JP2008238033A - カルシウム除去方法及びカルシウム除去装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】維持コストを低減させながら効率的にカルシウムの除去処理が可能なカルシウム除去方法及びカルシウム除去装置を提供する。
【解決手段】pH調整剤を注入してアルカリ性を示す所定のpH範囲に調整した被処理水にカルシウム除去剤を添加して、被処理水に含まれるカルシウムを不溶性塩として沈殿させるカルシウム除去方法であって、被処理水の温度に基づいて被処理水を異なるpH範囲に調整し、被処理水の温度が所定温度域に対して高温側より低温側でpHが大きくなるようにpH範囲を調整する。
【選択図】図3

Description

本発明は、pH調整剤を注入してアルカリ性を示す所定のpH範囲に調整した被処理水にカルシウム除去剤を添加して、被処理水に含まれるカルシウムを不溶性塩として沈殿させるカルシウム除去方法、及び、カルシウム除去装置に関する。
ごみ焼却場で生じた焼却灰等の焼却残渣等が埋め立てられる最終処分場からの浸出水には、濃度の高いカルシウムが含まれており、このような被処理水を浄化する水処理設備では、カルシウムイオンが水中や空気中のCOと反応してCaCO等が生成され、設備内のセンサ等の機器類や配管にスケールとして沈着し、センサの測定能力を低下させ、配管やポンプ等が閉塞に到り重大な障害をもたらす。
例えば、ごみ焼却炉では排ガス中のHClを除去するためにカルシウム化合物が多量に注入されるため、集塵灰は大量のカルシウムを含有している。このような集塵灰が埋立地で処分されると、カルシウム濃度の高い浸出水が生成される。また、カルシウム成分を多く含む工場排水、鉱泉、または地下水を処理する水処理設備でも同様の問題が生じる。
このようなスケール障害を回避する技術として、pH調整剤を注入してアルカリ性を示す所定のpH範囲に調整した被処理水にカルシウム除去剤を添加して、被処理水に含まれるカルシウムを不溶性塩として沈殿させるアルカリ凝集沈殿方法が採用されている。
アルカリ凝集沈殿方法は、被処理水に苛性ソーダ等のpH調整剤を注入してアルカリ性を示すpH9〜pH10程度の範囲に調整した後に炭酸ソーダ等のカルシウム除去剤を添加して、不溶性のカルシウム塩である炭酸カルシウムとして沈殿除去するもので、一般的に、被処理水のカルシウム濃度をスケールの影響が出る100mg/L以下の濃度に調整する必要がある。
特許文献1には、被処理水中のカルシウム濃度を測定することなく、被処理水のpHを監視するだけで、高精度でランニングコストの安い水処理施設の炭酸塩注入制御装置及び制御方法を提供することを目的として、カルシウムを含有する被処理水を反応槽内で炭酸塩と反応させることによって処理する水処理施設における炭酸塩注入制御装置において、前記反応槽に、前記被処理水のpHを測定するpH計と、反応槽内に炭酸塩を注入する炭酸塩注入手段と、前記pH計による測定値に基づいて、前記炭酸塩注入手段による炭酸塩の注入量を制御する制御手段を設けたことを特徴とする水処理施設における炭酸塩注入制御装置が提案されている。
しかし、被処理水の温度は一般に季節変動があり、アルカリ凝集沈殿方法を採用する場合、被処理水の温度が十数℃の低温時にpH値が10未満では、カルシウムの除去率が大きく低減するという問題があった。このとき、炭酸ソーダの添加量を増してもカルシウム濃度は容易に低下せず、pH値を上昇させるとカルシウム濃度が低下するが、水処理の後工程である生物処理等のためにpH値を下げる薬品も多量に必要となり処理コストが嵩むようになる。
また、後工程に生物処理がある場合には、被処理水を加温するべく、水処理設備に加温設備を併設している場合もあるが、再び温度が下がるのを避けるため、加温は生物処理の直前で行なう必要があり、カルシウム除去工程では加温されていない。
特開2001−129561号公報
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、維持コストを低減させながら効率的にカルシウムの除去処理が可能なカルシウム除去方法及びカルシウム除去装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明によるカルシウム除去方法の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、pH調整剤を注入してアルカリ性を示す所定のpH範囲に調整した被処理水にカルシウム除去剤を添加して、被処理水に含まれるカルシウムを不溶性塩として沈殿させるカルシウム除去方法であって、被処理水の温度に基づいて被処理水を異なるpH範囲に調整する点にある。
上述の問題に鑑み、本願発明者は鋭意研究を重ねた結果、被処理水の温度に基づいて被処理水を異なるpH範囲に調整することにより、薬品コストを抑えながらも効率的にカルシウムを除去できることを見出したのである。
具体的には、被処理水の温度が所定温度域に対して高温側よりも低温側でpHが大きくなるようにpH範囲を調整することが好ましく、このようにpH範囲を調整することにより、低温の被処理水であっても高いカルシウム除去率を得ることができるようになり、高温の被処理水では多量のpH調整剤を注入することなく高いカルシウム除去率を得ることができるようになるのである。
この場合、被処理水のpH範囲を、所定温度域より高温側でpH9〜pH10に調整し、所定温度域より低温側でpH10〜pH11に調整することが好ましい。
本発明によるカルシウム除去装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項4に記載した通り、被処理水を収容する反応槽と、pH調整剤を注入して前記反応槽内に収容された被処理水のpHを調整するpH調整機構と、前記反応槽にカルシウム除去剤を添加する薬品添加機構とを備え、被処理水に含まれるカルシウムを不溶性塩として沈殿させるカルシウム除去装置であって、被処理水の温度を計測する温度センサを備え、前記温度センサにより検出された温度に基づいて前記pH調整機構により被処理水を異なるpH範囲に調整する制御装置を備えている点にある。
また、前記制御装置は、前記温度センサにより検出された温度に基づいて、被処理水を所定温度域より高温側でpH9〜pH10に調整し、所定温度域より低温側でpH10〜pH11に調整することが好ましい。
さらに、前記制御装置は、pH調整剤、中和剤、及びカルシウム除去剤の価額を入力する入力部と、被処理水を目標pH値に調整するために必要なpH調整剤の量、及びpH調整後の被処理水を中和するために必要な中和剤の量からpH調整剤及び中和剤の総価額と、カルシウムを除去するために必要なカルシウム除去剤の総価額を、目標pH調整範囲毎に算出する演算部とを備え、前記温度センサにより検出された温度が所定温度域にあるときに、前記演算部による演算結果に基づいてpH範囲をpH9〜pH10またはpH10〜pH11の何れかに調整することが好ましい。
被処理水の温度域によっては、pH調整剤の注入量を多くしてpH10〜pH11のアルカリ側に調整するとカルシウム除去剤の添加量を低減できるのであるが、そのためのpH調整剤及びその後の中和剤の投入量が多くなり、全体としてランニングコストが嵩むことになる。その一方、pH調整剤の注入量を制限してpH9〜pH10のアルカリ側に調整するとカルシウム除去剤の添加量が増加することによるコストが嵩む。pH調整剤、中和剤、及びカルシウム除去剤の価額は地域及び状況により変動するものであり、設備を運転する際に操作者がその都度判断して運転するのは非常に煩雑となり困難である。上述の構成によれば、入力部を介してそのときのpH調整剤、中和剤、及びカルシウム除去剤の価額を入力すれば、演算部により目標pH調整範囲毎夫々の価額算出されるため、pH調整機構によりランニングコストが安価になるpH範囲に自動調整されるようになる。
以上説明した通り、本発明によれば、維持コストを低減させながら効率的にカルシウムの除去処理が可能なカルシウム除去方法及びカルシウム除去装置を提供することができるようになった。
以下に、本発明によるカルシウム除去方法及びカルシウム除去装置が組み込まれた水処理設備について説明する。
図1に示すように、ダイオキシンや重金属等で汚染された埋立浸出水に対する水処理設備1は、ポンプアップされた浸出水を貯留する原水槽2と、原水槽2からポンプP1で注水される被処理水に含まれるカルシウムを分離除去するカルシウム除去装置としての反応槽3と、反応槽3のオーバーフロー水に凝集剤を注入して重金属類等を析出させる混和槽4と、凝集助剤を添加して被処理水中に浮遊する析出塩を凝集させる凝集槽5と、凝集物を沈殿除去する凝集沈殿槽6と、凝集沈殿槽6のオーバーフロー水に薬品添加機構72から中和剤を注入して中和処理する中和槽7と、中和処理後の被処理水を微生物によりBOD除去及び硝化脱窒する生物処理設備8と、さらにはダイオキシン類等を酸化分解処理する設備や、活性炭吸着設備等を備えて構成されている。
反応槽3では、攪拌羽根3aにより攪拌される被処理水にpH調整機構により非処理水のpH値が所定のアルカリ領域に入るようにpH調整剤の一例である苛性ソーダが注入され、薬品添加機構により被処理水に含まれるカルシウム濃度に対応するカルシウム除去剤の一例である炭酸ソーダが添加され、不溶性の炭酸カルシウムが析出される。
つまり、酸またはアルカリでなるpH調整剤を調整して注入し、反応槽3内に収容された被処理水のpHを調整するpH調整機構30と、反応槽3にカルシウム除去剤を添加する薬品添加機構32とを備え、被処理水に含まれるカルシウムを不溶性塩として析出させるカルシウム除去方法を採用したカルシウム除去装置が構成される。
混和槽4では反応槽3からオーバーフローした処理水を攪拌羽根4aにより攪拌しながらFeCl等の凝集剤を注入して重金属類等を不溶性塩として析出させ、凝集槽5では混和槽4からオーバーフローした処理水を攪拌羽根5aにより攪拌しながら、高分子系凝集助剤を添加してフロックを生成し、凝集沈殿槽6ではフロックを沈降させて除去する。
このようにして、凝集沈殿槽6でスケール障害を引き起こすカルシウムや、汚染物質である重金属類が除去された被処理水は、中和槽7で硫酸等の中和剤が投入され、攪拌羽根7aで攪拌されながらpH7の中性に調整された後に生物処理設備8に送られる。
上述のカルシウム除去装置は、原水槽2に備えられた被処理水の温度を計測する温度センサTにより検出された温度に基づいて、pH調整機構30により被処理水を異なるpH範囲に調整するとともに、カルシウム除去剤添加機構34により所定量のカルシウム除去剤を添加制御し、中和槽7に設けられたpH調整機構70により被処理水を中和する制御装置Cを備えている。
制御装置Cは、温度センサTにより検出された温度に基づいて、被処理水を所定温度域より高温側でpH9〜pH10に調整し、所定温度域より低温側でpH10〜pH11に調整する。前記の所定温度域は個々の被処理水の特性に応じて設定される。
さらに、制御装置Cは、被処理水の量及びカルシウム濃度、pH調整剤、中和剤、及びカルシウム除去剤の価額を入力する入力部と、被処理水を目標pH値に調整するために必要なpH調整剤の量、及びpH調整後の被処理水を中和するために必要な中和剤の量からpH調整剤及び中和剤の総価額と、カルシウムを除去するために必要なカルシウム除去剤の総価額を、目標pH調整範囲毎に算出する演算部とを備え、温度センサにより検出された温度が所定温度域にあるときに、演算部による演算結果に基づいてpH範囲をpH9〜pH10またはpH10〜pH11の何れかに調整する。
以下に制御装置CによるpH調整制御について説明する。図3に示すように、被処理水のカルシウム濃度を原子吸光分析法等により測定してその結果を入力部に入力するとともに、pH調整剤、中和剤、及びカルシウム除去剤の価額を入力する(S1)。
温度センサTにより検出された被処理水の温度が入力され(S2)、水温が約20℃以上であれば、pH調整機構30によりpH9〜pH10の範囲に調整して、カルシウム濃度に対応する量のカルシウム除去剤を適量添加する(S4)。このときのカルシウム除去剤の添加量は理論値であるカルシウム量の2.65倍からやや大目の3倍の範囲で投入してもよい。
ステップS3で、水温が20℃未満のときにはステップS5に移行し、15℃未満であるか否かが判定され、15℃〜20℃の範囲にある場合には、以下の演算処理が実行される。
先ず、被処理水の水量(m)と、反応槽のpH値をpH9〜pH10に調整するのに必要となるpH調整剤(苛性ソーダ)の注入量と、pH調整剤の単価(円/L)の積N1と、被処理水の水量と、中和槽で中和処理するのに必要となるpH調整剤(硫酸)の注入量と、pH調整剤の単価(円/L)の積N2が演算され、次に、カルシウム除去剤(炭酸ソーダ(デンス灰))の添加量が、被処理水の水量(m)と、カルシウム濃度(mg/L)と、理論倍率2.65からやや大目の3までの間の所定値の積により演算され、それにカルシウム除去剤の単価(円/L)が掛けられてカルシウム除去剤の価額N3が算出される。
ステップS6で処理判定がなされて、N1+N2>N3となるときにはステップS7へ、N1+N2≦N3となるときにはステップS8へ移行する。
ステップS7では、pH調整機構30によりpH9〜pH10の範囲に調整して、カルシウム濃度に対応する量のカルシウム除去剤を多量に添加する(S4)。このときのカルシウム除去剤の添加量は上述の演算処理による価額の大小関係が逆転しない範囲で多量添加される。
ステップS6でN1+N2≦N3となるとき、及び、ステップS5で水温が15℃未満のときには、ステップ8に移行して、pH調整機構30によりpH10〜pH11の範囲に調整して、カルシウム濃度に対応する量のカルシウム除去剤を適量添加する(S8)。
つまり、制御装置Cは、温度センサTにより検出された温度に基づいて、被処理水を所定温度域である15℃〜20℃の範囲より高温側ではpH9〜pH10に調整して適量のカルシウム除去剤の添加により効率的にカルシウム濃度が100mg/L以下となるように制御し、15℃〜20℃の範囲より低温側でpH10〜pH11に調整して適量のカルシウム除去剤の添加により効率的にカルシウム濃度が100mg/L以下となるように制御する。さらに、15℃〜20℃の範囲にあるときに、演算部による演算結果に基づいて、薬剤コストが安価になるように、pH範囲をpH9〜pH10またはpH10〜pH11の何れかに調整するのである。
尚、上述の実施形態では、薬剤コストが安価となるようにpH調整範囲を異ならせる所定温度域を15℃〜20℃の範囲としたものを説明したが、温度範囲は目安でありこの数値に限るものではなく、被処理水の性状により適宜決定される数値である。つまり、等量のカルシウム除去剤により除去されるカルシウム量は被処理水に溶解している重金属等の不純物の量により変動するものであり、そのような被処理水の性状により所定温度域も変動するのである。
上述の実施形態では、制御装置Cにより反応槽3及び中和槽7へ投入される薬品の量が自動制御されるものを説明したが、各槽へ投入される被処理水の流量に基づいて各薬品の投入量がポンプ等により自動制御されることはいうまでもない。
さらに、水処理設備1としては、図2に示すように、反応槽3と混和槽4を一体にした反応混和槽3´を設けて、pH調整機構30´によりpH調整しながらカルシウム除去剤を添加し、さらに凝集剤を同時に投入することにより、カルシウム除去と重金属類除去を並行して行なうように構成してもよい。
この場合には、被処理水の注入管の位置から攪拌羽根3a´により攪拌される処理水の流れ方向に沿って下流側にpH調整剤、カルシウム除去剤、凝集剤の順に投入されるように、各投入部を配置することが好ましい。
このような反応混和槽3´には、稼働中にその底部に沈殿した不溶性塩類を槽外に引き抜く引き抜き機構を備えることにより、効率的に連続稼動させることが可能となる。
上述した実施形態では、反応槽に注入するpH調整剤として所定のアルカリ域に調整するために苛性ソーダを用いるものを説明したが、被処理水が強アルカリであれば硫酸を用いて調整することもありえる。
上述した実施形態では、ダイオキシンや重金属類で汚染された埋立浸出水に対する水処理設備1に本発明によるカルシウム除去方法及びカルシウム除去装置を適用したものを説明したが、カルシウムを多量に含む産業排水等に対する水処理設備に適用することも可能である。
上述した実施形態は本発明の一例であり、各部の具体的構成は、本発明による作用効果を奏する範囲において適宜変更設計することができる。
以下の化学反応式に示すように、カルシウム含有率600mg/Lの被処理水からカルシウムイオンを除去するために必要な炭酸ソーダ量を理論値である2.65倍と理論値より過剰な添加量3倍を添加したときの残存カルシウム濃度を測定する実験を行なった。
カルシウム除去方法を採用する場合、一般的に被処理水をpH9〜pH10の範囲に調整することが公知である。しかし、図4(c)に示すように、被処理水の温度が25℃程度と比較的高温の場合には、pH10未満であっても高いカルシウムの除去率が維持されるのに対して、図4(a),(b)に示すように、4℃や10℃のような低温時には、pH10未満でカルシウムの除去率が大きく低減することが確認された。図4(a),(b),(c)は夫々被処理水の温度が4℃、10℃、25℃のときのカルシウム残存濃度特性を示すもので、表1から表3に具体的数値を示す。
Figure 2008238033
Figure 2008238033
表1及び図4(a)に示す実験の結果、炭酸ソーダの添加量を増加しても、4℃以下では被処理水の残存カルシウム濃度に大差なく、添加量(×2.65)ではpH11で、添加量(×3)ではpH10弱で被処理水の残存カルシウム濃度が約100mg/Lに低下する事が判明した。添加量(×3)ではpHをさらに11に上昇させても被処理水の残存カルシウム濃度の大きな低下は見られなかった。
Figure 2008238033
表2及び図4(b)に示す実験の結果、添加量(×2.65)ではpH10.6付近で、添加量(×3)ではpH9.9付近で被処理水の残存カルシウム濃度が約100mg/Lに低下する事が判明した。
Figure 2008238033
表3及び図4(c)に示す実験の結果、添加量(×2.65)ではpH9.8付近で、添加量(×3)ではpH9.3付近で被処理水の残存カルシウム濃度が約100mg/Lに低下する事が判明した。また、25℃では、pH10以上でなくても被処理水の残存カルシウム濃度が約100mg/Lに低下することも確認された。
添加量(×2.65)のときの結果を、水温をパラメータとして纏めると、表4及び図5(a)に示すように、水温が高くなるに従って被処理水の残存カルシウム濃度は低くなり、pH値が大きくなるに従って被処理水の残存カルシウム濃度は低くなることが示される。
Figure 2008238033
また、添加量(×3)のときの結果を、水温をパラメータとして纏めると、表5及び図5(b)に示すようになった。
Figure 2008238033
次に、図1に示すように、反応槽と混和槽が別体で構成したときと、図2に示すように、反応槽と混和槽を一体で構成したときの夫々について、カルシウムの除去率を比較するべく、カルシウム含有率600mg/Lの被処理水からカルシウムイオンを除去するために必要な炭酸ソーダ量を理論値である2.65倍より過剰な添加量3倍を添加したときの残存カルシウム濃度を測定する実験を、4℃、10℃、25℃の各温度で行なった。その結果を表6から表8に示す。
本実験では、反応槽または反応混和槽をpH10に設定するとともに、凝集剤FeClを処理水量に対して150mg/L以下になるように投入している。
Figure 2008238033
Figure 2008238033
Figure 2008238033
その結果、反応槽と混和槽を一体に構成する場合であっても、別体で構成する場合に比べてほぼ同等のカルシウム除去率が得られることが判明した。
本発明を採用する水処理設備のブロック構成図 別実施形態を示し、本発明を採用する水処理設備のブロック構成図 本発明によるカルシウム除去方法の手順を示すフローチャート カルシウム除去方法によるカルシウム除去実験の特性図 カルシウム除去方法によるカルシウム除去実験の特性図
符号の説明
1:水処理設備
2:原水槽
3:反応槽
4:混和槽
5:凝集槽
6:凝集沈殿槽
7:中和槽
8:生物処理設備
C:制御装置
30:pH調整機構
T:温度計測機構

Claims (6)

  1. pH調整剤を注入してアルカリ性を示す所定のpH範囲に調整した被処理水にカルシウム除去剤を添加して、被処理水に含まれるカルシウムを不溶性塩として沈殿させるカルシウム除去方法であって、
    被処理水の温度に基づいて被処理水を異なるpH範囲に調整するカルシウム除去方法。
  2. 被処理水の温度が所定温度域に対して高温側よりも低温側でpHが大きくなるようにpH範囲を調整する請求項1記載のカルシウム除去方法。
  3. 被処理水のpH範囲を、所定温度域より高温側でpH9〜pH10に調整し、所定温度域より低温側でpH10〜pH11に調整する請求項1または2記載のカルシウム除去方法。
  4. 被処理水を収容する反応槽と、pH調整剤を注入して前記反応槽内に収容された被処理水のpHを調整するpH調整機構と、前記反応槽にカルシウム除去剤を添加する薬品添加機構とを備え、被処理水に含まれるカルシウムを不溶性塩として沈殿させるカルシウム除去装置であって、
    被処理水の温度を計測する温度センサを備え、前記温度センサにより検出された温度に基づいて前記pH調整機構により被処理水を異なるpH範囲に調整する制御装置を備えているカルシウム除去装置。
  5. 前記制御装置は、前記温度センサにより検出された温度に基づいて、被処理水を所定温度域より高温側でpH9〜pH10に調整し、所定温度域より低温側でpH10〜pH11に調整する請求項4記載のカルシウム除去装置。
  6. 前記制御装置は、pH調整剤、中和剤、及びカルシウム除去剤の価額を入力する入力部と、被処理水を目標pH値に調整するために必要なpH調整剤の量、及びpH調整後の被処理水を中和するために必要な中和剤の量からpH調整剤及び中和剤の総価額と、カルシウムを除去するために必要なカルシウム除去剤の総価額を、目標pH調整範囲毎に算出する演算部とを備え、前記温度センサにより検出された温度が所定温度域にあるときに、前記演算部による演算結果に基づいてpH範囲をpH9〜pH10またはpH10〜pH11の何れかに調整する請求項5記載のカルシウム除去装置。
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