JP2008237537A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の遊技機は、遊技演出制御基板に複数個のROMが搭載され、基板上にROMが占める基板面積が大きくなって部品配置に制約がもたらされていた。また、遊技機の製造原価が十分に低減されていなかった。
【解決手段】 サブCPU82のシーケンスプログラムと、音源IC91が用いるサウンド・データとを1つのROM83に記憶させても、アドレスバス切離回路89,データバス切離回路90を備えることにより、ROM83に対する情報読出アクセスは、サブCPU82および音源IC91によって同時に行われることはない。従って、ROM83に対する情報読出アクセスがサブCPU82および音源IC91間で衝突することがないので、各素子が壊れることなく、サブCPU82および音源IC91間で1つのROM83を共用することが可能になり、ROMの使用個数は減少する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、遊技演出の統括制御処理を所定の処理手順に従って行う第1の演算手段と、遊技演出の個別演出処理を所定の演出データを用いて行う第2の演算手段とを備えた遊技機に関するものである。
従来この種の遊技機としては、下記の特許文献1に開示されたパチスロ機がある。このパチスロ機は、遊技の進行に関する種々の遊技処理を制御するメインCPU(中央演算処理装置)をメイン制御基板に備えている。また、メインCPUの制御の下、遊技演出の統括制御処理を所定の処理手順に従って行うサブCPUをサブ制御基板に備えている。この処理手順は、シーケンスプログラムとしてプログラムROM(読出専用メモリ)に記憶されている。サブ制御基板では、サブCPUの制御の下、種々の映像演出を液晶表示装置などに表示する画像制御が行われる。この画像制御は、ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ(VDP)がキャラクタROMに記憶された画像データを用いて行われる。また、サブ制御基板では、スピーカに放音させて音響効果を出す音制御も行われる。この音制御は、サブCPUの制御の下で、音源IC(高集積化回路)がサウンドROMに記憶された音声データを用いて行われる。
特開2006−326034号公報(図6参照)
しかしながら、上記従来のパチスロ機では、遊技演出の制御処理を行うサブ制御基板において、サブCPUのシーケンスプログラムはプログラムROMに記憶され、VDPが画像制御に用いる画像データはキャラクタROMに記憶されている。また、音源ICが音制御に用いる音声データはサウンドROMに記憶されている。従来のパチンコ機等の遊技機においても、同様に、シーケンスプログラムはプログラムROMに記憶され、画像データはキャラクタROM、音声データはサウンドROMに記憶されている。
従って、従来の遊技機では、遊技演出の制御処理を行う制御基板に複数個のROMが搭載されることになり、制御基板上にROMが占める基板面積が大きくなって、部品配置の設計上の自由度に制約がもたらされていた。また、近年、ROMの価格はその記憶容量に余り比例せず、大きな記憶容量のROMと小さな記憶容量のROMとの間における価格差は余り無い。従って、遊技機の製造原価はROMの使用個数に伴って増加するため、従来の遊技機はその製造原価が十分に低減されていない。
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、遊技演出の統括制御処理を所定の処理手順に従って行う第1の演算手段と、遊技演出の個別演出処理を第1の演算手段の制御処理の下で所定の演出データを用いて行う第2の演算手段とを備えた遊技機において、
前記所定の処理手順および前記所定の演出データを記憶した1つの読出専用情報記憶手段と、この読出専用情報記憶手段に対する情報読出アクセスを第1の演算手段または第2の演算手段のいずれか一方に規制して同時にアクセスさせないアクセス調停手段とを備えていることを特徴とする。
この構成によれば、第1の演算手段が遊技演出の統括制御処理を行う所定の処理手順と、第2の演算手段が遊技演出の個別演出処理を行うのに用いる所定の演出データとを1つの読出専用情報記憶手段に記憶させても、アクセス調停手段を備えることにより、読出専用情報記憶手段に対する情報読出アクセスは、第1の演算手段および第2の演算手段によって同時に行われることはない。従って、読出専用情報記憶手段に対する情報読出アクセスが第1の演算手段および第2の演算手段間で衝突することがないので、各手段が壊れることなく、第1の演算手段および第2の演算手段間で1つの読出専用情報記憶手段を共用することが可能になり、読出専用情報記憶手段の使用個数は減少する。このため、制御基板上に読出専用情報記憶手段が占める基板面積が小さくなって、部品配置の設計上の自由度が向上すると共に、遊技機の製造原価が低減される。
また、本発明は、第1の演算手段が制御処理不能な状態に陥った時に、第1の演算手段が読出専用情報記憶手段にアクセスする電気接続経路を分断する経路分断手段を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、第1の演算手段が制御処理不能な状態に陥り、第1の演算手段が無秩序に読出専用情報記憶手段にアクセスしようとしても、アクセスする電気接続経路は経路分断手段によって分断される。従って、第1の演算手段が制御処理不能な状態に陥った場合においても、読出専用情報記憶手段に対する情報読出アクセスは、第1の演算手段および第2の演算手段によって同時に行われることはない。このため、読出専用情報記憶手段に対する情報読出アクセスが第1の演算手段および第2の演算手段間で衝突して各手段が壊れる確率はより低くなり、遊技装置の信頼性が向上する。
このような本発明による遊技機によれば、上記のように、制御基板上に読出専用情報記憶手段が占める基板面積が小さくなって、部品配置の設計上の自由度が向上すると共に、遊技機の製造原価が低減される。
次に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は本実施形態によるパチスロ機1の外観を示す正面図である。
パチスロ機1のコントロールパネル中央部に設けられた枠の後方のキャビネット内部には、3個の小型のメインリール2,3,4が縦方向に回転自在に設けられている。各メインリール2〜4の外周面には複数種類の図柄(以下、シンボルという)から成るシンボル列が描かれている。また、メインリール2〜4の上方のキャビネット内部には、メインリール2〜4よりも大きい大型のサブリール5,6,7が縦方向に回転自在に設けられている。各サブリール5〜7の外周面には、メインリール2〜4の外周面のシンボルとは異なる演出表示用の複数種類のシンボルから成るシンボル列が描かれている。また、サブリール5〜7の上方のパチスロ機1上部のキャビネット内部には、1個の横回転リール8が横方向に回転自在に設けられている。横回転リール8の外周面には、メインリール2〜4やサブリール5〜7の外周面のシンボルとは異なる演出表示用の複数種類のシンボルから成るシンボル列が描かれている。メインリール2〜4の前部にはリール表示窓部39が設けられており、このリール表示窓部39を通して、各メインリール2〜4の外周面に描かれたシンボルがそれぞれ3個ずつ観察される。また、サブリール5〜7の前部にはリール表示窓部50が設けられており、このリール表示窓部50に形成された表示窓5A,6A,7Aを通して、各サブリール5〜7の外周面に描かれたシンボルがそれぞれ3個観察される。また、横回転リール8の前部にはリール表示窓部51が設けられており、このリール表示窓部51を通して、横回転リール8の外周面に描かれたシンボルが1個観察される。
上記のメインリール2〜4、サブリール5〜7、および横回転リール8は、いずれもリールドラムの外周にリール帯が貼られて構成されており、このリール帯に上記のシンボル列が描かれている。また、上記のメインリール2〜4、サブリール5〜7、および横回転リール8を構成する各リールドラムの内部には、各リールドラムに貼られたリール帯に描かれたシンボルを背後から照明する種々の色で発光するLED(発光ダイオード)からなるリールバックランプ47a,47b,47c、リールバックランプ48a,48b,48c、リールバックランプ49(図3参照)がそれぞれ設けられている。
メインリール2〜4およびリール表示窓部39は、複数のシンボルを表示する主図柄表示手段を構成している。また、サブリール5〜7およびリール表示窓部50の表示窓5A〜7Aは、複数のシンボルを演出表示する第1の副図柄表示手段を構成している。また、横回転リール8およびリール表示窓部51は、サブリール5〜7によって表示されるシンボルと異なる複数のシンボルを演出表示する第2の副図柄表示手段を構成している。この第2の副図柄表示手段によって演出表示される複数のシンボルには、特典遊技であるボーナスゲームに対応する複数の特典図柄が含まれている。
また、リール表示窓部39の右方のコントロールパネルには、遊技者が遊技媒体であるメダルを投入するための投入口9が設けられている。ゲーム開始に先立って、遊技者が投入口9から3枚(ボーナス作動中では2枚)のメダルを投入すると、リール表示窓部39上における図示しない8本の入賞ライン、および、リール表示窓部50の表示窓5A〜7A上における図示しない5本の入賞ラインが、それぞれ有効化される。以降、有効化された入賞ラインを有効化入賞ラインという。また、有効化された入賞ライン上に所定のシンボル組合わせが揃うと、表示役が成立する。
また、表示窓5A〜7Aの左方のリール表示窓部50には、上部から、ボーナスカウント表示部10、メダル投入枚数表示ランプ(ベットランプ)13〜15、配当枚数表示部16、貯留枚数表示部17、および遊技動作表示器18〜22が設けられている。ボーナスカウント表示部10は、3桁の7セグメントLEDからなり、ボーナスゲーム作動時に、後述するRB(レギュラーボーナス)遊技状態の残り入賞可能回数などをデジタル表示する。メダル投入枚数表示ランプ(ベットランプ)13〜15は、メダルの投入枚数に応じて点灯制御され、その時のメダルの投入枚数が遊技者に知らされる。配当枚数表示部16は、2桁の7セグメントLEDからなり、入賞によるメダル払出枚数などを表示する。貯留枚数表示部17は、3桁の7セグメントLEDからなり、機械内部に現在クレジットされているメダル数を表示する。遊技動作表示器18〜22は、遊技状況に応じて点灯制御され、その時の遊技状況が遊技者に知らされる。
また、表示窓5A〜7Aの右方のリール表示窓部50には、上部から、RT2遊技回数表示部23、ST(スーパータイム)作動確率状態示唆ランプ24、スタートランプ25、WINランプ26、およびインサートランプ27が設けられている。RT2遊技回数表示部23は、3桁の7セグメントLEDからなり、後述するRT2作動中における残り遊技回数などをデジタル表示する。ST作動確率状態示唆ランプ24は、ST作動高確率状態示唆ランプ24aおよびST作動低確率状態示唆ランプ24bからなり、ST作動確率状態示唆の演出が行なわれるときに点灯制御される。スタートランプ25は、上述したメインリール2〜4が作動可能な時に点滅する。WINランプ26は、後述する「BB(ビッグボーナス)」や「MB」の内部当籤役(当籤役)が決定されると点灯する。また、インサートランプ27は、投入口9にメダルの投入が受付可能な時に点灯する。
また、リール表示窓部39の左方のコントロールパネルには、1貯留メダル投入ボタン(1ベットボタン)30、2貯留メダル投入ボタン(2ベットボタン)31、および3貯留メダル投入ボタン(マックスベットボタン)32が設けられている。これら各貯留メダル投入ボタン30〜32は、貯留枚数表示部17にメダル数が表示されてクレジットされている際に、投入口9へのメダル投入に代えて1回のゲームに1枚〜3枚のメダルを賭ける際に使用される。
また、リール表示窓部39が設けられたコントロールパネルの下方には、左側から、スタートレバー33、停止ボタン(ストップボタン)34,35,36、および貯留メダル精算ボタン37が設けられている。スタートレバー33は、単位遊技を開始させる開始操作手段を構成している。スタートレバー33の操作によりメインリール2〜4およびサブリール5〜7の回転が一斉に開始する。左,中,右の各停止ボタン34,35,36は、左,中,右の各メインリール2,3,4およびサブリール5〜7に対応して配置されており、各メインリール2〜4の回転が一定速度に達したときに操作が有効化され、遊技者の操作に応じて各メインリール2〜4および各サブリール5〜7の回転を停止する。停止ボタン34〜36は、後述する図柄変動手段による複数列のシンボルの変動を停止させる複数の停止操作手段を構成している。また、貯留メダル精算ボタン37は、機械内部にメダルをクレジットして遊技を行うか直接投入口9にメダルを投入して遊技を行うかを切り替える際と、機械内部にクレジットされている全てのメダルを払い出して精算する際とに使用される。
また、パチスロ機1の正面下部にはメダル受皿52が設けられている。このメダル受皿52は、メダル払出口53から払い出されるメダルを貯めるものである。メダル払出口53の右方には、スピーカ54が設けられている。また、パチスロ機1の正面上部のリール表示窓部51の左右両側にも、一対のスピーカ96,96が設けられている。
また、パチスロ機1の筐体内部には、出玉率の設定値を設定する際に操作される図示しない設定ボタン、および、出玉率の設定値を選択する際に操作される図示しないリセットボタンが設けられている。出玉率は、パチスロ機1に投入されたメダルの総枚数に対する払い出されたメダルの総枚数の割合を示すものである。本実施形態では、設定値として、“1”,“4”,“6”,“H(High)”の4つの値が用意されており、設定ボタンが操作されると、リセットボタンが1回操作される度に配当枚数表示部16に表示される出玉率の設定値が“1”,“4”,“6”,“H”の順に繰り上がり、出玉率の設定値が“H”の状態で更にリセットボタンが操作されると出玉率の設定値が“1”に戻る。
本実施形態におけるパチスロ機1の遊技状態には、「MB遊技状態」、「RB遊技状態」、「BB遊技状態」、「RT(リプレイタイム)1遊技状態」、「RT2遊技状態」、および「RT3遊技状態」の6つの遊技状態がある。これらの各遊技状態は、基本的に、内部当籤する可能性のある当籤役の種類や当籤役の当籤確率などにより区別される。
BBが当籤役として決定されると共に、このBBに対応するシンボル組合わせがリール表示窓部39におけるライン1〜8のうちの何れかの有効化入賞ライン上に表示役として停止表示されて、所定の条件が成立したことを契機として、BBゲームが作動する。BBゲームは遊技者に有利な特典遊技を構成しており、BBゲームの作動中は、遊技状態は「BB遊技状態」となる。BBゲームは複数回のRBゲームから構成されており、1回のRBゲームが行なわれている間は、遊技状態は「RB遊技状態」となる。つまり、「BB遊技状態」では、「RB遊技状態」が連続して複数回作動することになる。RBゲームは、内部抽籤処理において小役が内部当籤役として決定される確率が高いゲームである。1回のRBゲームは、遊技可能回数である12回の単位遊技が行われるか、または、入賞可能回数である8回の入賞が成立すると終了する。BBゲームは、作動してからのメダル払出枚数が345枚に達すると、繰り返して実行されるRBゲームが中断されて終了する。
また、MBが当籤役として決定されると共に、MBに対応するシンボルの組合せがライン1〜8のうちの何れかの有効化入賞ライン上に表示役として停止表示されると、MBゲームが作動する。このMBゲームでは、左メインリール2および中メインリール3については、遊技者による左停止ボタン34および中停止ボタン35の操作タイミング並びに当籤役に基づいて3コマの最大滑りコマ数の範囲内でシンボルの引き込み制御が、後述する停止制御手段により行なわれるが、右メインリール5については、遊技者による停止ボタン36の操作タイミングだけに基づいて停止制御が行なわれ、上記の引き込み制御は行なわれない。このMBゲームも、遊技者に有利な特典遊技を構成しており、MBゲームの作動中は、遊技状態は「MB遊技状態」となる。MBゲームは、作動してからのメダル払出枚数が120枚に達すると、終了する。
BBまたはMBのボーナス当たり要求フラグは、フラグが立てられた以降の単位遊技に持ち越され、BBまたはMBのシンボル組み合わせが有効化入賞ライン上に停止表示されてボーナスが実際に成立すると、ボーナス当たり要求フラグはクリアされる。BBまたはMBのボーナスが持ち越されている一般遊技状態は、内部当籤状態(持越状態)と呼ばれる。また、ボーナス当たり要求フラグ以外の当籤要求フラグは、フラグが立てられた単位遊技においてのみ有効であり、その単位遊技終了時にはクリアされて次遊技以降には持ち越されない。なお、内部当籤役を持ち越すとは、内部抽籤処理で決定された内部当籤役としての機能を次回以降の単位遊技において発揮できるようにすれば足り、種々の態様が適宜可能である。ここで、単位遊技とは、遊技者のスタートレバー33に対する操作に応じてメインリール2〜4が回転してから、遊技者の停止ボタン34〜36に対する操作に応じてメインリール2〜4の回転が停止し、この際に有効化入賞ライン上に揃ったシンボルの組合せに応じたメダルの払い出しが行われるまでか、次回のゲームの開始が許可される(次回のゲームが始まる)前までのことである。
また、本実施形態によるパチスロ機1には、上記の「RB遊技状態」,「BB遊技状態」および「MB遊技状態」以外に、「RT1遊技状態」、「RT2遊技状態」、および「RT3遊技状態」の3つの遊技状態がある。
「RT1遊技状態」は、天井状態と呼ばれ、メダルを消費することなく次の単位遊技を行える再遊技役が当籤役決定手段により当籤役として決定される確率が、「RT2遊技状態」における単位遊技に比べて高い単位遊技が行われる第1の再遊技高確率発生状態に相当している。この「RT1遊技状態」は、「RT2遊技状態」が終了してから「RT3遊技状態」が作動するまでの間、継続して作動する。
「RT2遊技状態」は、再遊技役が当籤役決定手段により当籤役として決定される確率が「RT1遊技状態」よりも低い単位遊技が行なわれる第2の再遊技高確率発生状態に相当している。本実施形態では、「RT2遊技状態」は、一般遊技状態に相当しており、パチスロ機1の電源投入時およびBBやMBなどのボーナスゲームの作動が終了したときに、作動する。「RT2遊技状態」は、予め定められた所定回数(BBゲーム終了後は1000回、MBゲーム終了後は800回)の単位遊技が行なわれるまでの間、継続して作動する。また、所定回数の単位遊技が行なわれて「RT2遊技状態」の作動が終了すると、上記の「RT1遊技状態」が作動する。
また、「RT3遊技状態」は、BBゲーム,MBゲームの特典遊技に対応する当籤役BB,MBが当籤役決定手段によって決定されると、後述する特典遊技作動手段によりBBゲームまたはMBゲームが作動されるまでの間、再遊技役が当籤役決定手段により当籤役として決定される確率が「RT1遊技状態」よりも低く、かつ、「RT2遊技状態」よりも高い単位遊技が行なわれる第3の再遊技高確率発生状態に相当している。「RT3遊技状態」は、BBまたはMBに内部当籤した上述したボーナス内部当籤状態中(持越状態中)となったときに、作動する。「RT3遊技状態」は、BBまたはMBに対応するシンボル組合せが何れかの有効化入賞ライン上に実際に表示されてBBゲームまたはMBゲームが作動すると、終了する。
図2および図3は、上述したパチスロ機1の遊技処理動作を制御するメイン制御基板(主制御基板)61およびパチスロ機1の演出動作を制御するサブ制御基板(副制御基板)62に構成された回路構成を示している。
図2に示すメイン制御基板61における制御部はマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)63を主な構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイコン63は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うメインCPU(中央演算処理装置)64と、プログラム記憶手段であるプログラムROM(リード・オンリ・メモリ)65およびバックアップ機能付き制御RAM(ランダム・アクセス・メモリ)66とを含んで構成されている。
メインCPU64には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路67および分周器68と、一定範囲の乱数を発生する乱数発生器69および発生した乱数の1つを特定するサンプリング回路70とが接続されている。さらに、後述する周辺装置(アクチュエータ)との間で信号を授受するI/Oポート(入出力ポート)71が接続されている。
プログラムROM65は、各種テーブルやシーケンスプログラム等を格納するように記憶部が区分されている。また、プログラムROM65内にはシンボル組合せテーブルが格納されている。このシンボル組合せテーブルには、入賞シンボル組合せのシンボルコード等が記憶されている。また、図示しないが、「リーチ目」を構成するシンボル組合せのシンボルコード、各入賞を表す入賞判定コードなども記憶されている。ここで、リーチ目とは、ボーナスが持ち越されているときに、遊技者にボーナスの作動に係るシンボルの組合せを表示可能であることを示唆するシンボル組合せである。さらに、プログラムROM65内には、このパチスロ機1でゲームを実行するためのシーケンスプログラムが格納されている。
マイコン63からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各メインリール2〜4を回転駆動するステッピングモータ45、各種ランプ(ベットランプ13〜15、スタートランプ25、WINランプ26、インサートランプ27)、各種表示部(遊技動作表示器18〜22、貯留枚数表示部17、ボーナスカウント表示部10、RT2遊技回数表示部23、配当枚数表示部16)、およびメダルを収納するホッパー72がある。これらはそれぞれモータ駆動回路73、各ランプ駆動回路74、各表示部駆動回路75、およびホッパー駆動回路76によって駆動される。これら各駆動回路73〜76は、マイコン63のI/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。
また、マイコン63が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、投入口9から投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ9S、スタートレバー33の操作を検出するスタートスイッチ33S、貯留メダル投入ボタン30,31,32の操作を検出する貯留メダル投入スイッチ30S,31S,32S、貯留メダル精算ボタン37の操作を検出する貯留メダル精算スイッチ37S、設定ボタンの操作を検出する設定スイッチ56S、およびリセットボタンの操作を検出するリセットスイッチ55Sがある。
スタートスイッチ33Sは、投入口9にメダルが投入されてスタートレバー33に対する単位遊技の開始操作が行なわれたことを検出する開始操作検出手段を構成している。乱数発生器69は、乱数を発生させる乱数発生手段を構成している。また、サンプリング回路70およびマイコン63は、スタートスイッチ33Sにより行われる開始操作の検出に基づいて、乱数発生器69によって発生される乱数の中から任意の乱数を抽出する乱数抽出手段を構成している。また、マイコン63は、乱数抽出手段により抽出された一の乱数が含まれる数値範囲に基づいて単位遊技における当籤役を決定し、この抽出された一の乱数が予め設定された重複数値範囲に含まれる場合には、複数の当籤役を同時に当籤役として決定する当籤役決定手段を構成している。
さらに、上記の入力信号発生手段としては、各メインリール2〜4の駆動機構内部に含まれるフォトセンサからの出力パルス信号を受けて各メインリール2〜4の回転位置を検出するリール位置検出回路77がある。フォトセンサは各メインリール2〜4の駆動機構に含まれており、同図では示されていない。
リール位置検出回路77は、メインリール2〜4の回転が開始された後、ステッピングモータ45の各々に供給される駆動パルスの数を計数し、この計数値を制御RAM66の所定エリアに書き込む。従って、制御RAM66内には、各メインリール2〜4について、1回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が、メインリールの回転位置を示すリールインデックスとして格納されている。また、上記のフォトセンサは各メインリール2〜4が1回転する毎にリセットパルスを発生する。このリセットパルスはリール位置検出回路77を介してメインCPU64に与えられ、制御RAM66で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。このクリア処理により、各シンボルの移動表示と各ステッピングモータ45の回転との間に生じるずれが、1回転毎に解消されている。ステッピングモータ45、モータ駆動回路73、リール位置検出回路77、およびマイコン63は、スタートスイッチ33Sにより行われる開始操作の検出に基づいて、メインリール2〜4により表示されるシンボルの変動を行う図柄変動手段を構成している。
さらに、上記の入力信号発生手段としては、停止ボタン34〜36が押された時に対応するメインリール2〜4を停止させる信号を発生するリール停止信号回路78、ホッパー72から払い出されるメダル数を計数するメダル検出部72S、および図示しない払出完了信号発生回路がある。これらもI/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。払出完了信号発生回路は、メダル検出部72Sから入力した実際に払い出しのあったメダル計数値が、各表示部駆動回路75から入力した計数信号で表される配当枚数データに達した時に、メダル払い出しの完了を検知する信号を発生する。
リール停止信号回路78は、図柄変動手段によるシンボルの停止操作の検出を行なう停止操作検出手段を構成している。また、ステッピングモータ45、モータ駆動回路73、リール位置検出回路77、およびマイコン63は、リール停止信号回路78により行なわれるシンボルの停止操作の検出に基づいて、メインリール2〜4により表示されるシンボルの中から当籤役決定手段により決定された当籤役に応じたシンボルを所定の図柄変動範囲内で変動表示させ、メインリール2〜4により表示されるシンボルの変動を停止制御する停止制御手段を構成している。本実施形態では、所定の図柄変動範囲はシンボル3コマ分に設定されている。また、ホッパー72、メダル検出部72S、ホッパー駆動回路76、払出完了信号発生回路およびマイコン63は、停止制御手段によりメインリール2〜4に停止表示されたシンボルの組合わせに基づいて、遊技者にメダルを払い出す遊技媒体払出手段を構成している。また、設定ボタン、設定スイッチ56S、リセットボタン、リセットスイッチ55S、およびマイコン63は、パチスロ機1に投入されたメダルの総枚数に対する遊技媒体払出手段により払い出されたメダルの総枚数の割合を示す出玉率の設定値を、予め定められた複数の値(“1”,“4”,“6”,“H”)の中から選択する設定値選択手段を構成している。
また、マイコン63は、当籤役決定手段によりBBまたはMBが決定されてこの役に対応するシンボルの組合わせ(“BB−BB−BB”,“MB−MB−MB”)が停止制御手段によりメインリール2〜4に停止表示されると、遊技者に有利なBBゲームまたはMBゲームを作動させる特典遊技作動手段を構成している。また、マイコン63は、特定の条件が成立すると、上述した「RT1遊技状態」を作動させる第1の再遊技高確率発生状態作動手段を構成している。本実施形態では、特定の条件は、「RT2遊技状態」の作動が終了すると成立する。また、マイコン63は、特典遊技作動手段により作動したBBゲームまたはMBゲームの作動が終了すると、上述した「RT2遊技状態」を作動させる第2の再遊技高確率発生状態作動手段を構成している。また、マイコン63は、BBゲームまたはMBゲームに対応する当籤役が当籤役決定手段によって決定されると、特典遊技作動手段によりBBゲームまたはMBゲームが作動されるまでの間、上述した「RT3遊技状態」を作動させる第3の再遊技高確率発生状態作動手段を構成している。
また、I/Oポート71にはサブ制御部通信ポート79が接続されており、マイコン63はこのサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62へ信号を送出する。図3に示すサブ制御基板62には、この信号を、メインサブ中継基板97およびサブ中継基板98を介して受信するメイン制御部通信ポート88が設けられている。サブ制御部通信ポート79およびメイン制御部通信ポート88間の通信は、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ向かう一方向についてだけ行われる。本実施形態では、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ送出される信号は、7ビット長でその制御種別が表されるコマンド種別と、最大24ビット長でそのコマンドの内容が表されるパラメータとで構成されている。
サブ制御基板62は、メイン制御基板61からの制御信号(コマンド)に基づいて所定の演出を行う。サブ制御基板62における制御部はマイコン81を主な構成要素として構成されている。マイコン81も、メイン制御基板61におけるマイコン63と同様、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うサブCPU82と、ROM83およびバックアップ機能付き制御RAM84とを含んで構成されている。サブCPU82にも、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路85および分周器86が接続されており、さらに、各アクチュエータとの間で信号を授受するI/Oポート87が接続されている。
サブCPU82は、遊技演出の統括制御処理を所定の処理手順に従って行う第1の演算手段を構成している。この所定の処理手順は、シーケンスプログラムとしてROM83に記憶されている。サブCPU82は、アドレスバスがアドレスバス切離回路89、データバスがデータバス切離回路90を介してROM83に接続されており、ROM83に記憶された情報を読み出す際には、先ず、ROM83のチップセレクト端子SにI/Oポート87を介してロウレベル信号を出力し、続いて、各切離回路89,90の出力イネーブル端子EにもI/Oポート87を介してロウレベル信号を出力する。
各切離回路89,90は、それぞれの出力イネーブル端子Eにハイレベル信号が入力されているときには、データ出力端子がハイインピーダンス状態になり、サブCPU82およびROM83間は電気的に絶縁された状態になって、サブCPU82から各切離回路89,90の各データ入力端子に入力されるアドレスバスデータ,データバスデータは、各切離回路89,90のデータ出力端子から出力されない。しかし、各切離回路89,90は、それぞれの出力イネーブル端子Eにロウレベル信号が入力されると、サブCPU82から各データ入力端子に入力されるアドレスバスデータ,データバスデータをそのままデータ出力端子から出力する。サブCPU82は、このデータ出力により、アドレスバスおよびデータバスを介してROM83に対する情報読出アクセスが可能になる。
また、サブ中継基板98には、サブリール制御部62aおよび横回転リール制御部62bが接続されている。マイコン81からの制御信号により動作が制御されるアクチュエータとして、サブリール制御部62aにおけるサブリール5〜7,横回転リール制御部62bにおける横回転リール8をそれぞれ回転駆動するステッピングモータ101,102、メインリール2〜4に内蔵されたリールバックランプ47a〜47c、サブリール5〜7に内蔵されたリールバックランプ48a〜48c、横回転リール8に内蔵されたリールバックランプ49、および上述したST作動確率状態示唆ランプ24がある。ステッピングモータ101,102は、それぞれモータ駆動回路103,104によって駆動される。また、リールバックランプ47a〜47cおよびST作動確率状態示唆ランプ24の点灯は、I/Oポート87に接続されたランプ駆動回路89からの駆動信号によって制御される。また、リールバックランプ48a〜48cおよびリールバックランプ49は、それぞれ、ランプ駆動回路107および108からの駆動信号によって制御される。ランプ駆動回路107および108は、サブ中継基板98に接続されており、サブCPU82からの指令に基づいて動作する。
また、マイコン81が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する入力信号発生手段としては、サブリール5〜7および横回転リール8の駆動機構内部に含まれるフォトセンサからの出力パルス信号を受けて、サブリール5〜7および横回転リール8の回転位置を検出するリール位置検出回路105,106がある。フォトセンサは各サブリール5〜7,横回転リール8の駆動機構に含まれており、同図では示されていない。
また、音源IC91には、アドレスバスおよびデータバスを介してROM83が接続されている。ROM83には、サブCPU82のシーケンスプログラムに加えて、サウンド・データが記憶されている。音源IC91は、マイコン81の制御の下、パワーアンプ92の出力をI/Oポート87,メイン制御部通信ポート88およびサブ中継基板98を介してスピーカ54,96,96へ伝え、これらからサウンドを放音させる。マイコン81は、メインサブ中継基板97,サブ中継基板98およびメイン制御部通信ポート88を介してメイン制御基板61から入力される指示に従い、音源IC91およびパワー・アンプ92を制御し、メダル投入音,スタートレバー操作音,停止ボタン操作音,ボーナスゲーム中の遊技音といった効果音をスピーカ54,96,96から出力させる。また、メイン制御基板61から取り込んだ遊技状態および当籤フラグに基づいて選択した演出態様に基づく出音パターンで、スピーカ54,96,96から出音させる。
音源IC91は、遊技演出の音響効果についての個別演出処理を、サブCPU82の制御処理の下で、ROM83に記憶されているサウンド・データを用いて行う第2の演算手段を構成している。また、ROM83は、サブCPU82のシーケンスプログラムおよび音源IC91のサウンド・データを記憶した1つの読出専用情報記憶手段を構成しており、チップセレクト端子SがI/Oポート87に接続されている。
音源IC91は、I/Oポート87に接続されたコントロール端子C,バス開放制御端子Z,およびリセット端子Rを備えており、コントロール端子Cに入力される信号に従ってスピーカ54,96,96から放音させる制御を行う。また、音源IC91は、バス開放制御端子Zに入力される信号がロウレベルの時には、アドレスバスおよびデータバスを有効化し、各バスを使ったROM83に対する読出情報アクセスを可能にする。しかし、バス開放制御端子Zに入力される信号がハイレベルの時には、アドレスバスおよびデータバスをハイインピーダンス状態にし、音源IC91とROM83との間の電気的接続を断ってROM83に対する情報読出アクセスを行えなくする。また、音源IC91は、リセット端子Rにハイレベル信号が入力されるの検出すると、動作を開始する。
上述したアドレスバス切離回路89、データバス切離回路90およびサブCPU82は、各切離回路89,90の出力イネーブル端子E、および音源IC91のバス開放制御端子Zに入力される信号を制御して、ROM83に対する情報読出アクセスをサブCPU82または音源IC91のいずれか一方に規制して同時にアクセスさせないアクセス調停手段を構成している。つまり、ROM83に対する情報読出アクセスをサブCPU82に行わせる場合には、アクセス調停手段により、各切離回路89,90の出力イネーブル端子Eにロウレベル信号が入力され、サブCPU82およびROM83間のアドレスバスおよびデータバスが電気的に接続された状態にされると共に、音源IC91のバス開放制御端子Zにハイレベル信号が入力され、音源IC91とROM83との間のアドレスバスおよびデータバスによる電気的接続が断たれる。一方、ROM83に対する情報読出アクセスを音源IC91に行わせる場合には、アクセス調停手段により、各切離回路89,90の出力イネーブル端子Eにハイレベル信号が入力され、サブCPU82およびROM83間のアドレスバスおよびデータバスによる電気的接続が断たれると共に、音源IC91のバス開放制御端子Zにロウレベル信号が入力され、音源IC91とROM83との間のアドレスバスおよびデータバスが電気的に接続された状態にされる。
また、音源IC91のバス開放制御端子ZおよびROM83のチップセレクト端子Sは、分断回路93に接続されている。分断回路93は、バス開放制御端子Zに入力される信号がロウレベルであり、かつ、チップセレクト端子Sに入力される信号もロウレベルのとき、サブCPU82が制御処理不能な状態に陥って暴走状態にあるものと判断し、アドレスバス切離回路89およびデータバス切離回路90のそれぞれの出力イネーブル端子Eにハイレベル信号を出力し、サブCPU82およびROM83間のアドレスバスおよびデータバスを電気的に絶縁された状態にする。この分断回路93は、サブCPU82が制御処理不能な状態に陥った時に、サブCPU82がROM83にアクセスする電気接続経路を分断する経路分断手段を構成している。
次に、図4に示すメインフローチャートを参照して、メイン制御基板61のメインCPU64の制御動作について説明する。
初めに、メインCPU64は、ゲーム開始時の初期化処理を行う(図4,S1参照)。具体的には、制御RAM66の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。続いて、メインCPU64は、ゲーム終了時の指定RAM領域のクリア処理を行う(S2)。この処理では、前回のゲームに使用された制御RAM66における指定格納領域がクリアされる。
次に、メインCPU64は、ボーナス作動監視処理を行い(S3)、メダル投入・スタートチェック処理を行う(S4)。次に、メインCPU64は、乱数発生器69で発生した抽籤用の乱数をサンプリング回路70によって抽出し(S5)、抽出した乱数値を制御RAM66の乱数格納領域に格納する。次に、メインCPU64は、遊技状態監視処理を行い(S6)、続いて、内部抽籤処理を行う(S7)。遊技状態監視処理では、そのときに“オン”となっている作動中フラグに対応した遊技状態を示す識別子が遊技状態格納領域にセットされる。内部抽籤処理では、S5で抽出した乱数を用いて単位遊技における内部当籤役が抽籤される。次に、メインCPU64は、RT遊技数カウンタ更新処理を行い(S8)、遊技開始コマンドを制御RAM66の通信データ記憶領域にセットする(S9)。遊技開始コマンドは、S6で識別した遊技状態、S7の内部抽籤処理で抽籤した内部当籤役等の情報を含むコマンドである。次に、メインCPU64は、回胴停止初期設定処理を行う(S10)。
続いて、メインCPU64は、前回のリール回転開始から4.1秒が経過したか否かを判別する(S11)。この判別が“NO”のときは、4.1秒が経過するまでウエイト処理(S12)が行われる。ウエイト処理では、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理(ここでは、メインリール2〜4の回転の開始を待機させる処理)が行われる。
前回のリール回転開始から4.1秒が経過すると、次に、メインCPU64は、全メインリール2〜4の回転開始を要求し(S13)、全メインリール2〜4の回転を開始させる。続いて、リール停止許可コマンドを制御RAM66の通信データ記憶領域にセットする(S14)。リール停止許可コマンドは、停止ボタン34〜36の操作に基づくメインリール2〜4の回転の停止を許可する情報を含むコマンドである。次に、メインCPU64は、メインリール2〜4の回転を停止制御する停止制御処理を行い(S15)、メインリール2〜4に停止表示されたシンボル組合せに基づいて表示役を特定する表示役検索処理を行う(S16)。続いて、メインCPU64は、特定された表示役と内部当籤役とが異なって表示役に誤りがある場合には、配当枚数表示部16にイリーガルエラーを表示するエラーチェック処理を行う(S17)。
次に、メインCPU64は、表示役コマンドを制御RAM66の通信データ記憶領域にセットする(S18)。表示役コマンドは、有効化入賞ライン上に実際に揃って表示されているシンボルの組合せの種類などを含んだコマンドである。次に、メインCPU64は、メダル払出処理を行う(S19)。この処理では、クレジットで遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得したメダル数分、貯留枚数表示部17に表示される貯留枚数が増加され、また、投入口9へのメダル投入で遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得した枚数のメダルがメダル受皿52へ払い出される。続いて、メインCPU64は、メダルの払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する(S20)。つまり、BBゲームまたはMBゲームが行なわれていて、ボーナスゲーム中に払い出されるメダルを計数するボーナス終了枚数カウンタが1以上であれば、メダルの払出枚数に応じて当該カウンタを減算する。
次に、メインCPU64は、払出終了コマンドを制御RAM66の通信データ記憶領域にセットする(S21)。払出終了コマンドは、メダルの払出が終了したことを表す情報を含むコマンドである。次に、メインCPU64は、RB作動中フラグ,BB作動中フラグまたはMB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別し(S22)、何れかのフラグが“オン”である場合には、ボーナス終了チェック処理を行い(S23)、何れのフラグも“オン”でない場合には、ボーナス作動チェック処理を行う(S24)。S23または24の処理が終了すると、メインCPU64は、リプレイ作動チェック処理を行なう(S25)。この処理では、メインCPU64は、表示役としてリプレイが特定されたときに、今回の単位遊技におけるメダルの投入枚数と同じ値を自動投入カウンタに複写する処理を行なう。S25の処理の後、遊技処理はS2に戻って次の新たな単位遊技が開始される。
次に、図5を参照して、例えば、1.1173[ms]毎に主基板160で行われる定期割込処理について説明する。
この定期割込処理において、まず、メインCPU64は、I/Oポート71への信号の入力を確認する入力ポートチェック処理を行い(図5,S241参照)、続いて、通信データ送信処理を行う(S242)。通信データ送信処理は、メイン制御基板61における制御RAM66の通信データ記憶領域にセットされたコマンド情報を、サブ制御基板62へ送信する処理である。次に、メインCPU64は、メインリール2〜4の回転を制御するリール制御処理を行い(S243)、7SEG駆動処理を行い(S244)、続いて、ランプ駆動処理を行う(S245)。7SEG駆動処理では、各表示部(貯留枚数表示部17やボーナスカウント表示部10、配当枚数表示部16、RT2遊技回数表示部23)を、表示数値に応じて点灯または消灯する。ランプ駆動処理では、各種ランプ(ベットランプ13〜15、スタートランプ25、WINランプ26、インサートランプ27)を、各ランプの点灯または消灯のタイミングに応じて点灯または消灯する。次に、メインCPU64は、デモ用タイマの値の更新等を行うタイマ管理処理を行い(S246)、定期割込処理を終了する。
次に、サブ制御基板62のサブCPU82によって制御される遊技処理について説明する。
図6は、サブCPU82によって行われるリセット割込処理の概略を示すフローチャートである。
このリセット割込処理では、パチスロ機1に電源が投入され、サブCPU82のリセット端子に信号が入力されると、サブCPU82は、制御RAM84の初期化や、割込を許可する初期化処理を実行すると共に、メイン制御基板61からの制御信号などの入力を監視する入力監視処理を行う(図6,S301参照)。その後、サブCPU82は、メイン制御基板61からコマンドを入力したか否かを判別する(S302)。この判別が“NO”である場合は、S301およびS302の処理が繰り返される。また、S302の判別が“YES”である場合、サブCPU82は、入力したコマンドの種別に応じたコマンド入力処理を行う(S303)。続いて、サブCPU82は、制御RAM84に記憶されている演出データに応じて、各リールバックランプ47a〜47c,48a〜48c,49に点灯指令を出力したり、スピーカ54,96,96に音声の出力を指令したりするコマンド出力処理を行う(S304)。S304の処理が終了すると、処理はS301に戻り、上述の処理が繰り返される。
本実施形態によるパチスロ機1は、パチスロ機1に電源が投入された時点では、音源IC91のリセット端子Rにロウレベル信号が入力され、バス開放制御端子Zにはハイレベル信号が入力される構成になっている。このため、パチスロ機1に電源が投入された時点では、音源IC91はスリープ状態にあり、また、音源IC91とROM83との間のアドレスバスおよびデータバスによる電気的接続は断たれている。サブCPU82は、パチスロ機1への電源投入時、I/Oポート87を介してROM83のチップセレクト端子Sにロウレベル信号を出力すると共に、各切離回路89,90の出力イネーブル端子Eにもロウレベル信号を出力し、ROM83に対する情報読出アクセスを行う。そして、ROM83に記憶されたシーケンスプログラムを読み出し、読み出したシーケンスプログラムを制御RAM84に転送して、制御RAM84に転送したシーケンスプログラムに従って遊技演出処理を実行する。
その後、サブCPU82は、I/Oポート87を介して音源IC91のリセット端子Rにハイレベル信号を出力して音源IC91をウエイクアップさせると共に、音源IC91のバス開放制御端子Zにロウレベル信号を出力して、音源IC91とROM83との間をアドレスバスおよびデータバスによって電気的に接続させる。サブCPU82のこの制御処理により、音源IC91は、そのアドレスバスおよびデータバスが開放され、ROM83に記憶されているサウンド・データを読み出して各スピーカ54,96,96から放音させる。
また、サブCPU82は、その後、ROM83に記憶された情報を読み出す必要が生じた場合には、I/Oポート87を介して音源IC91のバス開放制御端子Zにハイレベル信号を出力し、音源IC91とROM83との間のアドレスバスおよびデータバスによる電気的接続を断つと共に、ROM83のチップセレクト端子Sおよび各切離回路89,90の出力イネーブル端子Eにロウレベル信号を出力し、ROM83に対する情報読出アクセスを行う。
また、サブCPU82が暴走し、音源IC91のバス開放制御端子Zに入力される信号がロウレベル、ROM83のチップセレクト端子Sに入力される信号もロウレベルになると、分断回路93は、アドレスバス切離回路89およびデータバス切離回路90のそれぞれの出力イネーブル端子Eにハイレベル信号を出力し、サブCPU82およびROM83間のアドレスバスおよびデータバスを電気的に絶縁された状態にする。
このような本実施形態によるパチスロ機1によれば、サブCPU82が遊技演出の統括制御処理を行うシーケンスプログラムと、音源IC91が遊技演出の個別演出処理を行うのに用いるサウンド・データとを1つのROM83に記憶させても、前述したアクセス調停手段を備えることにより、ROM83に対する情報読出アクセスは、サブCPU82および音源IC91によって同時に行われることはない。従って、ROM83に対する情報読出アクセスがサブCPU82および音源IC91間で衝突することがないので、サブCPU82、音源IC91および切離回路89,90といった各素子が壊れることなく、サブCPU82および音源IC91間で1つのROM83を共用することが可能になり、ROMの使用個数は減少する。このため、サブ制御基板62上にROM83が占める基板面積が小さくなって、部品配置の設計上の自由度が向上すると共に、パチスロ機1の製造原価が低減される。
また、サブCPU82が制御処理不能な状態に陥り、サブCPU82が無秩序にROM83にアクセスしようとしても、アクセスする電気接続経路は分断回路93によって分断される。従って、サブCPU82が制御処理不能な状態に陥った場合においても、ROM83に対する情報読出アクセスは、サブCPU82および音源IC91によって同時に行われることはない。このため、ROM83に対する情報読出アクセスがサブCPU82および音源IC91間で衝突して各素子が壊れる確率はより低くなり、遊技装置の信頼性が向上する。
なお、上記実施形態では、音源IC91がバス開放制御端子Zを備え、このバス開放制御端子Zに入力される信号の電圧レベルが制御されて、音源IC91のアドレスバスおよびデータバスの電気的接続状態が切り換えられる場合について説明した。しかし、音源IC91がバス開放制御端子Zを備えていない場合には、音源IC91とROM83との間に、アドレスバス切離回路89およびデータバス切離回路90と同様なバス切離回路を設け、このバス切離回路の出力イネーブル端子に入力される信号をサブCPU82によって制御することにより、音源IC91のアドレスバスおよびデータバスの電気的接続状態を切り換えるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、遊技演出の個別演出処理をサブCPU82の制御処理の下で所定の演出データを用いて行う第2の演算手段を、サウンド・データを用いて音制御を行う音源IC91とした場合について説明した。しかし、キャラクタROMに記憶された映像データを用いて画像制御を行うVDPなどを上記の第2の演算手段とし、サブCPU82とこのVDPなどとの間で、シーケンスプログラムおよび映像データなどを記憶した1個のROMを共用するようにしてもよい。
上記実施形態においては、本発明による遊技機をパチスロ機に適用した場合について説明したが、遊技演出の統括制御処理を所定の処理手順に従って行う第1の演算手段と、遊技演出の個別演出処理を所定の演出データを用いて行う第2の演算手段とを備えたパチンコ機といった他の遊技機に本発明を適用することも可能である。このような遊技機に本発明を適用した場合においても、上記実施形態と同様な作用効果が奏される。
本発明の最良の形態によるパチスロ機の外観を示す正面図である。 図1に示すパチスロ機のメイン制御基板に構成された回路構成を示すブロック図である。 図1に示すパチスロ機のサブ制御基板に構成された回路構成を示すブロック図である。 図1に示すパチスロ機のメイン制御基板における遊技処理の概略を示すフローチャートである。 図1に示すパチスロ機のメイン制御基板における定期割込処理の概略を示すフローチャートである。 図1に示すパチスロ機のサブ制御基板におけるリセット割込処理の概略を示すフローチャートである。
符号の説明
1…パチスロ機
2〜4…メインリール
5〜7,8…サブリール
39,50,51…リール表示窓部
61…メイン制御基板
62…サブ制御基板
63,81…マイコン
64…メインCPU
65,83…ROM
66,84…制御RAM
82…サブCPU
89…アドレスバス切離回路
90…データバス切離回路
91…音源IC
93…分断回路

Claims (2)

  1. 遊技演出の統括制御処理を所定の処理手順に従って行う第1の演算手段と、遊技演出の個別演出処理を前記第1の演算手段の制御処理の下で所定の演出データを用いて行う第2の演算手段とを備えた遊技機において、
    前記所定の処理手順および前記所定の演出データを記憶した1つの読出専用情報記憶手段と、この読出専用情報記憶手段に対する情報読出アクセスを前記第1の演算手段または前記第2の演算手段のいずれか一方に規制して同時にアクセスさせないアクセス調停手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記第1の演算手段が制御処理不能な状態に陥った時に、前記第1の演算手段が前記読出専用情報記憶手段にアクセスする電気接続経路を分断する経路分断手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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