JP2008239824A - アクリル樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分な強度や硬度、そして寸法安定性を有すると共に、優れた耐衝撃性および耐ケミカルクラック性を有し、しかも、成形品にネジを締め付ける際のきしみ音が発生することがないアクリル樹脂組成物を提供する。
【解決手段】アクリル樹脂と、粒状ポリテトラフルオロエチレン樹脂と、粒状シリコーンゴムおよび粒状フッ素ゴムから選ばれる少なくとも1種の粒状ゴムとを含有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、アクリル樹脂組成物、特に構造材料で耐薬品性が必要な用途に使用されるアクリル樹脂組成物に関するものである。
アクリル樹脂、特にメタクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチル:PMMA)は熱可塑性樹脂の中で硬度が最も高く、また、酸やアルカリなどに対する耐薬品性にも優れるために、各種の成形品に広く使用されている。
しかしながら、アクリル樹脂は耐衝撃性が比較的低く、また割れた際の破壊面が鋭利である場合があるため、使用上の注意が必要である。さらに、アクリル樹脂は残留歪の大きい箇所に溶剤が作用するとケミカルストレス現象を引き起こし、いわゆるケミカルクラックが発生し易いという問題もある。
このような問題に対処するため、従来、アクリル樹脂にアクリルゴムなどのゴム粒子を配合してアクリル樹脂の耐衝撃性を上げ、また残留歪を低減して耐ケミカルクラック性を向上させることが行なわれている(特許文献1参照)。
特開平04−164950号公報
しかしながら、所要の耐衝撃性および耐ケミカルクラック性を得るために、アクリル樹脂にアクリルゴムなどのゴム粒子を多量に配合すると、アクリル樹脂単独の場合に比較して強度や硬度が低下し、また温度による寸法変化が大きくなって寸法安定性が低下するという問題が生じていた。
また、成形品にタッピングビスなどのネジを締め付けるにあたり、アクリル樹脂はこのネジの締め付けの際にきしみ音が発生し易いという問題があるが、このようなきしみ音の発生を抑えることについての対策はなされていなかった。
本発明は以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、十分な強度や硬度、そして寸法安定性を有すると共に、優れた耐衝撃性および耐ケミカルクラック性を有し、しかも、成形品にネジを締め付ける際のきしみ音が発生することがないアクリル樹脂組成物を提供することを課題としている。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
第1に、本発明のアクリル樹脂組成物は、アクリル樹脂と、粒状ポリテトラフルオロエチレン樹脂と、粒状シリコーンゴムおよび粒状フッ素ゴムから選ばれる少なくとも1種の粒状ゴムとを含有することを特徴とする。


第2に、上記第1のアクリル樹脂組成物において、粒状ポリテトラフルオロエチレン樹脂の含有量が、アクリル樹脂と粒状ポリテトラフルオロエチレン樹脂と粒状ゴムの合計量に対して0.5〜2質量%であり、粒状ゴムの含有量が、アクリル樹脂と粒状ポリテトラフルオロエチレン樹脂と粒状ゴムの合計量に対して0.2〜5質量%であることを特徴とする。
第3に、上記第1または第2のアクリル樹脂組成物において、粒状ポリテトラフルオロエチレン樹脂の平均粒子径が25μm以下であることを特徴とする。
第4に、上記第1ないし第3のいずれかのアクリル樹脂組成物において、粒状ゴムの平均粒子径が25μm以下であることを特徴とする。
第5に、上記第1ないし第4のいずれかのアクリル樹脂組成物において、粒状ポリテトラフルオロエチレン樹脂および粒状ゴムの耐熱温度が250℃以上であることを特徴とする。
第6に、上記第1ないし第5のいずれかのアクリル樹脂組成物において、アクリル樹脂がポリメタクリル酸メチルであることを特徴とする。
上記第1ないし第6の発明によれば、粒状ポリテトラフルオロエチレン樹脂と、粒状シリコーンゴムおよび粒状フッ素ゴムから選ばれる少なくとも1種の粒状ゴムとを併用したので、多量の粒状添加剤を配合せずとも耐衝撃性および耐ケミカルクラック性が向上する。したがって、十分な強度や硬度、そして寸法安定性を有すると共に、優れた耐衝撃性および耐ケミカルクラック性を有するアクリル樹脂組成物が提供される。さらに、アクリル樹脂組成物の成形品にネジを締め付ける際に、従来のアクリル樹脂を用いたときに発生するきしみ音が防止される。
本発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
本発明に用いられるアクリル樹脂としては、たとえば、アクリル酸エステルの重合体、メタクリル酸エステルの重合体を挙げることができる。中でも、硬度が高く、酸やアルカリなどに対する耐薬品性に優れることから、メタクリル酸メチル単位を主成分とした重合体であるメタクリル樹脂を用いるのが好ましい。
このようなメタクリル樹脂の具体例としては、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチルと他の単量体との共重合体を挙げることができる。
メタクリル酸メチルと他の単量体との共重合体は、メタクリル酸メチル単位を好ましくは80重量%以上含有しており、ランダム共重合体等が例示される。他の単量体の具体例としては、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸アルキルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸アルキルエステル;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体などが挙げられる。これらの単量体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ただし、ゴム成分である1,3−ブタジエン等を共重合すると硬度が低下するおそれがあるので、本発明では使用を避けることが望ましい。
メタクリル樹脂の重量平均分子量は、成形加工時の流動性、耐薬品性、成形品の強度などを考慮して適宜のものとされるが、たとえば、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)を用いてPMMAを標準試料として測定した値で50,000〜150,000の範囲内である。
メタクリル樹脂は、公知のラジカル重合法、たとえば塊状重合、溶液重合、懸濁重合などにより、有機過酸化物やアゾ化合物などのラジカル重合開始剤と、メルカプタンなどの連鎖移動剤を用いて製造することができる。
本発明に用いられる粒状ポリテトラフルオロエチレン樹脂(以下、「粒状PTFE樹脂」という。)は、実質的にポリテトラフルオロエチレンからなる粒子である。ポリテトラフルオロエチレンは、典型的にはテトラフルオロエチレンホモポリマーであるが、この他、単量体成分としてテトラフルオロエチレンと共に少量の変性剤、たとえばパーフルオロオレフィン、ハイドロフルオロオレフィン、パーフルオロビニルエーテルなどを共重合したものであってもよい。
粒状PTFE樹脂としては、典型的には焼成したものが用いられ、その融点はたとえば300℃以上である。特に、耐熱温度が250℃以上のものを用いることが好ましい。
なお、本発明において「耐熱温度」とは、当該温度において連続使用した際に分解反応等により化学的に変性する下限温度(熱分解温度)のことである。
粒状PTFE樹脂として耐熱温度が250℃以上のものを用いることによって、アクリル樹脂組成物の調製時や成形時における高温下で粒状PTFE樹脂が変性することがなく、成形品の耐衝撃性および耐ケミカルクラック性を高く向上させることができる。
本発明に用いられる粒状PTFE樹脂の平均粒子径は、好ましくは25μm以下、より好ましくは0.1μm〜25μmの範囲内にある。
なお、本発明において「平均粒子径」は、走査型電子顕微鏡により得た拡大写真もしくは画像から無作為に選んだ相当数の粒子の直径を測定し、それを算術平均したものである。本発明において用いられる各粒子は、好ましくは球状であるが、粒子が球状とみなせない場合には、その長径と短径を策定し、算術平均した値を平均直径(粒子径)とした。
粒状PTFE樹脂の平均粒子径を25μm以下とすることで、後述する粒状ゴムと共にアクリル樹脂に混合して均一に分散させることにより、アクリル樹脂組成物の耐衝撃性が向上し、さらに、成形品へのネジ締め付け時のきしみ音を有効に防止することができる。しかし、粒状PTFE樹脂の平均粒子径が0.1μm未満になると、耐衝撃性を十分に向上できなくなる場合がある。
本発明では、粒状ゴムとして、粒状シリコーンゴムおよび粒状フッ素ゴムから選ばれる少なくとも1種が用いられる。これらの粒状ゴムは有機溶剤に対して不溶性であり、耐熱性も高いことから、成形品の耐衝撃性および耐ケミカルクラック性を高く向上させることができる。
これらの粒状ゴムの弾性率は、好ましくはアクリル樹脂の15%以下、好ましくは0.01%〜15%の範囲内にある。なお、本発明において「弾性率」は、JIS K7127に従って測定された引張弾性率のことである。
また、これらの粒状ゴムの耐熱温度は、250℃以上であることが好ましい。このような粒状ゴムを用いることによって、アクリル樹脂組成物の調製時や成形時における高温下で粒状ゴムが変性することがなく、上述した粒状PTFE樹脂と併用することで、成形品の耐衝撃性および耐ケミカルクラック性を高く向上させることができる。
本発明に用いられる粒状ゴムの平均粒子径は、好ましくは25μm以下、より好ましくは0.1μm〜25μmの範囲内にある。粒状ゴムの平均粒子径を25μm以下とすることで、アクリル樹脂に混合して均一に分散させることにより、アクリル樹脂組成物の耐衝撃性が向上する。しかし、粒状ゴムの平均粒子径が0.1μm未満になると、耐衝撃性を十分に向上できなくなる場合がある。
本発明に用いられる粒状シリコーンゴムは、通常シリコーンゴムと称されているものであればその種類に特に制限はなく、粒状シリコーンゴムを形成するためのシリコーンゴム組成物の具体例としては、脂肪族不飽和基と、ケイ素原子に結合した水素原子とのヒドロシリル化反応により硬化するシリコーンゴム組成物;ケイ素原子に結合した加水分解性基とシラノール基、またはケイ素原子に結合した水素原子とシラノール基との縮合反応により硬化するシリコーンゴム組成物;メルカプトシリル基と脂肪族不飽和基との付加反応により硬化するシリコーンゴム組成物などが挙げられる。
ヒドロシリル化反応により硬化するシリコーンゴム組成物の具体例としては、アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノポリシロキサン、および白金系触媒を少なくとも含むものが挙げられる。このアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンにおいて、アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などを挙げることができ、また、アルケニル基以外のケイ素原子に結合している基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基;3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基などが挙げられる。その分子構造としては、直鎖状、一部に分岐を有する直鎖状、あるいは環状、網状などが例示される。
また、ケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノポリシロキサンにおいて、水素原子以外のケイ素原子に結合している基としては、上記と同様の一価炭化水素基が例示され、その分子構造としては、直鎖状、一部に分岐を有する直鎖状、あるいは環状、網状などが例示される。
このようなシリコーンゴム組成物を分散媒に均一に分散させ、この分散液あるいはスラリーに、必要に応じて硬化触媒を添加することにより硬化させ、これにより粒状シリコーンゴムの分散液あるいはスラリーを調製し、次いで、この分散液あるいはスラリーから分散媒を除去することにより粒状シリコーンゴムを得ることができる。
また、縮合反応により硬化して粒状シリコーンゴムを形成するシリコーンゴム組成物の具体例としては、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した加水分解性基を有するオルガノポリシロキサン、一分子中に少なくとも2個のシラノール基を有するオルガノポリシロキサン、および縮合反応用の触媒を少なくとも含むものが挙げられる。このようなシリコーンゴム組成物も、これを分散媒に均一に分散させた分散液あるいはスラリーに、必要に応じて硬化触媒を添加することにより硬化させ、これにより粒状シリコーンゴムの分散液あるいはスラリーを調製し、次いで、この分散液あるいはスラリーから分散媒を除去することにより粒状シリコーンゴムを得ることができる。
本発明に用いられる粒状フッ素ゴムは、通常フッ素ゴムと称されているものであればその種類に特に制限はなく、典型的には、ビニリデンフルオライド(VdF)、テトラフルオロエチレン(TFE)等の主鎖部、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、プロピレン、パーフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)等の分岐部、および架橋部からなるものが用いられる。フッ素ゴム中に架橋点を形成させる方法としては、含臭素化合物もしくは含ヨウ素化合物を共重合させて、有機過酸化物によって架橋する方法などが挙げられる。
粒状フッ素ゴムの具体例としては、VdF系フッ素ゴム、TFE/プロピレン系フッ素ゴム、TFE/プロピレン/VdF系フッ素ゴム、エチレン/HFP系フッ素ゴム、エチレン/HFP/VdF系フッ素ゴム 、エチレン/HFP/TFE系フッ素ゴムなどが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、粒状PTFE樹脂の含有量は、アクリル樹脂と粒状PTFE樹脂と粒状ゴムの合計量に対して0.5〜2質量%が好ましく、粒状ゴムの含有量は、アクリル樹脂と粒状PTFE樹脂と粒状ゴムの合計量に対して0.2〜5質量%が好ましい。粒状ゴムの含有量は、より好ましくはアクリル樹脂と粒状PTFE樹脂と粒状ゴムの合計量に対して0.5〜5質量%である。
粒状PTFE樹脂および粒状ゴムの含有量を上記の範囲内とすることで、十分な強度や硬度、そして寸法安定性を有すると共に、優れた耐衝撃性および耐ケミカルクラック性を有するアクリル樹脂組成物とすることができると共に、アクリル樹脂組成物の成形品にネジを締め付ける際に、きしみ音の発生を防止することができる。
粒状PTFE樹脂の含有量が少な過ぎると、きしみ音の発生を有効に防止することができず、また潤滑剤としての作用が十分に得られない場合がある。一方、粒状PTFE樹脂の含有量が多過ぎるとアクリル樹脂組成物の成形性が低下し、高圧力での成形が必要になる場合がある。粒状ゴムの含有量が少な過ぎると、耐衝撃性および耐ケミカルクラック性が十分に向上しない。一方、粒状ゴムの含有量が多過ぎると、アクリル樹脂組成物の成形性が低下し、高圧力での成形が必要になる場合がある。また、粒状PTFE樹脂および粒状ゴムの含有量が多過ぎると、成形品の硬度が低下する。
本発明のアクリル樹脂組成物には、本発明の効果を妨げない範囲内において、各種の他の添加成分、たとえば、紫外線吸収剤、着色剤、熱安定剤、酸化安定剤、帯電防止剤などを配合することができる。
本発明のアクリル樹脂組成物は、上述した粒状PTFE樹脂、粒状ゴム、および必要に応じて他の添加成分を、二軸ニーダーなどを用いて溶融状態のアクリル樹脂と加熱混合し、冷却することにより、粒状PTFE樹脂および粒状ゴムがアクリル樹脂中に均一に分散したものとして、ペレット等の形態として得ることができる。このようにして得られたアクリル樹脂組成物の成形材料は、射出成形、押し出し成形などの各種の成形法に使用できる。
本発明のアクリル樹脂組成物による成形品は、十分な強度や硬度、そして寸法安定性を有すると共に、優れた耐衝撃性および耐ケミカルクラック性を有していることから、各種用途の構造材料、特に、耐薬品性が必要な用途の構造材料として好適に使用できる。そして、本発明のアクリル樹脂組成物を用いた構造材料にネジを締め付けて加工しても、その際にきしみ音が発生することがない。
そこで以下に実施例を示し、さらに詳しく説明する。もちろん、以下の例示によって発明が限定されることはない。
以下の実施例および比較例において、各成分の配合量は、特に言及しない限り重量部を表す。また、試験用成形品の評価試験は次の条件にて行った。
(1)シャルピー衝撃強度
試験用成形品のシャルピー衝撃強度は、JIS K7171に記載の方法に従って測定した。
(2)耐ケミカルクラック性
耐ケミカルクラック性の試験は次の方法で行なった。図1に示すように、凸曲面1を形成した治具2を用い、厚み3mm、幅15mmの試験用成形品Aを凸曲面1に沿わせて曲げた状態で治具2の上に配置し、試験用成形品Aの両側端部を留め具3で固定した。このように治具2の凸曲面1の上に試験用成形品Aを曲げた状態で固定することによって、試験用成形品Aの表面に0.15%、0.3%、0.45%、0.6%の4種類の歪をかけた。ここで、治具2として、試験用成形品Aの上面が0.15〜0.6%の範囲で伸ばされるように凸曲面1の曲率を設定した4種類のものを用いることにより、この4種類の歪をかけるようにした。
次に、上下が開口した内径5mmの筒体4を試験用成形品Aの中央部の上面にシリコングリスで固定し、筒体4内にエチルアルコールを充填して24時間放置した。そして、エチルアルコールを接触させた部分において試験用成形品Aに割れもしくはクラックが発生したときの歪を臨界歪値とした。
(3)ネジ締め付け時のきしみ音
試験用成形品にタッピングビスを締め付け、そのときのきしみ音の有無を聴覚にて評価した。
<実施例1>
ポリメタクリル酸メチル(PMMA:三菱レーヨン株式会社製「アクリペットVH001」 弾性率3.3GPa 密度1.2g/cm)に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末(株式会社喜多村製「KTL−620」 平均粒子径10μm 耐熱温度410℃)、およびシリコーンゴム粉末(株式会社東レ・ダウコーニング製「トレフィルE−500」 平均粒子径2μm 耐熱温度250℃)を表1の量で配合し、二軸ニーダーを用いてシリンダー温度250℃の温度条件で加熱混合し、冷却後、切断することによってアクリル樹脂組成物の成形用ペレットを調製した。
次に、調製した成形用ペレットを、射出成形機を用いてシリンダー温度245℃の温度条件で射出成形することによって、実施例1の成形品を得た。この成形品について、シャルピー衝撃強度、耐ケミカルクラック性を測定し、ネジ締め付け時のきしみ音の有無を評価した。その結果を表1に示す。
<実施例2〜5>
PTFE粉末およびシリコーンゴム粉末の配合量を表1に示す量に変更した以外は実施例1と同じ条件にて成形用ペレットを調製し、次いで調製した成形用ペレットを、射出成形機を用いてシリンダー温度245℃の温度条件で射出成形することによって実施例2〜5の成形品を得た。この成形品について、シャルピー衝撃強度、耐ケミカルクラック性を測定し、ネジ締め付け時のきしみ音の有無を評価した。その結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1で用いたPMMAのみからなる成形用ペレットを実施例1と同じ条件にて調製し、次いで調製した成形用ペレットを、射出成形機を用いてシリンダー温度245℃の温度条件で射出成形することによって比較例1の成形品を得た。この成形品について、シャルピー衝撃強度、耐ケミカルクラック性を測定し、ネジ締め付け時のきしみ音の有無を評価した。その結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例1で用いたPMMAに、実施例1で用いたPTFE粉末を表1に示す量で配合し、実施例1と同じ条件にて成形用ペレットを調製し、次いで調製した成形用ペレットを、射出成形機を用いてシリンダー温度245℃の温度条件で射出成形することによって比較例2の成形品を得た。この成形品について、シャルピー衝撃強度、耐ケミカルクラック性を測定し、ネジ締め付け時のきしみ音の有無を評価した。その結果を表1に示す。
Figure 2008239824
表1に示されるように、PMMAに粒状PTFE樹脂および粒状シリコーンゴムを配合した実施例1〜5の成形品は、PMMA単独の比較例1の成形品と比較して耐衝撃性、耐ケミカルクラック性が大幅に向上し、さらに、ネジ締め付け時のきしみ音もなかった。
一方、PMMAに粒状PTFE樹脂のみを配合した比較例2の成形品は、耐衝撃性がやや向上したものの、耐ケミカルクラック性は向上しなかった。
耐ケミカルクラック性の試験方法を説明する図である。

Claims (6)

  1. アクリル樹脂と、粒状ポリテトラフルオロエチレン樹脂と、粒状シリコーンゴムおよび粒状フッ素ゴムから選ばれる少なくとも1種の粒状ゴムとを含有することを特徴とするアクリル樹脂組成物。
  2. 粒状ポリテトラフルオロエチレン樹脂の含有量が、アクリル樹脂と粒状ポリテトラフルオロエチレン樹脂と粒状ゴムの合計量に対して0.5〜2質量%であり、粒状ゴムの含有量が、アクリル樹脂と粒状ポリテトラフルオロエチレン樹脂と粒状ゴムの合計量に対して0.2〜5質量%であることを特徴とする請求項1に記載のアクリル樹脂組成物。
  3. 粒状ポリテトラフルオロエチレン樹脂の平均粒子径が25μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のアクリル樹脂組成物。
  4. 粒状ゴムの平均粒子径が25μm以下であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか一項に記載のアクリル樹脂組成物。
  5. 粒状ポリテトラフルオロエチレン樹脂および粒状ゴムの耐熱温度が250℃以上であることを特徴とする請求項1ないし4いずれか一項に記載のアクリル樹脂組成物。
  6. アクリル樹脂がポリメタクリル酸メチルであることを特徴とする請求項1ないし5いずれか一項に記載のアクリル樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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