JP2008238049A - 静電霧化装置 - Google Patents

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Sumiaki Nakano
純章 仲野
Tadashi Hamada
糾 濱田
Akihisa Inoue
明久 井上
Yoshihiko Yokoyama
嘉彦 横山
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Abstract

【課題】高精度の電極先端を有する放電電極を容易に作製することができる静電霧化装置を提供する。
【解決手段】放電極1と、放電極1に水を供給する水供給手段3と、放電極1に高電圧を印加する電圧印加手段4とを備え、放電極1に高電圧を印加することで放電極1に保持される水を静電霧化させる静電霧化装置に関する。放電極1を金属ガラス合金で形成することによって、高精度の電極先端を有する放電極1を容易に作製することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、水を静電霧化させてナノメータサイズの帯電微粒子ミストを発生させる静電霧化装置に関するものである。
従来より、水を静電霧化させてナノメータサイズの帯電微粒子ミストを発生させる静電霧化装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
この静電霧化装置は、放電極と、放電極に水を供給する水供給手段と、放電極に高電圧を印加する電圧印加手段とを備えて形成されるものであり、放電極に高電圧を印加することで放電極に保持される水を静電霧化させてナノメータサイズの帯電微粒子ミストを発生させるようにしたものである。なお、放電極と対向するように対向電極を設けて該放電極と対向電極との間に高電圧を印加してもよいが、対向電極は設けなくてもよい。
特許第3260150号公報
このような従来の静電霧化装置において、放電極は、SUSあるいはCu−Sn(真鍮材)に対して深絞りや切削加工などの機械加工を施すことにより、小サイズの電極として形成するようにしており、このため、放電極の形成に多大な工数がかかり、寸法や表面粗度の管理に問題があるものであった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、高精度の電極先端を有する放電極を容易に作製することができる静電霧化装置を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る静電霧化装置は、放電極と、放電極に水を供給する水供給手段と、放電極に高電圧を印加する電圧印加手段とを備え、放電極に高電圧を印加することで放電極に保持される水を静電霧化させる静電霧化装置において、放電極は金属ガラス合金により形成されていることを特徴とするものである。
この発明によれば、金属ガラス合金によって、機械加工を必要とすることなく高精度の電極先端形状を有する放電極を容易に形成することができるものである。
また請求項2の発明は、請求項1において、上記水供給手段は、放電極を冷却して表面に水を結露させることによって放電極に水を供給するものであることを特徴とするものである。
この発明によれば、放電極に水を補給する必要がなくなると共に放電極に生成される水には不純物が含まれないので付着物除去の手間も不要になるものである。
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、上記放電極の表面に、Niを含有する層と、Au,Pd,Pt,Crから選ばれた少なくとも一種の金属を含有する層と、Coを含有する層を積層した被膜層を形成して成ることを特徴とするものである。
この発明によれば、放電極の耐酸性、耐アルカリ性、耐マイグレーション性を向上させることができるものである。
本発明によれば、静電霧化装置において特に寸法精度と平滑な表面が要求される放電極を、高精度の電極先端形状を有して形成できるものである。また、耐酸性、耐アルカリ性、耐マイグレーション性を付与させることにより、耐久性に優れ、長寿命の静電霧化装置とすることができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
静電霧化装置は、図1(a)に示すように放電極1および該放電極1に対向配置した対向電極2と、放電極1に水を供給する水供給手段3と、放電極1と対向電極2との間に高電圧を印加する電圧印加手段4とを備えて形成されるものであり、電圧印加手段4にて放電極1と対向電極2との間に高電圧を印加することで放電極1に供給した水を静電霧化するようにしたものである。
静電霧化は、高電圧の印加によって放電極1側が負電極となって電荷が集中するとともに放電極1の表面に付着した水が円錐形状に盛り上がってテイラーコーンが形成され、このテイラーコーンの先端に電荷が集中して高密度となってこの高密度の電荷の反発力ではじけるようにして水が分裂・飛散するレイリー分裂を繰り返すことで行われる。本実施形態の水供給手段3はペルチエ素子5からなる冷却手段を備えたものであり、この冷却手段にて放電極1を冷却させて、空気中の水分(湿気)を放電極1の先端部の表面に結露させることで水を供給するようにしたものである。ペルチエ素子5の放電極1側の端部が冷却部5a、その反対側の端部が放熱部5bとなっており、冷却部5aは放電極1に熱的に接続してあるとともに、放熱部5bは放熱フィン6に熱的に接続してある。
ここで、テイラーコーンの形成及び放電の安定性は、放電極1から対向電極2までの距離や放電極1の表面粗度が大きく寄与する。例えば25℃、50%の環境条件下において、対向電極2と、この対向電極2から3.0mmの距離に設置した直径Φ0.7mm、表面粗度(Ra)が1μmの放電極1の間で−4.9kVの高電圧を印加すると、安定的に静電霧化が継続するが、放電極1と対向電極2間の距離が3.1mmになると、あるいは、放電極1の表面粗度(Ra)が5μmになると、安定した静電霧化が実現できない。
静電霧化において最も重要部位となる放電極1は、このような高い寸法精度を確保し、また小さな表面粗度を確保して作製する必要がある。このような放電極1を通常の金属材料で作製する場合、多大で慎重な機械加工工程が必要となり非常に困難である。そこで本発明は、金属ガラス合金を用いてまたは少しの機械加工で、放電極1を作製するようにしたものである。金属ガラス合金は、結晶化温度領域(Tx)以下に、ガラス遷移とそれに続く過冷却液体領域を有する、非晶質層を主体とする合金であり、金属ガラス合金のこの過冷却液体領域を利用して、凝固収縮を考慮するような必要なく、また一切の機械加工を必要とせずに、成形型による成形で放電極1を作製することができるものであり、高い寸法精度で、また表面粗度(Ra)≒0.01μm程度の非常に平滑な表面形態を有する放電極1を作製することが可能になるものである。
放電極1を形成する金属ガラス合金としては、熱伝導性および導電性の確保の観点から、これらの特性に優れる元素を多く含むものが好適に用いられるものであり、例えばCuを含むような合金組成が望ましい。勿論、必ずしもこのようなものに限らないものであり、以下に本発明において適用できる金属ガラス合金を列挙する。尚、括弧内に例示する組成の添え字の数値は、金属組成比(原子百分率)を示すものである。
(Cu基)
Cu−Zr−Ti(例えば、Cu60Zr30Ti10
Cu−Ti−Ni−Hf−Zr−Si(例えば、Cu42.5Ti41.5Ni7.5HfZr2.5Si
(Zr基)
Zr−Cu−Al(例えば、Zr50Cu40Al10
Zr−Cu−Ni−Al(例えば、Zr50Cu30Ni10Al10
Zr−Cu−Ni−Al−Ti(例えば、Zr53Cu20Ni12Al10Ti
(Pt基)
Pt−Pd−Cu−P(例えば、Pt48.75Pd9.75Cu19.522
Pt−Cu−P(例えば、Pt60Cu1822
(Ni基)
Ni−Nb−Ti−Zr−Co―Cu(例えば、Ni53Nb20Ti10ZrCoCu
Ni−Nb−Ti−Zr(例えば、Ni60Nb15Ti15Zr10
Ni−Nb−Ti(例えば、Ni60Nb15Ti25
Ni−Nb−Zr(例えば、Ni60Nb20Zr20
Ni−Nb−Ti−Zr−Fe(例えば、Ni55Nb15Ti15Zr10Fe
Ni−Nb−Ti−Zr−Co(例えば、Ni55Nb15Ti15Zr10Co
Ni−Nb−Ti−Zr−Cu(例えば、Ni55Nb15Ti15Zr10Cu
Ni−Nb−Ti−Zr−Co−Cu(例えば、Ni53.5Nb20.2Ti10.1Zr7.1Co6.1Cu
(Ti基)
Ti−Zr−Cu−Ni−Hf(例えば、Ti45Zr2.5Cu42.5Ni7.5Hf2.5
Ti−Zr−Cu−Ni−Nb(例えば、Ti45Zr2.5Cu42.5Ni7.5Nb2.5
Ti−Zr−Cu−Ni−Ta(例えば、Ti45Zr2.5Cu42.5Ni7.5Ta2.5
Ti−Zr−Cu−Ni−V(例えば、Ti45Zr2.5Cu42.5Ni7.52.5
Ti−Zr−Cu−Ni−Sn(例えば、Ti45Zr2.5Cu42.5Ni7.5Sn2.5
Ti−Zr−Cu−Ni−Al(例えば、Ti45Zr2.5Cu42.5Ni7.5Al2.5
Ti−Zr−Cu−Ni−Si(例えば、Ti45Zr2.5Cu42.5Ni7.5Si2.5
Ti−Zr−Cu−Ni−Pb(例えば、Ti45Zr2.5Cu42.5Ni7.5Pb2.5
Ti−Zr−Cu−Ni−Ga(例えば、Ti45Zr2.5Cu42.5Ni7.5Ga2.5
Ti−Zr−Cu−Ni−Y(例えば、Ti46.3Zr2.45Cu41.45Ni7.32.5
Ti−Zr−Cu−Ni−B(例えば、Ti45Zr2.5Cu42.5Ni7.52.5
Ti−Zr−Hf−Cu−Ni−Si(例えば、Ti41.5Zr2.5HfCu42.5Ni7.5Si
Ti−Zr−Cu−Ni−Si−B(例えば、Ti45Zr2.5Cu42.5Ni7.5Si0.5
Ti−Cu−Ni−Fe−Mo(例えば、Ti52Cu23Ni11FeMo
Ti−Cu−Ni−Zr−Al−Si−B(例えば、Ti53.5Cu21Ni12ZrAlSi0.5
Ti−Cu−Ni−Zr(例えば、Ti40Cu45NiZr10
(Fe基)
Fe−Si−B−Nb(例えば、Fe71Si20Nb
Fe−Co−Si−B−Nb(例えば、Fe57.6Co14.4Si20Nb
Fe−Si−B−Nb(例えば、Fe72Si20Nb
Fe−Ni−B(例えば、Fe60Ni2020
Fe−Cr−Mo−C−B−Er(例えば、Fe48Cr15Mo1415Er
Fe−Mo−C−B−Er(例えば、Fe63Mo1415Er
Fe−Ni−Si−B−Nb(例えば、Fe43Ni29Si20Nb
Fe−Nb−B(例えば、Fe72Nb24
Fe−Co−Ni−B−Si−Nb(例えば、Fe57.6Co7.2Ni7.219.2Si4.8Nb
(Mg基)
Mg−Cu−Y(例えば、Mg65Cu2510
金属ガラス合金の一例としてZr50Cu40Al10を挙げて説明する。Zr50Cu40Al10金属ガラス合金は706Kにおいてガラス転移現象を示し、792Kの結晶化温度に至るまでの温度範囲内において過冷却液体領域となる(Y.Yokoyamaet al.Materials Transactions,Vol.46,No.12(2005)pp.2755―2761を参照)。そしてZr50Cu40Al10金属ガラス合金はこの過冷却液体領域では、変形抵抗は小さく大歪の塑性変形をさせることができる。従って、複雑な形状でも、成形型の形状に極めて忠実な形状を作製することができるものであり、例えば図2に示すような、放電極1の先端に必要な微小な水溜め用の球形部1aおよび尖った先端形状部1bを形成することができる。一般の金属線材から通常の機械加工で放電極1を作製する場合には、線径以上の大きさを持った水溜め用球形部1aを形成することはできず、球形部1aの外形寸法以上の金属部材から切削加工して放電極1を作製する必要がある。また、通常の切削方法では先端形状部1bの先端のRは10μmが限界であるが、金属ガラス合金を用いて成形する場合には、先端Rは数μmのレベルで制御できるものであり、例えば先端R=1μmの放電極1も容易に作製することができる。このように先端形状部1bの先端R=1μmの放電極1を作製することによって、結露水の蓄積が不十分な際(稼動開始時等)、安定した空気放電が起こり、静電霧化現象が起きない際には、安定的に継続してマイナスイオンを放出することができるものである。また、放電極1の表面の表面粗度をRa=0.02μmに仕上げることができるため、増加してきた結露水はスムーズに放電極1の先端側に移動することができ、これにより、スムーズに静電霧化に移行することができるものである。
上記のような水溜め用の球形部1aと尖った先端形状部1bを有する形状の放電極1を作製する方法としては、過冷却液体領域に金属ガラス合金の線材を加熱した後、このような形状に型成形を行なう方法がある。あるいは、溶湯抽出法で水溜め用球状部1aに相当する線径よりも太い玉状の塊を数珠状に連ねて形成した金属ガラス合金の線材を用い、この数珠玉の間隔を制御した線材を、過冷却液体領域にマイクロヒーティングした後、線材に張力を加えて数珠玉の無い細い部分を切断することで、先端Rの先端形状部1bを有して尖った放電極1を作製する方法もある。なお、金属ガラス合金を溶融した後、所定形状の型の中にこれを圧入して成形することによっても、上記の形状の放電極1を作製することができるものである。これらのどの方法においても、型形状への転写性が極めて優れる金属ガラス合金の特徴を活かして、放電極1を作製することができるものであり、特定の方法に限定されるものではない。
上記のように、静電霧化装置は、電圧印加手段4にて高電圧を印加して放電極1の先端部に結露した水を静電霧化するのであるが、この時、放電極1は酸、アルカリにより腐蝕されるおそれがあるとともに、マイグレーションが発生するおそれがある。図3(a)にマイグレーション発生前の放電極1を、図3(b)にマイグレーション発生後の放電極1の模式図を示す。図3(b)のように、マイグレーションが発生して放電極1が変形劣化すると、放電極1におけるテイラーコーン形成が不安定になり、適切な静電霧化を行なえなくなる。こうしたマイグレーションによる放電極1の変形劣化に対処し、また放電極1の耐酸性、耐アルカリ性を高めるため、図1(b)のように放電極1の表面に被膜層8を形成するのが好ましい。
以下、放電極1に付与する表面被膜層8について説明する。放電極1は金属ガラス合金により形成した基材部7の表面に被膜層8を設けて形成されるものであるが、バレルメッキによる電解メッキで被膜層8を形成することによって、安価に大量生産することが可能となって生産性が向上するものである。
図4の実施の形態では被膜層8は三層のメッキ層80,81,82で形成するようにしてある。一層目の被膜層として基材部7の直ぐ表面に厚み15μmのNiメッキ層80を形成してあり、次に二層目の被膜層として厚み7μmのAuメッキ層81を形成してあり、そして三層目の被膜層として厚み3μmのCoを添加したAuメッキ層82を形成してある。
一層目のNiメッキ層80は、基材部7の金属ガラス合金と二層目および三層目のAuメッキ層81、82のAuとが相互拡散するのを防止するもので、このためにはNiメッキ層80は少なくとも1μm以上の厚みが必要であるが、ピンホールが形成されるのを防止するため厚みを4μm以上とするのが好ましく、本実施形態では余裕をもって15μmとしてある。二層目および三層目のAuメッキ層81、82は、耐酸性、耐アルカリ性、耐マイグレーション性および生産性(バレルメッキが可能である点)に優れるAuを用いて放電極1におけるこれらの特性を向上させるもので、三層目のAuメッキ層82にCoを添加したAuを用いているのは、放電極1の表面の濡れ性を向上させるためと、硬度をHv80からHv250程に上げて傷がつくのを防止するためである。Auメッキ層81、82を一層のCoを添加したAuメッキ層で形成してもよいのであるが、Coを添加したAuメッキ層は厚み3μmまでしか形成することができないため、最外層となる三層目のAuメッキ層82をこのCoを添加した光沢タイプのAuメッキ層3μmで形成するとともに、その内側の二層目のAuメッキ層81をCo無添加である無光沢タイプのAuメッキ層7μmで形成してAu層の厚みを確保している。Auメッキ層81においてはピンホールが形成されるのを防止するため4μm以上とするのが好ましく、本実施形態では余裕をもって7μmとしてある。
ここで、Auメッキ層を形成した放電極1と、Auメッキ層を形成せずNiメッキ層のみを形成した放電極1とについて比較試験を行ない、その結果について説明する。Auメッキ層を形成した放電極1は、基材部7の直ぐ表面にNiメッキ層を1μm形成するとともにその表面にCo無添加のAuメッキ層を18μm形成することで構成してある。一方Niメッキ層のみを形成した放電極1は、基材部7の直ぐ表面にNiメッキ層を19μm形成することで形成したものである。そして、これらの放電極1をそれぞれ静電霧化装置に組み込んで約1000時間の連続運転を行い、その後の放電極1の摩耗度合いを計測することで比較試験を行なった。その結果、Auメッキ層を形成した放電極1においては試験前後において変化が無く摩耗は見られなかったのに対し、Niメッキ層のみを形成した放電極1においては、Niメッキ層が運転前の19μmから12μmへと減少していた。このNiメッキ層は硬度Hv500であり、Auメッキ層の硬度Hv80と比べてかなり高いため力学的な接触・摩擦による摩耗とは考えられない。一方、NiはAuと比べて耐酸性および耐マイグレーション性に劣るため、これらによる化学的な摩耗と考えられる。この結果より、放電極の表面にAuメッキ層からなる被膜層を形成することで、耐酸性、耐アルカリ性、耐マイグレーション性が向上して放電極1の摩耗が防止されることが実証された。
次に、本実施形態の放電極1について、耐酸性、耐アルカリ性についての試験を行ない、その結果について説明する。まず耐酸性について、上記のようにAuメッキ層を形成した放電極1を95℃のHSO10質量%水溶液に10時間浸漬し、その後、放電極1の摩耗度合いを計測したところ、摩耗は見られなかった。次に耐アルカリ性について、上記のようにAuメッキ層を形成した放電極1を95℃のNaOH10質量%水溶液に10時間浸漬し、その後、放電極1の摩耗度合いを計測したところ、摩耗は見られなかった。これにより、耐酸性・耐アルカリ性ともに優れていることが分かる。また、耐マイグレーション性については、上記の比較試験にてAuメッキ層を形成した放電極1が試験前後で無変化であったことから優れていることが分かる。
ここで、本実施形態においては耐酸性、耐アルカリ性、耐マイグレーション性に優れる材料としてAuを用いたが、Auのみに限定されるものではなく、例えばPd、Pt、Crの単体金属や、あるいはこれらを基本組成とする合金を用いても同様の効果が得られるものである。
上記のように放電極1の表面に耐酸性および耐アルカリ性、耐マイグレーション性に優れた被膜層8を形成することによって、放電極1の耐酸性および耐アルカリ性、耐マイグレーション性を向上させることができ、耐久性に優れ、寿命の長い静電霧化装置とすることができるものである。なお、図1の実施形態においては対向電極2を備えた静電霧化装置を示したが、対向電極2は必ずしも必要ではなく、接地電位に対して高電圧を放電極1に印加しさえすれば静電霧化は行なわれるものである。
本発明の実施形態の一例を示すものであり、(a)は全体構成断面図、(b)は放電極の拡大断面図である。 先端に突起部を設けた放電極の一例を示す拡大断面図である。 被覆層を施さない放電極におけるマイグレーションの発生の状態を示すものであり、(a)は発生前の拡大断面図、(b)はマイグレーション発生後の拡大断面図である。 被覆層を施した放電極の拡大断面図である。
符号の説明
1 放電極
3 水供給手段
4 電圧印加手段
8 被膜層

Claims (3)

  1. 放電極と、放電極に水を供給する水供給手段と、放電極に高電圧を印加する電圧印加手段とを備え、放電極に高電圧を印加することで放電極に保持される水を静電霧化させる静電霧化装置において、放電極は金属ガラス合金により形成されていることを特徴とする静電霧化装置。
  2. 上記水供給手段は、放電極を冷却して表面に水を結露させることによって放電極に水を供給するものであることを特徴とする請求項1に記載の静電霧化装置。
  3. 上記放電極の表面に、Niを含有する層と、Au,Pd,Pt,Crから選ばれた少なくとも一種の金属を含有する層と、Coを含有する層を積層した被膜層を形成して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電霧化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010099640A (ja) * 2008-10-27 2010-05-06 Panasonic Electric Works Co Ltd 静電霧化装置
JP2012075579A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Sanyo Electric Co Ltd 滅菌装置

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