JP2008237516A - 非接触式眼圧計のエアー噴射装置 - Google Patents

非接触式眼圧計のエアー噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】構成が簡単でかつ次回の測定作業に入る際の時間短縮を図ることができ、しかもノズルを通じて圧縮室内に霧化した涙等の霧が取り込まれるのを阻止することのできる非接触式眼圧計のエアー噴射装置を提供する。
【解決手段】 本発明の非接触式眼圧計のエアー噴射装置2は、シリンダ内部の圧縮室6のエアーをピストン5により圧縮してノズル12から被検眼に向けて吹き付ける。
ピストン5には圧縮室6とシリンダ大気開放室15とを連通する開口16が形成されている。このピストン5にはピストン5が圧縮室6のエアーを圧縮する方向に駆動されるときの圧縮室6とシリンダ大気開放室15との圧力差に基づいて開口16を閉成しかつ圧縮室6のエアーを圧縮する方向とは逆方向にピストン5が駆動されるときの圧縮室6と大気開放室15との圧力差に基づいて開口16を開成する弁体17が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリンダ内部の圧縮室のエアーを圧縮してノズルから被検眼の角膜に向けて吹き付ける非接触式眼圧計のエアー噴射装置の改良に関するものである。
従来から、非接触式眼圧計のエアー噴射装置には、シリンダとノズルとの間にエアーの噴射方向にのみ連通する逆止弁を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このものでは、被検眼にエアーを吹き付けるノズルから霧散した涙による霧がエアーと共にノズルを通じてチャンバー室に取り込まれ、チャンバー室を構成する光学部品の一部としてのチャンバー窓ガラス等に付着するのを防止できるというメリットがある。
特開平7−16212号公報
しかしながら、この従来のものでは、圧縮室の容積拡大時に電磁弁を開成させて圧縮室内にエアーを導入しなければならず、その構成が概して複雑でかつ次回の測定作業に入るための測定作業特性の点で問題がある。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、構成が簡単でかつ次回の測定作業に入る際の時間短縮を図ることができ、しかもノズルを通じて圧縮室内に霧化した涙等の霧がエアーと共に取り込まれるのを阻止することのできる非接触式眼圧計のエアー噴射装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の非接触式眼圧計のエアー噴射装置は、上記の目的を達成するため、シリンダ内部の圧縮室のエアーをピストンにより圧縮してノズルから被検眼に向けて吹き付ける非接触式眼圧計において、前記ピストンに前記シリンダ内部の圧縮室と大気に開放されたシリンダ大気開放室とを連通する開口が形成され、前記ピストンには該ピストンが前記圧縮室のエアーを圧縮する方向に駆動されるときの前記圧縮室と前記シリンダ大気開放室との圧力差に基づいて前記開口を閉成しかつ前記圧縮室のエアーを圧縮する方向とは逆方向に前記ピストンが駆動されるときの前記圧縮室と前記シリンダ大気開放室との圧力差に基づいて前記開口を開成する弁体が設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の非接触式眼圧計のエアー噴射装置は、上記の目的を達成するため、被検眼の角膜に向かって対向されるノズルの軸線方向後方側にチャンバー室を構成するチャンバー窓ガラスを介して被検眼の前眼部像を観察する光学系が設けられ、前記チャンバー室が連通管を介してシリンダ内部の圧縮室に連通され、前記シリンダ内部の圧縮室の空気をピストンにより圧縮してノズルから被検眼に向けて吹き付ける非接触式眼圧計において、前記ピストンに前記シリンダ内部の圧縮室と大気に開放されたシリンダ大気開放室とを連通する開口が形成され、前記ピストンには該ピストンが前記圧縮室のエアーを圧縮する方向に駆動されるときの前記圧縮室と前記シリンダ大気開放室との圧力差に基づいて前記開口を閉成しかつ前記圧縮室のエアーを圧縮する方向とは逆方向に前記ピストンが駆動されるときの前記圧縮室と前記シリンダ大気開放室との圧力差に基づいて前記開口を開成する弁体が設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の非接触式眼圧計のエアー噴射装置は、上記の目的を達成するため、前記ピストンは円筒状であり、前記弁体は円盤状であり、前記開口は前記ピストンの周回り方向に等間隔に複数個形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の非接触式眼圧計のエアー噴射装置は、上記の目的を達成するため、前記弁体はその周辺部で前記ピストンに前記開口を開閉可能に固定されていることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の非接触式眼圧計のエアー噴射装置は、上記の目的を達成するため、前記弁体はその中心部で前記ピストンに前記開口を開閉可能に固定され、前記弁体と前記ピストンとの間には半径方向に延びる押圧片が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、ピストンにシリンダ内部の圧縮室とシリンダ大気開放室とを連通する開口を形成し、このピストンにはこのピストンがシリンダ内のエアーを圧縮する方向に駆動されるときの圧縮室とシリンダ大気開放室との圧力差に基づいてこの開口を閉成しかつ圧縮室のエアーを圧縮する方向とは逆方向にピストンが駆動されるときの圧縮室とシリンダ大気開放室との圧力差に基づいて開口を開成する弁体を設けたので、被検眼に向かってエアーを吹き付ける際には開口が閉成され、効率よくエアーを被検眼に向けて噴射させることができ、かつ、圧縮室にエアーを導入するときには、ピストンの可動に伴う可動方向前方側のエアーの圧力上昇と可動方向後方側に存在する圧縮室の圧力減衰とに基づく圧力差に基づいて開口を開成し、シリンダ大気開放室から圧縮室に向かっての空気の流れを生じさせ、これによって圧縮室にエアーを導入させることにしたので、圧縮室の容積増大に伴う負圧によってノズルからエアーが圧縮室に取り込まれるのが著しく減少されることになり、構成が簡単でかつ次回の測定作業に入る際の時間短縮を図ることができ、ノズルを通じて圧縮室内に霧化した涙等の霧が取り込まれるのを阻止できる。
以下に、本発明に係わる非接触式眼圧計のエアー噴射装置の発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1ないし図4は本発明に係わる非接触式眼圧計のエアー噴射装置の発明の実施の形態の第1実施例を説明するための図であって、この図1、図2において、1は被検眼、2は気流吹き付け装置である。
気流吹き付け装置2は、チャンバー室3、シリンダ4、ロータリソレノイド5’を有する。シリンダ4内には有底円筒状のピストン5が往復動可能に設けられている。そのピストン5とシリンダ4とによって圧縮室6が構成されている。
そのピストン5はロッド7によってロータリソレノイド5に連結されている。このピストン5は、ロータリソレノイド5’の回転往復動によって、シリンダ4内で上下方向に可動される。
チャンバー室3はカバーガラス8、チャンバー窓ガラス9、隔壁10によって概略構成されている。カバーガラス8には被検眼1の角膜11に対向されるノズル12が設けられている。
そのノズル12の軸線方向後方側にはチャンバー室3を構成するチャンバー窓ガラス9を介して被検眼1の前眼部像を観察する光学系13が設けられている。
チャンバー室3と圧縮室6とは連通管14を介して連通されている。ピストン5にはその頂部に圧縮室6と大気に連通されたシリンダ大気開放室15とを連通する開口16が形成されている。この開口16は図3に示すようにピストン5の周回り方向に等間隔に複数個形成されている。この開口16の個数とその開口面積の総計はノズル12の開口面積よりも大きいことが望ましい。
このピストン5にはこのピストン5が圧縮室6のエアーを圧縮する方向に駆動されるときの圧縮室6とシリンダ大気開放室15との圧力差に基づいて開口16を閉成しかつ圧縮室6のエアーを圧縮する方向とは逆方向にピストン5が駆動されるときの圧縮室6とシリンダ大気開放室15との圧力差に基づいて開口16を開成する弁体17が設けられている。
この弁体17は、図3に示すように、例えば円盤状の合成樹脂板であり、ここでは、弁体17はその周辺部でピストン5にネジ18によって開閉可能に固定されている。ピストン5も合成樹脂により構成することもでき、その場合、弁体17の樹脂の材料とピストン5の樹脂の材料とを異なる構成とすることができる。
次に、本発明に係わるエアー吹き付け装置の作用を説明する。
図1はピストン5が下死点位置にあって、ロータリソレノイド5’により、駆動される直前の状態を示しており、弁体17は開口16を閉成している。ピストン5が矢印F1方向に駆動されると、圧縮室6の容積が減少され、圧縮室6の圧力が上昇に伴って、チャンバー室3内の空気がノズル12から被検眼1の角膜11に向かって矢印F2で示すように噴射される。眼圧の測定はこのノズル12からのエアーの噴射によって行われ、その測定原理は公知であるので、その説明を省略する。
図2はそのピストン5が上死点位置にある状態を示しており、ピストン5はロータリソレノイド5の駆動停止により、例えば、自重により落下する方向、すなわち、矢印F3方向に可動される。
ピストン5が下死点方向に向かって可動すると、ピストン5の可動に伴って可動方向前方側のエアーの圧力が上昇する。すなわち、シリンダ大気開放室15の空気の圧力が上昇する。その一方、ピストン5の可動方向後方側に存在する圧縮室6の容積の増大に伴って圧縮室6の内部の気圧が負圧になろうとする。
弁体17はこのシリンダ大気開放室15の圧力上昇と圧縮室6の圧力減衰とに基づく圧力差に基づいて変形されて開口16を開成し、これによって、シリンダ大気開放室15から圧縮室6に向かっての矢印F4方向のエアーの流れが図4に示すように生じる。従って、圧縮室6の容積増大に伴う負圧によってノズル12からエアーが圧縮室6に取り込まれるのが著しく減少されることになり、ノズル12を通じて圧縮室6内に霧化した涙等の霧が取り込まれるのが阻止される。
図5ないし図7は本発明に係わる非接触式眼圧計のエアー噴射装置の発明の実施の形態の第2実施例を説明するための図であって、
ここでは、弁体17はその中心部でピストン5に開口16を開閉可能にネジ19によって固定され、弁体17とピストン5との間には半径方向に延びる押圧片20が介在されている。この押圧片20によって弁体17の半径方向部分が部分的に固定されている。
この第2実施例に係わる非接触式眼圧計のエアー噴射装置の作用は、第1実施例に係わる非接触式眼圧計のエアー噴射装置の作用と大略同一であるので、その詳細な説明は省略する。
本発明に係わる非接触式眼圧計のエアー噴射装置の発明の実施の形態の第1実施例を説明するための図であって、ピストンが下死点位置にある状態を示す断面図である。 本発明に係わる非接触式眼圧計のエアー噴射装置の発明の実施の形態の第1実施例を説明するための図であって、ピストンが上死点位置にある状態を示す断面図である。 図2のA−A線に沿う断面図である。 本発明に係わる非接触式眼圧計のエアー噴射装置の発明の実施の形態の第1実施例を説明するための図であって、ピストンが上死点位置から下死点位置に向かう途中にある状態を示す断面図である。 本発明に係わる非接触式眼圧計のエアー噴射装置の発明の実施の形態の第2実施例を説明するための図であって、ピストンが下死点位置にある状態を示す断面図である。 本発明に係わる非接触式眼圧計のエアー噴射装置の発明の実施の形態の第2実施例を説明するための図であって、ピストンが上死点位置にある状態を示す断面図である。 図6のB−B線に沿う断面図である。
符号の説明
5…ピストン
6…圧縮室
12…ノズル
15…シリンダ大気開放室
16…開口
17…弁体

Claims (5)

  1. シリンダ内部の圧縮室のエアーをピストンにより圧縮してノズルから被検眼に向けて吹き付ける非接触式眼圧計において、
    前記ピストンに前記シリンダ内部の圧縮室と大気に開放されたシリンダ大気開放室とを連通する開口が形成され、前記ピストンには該ピストンが前記圧縮室のエアーを圧縮する方向に駆動されるときの前記圧縮室と前記シリンダ大気開放室との圧力差に基づいて前記開口を閉成しかつ前記圧縮室のエアーを圧縮する方向とは逆方向に前記ピストンが駆動されるときの前記圧縮室と前記シリンダ大気開放室との圧力差に基づいて前記開口を開成する弁体が設けられていることを特徴とする非接触式眼圧計のエアー噴射装置。
  2. 被検眼の角膜に向かって対向されるノズルの軸線方向後方側にチャンバー室を構成するチャンバー窓ガラスを介して被検眼の前眼部像を観察する光学系が設けられ、前記チャンバー室が連通管を介してシリンダ内部の圧縮室に連通され、前記シリンダ内部の圧縮室の空気をピストンにより圧縮してノズルから被検眼に向けて吹き付ける非接触式眼圧計において、
    前記ピストンに前記シリンダ内部の圧縮室と大気に開放されたシリンダ大気開放室とを連通する開口が形成され、前記ピストンには該ピストンが前記圧縮室のエアーを圧縮する方向に駆動されるときの前記圧縮室と前記シリンダ大気開放室との圧力差に基づいて前記開口を閉成しかつ前記圧縮室のエアーを圧縮する方向とは逆方向に前記ピストンが駆動されるときの前記圧縮室と前記シリンダ大気開放室との圧力差に基づいて前記開口を開成する弁体が設けられていることを特徴とする非接触式眼圧計のエアー噴射装置。
  3. 前記ピストンは円筒状であり、前記弁体は円盤状であり、前記開口は前記ピストンの周回り方向に等間隔に複数個形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非接触式眼圧計のエアー噴射装置。
  4. 前記弁体はその周辺部で前記ピストンに前記開口を開閉可能に固定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非接触式眼圧計のエアー噴射装置。
  5. 前記弁体はその中心部で前記ピストンに前記開口を開閉可能に固定され、前記弁体と前記ピストンとの間には半径方向に延びる押圧片が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非接触式眼圧計のエアー噴射装置。
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