JP2008238771A - 化粧シート - Google Patents

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Abstract

【課題】耐候性に優れる化粧シート、特にその耐候性が外装用途の建築資材の表面材に要求される耐候性をも十分に満足し得るものであることを特徴とする化粧シートの提供を目的とする。
【解決手段】基材シート6上に、透明若しくは半透明な架橋された樹脂を含む保護層1が少なくとも積層されており、前記保護層1は、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤および金属酸化物からなる無機系紫外線吸収剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤とを少なくとも含有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、建築用内外装部材、建具、枠材、床材等の建築用資材、或いは家電製品等の表面材として用いられる化粧シートに関するもので、主に木質ボード、無機系ボード類、金属板等に貼り合わせて化粧板を作製する際に用いられる化粧シートに関する。
従来、建築用内外装部材、建具、枠材、床材等の建築用資材、或いは家電製品等の表面材として用いられている化粧シートとしては、塩化ビニル樹脂を主体としてなるものが広く使用されている。しかし、塩化ビニル樹脂は、焼却時に塩素ガスが発生し、それが酸性雨やダイオキシンの要因にもなると言われており、さらには塩化ビニル樹脂からなるシートは、そこに添加されている可塑剤がブリードアウトする問題もあり、環境問題の観点から塩化ビニル樹脂を用いない化粧シートの開発が強く要求されるようになってきている。
上記理由により、近年は塩化ビニル樹脂を用いた化粧シートに替わるものとして、オレフィン系樹脂等の塩化ビニル樹脂を用いない材料(非塩ビ材料)を使用した化粧シートが数多く提案されている(例えば、特許文献1乃至4参照。)。
しかし、一般的なポリオレフィンシートもしくは軟質ポリオレフィンシートを使用した非塩ビ系の化粧シートは、塩化ビニル樹脂を用いた従来の化粧シートと比較すると耐表面傷付き性や耐候性が格段に劣っている。耐表面傷つき性向上のために、結晶化が高く、アイソタクティシティの高いものを使用することも考えられるが、耐候性を悪くする傾向がある。
そこで、ポリオレフィンシートの表面に保護層として他の樹脂からなる樹脂層を設けることにより、表面艶の調整や耐表面傷つき性を向上させようとする試みもある。また、耐候性も必要なため、オレフィン系樹脂製シート中に紫外線吸収剤等の耐候剤を添加すると共に保護層にも耐候剤を添加するようにした提案もなされている。
しかし、耐候剤の種類によっては、ポリオレフィンシート中に添加しても耐候剤としての本来の機能が十分果たせないものや、ブリードアウトによる他の弊害をもたらすものも少なくない。
これに対し、紫外線吸収剤を含まないポリオレフィンからなる表面層を設けるようにしたり、使用する紫外線吸収剤の分子量を限定すること等により、耐候剤のブリードアウトの問題を解消しようとする提案も種々なされている(例えば、特許文献5乃至7参照。)。
例えば、特許文献5では、光安定剤であるヒンダードアミン系のラジカル補足剤及び紫外線吸収剤の両方を含有する透明なオレフィン系樹脂層(中間層)上にヒンダードアミン系のラジカル補足剤のみを含有する透明オレフィン系樹脂層(表面層)を設けることにより、中間層に添加されている紫外線吸収剤の化粧シート表面へのブリードアウトを抑制する旨の提案がなされている。
確かにこの方法であると、中間層の紫外線吸収剤のブリードアウトを抑制することはできるが、一般的にヒンダードアミン系の光安定剤と紫外線吸収剤は、機能の相乗効果が認められるので、この化粧シートを外装用途の建装材料として使用した場合、紫外線吸収剤の添加されていない表面層が表面にあったのでは、中間層と比較して表面層の耐候性が低くなり、ポリオレフィン系樹脂シートの脆化に伴う表面層における物性低下、艶変化、クラッキング、チョーキング等が発生し、外観が損なわれる。
この様な現象を防止するためには、ブリードアウトせず、高い紫外線吸収能力を持つ紫外線吸収剤を特に高濃度で添加する必要がある。特許文献6では紫外線吸収能力のある紫外線吸収剤が側鎖に反応結合されてなる熱可塑性樹脂からなる保護層を表面部分に配置させた化粧シートが提案されている。
確かに、これらの紫外線吸収剤はブリードアウトすることは少ない。しかしながら、初期の紫外線吸収能力は高いが、屋外で光や雨風に晒された場合には、比較的早く紫外線吸収能力が失活し、耐候剤としての機能が十分果たせないという問題がある。
また、特許文献7には、樹脂との相溶性は乏しいものの紫外線吸収能力が高く耐候性の良いトリアジン系紫外線吸収剤を用い、かつその分子量を特定の値以上のものに限定して添加するようにした提案もなされている。
しかし、このように分子量を特定の値以上のものに限定した場合には、確かに経時でのブリードアウトが抑えられるが、恒久的に維持できるものではなく、外装用途に耐え得る化粧シートとして要求されている、表面における耐ブリードアウト性と耐候性を共に備えた化粧シートではなかった。
また、ポリオレフィン系樹脂と、トリアジン系紫外線吸収剤と金属酸化物よりなる無機系紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤とを含有してなる樹脂組成物よりなる、農業用フィルムも知られている(特許文献8参照)。しかし、この樹脂組成物は紫外線透過を目的とするものであり、優れた耐候性を要求される化粧シートには不向きである。
特開平2−128843号公報 特開平6−1881号公報 特開平6−198831号公報 特開平9−328562号公報 特開平11−147292号公報 特開平11−216812号公報 特開2001−40113号公報 特開2003−325060号公報
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、耐候性に優れる化粧シート、特にその耐候性が外装用途の建築資材の表面材に要求される耐候性をも十分に満足し得るものであることを特徴とする化粧シートを提供することにある。
請求項1に記載の発明は、基材シート上に、透明若しくは半透明な架橋密度が0.8〜2.0(mmol/CC)の架橋された樹脂を含む保護層が少なくとも積層されており、前記保護層は、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤および金属酸化物からなる無機系紫外線吸収剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤とを少なくとも含有することを特徴とする化粧シートである。
請求項2に記載の発明は、前記基材シートと前記保護層の間に、透明若しくは半透明な熱可塑性樹脂層が少なくとも積層され、前記熱可塑性樹脂層は、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤および金属酸化物からなる無機系紫外線吸収剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤とを少なくとも含有することを特徴とする請求項1に記載の化粧シートである。
請求項3に記載の発明は、 前記基材シートに絵柄層を設けることを特徴とする請求項1または2に記載の化粧シートである。
請求項4に記載の発明は、 前記熱可塑性樹脂層が、接着性樹脂層を介して前記基材シートの上に設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の化粧シートである。
請求項5に記載の発明は、 前記熱可塑性樹脂層がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の化粧シートである。
請求項1に係る化粧シートの発明によれば、基材シート上に、透明若しくは半透明な架橋密度が0.8〜2.0(mmol/CC)の架橋された樹脂を含む保護層が少なくとも積層されており、前記保護層は、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤および金属酸化物からなる無機系紫外線吸収剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤とを少なくとも含有することを特徴としているので、十分な紫外線吸収能力を有し耐候性に優れ、且つ、表面における耐ブリードアウト性と耐汚染性に優れる化粧シートを提供することが可能となる。
また、請求項2に係る化粧シートの発明によれば、前記基材シートと前記保護層の間に、透明若しくは半透明な熱可塑性樹脂層が少なくとも積層され、前記熱可塑性樹脂層は、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤および金属酸化物からなる無機系紫外線吸収剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤とを少なくとも含有することを特徴としているので、耐候性をさらに向上させることができる。
また、請求項3に係る化粧シートの発明によれば、前記基材シート上に絵柄層が設けられていることを特徴としているので、意匠性の高い化粧シートを提供することが可能となる。
また、請求項4に係る化粧シートの発明によれば、前記熱可塑性樹脂層が、接着性樹脂層を介して前記基材シートの上に設けられていることを特徴としているので、各層が一体的に形成され、強度の高い化粧シートが得られる。
また、請求項5に係る化粧シートの発明によれば、前記熱可塑性樹脂層がポリオレフィン系樹脂であることを特徴としているので、塩化ビニル樹脂を用いることがなく、環境負荷の低い化粧シートを提供することが可能となる。
以下、本発明の化粧シートを図面に基づき詳細に説明する。図1には本発明に係る化粧シートの概略の断面構成が示してある。この化粧シートは、基材シート6の一方の面側に、絵柄層5、接着層4、接着性樹脂層3、熱可塑性樹脂層2、保護層1が順次積層されて設けられていると共に、基材シート6の他方の面側にはプライマー層7が積層されている。なお、図に示す化粧シートは本発明の一例を示すものであり、必ずしもこのような構成のものに限定されるものではない。
基材シート6としては、薄葉紙、チタン紙、樹脂含浸紙等の紙や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、アクリル等の樹脂、或いはこれら樹脂の発泡体からなるシートや、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合ゴム、ポリウレタン等のゴムからなるシート等から任意のものが選定可能である。
基材シート6中には、切削性を向上させるために、有機成分フィラーや無機フィラー等が添加されていてもよい。例えば、有機成分フィラーとしてはウレタン架橋粒子、アクリル架橋粒子、メラミン樹脂、天然コラーゲン等を挙げることができる。また無機フィラーとしては、一般的なトップコート剤の成分材料となっているアルミナ、シリカ、窒化珪素、炭化珪素、ガラスビーズ、水酸化アルミ、炭酸カルシウム等を挙げることができる。また、基材シートを構成する樹脂が透明性を有するものであって、シートに隠蔽性を持たせるための顔料等が添加されたものであってもよい。
このような基材シート6の、透明若しくは半透明な熱可塑性樹脂層2が設けられている面とは反対側の面に設けられているのがプライマー層7である。このプライマー層7は、例えばウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂等を主体とする、従来公知の易接着性プライマー剤から構成されるものである。このプライマー層7には、例えばシリカ等の無機質微粉末を添加し、その表面を粗面化しておくと、化粧シートの巻取保存中におけるブロッキングの発生がし難くなり、さらには投錨効果による接着性の向上が図られるようになる。
このような構成の基材シート6の一方の面側に設けられているのが絵柄層5である。絵柄層5の形態としては、所定の絵柄状で層状になっているもの、全面にベタ状になっているもの、さらには絵柄状の部分とベタ状の部分とが適宜に組み合わされて層状になっているものがある。
このような構成になる絵柄層5の形成材料としては、印刷インキが挙げられる。印刷インキは、バインダー中に、顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、各種添加剤が添加されてなるものである。バインダーとしては硝化綿、セルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル等の樹脂やこれらの変性物等が挙げられる。これらの中から一種或いは何種類かを選択して組み合わせて用いればよく、これらは水性、溶剤系、エマルジョン系のいずれであっても問題なく、さらには一液タイプでも硬化剤を利用した二液タイプのものでもよい。さらに、硬化タイプとしては、紫外線や電子線等の活性エネルギー線の照射により硬化するタイプのものや、ウレタン系のものでイソシアネート硬化させるタイプのものを用いることができる。紫外線や電子線等の活性エネルギー線の照射により形成薄膜を硬化させるタイプの中では、電子線硬化のものの方が紫外線硬化のものと比較して厚み方向に硬化がし易くなり、好適に用いられる。
また、顔料としては、縮合アゾ、不溶性アゾ、キナクリドン、イソインドリン、アンスラキノン、イミダゾロン、コバルト、フタロシアニン、カーボン、酸化チタン、酸化鉄、雲母等を挙げることができる。
絵柄層5を設ける方法としては、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、静電印刷、インキジェット印刷等がある。また、ベタ状の絵柄層を設ける場合は、コンマコーター、ナイフコーター、リップコーター等のコーティング法、或いは金属蒸着法やスパッタ法等を用いるとよい。絵柄層の形成用材料の選定に当たっては、絵柄層に隣接する他の層との接着性も十分に考慮すべきである。
また、ベタ状に形成される絵柄層を得るためのインキは、基本的にはパターン状で層状の絵柄層の形成に際して用いられるインキとその材料構成は同様のもので構わないが、それからなる薄膜層に隠蔽性を持たせる必要がある場合は、含有させる顔料としては不透明な顔料、酸化チタン、酸化鉄等を使用すればよい。また隠蔽性を持たせるために金、銀、銅、アルミニウム等の金属からなる微粉末を使用してもよい。中でも、フレーク状のアルミニウムは好適に用いることができる。隠蔽することを主たる目的として形成されるベタ状の絵柄層の厚みは2〜10μm程度が好ましい。2μm未満の厚みでは隠蔽性を付与しにくく、また10μmを超えると層の凝集力が弱くなる。
このような絵柄層5の上に、後述する接着層4と接着性樹脂層3を介して積層されているのが透明若しくは半透明な熱可塑性樹脂層2である。
この熱可塑性樹脂層2の構成材料の一つとして用いられる樹脂材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール等の公知の熱可塑性樹脂を挙げることができるが、中でもポリオレフィン系樹脂は好適に用いることができる。また、ポリオレフィン系樹脂の中でもポリプロピレンも好ましく用いられる。より具体的には、単独重合体すなわちホモポリマー或いはエチレンやブテン等と共重合された二元、三元のランダムポリマー共重合体である。
特に、化粧シートにより優れた表面強度を持たせたい場合は、高結晶化ポリプロピレンの使用が好ましい。なお、この高結晶化ポリプロピレンには他の樹脂を添加することも可能であるが、折り曲げ等の後加工適性も付与させたい場合には、高結晶化ポリプロピレン樹脂との相溶性には十分留意すべきである。
本発明における熱可塑性樹脂層2には耐候性を向上させる役割があり、紫外線吸収剤およびヒンダードアミン系光安定剤が適宜添加されている。紫外線吸収剤としてはトリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、金属酸化物からなる無機系紫外線吸収剤を単独で、あるいは組み合わせて用いることができる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−イソ−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジン、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体が挙げられる。これらの中から一種または複数を選択して用いればよい。
熱可塑性樹脂層2中における前記したトリアジン系紫外線吸収剤の添加量は、熱可塑性樹脂100重量部に対し0.1重量部以上が好ましい。添加量が0.1重量部未満の場合、熱可塑性樹脂層中において十分な紫外線吸収能を発揮することができない場合がある。トリアジン系紫外線吸収剤の添加量の上限は、1重量部以下が好ましい。
一方、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体が例示できる。これらの中から一種または複数を選択して用いればよい。
これらのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の熱可塑性樹脂層2中における添加量は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、0.1〜1.0重量部が好ましい。添加量が0.1重量部未満の場合、熱可塑性樹脂層中において十分な紫外線吸収能を発揮することができない場合がある。また、1.0重量部を超えるような場合は、熱可塑性樹脂層に隣接する他の層、例えば図示する保護層1との密着強度が低下してしまう場合がある。
金属酸化物からなる無機系紫外線吸収剤としては、アナターゼ型酸化チタン超微粒子、ルチル型酸化チタン超微粒子、酸化亜鉛超微粒子、酸化セリウム超微粒子やこれらの混合体等、半導体としての価電子帯と伝導帯のバンドギャップのエネルギー差が放射線の紫外領域と同等のエネルギーのものを使用することができる。
これらの金属酸化物からなる無機系紫外線吸収剤は、一次粒子径が小さいほど散乱がなくなり、可視光領域の光に対して透明性を示すようになるので好適である。逆に一次粒子径が大きくなると、可視光領域の光に対して不透明になるが、粒子径が紫外光領域の波長に近づくと散乱効果が働き、紫外線の遮蔽効果が向上する。従って、添加する金属酸化物からなる無機紫外線吸収剤の一次粒子径は、化粧シートとして必要とされる透明性、耐候性、紫外線吸収能力等を考慮し、10nmから400nmの範囲にあることが好ましい。無機系紫外線吸収剤の熱可塑性樹脂層2中における添加量は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、0.1〜1重量部が好ましい。
なお、紫外線吸収剤の熱可塑性樹脂層2中における合計量は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、1重量部以下が好ましい。
また、熱可塑性樹脂層2中には、上述したように、紫外線吸収剤として、トリアジン系またはベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤、金属酸化物からなる無機系紫外線吸収剤の少なくともいずれか単独または組み合わせて添加していると共に、ヒンダードアミン系光安定剤が添加してある。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N'−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート等が例示できる。これらから一種または数種を選択し、上記した紫外線吸収剤と共に混合して使用される。ヒンダードアミン系光安定剤の熱可塑性樹脂層2中における添加量は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、0.1〜2重量部が好ましい。
また、熱可塑性樹脂層2中には、前記した紫外線吸収剤や光安定剤の他に、必要に応じて酸化防止剤、熱安定剤、難燃剤、ブロッキング防止剤、触媒促進剤、着色剤、半透明化のための光散乱剤、艶調整剤等を、透明性或いは半透明性を維持する範囲で適宜添加することができる。
酸化防止剤としては、フェノール系、イオウ系、リン系の各種酸化防止剤が挙げられる。これらの酸化防止剤は他の添加物との組み合わせは任意であるが、多量添加による熱可塑性樹脂層表面へのブリードアウトや、添加されている着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤等との相乗・拮抗作用には十分留意する必要がある。
また、熱安定剤としては、ヒンダードフェノール系、硫黄系、肥土レジン系等が、難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシシウム等が挙げられる。クエンチャーとしては、Niキレート系のものを挙げることができる。また、金属酸化物からなる無機系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の他に、ベゾエート系、ベンゾフェノン系、サリシレート系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤を適宜加えることも可能である。
さらに、熱可塑性樹脂層2への切削性の付与やその他の物性の向上をも考慮し、上記した樹脂、添加剤の他にフィラー分を添加してもよい。このフィラー分としては、ウレタン架橋粒子、アクリル架橋粒子、メラミン樹脂、天然コラーゲン等の有機成分フィラーが、また、一般的なトップコート剤の成分材料としても用いられているアルミナ、シリカ、窒化珪素、炭化珪素、ガラスビーズ、水酸化アルミ、炭酸カルシウム等の無機フィラー等が挙げられる。
熱可塑性樹脂層2の形成には、公知の形成方法を用いることができる。例えば、押出し法や、後述する接着性樹脂層の形成と同時に行われる多層共押出し法が適用され得る。熱可塑性樹脂層2の厚みは、30〜200μmが好ましい。
接着性樹脂層3は熱可塑性樹脂層2と後述する接着層4の接着強度が十分得られる場合は不要である。しかしながら、熱可塑性樹脂層2を構成する樹脂としてポリプロピレンのような非極性の樹脂を用いた場合には、熱可塑性樹脂2と接着層4との間の接着強度が十分に得られないので、このような場合には、接着性樹脂層3を設けることが推奨される。この接着性樹脂層3は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル系等の樹脂に酸変性を施したもので構成される。その厚みは接着性向上の観点から2μm以上が好ましいが、厚すぎても接着性樹脂層自体の柔軟性が表面硬度に影響を与えたり、凝集力や耐熱性の点から逆に接着強度を落としたりしかねないので、20μm程度を上限とすることが好ましい。また、この接着性樹脂層の形成方法としては、接着強度向上を考慮して、熱可塑性樹脂層2との共押出法によるラミネートが好ましい。
一方、接着層4であるが、これは隣接する層、すなわち絵柄層5と接着性樹脂層3との接着強度を向上させるために設けられている層である。この接着層4の構成材料としては、十分な接着強度が得られるものであれば、公知の接着性材料を用いることができる。例えば、アクリル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、エポキシ系の接着材料が使用できるが、その中では塗膜凝集力の高い二液硬化型のポリウレタン系接着性材料が好適に使用できる。また、その塗工方法も接着性材料の塗液粘度等によって適宜選択できるが、一般的にはグラビア版によるドライコート法が、低塗布量管理の意味からも好ましい方法といえる。また、塗布量は接着強度、コスト等を考慮して適宜決定するとよいが、出来るだけ低塗布量が好ましい。
接着層4は絵柄層5の上に形成され、熱可塑性樹脂層2と接着性樹脂層3と共に一体的にされることになる。形成方法はそれに隣接する接着性樹脂層3にもよるが、その材料の特性に合わせて、押出ラミネート、ドライラミネート等により形成するとよい。
次に、化粧シート表面に設けられている保護層1について説明する。この保護層1は、熱可塑性樹脂および絵柄層の紫外線による劣化を保護し、耐汚染性を向上させ、さらには表面の艶を調節するために設けられている層であり、架橋された樹脂材料を主体とし、紫外線吸収剤や光安定剤等を含有する保護層形成用材料からなるものである。主たる構成材料としては、ポリウレタン系、アクリルシリコン系、フッ素系、エポキシ系、ビニル系、ポリエステル系、メラミン系、アミノアルキッド系、尿素系の樹脂材料を挙げることができる。これらの樹脂を主体としてなる保護層形成用材料の形態は水性、エマルジョン、溶剤系等のいずれであってもよく、硬化タイプとしては一液タイプのものでも硬化剤を用いた二液タイプのものでもよい。中でもイソシアネートを用いたウレタン系の樹脂を主体としてなる保護層は、形成に当たっての作業性、価格、樹脂自体の凝集力等の観点からも望ましいものといえる。
上述したイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、メタジイソシアネート(MDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチルヘキサンジイソシアネート(HTDI)、メチルシクロヘキサノンジイソシアネート(HXDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)等が挙げられ、これらの中から適宜のものを選択して使用できるが、耐候性を考慮すると二重結合を持つタイプよりも直鎖状の構造を持つタイプ、特にヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)が好ましい。また、表面硬度をさらに向上させるために、紫外線や電子線等の活性エネルギー線で硬化する樹脂の使用も可能である。また、単独使用の他に熱硬化型と光硬化型のハイブリット硬化型との併用についても、表面硬度、硬化収縮、密着性等の点からも有効な場合もある。
従来の化粧シートにおける保護層は、コストや用途範囲、加工性の観点から、架橋密度が0.5(mmol/CC)程度の低架橋密度の樹脂が多く使用されてきていた。これらの保護層中には耐候性を向上させるため、トリアジン系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤が添加されている。しかしながら、架橋密度の低い樹脂中に添加されている紫外線吸収剤は外部からの熱、光、降雨等に晒されることによるブリードアウトや、層の外に洗い流されることにより、当初の添加量が減少してしまい、保護層および保護層下に積層されている熱可塑性樹脂層、印刷層に劣化が発生していた。また、トリアジン系の紫外線吸収剤は低添加量でも高い耐候性能があるが、樹脂との相溶性の問題によりブリードアウトしやすく、建築外装用途に耐え得る耐候性を確保することができなかった。
これに対して本発明においては、保護層1に透明若しくは半透明な架橋密度が0.8〜2.0(mmol/CC)、より好ましくは1.0〜2.0(mmol/CC)の高架橋密度の樹脂を用いることにより、保護層中に添加されている紫外線吸収剤のブリードを低減させ十分な紫外線吸収能力を有する耐候性に優れた化粧シートを提供することが可能となった。また、架橋密度が高い樹脂を用いることにより、化粧シート表面の耐傷性、耐汚染性が向上した化粧シートを提供することが可能となった。架橋密度が0.8(mmol/CC)より小さいと、保護層が軟らかくなり過ぎ、耐傷性、耐汚染性に劣り、また、紫外線吸収剤のブリードアウトが生じやすく、2.0(mmol/CC)より大きいと、硬くなりすぎ加工性に劣る。
なお、本発明にかかる架橋密度は以下の方法により求めたものである。強制伸縮振動型粘弾性測定装置を用いて、昇温時の動的弾性率(E’)を求め、このE’が極小となる温度とその極小値から次式により算出した。なお、測定周波数は10Hzとした。
E’=3nRT
E’:貯蔵弾性率(dyne/cm)、n:架橋密度(mol/CC)、R:気体定数(8.314×10、erg.deg/mol)T:絶対温度(°K)である。
架橋点間の分子量が小さい、また架橋点の数が多い場合、貯蔵弾性率は高くなり、架橋密度が高くなる。したがって、この保護層1の架橋密度は、架橋剤の種類・添加量、架橋される樹脂の分子量・官能基の数等の組み合わせにより変化する。保護層1の樹脂の架橋密度を高めるためには、使用する樹脂の分子量を小さくする、架橋される樹脂の官能基の数が多い、架橋剤の添加量を多くすると、架橋点が多くなり架橋密度は高くなる。
この保護層1には、紫外線吸収剤およびヒンダードアミン系光安定剤が適宜添加されている。紫外線吸収剤としてはトリアジン系紫外線吸収剤やベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、および金属酸化物からなる無機系紫外線吸収剤を好適に用いることができる。
保護層1に添加されるトリアジン系の紫外線吸収剤としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−〔4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−イソ−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジン等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体等が例示できる。これらは単独で、または複数を組み合わせて使用できる。
また、保護層1に添加されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体が例示できる。これらも単独で、または複数を組み合わせて使用できる。
保護層1中に添加する金属酸化物からなる無機系紫外線吸収剤としては、アナターゼ型酸化チタン超微粒子、ルチル型酸化チタン超微粒子、酸化亜鉛超微粒子、酸化セリウム超微粒子やこれらの混合体等、半導体としての価電子帯と伝導帯のバンドギャップのエネルギー差が放射線の紫外領域と同等のエネルギーのものを使用することができる。
金属酸化物からなる無機系紫外線吸収剤の一次粒子径は、小さいほど散乱がなくなり、可視光領域の光に対しては透明性を示すようになる。逆に一次粒子径が大きくなると、可視光領域の光に対しては不透明になるが、粒子径が紫外領域の波長に近づくと散乱効果が働き、紫外線の遮蔽効果が向上する。実際に添加する金属酸化物からなる無機紫外線吸収剤の一次粒子径は、化粧シートとして必要とされる、透明性、耐候性、紫外線吸収能力等を考慮して適宜に設定すればよい。
また、保護層1中には上述したように、紫外線吸収剤としてトリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤および金属酸化物からなる無機系紫外線吸収剤から選択された少なくとも1種を添加していると共に、ヒンダードアミン系光安定剤が添加してある。
保護層1に添加されるヒンダードアミン系光安定剤としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)〔[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル〕ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、デカン二酸ビス[2,2,6,6−テトラメチル−1−オクチルオキシ)−4−ピペリジニル]エステル等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体等が例示できる。これらも単独で、または複数を組み合わせて使用できる。保護層1に添加されるヒンダードアミン系光安定剤の量は、保護層1の重量に対し、0.1〜20重量部が好ましい。また、保護層1に添加されるトリアジン系紫外線吸収剤の量は、保護層1の重量に対し、0.1〜10重量部が好ましい。保護層1に添加されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の量は、保護層1の重量に対し、0.1〜10重量部が好ましい。保護層1に添加される無機系紫外線吸収剤の量は、保護層1の重量に対し、0.1〜10重量部が好ましい。
なお、紫外線吸収剤の保護層1中における合計量は、保護層1の重量に対し、10重量部以下が好ましい。
また各種機能を付与するために、抗菌剤、防かび剤、難燃性等の機能性添加剤もこの保護層中に添加しておいてもよい。さらに、表面への意匠性の付与、艶調節のため、また耐摩耗性向上のために、アルミナ、シリカ、チッ化珪素、炭化珪素、ガラスビーズ等の無機フィラーを添加することもできる。
難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、クエンチャーとしてNiキレート系等、を任意に組み合わせて添加することができる。また、紫外線吸収剤としては、トリアジン系またはベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤の他に、ベンゾエート系、ベンゾフェノン系、サリシレート系、シアノアクリレート系等を併用して添加することができる。具体的には、ベンゾフェノン系の、オクタベンゾンやその変性物、重合物、誘導体が挙げられる。
特に保護層1は最表面に位置するため、化粧シートの耐候性の付与に多大な影響を与える部分である。そのため耐候性を十分考慮する必要があり、機能性添加剤の添加量は保護層形成用材料(塗液)を構成する樹脂や溶剤中への溶解度にもよるが、その要求物性や多量添加による弊害も考慮して、保護層形成用材料の固形分100重量部に対し、0.1重量部から10重量部程度の範囲とすることが好ましい。
また、保護層の形成方法も保護層形成用材料の性状や粘度、塗布量等に合わせて選択すればよく、特別な塗工方法を採用する必要はない。具体的には、グラビアコート、マイクログラビアコート、コンマコート、リップコート等々の一般的な塗工方法より設ければよい。また意匠性向上のために凹凸のエンボス模様を施すことも構わない。また、保護層の膜厚としては1〜20μmであることが好ましい。
エンボス模様を施す場合には、一旦各種方法で各層を積層した後から熱圧によりエンボスする方法、冷却ロールに凹凸模様を設け押出ラミネートと同時にエンボスする方法等がある。また、押し出し時に同時エンボスを施した透明樹脂層と基材シートを熱或いはドライラミネートで貼り合わせる方法等がある。さらにエンボス凹部にインキや樹脂を埋め込み、凹部中のインキや樹脂を転移させ、意匠性や耐候性を向上させるようにしてもよい。
なお、本発明でいう透明若しくは半透明とは、JIS K7105で規定する全光線透過率が75%以上であることを意味する。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
実施例1
まず、熱可塑性樹脂層形成材料として、ホモタイプの押出成形用ポリプロピレン樹脂100重量部に対し、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノールを0.5重量部、ヒンダートアミン系光安定剤(ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}])を0.5重量部、フェノール系酸化防止剤(イルガノックス1010:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)を0.5重量部添加した樹脂を用いた。
次に、ポリエチレンからなる基材シート(厚さ120μm)の表面に木目模様の絵柄層を設け、その上に二液硬化型ウレタン樹脂系の接着剤からなる厚さが2μm程度の接着層を設け、ポリエチレン製基材シートを用意した。
続いて、接着性樹脂層形成用材料として、ポリプロピレン酸変性樹脂を、熱可塑性樹脂層形成用材料として上記樹脂組成物を用い、押出機により溶融押し出しを行い、前記工程で得られたポリエチレン製基材シートの接着層の上に、接着性樹脂層と熱可塑性樹脂層を多層押出しラミネーション法で形成した。このとき、形成された接着性樹脂層と熱可塑性樹脂層の厚みはそれぞれ10μm、80μmであった。
上記工程で得られた多層シートの熱可塑性樹脂層の表面にコロナ放電処理を施し、トリアジン系紫外線吸収剤(2−〔4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン)とヒンダードアミン系光安定剤(ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケートとメチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケートの混合物)を含有する、架橋密度が1.7(mol/CC)になるよう調製した二液硬化型ウレタン系トップコート剤をドライコートして保護層を設け、本発明の実施例1に係る化粧シートを作製した。トリアジン系紫外線吸収剤およびヒンダードアミン系光安定剤は、保護層の重量に対し、それぞれ5重量部および5重量部となるように添加した。
比較例1
実施例1において、保護層の材料として、実施例1と同じトリアジン系紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤を同じ量で含有する架橋密度が0.5(mol/CC)になるよう調製した二液硬化型ウレタン系トップコート剤を用い、その他については実施例1と同様の材料、製造方法を用い、比較のための比較例1に係る化粧シートを作製した。
なお、架橋剤の添加量を変えることにより、実施例1の架橋密度の高いコート剤と比較例1の架橋密度の低いコート剤を調製した。
<性能比較>
以上のように作製した実施例1および比較例1のそれぞれの化粧シートについて、耐候性評価をするために耐候促進試験(メタルハライドランプ方式試験機 JTM G 01 2000日本試験機工業会規格)を行った。試験機は、ダイプラ・メタルウェザー(KU−R5CI−A:ダイプラ・ウィンテス株式会社製)を用いた。
耐候促進試験条件は次のようであった。
[1]光源ランプ:MW−60W、フィルター:KF−1(照射範囲295nmから780nm)、照度65±3mW/cm2(測定域 330nmから390nm)
[2]Light(照射)(53℃,50%RH)20.00時間
[3]Dew(暗黒結露)(30℃,98%RH)4.00時間
[4]Rest(休止)(30℃,98%RH)0.01時間
上に示した24.01時間のサイクルを1サイクルとして、240時間試験を行った。なお、シャワーはDewの前後に30秒行った。
耐候促進試験を行った実施例1および比較例1の化粧シートについて、JISK5600−5−6に準じて、クロスカットを入れない方法で、保護層の密着性を評価した。その評価を表1に示した。
また、耐候促進試験前と耐候促進試験後の実施例1および比較例1の化粧シートについて、剥離溶剤を作用させて、保護層および熱可塑性樹脂層を併せて強制的に剥離させ、剥離した保護層および熱可塑性樹脂層の340nmにおける紫外線の透過率を測定した。耐候促進試験前後の紫外線透過率の差(耐候促進試験後の透過率−耐候促進試験前の透過率)を算出し、紫外線吸収能の低下を評価した。紫外線吸収能が低下すれば透過率の差の値は大きくなる。その結果を表1に示した。
Figure 2008238771
以上の結果から、本発明の化粧シートは、比較のために作製した化粧シートと比較して、耐候性試験後における保護層の密着力低下が抑制され、かつ保護層および熱可塑性樹脂層の紫外線遮蔽や吸収能の低下が抑制されることがわかった。
本発明の化粧シートは、建築用内外装部材、建具、枠材、床材等の建築用資材、或いは家電製品等の表面材として用いられる化粧シート、とくに木質ボード、無機系ボード類、金属板等に貼り合わせて化粧板を作製する際に用いられる化粧シートに有用であり、特にその耐候性が外装用途の建築資材の表面材に要求される耐候性をも十分に満足し得るものである。
本発明の化粧シートの一例の概略断面図である。
符号の説明
1…保護層
2…熱可塑性樹脂層
3…接着性樹脂層
4…接着層
5…絵柄層
6…基材シート
7…プライマー層

Claims (5)

  1. 基材シート上に、透明若しくは半透明な架橋密度が0.8〜2.0(mmol/CC)の架橋された樹脂を含む保護層が少なくとも積層されており、前記保護層は、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤および金属酸化物からなる無機系紫外線吸収剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤とを少なくとも含有することを特徴とする化粧シート。
  2. 前記基材シートと前記保護層の間に、透明若しくは半透明な熱可塑性樹脂層が少なくとも積層され、前記熱可塑性樹脂層は、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤および金属酸化物からなる無機系紫外線吸収剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤とを少なくとも含有することを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記基材シートに絵柄層を設けることを特徴とする請求項1または2に記載の化粧シート。
  4. 前記熱可塑性樹脂層が、接着性樹脂層を介して前記基材シートの上に設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の化粧シート。
  5. 前記熱可塑性樹脂層がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の化粧シート。
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