JP2008237837A - 遊技音響装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】効果音と台詞とを聞き取りやすくする。
【解決手段】左レジスタ/バッファ23と左D/Aコンバータ26と左音量調整器29および左パワーアンプ32が、左の中高音スピーカ11の信号路を構成し、右レジスタ/バッファ24と右D/Aコンバータ27と右音量調整器30および右パワーアンプ33が、右の中高音スピーカ11の信号路を構成し、台詞レジスタ/バッファ25と台詞D/Aコンバータ28と台詞音量調整器31および台詞パワーアンプ34が台詞スピーカ12の信号路を構成するというように、左右の中高音スピーカ11の信号路と台詞スピーカ12の信号路とが互いに独立して構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、効果音と台詞とが聞き取りやすい遊技音響装置に関する。
遊技音響装置には、図6に示すように、遊技機枠1の前上部に左右一対の中高音放音孔部8および左右一対の中高音スピーカ11を設け、遊技機枠1の前下部に低音放音孔部10および低音スピーカ14を設け、中高音スピーカ11から放音された中高音を中高音放音孔部8を経由して遊技機枠1の前側に放音し、低音スピーカ14から放音された低音を低音放音孔部10を経由して遊技機枠1の前側に放音するようにしたものが知られている。しかしながら、中高音スピーカから効果音と台詞とを放音する構成であるので、音量を大きくすることに伴う高調波歪の増加、効果音と台詞とが同じ場所から発せられることによる両者の識別度の低下、効果音と台詞との音量を別々に調整不可能、台詞が効果音にかき消される、混変調歪の増大などによって、台詞が聞き取りにくいという欠点がある。
特開2002−224308号公報
発明が解決しようとする問題点は、台詞が聞き取りにくいという点である。
本発明に係る遊技音響装置は、遊技機枠の前部に中高音放音孔部および台詞放音孔部を設け、中高音放音孔部から遊技機枠の前方に中高音を放出する中高音スピーカおよび台詞放音孔部から遊技機枠の前方に台詞を放出する台詞スピーカを遊技機枠に設け、中高音スピーカおよび台詞スピーカを制御する音制御装置には中高音スピーカの信号路と台詞スピーカの信号路とが独立して構成されるか、または、遊技機枠の前部には窓と窓を後側から塞ぐパネル構造体と左右一対の中高音放音孔部と左右一対の中高音スピーカと台詞放音孔部と低音放音孔部とが設けられ、左右一対の中高音スピーカから放出された中高音が左右一対の中高音放音孔部を個別に経由して遊技機枠の前方に放出され、台詞放音孔部が左右一対の中高音放音孔部の間に配置され、台詞スピーカから放出された台詞が遊技機枠の前方に放出し、パネル構造体が前パネルと後パネルとフレームとで囲まれた閉鎖空間を形成し、フレームには閉鎖空間に連なる筒状のスピーカ設置部と閉鎖空間に連なる音出口部とが設けられ、低音スピーカが振動板を前方に向けてスピーカ設置部に取り付けられ、低音スピーカの振動板から前方に放射された低音がスピーカ設置部から閉鎖空間と音出口部および低音放音孔部を経由して遊技機枠の前側に放出され、音制御装置には、中高音スピーカの信号路と台詞スピーカの信号路とが独立して構成され、かつ、前パネルと後パネルとの共振によって発生する音圧のピークを低減若しくは遮断するローパスフィルタと、前パネルと後パネルとの共振によって発生する音圧のディップを上昇するようにローパスフィルタからの出力信号の電圧レベルを上昇して低音スピーカに供給するレベル調整器とが設けられたことを最も主要な特徴とする。
本発明に係る遊技音響装置は、中高音スピーカの信号路と台詞スピーカの信号路とが独立して構成されたことから、効果音と台詞との発生場所が異なり、効果音と台詞とが互いに別々の方向から遊技者の耳に届くため、遊技者が効果音と台詞とを識別しやすくなるうえ、効果音に対する音量の調整と台詞に対する音量の調整とが別々に行えるので、中高音スピーカから放音される効果音と台詞スピーカから放音される台詞とが互いに聞き取りやすいという利点がある。また、ローパスフィルタが前パネルと後パネルとの共振によって発生する音圧のピークを低減若しくは遮断し、レベル調整器が前パネルと後パネルとの共振によって発生する音圧のディップを上昇するようにローパスフィルタからの出力信号の電圧レベルを上昇して低音スピーカに供給すれば、音響特性上のピークとディップとを補正し良好な低音が得られるという利点がある。
図1乃至図3は、発明を実施するための最良の形態である。図1は、遊技音響装置を備えたパチンコ遊技機を示す。図2は、パネル構造体13を分解して示す。図3は、パチンコ遊技機の遊技音響装置周りの縦に切断した断面を示す。本明細書において、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」の方向は、図1の状態に遊技機枠1を置いて図1の紙面の前側から見た場合に特定される方向である。
図1を参照し、遊技音響装置を備えた遊技機としてパチンコ遊技機を例示して説明する。パチンコ遊技機は、遊技機枠1の内部に遊技盤39を交換可能に格納した形態である。遊技機枠1は、固定枠2の前に可動枠3を開閉可能に備え、可動枠3の前に上扉4および下扉5を開閉可能に備える。固定枠2は、遊技機設置構造体に取り付けるための外枠とも呼ばれる。遊技機設置構造体は、遊技店のパチンコ遊技機を設置する島とも呼ばれる設備である。可動枠3は、遊技盤39や図外の制御装置など遊技に必要な部品を取り付ける前枠とも呼ばれる。可動枠3は、左側に位置する図外のヒンジを中心とし、固定枠2の前で前側に開かれかつ後側に閉じられるように、片開き可能であって、遊技盤39を装着するための盤設置構造体の前面に発射機構6を備える。発射機構6は、下扉5が閉じられて可動枠3に開閉不能に支持された場合、下扉5で覆い隠される。
上扉4および下扉5は、遊技機枠1の前部における前扉を構成するものであって、個別に、左側に位置する図外のヒンジを中心とし、可動枠3の前で前側に開かれかつ後側に閉じられるように、片開き可能である。上扉4は、パネル枠とも呼ばれ、前後方向に貫通する窓7を囲む額縁形状である。上扉4の前部には、中高音放音孔部8、台詞放音孔部9、低音放音孔部10が設けられる。中高音放音孔部8は、上扉4の上部で、窓7を境として左右に分かれて配置される。台詞放音孔部9は、上扉4の上部で、中高音放音孔部8の左右の間の中央に配置される。低音放音孔部10は、バスレフダクトを構成し、上扉4の下部で、窓7よりも左側に配置される。
上扉4の後部には、中高音スピーカ11、台詞スピーカ12、パネル構造体13が設けられる。中高音スピーカ11は、中高音放音孔部8の後に対応し上扉4に取り付けられる。台詞スピーカ12は、台詞放音孔部9の後に対応し上扉4に取り付けられる。パネル構造体13は、窓7を後側から塞ぐように、上扉4に取り付けられる。パネル構造体13には、低音スピーカ14が設けられる。低音スピーカ14がパネル構造体13に設けられる構造は、図6で後述する。下扉5は、皿構造体とも呼ばれる。下扉5の前部には、受皿15および発射操作機構16が設けられる。
音制御装置17は、電力供給を受けて起動した後に図外の主制御装置から遊技音響に関する信号を入力されるのに伴い、中高音スピーカ11、台詞スピーカ12、低音スピーカ14を制御するものであって、データROM18と音源IC19とを備え、とりわけ、中高音スピーカ11および低音スピーカ14の信号路(チャンネル)に対し、台詞スピーカ12の信号路が独立して構成される。
データROM18は、左音データ20、右音データ21、台詞データ22を備える。左音データ20は、左の中高音スピーカ11から放音される効果音を作成するものであって、例えば、ピアノやベースなど楽器ごとに別々のエリアに格納される。右音データ21は、右の中高音スピーカ11から放音される効果音を作成するものであって、例えば、ドラムやトランペットなど楽器ごとに別々のエリアに格納される。台詞データ22は、左の中高音スピーカ11から放音される効果音に対する台詞や右の中高音スピーカ11から放音される効果音に対する台詞ごとに別々のエリアに格納される。
音源IC19は、左レジスタ/バッファ23、右レジスタ/バッファ24、台詞レジスタ/バッファ25、左D/Aコンバータ26、右D/Aコンバータ27、台詞D/Aコンバータ28、左音量調整器29、右音量調整器30、台詞音量調整器31を備える。左音量調整器29の出力側には、左パワーアンプ32が接続される。左パワーアンプ32の出力側には、左の中高音スピーカ11が接続される。右音量調整器30の出力側には、右パワーアンプ33が接続される。右パワーアンプ33の出力側には、右の中高音スピーカ11が接続される。台詞音量調整器31の出力側には、台詞パワーアンプ34が接続される。台詞パワーアンプ34の出力側には、台詞スピーカ12が接続される。左音量調整器29の出力側および右音量調整器30の出力側には、加算回路35が接続される。加算回路35の出力側には、ローパスフィルタ36が接続される。ローパスフィルタ36の出力側には、電圧増幅器であるレベル調整器37が接続される。レベル調整器37の出力側には、低音パワーアンプ38が接続される。低音パワーアンプ38の出力側には、低音スピーカ14が接続される。
左レジスタ/バッファ23と左D/Aコンバータ26と左音量調整器29および左パワーアンプ32が、左の中高音スピーカ11の信号路を構成する。右レジスタ/バッファ24と右D/Aコンバータ27と右音量調整器30および右パワーアンプ33が、右の中高音スピーカ11の信号路を構成する。台詞レジスタ/バッファ25と台詞D/Aコンバータ28と台詞音量調整器31および台詞パワーアンプ34が台詞スピーカ12の信号路を構成する。加算回路35とローパスフィルタ36とレベル調整器37および低音パワーアンプ38が低音スピーカ14の信号路を構成する。
そして、音制御装置17が電力供給を受けて起動した後に、図外の主制御装置から遊技音響に関する信号を入力されるのに伴い、音制御装置17が中高音スピーカ11、台詞スピーカ12、低音スピーカ14を制御する。その場合、データROM18から抽出された左音データ20が左の中高音スピーカ11の信号路を経由して左の中高音スピーカ11に供給され、データROM18から抽出された右音データ21が右の中高音スピーカ11の信号路を経由して右の中高音スピーカ11に供給され、データROM18から抽出された台詞データ22が台詞スピーカ12の信号路を経由して台詞スピーカ12に供給される。
つまり、左右の中高音スピーカ11の信号路と台詞スピーカ12の信号路とが互いに独立して構成されているので、効果音と台詞との発生場所が異なり、効果音と台詞とが互いに別々の方向から遊技者の耳に届くため、遊技者が効果音と台詞とを識別しやすくなるうえ、効果音に対する音量の調整と台詞に対する音量の調整とが別々に行えるので、中高音スピーカから放音される効果音と台詞スピーカから放音される台詞とが互いに聞き取りやすいという利点がある。効果音に対する音量の調整と台詞に対する音量の調整とによって高調波歪が低減できるようになったので、中高音スピーカ11から放音される効果音と台詞スピーカ12から放音される台詞とが互いに聞き取りやすいという利点がある。
左音データ20が、複数の楽器ごとに設けられた場合、左レジスタ/バッファ23が複数の楽器ごとに対応して別々に設けられ、これら複数の左レジスタ/バッファ23からの出力を図外の加算器で加算した後、左D/Aコンバータ26に出力すればよい。右音データ21が、複数の楽器ごとに設けられた場合、右レジスタ/バッファ24が複数の楽器ごとに対応して別々に設けられ、これら複数の右レジスタ/バッファ24からの出力を図外の加算器で加算した後、右D/Aコンバータ27に出力すればよい。台詞データ22が、複数の台詞ごとに設けられた場合、台詞レジスタ/バッファ25が複数の台詞ごとに対応して別々に設けられ、これら複数の台詞レジスタ/バッファ25からの出力を図外の加算器で加算した後、台詞D/Aコンバータ28に出力すればよい。
図示は省略するが、音源IC19にバンドパスフィルタを設け、台詞データ22を次のように処理してもよい。バンドパスフィルタは、ハイパスフィルタとローパスフィルタとを組み合わせることによって構成される。ハイパスフィルタとしては、例えば、減衰特性≒−12dB/oct、カットオフ周波数(Fc)≒700Hzの特性を有するものを使用する。ローパスフィルタとしては、例えば、減衰特性=−12dB/oct、カットオフ周波数≒5kHzの特性を有するものを使用する。これによって、データROM18から抽出された台詞データ22のうち台詞D/Aコンバータ28で変換された人の肉声帯域である約700Hz乃至約5kHzのみのアナログ信号を台詞スピーカ12に供給することができ、台詞が一層聞き取りやすくなるという利点がある。また、バンドパスフィルタを音源IC19に設けることなく、バンドパスフィルタ処理を行った台詞データを台詞データ22として設けてもよい。
加算回路35は、右音量調整器29および左音量調整器30からの出力を加算してモノラル信号を生成し、そのモノラル信号をローパスフィルタ36に出力する。ローパスフィルタ36は、前パネル42と後パネル43との共振によって発生する250Hz近辺の音圧のピークをフィルタによって低減してレベル調整器37に出力する。レベル調整器37は、信号全体のレベルを上昇させ、前パネル42と後パネル43との共振によって発生する100Hz付近の音圧のディップを補正して低音パワーアンプ38を経由させて低音スピーカ14に供給する。低音スピーカ14から前方に放出された低音は、パネル構造体13における図3に示す前パネル42と後パネル43およびフレーム41で囲まれた閉鎖空間Dから低音放音孔部10を経由して上扉4の下部から前方に放出される。ローパスフィルタ36として、例えば、減衰特性≒−40dB/oct、カットオフ周波数≒200Hzの特性を有するものを使用し、レベル調整器37でローパスフィルタ36からの出力の電圧レベルを上昇させて100Hz付近の音圧のディップを補正するので、パネル構造体13の閉鎖空間Dをエンクロージャとして用いたサブウーハーとした良好な音響特性を持つ遊技音響装置を構成することができ、音響特性上のピークを回避することができるという利点がある。
一方、低音スピーカ14をサブウーハーと使用する場合、音源IC19から出力された低音信号を低音スピーカ14に供給する経路に、不要な高音を遮断もしくは低減するためのローパスフィルタが用いられるのが一般的である。これに対し、最良の形態は、前パネル42と後パネル43との共振によって発生する音圧のピークを遮断もしくは低減するためのローパスフィルタ36を用いている。このため、ローパスフィルタ36を使用することによって、上記一般的なローパスフィルタを除去することができるという利点がある。
遊技盤39の左上隅部には、スピーカ逃避部40が設けられる。遊技盤39が可動枠3の盤設置構造体に装着され、上扉4が閉じられた場合、低音スピーカ14の後部が遊技盤39の前側からスピーカ逃避部40を経由して遊技盤39の後側に突出する。図1における結合子Aは、互いに接続される。
図1に示すように、遊技機枠1を正面である前側から見た場合、中高音放音孔部8が上扉4の上部に配置されているので、中高音スピーカ11からの中高音が遊技者の耳に近くから伝わり、低音放音孔部10が上扉4の下部に配置されているので、低音スピーカ14からの低音が遊技者の耳に安定感のある音として伝わるという利点がある。つまり、中高音放音孔部8と低音放音孔部10とが音響工学的に良好な場所に設けられたという利点がある。
図2を参照し、パネル構造体13の構造について説明する。パネル構造体13は、フレーム41に、前パネル42と後パネル43と低音スピーカ14およびスピーカ後カバー44を取り付けることによって、構成される。フレーム41は、前パネル42および後パネル43よりも大形な外形を有する板状に構成される。フレーム41には、透視開口部45、前パネル収容部46、後パネル収容部47、スピーカ設置部48、スピーカ前カバー49、前開口50、パネル支持体51、フレーム音出口52が設けられる。透視開口部45は、窓7(図1参照)よりも大きな相似形で、前後方向への貫通孔を構成する。前パネル収容部46は、前パネル42の周縁部を収容する窪みとして、透視開口部45の前部とスピーカ設置部48の前部とに設けられる。
スピーカ設置部48は、透視開口部45の左上部よりも外側に位置し、前パネル収容部46の内外に跨り、前後方向に貫通する筒状に構成される。スピーカ前カバー49は、前パネル収容部46よりも外側におけるスピーカ設置部48の前部を塞ぐ板状に構成される。前開口50は、スピーカ設置部48のスピーカ前カバー49や前パネル収容部46で覆われていない部分である。パネル支持体51は、前開口50の近くにおける後パネル収容部47の前面、フレーム音出口52の近くにおける前パネル収容部46の後面に設けられる。後パネル収容部47の前面に設けられたパネル支持体51は、前パネル42を受け止める突起を構成する。前パネル収容部46の後面に設けられたパネル支持体51は、後パネル43を受け止める突起を構成する。フレーム音出口52は、前パネル収容部46の左下部よりも外側に位置し、前後方向への貫通孔を構成する。
前パネル42は、無色透明なガラス板により構成される。前パネル42には、張出部53が左上部に設けられる。前パネル42の周縁部が前パネル収容部46に収容されて図外の接着剤で固定され、前パネル42がフレーム41に取り付けられた場合、仮想線L1で囲まれた部分が透視開口部45の前部を塞ぎ、張出部53が前開口50の前部を塞ぐ。
後パネル43は、無色透明なガラス板により構成される。後パネル43には、張出部54が左下部に設けられる。後パネル43の周縁部が後パネル収容部47に収容されて図外の接着剤で固定され、後パネル43がフレーム41に取り付けられた場合、仮想線L2で囲まれた部分が透視開口部45の後部を塞ぎ、張出部54が、フレーム音出口52の後部を塞ぐ。
低音スピーカ14は、前方に開口した円錐形状の振動板55の後部に音響変換部56を備え、振動板55の前縁部から外側にフランジ57を突出し、フランジ57に複数のねじ挿入孔58を備え、音響変換部56が音響変換部56から外側に突出した被覆電線からなる引出線59から入力された音電流を機械的な振動に変換して振動板55に伝達し、振動板55が伝達された振動を低音波として拡大して放出する。引出線59にはコネクタ60が設けられる。
低音スピーカ14がフレーム41に取り付けられる場合、振動板55の前開口が前方に向けられるように、低音スピーカ14がフレーム41の後方からスピーカ設置部48に配置されることによって、振動板55および音響変換部56がスピーカ設置部48に接触せず、フランジ57の前面がスピーカ設置部48の後面に接触する。そして、タッピングスクリューのような止ねじ61が低音スピーカ14の後からねじ挿入孔58を経由してスピーカ設置部48に締結される。これによって、低音スピーカ14が、スピーカ設置部48から後方に突出するように、スピーカ設置部48に取り付けられる。
スピーカ後カバー44は、前方に開口した箱形である。スピーカ後カバー44の前開口50の周縁部には、取付部としてのねじ挿入孔62が設けられる。スピーカ後カバー44の後壁には、多数の貫通孔からなる放音孔63が設けられる。スピーカ後カバー44が被せられる場合、コネクタ60がスピーカ後カバー44の前から放音孔63を構成する1つの貫通孔に挿入されてスピーカ後カバー44の後に引き出されることによって、引出線59がスピーカ後カバー44の後壁に貫通させられる。そして、スピーカ後カバー44が低音スピーカ14の後から低音スピーカ14に被せられ、スピーカ後カバー44の前開口50の周縁部がスピーカ設置部48の後部に接触され、タッピングスクリューのような止ねじ64がスピーカ後カバー44の後からねじ挿入孔62を経由してスピーカ設置部48に締結される。これによって、スピーカ後カバー44がスピーカ設置部48に取り付けられる。コネクタ60が図1の低音パワーアンプ38に接続されることによって、低音スピーカ14が図1の音制御装置17で制御される。
図3において、遊技盤39の前面と後パネル43との間におけるガイドレール65で囲まれた空間が球Pの飛び交う遊技領域66である。パネル構造体13のフレーム41と前パネル42および後パネル43で囲まれた閉鎖空間Dは、低音スピーカ14から放出された低音を低音放音孔部10に誘導する空気の振動による音の矢印X1で示す伝達路を形成する。低音スピーカ14の振動板55から前側に放出された音は、空気の振動による音の矢印X1で示す伝達路により、低音放音孔部10から上扉4の前側に放出される。低音スピーカ14の振動板55から後側に放出された音は、空気の振動による音の矢印X2で示す伝達路により、スピーカ後カバー44の内部と放音孔63および遊技盤39のスピーカ逃避部40を経由して遊技盤39の裏側に放出される。
低音放音孔部10が空気の流れによるヘルムホルツ共振現象を発生するように、低音放音孔部10の断面積と長さとが設定されているので、低音の固有の共振周波数が強調され、閉鎖空間Dで構成されたエンクロージャに対し低音放音孔部10がバスレフダクトの役目を果たす。低音放音孔部10の断面積は、低音放音孔部10における音の矢印X1で示す伝達路と直交する方向の通路断面である。低音放音孔部10の長さは、低音放音孔部10における音の矢印X1で示す伝達路方向の長さである。中高音スピーカ11から前側に放出された音は、空気の振動による音の矢印X3で示す伝達路により、中高音放音孔部8を経由して上扉4の斜め下方前側に向けて放出される。ガイドレール65は、遊技盤39または上扉4またはパネル構造体13に取り付けられる。
中高音スピーカ11が上扉4に取り付けられ、低音スピーカ14がスピーカ設置部48に取り付けられ、低音スピーカ14の前面が前パネル42の張出部53で覆われたことによって、中高音スピーカ11の中高音と低音スピーカ14の低音とが干渉しない構造であり、中高音スピーカ11と低音スピーカ14が前後方向に重ねられて配置されているので、中高音スピーカ11と低音スピーカ14とが正面から見た場合の狭い場所に設けられるという利点がある。
パネル構造体13の後側に配置されるように遊技機枠1に取り付けられる遊技盤39には、低音スピーカ14を逃げるためのスピーカ逃避部40が設けられているので、低音スピーカ14がパネル構造体13から後側に突出しても、遊技領域66の前後方向の隙間を球の通過し得る寸法に適切に確保することができるという利点がある。
低音スピーカ14を後側から被覆するスピーカ後カバー44がスピーカ設置部48に設けられているので、低音スピーカ14の後側に放出された音が遊技機枠1の前側に回り込むことなく、遊技機枠1の後側に適切に導かれ、低音スピーカ14の後側に放出される低音が上扉4の前側に放出される低音と打ち消しあうように干渉する不都合はないという利点がある。
図1において、低音スピーカ14が前後方向に重ねられて配置される場所は、遊技機枠1の左上部に限定されるものではない。また、低音放音孔部10は、上扉4の下部で、窓7よりも右側に配置されてもよく、また、複数でもよい。上扉4および下扉5は、単一体として構成されてもよい。
図4に示すように、低音スピーカ14を設けてもよい。つまり、図4のa図では、低音放音孔部10が上扉4の下部で窓7よりも左右に分かれて設けられ、低音スピーカ14が左右の低音放音孔部10の後に個別に対応し上扉4に取り付けられる。図4のb図では、低音放音孔部10が固定枠2の下部で左右に分かれて設けられ、低音スピーカ14が左右の低音放音孔部10の後に個別に対応し固定枠2に取り付けられる。図4のc図では、中高音放音孔部8が上扉4の上下部で窓7を境として左右に分かれて設けられ、中高音スピーカ11が中高音放音孔部8の後に対応し上扉4に取り付けられ、低音放音孔部10が固定枠2の下部で左右に分かれて配置され、低音スピーカ14が左右の低音放音孔部10の後に個別に対応し固定枠2に取り付けられる。
図5は、異なる形態に係る音制御装置17を示す。図5では、図1の音源IC19に相当する音源IC67が用いられる。音源IC67は、加算回路35とサブウーファー用の一般的なローパスフィルタ68とを備えた点で、音源IC19と異なる。ローパスフィルタ68の出力側には、ローパスフィルタ36に相当するローパスフィルタ69が接続される。ローパスフィルタ69は、高音信号を減衰もしくは遮断させて低音信号のみを生成する機能を持たず、図5の前パネル42と後パネル43との共振によって発生する音圧の200Hz近辺のピークを遮断もしくは低減する機能を有する点で、ローパスフィルタ36と異なる。
遊技音響装置を備えたパチンコ遊技機の模式図(最良の形態)。 パネル構造体の分解斜視図(最良の形態)。 パチンコ遊技機の遊技音響装置周りの縦断面図(最良の形態)。 遊技音響装置を備えたパチンコ遊技機の正面図(異なる形態)。 音制御装置17の構成図(異なる形態)。 遊技音響装置を備えたパチンコ遊技機の正面図(従来)。
符号の説明
1は遊技機枠、2は固定枠、3は可動枠、4は上扉、5は下扉、6は発射機構、7は窓、8は中高音放音孔部、9は台詞放音孔部、10は低音放音孔部、11は中高音スピーカ、12は台詞スピーカ、13はパネル構造体、14は低音スピーカ、15は受皿、16は発射操作機構、17は音制御装置、18はデータROM、19は音源IC、20は左音データ、21は右音データ、22は台詞データ、23は左レジスタ/バッファ、24は右レジスタ/バッファ、25は台詞レジスタ/バッファ、26は左D/Aコンバータ、27は右D/Aコンバータ、28は台詞D/Aコンバータ、29は左音量調整器、30は右音量調整器、31は台詞音量調整器、32は左パワーアンプ、33は右パワーアンプ、34は台詞パワーアンプ、35は加算回路、36はローパスフィルタ、37はレベル調整器、38は低音パワーアンプ、39は遊技盤、40はスピーカ逃避部、41はフレーム、42は前パネル、43は後パネル、44はスピーカ後カバー、45は透視開口部、46は前パネル収容部、47は後パネル収容部、48はスピーカ設置部、49はスピーカ前カバー、50は前開口、51はパネル支持体、52はフレーム音出口、53は張出部、54は張出部、55は振動板、56は音響変換部、57はフランジ、58はねじ挿入孔、59は引出線、60はコネクタ、61は止ねじ、62はねじ挿入孔、63は放音孔、64は止ねじ、65はガイドレール、66は遊技領域、67は音源IC、68はローパスフィルタ、69はローパスフィルタ、Aは結合子、Dは閉鎖空間。

Claims (2)

  1. 遊技機枠の前部に中高音放音孔部および台詞放音孔部を設け、中高音放音孔部から遊技機枠の前方に中高音を放出する中高音スピーカおよび台詞放音孔部から遊技機枠の前方に台詞を放出する台詞スピーカを遊技機枠に設け、中高音スピーカおよび台詞スピーカを制御する音制御装置には中高音スピーカの信号路と台詞スピーカの信号路とが独立して構成されたことを特徴とする遊技音響装置。
  2. 遊技機枠の前部には窓と窓を後側から塞ぐパネル構造体と左右一対の中高音放音孔部と左右一対の中高音スピーカと台詞放音孔部と低音放音孔部とが設けられ、左右一対の中高音スピーカから放出された中高音が左右一対の中高音放音孔部を個別に経由して遊技機枠の前方に放出され、台詞放音孔部が左右一対の中高音放音孔部の間に配置され、台詞スピーカから放出された台詞が遊技機枠の前方に放出し、パネル構造体が前パネルと後パネルとフレームとで囲まれた閉鎖空間を形成し、フレームには閉鎖空間に連なる筒状のスピーカ設置部と閉鎖空間に連なる音出口部とが設けられ、低音スピーカが振動板を前方に向けてスピーカ設置部に取り付けられ、低音スピーカの振動板から前方に放射された低音がスピーカ設置部から閉鎖空間と音出口部および低音放音孔部を経由して遊技機枠の前側に放出され、音制御装置には、中高音スピーカの信号路と台詞スピーカの信号路とが独立して構成され、かつ、前パネルと後パネルとの共振によって発生する音圧のピークを低減若しくは遮断するローパスフィルタと、前パネルと後パネルとの共振によって発生する音圧のディップを上昇するようにローパスフィルタからの出力信号の電圧レベルを上昇して低音スピーカに供給するレベル調整器とが設けられたことを特徴とする遊技音響装置。
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