JP2008237955A - 金属カルボニルを抑制する触媒、水素を含む混合改質ガスを製造する方法、燃料電池システム - Google Patents
金属カルボニルを抑制する触媒、水素を含む混合改質ガスを製造する方法、燃料電池システム Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 マグネシウム、アルミニウム、ニッケルを構成元素とし、且つ、ルテニウムを0.05〜5.0wt%を含有する触媒体であり、粘土鉱物又は、平均粒径が50nm以下のルテニウム、ロジウム、イリジウム、白金、金、銀、パラジウム、ニッケル、コバルト、銅、鉄、亜鉛、バナジウム、マンガンから選ばれた一種又は二種以上の元素を担持させた粘土鉱物が存在する金属カルボニルを除去する触媒であって、該触媒を用いて、炭化水素から水素を含む混合改質ガスを製造し、改質の反応場で金属カルボニルを除去することができ、且つ硫黄被毒に優れた触媒である。
【選択図】 なし
Description
また、貴金属系元素Ru等では、水蒸気/炭素比が低い条件下でも炭素析出を起こしにくいが、原料中に含まれる硫黄分によって、容易に硫化被毒されて触媒活性が短時間で劣化してしまう。硫化被毒された触媒上には炭素析出が極めて起こり易く、硫黄被毒が炭素析出の引き金になる欠点を持っている。また、貴金属が高価であることから、これを用いた燃料電池システムの値段は非常に高価になってしまい、燃料電池システムのより一層の普及を妨げる要因になりうる。
また、併用するアルミナビーズには、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、白金、金、銀、パラジウム、ニッケル、コバルト、銅、鉄、亜鉛、バナジウム、マンガンから選ばれた一種又は二種以上の活性金属種を担持させてもよく、好ましくは銅である。前記活性金属種の担持量は、アルミナビーズに対して1〜15wt%が好ましい。
本発明1又は2の触媒とアルミナビーズとの混合割合は、本発明1又は2の触媒に対して重量比で1〜50%が好ましい。
本発明に係る金属カルボニルを抑制する触媒が優れた触媒活性、耐硫黄被毒性性を有する理由は未だ明らかではないが、本発明者は次のように推定している。
MgCl2・6H2O 147.6gとAlCl3・6H2O 35.06g、NiCl2・6H2O 42.57gと51g/LのRu金属を含む塩化ルテニウム溶液 1.151mlを溶解させた金属溶解溶液800mlと、NaOH 335.0ml(14mol/L濃度)とNa2CO3 21.54gを溶解させた1200mlのアルカリ混合溶液を用意した。このアルカリ混合溶液に前記マグネシウム塩、アルミニウム塩、ニッケル塩、ルテニウム塩との混合溶液を加え、95℃で8時間熟成を行って含水複水酸化物を得た。これを濾別分離し、乾燥して、粉末を得た。得た粉末を3mmΦに成形後、さらに熱処理した後、還元処理を行ってニッケル触媒(ビーズ状)を得た。得られた触媒中のニッケルの含有量は19.57wt%であり、金属ニッケル微粒子の大きさは5nmであった。また得られた触媒中のRuの含有量は0.107wt%であり、大きさは1nmであった。 別に、3mmΦのアルミナビーズに硝酸銅を用いて、銅を金属換算で6.82wt%スプレー担持させ、350℃にて3h熱処理した。
この銅を担持したアルミナビーズを上記ニッケル触媒に対して45wt%混合した触媒を用意した。このとき、ニッケル触媒ビーズに対して、銅を担持したアルミナビーズがなるべく均一に散在するようよく混ぜ合わせた。
上記混合後の触媒を用いて、水蒸気改質反応での触媒活性評価を行った。触媒を直径20mmのステンレス製反応管に10cc充填して触媒管を作製した。
この触媒管(反応器)に対して、原料ガス及び水蒸気を、反応温度300℃〜700℃、空間速度を3000h−1として流通させ水蒸気改質反応を行った。尚、原料ガスには都市ガス(13A)及び純メタンガスを用いた。
例)原料ガスに純メタンガスを用いた場合
C1転化率(全炭化水素転化率)
=(CO+CO2)/(CO+CO2+CH4)
例)原料ガスに都市ガス(13A)を用いた場合
都市ガス(13A)には、CH4:88.5%、C2H6:4.6%、C3H8:5.4%、C4H10:1.5%程度含まれており、下記する式にてCn転化率を算出した。
Cn転化率(全炭化水素転化率)
=(CO+CO2)/(CO+CO2+CH4+C2H6+C3H8)
表1には、原料ガスとして純メタンガスを用いGHSVが3000h−1、50000h−1、水蒸気/炭素(S/C)が3.0、反応時間が24hの反応条件における、反応温度(300℃〜700℃)と炭化水の転化率との関係を示す。
表2には、原料ガスとして都市ガス(13A)を用い、GHSVが10000h−1、反応温度が700℃、水蒸気/炭素(S/C)が1.5及び3.0の場合における、反応時間とメタン転化率及び触媒活性測定前後の炭素析出量の関係を示す。
原料ガスにTBM(ターシャルブチルメルカプタン)を1ppm、または5ppm添加した純メタンガスを用いて水蒸気改質反応を行い、硫黄被毒による触媒活性低下の評価を行った。触媒活性低下の判定基準にはCn転化率が80%以下になった時間で確認した。表3には、S/C=3、GHSV=1000h−1、反応温度700℃にて耐硫黄被毒性評価を行った結果を示す。
得られた触媒ビーズを10cc用いて、水蒸気改質反応をS/C=3、GHSV=1000h−1、反応温度700℃で3時間行った。その後、窒素パージして降温し、100℃とした。次いで650℃、S/C=3での水蒸気改質反応の化学平衡ガス組成の混合ガスをGHSV=1000h−1にて30分間流した。反応管をバルブで封止して100℃にて1時間保持し、その後、室温まで降温して反応管を取り外した。3日間静置した後、ニッケルカルボニル生成量の定量分析を行った結果、検出下限値未満であり、十分な除去効果が得られたことを確認した。
Mg(NO3)2・6H2O 112.8gとAl(NO3)3・9H2O 27.49g、Ni(NO3)2・6H2O 0.341gと51g/LのRu金属を含む硝酸ルテニウム溶液 24.69mlを溶解させた金属溶解溶液500mlと、NaOH 183.0ml(14mol/L濃度)とNa2CO3 10.88gを溶解させた1500mlのアルカリ混合溶液を用意した。このアルカリ混合溶液に前記マグネシウム塩、アルミニウム塩、ニッケル塩、ルテニウム塩との混合溶液を加え、80℃で5時間熟成を行って含水複水酸化物を得た。これを濾別分離し、乾燥して、粉末を得た。得た粉末を3mmΦに成形後、さらに熱処理した後、還元処理を行ってニッケル触媒(ビーズ状)を得た。得られた触媒中のニッケルの含有量は0.259wt%であり、金属ニッケル微粒子の大きさは1nmであった。また得られた触媒中のRuの含有量は4.747wt%であり、大きさは8nmであった。
別に、3mmΦのアルミナビーズに硝酸銅を用いて、銅を金属換算で6.82wt%スプレー担持させ、300℃にて6h熱処理した。この銅を担持したアルミナビーズを上記ニッケル触媒に対して5wt%混合した触媒を用意した。このとき、ニッケル触媒ビーズに対して、銅を担持したアルミナビーズがなるべく均一に散在するようよく混ぜ合わせた。
混合して得られた触媒ビーズを8cc用いて、水蒸気改質反応をS/C=3、GHSV=1000h−1、反応温度700℃で3時間行った。その後、窒素パージして降温し、100℃とした。次いで650℃、S/C=2.5での水蒸気改質反応の化学平衡ガス組成の混合ガスをGHSV=1000h−1にて30分間流した。反応管をバルブで封止して100℃にて1時間保持し、その後、室温まで降温して反応管を取り外した。3日間静置した後、ニッケルカルボニル生成量の定量分析を行った結果、検出下限値未満であり、十分な除去効果が得られたことを確認した。
MgSO4・6H2O 398.6gとAl2(SO4)3・8H2O 187.3g、NiSO4・6H2O 80.99gと120g/LのRu金属を含む塩化ルテニウム溶液 3.244mlを溶解させた金属溶解溶液1500mlと、NaOH 527.0ml(14mol/L濃度)とNa2CO3 57.16gを溶解させた1000mlのアルカリ混合溶液を用意した。このアルカリ混合溶液に前記マグネシウム塩、アルミニウム塩、ニッケル塩、ルテニウム塩との混合溶液を加え、90℃で10時間熟成を行って含水複水酸化物を得た。これを濾別分離し、乾燥して、粉末を得た。得た粉末を3mmΦに成形後、さらに熱処理した後、還元処理を行ってニッケル触媒(ビーズ状)を得た。得られた触媒中のニッケルの含有量は14.71wt%であり、金属ニッケル微粒子の大きさは3nmであった。また得られた触媒中のRuの含有量は0.317wt%であり、大きさは2nmであった。
別に、3mmΦのアルミナビーズに硝酸銅を用いて、銅を金属換算で6.82wt%スプレー担持させ、400℃にて3h熱処理した。この銅を担持したアルミナビーズを上記ニッケル触媒に対して30wt%混合した触媒を用意した。このとき、ニッケル触媒ビーズに対して、銅を担持したアルミナビーズがなるべく均一に散在するようよく混ぜ合わせた。
混合して得られた触媒ビーズを15cc用いて、水蒸気改質反応をS/C=3.0、GHSV=1000h−1、反応温度700℃で3時間行った。その後、窒素パージして降温し、100℃とした。次いで650℃、S/C=2.7での水蒸気改質反応の化学平衡ガス組成の混合ガスをGHSV=1000h−1にて30分間流した。反応管をバルブで封止して100℃にて1時間保持し、その後、室温まで降温して反応管を取り外した。3日間静置した後、ニッケルカルボニル生成量の定量分析を行った結果、12ppmであり除去効果が得られたことを確認した。
実施例3の銅担持アルミナビーズの代わりに、酸化銅、酸化亜鉛、アルミナの混合物からなり、それぞれが重量対比40、40、20(銅含有量は金属銅換算31.94wt%)である成形体を用意した。銅−亜鉛−アルミナ成形体をニッケル触媒ビーズに対して30wt%用意し、ニッケル触媒ビーズになるべく均一に散在するようよく混ぜ合わせた。
また別に、Y型ゼオライトを直径1mm、高さ2〜3mmの成形体を、上記したニッケル触媒ビーズに対して重量対比で10wt%用意した。
ここで、触媒管(反応器)の上層及び下層部にY型ゼオライト成形体を設置し、ニッケル触媒と銅−亜鉛−アルミナ成形体の混合物をその中間に設置した。
触媒ビーズを6cc用いて、水蒸気改質反応をS/C=3.0、GHSV=1000h−1、反応温度700℃で3時間行った。その後、窒素パージして降温し、100℃とした。次いで650℃、S/C=2.8での水蒸気改質反応の化学平衡ガス組成の混合ガスをGHSV=1000h−1にて30分間流した。反応管をバルブで封止して100℃にて1時間保持し、その後、室温まで降温して反応管を取り外した。3日間静置した後、ニッケルカルボニル生成量の定量分析を行った結果、28ppmであり除去効果が得られたことを確認した。
実施例3の銅担持アルミナビーズの代わりに、Pdを金属換算で1.2wt%担持したY型ゼオライトを直径1mm、高さ2〜3mmの成形体として用意した。担持されたPdの金属サイズは電子顕微鏡より2.5nmであることを確認した。上記したニッケル触媒ビーズに対してPd担持Y型ゼオライトを、重量対比で15wt%用意した。Pd担持Y型ゼオライト成形体は、このニッケル触媒の上層及び下層部に設置した。
触媒ビーズを10cc用いて、水蒸気改質反応をS/C=3.0、GHSV=1000h−1、反応温度700℃で3時間行った。その後、窒素パージして降温し、100℃とした。次いで650℃、S/C=3.3での水蒸気改質反応の化学平衡ガス組成の混合ガスをGHSV=1000h−1にて30分間流した。反応管をバルブで封止して100℃にて1時間保持し、その後、室温まで降温して反応管を取り外した。3日間静置した後、ニッケルカルボニル生成量の定量分析を行った結果、55ppmであり除去効果が得られたことを確認した。
実施例3の銅担持アルミナビーズの代わりに、Agを金属換算で5.8wt%担持したY型ゼオライトを直径1mm、高さ2〜3mmの成形体として用意した。担持されたAgの金属サイズは電子顕微鏡より12nmであることを確認した。上記したニッケル触媒ビーズに対してAg担持Y型ゼオライトを、重量対比で10wt%用意した。Ag担持Y型ゼオライト成形体は、このニッケル触媒の上層及び下層部に設置した。
触媒ビーズを33cc用いて、水蒸気改質反応をS/C=3.0、GHSV=1000h−1、反応温度700℃で3時間行った。その後、窒素パージして降温し、100℃とした。次いで650℃、S/C=3.1での水蒸気改質反応の化学平衡ガス組成の混合ガスをGHSV=1000h−1にて30分間流した。反応管をバルブで封止して100℃にて1時間保持し、その後、室温まで降温して反応管を取り外した。3日間静置した後、ニッケルカルボニル生成量の定量分析を行った結果、62ppmであり除去効果が得られたことを確認した。
MgCl2・6H2O 93.41gとAlCl3・6H2O 26.41g、NiCl2・6H2O 16.29gを溶解させた金属溶解溶液1300mlと、NaOH 166.0ml(14mol/L濃度)とNa2CO3 16.23gを溶解させた700mlのアルカリ混合溶液を用意した。このアルカリ混合溶液に前記マグネシウム塩、アルミニウム塩、ニッケル塩との混合溶液を加え、85℃で12時間熟成を行って含水複水酸化物を得た。これを濾別分離し、乾燥して、粉末を得た。得た粉末を3mmΦに成形後、さらに熱処理を行った。得た3mmφ成形体に120g/LのRu金属を含む塩化ルテニウム溶液 3.244mlをスプレー担持し、還元処理を行ってニッケル触媒(ビーズ状)を得た。
得られた触媒中のニッケルの含有量は12.10wt%であり、金属ニッケル微粒子の大きさは7nmであった。また得られた触媒中のRuの含有量は0.521wt%であり、大きさは2nmであった。
別に、3mmΦのアルミナビーズに硝酸銅を用いて、銅を金属換算で4.39wt%スプレー担持させ、350℃にて3h熱処理した。この銅を担持したアルミナビーズを上記ニッケル触媒に対して20wt%混合した触媒を用意した。このとき、ニッケル触媒ビーズに対して、銅を担持したアルミナビーズがなるべく均一に散在するようよく混ぜ合わせた。
触媒ビーズを15cc用いて、水蒸気改質反応をS/C=3、GHSV=1000h−1、反応温度700℃で3時間行った。その後、窒素パージして降温し、100℃とした。次いで650℃、S/C=2.4での水蒸気改質反応の化学平衡ガス組成の混合ガスをGHSV=1000h−1にて30分間流した。反応管をバルブで封止して100℃にて1時間保持し、その後、室温まで降温して反応管を取り外した。3日間静置した後、ニッケルカルボニル生成量の定量分析を行った結果、32ppmであり除去効果が得られたことを確認した。
Mg(NO3)2・6H2O 129.8gとAl2(NO3)3・9H2O 31.65gを溶解させ金属溶解溶液1000mlと、NaOH 251.0ml(14mol/L濃度)に、Na2CO3 16.6gを溶解させた1000ml溶液を加えて全量2000mlのアルカリ混合溶液を用意した。このアルカリ混合溶液に前記マグネシウム塩とアルミニウム塩との混合溶液を加え、118℃で11時間熟成を行って含水複水酸化物芯粒子を得た。
次いで、このアルカリ性懸濁液に、Mg(NO3)3・6H2O 42.29gとNi(NO3)2・6H2O 0.128gとAl(NO3)3・9H2O 10.31gと51g/LのRu金属を含む硝酸ルテニウム溶液 54.97mlとを溶かした500mlのマグネシウム塩、ニッケル塩、アルミニウム塩、ルテニウム塩の混合溶液を加え、さらに95℃で6時間熟成し、含水複水酸化物の粒子表面にトポタクティックに成長させた。これを濾別分離し、乾燥して、粉末を得た。得た粉末を3mmΦに成形後、さらに熱処理した後、還元処理を行ってニッケル触媒(ビーズ状)を得た。得られた触媒中のニッケルの含有量は0.066wt%であり、金属ニッケル微粒子の大きさは2nmであった。また得られた触媒中のRuの含有量は1.212wt%であり、大きさは5nmであった。なお、金属ニッケル微粒子、金属ルテニウム微粒子は粒子表面近傍にのみ存在するものと推定される。
別に、3mmΦのアルミナビーズに硝酸銅を用いて、銅を金属換算で7.12wt%スプレー担持させ、380℃にて5h熱処理した。この銅を担持したアルミナビーズを上記ニッケル触媒に対して25wt%混合した触媒を用意した。このとき、ニッケル触媒ビーズに対して、銅を担持したアルミナビーズがなるべく均一に散在するようよく混ぜ合わせた。
触媒ビーズを22cc用いて、水蒸気改質反応をS/C=3、GHSV=1000h−1、反応温度700℃で3時間行った。その後、窒素パージして降温し、100℃とした。次いで650℃、S/C=2.6での水蒸気改質反応の化学平衡ガス組成の混合ガスをGHSV=1000h−1にて30分間流した。反応管をバルブで封止して100℃にて1時間保持し、その後、室温まで降温して反応管を取り外した。3日間静置した後、ニッケルカルボニル生成量の定量分析を行った結果、15ppmであり除去効果が得られたことを確認した。
Mg(NO3)2・6H2O 10.55gとAl(NO3)3・9H2O 6.952g、Ni(NO3)2・6H2O 0.341gと51g/LのRu金属を含む硝酸ルテニウム溶液 4.166mlを溶解させた金属溶解溶液を3mmφのアルミナビーズ 93gに含浸吸着法にて担持した。得たMgAlNiRu担持アルミナビーズを熱処理した後、還元処理を行ってニッケル触媒(ビーズ状)を得た。得られた触媒中のニッケルの含有量は4.996wt%であり、金属ニッケル微粒子の大きさは3nmであった。また得られた触媒中のRuの含有量は0.485wt%であり、大きさは1nmであった。
別に、3mmΦのアルミナビーズに硝酸銅を用いて、銅を金属換算で9.15wt%スプレー担持させ、320℃にて2h熱処理した。
この銅を担持したアルミナビーズを上記ニッケル触媒に対して12wt%混合した触媒を用意した。このとき、ニッケル触媒ビーズに対して、銅を担持したアルミナビーズがなるべく均一に散在するようよく混ぜ合わせた。
触媒ビーズを10cc用いて、水蒸気改質反応をS/C=3、GHSV=1000h−1、反応温度700℃で3時間行った。その後、窒素パージして降温し、100℃とした。次いで650℃、S/C=3.5での水蒸気改質反応の化学平衡ガス組成の混合ガスをGHSV=1000h−1にて30分間流した。反応管をバルブで封止して100℃にて1時間保持し、その後、室温まで降温して反応管を取り外した。3日間静置した後、ニッケルカルボニル生成量の定量分析を行った結果、2ppmであり除去効果が得られたことを確認した。
α−アルミナ粉末を3mmφの球形状ビーズとして、1150℃で10時間空気中にて焼成した。このα−アルミナビーズにNi(NO3)2・6H2O 59.47gを純水に溶解させた200mlの溶液をスプレーで数回に分けて塗布し、乾燥後、660℃で6時間空気中にて焼成、還元処理を行った。得られた触媒中のニッケルの含有量は11.98wt%であり、金属ニッケル微粒子の大きさは58nmであった。
触媒ビーズを10cc用いて、水蒸気改質反応をS/C=3、GHSV=1000h−1、反応温度700℃で3時間行った。その後、窒素パージして降温し、100℃とした。次いで650℃、S/C=3.0での水蒸気改質反応の化学平衡ガス組成の混合ガスをGHSV=1000h−1にて30分間流した。反応管をバルブで封止して100℃にて1時間保持し、その後、室温まで降温して反応管を取り外した。3日間静置した後、ニッケルカルボニル生成量の定量分析を行った結果、検出上限値の100ppmを超えた値が得られた。
MgSO4・6H2O 82.13gとAl2(SO4)3・8H2O 32.41g、NiSO4・6H2O 35.05gを溶解させた金属溶解溶液1400mlと、NaOH 110.0ml(14mol/L濃度)とNa2CO3 9.893gを溶解させた600mlのアルカリ混合溶液を用意した。このアルカリ混合溶液に前記マグネシウム塩、アルミニウム塩、ニッケル塩との混合溶液を加え、70℃で6時間熟成を行って含水複水酸化物を得た。これを濾別分離し、乾燥して、粉末を得た。得た粉末を3mmΦに成形後、さらに熱処理した後、還元処理を行ってニッケル触媒(ビーズ状)を得た。得られた触媒中のニッケルの含有量は27.89wt%であり、金属ニッケル微粒子の大きさは32nmであった。
触媒ビーズを8cc用いて、水蒸気改質反応をS/C=3.0、GHSV=1000h−1、反応温度700℃で3時間行った。その後、窒素パージして降温し、100℃とした。次いで650℃、S/C=2.8での水蒸気改質反応の化学平衡ガス組成の混合ガスをGHSV=1000h−1にて30分間流した。反応管をバルブで封止して100℃にて1時間保持し、その後、室温まで降温して反応管を取り外した。3日間静置した後、ニッケルカルボニル生成量の定量分析を行った結果、検出上限値の100ppmを超えた値が得られた。
Claims (7)
- マグネシウム、アルミニウム、ニッケルを構成元素とし、且つ、ルテニウムを含有する触媒体であり、金属ルテニウム微粒子の平均粒子径が0.5nm〜10nmであり、金属ルテニウムの含有量が前記触媒体に対して0.05〜5.0wt%であることを特徴とする金属カルボニルを抑制する触媒。
- 金属ニッケル微粒子の平均粒子径が1〜20nmであって、金属ニッケルの含有量が金属カルボニルを抑制する触媒に対して0.1〜20wt%であることを特徴とする請求項1記載の金属カルボニルを抑制する触媒。
- 請求項1又は2記載の触媒に対して、重量対比で1〜50%の粘土鉱物を存在させることを特徴とする金属カルボニルを抑制する触媒。
- 請求項3記載の粘土鉱物に、平均粒径が50nm以下のルテニウム、ロジウム、イリジウム、白金、金、銀、パラジウム、ニッケル、コバルト、銅、鉄、亜鉛、バナジウム、マンガンから選ばれた一種又は二種の元素を担持させたことを特徴とする金属カルボニルを抑制する触媒。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の触媒を用いて、反応温度が250℃〜850℃であり、スチームとカーボンのモル比(S/C)が1.0〜6.0であり、空間速度(GHSV)が100〜100000h−1の条件下で、炭化水素と水蒸気を反応させることを特徴とする炭化水素から水素を含む混合改質ガスを製造する方法。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の触媒を用いて、改質の反応場で金属カルボニルの発生を抑制する方法。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の触媒を用いることを特徴とする燃料電池システム。
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