JP2008239497A - 消炎鎮痛貼付剤 - Google Patents
消炎鎮痛貼付剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008239497A JP2008239497A JP2007077956A JP2007077956A JP2008239497A JP 2008239497 A JP2008239497 A JP 2008239497A JP 2007077956 A JP2007077956 A JP 2007077956A JP 2007077956 A JP2007077956 A JP 2007077956A JP 2008239497 A JP2008239497 A JP 2008239497A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- indomethacin
- mass
- inflammatory analgesic
- analgesic patch
- content
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Medicinal Preparation (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Abstract
【課題】インドメタシンを安定に配合することができるとともに、十分な粘着性を有し、かつ、インドメタシンの経皮吸収性に優れた消炎鎮痛貼付剤を提供すること。
【解決手段】粘着シートは、基材と、本発明の消炎鎮痛貼付剤で構成された粘着層と、必要に応じて該粘着層に貼着された剥離シートとから構成されている。本発明の消炎鎮痛貼付剤は、粘着基剤と、テルペンと、セバシン酸エステルと、酸化防止剤と、インドメタシンとを含むことを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】粘着シートは、基材と、本発明の消炎鎮痛貼付剤で構成された粘着層と、必要に応じて該粘着層に貼着された剥離シートとから構成されている。本発明の消炎鎮痛貼付剤は、粘着基剤と、テルペンと、セバシン酸エステルと、酸化防止剤と、インドメタシンとを含むことを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、消炎鎮痛貼付剤に関するものである。
高い鎮痛消炎作用を示す薬物として、インドメタシンが知られている。このような薬物は、経口投与すると、消化器系に副作用を起こし、胃腸障害を生じてしまうという問題があるため、経皮投与製剤としての検討が行われており、これまでに、ゲル剤、液剤、貼付剤等が市販されている。
しかしながら、インドメタシンは、安定性が低く、経時的に分解が起こるため、安定して配合するのが困難であった。
このような問題を解決するため、インドメタシンの安定化剤としてチオ硫酸ナトリウムを配合することにより、インドメタシンを安定して配合する試みが行われている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の製剤では、インドメタシンを十分に安定配合するのが困難であった。また、このような製剤では、インドメタシンの経皮吸収性が低いといった問題もあった。
本発明の目的は、インドメタシンを安定に配合することができ、かつ、十分な粘着性を備えた消炎鎮痛貼付剤を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(5)の本発明により達成される。
(1) 主として加熱溶融型粘着剤で構成された粘着基剤と、インドメタシンと、テルペンと、セバシン酸エステルと、酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤およびトコフェロール類とを含み、
前記テルペンの含有量をA[質量%]、前記セバシン酸エステルの含有量をB[質量%]としたとき、5/95≦A/B≦50/50(AとBの合計を100として計算)の関係を満足し、
前記フェノール系酸化防止剤の含有量をC[質量%]、前記トコフェロール類の含有量をD[質量%]としたとき、5/95≦C/D≦95/5(CとDの合計を100として計算)の関係を満足することを特徴とする消炎鎮痛貼付剤。
(1) 主として加熱溶融型粘着剤で構成された粘着基剤と、インドメタシンと、テルペンと、セバシン酸エステルと、酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤およびトコフェロール類とを含み、
前記テルペンの含有量をA[質量%]、前記セバシン酸エステルの含有量をB[質量%]としたとき、5/95≦A/B≦50/50(AとBの合計を100として計算)の関係を満足し、
前記フェノール系酸化防止剤の含有量をC[質量%]、前記トコフェロール類の含有量をD[質量%]としたとき、5/95≦C/D≦95/5(CとDの合計を100として計算)の関係を満足することを特徴とする消炎鎮痛貼付剤。
(2) 前記フェノール系酸化防止剤は、ジブチルヒドロキシトルエンである上記(1)に記載の消炎鎮痛貼付剤。
(3) 前記トコフェロール類は、酢酸トコフェロールである上記(1)または(2)に記載の消炎鎮痛貼付剤。
(4) 前記テルペンは、l−メントールである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の消炎鎮痛貼付剤。
(5) 前記セバシン酸エステルは、セバシン酸ジエチルである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の消炎鎮痛貼付剤。
本発明によれば、インドメタシンを安定に配合することができ、かつ、十分な粘着性を備えた消炎鎮痛貼付剤を提供することができる。
以下、本発明を好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の消炎鎮痛貼付剤は、有効成分としてのインドメタシンを含むものである。
本発明の消炎鎮痛貼付剤は、有効成分としてのインドメタシンを含むものである。
本発明の消炎鎮痛貼付剤を備えた粘着シートは、基材と、消炎鎮痛貼付剤(本発明の消炎鎮痛貼付剤)で構成された粘着層と、必要に応じて該粘着層に貼着された剥離シートとで構成されている。
基材は、粘着層を支持する機能を有する。かかる基材は、可撓性(柔軟性)を有し、貼付時における曲面追従性をもち、加工時における裁断または打ち抜き等に適したものが好ましい。
このような基材としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン、ポリアリレート、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーン、ポリスルホン、ナイロン、ポリ乳酸、レーヨン、アクリル等の樹脂からなるプラスチックフィルム、織物、編物および不織布を用いることが可能である。さらに、プラスチックフィルムと、プラスチックフィルム、織物、編物、不織布および紙等とのラミネートシートを用いることが可能である。
粘着層は、本発明の消炎鎮痛貼付剤で構成されたものであり、被着体(皮膚)と接触する(貼着する)部位である。
本発明の消炎鎮痛貼付剤は、粘着基剤と、インドメタシンと、テルペンと、セバシン酸エステルと、酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤およびトコフェロール類とを含むものであり、インドメタシンを、物理的および化学的に安定して配合させることができるとともに、十分な粘着性を有し、かつ、インドメタシンの経皮吸収性に優れたものである。
本発明において、粘着基剤は、主として加熱溶融型粘着剤で構成されたものである。加熱溶融型粘着剤を用いた場合、乾燥工程が不要で設備のコンパクト化および高速化が可能であり、粘着剤の厚塗りにも対応できるという効果が得られる。
加熱溶融型粘着剤のベースポリマーとしては、例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエンゴム等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも凝集性、耐候性、耐老化性、耐薬品性の観点からスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を用いるのが好ましい。
また、粘着基剤には、必要に応じて粘着付与剤や可塑剤等が含まれている。
また、粘着基剤には、必要に応じて粘着付与剤や可塑剤等が含まれている。
粘着付与剤としては、例えば、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、石油系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、可塑剤としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、イソパラフィン等の炭化水素類;パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル等の石油系オイル;ホホバ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、オリーブ油、ごま油、サフラワー油、スクワレン等の天然動植物油脂類;ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール等の高級アルコール類;メチルフェニルポリシロキサン、メチルポリシロキサン等のシリコーン類;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸類;ポリブテン、液状イソプレンゴム等の液状ゴム等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、粘着基剤には、必要に応じて、充填剤、架橋剤、防腐剤、紫外線吸収剤等をさらに配合してもよい。
インドメタシンは、特に優れた鎮痛消炎作用を有する成分であるが、粘着基剤に対する溶解性が特に低い成分であるため、粘着基剤中に十分な量を配合するのが困難であった。さらに、インドメタシンは、化学的に分解しやすい成分であるため、経時的に安定して配合するのが困難であった。しかしながら、本発明を適用することにより、容易に安定配合することができる。
本発明において、インドメタシンの含有量は、特に限定されないが、消炎鎮痛貼付剤の通常0.1〜10質量%、好ましくは0.2〜8質量%、さらに好ましくは0.3〜5質量%であるインドメタシンの含有量が前記上限値を超えると、粘着基剤の粘着性を低下させ、全体としての貼付性が低下してしまう。また、インドメタシンの含有量が前記下限値未満であると、十分な薬効が得られない場合がある。
本発明の消炎鎮痛貼付剤は、テルペンの含有量をA[質量%]、セバシン酸エステルの含有量をB[質量%]としたとき、5/95≦A/B≦50/50(AとBの合計を100として計算)の関係を満足するものである。このような2種類の成分を上記のような配合比で配合することにより、その相乗効果により、粘着基剤に対する溶解性が特に低いインドメタシンを、粘着基剤内に効果的に溶解させることができる。その結果、十分な量のインドメタシンを容易に配合することができるうえ、インドメタシンの経皮吸収性をより効果的に向上させることができる。
なお、本発明の消炎鎮痛貼付剤は、テルペンの含有量をA[質量%]、セバシン酸エステルの含有量をB[質量%]としたとき、5/95≦A/B≦50/50(AとBの合計を100として計算)の関係を満足するものであるが、5/95≦A/B≦40/60の関係を満足するものであるのが好ましく、8/92≦A/B≦25/75の関係を満足するものであるのがより好ましい。これにより、上述した効果がより顕著に発揮される。
本発明において上記AとBの合計の含有量は、消炎鎮痛貼付剤の通常1〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、さらに好ましくは2〜10質量%である。これにより、本発明の効果がより顕著なものとなる。
以下、テルペンおよびセバシン酸エステルについて詳細に説明する。
テルペンおよびセバシン酸エステルは、インドメタシンの粘着基剤への溶解を補助する溶解助剤としての機能を有する成分である。また、テルペンおよびセバシン酸エステルは、インドメタシンの皮膚への透過を促進する透過促進剤としての機能をも有する成分でもある。
テルペンおよびセバシン酸エステルは、インドメタシンの粘着基剤への溶解を補助する溶解助剤としての機能を有する成分である。また、テルペンおよびセバシン酸エステルは、インドメタシンの皮膚への透過を促進する透過促進剤としての機能をも有する成分でもある。
テルペンとしては、例えば、リモネン、ミルセン、カレン、オシメン、ピネン、カンフェン、テルピノレン等のモノテルペン炭化水素や、l−メントール、シトロネロール、ビノカンフェオール、ゲラニオール、フェンチルアルコール、ネロール、ボルネロール等のモノテルペンアルコール等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上述した中でも、l−メントールは、特に優れた溶解補助効果、透過促進効果を有しており、本発明において、好適に用いることができる。
セバシン酸エステルとしては、例えば、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジプロピル、セバシン酸ジブチル等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上述した中でも、セバシン酸ジエチルは、特に優れた透過促進効果を有しており、本発明において、好適に用いることができる。
また、上記のような成分の他に、本発明の消炎鎮痛貼付剤は、酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤およびトコフェロール類とを含み、フェノール系酸化防止剤の含有量をC[質量%]、トコフェロール類の含有量をD[質量%]としたとき、5/95≦C/D≦95/5(CとDの合計を100として計算)の関係を満足するものである。このような2種類の酸化防止剤を、上記のような配合比で配合することにより、その相乗効果により、化学的に不安定なインドメタシンの製剤内での分解を防止または抑制することができる。
なお、本発明の消炎鎮痛貼付剤は、フェノール系酸化防止剤の含有量をC[質量%]、トコフェロール類の含有量をD[質量%]としたとき、5/95≦C/D≦95/5(CとDの合計を100として計算)の関係を満足するものであるが、10/90≦C/D≦95/5の関係を満足するものであるのが好ましく、14/86≦C/D≦94/6の関係を満足するものであるのがより好ましい。これにより、上述した効果がより顕著に発揮される。
本発明において上記CとDの合計の含有量は、具体的には、消炎鎮痛貼付剤の通常0.1〜8質量%、好ましくは0.3〜5質量%、さらに好ましくは0.5〜4質量%である。これにより、より効果的にインドメタシンの分解を防止または抑制することができる。
以下、フェノール系酸化防止剤およびトコフェロール類について詳細に説明する。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−シクロへキシルフェノール)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特に、ジブチルヒドロキシトルエンを用いることにより、より効果的にインドメタシンの分解を防止または抑制することができる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−シクロへキシルフェノール)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特に、ジブチルヒドロキシトルエンを用いることにより、より効果的にインドメタシンの分解を防止または抑制することができる。
また、トコフェロール類としては、例えば、トコフェロールや、酢酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール等のエステル誘導体等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特に、酢酸トコフェロールを用いることにより、より効果的にインドメタシンの分解を防止または抑制することができる。
本発明の消炎鎮痛貼付剤は、さらに非イオン系界面活性剤を含有させるのが好ましい。
非イオン系界面活性剤としては、イソステアリルグリセリルエーテル、セチルグリセリルエーテル、オレイルグリセリルエーテル、ラウリルグリセリルエーテル等のアルキルグリセリルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマー類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類等のHLBが8以下の非イオン系界面活性剤、およびポリエチレングリコールモノラウレート、エチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールオクチルドデシルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールヒマシ油等のポリエチレングリコールヒマシ油誘導体、ポリエチレングリコール硬化ヒマシ油モノイソラウレート等のポリエチレングリコール硬化ヒマシ油誘導体、ポリエチレングリコールソルビタンモノステアリン酸エステル等のポリエチレングリコール系界面活性剤、モノオレイン酸ジグリセリン等のポリグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン2−エチルへキシルエーテル等のポリグリセリンアルキルエーテル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド等のHLBが8を超える非イオン系界面活性剤が挙げられ、これらの中の1種又は2種以上を用いることができる。ここで、HLBは、界面活性剤の全分子量に占める親水基部分の分子量を示すものであり、グリフィンの式により求められるものをいう。
非イオン系界面活性剤としては、イソステアリルグリセリルエーテル、セチルグリセリルエーテル、オレイルグリセリルエーテル、ラウリルグリセリルエーテル等のアルキルグリセリルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマー類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類等のHLBが8以下の非イオン系界面活性剤、およびポリエチレングリコールモノラウレート、エチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールオクチルドデシルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールヒマシ油等のポリエチレングリコールヒマシ油誘導体、ポリエチレングリコール硬化ヒマシ油モノイソラウレート等のポリエチレングリコール硬化ヒマシ油誘導体、ポリエチレングリコールソルビタンモノステアリン酸エステル等のポリエチレングリコール系界面活性剤、モノオレイン酸ジグリセリン等のポリグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン2−エチルへキシルエーテル等のポリグリセリンアルキルエーテル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド等のHLBが8を超える非イオン系界面活性剤が挙げられ、これらの中の1種又は2種以上を用いることができる。ここで、HLBは、界面活性剤の全分子量に占める親水基部分の分子量を示すものであり、グリフィンの式により求められるものをいう。
このような非イオン系界面活性剤は、2種類以上併用することが好ましい。特に、HLBが8以下の非イオン系界面活性剤とHLBが8を超える非イオン系界面活性剤とを併用すると、その相乗効果により、粘着基剤に対する溶解性が特に低いインドメタシンを、粘着基剤内に効果的に溶解させることができる。その結果、十分な量のインドメタシンを容易に配合することができる。
HLBが8以下の非イオン系界面活性剤とHLBが8を超える非イオン系界面活性剤とを含有させる場合、HLBが8以下の非イオン系界面活性剤の含有量をE[質量%]、HLBが8を超える非イオン系界面活性剤の含有量をF[質量%]としたとき、10/90≦E/F≦90/10(EとFの合計を100として計算)の関係を満足させることが好ましく、30/70≦E/F≦70/30の関係を満足させることがより好ましい。これにより、上述した効果がより顕著に発揮される。
上記EとFの合計の含有量は、具体的には、消炎鎮痛貼付剤の0.5〜5質量%、好ましくは1〜3質量%である。
また、必要に応じて粘着層に貼着される剥離シートは、公知のいずれのものを使用してもよく、例えば、剥離シートの基材の粘着層との接合面に剥離処理層、例えばシリコーン層が形成されたものを用いることができる。剥離シートの基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムやポリメチルペンテンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、グラシン紙、上質紙、コート紙、含浸紙等の紙等が挙げられる。
以上説明したような本発明の消炎鎮痛貼付剤によれば、溶解性が特に低いインドメタシンを、粘着基剤内に効果的に溶解させることができるとともに、化学的に不安定なインドメタシンの製剤内での分解を防止または抑制することができる。その結果、インドメタシンを、物理的にも化学的にも安定して配合することができる。さらに、本発明によれば、インドメタシンの経皮吸収性に優れ、かつ、十分な粘着性を備えたものとすることができる。
以上、本発明の消炎鎮痛貼付剤について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、前述した実施形態では、基材上に、本発明の消炎鎮痛貼付剤で構成された粘着層を有するものとして説明したが、基材はなくてもよい。
次に、本発明の消炎鎮痛貼付剤の具体的実施例について説明する。
(実施例1)
粘着基剤用の材料として、ベースポリマー(スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、クレイントポリマー社製、商品名「KRATON D−1107CP」):100質量部と、粘着付与剤(テルペン系樹脂、ヤスハラケミカル社製、商品名「YSレジン PX1150」):103.9質量部と、可塑剤(流動パラフィン、三光化学工業社製、商品名「流動パラフィン350S」):60質量部とを用意し、フェノール系酸化防止剤として、ジブチルヒドロキシトルエン(日光ケミカルズ社製、商品名「BHT−C」):1.5質量部を用意した。
これら成分を160℃にて混練した後、混合物の温度を140℃まで冷却した。
(実施例1)
粘着基剤用の材料として、ベースポリマー(スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、クレイントポリマー社製、商品名「KRATON D−1107CP」):100質量部と、粘着付与剤(テルペン系樹脂、ヤスハラケミカル社製、商品名「YSレジン PX1150」):103.9質量部と、可塑剤(流動パラフィン、三光化学工業社製、商品名「流動パラフィン350S」):60質量部とを用意し、フェノール系酸化防止剤として、ジブチルヒドロキシトルエン(日光ケミカルズ社製、商品名「BHT−C」):1.5質量部を用意した。
これら成分を160℃にて混練した後、混合物の温度を140℃まで冷却した。
次に、この混合物に、インドメタシン(テイカ製薬社製):11.4質量部と、テルペン(l−メントール、高砂香料工業社製、商品名「l−メントール」):1.5質量部と、セバシン酸エステル(セバシン酸ジエチル、日光ケミカルズ社製、商品名「DES−SP」):18.3質量部と、非イオン系界面活性剤(イソステアリルグリセリルエーテル、花王社製、商品名「GE−IS」、HLB:5.3):3.0質量部と、非イオン系界面活性剤(ポリオキシエチレン硬化ひまし油40、花王社製、商品名「エマノーンCH−40」、HLB:12.5):4.6質量部と、トコフェロール類(酢酸トコフェロール):0.3質量部を添加し、均一に分散するまで混練し、消炎鎮痛貼付剤を得た。
得られた消炎鎮痛貼付剤を、剥離シートとしてのPETリリースライナー(リンテック社製、商品名「SP−PET7511」)上に、厚さ150μmに展延塗布し、織布(KBセイレン社製、商品名「K45S」、材質:ポリエステル、目付:103g/m2)と貼合して粘着シートを作製した。
(実施例2〜6)
粘着基剤の成分比は変えずに、各添加成分の含有量を、表1に示すように変更した以外は前記実施例1と同様にして、消炎鎮痛貼付剤、粘着シートを製造した。
粘着基剤の成分比は変えずに、各添加成分の含有量を、表1に示すように変更した以外は前記実施例1と同様にして、消炎鎮痛貼付剤、粘着シートを製造した。
(比較例1〜6)
粘着基剤の成分比は変えずに、各添加成分の含有量を、表1に示すように変更した以外は前記実施例1と同様にして、消炎鎮痛貼付剤、粘着シートを製造した。
粘着基剤の成分比は変えずに、各添加成分の含有量を、表1に示すように変更した以外は前記実施例1と同様にして、消炎鎮痛貼付剤、粘着シートを製造した。
上記各実施例および各比較例で作製した消炎鎮痛貼付剤中の各成分の含有量を表1にまとめた。
<評価1>
[経時安定性試験]
各実施例および各比較例で得られた粘着シートを、70mm×100mmに裁断しアルミニウム包材にて包装し、60℃の恒温槽にて1ヵ月間保存し、消炎鎮痛貼付剤中のインドメタシン残存量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で定量した。
[経時安定性試験]
各実施例および各比較例で得られた粘着シートを、70mm×100mmに裁断しアルミニウム包材にて包装し、60℃の恒温槽にて1ヵ月間保存し、消炎鎮痛貼付剤中のインドメタシン残存量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で定量した。
[皮膚貼付試験]
各実施例および各比較例で得られた粘着シートを、70mm×100mmの大きさに裁断し、このサンプルを被験者の肘に3時間貼付したときの、固定力(粘着シートの浮き剥がれの程度)を下記の5段階の基準に従い、目視観察を行った。なお、皮膚貼付試験は、各実施例および各比較例について、それぞれ10人の被験者に行ってもらい、下記基準の5人の平均値を求めた。
各実施例および各比較例で得られた粘着シートを、70mm×100mmの大きさに裁断し、このサンプルを被験者の肘に3時間貼付したときの、固定力(粘着シートの浮き剥がれの程度)を下記の5段階の基準に従い、目視観察を行った。なお、皮膚貼付試験は、各実施例および各比較例について、それぞれ10人の被験者に行ってもらい、下記基準の5人の平均値を求めた。
5:肘に密着し、浮き剥がれが無かった。
4:端部に浮き剥がれが観察され、浮き剥がれの面積が5%未満であった。
3:端部に浮き剥がれが観察され、浮き剥がれの面積が5%以上10%未満であった。
2:端部に浮き剥がれが観察され、浮き剥がれの面積が10%以上20%未満であった。
1:端部に浮き剥がれが観察され、浮き剥がれの面積が20%以上であった。
4:端部に浮き剥がれが観察され、浮き剥がれの面積が5%未満であった。
3:端部に浮き剥がれが観察され、浮き剥がれの面積が5%以上10%未満であった。
2:端部に浮き剥がれが観察され、浮き剥がれの面積が10%以上20%未満であった。
1:端部に浮き剥がれが観察され、浮き剥がれの面積が20%以上であった。
[皮膚透過試験]
ラット腹部より皮膚を摘出し、Franz型拡散セルを用いて、試験液:リン酸緩衝溶液18mL、製剤面積:1.8cm2、試験温度:32℃、試験時間:24時間の条件下で、各実施例および各比較例で得られた粘着シートの皮膚透過試験を行った。皮膚を透過したインドメタシンをHPLCを用いて分析し、この分析結果より、インドメタシンの皮膚透過速度を算出した。
これらの結果を、表2に示した。
ラット腹部より皮膚を摘出し、Franz型拡散セルを用いて、試験液:リン酸緩衝溶液18mL、製剤面積:1.8cm2、試験温度:32℃、試験時間:24時間の条件下で、各実施例および各比較例で得られた粘着シートの皮膚透過試験を行った。皮膚を透過したインドメタシンをHPLCを用いて分析し、この分析結果より、インドメタシンの皮膚透過速度を算出した。
これらの結果を、表2に示した。
表2から明らかなように、各実施例の消炎鎮痛貼付剤は、インドメタシン(非ステロイド系鎮痛消炎剤)を安定配合でき、十分な粘着性を有するものであった。また、インドメタシンの経皮吸収性に優れたものであった。これに対し、各比較例の消炎鎮痛貼付剤は、満足する結果が得られなかった。
Claims (5)
- 主として加熱溶融型粘着剤で構成された粘着基剤と、インドメタシンと、テルペンと、セバシン酸エステルと、酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤およびトコフェロール類とを含み、
前記テルペンの含有量をA[質量%]、前記セバシン酸エステルの含有量をB[質量%]としたとき、5/95≦A/B≦50/50(AとBの合計を100として計算)の関係を満足し、
前記フェノール系酸化防止剤の含有量をC[質量%]、前記トコフェロール類の含有量をD[質量%]としたとき、5/95≦C/D≦95/5(CとDの合計を100として計算)の関係を満足することを特徴とする消炎鎮痛貼付剤。 - 前記フェノール系酸化防止剤は、ジブチルヒドロキシトルエンである請求項1に記載の消炎鎮痛貼付剤。
- 前記トコフェロール類は、酢酸トコフェロールである請求項1または2に記載の消炎鎮痛貼付剤。
- 前記テルペンは、l−メントールである請求項1ないし3のいずれかに記載の消炎鎮痛貼付剤。
- 前記セバシン酸エステルは、セバシン酸ジエチルである請求項1ないし4のいずれかに記載の消炎鎮痛貼付剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007077956A JP2008239497A (ja) | 2007-03-23 | 2007-03-23 | 消炎鎮痛貼付剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007077956A JP2008239497A (ja) | 2007-03-23 | 2007-03-23 | 消炎鎮痛貼付剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008239497A true JP2008239497A (ja) | 2008-10-09 |
Family
ID=39911261
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007077956A Pending JP2008239497A (ja) | 2007-03-23 | 2007-03-23 | 消炎鎮痛貼付剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008239497A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010134433A1 (ja) * | 2009-05-21 | 2010-11-25 | 久光製薬株式会社 | 経皮吸収製剤 |
WO2021201059A1 (ja) * | 2020-03-30 | 2021-10-07 | 三生医薬株式会社 | メントールを含有する組成物 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58189115A (ja) * | 1982-04-30 | 1983-11-04 | Kowa Co | 外用剤 |
JPH08133973A (ja) * | 1994-11-07 | 1996-05-28 | Sekisui Chem Co Ltd | インドメタシン含有貼付剤 |
JP2003183156A (ja) * | 2001-12-21 | 2003-07-03 | Yuutoku Yakuhin Kogyo Kk | 外用貼付剤 |
JP2005145931A (ja) * | 2003-11-19 | 2005-06-09 | Medorekkusu:Kk | 非ステロイド系消炎鎮痛剤を含有するテープ剤 |
-
2007
- 2007-03-23 JP JP2007077956A patent/JP2008239497A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58189115A (ja) * | 1982-04-30 | 1983-11-04 | Kowa Co | 外用剤 |
JPH08133973A (ja) * | 1994-11-07 | 1996-05-28 | Sekisui Chem Co Ltd | インドメタシン含有貼付剤 |
JP2003183156A (ja) * | 2001-12-21 | 2003-07-03 | Yuutoku Yakuhin Kogyo Kk | 外用貼付剤 |
JP2005145931A (ja) * | 2003-11-19 | 2005-06-09 | Medorekkusu:Kk | 非ステロイド系消炎鎮痛剤を含有するテープ剤 |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010134433A1 (ja) * | 2009-05-21 | 2010-11-25 | 久光製薬株式会社 | 経皮吸収製剤 |
CN102361638A (zh) * | 2009-05-21 | 2012-02-22 | 久光制药株式会社 | 经皮吸收制剂 |
JP5514815B2 (ja) * | 2009-05-21 | 2014-06-04 | 久光製薬株式会社 | 経皮吸収製剤 |
US9238025B2 (en) | 2009-05-21 | 2016-01-19 | Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. | Transdermal preparation comprising a ropinirole derivative |
WO2021201059A1 (ja) * | 2020-03-30 | 2021-10-07 | 三生医薬株式会社 | メントールを含有する組成物 |
CN115361940A (zh) * | 2020-03-30 | 2022-11-18 | 三生医药株式会社 | 含有薄荷醇的组合物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI677352B (zh) | 含有阿申那平(asenapine)之貼附劑 | |
JP5058531B2 (ja) | ビソプロロール含有貼付製剤 | |
US20120004306A1 (en) | External preparation containing analgesic/anti-inflammatory agent | |
JP6021269B2 (ja) | 非水性貼付剤 | |
KR102090411B1 (ko) | 첩부제 | |
EP2407179A1 (en) | External preparation containing analgesic/anti-inflammatory agent | |
JP5365964B2 (ja) | 経皮吸収型鎮痛消炎貼付剤 | |
JPWO2009031318A1 (ja) | 鎮痛・抗炎症剤含有外用剤 | |
WO2004082672A1 (ja) | 非ステロイド系消炎鎮痛剤含有貼付剤 | |
JP5285279B2 (ja) | 経皮吸収型製剤 | |
JP4945228B2 (ja) | ビソプロロール含有貼付製剤 | |
WO2010103843A1 (ja) | 鎮痛・抗炎症剤含有外用剤 | |
JP5584379B2 (ja) | 経皮吸収促進剤、及びそれを含む貼付剤 | |
AU2015329319B2 (en) | External preparation composition containing S-flurbiprofen | |
JP2010059058A (ja) | 鎮痛・抗炎症剤含有外用剤 | |
JP5085062B2 (ja) | 経皮吸収貼付剤 | |
JP2008239497A (ja) | 消炎鎮痛貼付剤 | |
JP5548727B2 (ja) | ビソプロロール含有貼付製剤 | |
JP2010006771A (ja) | 鎮痛・抗炎症剤含有外用剤 | |
TW201545777A (zh) | 貼附劑 | |
JP2009280509A (ja) | 鎮痛・抗炎症剤含有外用剤 | |
JP2010053095A (ja) | 鎮痛・抗炎症剤含有外用剤 | |
JP7065940B2 (ja) | メチルフェニデート含有貼付剤 | |
WO2022102575A1 (ja) | アセナピンの分解を抑制する方法 | |
EP4360630A1 (en) | Method for inhibiting generation of diclofenac indolinones |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090914 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20120619 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20120806 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20120821 |