ところで、上記したメモリチップは、電源の消費量が大きいため、特許文献1に記載の配線基板上にMCMを搭載しようとした場合には、配線基板内に大電流供給用の供給経路を設ける必要がある。しかし、セラミックコンデンサは、スイッチングノイズを効果的に低減させるために、できるだけMCMの近く(具体的にはMCMの直下)に配置されている。また、セラミックコンデンサは、スイッチングノイズの低減のために、できるだけ大きく形成され、大容量化が図られている。
従って、MCMの中央部にあるメモリチップに対して大電流を供給するためには、例えば図20,図21に示されるような構成にすることが考えられる。即ち、セラミックコンデンサ201をMCM202のマイクロプロセッサチップ203ごとに設け、各セラミックコンデンサ201を離間配置するとともに、MCM202のメモリチップ204の下方に電流供給用導体205を配置する。ところが、電流供給用導体205を配置した分だけセラミックコンデンサ201の搭載領域が小さくなってしまうため、セラミックコンデンサ201を大きく形成することができず、大容量化が困難になる。また、MCM202を、高剛性で熱膨張率が小さいセラミックコンデンサ201によって確実に支持できなくなるため、MCM202に熱応力などの機械的ストレスが掛かってしまい、MCM202にクラックや接続不良が発生しやすくなる。
上記の問題を解決するために、各セラミックコンデンサ201を離間配置せずに、各セラミックコンデンサ201の搭載領域の外側を迂回してメモリチップ204に大電流を供給することが考えられる。しかし、大電流の供給経路が長くなるため、抵抗が大きくなってしまう。
そこで、各セラミックコンデンサ201を離間配置せずに、セラミックコンデンサ201内のコンデンサ内ビア導体206を介してメモリチップ204に大電流を供給することも考えられる。しかし、セラミックコンデンサ201内のコンデンサ内ビア導体206は、通常、あまり導電性が高くない金属材料(ニッケルなど)によって形成されているため、大電流の供給経路として利用することを避けたいという要望がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電子部品に大電流を供給できるとともに、コンデンサの容量を大きくすることができ、しかも、電子部品にかかる機械的ストレスを低減して信頼性の向上を図ることができるコンデンサ内蔵配線基板を提供することにある。
そして上記課題を解決するための手段としては、コア主面及びコア裏面を有し、少なくとも前記コア主面側にて開口する収容穴が形成されたコア基板と、コンデンサ主面及びコンデンサ裏面を有するとともに前記コンデンサ主面及び前記コンデンサ裏面を貫通する貫通孔を有する異型板状をなし、前記コア主面と前記コンデンサ主面とを同じ側に向けた状態で前記収容穴内に収容されたコンデンサと、前記コア裏面側及び前記コア主面側を導通させる電流供給用導体が形成され、前記コンデンサの貫通孔内にて前記コンデンサに囲まれるように配置された導体形成部と、層間絶縁層及び導体層を前記コア主面上にて積層してなり、電子部品を搭載可能な部品搭載領域がその表面に設定され、その部品搭載領域内に前記電流供給用導体と電気的に接続された第1接続端子部が配置され、その第1接続端子部を挟んで複数の第2接続端子部が配置された配線積層部とを備えることを特徴とするコンデンサ内蔵配線基板がある。
従って、上記手段に記載のコンデンサ内蔵配線基板によると、コンデンサに貫通孔が存在するため、コンデンサを分割したり小さくしたりしなくても、貫通孔内に導体形成部を無理なく配置できる。よって、導体形成部に形成された電流供給用導体と第1接続端子部とを介して、第1接続端子部が配置された部品搭載領域に搭載される電子部品に大電流を供給することができる。しかも、導体形成部の存在如何にかかわらず、コンデンサ主面の面積を大きくしたコンデンサを形成することができるため、コンデンサの容量が大きくなるとともに、部品搭載領域に搭載される電子部品がコンデンサによって確実に支持される。よって、部品搭載領域においては配線積層部が変形しにくくなるため、電子部品にかかる機械的ストレスを低減でき、コンデンサ内蔵配線基板の信頼性を向上させることができる。
上記コンデンサ内蔵配線基板を構成するコア基板は、例えばコア主面及びその反対側に位置するコア裏面を有する板状に形成されており、コンデンサを収容するための複数の収容穴を有している。これら収容穴は、コア主面側のみにて開口する非貫通穴であってもよく、あるいはコア主面側及びコア裏面側の両方にて開口する貫通穴であってもよい。また、コンデンサは、完全に埋設された状態で収容穴に収容されていてもよいし、一部分が収容穴の開口部から突出した状態で収容穴に収容されていてもよい。
コア基板を形成する材料は特に限定されないが、好ましいコア基板は高分子材料を主体として形成される。コア基板を形成するための高分子材料の具体例としては、例えば、EP樹脂(エポキシ樹脂)、PI樹脂(ポリイミド樹脂)、BT樹脂(ビスマレイミド・トリアジン樹脂)、PPE樹脂(ポリフェニレンエーテル樹脂)などがある。そのほか、これらの樹脂とガラス繊維(ガラス織布やガラス不織布)やポリアミド繊維等の有機繊維との複合材料を使用してもよい。
上記コンデンサ内蔵配線基板を構成するコンデンサは、コンデンサ主面及びコンデンサ側面を有するとともに前記コンデンサ主面及び前記コンデンサ裏面を貫通する貫通孔を有する異型板状をなしている。なお、コンデンサの平面視での形状としては、複数の辺を有するとともに貫通孔を有する平面視略多角形状であることが好ましい。平面視略多角形状としては、例えば、平面視略矩形状、平面視略三角形状、平面視略六角形状などを挙げることができるが、特には、一般的な形状である平面視略矩形状であることが好ましい。ここで、「平面視略矩形状」とは、平面視で完全な矩形状をいうのではなく、貫通孔を有しつつ、角部が面取りされた形状や、辺の一部が曲線となっている形状も含むものとする。
貫通孔の断面形状としては、断面円形状、断面略矩形状、断面略三角形状、断面略六角形状などを挙げることができるが、断面円形状であることが好ましい。この場合、貫通孔に角部が存在しないため、温度変化に伴う貫通孔の一部(角部)への応力集中を緩和できるため、貫通孔へのクラックの発生を防止できる。また、貫通孔の開口面積を小さくしやすいため、コンデンサ主面の面積を大きくしやすくなり、コンデンサの容量を大きくすることができる。なお、貫通孔は、切欠を介してコンデンサ側面の外側の領域に繋がっていてもよいし、繋がっていなくてもよい。なお、後者のほうが前者よりもコンデンサの機械的強度が高くなり、コンデンサが反りにくくなる。
貫通孔の位置は特に限定されないが、コンデンサの外周部に配置されるよりは、コンデンサの中央部に配置されることが好ましい。また、貫通孔は、1個のみ設けられていてもよいし、2個以上設けられていてもよい。なお、貫通孔が2個以上設けられている場合、貫通孔の直径は、貫通孔が1個のみである場合よりも小さいことが好ましい。
貫通孔の直径は、前記導体形成部の直径よりもやや大きいことが好ましい。また、貫通孔の直径は、コンデンサ主面を構成する辺のうち最も短い辺の長さの20%以上50%以下に設定されることが好ましい。仮に、貫通孔の直径が、コンデンサ主面を構成する最も短い辺の長さの20%未満であると、導体形成部に形成される前記電流供給用導体の径が小さくなりすぎてしまうため、電流供給用導体に大電流を流すことが困難になる。一方、貫通孔の直径が、コンデンサ主面を構成する最も短い辺の長さの50%よりも大きいと、コンデンサの機械的強度が低下し、コンデンサが反りやすくなる。さらに、前記コンデンサが複数のコンデンサ内ビア導体を有する場合、貫通孔の直径は、コンデンサ内ビア導体の直径よりも大きいことがよく、例えばコンデンサ内ビア導体の直径の5倍以上に設定されることがよい。
また、好適なコンデンサの例としては、チップコンデンサや、誘電体層を介して複数の内部電極層が積層配置された構造を有し、前記複数の内部電極層に接続される複数のコンデンサ内ビア導体と、前記複数のコンデンサ内ビア導体における少なくとも前記コンデンサ主面側の端部に接続された複数の表層電極とを備えるコンデンサなどを挙げることができる。なお、前記コンデンサは、複数のコンデンサ内ビア導体を有し、前記複数のコンデンサ内ビア導体が全体としてアレイ状に配置されたビアアレイタイプのコンデンサであることが好ましい。このような構造であれば、コンデンサのインダクタンスの低減化が図られ、ノイズ吸収や電圧安定化が可能となる。また、コンデンサ全体の小型化が図りやすくなり、ひいてはコンデンサ内蔵配線基板全体の小型化も図りやすくなる。しかも、小さい割りに高静電容量が達成しやすく、より安定した電源供給が可能となる。
コンデンサを構成する誘電体層としては、セラミック誘電体層、樹脂誘電体層、セラミック−樹脂複合材料からなる誘電体層などが挙げられる。前記セラミック誘電体層としては、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ほう素、炭化珪素、窒化珪素などといった高温焼成セラミックの焼結体が好適に使用されるほか、ホウケイ酸系ガラスやホウケイ酸鉛系ガラスにアルミナ等の無機セラミックフィラーを添加したガラスセラミックのような低温焼成セラミックの焼結体が好適に使用される。この場合、用途に応じて、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウムなどの誘電体セラミックの焼結体を使用することも好ましい。誘電体セラミックの焼結体を使用した場合、静電容量の大きなコンデンサを実現しやすくなる。また、前記樹脂誘電体層としては、エポキシ樹脂、接着剤を含んだ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)などの樹脂が好適に使用される。さらに、前記セラミック−樹脂複合材料からなる誘電体層としては、セラミックとして、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウムなどが好適に使用され、樹脂材料として、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂、及び、ニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴムなどのラテックスが好適に使用される。
前記内部電極層、前記コンデンサ内ビア導体、前記表層電極としては特に限定されないが、例えば誘電体層がセラミック誘電体層である場合にはメタライズ導体であることが好ましい。なお、メタライズ導体は、金属粉末を含む導体ペーストを従来周知の手法、例えばメタライズ印刷法で塗布した後に焼成することにより、形成される。同時焼成法によってメタライズ導体及びセラミック誘電体層を形成する場合、メタライズ導体中の金属粉末は、セラミック誘電体層の焼成温度よりも高融点である必要がある。例えば、セラミック誘電体層がいわゆる高温焼成セラミック(例えばアルミナ等)からなる場合には、メタライズ導体中の金属粉末として、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、マンガン(Mn)等やそれらの合金が選択可能である。セラミック誘電体層がいわゆる低温焼成セラミック(例えばガラスセラミック等)からなる場合には、メタライズ導体中の金属粉末として、銅(Cu)または銀(Ag)等やそれらの合金が選択可能である。
上記コンデンサ内蔵配線基板を構成する導体形成部は、前記コア裏面側及び前記コア主面側を導通させる電流供給用導体が形成され、前記コンデンサの貫通孔内にて前記コンデンサに囲まれるように配置されている。なお、導体形成部は、コンデンサの貫通孔内にてコンデンサに完全に囲まれていてもよいし、完全に囲まれていなくてもよい。導体形成部を形成する材料は特に限定されないが、好ましい導体形成部は高分子材料を主体として形成される。導体形成部を形成するための高分子材料の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂などがある。そのほか、これらの樹脂とガラス繊維(ガラス織布やガラス不織布)やポリアミド繊維等の有機繊維との複合材料を使用してもよい。なお、導体形成部は、コア基板と同じ材料によって形成されることが好ましい。このようにすれば、導体形成部を形成するにあたり、コア基板を形成する材料とは別の材料を準備しなくても済むため、コンデンサ内蔵配線基板を低コストで製造することができる。また、導体形成部をコア基板の一部として形成することが容易になる。
前記導体形成部は、前記コア基板の一部であってもよいし、前記コア基板と別体で構成されたものであってもよい。仮に、前記導体形成部が前記コア基板の一部であれば、導体形成部を形成するにあたり、コア基板を形成する材料とは別の材料を準備しなくても済むため、コンデンサ内蔵配線基板を低コストで製造することができる。一方、前記導体形成部が前記コア基板と別体で構成されたものであれば、導体形成部の構成をコア基板とは全く異なるものにすることができるため、導体形成部の設計の自由度が高くなる。
前記電流供給用導体を形成する材料としては特に限定されないが、例えば、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、スズ、スズ合金、導電性を有する樹脂ペースト等の使用が好適である。なお、電流供給用導体を形成する手法としては、めっき法が、簡単かつ低コストという理由で好適である。しかし、めっき法以外にも、例えば、スパッタリング、CVD、真空蒸着などといった手法を採用することも可能である。また、電流供給用導体を形成する材料に導電性を有する樹脂ペーストを用いた場合、コア主面側及びコア裏面側の両方にて開口する穴に対して穴埋め印刷を行うなどの手法が好適に用いられる。
なお、前記電流供給用導体は、前記複数のコンデンサ内ビア導体よりも導電性の高い金属材料を用いて形成されていることが好ましい。仮に、電流供給用導体が、コンデンサ内ビア導体と導電性が等しい金属材料、または、コンデンサ内ビア導体よりも導電性の低い金属材料を用いて形成されている場合、コンデンサ内ビア導体の代わりに電流供給用導体を大電流の供給経路として用いることの意義(導電性の向上)がなくなってしまう。なお、コンデンサ内ビア導体が例えばニッケルを用いて形成されている場合、電流供給用導体を形成する金属材料としては、ニッケルよりも導電体の高い金属材料である銅や銀などを用いることが好ましく、特に、低コストの金属材料である銅を用いることがより好ましい。
また、前記電流供給用導体は、電子部品に対して信号を送るためのシグナル配線を構成していないことが好ましい。このようにすれば、導体形成部に電流を流すための配線のみを形成できるため、導体形成部の大型化を回避しつつ、導体形成部に多くの(または径が大きな)電流供給用導体を形成することができる。仮に、電流供給用導体がシグナル配線を構成すると、電流供給用導体(シグナル配線)とコンデンサとが互いに接近して配置される。この場合、シグナル配線から発生する電磁波がノイズとしてコンデンサの導体に取り込まれ、ノイズ障害が発生する可能性がある。その結果、適切な電源供給の妨げとなることが懸念される。また、コンデンサの導体から発生する電磁波がノイズとしてシグナル配線に取り込まれることにより、ノイズ障害が発生する可能性もある。
上記コンデンサ内蔵配線基板を構成する配線積層部は、高分子材料を主体とする層間絶縁層及び導体層を積層してなり、電子部品を搭載可能な部品搭載領域がその表面に設定され、その部品搭載領域内に前記電流供給用導体と電気的に接続された第1接続端子部が配置され、その第1接続端子部を挟んで複数の第2接続端子部が配置されている。なお、電子部品側の端子群とコンデンサ側の端子群とでは端子間ピッチに大きな差があるが、配線積層部を設けることで、複数の第2接続端子部を介して電子部品とコンデンサとを容易に接続できる。また、配線積層部は、前記コア主面上にのみ形成されるが、さらに前記コア裏面上にも配線積層部と同じ構造の積層部が形成されていてもよい。このように構成すれば、コア主面上に形成された配線積層部のみではなく、コア裏面上に形成された積層部にも電気回路を形成できるため、コンデンサ内蔵配線基板のよりいっそうの高機能化を図ることができる。
なお、前記電流供給用導体の端部には、前記電流供給用導体よりも径が大きい電流供給用接続パッドが設けられていることが好ましい。このようにすれば、電流供給用導体と第1接続端子部とを直接接続する場合に比べて、両者の確実な接続を図ることができる。また、電流供給用接続パッドの径が電流供給用導体の径よりも大きいため、電流供給用導体及び第1接続端子部からなる電流供給用の経路の低抵抗化を図ることができる。さらに、電流供給用接続パッドの径が電流供給用導体の径よりも大きいため、電流供給用接続パッド上にビア導体を形成する場合に、ビア導体の形成位置に多少誤差があったとしても、電流供給用接続パッドとビア導体とを確実に接続することができる。
前記層間絶縁層は、絶縁性、耐熱性、耐湿性等を考慮して適宜選択することができる。層間絶縁層を形成するための高分子材料の好適例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂等が挙げられる。そのほか、これらの樹脂とガラス繊維(ガラス織布やガラス不織布)やポリアミド繊維等の有機繊維との複合材料、あるいは、連続多孔質PTFE等の三次元網目状フッ素系樹脂基材にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させた樹脂−樹脂複合材料等を使用してもよい。
前記導体層を形成する材料としては特に限定されないが、例えば、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、スズ、スズ合金、導電性を有する樹脂ペースト等の使用が好適である。また、前記第1接続端子部、前記第2接続端子部及び前記電流供給用接続パッドを形成する材料としては特に限定されないが、上記の導体層を形成する材料と同じ材料の使用が好適である。このようにすれば、第1接続端子部、第2接続端子部及び電流供給用接続パッドの形成を配線積層部の形成と同時に実施することができる。特に、導体層、第1接続端子部、第2接続端子部及び電流供給用接続パッドを形成する材料としては、低抵抗の銅を用いることが好ましい。
なお、第1接続端子部(及び電流供給用接続パッド)は、前記電流供給用導体と導電性が等しい金属材料、または、前記電流供給用導体よりも導電性の高い金属材料を用いて形成されることが好ましい。仮に、第1接続端子部(及び電流供給用接続パッド)が、前記電流供給用導体よりも導電性の低い金属材料を用いて形成されていると、電流供給用導体(及び電流供給用接続パッド)や第1接続端子部からなる電流供給用の経路の抵抗が高くなってしまい、電子部品に大電流を効率良く供給できなくなる。
前記電子部品としては、コンピュータのマイクロプロセッサ等として使用される半導体集積回路素子(ICチップ)、複数のマイクロプロセッサチップを中継基板上に搭載してなるマルチ・チップ・モジュール(MCM)、半導体製造プロセスで製造されたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子などを挙げることができる。MCMの一形態としては、複数のマイクロプロセッサチップ(演算処理回路部)と、複数のマイクロプロセッサチップよりも大きな電流の供給を必要とし、マイクロプロセッサチップにより共通で使用されるメモリチップ(共用回路部)とを中継基板上に搭載してなるものを挙げることができる。
なお、上記の電子部品は、前記部品搭載領域に例えばフリップチップ実装される。「部品搭載領域」とは、配線積層部の表面上において端子パッド群が配置されている領域をいう。
また、前記複数の第2接続端子部は、前記電子部品が有する複数の演算処理回路部に対してそれぞれ電気的に接続され、前記第1接続端子部は、前記複数の演算処理回路部によって共同で使用され、前記複数の演算処理回路部よりも大きな電流の供給を必要とする共用回路部に対して電気的に接続されることが好ましい。このようにすれば、演算処理回路部を、第2接続端子部を介してコンデンサに対して確実に接続できる。また、共用回路部を、第1接続端子部を介して電流供給用導体に確実に接続できる。
以下、本発明のコンデンサ内蔵配線基板を具体化した一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1に示されるように、本実施形態のコンデンサ内蔵配線基板(以下「配線基板」という)10は、電子部品搭載用の配線基板である。配線基板10は、略矩形板状のコア基板11と、コア基板11のコア主面12(図1では上面)上に形成される第1ビルドアップ層31(配線積層部)と、コア基板11のコア裏面13(図1では下面)上に形成される第2ビルドアップ層32とからなる。
コア基板11のコア主面12上に形成された第1ビルドアップ層31は、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)からなる2層の樹脂絶縁層33,35(いわゆる層間絶縁層)と、銅からなる導体層42とを交互に積層した構造を有している。第2層の樹脂絶縁層35内における複数箇所にはビア導体43が形成されている。各ビア導体43の下端となる箇所は、樹脂絶縁層33の表面上に形成された導体層42に接続されており、各ビア導体43の上端となる箇所は、樹脂絶縁層35の表面上に形成された導体層42に接続されている。また、第2層の樹脂絶縁層35の表面上における複数箇所には、端子パッド44がアレイ状に形成されている。さらに、樹脂絶縁層35の表面は、ソルダーレジスト37によってほぼ全体的に覆われている。ソルダーレジスト37の所定箇所には、端子パッド44を露出させる開口部46が形成されている。端子パッド44の表面上には、複数のはんだバンプ45が配設されている。各はんだバンプ45は、電子部品であるマルチ・チップ・モジュール(以下「MCM」という)21の面接続端子22に電気的に接続されている。なお、各端子パッド44及び各はんだバンプ45からなる領域は、MCM21を搭載可能な部品搭載領域23である。部品搭載領域23は、第1ビルドアップ層31の表面39に設定されている。
図1〜図3等に示されるように、本実施形態のMCM21は、縦25mm×横28mmの平面視略矩形板状である。MCM21は、矩形平板状をなす中継基板27上に、2つのマイクロプロセッサチップ24,25(演算処理回路部)と、1つのメモリチップ26(共用回路部)とを搭載した構造を有している。中継基板27は、下面に複数の面接続端子22を備えるとともに、面接続端子22とメモリチップ26とを接続する第1導体部(図示略)と、面接続端子22とマイクロプロセッサチップ24,25とを接続する第2導体部(図示略)とを備えている。各マイクロプロセッサチップ24,25は、矩形平板状をなし、中継基板27の外周部においてメモリチップ26を挟むように配置されている。各マイクロプロセッサチップ24,25は、各種演算処理を行うための回路部である。一方、メモリチップ26は、矩形平板状をなし、中継基板27の中央部に配置されている。メモリチップ26は、各マイクロプロセッサチップ24,25での演算処理結果を記憶するために、各マイクロプロセッサチップ24,25によって共同で使用される回路部である。なお、メモリチップ26は、マイクロプロセッサチップ24,25よりも大きな電流の供給が必要である。
図1に示されるように、コア基板11のコア裏面13上に形成された第2ビルドアップ層32は、上述した第1ビルドアップ層31とほぼ同じ構造を有している。即ち、第2ビルドアップ層32は、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)からなる2層の樹脂絶縁層34,36と、導体層42とを交互に積層した構造を有している。第1層の樹脂絶縁層34内における複数箇所にはビア導体47が形成されている。各ビア導体47の下端となる箇所は、樹脂絶縁層34の表面上に形成された導体層42に接続されている。第2層の樹脂絶縁層36内における複数箇所にはビア導体43が形成されており、樹脂絶縁層36の下面上において各ビア導体43の下端となる箇所には、ビア導体43を介して導体層42に電気的に接続されるPGA用パッド48が格子状に形成されている。また、樹脂絶縁層36の下面は、ソルダーレジスト38によってほぼ全体的に覆われている。ソルダーレジスト38の所定箇所には、PGA用パッド48を露出させる開口部40が形成されている。PGA用パッド48の表面上には、図示しないマザーボードとの電気的な接続を図るための複数のピン49がはんだ付けによって接続されている。そして、各ピン49により、図1に示される配線基板10は図示しないマザーボード上に実装される。
図1,図4に示されるように、本実施形態のコア基板11は、縦50.0mm×横50.0mm×厚さ1.0mmの平面視略矩形板状である。コア基板11は、ガラスエポキシからなる基材161と、基材161の上面及び下面に形成され、シリカフィラーなどの無機フィラーを添加したエポキシ樹脂からなるサブ基材164と、同じく基材161の上面及び下面に形成され、銅からなる導体層163とによって構成されている。また、コア基板11には、銅からなる複数のスルーホール導体16がコア主面12、コア裏面13及び導体層163を貫通するように形成されている。かかるスルーホール導体16は、コア基板11のコア主面12側とコア裏面13側とを接続導通するとともに、導体層163に電気的に接続している。なお、スルーホール導体16の内部は、例えばエポキシ樹脂などの閉塞体17で埋められている。また、コア基板11のコア主面12及びコア裏面13には、銅からなる導体層41がパターン形成されており、各導体層41は、スルーホール導体16に電気的に接続されている。
図1,図4に示されるように、コア基板11の中央部には導体形成部14が配置されている。本実施形態の導体形成部14は、平面視で角のない形状をなしており、具体的には平面視円形状をなしている。なお、導体形成部14の直径は、5.0mm以上15mm以下であることが好ましく、本実施形態では11.0mmに設定されている。また、導体形成部14の厚さは1.0mmに設定されている。導体形成部14は、コア基板11とは別体に構成されており、基材161と同じ材料(ガラスエポキシ)からなる第1基材165と、サブ基材164と同じ材料(シリカフィラーなどの無機フィラーを添加したエポキシ樹脂)からなる第2基材166とによって構成されている。また、導体形成部14には、銅からなる複数(本実施形態では4本)の電流供給用導体15がコア主面12及びコア裏面13を貫通するように形成されている。かかる電流供給用導体15は、コア基板11のコア主面12側とコア裏面13側とを接続導通するスルーホール導体である。なお、電流供給用導体15の内部は、例えばエポキシ樹脂などの閉塞体18で埋められている。
図1,図4に示されるように、導体形成部14の主面167及び裏面168には、銅からなる電流供給用接続パッド19がそれぞれ突設されている。導体形成部14の主面167に設けられた電流供給用接続パッド19は、電流供給用導体15における主面167側の端部に対して直接接続されており、導体形成部14の裏面168に設けられた電流供給用接続パッド19は、電流供給用導体15における裏面168側の端部に対して直接接続されている。電流供給用接続パッド19は、円板状であって、電流供給用接続パッド19の中心軸線は、電流供給用導体15の中心と一致している。電流供給用接続パッド19の直径は、電流供給用導体15の直径(約100μm)よりも大きく設定されており、本実施形態では約500μmに設定されている。また、電流供給用接続パッド19の厚さは、例えば50μmに設定されており、前記導体層41の厚さと等しくなっている。なお、導体形成部14の主面167側に設けられた電流供給用接続パッド19は、前記樹脂絶縁層33内に形成されたビア導体47に接続され、導体形成部14の裏面168側に設けられた電流供給用接続パッド19は、前記樹脂絶縁層34内に形成されたビア導体47に接続されている。
図1,図4に示されるように、コア基板11には、コア主面12の中央部及びコア裏面13の中央部にて開口する収容穴90が形成されている。即ち、各収容穴90は、平面視で略矩形状をなす貫通穴である。そして、収容穴90内には、図5〜図8等に示すセラミックコンデンサ101が埋め込まれた状態で収容されている。なお、セラミックコンデンサ101は、コンデンサ主面102をコア基板11のコア主面12と同じ側に向けた状態で収容されている。本実施形態のセラミックコンデンサ101は、縦25.0mm×横25.0mm×厚さ0.8mmの平板状である。セラミックコンデンサ101は、コア基板11において前記部品搭載領域23の真下の領域に配置されている。なお、部品搭載領域23の面積(前記MCM21において面接続端子22が形成される面の面積)は、セラミックコンデンサ101のコンデンサ主面102の面積と略等しくなるように設定されている。従って、セラミックコンデンサ101の厚さ方向から見た場合、部品搭載領域23は、セラミックコンデンサ101のコンデンサ主面102内に位置するようになる。詳述すると、図4に示されるように、セラミックコンデンサ101のコンデンサ主面102内にMCM21の前記マイクロプロセッサチップ24,25が位置している。また、MCM21の前記メモリチップ26は、導体形成部14の主面167の上方に配置されるとともに、導体形成部14の主面167とセラミックコンデンサ101のコンデンサ主面102とを跨ぐように配置されている。
図1,図4に示されるように、収容穴90の内面とセラミックコンデンサ101のコンデンサ側面106との隙間、及び、セラミックコンデンサ101の貫通孔107の内壁面と導体形成部14の側面との隙間は、コア主面12に接する最下層の樹脂絶縁層33の一部である充填剤33aによって埋められている。この充填剤33aは、セラミックコンデンサ101及び導体形成部14をコア基板11に固定する機能を有している。なお、セラミックコンデンサ101は、四隅に面取り寸法0.55mm以上(本実施形態では面取り寸法0.6mm)の面取り部を有している。これにより、温度変化に伴う充填剤33aの変形時において、セラミックコンデンサ101の角部への応力集中を緩和できるため、充填剤33aのクラックの発生を防止できる。
図5〜図8等に示されるように、セラミックコンデンサ101は、コンデンサ主面102及びコンデンサ裏面103を貫通する断面円形状の貫通孔107を有する異型板状をなしている。貫通孔107は、セラミックコンデンサ101の中央部に配置されている。本実施形態において、貫通孔107の直径は15.0mmに設定されている。即ち、貫通孔107の直径は、導体形成部14の直径よりもやや大きくなっている。また、貫通孔107の直径は、コンデンサ主面102を構成する辺のうち最も短い辺の長さ(セラミックコンデンサ101の横の長さ)の約60%に設定されている。さらに、貫通孔107の直径は、コンデンサ内ビア導体131,132の直径(100μm)の150倍に設定されている。そして、セラミックコンデンサ101の貫通孔107内には、導体形成部14が収容されている。これにより、導体形成部14は、貫通孔107内にてセラミックコンデンサ101に完全に囲まれるように配置される。
本実施形態のセラミックコンデンサ101は、いわゆるビアアレイタイプのセラミックコンデンサである。セラミックコンデンサ101を構成するセラミック焼結体104は、1つのコンデンサ主面102(図1では上面)、1つのコンデンサ裏面103(図1では下面)、及び、4つのコンデンサ側面106(図1では左面、右面)を有している。
図5に示されるように、セラミック焼結体104は、セラミック誘電体層105を介して電源用内部電極層141とグランド用内部電極層142とを交互に積層配置した構造を有している。また、セラミック誘電体層105は、高誘電率セラミックの一種であるチタン酸バリウムの焼結体からなり、電源用内部電極層141及びグランド用内部電極層142間の誘電体(絶縁体)として機能する。電源用内部電極層141及びグランド用内部電極層142は、いずれもニッケルを主成分として形成された層であって、セラミック焼結体104の内部において一層おきに配置されている。
図5〜図8に示されるように、セラミックコンデンサ101のセラミック焼結体104には、多数のビアホール130が形成されている。これらのビアホール130は、セラミック焼結体104をその厚さ方向に貫通するとともに、全面にわたって格子状(アレイ状)に配置されている。各ビアホール130内には、セラミック焼結体104のコンデンサ主面102及びコンデンサ裏面103間を連通する複数のコンデンサ内ビア導体131,132が、ニッケルを主材料として形成されている。即ち、前記電流供給用導体15(図1等参照)は、コンデンサ内ビア導体131,132よりも導電性の高い金属材料(銅)を用いて形成されている。各電源用コンデンサ内ビア導体131は、各電源用内部電極層141を貫通しており、それら同士を互いに電気的に接続している。各グランド用コンデンサ内ビア導体132は、各グランド用内部電極層142を貫通しており、それら同士を互いに電気的に接続している。各電源用コンデンサ内ビア導体131及び各グランド用コンデンサ内ビア導体132は、全体としてアレイ状に配置されている。本実施形態では、説明の便宜上、コンデンサ内ビア導体131,132を縦5列×横8列(または横6列)で図示したが、実際にはさらに多くの列が存在している。
そして図5,図6等に示されるように、セラミックコンデンサ101におけるセラミック焼結体104のコンデンサ主面102上には、複数の主面側電源用電極111と複数の主面側グランド用電極112とが突設されている。なお、各主面側グランド用電極112は、コンデンサ主面102上において個別に形成されているが、一体に形成されていてもよい。主面側電源用電極111は、複数の電源用コンデンサ内ビア導体131におけるコンデンサ主面102側の端面に対して直接接続されており、主面側グランド用電極112は、複数のグランド用コンデンサ内ビア導体132におけるコンデンサ主面102側の端面に対して直接接続されている。
また、セラミックコンデンサ101におけるセラミック焼結体104のコンデンサ裏面103上には、複数の裏面側電源用電極121及び複数の裏面側グランド用電極122が突設されている。なお、各裏面側グランド用電極122は、コンデンサ裏面103上において個別に形成されているが、一体に形成されていてもよい。裏面側電源用電極121は、複数の電源用コンデンサ内ビア導体131におけるコンデンサ裏面103側の端面に対して直接接続されており、裏面側グランド用電極122は、複数のグランド用コンデンサ内ビア導体132におけるコンデンサ裏面103側の端面に対して直接接続されている。よって、電源用電極111,121は電源用コンデンサ内ビア導体131及び電源用内部電極層141に導通しており、グランド用電極112,122はグランド用コンデンサ内ビア導体132及びグランド用内部電極層142に導通している。
図4〜図6等に示されるように、電極111,112,121,122は、ニッケルを主材料として形成され、表面が図示しない銅めっき層によって全体的に被覆されている。なお本実施形態では、電極111,112,121,122の直径が約500μmの平面視円形状をなし、ピッチの最小長さが約580μmに設定されている。
そして図1に示されるように、コンデンサ主面102側にある電極111,112は、ビア導体47、導体層42、ビア導体43、端子パッド44、はんだバンプ45及びMCM21の面接続端子22を介して、MCM21に電気的に接続される。一方、コンデンサ裏面103側にある電極121,122は、図示しないマザーボードが有する電極(接触子)に対して、ビア導体47、導体層42、ビア導体43、PGA用パッド48及びピン49を介して電気的に接続される。
例えば、マザーボード側から電極121,122を介して通電を行い、電源用内部電極層141−グランド用内部電極層142間に電圧を加えると、電源用内部電極層141に例えばプラスの電荷が蓄積し、グランド用内部電極層142に例えばマイナスの電荷が蓄積する。その結果、セラミックコンデンサ101がコンデンサとして機能する。また、セラミックコンデンサ101では、電源用コンデンサ内ビア導体131及びグランド用コンデンサ内ビア導体132がそれぞれ交互に隣接して配置され、かつ、電源用コンデンサ内ビア導体131及びグランド用コンデンサ内ビア導体132を流れる電流の方向が互いに逆向きになるように設定されている。これにより、インダクタンス成分の低減化が図られている。
図1に示されるように、前記導体形成部14に形成された各電流供給用導体15は、前記電流供給用接続パッド19と、前記第1ビルドアップ層31の前記部品搭載領域23内に配置された第1接続端子部151と、前記MCM21の面接続端子22とを介して、MCM21の前記メモリチップ26に電気的に接続されている。各電流供給用導体15及び第1接続端子部151は、信号を送るためのシグナル配線ではなく、メモリチップ26に電流を供給するための配線を構成している。なお、第1接続端子部151は、ビア導体47、導体層42、ビア導体43、端子パッド44及びはんだバンプ45からなっている。
また、各電源用コンデンサ内ビア導体131の一部、及び、各グランド用コンデンサ内ビア導体132の一部は、主面側電源用電極111(または主面側グランド用電極112)と、第1ビルドアップ層31が有する第2接続端子部152と、面接続端子22とを介して、MCM21が有する前記マイクロプロセッサチップ24に電気的に接続されている。第2接続端子部152は、セラミックコンデンサ101とマイクロプロセッサチップ24とを電気的に接続する配線を構成しており、ビア導体47、導体層42、ビア導体43、端子パッド44及びはんだバンプ45からなっている。
さらに、各電源用コンデンサ内ビア導体131の一部、及び、各グランド用コンデンサ内ビア導体132の一部は、主面側電源用電極111(または主面側グランド用電極112)と、第1ビルドアップ層31が有する第2接続端子部153と、面接続端子22とを介して、MCM21が有する前記マイクロプロセッサチップ25に電気的に接続されている。第2接続端子部153は、セラミックコンデンサ101とマイクロプロセッサチップ25とを電気的に接続する配線を構成しており、ビア導体47、導体層42、ビア導体43、端子パッド44及びはんだバンプ45からなっている。なお、第2接続端子部153は第2接続端子部152とは電気的に独立しており、第2接続端子部152,153は、前記第1接続端子部151を挟んで配置されている。
次に、本実施形態の配線基板10の製造方法について述べる。
コア基板準備工程では、コア基板11の中間製品を従来周知の手法により作製し、あらかじめ準備しておく。
コア基板11の中間製品は以下のように作製される。まず、縦400mm×横400mm×厚さ0.6mmの基材161の両面に銅箔162が貼付された銅張積層板(図9参照)を準備する。次に、銅張積層板の両面の銅箔162のエッチングを行って導体層163を例えばサブトラクティブ法によってパターニングする(図10参照)。具体的には、無電解銅めっきの後、この無電解銅めっき層を共通電極として電解銅めっきを施す。さらにドライフィルムをラミネートし、同ドライフィルムに対して露光及び現像を行うことにより、ドライフィルムを所定パターンに形成する。この状態で、不要な電解銅めっき層、無電解銅めっき層及び銅箔162をエッチングで除去する。その後、ドライフィルムを剥離する。次に、基材161の上面及び下面と導体層163とを粗化した後、基材161の上面及び下面に、無機フィラーが添加されたエポキシ樹脂フィルム(厚さ80μm)を熱圧着により貼付し、サブ基材164を形成する(図11参照)。
次に、上側のサブ基材164の上面及び下側のサブ基材164の下面に、それぞれ導体層41をパターン形成する。具体的には、上側のサブ基材164の上面及び下側のサブ基材164の下面に対する無電解銅めっきを行った後にエッチングレジストを形成し、次いで電解銅めっきを行う。さらに、エッチングレジストを除去してソフトエッチングを行う。次に、基材161及びサブ基材164からなる積層体に対してルータを用いて孔あけ加工を行い、収容穴90となる貫通穴を所定位置に形成する(図12参照)。
さらに、YAGレーザーまたは炭酸ガスレーザーを用いて孔あけ加工を行い、コア基板11を貫通する貫通孔を複数箇所にあらかじめ形成しておく。そして、各貫通孔の内面に対する無電解銅めっきを行った後にエッチングレジストを形成し、次いで電解銅めっきを行う。さらに、エッチングレジストを除去してソフトエッチングを行う。これにより、各貫通孔内にそれぞれスルーホール導体16が形成される。そして、スルーホール導体16内に閉塞体17を充填形成し、コア基板11の中間製品を得る(図13参照)。なお、コア基板11の中間製品とは、コア基板11となるべき領域を平面方向に沿って縦横に複数配列した構造の多数個取り用コア基板である。
導体形成部準備工程では、導体形成部14の中間製品を、コア基板11を作製する手法と同様の手法により作製し、あらかじめ準備しておく。まず、上記の基材161と同じ材料からなる第1基材165を準備する。次に、第1基材165の上面及び下面を粗化した後、第1基材165の上面及び下面に、上記のサブ基材164と同じ材料からなる第2基材166を形成する。
次に、上側の第2基材166の上面及び下側の第2基材166の下面に、それぞれ電流供給用接続パッド19をパターン形成する。具体的には、上側の第2基材166の上面及び下側の第2基材166の下面に対する無電解銅めっきを行った後にエッチングレジストを形成し、次いで電解銅めっきを行う。そして、エッチングレジストを除去してソフトエッチングを行う。
さらに、YAGレーザーまたは炭酸ガスレーザーを用いて孔あけ加工を行い、導体形成部14を貫通する貫通孔を複数箇所にあらかじめ形成しておく。そして、各貫通孔の内面に対する無電解銅めっきを行った後にエッチングレジストを形成し、次いで電解銅めっきを行う。さらに、エッチングレジストを除去してソフトエッチングを行う。これにより、各貫通孔内にそれぞれ電流供給用導体15が形成される。そして、電流供給用導体15内に閉塞体18を充填形成し、導体形成部14の中間製品を得る。なお、導体形成部14の中間製品とは、導体形成部14となるべき領域(導体形成部領域)を平面方向に沿って縦横に複数配列した構造の多数個取り用導体形成部である。
さらに、多数個取り用導体形成部を分割する。このとき、それぞれの導体形成部領域において導体形成部14を円形状になるように切断する。その結果、個々の製品である導体形成部14が多数個同時に得られる。
また、コンデンサ準備工程では、貫通孔107を有するセラミックコンデンサ101を従来周知の手法により作製し、あらかじめ準備しておく。
セラミックコンデンサ101は以下のように作製される。即ち、セラミックのグリーンシートを形成し、このグリーンシートに内部電極層用ニッケルペーストをスクリーン印刷して乾燥させる。これにより、後に電源用内部電極層141となる電源用内部電極部と、グランド用内部電極層142となるグランド用内部電極部とが形成される。次に、電源用内部電極部が形成されたグリーンシートとグランド用内部電極部が形成されたグリーンシートとを交互に積層し、シート積層方向に押圧力を付与することにより、各グリーンシートを一体化してグリーンシート積層体を形成する。
さらに、レーザー加工機を用いてグリーンシート積層体にビアホール130を多数個貫通形成し、図示しないペースト圧入充填装置を用いて、ビア導体用ニッケルペーストを各ビアホール130内に充填する。次に、グリーンシート積層体の上面上にペーストを印刷し、グリーンシート積層体の上面側にて各導体部の上端面を覆うように主面側電源用電極111及び主面側グランド用電極112を形成する。また、グリーンシート積層体の下面上にペーストを印刷し、グリーンシート積層体の下面側にて各導体部の下端面を覆うように裏面側電源用電極121及び裏面側グランド用電極122を形成する。
この後、グリーンシート積層体の乾燥を行い、各電極111,112,121,122をある程度固化させる。次に、グリーンシート積層体を脱脂し、さらに所定温度で所定時間焼成を行う。その結果、チタン酸バリウム及びペースト中のニッケルが同時焼結し、セラミック焼結体104となる。
次に、得られたセラミック焼結体104が有する各電極111,112,121,122に対して無電解銅めっき(厚さ10μm程度)を行う。その結果、各電極111,112,121,122の上に銅めっき層が形成され、セラミックコンデンサ101が完成する。
続く収容工程では、マウント装置(ヤマハ発動機株式会社製)を用いて、コア主面12とコンデンサ主面102とを同じ側に向けた状態で、収容穴90内にセラミックコンデンサ101を収容する(図14参照)。収容穴90のコア裏面13側開口は、剥離可能な粘着テープ171でシールされている。この粘着テープ171は、支持台(図示略)によって支持されている。かかる粘着テープ171の粘着面には、セラミックコンデンサ101が貼り付けられて仮固定される(図15参照)。
さらに収容工程では、マウント装置(ヤマハ発動機株式会社製)を用いて、コア主面12(及びコンデンサ主面102)と主面167とを同じ側に向けた状態で、セラミックコンデンサ101の貫通孔107内に導体形成部14を収容する(図15参照)。これにより、導体形成部14は、貫通孔107内にてセラミックコンデンサ101に囲まれるように配置され、粘着テープ171の粘着面に貼り付けられて仮固定される。
その後、ビルドアップ層形成工程を実施する。ビルドアップ層形成工程では、従来周知の手法に基づいてコア主面12の上に第1ビルドアップ層31を形成するとともに、コア裏面13の上に第2ビルドアップ層32を形成する。具体的に言うと、コア主面12及びコンデンサ主面102上に感光性エポキシ樹脂を被着して露光及び現像を行うことにより、最下層の樹脂絶縁層33を形成する。なお、感光性エポキシ樹脂を被着する代わりに、絶縁樹脂や液晶ポリマー(LCP:Liquid Crystalline Polymer)を被着してもよい。併せて、樹脂絶縁層33の一部である充填剤33aにより、収容穴90の内面とコンデンサ側面106との隙間を埋める。その後、加熱処理を行うと、樹脂絶縁層33(充填剤33a)が硬化して、セラミックコンデンサ101及び導体形成部14がコア基板11に固定され、配線基板10の中間製品が得られる。そして、この時点で、粘着テープ171を剥離する。
次に、コア裏面13及びコンデンサ裏面103に感光性エポキシ樹脂を被着し、露光及び現像を行うことにより、樹脂絶縁層34を形成する。なお、感光性エポキシ樹脂を被着する代わりに、絶縁樹脂や液晶ポリマーを被着してもよい。さらに、YAGレーザーまたは炭酸ガスレーザーを用いてレーザー孔あけ加工を行い、ビア導体47が形成されるべき位置にビア孔(図示略)を形成する。具体的には、樹脂絶縁層33を貫通するビア孔を形成し、主面側電源用電極111及び主面側グランド用電極112を露出させる。また、樹脂絶縁層34を貫通するビア孔を形成し、裏面側電源用電極121及び裏面側グランド用電極122を露出させる。次に、従来公知の手法(例えばセミアディティブ法)に従って電解銅めっきを行い、前記ビア孔の内部にビア導体47を形成するとともに、第1層の樹脂絶縁層33,34上に導体層42を形成する。
次に、樹脂絶縁層33,34上に感光性エポキシ樹脂を被着し、露光及び現像を行うことにより、ビア導体43が形成されるべき位置にビア孔を有する樹脂絶縁層35,36を形成する。なお、感光性エポキシ樹脂を被着する代わりに、絶縁樹脂や液晶ポリマーを被着してもよい。この場合、レーザー加工機などにより、ビア導体43が形成されるべき位置にビア孔が形成される。次に、従来公知の手法に従って電解銅めっきを行い、前記ビア孔の内部にビア導体43を形成するとともに、樹脂絶縁層35上に端子パッド44を形成し、樹脂絶縁層36上にPGA用パッド48を形成する。
次に、樹脂絶縁層35,36上に感光性エポキシ樹脂を塗布して硬化させることにより、ソルダーレジスト37,38を形成する。次に、所定のマスクを配置した状態で露光及び現像を行い、ソルダーレジスト37,38に開口部40,46をパターニングする。さらに、端子パッド44上にはんだバンプ45を形成し、かつ、PGA用パッド48上にピン49を形成する。なお、この状態のものは、配線基板10となるべき製品領域を平面方向に沿って縦横に複数配列した多数個取り用配線基板であると把握することができる。さらに、多数個取り用配線基板を分割すると、個々の製品である配線基板10が多数個同時に得られる。
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態の配線基板10によれば、セラミックコンデンサ101に貫通孔107が存在するため、セラミックコンデンサ101を分割したり小さくしたりしなくても、貫通孔107内に導体形成部14を無理なく配置できる。よって、導体形成部14に形成された電流供給用導体15と第1接続端子部151とを介して、第1接続端子部151が配置された部品搭載領域23に搭載されるMCM21に大電流を供給することができる。しかも、導体形成部14の存在如何にかかわらず、コンデンサ主面102の面積を大きくしたセラミックコンデンサ101を形成することができるため、セラミックコンデンサ101の容量が大きくなるとともに、部品搭載領域23に搭載されるMCM21がセラミックコンデンサ101によって確実に支持される。よって、部品搭載領域23においては第1ビルドアップ層31が変形しにくくなるため、MCM21にかかる機械的ストレスを低減でき、配線基板10の信頼性を向上させることができる。
(2)本実施形態では、セラミックコンデンサ101の貫通孔107が断面円形状であり、貫通孔107に角部が存在しない。よって、温度変化に伴う貫通孔107の一部(角部)への応力集中を緩和できるため、貫通孔107へのクラックの発生を防止できる。また、貫通孔107の開口面積を小さくしやすいため、コンデンサ主面102の面積を大きくしやすくなる。その結果、各層の内部電極層141,142の面積を大きくすることができるため、セラミックコンデンサ101の容量を大きくすることができる。さらに、本実施形態のセラミックコンデンサ101は、コンデンサ主面102及びコンデンサ裏面103にて開口する貫通孔107を備えた中抜き構造である。よって、コンデンサ主面102及びコンデンサ裏面103に加えてコンデンサ側面106の一部でも開口する貫通孔を備えた構造に比べて、セラミックコンデンサ101の機械的強度が高くなり、反りにくくなる。
(3)本実施形態では、電流供給用導体15をメモリチップ26に電気的に接続するとともに、セラミックコンデンサ101を各マイクロプロセッサチップ24,25に電気的に接続している。これにより、メモリチップ26がマイクロプロセッサチップ24,25よりも大きな電流の供給を必要とするために、メモリチップ26とマイクロプロセッサチップ24,25との電源系統の共通化ができない場合であっても、メモリチップ26及び各マイクロプロセッサチップ24,25を十分に動作させることができる。従って、本実施形態のような、配線基板10にMCM21を搭載した構造を採用するような場合に、そのメリットを最大限引き出すことができる。
(4)本実施形態では、セラミックコンデンサ101がマイクロプロセッサチップ24,25の直下に配置されるため、セラミックコンデンサ101とマイクロプロセッサチップ24,25とをつなぐ配線が短くなり、配線のインダクタンス成分の増加が防止される。従って、セラミックコンデンサ101によるマイクロプロセッサチップ24,25のスイッチングノイズを確実に低減でき、電源電圧の確実な安定化を図ることができる。また、MCM21とセラミックコンデンサ101との間で侵入するノイズを極めて小さく抑えることができるため、誤動作等の不具合を生じることもなく高い信頼性を得ることができる。
(5)本実施形態では、収容穴90の内面とコンデンサ側面106との隙間を埋める充填剤が、樹脂絶縁層33の一部を構成する充填剤33aであるため、充填剤の形成に際して樹脂絶縁層33とは別の材料を準備しなくても済む。よって、配線基板10の製造に必要な材料が少なくなるため、配線基板10の低コスト化を図ることが可能となる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の配線基板10には、平面視で断面円形状、即ち、曲線的な形状の貫通孔107を有するセラミックコンデンサ101が用いられていた。しかし、図16に示されるように、直線的な形状の貫通孔181を有するセラミックコンデンサ182を用いてもよい。なお、曲線的な形状よりも直線的な形状の方が貫通孔の加工が容易になり、貫通孔の加工コストを低減することができるが、クラックの発生を防止するという観点から言えば、断面円形状の貫通孔107であることが好ましい。
・上記実施形態の導体形成部14は、コア基板11と別体に構成されたものであったが、導体形成部14は、コア基板11の一部であり、基材161の一部とサブ基材164の一部とによって構成されていてもよい。この場合、導体形成部14は、基材161の一部とサブ基材164の一部とからなる接続部169を介してコア基板11に接続される(図16参照)。なお、導体形成部14は、例えばサブ基材164のみを介してコア基板11に接続されていてもよい。
以上のような構成であれば、配線基板10の製造時において、基材161及びサブ基材164からなる積層体に対して収容穴90となる貫通穴を形成した時点で、コア基板11の中央部に導体形成部14が形成される。よって、収容工程では、収容穴90内にセラミックコンデンサ101及び導体形成部14の両方を収容するのではなく、セラミックコンデンサ101のみを収容すれば済む(図17,図18参照)。
・上記実施形態では、導体形成部14に4本の電流供給用導体15が形成されていた。しかし、電流供給用導体15の数は、5本以上であってもよいし、3本以下であってもよい。なお、電流供給用導体15が3本以下である場合、電流供給用導体の直径は、上記実施形態の電流供給用導体15の直径よりも大きいことが好ましい。
・上記実施形態では、電子部品としてMCM21が用いられていたが、他の電子部品に変更してもよい。例えば、1つのチップに複数個のプロセッサコアを集積させたマルチコア・マイクロプロセッサを電子部品として用いてもよい。このようにすれば、1つのチップにプロセッサコアを1つのみ有するシングルコア・マイクロプロセッサでは達成できなかった複数のスレッド(タスク)の並行処理などが可能になり、システム全体の処理能力が向上する。しかも、シングルコア・マイクロプロセッサに比べて耐障害性も向上する。
また図19に示されるように、上記実施形態の中継基板27を省略し、マイクロプロセッサチップ24,25及びメモリチップ26をそれぞれ電子部品として用いてもよい。即ち、マイクロプロセッサチップ24,25及びメモリチップ26の下面にそれぞれ面接続端子22を設け、マイクロプロセッサチップ24,25及びメモリチップ26を部品搭載領域23に直接搭載するようにしてもよい。
・上記実施形態では、樹脂絶縁層33の一部である充填剤33aを用いて、収容穴90の内面とコンデンサ側面106との隙間、及び、セラミックコンデンサ101の貫通孔107の内壁面と導体形成部14の側面との隙間を埋めていた。しかし、充填剤33aとは別の充填剤を用いて上記の隙間を埋めてもよい。このようにすれば、充填剤33aの機能をセラミックコンデンサ101及び導体形成部14を固定する機能に特化できるため、配線基板10の信頼性向上を図ることができる。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)コア主面及びコア裏面を有し、少なくとも前記コア主面側にて開口する収容穴が形成されたコア基板と、コンデンサ主面及びコンデンサ裏面を有するとともに前記コンデンサ主面及び前記コンデンサ裏面を貫通する貫通孔を有する異型板状をなし、前記コア主面と前記コンデンサ主面とを同じ側に向けた状態で前記収容穴内に収容されたコンデンサと、前記コア裏面側及び前記コア主面側を導通させる電流供給用導体が形成され、前記コンデンサの貫通孔内にて前記コンデンサに囲まれるように配置された導体形成部と、層間絶縁層及び導体層を前記コア主面上にて積層してなり、電子部品を搭載可能な部品搭載領域がその表面に設定され、その部品搭載領域内に前記電流供給用導体と電気的に接続された第1接続端子部が配置され、その第1接続端子部を挟んで複数の第2接続端子部が配置された配線積層部とを備え、前記貫通孔及び前記導体形成部は、前記コア基板の中央部に配置されており、平面視で角のない形状をなしていることを特徴とするコンデンサ内蔵配線基板。
(2)コア主面及びコア裏面を有し、少なくとも前記コア主面側にて開口する収容穴が形成されたコア基板と、コンデンサ主面及びコンデンサ裏面を有するとともに前記コンデンサ主面及び前記コンデンサ裏面を貫通する貫通孔を有する異型板状をなし、前記コア主面と前記コンデンサ主面とを同じ側に向けた状態で前記収容穴内に収容されたコンデンサと、前記コア裏面側及び前記コア主面側を導通させる電流供給用導体が形成され、前記コンデンサの貫通孔内にて前記コンデンサに囲まれるように配置された導体形成部と、層間絶縁層及び導体層を前記コア主面上にて積層してなり、電子部品を搭載可能な部品搭載領域がその表面に設定され、その部品搭載領域内に前記電流供給用導体と電気的に接続された第1接続端子部が配置され、その第1接続端子部を挟んで複数の第2接続端子部が配置された配線積層部とを備え、前記導体形成部にはシグナル配線が存在しないことを特徴とするコンデンサ内蔵配線基板。
(3)コア主面及びコア裏面を有し、少なくとも前記コア主面側にて開口する収容穴が形成されたコア基板と、コンデンサ主面及びコンデンサ裏面を有するとともに前記コンデンサ主面及び前記コンデンサ裏面を貫通する貫通孔を有する異型板状をなし、前記コア主面と前記コンデンサ主面とを同じ側に向けた状態で前記収容穴内に収容されたコンデンサと、前記コア裏面側及び前記コア主面側を導通させる電流供給用導体が形成され、前記コンデンサの貫通孔内にて前記コンデンサに囲まれるように配置された導体形成部と、層間絶縁層及び導体層を前記コア主面上にて積層してなり、電子部品を搭載可能な部品搭載領域がその表面に設定され、その部品搭載領域内に前記電流供給用導体と電気的に接続された第1接続端子部が配置され、その第1接続端子部を挟んで複数の第2接続端子部が配置された配線積層部とを備え、前記コンデンサは、誘電体層を介して複数の内部電極層が積層配置された構造を有し、前記複数の内部電極層に接続される複数のコンデンサ内ビア導体と、前記複数のコンデンサ内ビア導体における少なくとも前記コンデンサ主面側の端部に接続された複数の表層電極とを備え、前記複数のコンデンサ内ビア導体が全体としてアレイ状に配置されたビアアレイタイプのコンデンサであることを特徴とするコンデンサ内蔵配線基板。