JP2008234885A - 発光素子 - Google Patents

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    • H10K50/19Tandem OLEDs

Abstract

【課題】 より高い電流効率を有し、製造プロセスが簡素化された、透明電極と対向電極との間に複数の有機発光層を積層し、その各有機発光層間に中間電荷発生層が挟んで配置されている発光素子、すなわちタンデム型発光素子の提供。
【解決手段】 その発光素子は、透明電極と、この透明電極に対向して配置された対向電極と、中間電荷発生層と、前記透明電極と対向電極との間に中間に前記中間電荷発生層を挟んで介在された複数の有機発光層とを有し、かつ中間電荷発生層は、フタロシアニン系有機化合物ホストにnドーパントを含有する層と、フタロシアニン系有機化合物ホストにpドーパントを含有する層の積層構造からなり、前記両フタロシアニン系有機化合物が同一の化合物であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機発光層を有する発光素子、すなわち有機EL発光素子に関する。
より詳しくは、透明電極と対向電極との間に複数の有機発光層を積層し、その各有機発光層間に中間電荷発生層が挟んで配置されている有機EL発光素子、すなわちタンデム型有機EL発光素子に関する。
有機EL発光素子の基本構造は、図2に図示するように、基板10上に設けられた透明電極11と、この透明電極11に対向して配置された対向電極12と、その間に配置された有機発光層13とを有するものである。
これを用いて表示装置(ディスプレイ)を形成するには、単一の発光素子をマトリックス状に配置するマトリックス型発光装置とすることになる。
その際に用いる有機発光材料については種々の材料が開発されているが、その効率は最大でもη=10cd/A〜17cd/Aであるといわれている。
このため、10インチ以上の大面積や、画素数が(320×240)以上の高精細ディスプレイを実現しようとすると、次の点が問題となってきた。
高精細ディスプレイでは、走査線がN本(N>100)となり、そのため瞬間的には求める輝度Lo(nit)のN倍、すなわち、LN(nit)が必要である。
このときに必要な電流密度は、I=LN/η(A/m2)=(LN/η)×10-4(A/cm2)=(LN/η)×10-1(mA/cm2)である。
従って、求める輝度Lo=200(nit)とした場合、次の表1に示すような大電流密度が必要である。(η=10cd/Aのとき)
Figure 2008234885
上記のように大電流密度が必要となるので、
(a)走査ライン、信号ラインの抵抗により電圧降下が大きく、消費電力が増大する。
(b)大電流を注入できるような駆動回路が必要となり、そのため、駆動回路の大型化により薄型ディスプレイが実現できない。
しかも、高精細になるにつれ、走査ラインおよび信号ラインが細線化し高抵抗化するため、CR時定数が大きくなり、素子の応答が遅れ、動画像を得る場合の支障となる。
さらに、テレビジョンを実現したいというニーズに対しては輝度が300nit以上必要となるので、これらの問題はさらに不可避となる。
このような問題を解決する技術として、透明電極と対向電極との間に複数の有機発光層を積層し、その各有機発光層間に中間電荷発生層を挟んで配置する有機EL発光素子、すなわち、いわゆるタンデム型有機EL発光素子が提案されている(特許文献1及び2参照)。
特開平11−329748号公報 特開2003−264085号公報
このようなタンデム型有機EL発光素子を採用することにより、画素の輝度をn倍にしようとした場合には、従来のXYマトリックス型発光装置、すなわちタンデム型構造ではない発光装置では、駆動電流をn倍にする必要があるが、このタンデム型有機EL発光素子では、駆動電圧がn倍になるものの、駆動電流は同じでよい。
つまり、輝度を同一とすると、このタンデム型有機EL発光素子では、電圧は従来(非タンデム型の場合)のn倍にはなるものの、電流が従来の1/nでよいため、従来問題となっていた走査、信号ラインの抵抗による電圧降下は1/nとなる。
その結果、次の効果が期待できる。
従来の発光装置(非タンデム型発光装置)では、走査線電流が大きく、そのため電圧降下が大きく、消費電力の増大をもたらすこと、また、高精細、大面積の発光装置では走査線電流が1A近くとなり、実質的にはドライバーICで駆動できないことが問題となっていたが、この提案のタンデム型では、走査線電流は従来の1/nとなり、消費電力も減少するので、より大面積かつ高精細、たとえば、12インチSVGA(画素数800×600、画素ピッチ110μm×330μm)以上も可能である。
また、画素表示を行うためには、画素が高速に応答することが必要であるが、従来は配線抵抗Roと駆動時に関係する静電容量C1との積で定まる時定数τo=Ro・C1が大きく、数μS〜数10μSとなっていた。
このため、駆動波形の立ち上がり、立ち下がりが遅れ、動画表示に支障が出ていた。
しかしながら、タンデム型では、Coが1/nとなり、さらに駆動時に関係する静電容量C1も1/nとなり、その結果時定数はτo=Ro・(C1/n)となり、高速に応答し、動画表示も高品質で行うことができる。
なお、C1はCoと同一ではなく、駆動方式にもよるが、C1=Co×(縦画素数)程度となる。
本発明は、前記したタンデム型有機EL発光素子の特性を活用するものであり、より高い電流効率(cd/A)を有するタンデム型有機EL発光素子を提供することを解決すべき課題、すなわち目的とするものである。
また、製造プロセスが簡素化され、製造コストが低減された有機EL発光素子を提供することも目的とするものである。
本発明は、透明電極と、この透明電極に対向して配置された対向電極と、中間電荷発生層と、前記透明電極と対向電極との間に中間に前記中間電荷発生層を挟んで介在された複数の有機発光層とを有し、かつ中間電荷発生層は、フタロシアニン系有機化合物ホストにnドーパントを含有する層と、フタロシアニン系有機化合物ホストにpドーパントを含有する層の積層構造からなり、前記両フタロシアニン系有機化合物が同一の化合物であることを特徴とするものである。
本発明においては、以下のことが好ましい。
(1)フタロシアニン系有機化合物が亜鉛フタロシアニン(ZnPc)であること
(2)nドーパントがマグネシウムであること
(3)pドーパントが7,7,8,8−テトラシアノー2,3,5,6テトラフルオロキノジメタン(F4−TCNQ)であること
(4)nドーパントを含有する層が透明電極側に配置されていること
(5)中間電荷発生層上にTPDからなるホール輸送層を形成したこと
(6)発光層はTPDからなるホール輸送層上に形成された、電子輸送層を兼ねるAlq3であること
(7)透明電極がITO、対向電極がアルミニウムであること
本発明は、タンデム型有機EL発光素子であるから、それが持つ特性を全て備えるものである。
すなわち、画素の輝度をn倍にしようとした場合には、非タンデム型構造の発光装置では、駆動電流をn倍にする必要があるが、タンデム型有機EL発光素子では、駆動電圧がn倍にはなるものの、駆動電流は同じでよい。
つまり、輝度を同一とすると、タンデム型有機EL発光素子では、電圧は従来(非タンデム型の場合)のn倍になるものの、電流が従来の1/nでよいため、従来問題となっていた走査、信号ラインの抵抗による電圧降下は1/nとなる。
そのため非タンデム型発光装置では、走査線電流が大きく、その結果電圧降下が大となり、消費電力の増大をもたらすこと、また、高精細、大面積の発光装置では走査線電流が1A近くとなり、実質的にはドライバーICで駆動できないことが問題となっていたが、タンデム型では、走査線電流は従来の1/nとなり、消費電力も減少するので、より大面積かつ高精細、たとえば12インチSVGA(画素数800×600、画素ピッチ110μm×330μm)以上も可能である。
また、画素表示には、画素が高速に応答することが必要であるが、従来は時定数τo=Ro・C1が大きく、数μS〜数10μSとなっていた。その結果駆動波形の立ち上がり、立ち下がりが遅れ、動画表示に支障が出ていた。
しかしながら、タンデム型では、Coが1/nとなり、さらに駆動時に関係する静電容量C1も1/nとなり、その結果時定数はτo=Ro・(C1/n)となり、高速に応答し、動画表示も高品質で行うことができる。
本発明の発光素子は、前記したタンデム型有機EL発光素子の特性を備えることは勿論のこと、それに加えて、より高い電流効率(cd/A)を発現できる優れた作用効果を奏するものである。
また、本発明では、ドーパントをドープするホストは、nドーパント及びpドーパントのいずれについてもフタロシアニン系有機化合物で同一の化合物であり、そのため製造プロセスは簡素化され、製造コストが低減される。
そして、nドーパント及びpドーパントをドーピングするホストとして用いたフタロシアニン系有機化合物は、ドーパントのホストとして好適なHOMO準位(5.5eV±1eV)及び好適なLUMO準位(2.5eV±1eV)を有する最適なホストである。
さらに、フタロシアニン系有機化合物は、熱安定性が高く、耐光性に優れており、この点でも好適なホスト材料である。
以下において、本発明について発明を実施するための最良の形態を含む実施の形態に関し、図1を用いて説明するが、本発明は、この実施の形態によって何等限定されるものではなく特許請求の範囲によって特定されるものであることはいうまでもない。
その図1は、発明を実施するための最良の形態を図示するものであり、図1に図示された発光素子は、ITOからなる透明電極1、この透明電極に対向して配置されたアルミニウムからなる対向電極2と、中間電荷発生層3とを備える。
そして、その透明電極1と中間電荷発生層3との間、及び対向電極2と中間電荷発生層3との間には、それぞれ有機発光層が配置されている。
透明電極1と中間電荷発生層3との間の有機発光層、すなわち下側の有機発光層は、正孔輸送層4及び発光層5から形成されている。
また、対向電極2と中間電荷発生層3との間の有機発光層、すなわち上側の有機発光層は、正孔輸送層6、発光層7、電子注入層8から形成されている。
なお、この図1に図示された発光素子においては、発光層7は電子輸送性を有しており、電子輸送層を兼務することになる。
この実施の形態の下側の有機発光層においては、前記したとおり電子輸送層は発光層を兼務しており、それが好ましいが勿論個別に形成してもよい。
すなわち電子輸送層は発光層と別に形成してもよい。
なお、発光層は電子輸送層を兼務できる材料である必要はなく、発光層単独の機能のみを有するものでもよく、その場合には必要なら別途電子輸送層を設ければよく、場合によっては設けなくともよい。
また、本発明においては、有機発光層の積層構造は前記実施の形態に限定されるわけではなく、上下両有機発光層が好適に発光し得る構造であれば適宜積層構造が採用できる。
すなわち、有機発光層には、発光層のほかに正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子注入層を適宜組み合わせ使用でき、例えば下側の有機発光層にも上側の有機発光層と同様に電子注入層を形成してもよい。
本発明における中間電荷発生層は、ホストに、nドーパントを含有させた層と、pドーパントを含有させた層との積層構造であり、両層のホストは、共にフタロシアニン系有機化合物で同一の化合物であり、その結果積層プロセスも簡略化できる利点がある。
その際に使用するフタロシアニン系有機化合物としては、隣接積層材料のHOMO準位、LUMO準位と近いHOMO準位、LUMO準位を有するという中間電荷発生層に要求される機能を発現することができるものであれば、特に制限されることなく各種フタロシアニン系有機化合物が使用できる。
そのフタロシアニン系有機化合物としては、亜鉛フタロシアニン(ZnPc)、銅フタロシアニン(CuPc)、マグネシウムフタロシアニン(MgPc)、フタロシアニン(H2Pc)、鉄フタロシアニン(FePc)、鉛フタロシアニン(PbPc)等が例示できるが、電荷発生層に隣接した電子輸送層(Alq)のLUMO準位に近いLUMO準位を有し、正孔輸送層(TPD)のHOMO準位に近いHOMO準位を有する点で亜鉛フタロシアニンが好ましい。
なお、本発明で使用する「フタロシアニン系有機化合物」とは、下記一般式(1)で定義することができる範疇のものであり、その炭素環については、例えば炭素にフッ素が結合したもの(F16CuPc)等の各種置換基が結合したものであってもよい。
Figure 2008234885
そのフタロシアニン系有機化合物のホストにドーピングするnドーパントとしては、通常使用されている各種のnドーパントが特に制限されることなく使用でき、それにはMg、Na、K、Rb、Ca、Sr、Ba、La、Ce、Sm、Eu、Tb、Dy、Yb等が例示できるが、強力な電子供与性を有している点でMgが好ましい。
また、同様にフタロシアニン系有機化合物のホストにドーピングするpドーパントについても、通常使用されている各種のpドーパントが特に制限されることなく使用でき、それにはF4−TCNQ、FeCl3、SbCl5、F16CuPc等が例示できるが、強力な電子吸引性を有している点でF4−TCNQが好ましい。
本発明における透明電極は陽極であることが好ましいが、透明電極を陰極とすることも勿論可能である。
その透明電極は、透明で有機発光層で発光した光を外部に取り出すことができ、かつ有機発光層を対向電極と共働して発光させることができる機能を有する限り特に制限されることなく各種電極材料が使用でき、ITO、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム(IZO)、酸化亜鉛、酸化スズ等が例示できるが、抵抗が低いという点でITOが好ましい。
また、対向電極は前記透明電極に対向する反対側に位置する電極で陰極であることが好ましいが、勿論陽極とすることもでき、その場合には透明電極は陰極ということになる。
その対向電極は透明電極と共働して有機発光層を発光させることができる機能を有する限り特に制限されることなく各種電極材料が使用でき、Al、Mg−Ag合金等が例示できるが、高い導電性を有している点でAlが好ましい。
以下において、図3を用いて本発明の実施例1を示すが、本発明はこの実施例によって何等限定されるものではなく、特許請求の範囲によって特定されるものであることはいうまでもない。
なお、図3は実施例1の発光素子の積層構造を図示するものである。
基板には、面抵抗10Ω/□、膜厚150nmのインジウム−スズ酸化物(ITO)膜が形成されたガラス板を用い、それを使用直前に沸騰させたエタノール中に約5分間浸し、引き上げ後、エタノールの沸騰蒸気に曝し、その後UV−オゾンクリーナーで約20分間洗浄し、基板上の有機物を除去した。クリーナーから取り出す際には窒素置換を行った。
次いで、素子作製を行ったが、その際に真空蒸着装置(SULVAC製「EX−400」)を使用し、UVオゾン洗浄まで終了した基板を前記蒸着装置のチャンバー内に配置し、3.3×10-6Torr以下で、以下の全ての層を蒸着にて形成した。
まず、透明電極1であるITO上に、ホール輸送層としてN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’ビフェニル−4、4’ジアミン(略称「TPD」)を70nmの膜厚で形成した。
そのTPD上に発光層兼電子輸送層として、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称「Alq3」)を60nmの膜厚で形成し、続いて中間電荷発生層3を形成した。
その中間電荷発生層の形成は以下のとおりに行った。
まず、亜鉛フタロシアニン(略称「ZnPc」)とマグネシウムとを共蒸着することでフタロシアニン系有機化合物ホストにnドーパントを含有する層を10nmの膜厚で形成した。
なお、その際にはZnPcとMgとは重量比で3:1(すなわちZnPc:Mg=3:1)となるようにした。
続いて、亜鉛フタロシアニンと7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6テトラフルオロキノジメタン(略称「F4−TCNQ」)とを共蒸着することでフタロシアニン系有機化合物ホストにpドーパントを含有する層を10nmの膜厚で形成した。
なお、その際にはZnPcとF4−TCNQとは重量比で1:1(すなわちZnPc:F4−TCNQ=1:1)となるようにした。
次に、中間電荷発生層にホール輸送層としてTPDを70nmの膜厚で形成し、その形成後TPD上に発光層兼電子輸送層としてAlq3を60nmの膜厚で形成した。
その後、Alq3上に、Alq3とマグネシウムとを共蒸着することにより、電子注入層を10nmの膜厚で形成し、その形成後対向電極2であるアルミニウム層を60nmの膜厚で形成した。
なお、その共蒸着の際には、Alq3とMgとは重量比で3:1(すなわちAlq3:Mg=3:1)となようにした。
このようにして作製した実施例1の発光素子について、外部量子効率を測定したところ、実施例1のタンデム型発光素子は、図4に図示するように単体型の発光素子に比し約2倍の効率を発現できることがわかった。
さらに、実施例1の発光素子について、輝度と電圧との関係(輝度−電圧特性)及び電流密度と電圧との関係(電流密度−電圧特性)を測定したところ、それぞれ図5及び6に示すとおりの結果が得られた。
なお、図4において比較対象として用いた単体型の発光素子は、以下のとおり作製した。
すなわち、前記した透明電極であるITO上にホール輸送層としてTPDを70nmの膜厚で形成し、そのTPD上に発光層兼電子輸送層としてAlq3を60nmの膜厚で形成した。
その後、そのAlq3上にAlq3:Mg=3:1の層を膜厚10nmで形成し、その形成後対向電極であるアルミニウムを60nmの膜厚で形成した。
前記した実施例1においては、2つの発光層に同一の物質を用い同一色を発光させているが、この実施例2では、2つの発光層には異なる物質を用いて異なる色を発光させた。
本発明はこの実施例2によっても何等限定されるものではなく、特許請求の範囲によって特定されるものであることは実施例1の場合と同様にいうまでもない。
なお、図7には実施例2の発光素子の積層構造を図示する。
基板には、実施例1と同様に面抵抗10Ω/□、膜厚150nmのインジウム−スズ酸化物(ITO)膜が形成されたガラス板を用い、それを使用直前に沸騰させたエタノール中に約5分間浸し、引き上げ後、エタノールの沸騰蒸気に曝し、その後UV−オゾンクリーナーで約20分間洗浄し、基板上の有機物を除去した。クリーナーから取り出す際には窒素置換を行った。
次ぎに、素子作製を行ったが、実施例1と同一の真空蒸着装置を使用し、洗浄した基板を前記蒸着装置のチャンバー内に同様に配置し、実施例1の場合と同様に3.3×10-6Torr以下で、以下の全ての層を蒸着にて形成した。
実施例1と同様に、まず透明電極1であるITO上に、実施例1の場合と同じTPDを同一の膜厚でホール輸送層として形成し、そのTPD上に発光層兼電子輸送層として、実施例1と同じAlq3を55nmの膜厚で形成した。
その後Alq3層上に電子注入層としてAlq3:Mg=3:1の層を層厚5nmで積層し、更に実施例1と同一の中間電荷発生層3を実施例1と同一の操作で、かつ同一の膜厚で形成した。
次いで、中間電荷発生層上にホール輸送層として実施例1と同じTPDを同一膜厚で形成し、その形成後TPD上に発光層兼電子輸送層として実施例1とは異なるAlq3:DCM−1=40:1の層を60nmの膜厚で積層し、その後実施例1とは異なるMg:Ag=9:1の層を対向電極として層厚150nmで形成した。
なお、「DCM−1」は、4−(ジシアノメチレン)−メチル−6−(4−ジメチルアミノスチリル)−4H−(ピラン)の略号である。
このようにして作製した実施例2の発光素子について、発光試験を行ったところ図8に図示するスペクトルが得られた。
この発光により得られる光は黄色であるが、その発光スペクトルには2つのピークがあり、低い方のピークはAlq3のピークの緑発光に該当し、高い方のピークは赤発光のDCM−1のピークに該当することが、その図8に図示したそれぞれのピークからわかる。
以上のとおりであり、実施例2の発光素子については、2つの有機発光層の間に中間電荷発生層を介在させることにより、それぞれの発光層が発光していることが確認できる。
また、この実施例2の発光素子も、単体型の発光素子に比し約2倍の効率を発現でき、より高い電流効率(cd/A)を有する。
本発明を実施するための最良の形態である発光素子を図示する。 有機EL発光素子の基本構造を図示する。 実施例1の発光素子の積層構造を図示する。 実施例1で作製した発光素子の外部量子効率を測定した結果を電流密度との関係で図示する。 実施例1で作製した発光素子の輝度と電圧との関係を図示する。 実施例1で作製した発光素子の電流密度と電圧との関係を図示する。 実施例2で作製した発光素子の積層構造を図示する。 実施例2で作製した発光素子の発光スペクトルを図示する。
符号の説明
1 透明電極
2 対向電極
3 中間電荷発生層
4 正孔輸送層4
5 発光層
6 正孔輸送層
7 発光層
8 電子注入層

Claims (8)

  1. 透明電極と、この透明電極に対向して配置された対向電極と、中間電荷発生層と、前記透明電極と対向電極との間に中間に前記中間電荷発生層を挟んで介在された複数の有機発光層とを有し、かつ中間電荷発生層は、フタロシアニン系有機化合物ホストにnドーパントを含有する層と、フタロシアニン系有機化合物ホストにpドーパントを含有する層の積層構造からなり、前記両フタロシアニン系有機化合物が同一の化合物であることを特徴とする発光素子。
  2. フタロシアニン系有機化合物が亜鉛フタロシアニン(ZnPc)である請求項1に記載の発光素子
  3. nドーパントがマグネシウムである請求項1又は2に記載の発光素子。
  4. pドーパントが7,7,8,8−テトラシアノー2,3,5,6テトラフルオロキノジメタン(F4−TCNQ)である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発光素子。
  5. nドーパントを含有する層が透明電極側に配置されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の発光素子。
  6. 中間電荷発生層上にTPDからなるホール輸送層を形成した請求項1ないし5のいずれか1項に記載の発光素子。
  7. 発光層はTPDからなるホール輸送層上に形成された、電子輸送層を兼ねるAlq3である請求項6に記載の発光素子。
  8. 透明電極がITO、対向電極がアルミニウムである請求項1ないし7のいずれか1項に記載の発光素子。
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