JP2008243834A - 光源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】上記問題点を解消する為になされたものであり、小型化可能な光源装置を提供する。
【解決手段】光源装置1は、面発光レーザ素子10および光位相変調部20を備える。面発光レーザ素子10は、基板11上にDBR層12、活性層15およびDBR層18等が形成されたものであり、レーザ発振させるための共振器がDBR層12,18により構成されている。光位相変調部20は、面発光レーザ素子10の出射面上に設けられ、入力する光のビーム断面上の位置に応じて該光を位相変調して透過させ、その位相変調後の光を出力する。光位相変調部20に入力される光のビーム断面上において、所定位置を中心とするp個の円周によって区分される(p+1)個の領域を設定したときに、(p+1)個の領域それぞれの径方向の幅が外側の領域ほど広く、(p+1)個の領域それぞれにおいて位相変調量が一定であり、(p+1)個の領域のうち隣り合う2つの領域の間で位相変調量がπだけ異なる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光のビーム断面上において所定の位相分布を有する光を発生する光源装置に関するものである。
被観察物を観察する場合や被加工物を加工する場合に、レーザ光源等の光源から出力される光は、レンズ等を含む照射光学系を経て被観察物または被加工物に集光照射される。このように光を集光する場合、その集光径の大きさの目安であるビームウエスト径は、光の波長の半分程度までしか小さくすることができないことが知られている。これは回折限界と呼ばれる。ただし、この回折限界は、ガウシアンモード(あるいは基本モード)の光についてのことである。一方、回折限界より微細な空間構造を持つ高次モード光の存在が知られている。
このような性質をもつ光ビームとしてベッセル(Bessel)ビームやラゲール・ガウス・モード(Laguerre-Gaussian Mode)光(以下「LGモード光」という。)および偏波モード光などが知られている。このような光ビームを用いれば、実効的に回折限界以下の微小領域に光のエネルギーを集中させることが可能となる。この原理にもとづき、これまでに、ベッセルビームを用いた回折限界以下の解像度を持つピックアップ装置や微細加工技術および顕微鏡などの発明が提案されている。
また、LGモード光を出力する光源装置については、例えば非特許文献1〜6に記載されている。これらの文献に記載された光源装置は、光ビーム断面において円周方向に沿って位相が変化するLGモード光を発生するものである。このようなLGモード光は、光ピンセット、量子計算および量子通信などへの応用が期待され、目下、光学・物理の分野で注目されている。
J. Arlt, et al., Journal ofModern Optics, Vol.45, No.6, pp.1231-1237 (1998). D. G. Grier, Nature, Vol.424,pp.810-816 (2003). M. W. Beijersbergen, et al., Optics Communications, Vol.112,pp.321-327 (1994). K. Sueda, et al., OpticsExpress, Vol.12, No.15, pp.3548-3553 (2004). N. R. Heckenberg, et al., Optics Letters, Vol.17, No.3, pp.221-223 (1992). N. R. Heckenberg, et al., Optical and Quantum Electronics, Vol.24, No.24, pp.155-166 (1992). K. S. Youngworth and T. G. Brown, Optics Express, Vol.7,No.2, pp.77-87 (2000). R. Oron, et al., Applied Physics Letters, Vol.77, No.21,pp.3322-3324 (2000).
このような回折限界以下の集光径を実現できる光ビームを発生する光源装置は、高密度にデータを記録することができる光ディスクに対してデータの書き込み又は読み取りを行う光ピックアップ装置に応用することも考えられる。
従来、回折限界以下の集光径を実現できるビームとして、主に0次ベッセルビームが注目されてきた。0次ベッセルビームは、アキシコンを用いて集光することにより発生されることが知られており、その中央スポット径が回折限界以下となるものである。あわせて集光の焦点深度が非常に深いことが特徴で、通常のビームの焦点深度と比較して非常に広い範囲において、同一の光強度パターンを有している。ベッセルビームのこの特徴は無回折伝播ともよばれ、高アスペクト比加工などに用いられる場合には望ましい特性となるが、多層記録媒体を読み取るなどの場合には、深度方向の集光制御を難しくし、好ましくない特性となる。
さらに近年では、高NA集光時に回折限界以下の集光径を実現する光ビームとして、特殊な偏光状態に伴う光モードのひとつである動径方向偏波モード光(radially polarized mode: R-TEM* モードとも表記)も注目されている(非特許文献7)。しかしながら、このような光ビームでは偏波方向がビーム内の位置に依存して変化しており、光磁気効果を利用した記録媒質の読み取りには適さない。何故なら、直線偏光または楕円偏光の光源が望ましいからである。さらに、このようなビームを生成するための従来技術では、レーザ媒質中に複屈折媒質を挿入するなどの構成が必要とされ、装置として大型となることは避けられない(非特許文献8)。
以上より、光ピックアップ装置への応用を考えたとき、集光による伝播特性および偏光特性の両面において、偏角指数0のLGモード光は他の光ビームよりもより望ましい特性を持つと言える。しかし、LGモード光を発生する従来の光源装置はいずれも大型であることから、小型化が要求される光ピックアップ装置に応用することは困難である。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、小型化可能な光源装置を提供することを目的とする。
本発明に係る光源装置は、(1) レーザ発振させるための共振器を有しレーザ光を出射面から出力する面発光レーザ素子と、(2) 面発光レーザ素子の出射面または共振器内に設けられ、入力する光のビーム断面上の位置に応じて該光を位相変調して、その位相変調後の光を出力する光位相変調部と、を備えることを特徴とする。さらに、本発明に係る光源装置では、光位相変調部に入力される光のビーム断面上において、所定位置を中心とするp個の円周によって区分される(p+1)個の領域を設定したときに、(p+1)個の領域それぞれの径方向の幅が外側の領域ほど広く、(p+1)個の領域それぞれにおいて位相変調量が一定であり、(p+1)個の領域のうち隣り合う2つの領域の間で位相変調量がπだけ異なることを特徴とする。ただし、pは自然数である。
本発明に係る光源装置では、面発光レーザ素子の出射面が加工されて光位相変調部が形成されているのが好適であり、別途に形成された光位相変調部が面発光レーザ素子の出射面に固定されているのも好適である。
なお、nを整数としたときに任意の位相αと位相(α+2nπ)とは互いに等価であり、また、位相調整量の分布はオフセット値を無視して相対値のみを問題とすればよい。これらのことを考慮して、光位相変調部における位相変調量は、位相αから位相(α+2π)までの範囲に制限することが可能であり、また、αを値0としてもよい。
本発明に係る光源装置は、小型化可能であり、例えば光ピックアップ装置に応用するのに好適なものである。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
先ず、本発明に係る光源装置の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る光源装置1の断面図である。図2は、第1実施形態に係る光源装置1の斜視図である。この図に示される光源装置1は、面発光レーザ素子10および透過型の光位相変調部20を備える。
面発光レーザ素子10は、基板11上に順にDBR層12、クラッド層13、コア層14、活性層15、コア層16、クラッド層17およびDBR層18が形成されたものであり、レーザ発振させるための共振器がDBR層12およびDBR層18により構成されている。基板11側にあるDBR層12は発振波長において高反射率とされ、他方のDBR層18は発振波長において低反射率とされている。
この面発光レーザ素子10では、駆動電流が供給されると活性層15で光が放出され、その光がDBR層12とDBR層18との間を往復することにより活性層15で誘導放出が生じて、レーザ発振する。そして、共振器において発振した光の一部は、DBR層18を透過して、上部の出射面からレーザ光として出力される。
光位相変調部20は、面発光レーザ素子10の出射面上に設けられ、入力する光のビーム断面上の位置に応じて該光を位相変調して透過させ、その位相変調後の光を出力する。光位相変調部20は、一般に屈折率が異なる複数種類の媒質が積層された構造として実現されるが、最も簡単な構成としては屈折率が異なる2種類の媒質が積層された構造として実現される。
図3は光位相変調部20の断面図であり、図4は光位相変調部20の斜視図であり、また、図5は光位相変調部20の平面図である。光位相変調部20は、互い異なる屈折率を有する第1媒質21および第2媒質22からなる。第1媒質21の上面および第2媒質22の下面は互いに平行である。第2媒質22の下面は面発光レーザ素子10の出射面に接している。第1媒質21および第2媒質22は、例えば透明なガラスまたは半導体等の材料からなり、図4および図5に示されるように、何れか一方が気体または真空であってもよい。なお、図5においてハッチング領域は、第1部材21において凹部となっている領域である。
光位相変調部20において、第1媒質21と第2媒質22との境界は段差xの凹凸形状を有していて、この境界における各凹部および各凸部は、複数の同心円で区分される円または円環の形状を有している。光位相変調部20における段差xおよび複数の同心円それぞれの半径r,r,r,…は、透過光に与えられるべき位相変調量分布から、以下のように決定される。また、便宜上「r=0」と定義する。
図3〜図5に示されるように、光位相変調部20に入力される光のビーム断面上において、所定位置を中心とするp個の半径r〜rの各円周によって区分される(p+1)個の領域A〜Aを設定する。内側から順に領域A,A,A,…,Aとする。領域Aは、半径rの円周の内側の領域であり、領域Aは、半径rの円周と半径ri+1の円周との間の領域である(i=0,1,2,3,…,p)。
このとき、(p+1)個の領域A〜Aそれぞれの径方向の幅は、外側の領域ほど広い。すなわち、半径r〜rの間に以下の関係式が成り立つ。なお、最も内側にある領域Aについては、半径rを径方向の幅とする。
Figure 2008243834
さらに、(p+1)個の領域A〜Aそれぞれにおいて位相変調量は一定であり、(p+1)個の領域A〜Aのうち隣り合う2つの領域の間で位相変調量はπだけ異なる。すなわち、偶数番目の領域A,A,A,…それぞれの領域内における位相変調量φは一定である。また、奇数番目の領域A,A,A,…それぞれの領域内における位相変調量φは一定である。そして、これら位相変調量φと位相変調量φとは互いにπだけ異なる。
動径方向rについて設定されるべきp個の半径r〜rの円周で表される位相不連続線は以下のように設定される。位相不連続線は、光強度が0となる部分(「節」)に存在する。LGモードの場合、光強度分布の節はSonine多項式の零点から求めることができる。つまり、下記(2)式で定義されるSonine多項式Sp q(z)が値0となる変数zの値を求める。なお、pは、動径指数と呼ばれ、自然数である。また、qは、偏角指数と呼ばれ、任意の整数である。
Figure 2008243834
特に、本実施形態では偏角指数qは値0とされる。このとき、上記(2)式は、下記(3)式で表されるLaguerre多項式となる。Laguerre多項式は、p次の多項式であり、p個の異なる正の実数根a〜aを持つ。これらの根aと光ビームウェスト半径wとを用いれば、位相不連続線の半径riは、下記(4)式で表される(i=1,2,3,…,p)。
Figure 2008243834
Figure 2008243834
このような位相変調φ(r)を光位相変調部20により受けて透過された光は、動径指数がpで偏角指数が0であるLGモード光となる。このLGモード光は、位相分布面上に設定した極座標系における偏角θを固定したとき、位相不連続線を境界線として接する二つの領域に属する点における位相値がπの差を持つ。また、(p+1)個の領域A〜Aそれぞれの径方向の幅は、外側の領域ほど広い。
偶数番目の領域A,A,A,… それぞれの領域内における位相変調量φと、奇数番目の領域A,A,A,…それぞれの領域内における位相変調量φとを、互いに一定値Δφだけ異ならせる為に、光位相変調部20における第1媒質21と第2媒質22との境界での凹凸形状の段差xは、下記(5)式で表される値に設定される。ここで、nは第1媒質21の屈折率であり、nは第2媒質22の屈折率であり、λは真空中での光の波長である。なお、本実施形態では、「Δφ=π」として、段差xが決定される。
Figure 2008243834
以上のように構成される光源装置1から出力される光は、動径指数pで偏角指数0のLGモード光となる。このような高次動径指数を有するLGモード光をレンズにより集光させた場合、全体のビーム径を波長の半分程度よりも小さくすることは不可能である(回折限界)。しかし、LGモード光の内部構造は保存されるので、集光点上において高次動径指数LGモード光の中央スポット(領域A)は回折限界以下の大きさを有することになる。
なお、中央スポット(領域A)の周囲に存在するリング(サイドローブ、すなわち、領域A,A,A,…)は、ベッセルビームと同様の挙動を示し、ベッセルビームに関して確立されている技術を用いることにより、それらの影響を低減させることも可能である。高次動径指数LGモード光に特有の性質としては、動径指数pを大きくするほど、中央スポット(領域A)の大きさを小さくすることが可能である点が挙げられる。
また、サイドローブ(領域A,A,A,…)の広がりは、ベッセルビームでは理論的に無限であるのに対し、高次動径指数LGモード光では有限である。このことから、光学系の径をサイドローブ全体が完全に含まれるように設定しておくことにより、より理想的に条件のもとで高次動径指数LGモード光の特性を利用することができる。
したがって、この光源装置1は、高解像度で被観察物を観察する観察装置や、高解像度で被加工物を加工する加工装置において、好適に用いられ得る。また、この光源装置1は、面発光レーザ素子10および光位相変調部20から構成されるので小型化可能であり、それ故、高解像度および小型化が要求される光ピックアップ装置においても好適に用いられ得る。
なお、これまでに説明してきた第1実施形態に係る光源装置1は、面発光レーザ素子10および光位相変調部20を備えるものであって、面発光レーザ素子10の出射面上に光位相変調部20が設けられていた。ここで、面発光レーザ素子10の出射面が加工されて光位相変調部20が形成されていてもよいし、或いは、図6に示されるように別途に形成された光位相変調部20が面発光レーザ素子10の出射面に固定されていてもよい。後者の場合、光位相変調部20は例えば接着剤により面発光レーザ素子10の出射面に接着固定される。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る光源装置の第2実施形態について説明する。図7は、第2実施形態に係る光源装置2の断面図である。この図に示される光源装置2は、面発光レーザ素子30の共振器の内部に光位相変調部40が設けられている。
面発光レーザ素子30は、基板31上に順にDBR層32、クラッド層33、コア層34、活性層35、コア層36、クラッド層37およびDBR層38が形成されたものであり、レーザ発振させるための共振器がDBR層32およびDBR層38により構成されている。基板31側にあるDBR層32は発振波長において高反射率とされ、他方のDBR層38は発振波長において低反射率とされている。
光位相変調部40は、面発光レーザ素子30のクラッド層37とDBR層38との間に設けられている。この光位相変調部40は、面発光レーザ素子30の共振器内に設けられており、共振器内を伝播する光のビーム断面上の位置に応じて該光を位相変調して透過させ、その位相変調後の光を出力する。光位相変調部40は、一般に屈折率が異なる複数種類の媒質が積層された構造として実現されるが、最も簡単な構成としては屈折率が異なる2種類の媒質が積層された構造として実現される。
第2実施形態における光位相変調部40は、第1実施形態において図3〜図5を用いて説明した光位相変調部20と同様のものであるが、面発光レーザ素子30の内部に形成されることから、面発光レーザ素子30の材料と同様の材料である半導体からなるのが好ましい。
この光源装置2では、駆動電流が供給されると活性層35で光が放出され、その光がDBR層32とDBR層38との間を往復することにより活性層35で誘導放出が生じて、レーザ発振する。また、共振器において光が往復する間に光位相変調部40を透過する光は、その透過の際にビーム断面上の位置に応じて位相変調を受ける。そして、共振器において発振した光の一部は、DBR層38を透過して、上部の出射面からレーザ光として出力される。
光位相変調部40が上記(1)〜(5)式の如く設定されていることにより、光源装置2から出力される光は、動径指数pで偏角指数0のLGモード光となる。したがって、この光源装置2も、高解像度で被観察物を観察する観察装置や、高解像度で被加工物を加工する加工装置において、好適に用いられ得る。また、この光源装置2も、面発光レーザ素子30および光位相変調部40から構成されるので小型化可能であり、それ故、高解像度および小型化が要求される光ピックアップ装置においても好適に用いられ得る。
なお、これまでに説明してきた第2実施形態に係る光源装置2は、面発光レーザ素子30の共振器内に光位相変調部40を備えるものであった。ここで、面発光レーザ素子30の製造工程の途中に光位相変調部40が一体に形成されていてもよいし、或いは、図8に示されるように別途に形成された光位相変調部40およびDBR層38が面発光レーザ素子30(ただし、DBR層38を除く。)に固定されていてもよい。後者の場合、光位相変調部40は例えば接着剤により面発光レーザ素子30のクラッド層37に接着固定される。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る光源装置の第3実施形態について説明する。図9は、第3実施形態に係る光源装置3の断面図である。この図に示される光源装置3は、面発光レーザ素子50の共振器の内部に光位相変調部60が設けられている。
面発光レーザ素子50は、基板51上に順にDBR層52、クラッド層53、コア層54、活性層55、コア層56、クラッド層57およびDBR層58が形成されたものであり、レーザ発振させるための共振器がDBR層52およびDBR層58により構成されている。基板51側にあるDBR層52は発振波長において高反射率とされ、他方のDBR層58は発振波長において低反射率とされている。
光位相変調部60は、面発光レーザ素子50のDBR層52とクラッド層53との間に設けられている。この光位相変調部60は、面発光レーザ素子50の共振器内に設けられており、共振器内を伝播する光のビーム断面上の位置に応じて該光を位相変調して透過させ、その位相変調後の光を出力する。光位相変調部60は、一般に屈折率が異なる複数種類の媒質が積層された構造として実現されるが、最も簡単な構成としては屈折率が異なる2種類の媒質が積層された構造として実現される。
第3実施形態における光位相変調部60は、第1実施形態において図3〜図5を用いて説明した光位相変調部20と同様のものであるが、面発光レーザ素子50の内部に形成されることから、面発光レーザ素子50の材料と同様の材料である半導体からなるのが好ましい。
この光源装置3では、駆動電流が供給されると活性層55で光が放出され、その光がDBR層52とDBR層58との間を往復することにより活性層55で誘導放出が生じて、レーザ発振する。また、共振器において光が往復する間に光位相変調部60を透過する光は、その透過の際にビーム断面上の位置に応じて位相変調を受ける。そして、共振器において発振した光の一部は、DBR層58を透過して、上部の出射面からレーザ光として出力される。
光位相変調部60が上記(1)〜(5)式の如く設定されていることにより、光源装置3から出力される光は、動径指数pで偏角指数0のLGモード光となる。したがって、この光源装置3も、高解像度で被観察物を観察する観察装置や、高解像度で被加工物を加工する加工装置において、好適に用いられ得る。また、この光源装置3も、面発光レーザ素子50および光位相変調部60から構成されるので小型化可能であり、それ故、高解像度および小型化が要求される光ピックアップ装置においても好適に用いられ得る。
なお、これまでに説明してきた第3実施形態に係る光源装置3は、面発光レーザ素子50の共振器内に光位相変調部60を備えるものであった。ここで、面発光レーザ素子50の製造工程の途中に光位相変調部60が一体に形成されていてもよいし、或いは、図10に示されるように別途に形成された光位相変調部60およびDBR層52が面発光レーザ素子50(ただし、DBR層52を除く。)に固定されていてもよい。後者の場合、光位相変調部60は例えば接着剤により面発光レーザ素子50のクラッド層53または基板51に接着固定される。また、後者の場合、基板51を研削して薄肉化し又は基板51の一部に開口を設けてもよい。
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、光位相変調部は、上記実施形態では透過光に対して位相変調を与えるものであったが、反射光に対して位相変調を与えるものであってもよい。このような反射型の光位相変調部は、面発光レーザ素子の共振器を構成するDBR層において用いられ得る。
図11は、反射型の光位相変調部70の断面図である。光位相変調部70は、第1媒質71および第2媒質72からなり、第1媒質71と第2媒質72との境界が反射面となっている。第1媒質71と第2媒質72との境界は段差xの凹凸形状を有していて、この境界における各凹部および各凸部は、複数の同心円で区分される円または円環の形状を有している。光位相変調部70における複数の同心円それぞれの半径r,r,r,…は、上記(1)〜(4)式の如く設定されている。第1媒質71の側から入射した光が境界で反射する場合を考えると、隣あう領域の間で位相変調量を互いに一定値Δφだけ異ならせる為に、光位相変調部70における第1媒質71と第2媒質72との境界での凹凸形状の段差xは、下記(6)式で表される値に設定される。ここで、nは第1媒質71の屈折率であり、nは第2媒質72の屈折率であり、λは真空中での光の波長である。なお、「Δφ=π」として、段差xが決定される。
Figure 2008243834
図12は、反射型の光位相変調部80の断面図である。光位相変調部80は、第1媒質81および第2媒質82からなり、第2媒質82の下面が反射面となっている。第2媒質82の下面に反射コーティングが施されているのが好ましい。第1媒質81と第2媒質82との境界は段差xの凹凸形状を有していて、この境界における各凹部および各凸部は、複数の同心円で区分される円または円環の形状を有している。光位相変調部80における複数の同心円それぞれの半径r,r,r,…は、上記(1)〜(4)式の如く設定されている。第1媒質81の側から入射した光が境界で反射する場合を考えると、隣あう領域の間で位相変調量を互いに一定値Δφだけ異ならせる為に、光位相変調部80における第1媒質81と第2媒質82との境界での凹凸形状の段差xは、下記(7)式で表される値に設定される。ここで、nは第1媒質81の屈折率であり、nは第2媒質82の屈折率であり、λは真空中での光の波長である。なお、「Δφ=π」として、段差xが決定される。
Figure 2008243834
次に、実施例の光源装置の構成について説明する。図13は、本実施例の光源装置の断面図である。本実施例の光源装置は、上記の第1実施形態の構成の変形例に相当するものである。本実施例の光源装置では、光位相変調部20の第1媒質21が空気とされ、光位相変調部20の第2媒質22の上にp電極91が設けられ、基板11の裏面にn電極92が設けられている。また、コア領域14,16は設けられていない。
基板11は、n-GaAsからなる。DBR層12は、n-GaAs(68nm厚)とn-AlAs(82nm厚)とが交互に積層されたものであり、各々の層数が20である。クラッド層13は、n-Al0.45Ga0.55As(71.5nm厚)からなる。活性層15は、In0.2Ga0.8As(8nm厚)からなる。クラッド層17は、p-Al0.45Ga0.55As(71.5nm厚)からなる。DBR層18は、p-GaAs(68nm厚)とp-AlAs(82nm厚)とが交互に積層されたものであり、各々の層数が20である。第2媒質22は、p-GaAs(400nm厚)からなる。
p電極91は、Cr(50nm厚)/Au(150nm厚)の多層金属層からなり、光位相変調部20の第2媒質22の表面に設けられ、特に、凹凸形状とされている第2媒質22の表面のうちでも最外領域にリング状に設けられている。n電極92は、Au(100nm厚)/AuGe(150nm厚)/Ni(50nm厚)の多層金属層からなり、基板11の裏面の略全体に設けられている。
光位相変調部20の第2媒質22の表面は、段差xの凹凸形状を有していて、この境界における各凹部および各凸部は、複数の同心円で区分される円または円環の形状を有している。これら複数の同心円それぞれの半径および段差xは、前述したように決定される。光位相変調部20の第2媒質22の屈折率は3.5であり、段差xは196nmとされる。
DBR層12とDBR層18との間の間隔(すなわち、共振器の共振器長)yは、この間の屈折率および発振波長に基づいて決定される。クラッド層13,17それぞれの屈折率は3.25であり、間隔yは151nmとされる。また、DBR層12およびDBR層18それぞれにおいて、GaAs層およびAlAs層それぞれの厚みは、ブラッグ反射波長が発振波長となるように設定される。
このように構成される本実施例の光源装置では、電極91と電極92との間に駆動電流が供給されると、活性層15で光が放出され、その光がDBR層12とDBR層18との間を往復することにより活性層15で誘導放出が生じてレーザ光発振する。そして、共振器において発振した光の一部は、DBR層18を透過して、上部の出射面から波長890nmのレーザ光として出力される。そのレーザ光は、光位相変調部20の第2媒質22により、ビーム断面上の位置に応じて位相変調を受けて、偏角指数0のLGモード光として出力される。
第1実施形態に係る光源装置1の断面図である。 第1実施形態に係る光源装置1の斜視図である。 透過型の光位相変調部20の断面図である。 透過型の光位相変調部20の斜視図である。 透過型の光位相変調部20の平面図である。 第1実施形態の変形例に係る光源装置の断面図である。 第2実施形態に係る光源装置2の断面図である。 第2実施形態の変形例に係る光源装置の断面図である。 第3実施形態に係る光源装置3の断面図である。 第3実施形態の変形例に係る光源装置の断面図である。 反射型の光位相変調部70の断面図である。 反射型の光位相変調部80の断面図である。 本実施例の光源装置の断面図である。
符号の説明
1〜3…光源装置、10…面発光レーザ素子、11…基板、12…DBR層、13…クラッド層、14…コア層、15…活性層、16…コア層、17…クラッド層、18…DBR層、20…光位相変調部、21…第1媒質、22…第2媒質、30…面発光レーザ素子、31…基板、32…DBR層、33…クラッド層、34…コア層、35…活性層、36…コア層、37…クラッド層、38…DBR層、40…光位相変調部、41…第1媒質、42…第2媒質、50…面発光レーザ素子、51…基板、52…DBR層、53…クラッド層、54…コア層、55…活性層、56…コア層、57…クラッド層、58…DBR層、60…光位相変調部、61…第1媒質、62…第2媒質、70…反射型光位相変調部、71…第1媒質、72…第2媒質、80…反射型光位相変調部、81…第1媒質、82…第2媒質、91…p電極、92…n電極。

Claims (3)

  1. レーザ発振させるための共振器を有しレーザ光を出射面から出力する面発光レーザ素子と、
    前記面発光レーザ素子の出射面または共振器内に設けられ、入力する光のビーム断面上の位置に応じて該光を位相変調して、その位相変調後の光を出力する光位相変調部と、
    を備え、
    前記光位相変調部に入力される光のビーム断面上において、所定位置を中心とするp個の円周によって区分される(p+1)個の領域を設定したときに、前記(p+1)個の領域それぞれの径方向の幅が外側の領域ほど広く、前記(p+1)個の領域それぞれにおいて位相変調量が一定であり、前記(p+1)個の領域のうち隣り合う2つの領域の間で位相変調量がπだけ異なる、
    ことを特徴とする光源装置(ただし、pは自然数)。
  2. 前記面発光レーザ素子の出射面が加工されて前記光位相変調部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の光源装置。
  3. 別途に形成された前記光位相変調部が前記面発光レーザ素子の出射面に固定されていることを特徴とする請求項1記載の光源装置。
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