JP2008234875A - 放電ランプ点灯装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
放電ランプに繰り返し印加されるパルス状の高周波電圧が電源リップルによる影響を受けないで実質的に均一化するように改良して、深調光時における放電ランプの明るさのちらつきが発生するのを抑制した放電ランプ点灯装置を提供する。
【解決手段】
放電ランプ点灯装置は、電源リップルを含む直流電圧を出力する直流電源RDCと、その直流電圧を入力するインバータ回路INVと、共振回路RCを含みインバータ回路の出力端に接続されていて、放電ランプDLを接続する負荷回路LCと、放電ランプを調光点灯する調光手段と、調光信号に対応した調光レベルで放電ランプを点灯するように調光手段を制御し、少なくとも深調光時にはパルス状高周波電圧を放電ランプに繰り返し印加するとともに、当該パルス状高周波電圧を電源リップルにかかわらず実質的に均一化するパルス状高周波電圧均一化手段CCを含んでいる制御手段とを具備している。
【選択図】図3
放電ランプに繰り返し印加されるパルス状の高周波電圧が電源リップルによる影響を受けないで実質的に均一化するように改良して、深調光時における放電ランプの明るさのちらつきが発生するのを抑制した放電ランプ点灯装置を提供する。
【解決手段】
放電ランプ点灯装置は、電源リップルを含む直流電圧を出力する直流電源RDCと、その直流電圧を入力するインバータ回路INVと、共振回路RCを含みインバータ回路の出力端に接続されていて、放電ランプDLを接続する負荷回路LCと、放電ランプを調光点灯する調光手段と、調光信号に対応した調光レベルで放電ランプを点灯するように調光手段を制御し、少なくとも深調光時にはパルス状高周波電圧を放電ランプに繰り返し印加するとともに、当該パルス状高周波電圧を電源リップルにかかわらず実質的に均一化するパルス状高周波電圧均一化手段CCを含んでいる制御手段とを具備している。
【選択図】図3
Description
本発明は、放電ランプを調光点灯する放電ランプ点灯装置に関する。
ランプ電圧にパルス電圧を重畳することで放電ランプを深調光するように構成した放電ランプ点灯装置は既知である(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載された放電ランプ点灯装置は、定格点灯から調光下限までは直流チョッパの出力電圧を変化させることでインバータ回路の出力電圧が変化するようにして調光し、調光下限の近傍においてはランプ電圧にパルス電圧を重畳するように構成している。直流チョッパの入力端には、交流電源電圧を整流平滑化する直流電源を接続している。ランプ電圧に重畳されるパルス電圧は、インバータ回路のスイッチング周波数を負荷回路中の共振回路の共振周波数に近づけることで形成している。
交流電源電圧を整流平滑化する直流電源を用いて放電ランプにパルス状高周波電圧を印加して深い調光を行わせる場合、直流電圧にリップルが含まれていると、上記パルス電圧値がリップルの影響を受けて変動する。
深調光時において、パルス状高周波電圧の波高値が変動すると、放電ランプの明るさにちらつきを生じるという問題がある。
上述の問題を回避するには、直流電源の平滑コンデンサの容量を大きくして電源リップルを完全になくす必要があるが、これを実現しようとすると、平滑コンデンサが大型化するばかりでなく、そのために直流電源が高価になってしまうという問題がある。また、スイッチングレギュレータを用いて平滑化することもできるが、高価になってしまうという問題がある。
他方、上記のいずれにしても、実用的な平滑コンデンサを用いて平滑化する直流電源の回路設計において、深調光時に放電ランプの明るさにちらつきを生じない程度に電源リップルを十分に除去することは実際上甚だ困難である。
本発明は、直流電源の直流出力が電源リップルを含んでいても、放電ランプに繰り返し印加されるパルス状高周波電圧が電源リップルによる影響を受けないで実質的に均一化するように改良して、深調光時における放電ランプの明るさのちらつきが発生するのを抑制した放電ランプ点灯装置を提供することを目的とする。
本発明の放電ランプ点灯装置は、交流電源電圧を整流平滑して電源リップルを含む直流電圧を出力する直流電源と;直流電源から出力される直流電圧を入力して高周波電圧に変換するインバータ回路と;インバータ回路からインバータ回路の出力端に接続される放電ランプに入力する高周波電力を低減させて放電ランプを調光点灯する調光手段と;調光信号に対応した調光レベルで放電ランプを点灯するように調光手段を制御し、少なくとも深調光時にはパルス状高周波電圧を放電ランプに繰り返し印加するとともに、当該パルス状高周波電圧を電源リップルにかかわらず実質的に均一化するパルス状高周波電圧均一化手段を含んでいる制御手段と;を具備していることを特徴としている。
本発明は、以下の態様を許容する。
〔直流電源について〕 直流電源は、後述するインバータ回路から見た入力供給手段であり、直流電圧を出力する。この直流電圧には電源リップルが含まれている。なお、本発明において電源リップルが直流電圧に含まれる程度は問わない。電源リップルがたとえ微弱であったとしても、その電源リップルが高周波電圧の波高値に直接影響を与えるので、深調光時において、放電ランプに明るさのちらつきを引き起こす場合には、本発明にいうところの電源リップルが含まれているとされる。
また、直流電源は、交流電源電圧を整流平滑化する機能を有しているのに加えて、交流電源電圧と異なる実効値の直流電圧を出力できるように電圧変換機能を具備していることを許容する。電圧変換機能は、本発明において特段限定されないが、例えば昇圧チョッパ、降圧チョッパなどを単独で、または多段的に組み合わせ接続して用いることができる。
〔インバータ回路について〕 インバータ回路は、直流電源から出力される電源リップルを含む直流電圧を高周波に変換する手段であり、少なくとも1つのスイッチング素子を含んでいる。本発明において、インバータ回路の回路方式は特段限定されない。例えば、ハーフブリッジ形インバータ、フルブリッジ形インバータ、一石形インバータなどを用いることができる。
また、インバータ回路は、その発振周波数を可変に構成することができる。なお、周波数を可変にすることにより、高周波出力を一定にしたり、後述するように調光したりすることができる。
さらに、インバータ回路は、所望により絶縁形または非絶縁形の出力トランスを含んでいることが許容される。
〔調光手段について〕 調光手段は、調光信号に応じて放電ランプを調光点灯させる手段であり、前記直流電源および前記インバータ回路のいずれか一方または両方を調光のために作動させることを含んでいる。すなわち、前記直流電源および前記インバータ回路のいずれか一方または両方は、それらが調光のために利用される場合には、調光手段の少なくとも一部をなしている。以下にそのような場合の主な態様を列挙する。
1.直流電源から出力される直流電圧を低減させて調光を行う態様。すなわち、直流電源から出力される直流電圧を低下させると、これに伴ってインバータ回路から出力される高周波電圧が低下するので、この高周波電圧を放電ランプに印加すると、放電ランプに投入される高周波電力が低減して放電ランプが調光点灯する。直流電源の直流電圧出力を調光信号に応じて低下させるためには、チョッパ回路、例えば昇圧チョッパや降圧チョッパなどを直流電源に追加することができる。
2.インバータ回路の発振周波数を変化させて調光を行う態様。すなわち、負荷回路の共振回路に印加する高周波電圧の周波数を変化すると、放電ランプの負荷回路の共振特性上の動作点が移動して共振度合いが変化するので、放電ランプに印加される高周波電圧を調光信号に応じて変化させて放電ランプを調光することができる。例えば、共振特性曲線の共振点より周波数が高い遅相領域においては、周波数が高くなるにしたがって放電ランプに印加される電圧が低下して、調光度が大きくなる。
3.上記1.および2.の態様を併用する態様。すなわち、上記1.および2.の態様を併用して調光を行うこともできる。
4.パルス状高周波電圧を繰り返し印加する態様。すなわち、放電ランプにパルス状高周波電圧を繰り返し印加する、換言すれば高周波電圧を間欠的に印加することで、放電ランプを調光することができる。パルス状高周波電圧の繰り返しの間は、次の状態のいずれを選択してもよい。
(1)相対的に低いがアーク放電を持続し得る程度の高周波電圧をパルス状高周波電圧とパルス状高周波電圧との間に印加し続けて、継続した点灯を行う状態。
(2)アーク放電は持続しないが、微弱放電がパルス状高周波電圧とパルス状高周波電圧との間において持続する状態。このような状態においては、再点弧電圧が低くなる。
(3)パルス状高周波電圧とパルス状高周波電圧との間は放電ランプに電圧が実質的に印加しない状態。したがって、点灯も微弱放電も持続しない。
(1)相対的に低いがアーク放電を持続し得る程度の高周波電圧をパルス状高周波電圧とパルス状高周波電圧との間に印加し続けて、継続した点灯を行う状態。
(2)アーク放電は持続しないが、微弱放電がパルス状高周波電圧とパルス状高周波電圧との間において持続する状態。このような状態においては、再点弧電圧が低くなる。
(3)パルス状高周波電圧とパルス状高周波電圧との間は放電ランプに電圧が実質的に印加しない状態。したがって、点灯も微弱放電も持続しない。
本態様において、調光度を変化させるには、パルス状高周波電圧のデューティを変化したり、高周波電圧の持続時間を固定してパルス状高周波電圧の繰り返し周波数を変化させたりすればよい。要するに、パルス状高周波電圧のデューティ比を変化させればよい。
また、パルス状高周波電圧を形成するためには、直流電源の直流電圧出力を高くしたり、インバータ回路の発振周波数を負荷回路の相対的に共振点側へ近づけたりする制御を行えばよい。
以上列挙した調光のための前記直流電源および前記インバータ回路における作動の各態様の中で、1.〜3.の態様は、図1に示す放電ランプの周波数−ランプ電流特性曲線において、周波数f0〜f2の間の特性曲線が比較的緩やかな安定点灯領域において適用するのに好適である。すなわち、いわゆるf2を調光下限とする領域までの調光時に適用するのに好適な態様である。
これに対して、4.の態様は、図1に示す放電ランプの周波数−ランプ電流特性曲線において、周波数f2〜f3の間の特性曲線が急激に変化する不安定点灯領域において適用するのに好適である。すなわち、深調光時に適用するのに好適な態様である。しかし、4.の態様は、上述の安定領域においても適用することができる態様である。なお、本発明においては、少なくとも深調光時には、本態様を採用して放電ランプの調光を行うものである。
〔制御手段について〕 制御手段は、前記調光手段を制御して放電ランプを調光点灯させる手段であるとともに、本発明においては加えてパルス状高周波電圧均一化手段を含んでいる。すなわち、制御手段は、放電ランプを調光点灯させるために、放電ランプの定格点灯からいわゆる調光下限までの制御と深調光時の制御とを司る。なお、深調光とは、上述のいわゆる調光下限よりさらに調光度合いが進んだ深い調光であり、一般的には20%以下、好ましくは3%以下、さらに望ましくは限りなく0%まで接近した調光をいう。したがって、本発明は、深調光まで可能な調光を行える放電ランプ点灯装置を提供しようとするものである。
深調光時の制御は、放電ランプに印加されるパルス状高周波電圧を形成するための制御とパルス状高周波電圧を実質的に均一化するための制御を含む。パルス状高周波電圧を形成するための制御は、前記4.に述べた態様となるように制御することである。
パルス状高周波電圧均一化手段は、インバータ回路に入力する直流電圧が電源リップルを含んでいるために、インバータ回路から出力される高周波電圧が電源リップルに応じて変動しているとしても、放電ランプに繰り返し印加されるパルス状高周波電圧の各々が均一化されているようにするための手段である。パルス状高周波電圧均一化手段の主な構成は次のとおりである。
第1の構成は、パルス状高周波電圧の発生位相を電源リップルの所定の位相に同期させる同期化手段である。例えば、直流電源から出力される直流電圧の電源リップルの繰り返し周波数を検出して、パルス状高周波電圧の繰り返し周波数を電源リップルの繰り返し周波数に同期させる。電源リップルの繰り返し周波数は、交流電源の周波数が50Hzの場合、全波整流であれば、100Hzとなる。パルス状高周波電圧の繰り返し周波数が100Hz以上であれば、人間の目にその周波数による明るさのちらつきを感じさせることはない。
また、パルス状高周波電圧の発生位相を電源リップルの谷すなわち極小値または山すなわち極大値付近に合わせれば、パルス状高周波電圧全体の波高値が実質的に均一化される。
そうして、第1の構成によれば、放電ランプに繰り返し印加されるパルス状高周波電圧が実質的に均一化されるので、放電ランプの深調光時にパルス状高周波電圧の印加によって明るさのちらつきが発生するのを防止することができる。
第2の構成は、放電ランプのランプ電圧検出回路またはこれに加えて電源リップル検出回路を配設し、かつ放電ランプに印加されるパルス状高周波電圧の周波数帰還制御回路を配設して、インバータ回路の発振周波数をパルス状高周波電圧の波高値が均一化するように帰還制御する。
すなわち、負荷回路の共振回路は、図2に示す共振特性を有しているので、インバータ回路のパルス状高周波電圧の基本発振周波数をf1とした場合に、発振周波数f1を△f1上下させると、放電ランプに印加されるランプ電圧が△VLの幅で変化する。
したがって、電源リップルによりインバータ回路の高周波電圧出力が変化すると、放電ランプに印加されるパルス状高周波電圧も応分に変化するが、その変化をランプ電圧検出回路が検出してインバータ回路の発振周波数を、放電ランプに印加されるパルス状高周波電圧が一定になるように帰還制御することにより、パルス状高周波電圧を実質的に均一化することができる。
そうして、第2の構成によれば、インバータ回路の発振周波数を、電源リップルの繰り返し周波数に無関係に自由に、しかも所望に応じて設定することができる。なお、深調光時における調光信号に応じた調光制御は、パルス状高周波電圧のデューティを制御することにより行われる。
〔その他の構成について〕 本発明においては、所望により以下の構成を付加することができる。
1.(負荷回路について) 負荷回路は、放電ランプをインバータ回路の出力端に接続する際に、インバータ回路と放電ランプの間に介在させることができる。放電ランプを共振回路を介在してインバータ回路の出力端に接続することにより、放電ランプに負荷回路の所望に応じて適度に共振した共振電圧を印加することができる。共振回路は、好ましくは直列共振回路であり、かつ放電ランプは、共振電圧が印加される回路上の位置に接続される。
また、負荷回路は、そこに接続する放電ランプに対して限流インピーダンスを提供することができる。限流インピーダンスとして共振回路のリアクタンスを利用することができる。
2.(フィラメント加熱回路について) フィラメント加熱回路は、放電ランプが熱陰極形の場合、そのフィラメント電極を所要の程度に加熱する手段である。フィラメント加熱回路は、放電ランプの始動に先立ってフィラメント電極を加熱するとともに、調光度に応じて加熱量を変化させるようにするのが好ましい。
本発明によれば、深調光時において、パルス状高周波電圧を放電ランプに繰り返し印加する際に、パルス状高周波電圧均一化手段を設けて直流電源の出力電圧に電源リップルが含まれているにもかかわらずパルス状高周波電圧を均一化することにより、明るさのちらつきの発生を効果的に抑制した放電ランプ点灯装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
図3は、本発明の放電ランプ点灯装置を実施するための第1の形態を示す回路図である。
本形態において、放電ランプ点灯装置は、直流電源RDC、インバータ回路INV、負荷回路LC、制御手段CCおよびフィラメント加熱回路FHCを具備している。なお、符号DLは放電ランプ、DMは調光信号発生手段である。
直流電源RDCは、全波整流回路FBRおよび昇圧チョッパBUCからなる。全波整流回路FBRは、その交流入力端が商用交流原電ACに接続する。昇圧チョッパBUCは、その入力端が全波整流回路FBRの直流出力端に接続している。
インバータ回路INVは、ハーフブリッジ形インバータからなり、昇圧チョッパBUCの出力端であるところの平滑コンデンサC1の両端間に直列接続している一対のスイッチング素子Q1、Q2を備え、スイッチング素子Q2の両端間に高周波電圧を出力する。なお、本形態において、インバータ回路INVは、本発明の調光手段を兼ねている。
負荷回路LCは、直流カットコンデンサC2および共振回路RCが直列回路を形成して構成されていて、インバータ回路INVのスイッチング素子Q2の両端に接続している。共振回路RCは、インダクタL1および共振コンデンサC3の直列共振回路からなる。
制御手段CCは、パルス状高周波電圧均一化手段を含んでいるとともに、調光信号に対応して制御された駆動信号をインバータ回路INVのスイッチング素子Q1、Q2に対して供給する。
本形態において、パルス状高周波電圧均一化手段は、平滑コンデンサC1の端子電圧を監視することにより、深調光時において、パルス状高周波電圧を形成するための駆動信号の繰り返し周波数を、電源リップルの繰り返し周波数に同期した値に設定するように構成されている。これにより、制御手段CCは、調光下限よりさらに深い深調光時において、繰り返し周波数が電源リップルに同期し、かつ発生位相が電源リップルの所定位相、例えば極小値の位相に同期した駆動信号をインバータ回路INVに供給する。
また、制御手段CCは、深調光時において、インバータ回路INVのスイッチング素子Q1、Q2に対する駆動信号を以下のように制御する。
(1)パルス状高周波電圧のデューティ(持続時間)を調光信号に対応して変化させる。
(2)パルス状高周波電圧の波高値を高くするために、インバータ回路INVの発振周波数を共振回路RCの共振点に近づくように低下させる。
(3)パルス状高周波電圧の繰り返しの間における高周波電圧の波高値を低くするために、インバータ回路INVの発振周波数を上昇させる。
(4)パルス状高周波電圧の繰り返し周波数および発生位相を電源リップルのそれらに同期させる。
さらに、制御手段CCは、定格点灯から調光下限までの調光時において、インバータ回路INVの発振周波数を調光信号に応じて変化させた駆動信号を発生する。このため、スイッチング素子の駆動信号周波数が増大すると、それに応じて調光度が大きくなる。
フィラメント加熱回路FHCは、放電ランプDLの一対のフィラメント電極を所要に加熱するように配設されている。
放電ランプは、熱陰極形の蛍光ランプなどを用いることができる。蛍光ランプとしては、一般照明用、高周波点灯専用形、コンパクト形および電球形などの各種蛍光ランプが適応する。
調光信号発生手段DMは、操作に応じて所望の調光度の調光信号を発生して、制御手段CCに供給する。なお、調光信号発生手段DMは、放電ランプ点灯装置から離間した位置に配設してもよいし、放電ランプ点灯装置の内部に配設してもよい。
次に、図4ないし図6を参照して第1の形態における回路動作を説明する。
図4は、深調光時における放電ランプDLに印加される高周波電圧を示す波形図である。図において、上側の波形図はランプ電圧を示し、下側の波形図はランプ電流を示している。
ランプ電圧Vは、繰り返し間欠的に印加されるパルス状高周波電圧Vpと、パルス状高周波電圧Vpの間に印加される持続高周波電圧Vwとからなり、それらが交互に繰り返し印加される。図から明らかなように、パルス状高周波電圧Vpは波高値が高く、持続高周波電圧Vwは波高値が低い。
ランプ電流Iは、パルス状高周波電圧Vpが印加されている期間に、放電ランプDL内にアーク放電が生起するので、そのときに流れる主電流Iaと持続高周波電圧Vwの印加中に流れる微弱電流Iwとが交互に繰り返し流れる。その結果、放電ランプDLは、調光下限を超越した深調光状態の点灯を行うことができる。なお、図において、符号Tは、パルス状高周波電圧Vpの繰り返し周期を示している。
次に、図5を参照してパルス状高周波電圧Vpを形成するための手段を説明する。
図5は、共振回路の共振特性曲線と周波数の関係を示すグラフである。
共振回路の共振特性は、図中の実線に示すように周波数f0のときに共振が極大値(電圧が極端に高くなるため、図示を省略している。)となる。したがって、周波数f0は共振回路RCの共振周波数である。共振特性曲線の上記極大値から図において右側の領域が遅相側であり、放電ランプDLは遅相側の周波数で点灯されるように設定されている。
周波数f1は、比較的共振の程度が高い領域にあるので、インバータ回路INVの高周波電圧が共振によって上昇し、深調光時において、この上昇した電圧がパルス状高周波電圧として放電ランプDLに間欠的に繰り返し印加される。なお、周波数f1のときには、高周波電圧が十分に高くなるので、放電ランプDLは始動および再点弧が可能である。
周波数f2は、f1よりさらに高い周波数であり、共振の程度が弱い領域にあるので、放電ランプDLに印加される低圧高周波電圧Vwは低下する。このため、放電ランプDLは、周波数f2では再点弧不能であり、アーク放電は停止するものの、微少放電が生起するので、パルス状高周波電圧が印加されない間、図4に示すように微弱電流Iwが流れ続ける。
図5における共振回路は、図1におけるそれと同じなので、周波数f0、f1、f2は、共通している。したがって、図5と図1を比較参照すれば、図5において周波数f1とf2の間が安定領域であることを理解できる。
次に、図6を参照して制御手段CCのパルス状高周波電圧均一化手段の作用について説明する。
図6は、電源リップルとパルス状高周波電圧の関係を示す波形図である。図において、符号Vは電源リップルを含む直流電圧であり、符号Iは深調光時のランプ電流である。すなわち、パルス状高周波電圧の繰り返し周波数は、電源リップルの繰り返し周波数に同期し、かつ電源リップルの極小値の位相に同期して発生する。このため、パルス状高周波電圧の波高値が実質的に均一化されているので、その際に流れるランプ電流の波高値も実質的に均一化される。なお、図中の符号Tは、パルス状高周波電圧の繰り返し周期を示している。
次に、図7を参照して本発明の第2の形態について説明する。
図7は、本発明の放電ランプ点灯装置を実施するための第2の形態を示す回路図である。なお、図において、図3と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
本形態は、電源リップルに応じてパルス状高周波電圧の周波数を変化させることで、パルス状高周波電圧を均一化したものである。すなわち、電源リップル監視回路VRDおよびランプ電圧検出回路VLDを配設して、これらの検出値に応じて制御手段CCが駆動信号を周波数制御するように構成している。
さらに詳述すれば、電源リップル監視回路VRDは、インバータ回路INVの入力端における直流電圧を監視して電源リップルの波高値を検出して、制御手段CCに制御入力を与える。ランプ電圧検出回路VLDは、ランプ電圧および高周波電圧の周波数を検出して、制御手段CCに制御入力を与える。
制御手段CCは、電源リップル監視回路VRDおよびランプ電圧検出回路VLDからのそれぞれの制御入力に応じてパルス状高周波電圧発生時の駆動信号の繰り返し周波数を帰還制御により調整して、ランプ電圧が一定になるように制御する。この制御動作については、図2を参照すると、その△f1と△VLの関係が上記制御動作を示しているので、理解を助けるであろう。
BUC…昇圧チョッパ回路、C1…平滑コンデンサ、C2…直流カットコンデンサ、C3…共振コンデンサ、CC…制御手段、DL…放電ランプ、DM…調光信号発生手段、FBR…全波整流回路、FHC…フィラメント加熱回路、INV…インバータ回路、L1…インダクタ、LC…負荷回路、Q1、Q2…スイッチング素子、RC…共振回路
Claims (2)
- 交流電源電圧を整流平滑して電源リップルを含む直流電圧を出力する直流電源と;
直流電源から出力される直流電圧を入力して高周波電圧に変換するインバータ回路と;
インバータ回路からインバータ回路の出力端に接続される放電ランプに入力する高周波電力を低減させて放電ランプを調光点灯する調光手段と;
調光信号に対応した調光レベルで放電ランプを点灯するように調光手段を制御し、少なくとも深調光時にはパルス状高周波電圧を放電ランプに繰り返し印加するとともに、当該パルス状高周波電圧を電源リップルにかかわらず実質的に均一化するパルス状高周波電圧均一化手段を含んでいる制御手段と;
を具備していることを特徴とする放電ランプ点灯装置。 - パルス状高周波電圧均一化手段は、パルス状高周波電圧の発生位相を電源リップルの所定位相に同期させることで実質的に均一化することを特徴とする請求項1記載の放電ランプ点灯装置。
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JP2010155614A (ja) * | 2008-12-26 | 2010-07-15 | Kuraray Co Ltd | 紙容器 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090911 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20101202 |