駆動により微調整ダイヤル6を原点位置に復帰させる本発明の復帰手段として機能する。
(表示装置)
表示装置50は、図1に示すように、アーム部1cにおけるオペレータの作業位置側(図1において紙面手前側)の側面部に設けられている。この表示装置50は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)によってその表示部が構成され、後述する制御部60により、例えば、かがり縫いや巻き縫い、或いは、カバーステッチ等の各種縫目が表示される。本実施形態における表示装置50は、スラスト位置検出スイッチ51や回転検出センサー53からの検出信号に基づく後述する制御部60からの出力信号により、糸調子選択ダイヤル5の回転操作或いは進退移動操作により設定される各糸調子ユニット110の糸挟持力(加圧力)の組み合わせに対応する縫目が表示されるようになっている。
表示装置50は、図1に示すように、アーム部1cにおけるオペレータの作業位置側(図1において紙面手前側)の側面部に設けられている。この表示装置50は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)によってその表示部が構成され、後述する制御部60により、例えば、かがり縫いや巻き縫い、或いは、カバーステッチ等の各種縫目が表示される。本実施形態における表示装置50は、スラスト位置検出スイッチ51や回転検出センサー53からの検出信号に基づく後述する制御部60からの出力信号により、糸調子選択ダイヤル5の回転操作或いは進退移動操作により設定される各糸調子ユニット110の糸挟持力(加圧力)の組み合わせに対応する縫目が表示されるようになっている。
(制御部の構成)
次に、図10に基づきミシンMにおける制御系の構成について説明する。
図10は、本実施形態における制御部60の構成を示す制御ブロック図である。
この図10に示すように、制御部60には、ミシンモータ66やロータリーソレノイド47等の駆動源と、スラスト位置検出スイッチ51及び回転検出センサー53等のセンサーや表示装置50などが接続されている。なお、図10は本発明に必要な構成のみ示したもので、制御部60は、その他の駆動源、センサー等も有している。
かかる制御部60は、CPU(Central Processing Unit)61、ROM(Read Only Memory)62、RAM(Random Access Memory)63、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)64に加えて、入出力インターフェース(I/Oインターフェース)65等から構成されている。
次に、図10に基づきミシンMにおける制御系の構成について説明する。
図10は、本実施形態における制御部60の構成を示す制御ブロック図である。
この図10に示すように、制御部60には、ミシンモータ66やロータリーソレノイド47等の駆動源と、スラスト位置検出スイッチ51及び回転検出センサー53等のセンサーや表示装置50などが接続されている。なお、図10は本発明に必要な構成のみ示したもので、制御部60は、その他の駆動源、センサー等も有している。
かかる制御部60は、CPU(Central Processing Unit)61、ROM(Read Only Memory)62、RAM(Random Access Memory)63、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)64に加えて、入出力インターフェース(I/Oインターフェース)65等から構成されている。
ROM62は、ミシンMにおけるかがり縫いや巻き縫い、或いは、カバーステッチ等の各種動作のための制御プログラムや制御データを記憶している。RAM63は、針落ちデータを含む縫製データ、各種検出データ、演算結果などを記憶するワークエリアとして機能する。EEPROM64には各種データが格納されている。CPU61は、ROM62中の制御プログラムや制御データに従って、RAM63をワークエリアすなわち作業領域としながら、各種センサーからの信号を基に、ミシンモータ66などの各駆動源を駆動し、かがり縫い等の一連の縫製動作を制御するとともに、表示装置50の表示制御なども行う。
そして、本実施形態における制御部60は、回転検出センサー53及びスラスト検出センサー51からの検出信号に基づき、糸調子選択ダイヤル5が軸回りの回転操作方向又は軸方向に沿う進退移動操作方向に操作された際に、ロータリーソレノイド47を駆動することで各糸調子ユニット110の微調整ダイヤル6を一括して原点位置に復帰させる制御処理を実行する。つまり、ROM62には回転検出センサー53やスラスト検出センサー51からの検出信号に基づきCPU61がロータリーソレノイド47を駆動するための制御プログラムが格納されており、CPU61は、回転検出センサー53やスラスト検出センサー51からの検出信号が検出されると、ROM62に格納された上記制御プログラムに基づきロータリーソレノイド47を駆動するための制御信号を出力する処理を実行する。
さらに、制御部60は、回転検出センサー53及びスラスト検出センサー51からの検出信号に基づき糸調子選択ダイヤル5で選択された各糸調子ユニット110の糸挟持力の組み合わせに対応する縫目を表示手段たる表示装置50に表示する本発明の縫目表示制御手段として機能する。
さらに、制御部60は、回転検出センサー53及びスラスト検出センサー51からの検出信号に基づき糸調子選択ダイヤル5で選択された各糸調子ユニット110の糸挟持力の組み合わせに対応する縫目を表示手段たる表示装置50に表示する本発明の縫目表示制御手段として機能する。
(糸通し動作)
次に、図11に示すフローチャートに基づき上記構成を備える糸通し装置100の動作説明を行う。
図示しない電源が投入されると、表示装置50がON状態となり(ステップS1)、CPU61によってミシン1で縫製可能な各種縫目が表示装置50に表示される。次いで、CPU61は、スラスト位置検出スイッチ51からの検出信号に基づき、糸調子選択ダイヤル5が軸方向に進退移動操作されたか否かの判断を行う(ステップS2)。このステップS2において、スラスト位置検出スイッチ51のON/OFF信号が変化したこと、すなわち、糸調子選択ダイヤル5が進退移動操作されたことが検出されると(ステップS2;Yes)、CPU61は、ロータリーソレノイド47を駆動して微調整ダイヤル6を原点位置に復帰させる制御を実行する(ステップS3)。また、CPU61は、ステップS3の原点復帰動作に続いて、スラスト位置検出スイッチ51と回転検出センサー53とからの検出信号に基づき、糸調子選択ダイヤル5で選択された各糸調子ユニット110の糸挟持力の組み合わせに対応する縫目を表示装置50に表示する制御を実行する(ステップS4)。その後、CPU61は、糸調子選択ダイヤル5が回転操作も進退移動操作もされないまま所定時間が経過すると(ステップS5;Yes)処理を終了し、所定時間が経過するまで(ステップS5;No)は再びステップS2に移行する。
ステップS2において、スラスト位置検出スイッチ51のON/OFF信号に変化がない場合(ステップS2;No)、CPU61は、回転検出センサー53からの検出信号に変化が生じたか否かの判断を行う(ステップS6)。そして、回転検出センサー53からの検出信号に変化があった場合(ステップS6;Yes)、CPU61は、ステップS3に以降した後、上記ステップS3以降と同様の処理を実行する。一方、ステップS6において回転検出センサー53からの検出信号に変化がない場合(ステップS6;No)、CPU61は、ステップS5に移行する。
次に、図11に示すフローチャートに基づき上記構成を備える糸通し装置100の動作説明を行う。
図示しない電源が投入されると、表示装置50がON状態となり(ステップS1)、CPU61によってミシン1で縫製可能な各種縫目が表示装置50に表示される。次いで、CPU61は、スラスト位置検出スイッチ51からの検出信号に基づき、糸調子選択ダイヤル5が軸方向に進退移動操作されたか否かの判断を行う(ステップS2)。このステップS2において、スラスト位置検出スイッチ51のON/OFF信号が変化したこと、すなわち、糸調子選択ダイヤル5が進退移動操作されたことが検出されると(ステップS2;Yes)、CPU61は、ロータリーソレノイド47を駆動して微調整ダイヤル6を原点位置に復帰させる制御を実行する(ステップS3)。また、CPU61は、ステップS3の原点復帰動作に続いて、スラスト位置検出スイッチ51と回転検出センサー53とからの検出信号に基づき、糸調子選択ダイヤル5で選択された各糸調子ユニット110の糸挟持力の組み合わせに対応する縫目を表示装置50に表示する制御を実行する(ステップS4)。その後、CPU61は、糸調子選択ダイヤル5が回転操作も進退移動操作もされないまま所定時間が経過すると(ステップS5;Yes)処理を終了し、所定時間が経過するまで(ステップS5;No)は再びステップS2に移行する。
ステップS2において、スラスト位置検出スイッチ51のON/OFF信号に変化がない場合(ステップS2;No)、CPU61は、回転検出センサー53からの検出信号に変化が生じたか否かの判断を行う(ステップS6)。そして、回転検出センサー53からの検出信号に変化があった場合(ステップS6;Yes)、CPU61は、ステップS3に以降した後、上記ステップS3以降と同様の処理を実行する。一方、ステップS6において回転検出センサー53からの検出信号に変化がない場合(ステップS6;No)、CPU61は、ステップS5に移行する。
次に、オペレータは、ミシンフレーム1の糸溝Sに糸Tを通して縫い始めの準備を行い、次に縫いたい縫目を表示装置50で確認する。
仮に、その縫いたい縫目が図5に示すA方向に糸調子選択ダイヤル5を引いて回転するポジションであるとする。この場合、まずオペレータにより糸調子選択ダイヤル5の進退移動操作の入力が行われることとなる。つまり、本実施形態では、該糸調子選択ダイヤル5がA方向に引かれる。すると、切替え駆動腕37の軸部37aも同一方向(A方向)に移動し、切替え駆動腕23が支点軸24aを中心に回動する。その際、切替え駆動腕23の上部(23b)はB方向に、下部23dはA方向に移動する(図6参照)。この動きにより各切替えリンク21,22は、互いに逆向きにスライドする(図7及び図8参照)。
その結果、上側に位置する切替えリンク上21が切替え腕上17をB方向に稼動させることで該切替え腕上17が糸調子腕支点軸15を中心に図7における反時計回り方向に回動する。この回動により接触子上19は糸調子カム上25側に寄せられ、該接触子上19の先端が糸調子カム上25のカム面に接触する。逆に下側の切替えリンク下22がA方向に稼動することで接触子下20が糸調子カム下26から離隔され、糸調子腕支点軸15を中心に退避位置に回動する。尚、このとき上側の接触子上19は、糸調子カム25と接触することで糸調子腕16を加勢していることとなるため、接触子下20が退避位置に回動しても位置変化はない。つまり、本実施形態では、糸調子選択ダイヤル5を矢印A方向にスライドさせると糸調子カム上25のカム面に応じて糸張力が設定されることとなり、逆に、糸調子選択ダイヤル5を矢印B方向にスライドさせると糸調子カム下26のカム面に基づき糸張力が設定されることとなる。
仮に、その縫いたい縫目が図5に示すA方向に糸調子選択ダイヤル5を引いて回転するポジションであるとする。この場合、まずオペレータにより糸調子選択ダイヤル5の進退移動操作の入力が行われることとなる。つまり、本実施形態では、該糸調子選択ダイヤル5がA方向に引かれる。すると、切替え駆動腕37の軸部37aも同一方向(A方向)に移動し、切替え駆動腕23が支点軸24aを中心に回動する。その際、切替え駆動腕23の上部(23b)はB方向に、下部23dはA方向に移動する(図6参照)。この動きにより各切替えリンク21,22は、互いに逆向きにスライドする(図7及び図8参照)。
その結果、上側に位置する切替えリンク上21が切替え腕上17をB方向に稼動させることで該切替え腕上17が糸調子腕支点軸15を中心に図7における反時計回り方向に回動する。この回動により接触子上19は糸調子カム上25側に寄せられ、該接触子上19の先端が糸調子カム上25のカム面に接触する。逆に下側の切替えリンク下22がA方向に稼動することで接触子下20が糸調子カム下26から離隔され、糸調子腕支点軸15を中心に退避位置に回動する。尚、このとき上側の接触子上19は、糸調子カム25と接触することで糸調子腕16を加勢していることとなるため、接触子下20が退避位置に回動しても位置変化はない。つまり、本実施形態では、糸調子選択ダイヤル5を矢印A方向にスライドさせると糸調子カム上25のカム面に応じて糸張力が設定されることとなり、逆に、糸調子選択ダイヤル5を矢印B方向にスライドさせると糸調子カム下26のカム面に基づき糸張力が設定されることとなる。
次に、糸調子選択ダイヤル5を回転操作して縫いたい縫目を選択する。ここで、縫目の選択は、糸調子選択ダイヤル5の軸方向への進退移動(スライド移動)操作と回転操作とによる当該糸調子選択ダイヤル5の位置に基づき決定される。すなわち、糸調子選択ダイヤル5を軸方向に進退移動(スライド移動)操作することで、使用する糸調子カム(糸調子カム上25又は糸調子カム下26の何れか一方)を選択すると共に、糸調子選択ダイヤル5を回転操作することで上記選択された糸調子カムを回転させ、該糸調子カムにおけるカム面のうち縫いたい縫目に適するカム面が接触子と当接するように選択設定するものである。
図5に示すように、糸調子選択ダイヤル5を回転させると、その回転駆動力がギヤ36、プーリーギヤ33b、プーリー部33a、タイミングベルト35、プーリー34へと伝達され、糸調子カム駆動軸29が回転する。そして、糸調子カム駆動軸29が回転すると、ギヤ30、28を介して糸調子カム軸27が回転して糸調子カム25,26が回転する。
糸調子カム25,26が回転すると、図7に示すカムの凹凸(ここでは25a)で接触子19を図中の矢印C方向に稼動させる。これにより、接触子上19は接触子支点軸19aを支点に回動し、糸調子腕16は糸調子腕支点軸15を支点に回動する。そして、糸調子腕16の先端が糸調子皿8をY軸方向に移動させ、縫目に適切な張力が付与されることとなる。尚、糸Tの種類によって糸張力が変化する為、その変化に対応して微調整ダイヤル6を回転させることで適切な張力を付与することができる。
図5に示すように、糸調子選択ダイヤル5を回転させると、その回転駆動力がギヤ36、プーリーギヤ33b、プーリー部33a、タイミングベルト35、プーリー34へと伝達され、糸調子カム駆動軸29が回転する。そして、糸調子カム駆動軸29が回転すると、ギヤ30、28を介して糸調子カム軸27が回転して糸調子カム25,26が回転する。
糸調子カム25,26が回転すると、図7に示すカムの凹凸(ここでは25a)で接触子19を図中の矢印C方向に稼動させる。これにより、接触子上19は接触子支点軸19aを支点に回動し、糸調子腕16は糸調子腕支点軸15を支点に回動する。そして、糸調子腕16の先端が糸調子皿8をY軸方向に移動させ、縫目に適切な張力が付与されることとなる。尚、糸Tの種類によって糸張力が変化する為、その変化に対応して微調整ダイヤル6を回転させることで適切な張力を付与することができる。
(実施形態の効果)
以上のように、本実施形態たるミシンの糸調子装置100によれば、円周に沿って複数のカム面が形成された二つの糸調子カム25,26を同一軸(糸調子カム軸27)上で同回転可能に軸支する構成としたことにより、糸調子カム25,26を大径化することなく各糸調子カム25,26のカム面による変位に応じて各糸調子皿8に付与する加圧力のパターンを従来よりも増加させることができる。その結果、種々の縫製パターンに応じて各糸Tを適切な加圧力で挟持することができるため、美しい縫目を得ることができる。
また、糸調子選択ダイヤル5で選択された各糸調子ユニット110の糸挟持力の組み合わせに対応する縫目が表示装置50に表示されるため、設定したい縫目を視覚により容易に把握することができる。従って、種々の縫目に対応するように各糸調子ユニットの糸調子皿に付与する加圧力を設定する張力設定動作の容易化を図ることができる。
以上のように、本実施形態たるミシンの糸調子装置100によれば、円周に沿って複数のカム面が形成された二つの糸調子カム25,26を同一軸(糸調子カム軸27)上で同回転可能に軸支する構成としたことにより、糸調子カム25,26を大径化することなく各糸調子カム25,26のカム面による変位に応じて各糸調子皿8に付与する加圧力のパターンを従来よりも増加させることができる。その結果、種々の縫製パターンに応じて各糸Tを適切な加圧力で挟持することができるため、美しい縫目を得ることができる。
また、糸調子選択ダイヤル5で選択された各糸調子ユニット110の糸挟持力の組み合わせに対応する縫目が表示装置50に表示されるため、設定したい縫目を視覚により容易に把握することができる。従って、種々の縫目に対応するように各糸調子ユニットの糸調子皿に付与する加圧力を設定する張力設定動作の容易化を図ることができる。
(その他)
なお、本実施形態では、二つのカム25,26を使用しているが、例えば、3枚以上のカムを同軸上に積層して設けるように構成してもよい。このようにすれば、さらに縫目パターンの増加に対応させることができる。
また、本実施形態たるミシンの糸調子装置100によれば、例えば、糸張力を調節するためのアクチュエータとしてパルスモータを採用し、表示画面上からタッチパネル等に設けられたボタン等(入力部)を押して糸張力の設定値を基準値に復帰させる構成とした場合と比較して操作性がよい。つまり、糸調子カム25,26を用いて機械的に構成したことにより、糸張力の設定にあたって糸調子選択ダイヤル5を片手でスライド及び回転操作するだけで済むため、効率的且つ容易に張力設定作業を行うことができる。また、糸調子ユニット110の数に応じて高価なパルスモータを多数使用することもないため、コストを低減することもできる。
なお、本実施形態では、二つのカム25,26を使用しているが、例えば、3枚以上のカムを同軸上に積層して設けるように構成してもよい。このようにすれば、さらに縫目パターンの増加に対応させることができる。
また、本実施形態たるミシンの糸調子装置100によれば、例えば、糸張力を調節するためのアクチュエータとしてパルスモータを採用し、表示画面上からタッチパネル等に設けられたボタン等(入力部)を押して糸張力の設定値を基準値に復帰させる構成とした場合と比較して操作性がよい。つまり、糸調子カム25,26を用いて機械的に構成したことにより、糸張力の設定にあたって糸調子選択ダイヤル5を片手でスライド及び回転操作するだけで済むため、効率的且つ容易に張力設定作業を行うことができる。また、糸調子ユニット110の数に応じて高価なパルスモータを多数使用することもないため、コストを低減することもできる。
1 ミシンフレーム
1a ベッド部
1b 縦胴部
1c アーム部
2 はずみ車
3 針棒
4 縫い針
5 糸調子選択ダイヤル(糸張力設定手段)
6 微調整ダイヤル
6a ギヤ部
7 中間ギヤ
8 糸調子皿
9,10,43,44 支持軸
11 糸調子ばね(加圧バネ,加圧手段)
12 糸調子ギヤ
13 支持体
14 取付土台
15 糸調子腕支点軸
16 糸調子腕
16a,17a,17c,18a,18c,23a 穴
16b 作動軸
17 切替え腕上
17b,18b,21b,23d 長穴
18 切替え腕下
19 接触子上
19a,20a 接触子支点軸
19b,20b 嵌合部
20 接触子下
21 切替えリンク上
21a,22a 突起部
21c 端部
22 切替えリンク下
23 切替え駆動腕
23b,23c 軸部
24 支点軸台
24a 支点軸
25 糸調子カム上(回転カム)
26 糸調子カム下(回転カム)
27 糸調子カム軸
28,30 ギヤ
29 糸調子カム駆動軸
31 取付土台
33,34 プーリー
33a プーリー部
33b プーリーギヤ
35 タイミングベルト
36 ギヤ
37 切替え駆動腕
37a 軸部
37b 突起部
38 ダイヤル軸
39 切替えリンク上
40 切替えリンク下
41 土台
41a,42a 突起部
42 復帰ギヤ
45,46 復帰リンク
47 ロータリーソレノイド(アクチュエータ)
48 復帰カム
49 バネ
50 表示装置(表示手段)
51 スラスト位置検出スイッチ(スラスト位置検出手段)
52 検出板(回転検出手段)
53 回転検出センサー(回転検出手段)
60 制御部(縫目表示制御手段,復帰制御手段)
61 CPU
62 ROM
63 RAM
65 I/Oインターフェース
66 ミシンモータ
100 糸調子装置(ミシンの糸調子装置)
110 糸調子ユニット
120 回転動作伝達機構(回転動作伝達手段)
130 カム切替え機構(カム切替え動作伝達手段)
140 微調整機構
150 復帰機構(復帰手段)
M ミシン
S 糸溝
T 糸
1a ベッド部
1b 縦胴部
1c アーム部
2 はずみ車
3 針棒
4 縫い針
5 糸調子選択ダイヤル(糸張力設定手段)
6 微調整ダイヤル
6a ギヤ部
7 中間ギヤ
8 糸調子皿
9,10,43,44 支持軸
11 糸調子ばね(加圧バネ,加圧手段)
12 糸調子ギヤ
13 支持体
14 取付土台
15 糸調子腕支点軸
16 糸調子腕
16a,17a,17c,18a,18c,23a 穴
16b 作動軸
17 切替え腕上
17b,18b,21b,23d 長穴
18 切替え腕下
19 接触子上
19a,20a 接触子支点軸
19b,20b 嵌合部
20 接触子下
21 切替えリンク上
21a,22a 突起部
21c 端部
22 切替えリンク下
23 切替え駆動腕
23b,23c 軸部
24 支点軸台
24a 支点軸
25 糸調子カム上(回転カム)
26 糸調子カム下(回転カム)
27 糸調子カム軸
28,30 ギヤ
29 糸調子カム駆動軸
31 取付土台
33,34 プーリー
33a プーリー部
33b プーリーギヤ
35 タイミングベルト
36 ギヤ
37 切替え駆動腕
37a 軸部
37b 突起部
38 ダイヤル軸
39 切替えリンク上
40 切替えリンク下
41 土台
41a,42a 突起部
42 復帰ギヤ
45,46 復帰リンク
47 ロータリーソレノイド(アクチュエータ)
48 復帰カム
49 バネ
50 表示装置(表示手段)
51 スラスト位置検出スイッチ(スラスト位置検出手段)
52 検出板(回転検出手段)
53 回転検出センサー(回転検出手段)
60 制御部(縫目表示制御手段,復帰制御手段)
61 CPU
62 ROM
63 RAM
65 I/Oインターフェース
66 ミシンモータ
100 糸調子装置(ミシンの糸調子装置)
110 糸調子ユニット
120 回転動作伝達機構(回転動作伝達手段)
130 カム切替え機構(カム切替え動作伝達手段)
140 微調整機構
150 復帰機構(復帰手段)
M ミシン
S 糸溝
T 糸
Claims (5)
- 糸を挟持する一対の糸調子皿と、この糸調子皿を加圧する加圧バネと、円周に沿って複数のカム面が形成され、回転によりカム面の切替えが可能な複数の回転カムと、前記各回転カムごとに設けられ、各回転カムのカム面による変位に応じて前記加圧バネを伸縮させて加圧力を調節するカム受け部材とを有し、前記各回転カムが同一軸上で同回転可能に軸支された複数の糸調子ユニットと、
進退移動操作と回転操作の入力により前記各糸調子ユニットの糸挟持力を一括して変換させる糸張力設定手段と、を備えることを特徴とするミシンの糸調子装置。 - 前記回転操作により前記各糸調子ユニットの各回転カムに回転動作を付与する回転動作伝達手段と、
前記進退移動操作により前記各糸調子ユニットの複数のカム受け部材のいずれか一つのみを回転カムに係合するように順次切替えるカム切替え動作伝達手段と、
を備えることを特徴とする請求項1記載のミシンの糸調子装置。 - 前記糸張力設定手段の進退移動操作を検出するスラスト位置検出手段と、
前記糸張力設定手段への回転操作量を検出する回転検出手段と、
前記スラスト位置検出手段及び回転検出手段からの検出信号に基づき前記糸張力設定手段で選択された前記各糸調子ユニットの糸挟持力の組み合わせに対応する縫目を表示手段に表示する縫目表示制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のミシンの糸調子装置。 - 前記各糸調子ユニットの糸挟持力をそれぞれ他と独立に調節する微調整手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項記載のミシンの糸調子装置。
- アクチュエータの駆動により前記微調整手段を回転操作方向における原点位置に復帰させる復帰手段と、
前記原点復帰動作の実行を入力する復帰指示入力手段とを備えることを特徴とする請求項4記載のミシンの糸調子装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007088044A JP2008245732A (ja) | 2007-03-29 | 2007-03-29 | ミシンの糸調子装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007088044A JP2008245732A (ja) | 2007-03-29 | 2007-03-29 | ミシンの糸調子装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008245732A true JP2008245732A (ja) | 2008-10-16 |
Family
ID=39971410
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007088044A Pending JP2008245732A (ja) | 2007-03-29 | 2007-03-29 | ミシンの糸調子装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008245732A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101920872A (zh) * | 2010-03-16 | 2010-12-22 | 青岛宏大纺织机械有限责任公司 | 自动络筒机的张力控制装置及张力调节方法 |
CN104860122A (zh) * | 2015-05-25 | 2015-08-26 | 苏州爱立方服饰有限公司 | 纱线换线棒用卷绕生产线 |
-
2007
- 2007-03-29 JP JP2007088044A patent/JP2008245732A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101920872A (zh) * | 2010-03-16 | 2010-12-22 | 青岛宏大纺织机械有限责任公司 | 自动络筒机的张力控制装置及张力调节方法 |
CN104860122A (zh) * | 2015-05-25 | 2015-08-26 | 苏州爱立方服饰有限公司 | 纱线换线棒用卷绕生产线 |
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