JP2008243580A - 給電レール装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】例えば、店舗やホール等の社会的な施設であっても、商品棚や客席のレイアウトに応じたスピーカ99の位置を予め記憶しておく。そして、レイアウトに応じたスピーカ99の位置に移動させる信号を電力に重畳させて送信し、移動体ではその信号に基づいて前記電気機器を自動的に移動させる。これにより、作業者の移動効率を大幅に高める。
【選択図】図1
Description
さらに、ガイドレールに移動自在に取り付けた照明器具を、リモートコントローラからの信号を受けて、前進,後退させる室内照明装置が開示されている(特許文献2,参照)。
さらに、特許文献2に記載の技術では、その煩わしたを補うために、ユーザがリモコンを操作することによって、照明器具をレールに沿って移動させるようになっている。しかし、個人レベルで使用する場合には、移動する機器も1つ、2つであれば、その負担は比較的少なくて済む。しかし、店舗やホール等の社会的な施設において照明器具等をレールに沿って移動させる作業は、個々の電気機器を個々の作業によって行わなくてはならず、やはり煩わしい作業となってしまう。
例えば、店舗やホール等の社会的な施設であっても、商品棚や客席のレイアウトを変更した場合の電気機器の位置を予め記憶しておくことにより、レイアウトが変更された場合、そのレイアウトに応じた電気機器の位置に移動させる信号を電力に重畳させて送信し、移動体ではその信号に基づいて前記電気機器を自動的に移動させる。これにより、作業者の作業効率を大幅に高めることができる。
<実施形態の構成>
1.給電レール装置
まず、本実施形態による給電レール装置50について説明する。
この給電レール装置50は、図1に示すように、レール本体51、支持装置となる移動体60、位置検出部90(図2、参照)等を具備する。以下、説明を容易にするために、便宜上、図示の如く、直交する3軸をX,Y,Z軸とする。つまり、レール本体51はX軸に平行する軸線方向に伸長することになる。
移動体60には、電気機器として例えばスピーカ99が取り付けられている。そして、移動体60は、内蔵した第1モータM1の駆動により移動体60を矢印a方向(X軸方向に平行する軸線)に移動させ、第2モータM2の駆動によりスピーカ99をY軸に平行する軸線b1を回動中心として矢印b方向に回動させ、第3モータM3の駆動によりスピーカ99をZ軸に平行する軸線c1を揺動中心(図2および図3参照)として矢印c方向に揺動させる。このように、給電レール装置50は、スピーカ99の位置制御および姿勢制御を行っている。
移動体60は、レール本体51内をX軸方向に摺動しつつ移動する長方形の摺動部61と、レール本体51からY軸方向に突出し、Y軸に平行な軸線b1を回動中心として回動する回動部70と、Z軸に平行する軸線c1を旋回中心として揺動する揺動部85とを有する。
第1駆動ローラ62は、移動体60がレール本体51に組み込まれる際、レール本体51のローラガイド溝53内に案内される。第1モータM1を正/逆に駆動させることによって、移動体60が、レール本体51の矢印a方向に対して前後に移動する(図1、参照)。なお、第1駆動ローラ62の軸近傍にはローラガイド溝53(レール本体51)側に当該第1駆動ローラ62を積極的に付勢させるバネ機構62A,62Aが設けられる。
このように、第1モータM1、第1駆動ローラ62、伝達ローラ63およびローラガイド溝53によって移動体60の移動機構が構成される。
この各凸部64間には環状の突出部が形成され、その外周には雄ねじ部65が刻設されている。また、突出部からは第2モータM2によって駆動される第2駆動ローラ68が、この突出部の内周側の偏った位置から突出するように設けられる。
さらに、摺動部61内には、後述するスレーブPLCアダプタ102およびコントローラ110等の回路を構成する電子素子を実装した基板67が内蔵される。
この回動筒部71は、開口部の一側には縮径部72が形成され、他側の内周面には雌ねじ部73が形成され、この雌ねじ部73から一側の内周面が第2駆動ローラ68が接触する回動伝達部74となる。
支持環75は段付筒状に形成され、小径部の内周には雌ねじ部76が刻設され、大径部が鍔部77となる。そして、回動筒部71を摺動部61に取り付ける際には、回動筒部71内に支持環75を挿通させ、支持環75の雌ねじ部76を摺動部61の雄ねじ部65に螺合させる。これにより、支持環75の鍔部77が回動筒部71の縮径部72に当接した状態となり、回動筒部71を摺動部61に対して回動可能に支持する。
このように、第2モータM2、第2駆動ローラ68および回動伝達部74によって回動部70の回動機構が構成される。
このように、第3モータM3、第3駆動ローラ82および当接面86によって揺動部85の揺動機構が構成される。
なお、前記モータM1,M2,M3は、指令信号によって正逆可能な直流モータであることが望ましい。
次に、移動体60のレール本体51の伸長方向における位置を検出する位置検出部90について説明する。
位置検出部90は、図2に示すように、移動体60側に設けた受発光部91と、レール本体51側に設けたバーコード92とからなる。バーコード92は、それぞれ異なったコード情報を示すバーコード92a,92b,…92nとからなり、図6に示すように、このバーコードが受発光部91と対向するレール本体51の内側面に所定間隔毎に貼着される。本実施形態の場合には、給電端子54の下側に配置される。なお、バーコードは二次元バーコードであってもよい。
図6に示すように、図面左からバーコード92a,92b,…が例えば10cm毎に貼着されている場合には、データテーブルは、バーコード92aが0cm、バーコード92bが10cm…といった具合に位置情報が記憶される。そして、受発光部91にて読み取ったバーコード92のデータから移動体60のレール本体51における位置を把握する。
この位置検出部90にあっては、所定間隔毎に貼着されたバーコード92を受発光部91で読み取ることによって、レール本体51の伸長方向における移動体60の位置が断続的に検出されることになる。
(1)光学センサ
透過型センサ
図7に示すように、発光部93Aと受光部93Bとが互いに対向するように配置されたフォトインタラプタを検出部93とし、この発光部93Aと受光部93Bとの間に移動するシャッタ94を配置する。ここで、移動体60側に検出部を、レール本体51にシャッタ94を設けられる。
前述した位置検出部90と同様に、予め定めた所定位置にある移動体60の位置を検出する場合には、図8(a)に示すように、シャッタ94Aの伸長方向に対して所定間隔毎に貫通孔94a,94a,…を穿設する。この際、貫通孔94aの径寸法を漸次異なるように形成し、最大径の貫通孔94aよりも発光部93Aから発光する光の径(発光径)が大きくなるようにする。
また、図8(b)に示すように、シャッタ94Bにスリット94bを形成する。このスリット94bはその幅寸法が、シャッタ94Bの伸長方向一側から他側に向けて漸次小さくなるように形成し、最大幅の寸法よりも発光部93Aから発光する光の直径が大きくなるようにする。
さらに、図8(c)に示すように、シャッタ94Cの外形を伸長方向一側から他側に向けて漸次傾斜する形状とし、シャッタ94Cの最大幅の寸法よりも発光部から発光する光の直径が同じか或いは大きくなるようにする。
図8(b),(c)のシャッタ94B,94Cの構造にあっては、コントローラ110等のROMに、受光部93Bからの受信信号の値に対するレール本体51の位置を予め位置情報として記憶しておき、受光部93Bでの受信信号の大きさから移動体60のレール本体51に対する位置を演算によって特定することが可能となる。
この場合には、先の位置検出部90が断続的な位置検出となるのに対し、図8(b),(c)に示すシャッタ構造の光学センサを用いることによって、連続的な受信信号が得られ、移動体60の位置が連続的に検出される。
光学センサは、透過型センサに限らず反射型センサであってもよい。この場合、図9に示すように、発光部93Cと受光部93Dとが一体となった検出部93´と、発光部からの光を反射する反射板94Dとを有する。この反射板94Dの形を、反射板が貼着される部位の伸長方向に対して反射量が変化する形状に形成する。例えば、図8(b)のスリット形状或いは図8(c)のシャッタ形状のようにすればよい。
さらに、断続的に移動体60の位置を検出したい場合には、伸長方向の所定位置に反射量が異なる反射板を貼着し、連続的に移動体60の位置を検出したい場合には、伸長方向に対して漸次反射量が変化するような形状の反射板を貼着すればよい。
磁気センサを用いて位置検出部としてもよい。この場合、検出部には半導体ホール素子、半導体磁気抵抗素子等を用い、被検出部を磁性材料の部位に施された着磁部位或いは磁石とする。
被検出部となる着磁部位は、所定間隔毎に着磁させ、その着磁部位における磁場が異なるようにする。これにより、検出部からの検出信号に基づき、レール本体51の伸長方向における移動体60の位置を断続的に検出する。
また、着磁部位は、所定間隔毎に形成するのではなく、磁場が伸長方向に対して漸次変化するように着磁させることにより、検出部からは着磁部位の磁場を連続的に検出でき、レール本体51の伸長方向における移動体60の位置を連続的に検出する。
一方、被検出部が磁石の場合には、この磁石を所定間隔毎にレール本体51に貼着し、各磁石の磁場を異なるようにする。これにより、検出部からの検出信号に基づき、レール本体51の伸長方向における移動体60の位置を断続的に検出する。
位置検出手段の構成は、上記バーコード、光学センサ、磁気センサ等に限らず、レール本体51の伸長方向に対する移動体60の位置を相対的に検出するものであれば、これらに限定されるものではない。
前記各例では、センサ1個に対してシャッタ等の被検出部を変化させる場合について述べたが、逆に、発光部と受光部とを有する検出部を、レール本体51の伸長方向の所定位置毎に対向するように設け、移動体によって発光部からの光が遮蔽された部分が、移動体60が移動した位置であると特定するようにしてもよい。
さらに、レール本体51の伸長方向の所定位置毎に前述したフォトインタラプタを設け、フォトインタラプタ内の光路を遮るシャッタを移動体60側に設けるようにしてもよい。
次に、回動部70の摺動部61に対する回動角度の検出部について説明する。
回動角検出手段は、図2中の95(回動角検出部95)部分等、固定部分となる部位と回動筒部71とに設ける。構成は一般的なロータリエンコーダであっても、前述した位置検出手段とほぼ同様の構成であってもよく、例えば、図10および図11に示すような構成であってもよい。
この場合、回動筒部71側にリング状のシャッタ97を形成し、このシャッタ97に所定角度毎に径の異なった貫通孔97aを穿設し、このシャッタ97を挟むように発光部96Aと受光部96Bとを有する検出部96を配置する。検出動作においては、前述した位置検出部の透過型センサと同様となるので、その説明は省略する。
シャッタ97には径の異なった貫通孔97aを穿設するだけでなく、眉状のスリットを形成しても、センサ部分を反射型センサにして、シャッタに反射板を貼着するようにしてもよいことは勿論である。
また、回動角検出部95では、回動部70を摺動部61に対して所定方向を向けた際の検出部96からの検出信号を初期値とし、この初期値に対する値の変化から回動角を検出する。
次に、固定部78に対して揺動する揺動部85の傾斜角度(以下、「仰角」という)を検出する。図2中の98部分に設けられる。前述した検出手段と同様に、光学センサによって仰角検出部98を構成するため、その説明を省略する。
或いは、第3モータM3によって駆動される第3駆動ローラ82の駆動時間を監視して仰角を算出することによって検出手段としてもよい。
また、仰角検出部98では、揺動部85を固定部78に対して所定方向を向けた際の検出部からの検出信号を初期値とし、この初期値に対する値の変化から仰角を検出する。
回動角検出部および仰角検出部は光学センサに限らず、前述した磁気センサによって構成するようにしてもよい。
また、前記検出部によって検出される被検出部は、検出部からの信号が異なるように、例えば貫通孔の径寸法を異なるようにしたが、同じ径の貫通孔とした場合には、移動体60が移動する前の位置を把握しておいて、移動時に検出される貫通孔による信号をカウントして移動位置を特定するようにしてもよい。この際、移動体60がレール本体51の何れの方向に移動したかも把握するため、第1モータM1の正/逆を知る必要がある。
本具体例では、外部のサーバからの指令信号によって、ホームシアターのスピーカの配置を制御する場合のスピーカ移動システムについて例示する。
スピーカの設置位置は、通常ユーザの感覚によって行われるものであり、部屋の大きさ・壁の材質や設置物の位置等の影響による音響効果を考慮した上で設置されているものではない。
特に、サラウンドシステム(所謂「5.1チャンネル」)等のサウンドシステムにあっては、そのスピーカ配置によって効果の大小が歴然となる。そこで、本具体例によるスピーカ移動システムは、ネットワークに接続されたサーバ装置が、本スピーカ移動システムの給電レール装置50が設置される部屋の大きさ・壁の材質や設置物の位置等に基づき、最適なスピーカ位置を算出し、外部からの操作によって当該サウンドシステムに適した位置にスピーカを移動させるものである。
また、スピーカ移動システムでは、信号の授受に、既知のPLC(Power Line Communications;電力線搬送通信)システムが用いられる。このPLCシステムについて簡単に説明する。
例えば、図12に示すように、家屋H等には、送電線200および変圧器201を介して電力が供給され、一方インターネット等のネットワーク300から光ケーブル301等を介して信号が家屋H等に別途供給される。そこで、マスターPLCアダプタ302を設ける。このマスターPLCアダプタ302は、電力に信号を重畳させたり、信号が重畳された電力から信号を抽出させたりする。
なお、図12中では、マスターPLCアダプタ302は屋外に配置しているが、実際には家屋H内の配電盤近くに通常設置される。
ここで、家屋Hに送信される信号には、制御信号(モータM1,M2,M3に対する動作を指令する指令信号)やスピーカ99から音を出力するためのオーディオ信号等があり、家屋Hからサーバ装置310に送信される信号は、移動体60の識別信号や移動体60(スピーカ99)の状態(位置、回動角度、仰角)を示す検出信号等がある。
次に、本実施形態によるスピーカ移動システムの構成について説明する。
ここで、ホームシアターとして使用する部屋Rの間取りを図13に示す。正面にテレビ400が配置され、対向する位置にソファ401が配置される。正面と、その正面に対向する位置の天井には、前述した給電レール装置50,50がそれぞれ設置される。各給電レール装置50には2個の移動体60が移動可能に収容され、各移動体60には指向性を有するスピーカ99が取り付けられる。
移動体60には、交流電力VACが給電端子54および受電端子66を介して供給される。AC/DCコンバータ101は移動体60内に内蔵されており、商用周波数の交流電力VACを直流電圧VDCに変換する。AC/DCコンバータ101は、その構成は省略するが、一般的にトランス、ブリッジ回路、レギュレータ等で構成される。変換された直流電圧VDCは、基板67に供給される。この基板67には実装された電子素子によってスレーブPLCアダプタ102およびコントローラ110等の回路が構成される。
スレーブPLCアダプタ102は、マスターPLCアダプタ302と同様に、交流電力VACから信号(指令信号やオーディオ信号)を抽出すると共に、コントローラ110側からの信号(検出信号)を電力に重畳させる。
さらに、このスピーカ移動システムは、ネットワーク300を介してサーバ装置310に接続される。
具体的には、サーバ装置310では、図15に示すようなデータテーブルが生成される。このデータテーブルは、給電レール装置50の識別ID、移動体60の識別ID、モータM1,M2,M3の識別IDおよびこのモータM1,M2,M3の識別IDに対する指令信号からなる。
ここで、第1モータM1の識別ID(M1ID)の指令信号は、レール本体51に対する移動体60の位置を示した値、第2モータM2の識別ID(M2ID)の指令信号は、摺動部61に対する回動部70の回動角を示した値、第3モータM3の識別ID(M3ID)の指令信号は、回動部70に対する揺動部85の仰角を示した値となる。
また、識別IDは、予め設定されていても、給電レール装置50、移動体60からの信号によって新たに設定されてもよく、サーバ装置310内で指令信号のみが前記条件によって算出される。例えば、部屋R内のスピーカ99の配置をサラウンドシステムに設定する場合には、指令信号は予め決められた所定の演算等によって設定される。
そして、サーバ装置310は、移動体ID以降のデータ、即ち移動体60の識別ID、モータM1,M2,M3の識別IDおよびこの識別IDに対する指令信号が信号として送信する。
一方、位置検出部90がバーコードを読み取る読取部となっている場合には、前記第1モータM1の指令信号はバーコードの読取データとなる。
次に、図16のフローチャートに基づき、コントローラ110における処理動作について説明する。
まず、コントローラ110はスレーブPLCアダプタ102から抽出される信号を監視するべく、抽出された信号がROMに記憶されたIDと一致するか否かを判定する(ステップS1,S2)。一致しない場合(ステップS2;NO)には、抽出された信号は当該移動体60に対する信号でないので、ステップS1以降の処理を繰り返す。
一方、抽出された信号がROMに記憶されたIDと一致した場合(ステップS2;YES)には、その信号中に指令信号(或いはモータM1,M2,M3の識別ID)が含まれるか否かを判定する(ステップS3)。
一方、抽出された信号に指令信号が含まれている場合(ステップS3;YES)には、この指令信号を解析して位置、回動角、仰角を得る。つまり、コントローラ110は、第1モータの識別IDとなるM1IDからはレール本体51に対する移動体60の位置を示す値、第2モータM2の識別IDとなるM2IDからは摺動部61に対する回動部70の回動角を示す値、第3モータM3の識別IDとなるM3IDからは回動部70に対する揺動部85の仰角を示す値をそれぞれ目標値としてRAMに書き込む。
上述した動作を他の3個の移動体60に対しても同様に行わせる。これにより、部屋R内における4個のスピーカ99は、ユーザが臨むサウンドシステムに対応した配置に設定される。
前述した如く、具体例によるスピーカ移動システムにあっては、前述した如く、サーバ装置310にて設定された各スピーカ99の位置と支持状態を、部屋Rに設置された給電レール装置50によって設定する。これにより、スピーカの配置は、部屋の大きさ・壁の材質や設置物の位置等の影響を考慮した位置と姿勢に変更することができ、効率の良いサウンドシステムを部屋Rにて実現することができる。
しかも、ユーザは、所望のサウンドシステムを選択する等の設定操作のみで、そのサウンドシステムに対応したスピーカ99の位置と支持状態に自動的に設定することが可能となる。
前記具体例では、外部のサーバ装置310からの指令信号によりスピーカ移動システムを作動させるようにしたが、サーバ装置310と同様の機能を備えたサーバをラン内に接続してラン内でスピーカの移動を行うようにしてもよい。
(1)レール本体に対する移動体の取付方法
前記実施形態では、レール本体51の伸長方向に移動体60を移動させる構成として述べたが、本発明はこれに限らず、レール本体51に移動体60を直接取り付ける構成であってもよい。つまり、前記レール本体51の所定間隔毎に移動体60を支持する支持手段が設けられ、この支持手段の位置に前記移動検出部90を設ける。
これにより、ユーザがレール本体51に移動体60(電気機器)を取り付けた場合、移動検出部90によって移動体60(電気機器)を知ることができる。
前記具体例では、スピーカ移動システムをホームシアターに用いた場合を例に挙げて説明したが、本発明による給電レール装置50は、この使用に限らず、例えば店舗やホール等の社会的な設備におけるスピーカ移動システム等に用いてもよい。店舗においては陳列棚の配置を変更した際に、その棚のレイアウトに対してスピーカの配置状態を変更する。ホールにおいては、客席の配置状態に応じてスピーカの配置状態を変更する。
さらに、店舗にてスピーカ移動システムを使用する場合には、スピーカ99或いは天井に温度センサ、CCDカメラ等の客の存在位置を検出するセンサを設け、客が存在する部分に向けて音声を放音させるように、当該スピーカ99の配置状態を変更するように制御してもよい。
次に、移動体60に取り付けられる電気機器を照明器具とした場合について説明する。
この場合、図17に示すように、移動体60に照明器具120を取り付ける。この照明器具は交流電力VACの給電を直接受けて点灯するものである。
また、照明器具がスポットライトのように指向性のあるものでは、回動部70および揺動部85の駆動を制御する必要があるものの、蛍光灯,白熱電球のように指向性のない照明に関しては回動部70および揺動部85の動作制御は必要なく、移動体60の移動のみの駆動制御のみで済み、ミラーボールのような照明に関しては揺動部85の動作制御は必要なくなる。
さらに、照明器具がトライアック等の電子部品による調光機能を備えている場合には、移動体60内で、この照明器具の識別IDを抽出して、調光機能を制御するようにしてもよい。
前記具体例では、スピーカ99に対するオーディオ信号の送信については記載していないが、スピーカ99内にスレーブPLCアダプタを内蔵させ、当該スピーカ99のIDを判定してオーディオ信号を抽出し、スピーカを放音させる。
一方、図18に示すように、移動体60内に電力からオーディオ信号を抽出する機能を備えるようにしてもよい。この場合、基板67には、スレーブPLCアダプタ102、コントローラ110、アンプ113等を備える。前記コントローラ110のROMには、個々の移動体60毎に指定されたIDおよび各モータのID(ID1)が記憶されると共に、スピーカ99Aの識別ID(ID2)が記憶される。
そして、コントローラ110は、スレーブPLCアダプタ102から抽出される信号を監視し、その信号中のIDとROMに記憶されたID2とが一致した場合には、このIDに付加されたオーディオ信号をアンプ113を介してスピーカ99Aに送信する。
なお、予めサーバ装置310或いは他のオーディオ信号発生用のサーバ装置には、ID2とこのID2に付加した音声データを生成する必要がある。
これにより、スピーカ99AにはスレーブPLCアダプタやコントローラ等を備えることなく、アンプ等の簡易な電子回路とスピーカのみでよく、汎用のスピーカを使用することも可能となる。
さらに、電気機器をプロジェクタとした場合には、当該プロジェクタに対して比較的大容量のデータ量となる画像信号を送信しなくてはならないため、プロジェクタ内にスレーブPLCアダプタを内蔵させ、当該プロジェクタのIDを判定して画像信号を抽出し、スクリーンに投影させてもよい。
さらにまた、電気機器をデジタルカメラとしてもよい。この場合には、スレーブPLCアダプタから制御信号を抽出して当該カメラの機能およびシャッタを制御すると共に、カメラから撮像信号をサーバ装置に送信する。これにより、サーバ装置側でカメラの挙動を遠隔操作しつつ撮像状態を監視することが可能となる。
また、移動体60によって移動する対象は、電気機器に限るものではなく、ハンガー等であってもよい。この場合には、電力は移動体60を移動させるための電源としてのみ使用される。
前記実施形態では、移動体60の構造を、摺動部61、回動部70および揺動部85から構成し、レール本体51に対する移動体60(摺動部61)を移動させる移動機構、摺動部61に対して回動部70を回動させる回動機構、回動部70に対して揺動部85を揺動させる揺動機構を、各モータの回転運動をローラによって対象部位に伝達する構造とした。しかし、本発明はこれに限るものではなく、モータによる回転軸の回転運動を歯車列を介して対象部位に伝達する構造、プーリ・Vベルトによって伝達する構造等であってもよいことは勿論であり、要は各部位を移動・回動・揺動できればよい。
移動体の種類としては、以下の移動体であってもよい。
1の移動体は、直接電気機器を取り付ける取付部を備える摺動部のみで移動体を構成し、レール本体51に対する移動のみを行う。2の移動体は、摺動部と、取付部を有する回動部とで構成し、移動と回動を行う。3の移動体は、摺動部と、取付部を有する揺動部とで構成し、移動と揺動を行う。
そして、これらの移動体を予め用意することにより、用途に応じて個々の移動体をレール本体51に装着するようにしてよい。
さらに、実施形態の移動体60においても、摺動部61、回動部70および揺動部85の各部位の取付形状を、取付部と被被取付部の形状とすることにより、各部位を選択することで、用途に応じた移動体を構成することが可能となる。
さらに、移動体には、揺動部を上下させる昇降機構を備えるようにしてもよい。
前記実施形態では、給電レール装置50には、レール本体51を伸長方向に外部からの指令信号によって移動する移動体60を備える構成について説明したが、給電レールを、レール本体51と、移動体60の位置を検出するための位置検出手段の一部(例えば、所定距離毎に貼着されたバーコード)によって構成するようにしてもよい。
前記実施形態では、給電手段をレール本体51に設けた板状の給電端子54と移動体60側に設けた受電端子66によって構成したが、受電端子66の端子部66Bを三角錐の形状に限定するものではなく、ブラシ構造であってもよく、要は移動体60側の端子がレール本体51側の端子に摺動して電気的に接続される構成であればよい。また、1本のレール本体51に対して1個の移動体60を取り付ける場合には、移動体60に対して給電線55を直接接続するようにしてもよく、この際、移動体60がレール本体51の伸長方向に移動可能なだけの給電線55に余裕を持たせれば良い。
さらに、1本のレール本体51に対して1個の移動体60を取り付ける場合には、移動体60自体に移動機構を持たせることなく、レール本体51と移動体60とに移動機構をを持たせることが可能となる。例えば、ボールベアリング構造によって移動機構が構成できる。この機構は、レール本体51の伸長方向に延びる雄ねじ部と、摺動部61に穿設された雌ねじ部と、前記雄ねじ部を回転させるモータによって構成する。そして、この機構にあっては、モータによって雄ねじ部を回転させることにより、螺合された雌ねじ部に雄ねじ部がねじ込まれ、レール本体51に回り止めされた摺動部61が移動するようになる。
また、レール本体51側にラックを形成し、移動体60側にモータによって駆動される歯車を設け、ラックに対して歯車(移動体60)を直線運動させてもよい。
Claims (6)
- レール本体と、
前記レール本体に取り付けられ、前記レール本体の伸長方向に移動可能な移動体と、
前記レールに伸張方向に沿って設けられる給電導体と、
前記移動体に設けられ前記給電導体から電力を受け取る電力受信手段と、
前記移動体に設けられると共に、前記移動体を前記電力受信手段が受信した電力を用いて前記レール本体に沿って走行させる走行手段と、
前記移動体に設けられるとともに、前記給電導体から制御信号を抽出する制御信号抽出手段と、
前記制御信号抽出手段が抽出した制御信号に基づいて前記走行手段の走行を制御する制御手段と、を備える
ことを特徴とする給電レール装置。 - 請求項1記載の給電レール装置において、
前記レール本体には位置情報が付与されており、
前記移動体には前記位置情報を読み取って位置を検出する位置検出手段が設けられ、
前記制御信号には位置を示す位置制御情報が含まれ、前記走行制御手段は前記位置検出手段が検出する位置が前記制御信号に含まれる位置制御情報が示す位置に対応するように前記走行手段を制御する
ことを特徴とする給電レール装置。 - 請求項1記載の給電レール装置において、
前記レール本体には位置情報が付与されており、
前記移動体には前記位置情報を読み取って位置を検出する位置検出手段と、前記移動検出手段によって検出された位置を示す検出信号を、前記給電導体に出力する検出信号重畳手段と、が設けられている
ことを特徴とする給電レール装置。 - 請求項1,2または3のいずれかに記載の給電レール装置において、
前記移動体には、電気機器を支持するとともに前記電力受信手段が受信した電力を前記電気機器に供給する電気機器支持手段を具備する
ことを特徴とする給電レール装置。 - 請求項4記載の給電レール装置において、
前記制御信号には、前記電気機器が支持される姿勢を示す姿勢制御信号が含まれ、
前記電気機器支持手段は、前記電気機器を支持する姿勢を変化させる支持状態可変手段を有し、前記支持状態可変手段は前記姿勢制御信号に応じて前記電気機器の支持状態を変化させる
ことを特徴とする給電レール装置。 - 請求項5記載の給電レール装置において、
前記移動体は、前記電気機器が支持されている姿勢を検出して姿勢検出信号を出力する姿勢検出手段と、
前記姿勢検出手段が出力した姿勢検出信号を前記給電導体に出力する姿勢検出信号重畳手段とを具備する
ことを特徴とする給電レール装置。
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