JP2008244315A - 光半導体装置の製造方法 - Google Patents

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誉貴 岩井
Tsutomu Miyajima
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Abstract

【課題】特に青色光を中心とした短波長光に対し、受光面における反射率が低減され、高受光感度特性となっている光半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】光半導体装置の製造方法は、基板101に受光素子を形成する工程(a)と、受光素子上にシリコン窒化膜104を形成する工程(b)と、基板101上に第1の絶縁膜105を形成する工程(c)と、第1の絶縁膜105を熱処理により平坦化する工程(d)と、受光素子上において、第1の絶縁膜105を開口してシリコン窒化膜104を露出させる工程(e)と、工程(e)の後に、シリコン窒化膜104に選択的に不純物を導入することにより、シリコン窒化膜104の屈折率を変化させる工程(f)とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ピックアップ装置等に用いられる光を電気に変換する受光素子に関するものである。
光半導体装置の代表的な素子である受光素子は、光信号を電気信号に変換する素子であり、様々な分野で用いられている。中でもCD、DVD等の光ディスク分野において、光ディスク上に記録されている信号を読み書きする光ピックアップ装置のキーデバイスとして重要である。ここで、受光素子には、高受光感度、高速及び低ノイズの特性が要求されている。
近年、光ディスクに対する大容量化に従って、青色レーザ(波長405nm)を光源として採用した、Blu-ray (BD)又はHD−DVDの製品化が開始され、青色レーザ対応した短波長領域において高速・高受光感度特性を有する受光素子が要請されている。また、高性能化・高集積化の要請により、受光素子であるフォトダイオードと、バイポーラトランジスタ、抵抗、容量等の各種電子素子とを同一基板上に混載したいわゆる光電子集積回路(OEIC)として構成される場合も多い。
以下、従来の光半導体装置とその製造方法について図面を参照して説明する。図9(a)〜(d)は、従来の光半導体装置を製造する際の各工程を示す断面図である。ここでは、半導体基板としてP型のシリコン基板1を用い、受光素子としてPN型フォトダイオード形成する場合を例示する。
従来の光半導体装置は図9(d)に示されている。つまり、低濃度P型のシリコン基板1に、N型のカソード層2と、P型のアノードコンタクト層3とが形成され、基板1上にはシリコン窒化膜4が形成されている。基板1とカソード層2とが受光素子(PN型フォトダイオード)として機能する。また、シリコン窒化膜4のうちのカソード層2上の部分は不純物の導入によって屈折率が変化した不純物導入シリコン窒化膜4aとなっている。
シリコン窒化膜4上には第1の絶縁膜5が形成され、アノードコンタクト層3及びカソード層2に達する電極18がそれぞれ形成されている。また、電極18を覆うように、第1の絶縁膜5上に第2の絶縁膜9が形成されている。
更に、第1の絶縁膜5及び第2の絶縁膜9がカソード層2上において開口され、該開口部分において不純物導入シリコン窒化膜4aの露出された部分が受光面8となっている。
このような光半導体装置が備える受光素子は、以下に説明するように動作する。まず、受光面8から光が入射した光はカソード層2及びアノードである基板1によって吸収され、電子・正孔対が発生する。このとき、電極18間に逆バイアスを印加すると、低不純物濃度であるP型の基板1の側に空乏層が広がる。該空乏層付近に発生した電子・正孔対のうち、電子はカソード層2に、正孔はアノードコンタクト層3に、それぞれ拡散又はドリフトにより分離されて到達し、これらのキャリア電極18により光電流として取り出される。
また、カソード層2上の部分のシリコン窒化膜の膜厚及び屈折率を調整することにより、受光面8の反射率を低減することが可能であり、該シリコン窒化膜をいわゆる反射防止膜として作用させることができる。例えば、DVDに用いられる赤色光(波長650nm)の光に対し、シリコン窒化膜の屈折率を2.00とすると、その反射率は約0.1%となり、ほとんどの光がシリコン窒化膜を透過する。これは、カソード層2上の部分のシリコン窒化膜に対して不純物の導入を行なわなかった場合に相当する。
しかしながら、BDに用いられる青色光(波長405nm)の光に対しては、シリコン基板1の屈折率が赤色光に対する屈折率よりも大きいため、不純物の導入を行なっていないシリコン窒化膜を用いた場合、受光面8における反射率は約2.3%に増大する。そこで、図9(d)に示す光半導体装置の場合、カソード層2上の部分のシリコン窒化膜4に対して不純物注入を行ない、不純物導入シリコン窒化膜4aとして屈折率を高めることが提案されている。このような従来の光半導体装置の製造方法を、以下に説明する。
図9(a)に示すように、シリコン基板1に対し、イオン注入等によりカソード層2とアノードコンタクト層3とを選択的に形成する。
次に、図9(b)に示す工程を行なう。まず、シリコン基板1上にシリコン窒化膜4(例えば、膜厚40nmで且つ屈折率2.00)をCVD法により形成する。次に、カソード層2上に開口を有するレジスト16をシリコン窒化膜4上に形成する。
その後、レジスト16をマスクとして、シリコン窒化膜4のうちのカソード層2上の部分に選択的に不純物を注入し、不純物導入シリコン窒化膜4aとする(例えば、不純物としてSbを用い、ドーズ量は5×1015cm-2とする)。これにより、不純物導入前には2.00であった屈折率が2.3に上昇する。この結果、青色光(波長405nm)に対する反射率は0.2%に低減し、高受光感度の受光素子を実現することができるとされている。
次に、図9(c)に示すように、レジスト16を除去した後、シリコン基板1上に第1の絶縁膜5を形成し、更に、例えば900℃の熱処理によりその表面を平坦化する。
更に、第1の絶縁膜5及びシリコン窒化膜4を貫通してカソード層2及びアノードコンタクト層3にそれぞれ達するように開口を設けた後、該開口にスパッタ法等によって電極18を形成する。続いて、配線形成工程におけるダメージの除去及び電極18のアロイ化のために、シンター処理する。
次に、図9(d)に示す工程を行なう。まず、第1の絶縁膜5及び電極18の上に第2の絶縁膜9を形成する。次に、カソード層2上方の部分の第1の絶縁膜5及び第2の絶縁膜9を選択的に除去し、不純物導入シリコン窒化膜4aを露出させる。露出した不純物導入シリコン窒化膜4aの表面は、光が入射する受光面8として機能する。以上により、図9(d)に示す従来の光半導体装置が製造される。
特開平9−298308号公報 特開2007−035958号公報
図9(b)の工程においてシリコン窒化膜4に対して不純物注入を行なうことにより得た不純物導入シリコン窒化膜4aは、先に述べた通り、その屈折率が2.3、青色光に対する反射率が0.2%であった。
しかし、その後に図9(c)及び(d)の工程を経て製造した光半導体装置において、前記の反射率から予期される受光感度が得られず、結果として高受光感度の光半導体装置を実現することができない場合が見受けられた。そのため、このことの解決が課題となっている。
以上の課題に鑑み、本発明は、反射防止膜の反射率低下を防止し、特に青色光に対して高受光感度の受光素子を備えた光半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
製造された光半導体装置において、予期した受光感度が実現されない理由を本願発明者等が検討した結果、次のような知見を得た。
シリコン窒化膜に対し不純物注入を行なって不純物導入シリコン窒化膜を得た時点において、屈折率の向上及び反射率の低減は確かに生じている。しかし、光半導体装置を製造するための後の工程において、一旦は向上した屈折率が低下し、その結果として反射率が増大する。
より具体的には、図9(a)〜(d)に説明した製造方法において、不純物導入シリコン窒化膜4aを得る図9(b)の工程の後に、第1の絶縁膜5の形成、その平坦化のための熱処理、第2の絶縁膜9の形成、電極18の形成後のシンター等、熱処理工程を実施する必要がある。しかし、シリコン窒化膜4への不純物導入により形成された不純物導入シリコン窒化膜4aに対して熱処理を行なうと、その屈折率が低下する。
図10に、このことについて例示している。これは、不純物としてSbを用いて注入(ドーズ量1×1015cm-2)を行なった場合の実験結果である。シリコン窒化膜を成長した直後(as-depo )には屈折率2.0、反射率3.1%であるのに対し、不純物の注入によって屈折率が2.1を越える程度まで上昇し、反射率は1.6%に低下する。しかし、平坦化のための熱処理(900℃)後には屈折率は2.0に低下し、反射率は4.3%と成長後(as-depo )よりも更に大きくなる。
高熱の熱処理を実施するほどこのような屈折率の低下量は大きくなり、不純物注入による屈折率増大の効果が失われる。特に、CVD法により形成されたシリコン窒化膜の場合、膜中には水素を含有しており、700℃以上の熱処理を行なうと水素の離脱が急激に発生する。これによってSi−H結合及びSi−N結合が減少するため、特に700℃以上の熱処理を行なうと不純物導入シリコン窒化膜の屈折率は顕著に低下する。
以下に説明する本発明の光半導体装置の製造方法は、このような本願発明者等が得た知見に基づくものである。
前記の目的を達成するため、本発明の光半導体装置の製造方法は、基板に受光素子を形成する工程(a)と、受光素子上を覆うように基板上にシリコン窒化膜を形成する工程(b)と、受光素子上を覆うように基板上に第1の絶縁膜を形成する工程(c)と、第1の絶縁膜を熱処理により平坦化する工程(d)と、受光素子上において、第1の絶縁膜を開口する工程(e)と、工程(e)の後に、前記開口に露出するシリコン窒化膜に選択的に不純物を導入することにより、シリコン窒化膜の屈折率を変化させる工程(f)とを含む。
本発明の光半導体装置の製造方法によると、第1の絶縁膜を熱処理により平坦化する工程(d)の後にシリコン窒化膜に対する不純物の導入工程(f)を行なうため、不純物導入により上昇したシリコン窒化膜の屈折率が工程(d)の熱処理によって低下するのを回避することができる。このためシリコン窒化膜の高い屈折率を安定して確保することができ、受光素子に光が入射する受光面の反射率を低減することができるため、受光素子の高感度化を実現することができる。特に、この効果は青色光に対して顕著である。
尚、工程(f)の後に、第1の絶縁膜上に配線を形成する工程と、第1の絶縁膜及び配線上に第2の絶縁膜を形成する工程と、受光素子上の部分において、第2の絶縁膜を開口してシリコン窒化膜を露出させる工程とを更に備えることが好ましい。
配線及びそれを覆う第2の絶縁膜を備える光半導体装置を製造するため、このようにしても良い。
また、工程(d)の後で且つ工程(e)の前に、第1の絶縁膜上に配線を形成する工程と、工程(f)の後に、第1の絶縁膜及び配線上に第2の絶縁膜を形成する工程と、受光素子上の部分において、第2の絶縁膜を開口してシリコン窒化膜を露出させる工程とを更に備えることが好ましい。
このようにすると、配線及びそれを覆う第2の絶縁膜を備える光半導体装置を製造することができる。また、配線を形成する工程はシンター処理(水素雰囲気下又は水素と窒素の混合ガス雰囲気下における熱処理)を伴うのが一般的であるが、この工程をシリコン窒化膜に対する不純物の導入工程(f)よりも前に行なうことにより、配線を形成する工程に関してシリコン窒化膜の屈折率低下を回避することができる。
また、工程(d)の後で且つ前記工程(e)の前に、第1の絶縁膜上に配線を形成する工程と、工程(e)の前に、第1の絶縁膜及び配線上に第2の絶縁膜を形成する工程とを更に備え、工程(e)において、第1の絶縁膜に加えて第2の絶縁膜を開口することが好ましい。
このようにすることによっても、配線及びそれを覆う第2の絶縁膜を備える光半導体装置を製造することができる。また、第2の絶縁膜を形成する工程は熱処理を伴う工程であるが、この工程をシリコン窒化膜への不純物の導入工程(f)よりも前に行なうため、第2の絶縁膜を形成する工程におけるシリコン窒化膜の屈折率低下を回避することができる。
また、工程(b)は、工程(e)の後で且つ工程(f)の前に行ない、工程(d)の後で且つ工程(e)の前に、第1の絶縁膜上に配線を形成する工程と、工程(e)の前に、第1の絶縁膜及び配線上に第2の絶縁膜を形成する工程とを更に備え、工程(e)において、第1の絶縁膜に加えて第2の絶縁膜を開口し、受光素子を露出させることが好ましい。
このようにすることによっても、配線及びそれを覆う第2の絶縁膜を備える光半導体装置を製造することができる。また、配線の形成工程及び第2の絶縁膜の形成工程をいずれもシリコン窒化膜への不純物の導入工程(f)よりも前に行なうため、これらの工程におけるシリコン窒化膜の屈折率低下を回避することができる。
更に、工程(e)において、受光素子上以外の部分のシリコン窒化膜は第2の絶縁間上に形成される。このため、基板に受光素子以外の素子を更に形成している場合に、それらの素子の性能にシリコン窒化膜が影響するのを防ぐことができる。
また、工程(c)の前に受光素子上に別のシリコン窒化膜を形成する工程を更に備え、工程(e)において、第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜に加えて別のシリコン窒化膜を開口し、受光素子を露出させることが好ましい。
このようにすると、基板のうちの受光素子上と他の部分とにおいて異なるシリコン窒化膜を設けることができる。
また、工程(f)において、イオン注入によって不純物の導入を行なうことが好ましい。シリコン窒化膜に対する不純物の導入は、このようにして行なうことができる。
また、工程(d)の熱処理は、700℃以上の温度をもって行なうことが好ましい。
CVD法により形成されたシリコン窒化膜は膜中に水素を含有しており、700℃以上の温度による熱処理を行なうと、膜中から水素の離脱が急激に発生すると共にSi−H結合及びN−H結合が減少する。これにより、不純物の導入によって屈折率が高められていたとしても、顕著に低下する。しかし、工程(d)の後にシリコン窒化膜への不純物導入工程(f)を行なうため、屈折率の低下を招くことなく工程(d)の熱処理を700℃以上の温度によって行なうことができる。
また、工程(b)の前に、受光素子上にシリコン酸化膜を形成する工程を更に備えることが好ましい。
このようにすると、受光素子が設けられた基板とシリコン窒化膜とが直に接するのを防ぎ、基板に加わる応力を低減することができる。また、シリコン酸化膜を熱酸化により形成するようにすると、基板とシリコン窒化膜との界面に比べて基板とシリコン酸化膜との界面におけるダングリングボンドは少なくなる。これらのことから、リーク電流(暗電流)が低減できる。
また、工程(f)においてシリコン窒化膜に導入する不純物のピーク濃度を1×1020atoms/cm3 以上とすることが好ましい。
シリコン窒化膜に導入する不純物の濃度を高くするほど屈折率の変化は大きくなる。特に、シリコン窒化膜におけるSi−N結合数(5〜10×1021atoms/cm3 )の数%に相当する1×1020atoms/cm3 以上の不純物を導入すると、屈折率の変化が顕著になる。
また、不純物がSbであることが好ましい。
屈折率の変化のためにシリコン窒化膜に導入する不純物の原子量が大きいほど、シリコン窒化膜におけるSi−N結合の切断の割合が増加し、屈折率の変動も大きくなる。よって、シリコン窒化膜の屈折率変更に関する自由度が高まり、少ないドーズ量によっても必要な屈折率を実現することができる。また、半導体プロセスにおいて標準的に用いられる不純物の中では、Sbが最も原子量が大きく且つ簡便である。
更に、Asを不純物として用いた場合にはN−H結合の切断が見られ、これによって屈折率の向上が妨げられていたのに対し、Sbを不純物とするとN−H結合の切断が少なく、屈折率向上に有利である。以上のような点から、不純物としてSbを用いるのがよい。
また、不純物がNe(ネオン)、Ar(アルゴン)、Xe(キセノン)、Kr(クリプトン)及びRn(ラドン)のうちの少なくとも1つの不活性元素であることが好ましい。
これらの不活性元素を用いると、シリコン窒化膜の屈折率を変化させるための不純物導入によって受光素子における不純物分布が影響されるのを防ぐことができる。これにより、光半導体装置の高速・高受光感度特性の安定した確保が可能となる。
以上に説明した通り、本発明に係る光半導体装置の製造方法によると、高温の熱処理の後にシリコン窒化膜への不純物の導入を行なうため、不純物導入により向上したシリコン窒化膜の屈折率が熱処理によって低下するのを回避することができる。このため、シリコン窒化膜の高屈折率を安定して確保し、その結果、受光面における反射率を低減することができる。これにより、受光素子の高受光感度化が実現しする。特に、青色光に代表される短波長領域において顕著な効果が得られる。
(第1の実施形態)
以下に、本発明の第1の実施形態に係る光半導体装置100の製造方法について、図面を参照して説明する。図1(a)〜(d)及び図2(a)〜(c)は、光半導体装置100を製造する各工程の要部断面を示す図である。
まず、本実施形態において製造する光半導体装置100は、図2(c)に示す構造を有する。つまり、光半導体装置100は低濃度P型のシリコンからなる基板101を用いて形成され、基板101上の別々の領域に、N型のカソード層102と、P型のアノードコンタクト層103とが選択的に形成されている。基板101上にはシリコン窒化膜104が形成されている。
ここで、P型の基板101とN型のカソード層102とによってPN接合が構成されており、受光素子(PN型フォトダイオード)として機能する。また、シリコン窒化膜104のうち、カソード層102上の部分は不純物の導入によって屈折率が変化されており、不純物導入シリコン窒化膜104aとなっている。
シリコン窒化膜104上には第1の絶縁膜105が形成され、シリコン窒化膜104と第1の絶縁膜105とを貫通して、アノードコンタクト層103及びカソード層102に達する電極118がそれぞれ形成されている。また、電極118を覆うように、第1の絶縁膜105上に第2の絶縁膜109が形成されている。
更に、第1の絶縁膜105及び第2の絶縁膜109がカソード層102上において選択的に除去され、開口が設けられている。該開口部分において不純物導入シリコン窒化膜104aの露出された部分が受光面108となっている。
このような構成を有する光半導体装置100は、次のように動作する。つまり、受光面108から光が入射すると、該光はカソード層102及びアノード層である基板101によって吸収され、電子・正孔対が発生する。また、電極118間に逆バイアスを印加すると、基板101とカソード層102との界面(PN接合部)に対し、低不純物濃度であるP型の基板101の側により大きく空乏層が広がる。該空乏層付近において発生した電子・正孔対のうち、電子はカソード層102に、正孔はアノードコンタクト層103に、それぞれ拡散又はドリフトにより分離されて到達し、これらのキャリアが電極118により光電流として取り出される。
次に、このような光半導体装置100の製造方法を説明する。初めに、図1(a)に示すように、P型の基板101の別々の領域に、N型のカソード層102と高濃度P型のアノードコンタクト層103とをイオン注入等の方法によって選択的に形成する。
次に、図1(b)に示す工程を行なう。まず、基板101上にシリコン窒化膜104をCVD法等により、例えば、膜厚40nm、屈折率2.0に形成する。続いて、シリコン窒化膜104上にCVD法等により第1の絶縁膜105を形成する。例えば、BPSG(boro-phospho-silicate glass )からなる膜厚500nmの膜とする。
その後、熱処理(例えば900℃の処理)を行ない、第1の絶縁膜105を平坦化する。
次に、図1(c)に示すように、平坦化された第1の絶縁膜105上にレジスト116を選択的に形成し、該レジスト116をマスクとして第1の絶縁膜105に対するウェットエッチングを行なう。これには、例えばバッファード弗酸を用いればよい。これにより、カソード層102上方の部分の第1の絶縁膜105を選択的に除去し、シリコン窒化膜104の上面を露出させる。
その後、図1(d)に示すように、露出したシリコン窒化膜104に対して不純物の導入を行なう。例えば、不純物としてSbを用い、ドーズ量5×1015cm-2のイオン注入を行なう。これにより、カソード層102上の部分のシリコン窒化膜104が不純物導入シリコン窒化膜104aとなり、その屈折率が上昇する。ここでは、2.0であった屈折率が不純物導入により2.3に上昇する。
次に、図2(a)の工程を行なう。まず、レジスト116をアッシング等により除去する。続いて、第1の絶縁膜105及びシリコン窒化膜104に対してカソード層102及びアノードコンタクト層103に達する開口を形成した後、それぞれの開口にスパッタ法等により電極118を形成する。例えばAlを材料とし、膜厚800nmに形成する。また、図示は省略しているが、電極118の形成に加えて配線の形成を行っても良い。
次に、このような電極118等を形成する工程(配線形成工程)において生じたダメージの除去及び電極118のアロイ化のためにシンター処理を行なう。
次に、図2(b)に示す通り、電極118及び第1の絶縁膜105を覆うように、第2の絶縁膜109を形成する。例えば、CVD法等を用い、TEOSにより膜厚1000nmに形成する。このとき、不純物導入シリコン窒化膜104a上も第2の絶縁膜109によって覆われる。
次に、図2(c)に示す通り、第2の絶縁膜109に対してウェットエッチング(例えばバッファード弗素による)を行ない、カソード層102上方の部分を選択的に除去して不純物導入シリコン窒化膜104aを露出させる。これにより、本実施形態の光半導体装置100が製造される。
以上に説明した製造方法において、第1の絶縁膜105を平坦化する熱処理よりも後に、シリコン窒化膜104にイオン注入を行なって不純物導入シリコン窒化膜104aとする工程を行なう。このため、イオン注入の後に高温(900℃)の熱処理工程を経ることを回避しており、不純物導入シリコン窒化膜104aの屈折率の低下を回避している。
本実施形態において、例えば、形成した時点のシリコン窒化膜104の屈折率は2.0、イオン注入後の不純物導入シリコン窒化膜104aの屈折率は2.3、最終工程における不純物導入シリコン窒化膜104aの屈折率は2.2である。このため、最終工程において受光面108の反射率は約0.8%となっており、受光素子の高受光感度化、特に青色光に対する高受光感度化が実現する。尚、従来、不純物を導入したシリコン窒化膜の屈折率は熱処理によって例えば2.0まで低下していた。
ここで、シリコン窒化膜104に不純物を注入すると屈折率が変動するメカニズムは、Si−N結合が不純物の注入によって切断されることにより、Si原子及びN原子の分極状態が変動し、その結果として屈折率が変化するというものと考えられる。また、不純物の注入後に熱処理を行なうと、Si原子とN原子とが再度結合するため、屈折率も元に戻るように変化するものと考えられる。
このようなことから、シリコン窒化膜104に注入する不純物の濃度を高くするほど屈折率の変化量が大きくなる。特に、シリコン窒化膜104中のSi−N結合数(5〜10x1021atoms/cm-3)の数%に相当する1×1020atoms/cm-3以上の濃度とすると、屈折率の顕著な変化が見られる。
また、原子量の大きい不純物を屈折率変化用の不純物として採用することにより、Si−N結合の切断の割合が増加し、屈折率の変動量も大きくなる。半導体プロセスにおいて標準的に用いられる不純物の中では、Sbが最も原子量が大きく且つ簡便に用いることができる。
また、屈折率変化用の不純物としてNe、Ar、Kr、Xe、Rnのような不活性元素を用いると、アノード層である基板101の低濃度P型不純物の不純物分布及びカソード層102の高濃度N型不純物の不純物分布に影響を与えない。よって、注入による特性の変動を防止できるから、受光素子の高速・高受光感度特性の安定した確保が可能となる。このような観点から、屈折率変化用の不純物として前記のような不活性元素を用いることも好ましい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る光半導体装置の製造方法(図2(c)に示す第1の実施形態の光半導体装置100の別の製造方法)について、図面を参照して説明する。図3(a)〜(d)は、本実施形態の製造方法を示す図である。
本実施形態の製造方法では、まず、第1の実施形態における図1(a)及び(b)に示したのと同様の工程を行なう。これにより、カソード層102及びアノードコンタクト層103が形成された基板101上にシリコン窒化膜104及び第1の絶縁膜105が積層され、第1の絶縁膜105は熱処理により平坦化されている構造が得られる。
次に、図3(a)に示すように、第1の絶縁膜105及びシリコン窒化膜104に対してカソード層102及びアノードコンタクト層103に達する開口を形成した後、それぞれの開口にスパッタ法等により電極118を形成する。例えばAlを材料とし、膜厚800nmに形成する。その後、配線形成工程において生じたダメージの除去及び電極118のアロイ化のためにシンター処理を行なう。
次に、図3(b)に示すように、レジスト116をマスクとして形成した後、ウェットエッチング(例えばバッファード弗素を用いる)により第1の絶縁膜105を選択的に除去してシリコン窒化膜104を露出させる。
次に、図3(c)に示すように、露出したシリコン窒化膜104に対して不純物の導入を行なう。例えば、不純物としてSbを用い、ドーズ量5×1015cm-2のイオン注入を行なう。これにより、カソード層102上の部分のシリコン窒化膜104が不純物導入シリコン窒化膜104aとなり、その屈折率が上昇する。ここでは、2.0であった屈折率が不純物導入により2.3に上昇する。
次に、図3(d)に示すように、レジスト116をアッシング等により除去した後、電極118及び第1の絶縁膜105を覆うように、第2の絶縁膜109を形成する。例えば、CVD法等を用い、TEOSにより膜厚1000nmに形成する。このとき、不純物導入シリコン窒化膜104a上も第2の絶縁膜109によって覆われる。
この後、第2の絶縁膜109に対してウェットエッチング(例えばバッファード弗素による)を行ない、カソード層102上方の部分を選択的に除去して不純物導入シリコン窒化膜104aを露出させると、図2(c)に示す光半導体装置100が製造される。
以上に説明した製造方法によると、第1の実施形態と同様、第1の絶縁膜105を平坦化する熱処理(例えば900℃)よりも後に、シリコン窒化膜104にイオン注入を行なって不純物導入シリコン窒化膜104aとする工程を行なう。これに加えて、配線形成の後のシンター処理についても、それよりも後に不純物導入シリコン窒化膜104aを得る工程を行なうようになっている。
第1の絶縁膜105の平坦化工程ほどの高温ではないが、シンター処理もまた熱処理(例えば400℃の処理)である。そのため、この工程よりも後に不純物の注入工程を行なうことにより、不純物導入シリコン窒化膜104aの屈折率低下を更に回避することができる。よって、更なる受光面108の低反射率化と、光半導体装置100の高受光感度化を実現することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る光半導体装置の製造方法について、図面を参照して説明する。図4(a)〜(c)は、本実施形態の製造方法を示す図である。製造する光半導体装置は、第2の絶縁膜109が第1の絶縁膜105の側面を覆うようになっていない点を除いて図2(c)に示す第1の実施形態の光半導体装置100とほぼ同様である。
本実施形態の製造方法では、まず、第1の実施形態における図1(a)及び(b)に示したのと同様の工程を行なう。これにより、カソード層102及びアノードコンタクト層103が形成された基板101上にシリコン窒化膜104及び第1の絶縁膜105が積層され、第1の絶縁膜105は熱処理により平坦化されている構造が得られる。
次に、図4(a)に示すように、第1の絶縁膜105及びシリコン窒化膜104に対してカソード層102及びアノードコンタクト層103に達する開口を形成した後、それぞれの開口にスパッタ法等により電極118を形成する。例えばAlを材料とし、膜厚800nmに形成する。その後、配線形成工程において生じたダメージの除去及び電極118のアロイ化のためにシンター処理を行なう。
次に、図4(b)に示す工程を行なう。まず、第1の絶縁膜105及び電極118を覆うように、第2の絶縁膜109を形成する。例えば、CVD法等を用いてTEOSにより膜厚1000nmに形成する。この後、第2の絶縁膜109上にレジスト116を選択的に形成し、該レジスト116をマスクとするウェットエッチング(例えばバッファード弗素を用いる)を行なう。これにより、カソード層102上方の部分の第1の絶縁膜105及び第2の絶縁膜109を除去してシリコン窒化膜104を表面に露出させる。
次に、図4(c)に示すように、露出したシリコン窒化膜104に対して不純物の導入を行なう。例えば、不純物としてSbを用い、ドーズ量5×1015cm-2のイオン注入を行なう。これにより、カソード層102上の部分のシリコン窒化膜104が不純物導入シリコン窒化膜104aとなり、その屈折率が上昇する。ここでは、2.0であった屈折率が不純物導入により2.3に上昇する。
この後、レジスト116をアッシング等により除去すると、本実施形態の光半導体装置(前述のように、図2(c)に示すのとほぼ同様の光半導体装置)が製造される。
以上に説明した製造方法によると、第2の実施形態の製造方法と同様、第1の絶縁膜105を平坦化する熱処理(例えば900℃)工程及び配線形成の後のシンター処理よりも後にシリコン窒化膜104にイオン注入を行なって不純物導入シリコン窒化膜104aとする工程を行なう。これに加えて、第2の絶縁膜109を形成する工程についても、それよりも後に不純物導入シリコン窒化膜104aを得る工程を行なうようになっている。
第2の絶縁膜109を形成する工程も熱処理(例えば300℃の処理)を伴うものであるから、この工程よりも後に不純物の注入工程を行なうことにより、不純物導入シリコン窒化膜104aの屈折率低下を更に回避することができる。よって、更なる受光面108の低反射率化と、光半導体装置100の高受光感度化を実現することができる。
具体例として、形成した時点のシリコン窒化膜104の屈折率は2.0、イオン注入後の不純物導入シリコン窒化膜104aの屈折率は2.3、最終工程における不純物導入シリコン窒化膜104aの屈折率は2.3である。最終工程の受光面108における反射率としては約0.2%となり、これが約0.8%であった第1の実施形態の場合よりも更に反射率が低減されている。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係る光半導体装置100aの製造方法について、図面を参照して説明する。図5(a)〜(c)及び図6(a)、(b)は、光半導体装置100aを製造する各工程の要部断面を示す図である。
まず、本実施形態において製造する光半導体装置100aは、図2(c)に示す第1の実施形態の光半導体装置100と比較すると、主としてシリコン窒化膜に関する構成が異なっている。つまり、図2(c)の光半導体装置100は単一のシリコン窒化膜104を有し且つそのうちカソード層102上方の部分が不純物導入シリコン窒化膜104aとなっている。これに対し、本実施形態の図6(c)の光半導体装置100aにおいて、基板101と第1の絶縁膜105との間に位置するシリコン窒化膜104に加え、カソード層102上と、第1の絶縁膜105及び第2の絶縁膜109の側面及び上方を覆うシリコン窒化膜111が備えられている。また、シリコン窒化膜111のうちのカソード層102上方の一部分は、不純物の導入により屈折率を変化された不純物導入シリコン窒化膜111aとなっている。
また、このような光半導体装置100aの動作は、不純物導入シリコン窒化膜104aに代えて不純物導入シリコン窒化膜111aが反射防止膜として働く点を除き、第1の実施形態の光半導体装置100と同様である。
次に、このような光半導体装置100aの製造方法を説明する。初めに、第1の実施形態における図1(a)及び(b)に示したのと同様の工程を行なう。これにより、カソード層102及びアノードコンタクト層103が形成された基板101上にシリコン窒化膜104及び第1の絶縁膜105が積層され、第1の絶縁膜105は熱処理により平坦化されている構造が得られる。
次に、図5(a)に示すように、第1の絶縁膜105及びシリコン窒化膜104に対してカソード層102及びアノードコンタクト層103に達する開口を形成した後、それぞれの開口にスパッタ法等により電極118を形成する。例えばAlを材料とし、膜厚800nmに形成する。その後、配線形成工程において生じたダメージの除去及び電極118のアロイ化のためにシンター処理を行なう。
次に、図5(b)に示すように、第1の絶縁膜105上に第2の絶縁膜109をCVD法等により形成する。その後、シリコン窒化膜104、第1の絶縁膜105及び第2の絶縁膜109に対してエッチング(ウェットエッチング又はドライエッチング)を行ない、カソード層102上方の部分を選択的に除去してカソード層102の表面を露出させる。
次に、図5(c)に示すように、表面の露出したカソード層102上及び第2の絶縁膜109上に、シリコン窒化膜111を形成する。これは、例えばCVD法を用いて膜厚40nmで且つ屈折率2.0に形成する。この際、第1の絶縁膜105及び第2の絶縁膜109の側面についてもシリコン窒化膜111によって覆われる。
次に、図6(a)に示すように、第2の絶縁膜109上の部分のシリコン窒化膜111上にレジスト116を形成する。その後、該レジスト116をマスクとして、カソード層102上方の部分のシリコン窒化膜111に対して不純物をイオン注入する。例えば、不純物としてSbを用い、ドーズ量5×1015cm-2とする。これにより、カソード層102上方の部分のシリコン窒化膜111は不純物導入シリコン窒化膜111aとなり、2.0であった屈折率が2.3に上昇する。
次に、図6(b)に示す通り、レジスト116をアッシング等により除去すると、本実施形態の光半導体装置100aが製造される。
本実施形態の光半導体装置の製造方法によると、第3の実施形態と同様、第1の絶縁膜105を平坦化する熱処理、配線形成後のシンター処理及び第2の絶縁膜109を形成する工程のいずれよりも後に、シリコン窒化膜111に不純物を注入する工程を行なう。これにより、不純物導入シリコン窒化膜111aの屈折率が熱処理によって低下するのを回避している。
また、シリコン窒化膜111は、カソード層102上方の部分(不純物導入シリコン窒化膜111aである部分)の他では第2の絶縁膜109上に位置している。このため、受光素子に加えてトランジスタ等を同一基板上に形成したいわゆるOEICにおいて、シリコン窒化膜111がトランジスタに影響するのを回避しながら受光素子に最適な反射防止膜の構造を実現することができる。これにより、更に高感度で且つ高速な高性能の受光素子を実現することができる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態に係る光半導体装置100bの製造方法について、図面を参照して説明する。図7(a)〜(c)及び図8(a)、(b)は、光半導体装置100bを製造する各工程の要部断面を示す図である。
まず、本実施形態において製造する光半導体装置100b(図8(b)に示す)は、図2(c)に示す第1の実施形態の光半導体装置100と比較すると、基板101と不純物導入シリコン窒化膜104aを含むシリコン窒化膜104との間にシリコン酸化膜113を更に備えている。
このことにより、基板101とシリコン窒化膜104とが直接に接するのを避けて、応力の発生を抑制している。また、後述のようにシリコン酸化膜113は熱酸化によって形成されるため、基板101とシリコン窒化膜104とが接している場合の界面に比べ、基板101とシリコン酸化膜113との界面におけるダングリングボンドは少なくなる。このことから、界面準位の低減によりリーク電流(暗電流)の低減が可能である。
次に、このような光半導体装置100bの製造方法を説明する。初めに、図7(a)の工程を行なう。つまり、基板101に対しイオン注入等の方法を用いてアノードコンタクト層103を選択的に形成する。その後、基板101上にシリコン酸化膜113を形成する。ここで、例えば、熱酸化等により膜厚10nmで且つ屈折率1.4の膜とする。更にその後、レジスト116aを形成してこれをマスクとして用い、イオン注入法等により不純物(例えばAs)を導入してカソード層102を選択的に形成する。
次に、図7(b)の工程を行なう。つまり、シリコン酸化膜113上に、シリコン窒化膜104を形成する。これは、例えばCVD法を用い、膜厚40nmで且つ屈折率2.0の膜として形成する。その後、シリコン窒化膜104上に、第1の絶縁膜105を形成する。これは、例えばCVD法により、BPSGを材料として膜厚500nmに形成する。その後、熱処理(例えば900℃の処理)を行ない、第1の絶縁膜105を平坦化する。
次に、図7(c)の工程を行なう。つまり、第1の絶縁膜105上にレジスト116を形成し、これをマスクとしてカソード層102上方の部分の第1の絶縁膜105を除去してシリコン窒化膜104の表面を露出させる。更に、表面の露出したシリコン窒化膜104に対し、選択的に不純物を導入する。例えば、イオン注入法により、不純物としてSbをドーズ量5×1015cm-2で導入する。これにより、カソード層102上方の部分のシリコン窒化膜104は不純物導入シリコン窒化膜104aとなり、2.0であった屈折率がこの例では2.3に上昇する。
次に、図8(a)の工程を行なう。つまり、レジスト116を除去した後、第1の絶縁膜105及びシリコン窒化膜104に対してカソード層102及びアノードコンタクト層103に達する開口を形成し、それぞれの開口にスパッタ法等により電極118を形成する。これは、例えばAlを材料とし、膜厚800nmに形成する。その後、配線形成工程において生じたダメージの除去及び電極118のアロイ化のためにシンター処理を行なう。
更に、電極118及び第1の絶縁膜105を覆うように、第2の絶縁膜109を形成する。例えば、CVD法等を用い、TEOSにより膜厚1000nmに形成する。このとき、不純物導入シリコン窒化膜104a上も第2の絶縁膜109によって覆われる。
次に、図8(b)に示すように、第2の絶縁膜109に対してウェットエッチング(例えばバッファード弗素による)を行ない、カソード層102上方の部分を選択的に除去して不純物導入シリコン窒化膜104aを露出させる。これにより、本実施形態の光半導体装置100が製造される。
本実施形態の光半導体装置の製造方法によると、第1の実施形態と同様、第1の絶縁膜105を平坦化する熱処理の後に不純物導入シリコン窒化膜111aを得ているため、熱処理による屈折率の低下を回避することができる。これに加えて、基板101上にシリコン酸化膜113を形成する前述の効果を得ることができる。
尚、実施形態2〜4においても、本実施形態と同様にシリコン酸化膜113を更に備える光半導体装置を製造することが可能である。
また、以上の各実施形態において、基板101としてシリコン基板を用いているが、これには限定されない。例えば、長波長域において広く用いられているゲルマニウム基板を用いても良いし、化合物半導体基板であっても良い。
また、アノード層として機能する基板101とカソード層102とを有するPN型フォトダイオードを受光素子として用いたが、PINフォトダイオード、アバランシェフォトダイオード等を用いる他の受光素子にも適用が可能である。
また、基板101がP型である構成を用いているが、N型の基板を用い、それぞれ導電型が逆になっている構成とすることも当然可能である。
更に、各構成要素について、形成方法及び寸法等はいずれも例示するものであって、記載内容に限定はされない。
また、受光素子が形成された受光領域についてのみ図示及び説明を行なっているが、受光領域に加えてトランジスタ、抵抗及び容量等の回路素子を同一基板上に形成した、いわゆるOEICに適用することも可能である。更に、レーザ素子などの発光素子を同一基板上に形成することも可能である。
また、熱処理を伴う各種の工程ついて、第1〜第5の実施形態中に説明したもの以外の工程についても、シリコン窒化膜に対する不純物導入の工程よりも後にに行なうのを避けることにより、不純物導入シリコン窒化膜の屈折率低下を避けることができる。特に、700℃以上の温度によって屈折率低下が顕著になるため、700℃以上の熱処理については不純物導入よりも前に行なうのがよい。
本発明は、高速・高受光感度特性を有し、特に、青色光を中心とした短波長域における受光感度を向上した光半導体装置の製造方法として有用である。
図1(a)〜(c)は、第1の実施形態に係る光半導体装置の製造方法を示す図である。 図2(a)〜(c)は、図1(c)に続き、第1の実施形態に係る光半導体装置の製造方法を示す図である。 図3(a)〜(d)は、第2の実施形態に係る光半導体装置の製造方法を示す図である。 図4(a)〜(d)は、第3の実施形態に係る光半導体装置の製造方法を示す図である。 図5(a)〜(c)は、第4の実施形態に係る光半導体装置の製造方法を示す図である。 図6(a)及び(b)は、図5(c)に続き、第4の実施形態に係る光半導体装置の製造方法を示す図である。 図7(a)〜(c)は、第5の実施形態に係る光半導体装置の製造方法を示す図である。 図8(a)及び(b)は、図7(c)に続き、第5の実施形態に係る光半導体装置の製造方法を示す図である。 図9(a)〜(d)は、従来の光半導体装置の製造方法を示す図である。 図10は、従来の光半導体装置におけるシリコン窒化膜の成長後、注入後及び熱処理後における屈折率及び反射率を示す図である。
符号の説明
100 光半導体装置
100a 光半導体装置
100b 光半導体装置
101 基板
102 カソード層
103 アノードコンタクト層
104 シリコン窒化膜
104a 不純物導入シリコン窒化膜
105 第1の絶縁膜
108 受光面
109 第2の絶縁膜
111 シリコン窒化膜
111a 不純物導入シリコン窒化膜
113 シリコン酸化膜
116 レジスト
116a レジスト
118 電極

Claims (12)

  1. 基板に受光素子を形成する工程(a)と、
    前記受光素子上を覆うように前記基板上にシリコン窒化膜を形成する工程(b)と、
    前記受光素子上を覆うように前記基板上に第1の絶縁膜を形成する工程(c)と、
    前記第1の絶縁膜を熱処理により平坦化する工程(d)と、
    前記受光素子上において、前記第1の絶縁膜を開口する工程(e)と、
    前記工程(e)の後に、前記開口に露出する前記シリコン窒化膜に選択的に不純物を導入することにより、前記シリコン窒化膜の屈折率を変化させる工程(f)とを含むことを特徴とする光半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記工程(f)の後に、前記第1の絶縁膜上に配線を形成する工程と、
    前記第1の絶縁膜及び前記配線上に第2の絶縁膜を形成する工程と、
    前記受光素子上の部分において、前記第2の絶縁膜を開口して前記シリコン窒化膜を露出させる工程とを更に備えることを特徴とする光半導体装置の製造方法。
  3. 請求項1において、
    前記工程(d)の後で且つ前記工程(e)の前に、前記第1の絶縁膜上に配線を形成する工程と、
    前記工程(f)の後に、前記第1の絶縁膜及び前記配線上に第2の絶縁膜を形成する工程と、
    前記受光素子上の部分において、前記第2の絶縁膜を開口して前記シリコン窒化膜を露出させる工程とを更に備えることを特徴とする光半導体装置の製造方法。
  4. 請求項1において、
    前記工程(d)の後で且つ前記工程(e)の前に、前記第1の絶縁膜上に配線を形成する工程と、
    前記工程(e)の前に、前記第1の絶縁膜及び前記配線上に第2の絶縁膜を形成する工程とを更に備え、
    前記工程(e)において、前記第1の絶縁膜に加えて前記第2の絶縁膜を開口することを特徴とする光半導体装置の製造方法。
  5. 請求項1において、
    前記工程(b)は、前記工程(e)の後で且つ前記工程(f)の前に行ない、
    前記工程(d)の後で且つ前記工程(e)の前に、前記第1の絶縁膜上に配線を形成する工程と、
    前記工程(e)の前に、前記第1の絶縁膜及び前記配線上に第2の絶縁膜を形成する工程とを更に備え、
    前記工程(e)において、前記第1の絶縁膜に加えて前記第2の絶縁膜を開口し、前記受光素子を露出させることを特徴とする光半導体装置の製造方法。
  6. 請求項5において、
    前記工程(c)の前に、前記受光素子上に別のシリコン窒化膜を形成する工程を更に備え、
    前記工程(e)において、前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜に加えて前記別のシリコン窒化膜を開口し、前記受光素子を露出させることを特徴とする光半導体装置の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一つにおいて、
    前記工程(f)において、イオン注入によって前記不純物の導入を行なうことを特徴とする光半導体装置の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一つにおいて、
    前記工程(d)の熱処理は、700℃以上の温度をもって行なうことを特徴とする光半導体装置の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一つにおいて、
    前記工程(b)の前に、前記受光素子上にシリコン酸化膜を形成する工程を更に備えることを特徴とする光半導体装置の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一つにおいて、
    前記工程(f)において前記シリコン窒化膜に導入する不純物のピーク濃度を1×1020atoms/cm3 以上とすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか一つにおいて、
    前記不純物がSbであることを特徴とする光半導体装置の製造方法。
  12. 請求項1〜10のいずれか一つにおいて、
    前記不純物がNe、Ar、Xe、Kr及びRnのうちの少なくとも1つの不活性元素であることを特徴とする光半導体装置の製造方法。
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