JP2008233513A - 光変調器 - Google Patents

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Kenji Kono
健治 河野
Nobuhiro Igarashi
信弘 五十嵐
Eiji Kawamo
英司 川面
Yuji Sato
勇治 佐藤
Masaya Nanami
雅也 名波
Yasuji Uchida
靖二 内田
Satoshi Matsumoto
松本  聡
Toru Nakahira
中平  徹
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Abstract

【課題】安価で時間の経過に対して比較的変化の小さなドリフト特性を有するLN光変調器を提供する。
【解決手段】電気光学効果を有する基板と、基板に形成された光を導波するための光導波路と、光を変調するための電圧を印加する、基板の一方の面側に形成された中心導体及び接地導体からなる電極と、中心導体もしくは接地導体の少なくとも一方と光導波路の間に形成されたバッファ層とを具備し、光導波路が中心導体と接地導体との間に電圧を印加することにより光の位相を変調するための相互作用光導波路を有する光変調器において、バッファ層は、酸化物もしくは酸化物でないInをドーパントとして含むドーパント混合バッファ層と、周期律表の三から八族あるいは一b族と二b族に属する金属元素もしくはその酸化物、及びSi以外の半導体元素もしくはその酸化物のいずれをも含まないドーパント非混合バッファ層とを具備している。
【選択図】図2

Description

本発明は光変調器に係り、特に、高速で駆動電圧が低く、かつDCドリフトが小さく、製作の歩留まりが良い光変調器に関する。
周知のように、光変調器において、リチウムナイオベート(LiNbO)のように電界を印加することにより屈折率が変化する、いわゆる電気光学効果を有する基板(以下、リチウムナイオベート基板をLN基板と略す)に光導波路と進行波電極を形成した進行波電極型リチウムナイオベート光変調器(以下、LN光変調器と略す)は、その優れたチャーピング特性から2.5Gbit/s、10Gbit/sの大容量光伝送システムに適用されている。
このようなLN光変調器は、最近ではさらに40Gbit/sの超大容量光伝送システムにも適用が検討されており、大容量光伝送システムにおけるキーデバイスとして期待されている。
[第1の従来技術]
図17は、第1の従来技術によるz−カットLN基板を用いて構成したLN光変調器の構成を示す斜視図である。図18は、図17のA−A'における断面図である。
図中、1はz−カットLN基板(あるいは、LN基板)、2はSiOからなるバッファ層、3はTiを1050℃で約10時間熱拡散して形成した光導波路であり、マッハツェンダ干渉系(あるいは、マッハツェンダ光導波路)を構成している。5はLN光変調器の温度ドリフトを抑圧するためのSi導電層である。
なお、図中、3a、3bは電気信号と光が相互作用する部位(相互作用部という)における光導波路(あるいは、相互作用光導波路)、つまりマッハツェンダ光導波路の2本のアームであり、不図示のY分岐光導波路などによって光導波路3を分岐したものである。
また、図中、4は進行波電極であり、この進行波電極4としては、一例として1つの中心導体4aと2つの接地導体4b、4cを有するコプレーナウェーブガイド(CPW)を用いる場合について述べるが、その他の電極構造でも良い。
光導波路3を導波する光が進行波電極である金属(一般に、Auを用いる)から受ける吸収損を抑え、また中心導体4aと接地導体4b、4cからなる進行波電極4を導波する電気信号のマイクロ波等価屈折率(あるいは、進行波電極のマイクロ波等価屈折率)nを低減し相互作用光導波路3a、3bを導波する光の等価屈折率(あるいは、光導波路の等価屈折率)nに近づけ、さらに特性インピーダンスを極力50Ωに近づけるために、進行波電極4とz−カットLN基板1との間には、通常、400nm〜1μm程度の厚い酸化シリコンからなるバッファ層2が形成される。
ここでは、バッファ層2としては酸化シリコンの代表であるSiOを想定する。なお、SiOからなるバッファ層2の堆積に当たっては、一般にスパッタ装置が使用され、そのターゲット材料としては、Siや酸化シリコン、その中でも特にSiOが選択されることが多い。
なお、このバッファ層2は電気信号即ちマイクロ波の等価屈折率nを相互作用光導波路3a、3bを伝搬する光の等価屈折率nに近づけることにより、光変調帯域を拡大するという重要な働きをしている。
次に、このように構成されるLN光変調器の動作について説明すると、このLN光変調器を動作させるには、中心導体4aと接地導体4b、4c間に直流バイアス(以下、DCバイアスという)と高周波電気信号(以下、RF電気信号という)とを印加する必要がある。
図19に示す電圧−光出力特性において、実線の曲線はある状態でのLN光変調器の電圧−光出力特性であり、Vはその際のDCバイアス電圧である。
この図19に示すように、通常、DCバイアス電圧Vは光出力特性の山と底の中点に設定される。
一般に、中心導体4aと接地導体4b、4cとの間には通常5Vから10VのDCバイアス電圧が印加されるが、中心導体4aと接地導体4b、4cの間のギャップが通常10μmから40μm程度であることから、中心導体4aと接地導体4b、4cとの間には数100kV/mから1000kV/mもの高い電界が印加されることになる。
このように高い電界の下では、SiOなどのシリコン酸化物からなるバッファ層2内に誘起された電荷が移動する結果、図19において破線の曲線で示すように電圧−光出力特性が矢印で示す方向に変化してしまうため、DCバイアス電圧をVからV'のように設定変更する必要がある。
そして、LN光変調器の環境温度が一定の場合におけるこのDCバイアス電圧Vの変化がDCドリフトと呼ばれている。
次に、図17及び図18に示したz−カット基板LN光変調器の等価回路図を図20に示す。この図20を用いてDCドリフト現象について考察する。なお、図20では、図17及び図18に示したz−カット基板LN光変調器の対称性を考慮し、左半分のみについて表している。
ここで、C、Rは各々バッファ層2の等価的なキャパシタンスと電気的抵抗を、またCLN、RLNはそれぞれ相互作用光導波路3aを含むz−カットLN基板1の等価的なキャパシタンスと電気的抵抗を表している。
DCバイアス電圧Vが印加された瞬間における電圧の分配はバッファ層2のキャパシタンスCとLN基板1のキャパシタンスCLNにより決定される。つまり、中心導体4aと接地導体4b、4cの間に印加されたDCバイアス電圧をVとすると、相互作用光導波路3a、3bに印加される電圧VLN
LN=V・C/(C+2CLN) (1)
として与えられる。
ところが、時間が充分に経過すると、電圧の分配はSiOバッファ層2の電気的抵抗RとLN基板1の電気的抵抗RLNにより決定される。つまり、相互作用光導波路3a、3bに印加される電圧VLN
LN=V・RLN/(RLN+2R) (2)
となる。
さて、第1の従来技術のように相互作用光導波路3a、3bの上に形成するバッファ層の材料としてSiOを使用する場合には、バッファ層2の電気的抵抗RがLN基板1の電気的抵抗RLNよりも大きいので、印加したDCバイアス電圧Vのうちの多くがバッファ層2の電気的抵抗Rに加わってしまう。そのため、z−カットLN基板1の電気的抵抗RLNにおける電圧降下は時間の経過とともに急速に小さくなる。
つまり、この場合には、DCバイアス電圧Vを加えても、z−カットLN基板1の電気的抵抗RLNにはあまり印加されないことになり、相互作用光導波路3a、3bには大きな印加電圧を作用させることはできない。その結果、DCバイアス電圧Vとしてはより大きな値が必要になってくることになる。
この様子を図21に示す。ここで、DCドリフト量Sは
S=(V'−V)/V (3)
と定義した。ここで、VとV'は初期と時間経過後のDCバイアス電圧に対応する。また、SiOバッファ層2の厚みDは1.0μmとした。なお、この実験におけるLN光変調器の環境温度はDCドリフトを加速するために実際のシステムの環境温度よりも大幅に高い100℃とした。この第1の従来技術を説明する図21のように経過時間とともにDCドリフト量Sが大きくなり続ける現象を正のDCドリフト(あるいは、簡単に正のドリフト)と呼んでいる。
この設定変更されたDCバイアス電圧V'が電気制御回路により制御できる範囲を超える場合には電気的に制御不可能となり、LN光変調器としての寿命が尽きたことに対応する。これは図21において、DCドリフト量Sが例えば100%になった時をLN光変調器の寿命と定義すると、図中の時間Tが寿命となる。
光通信システムでは、このTは装置が使用される環境温度において20年あるいは25年といった長い寿命が要求される。そのため、このDCドリフトを低減することはLN光変調器を光通信システムにおいて使用する上で、極めて重要となる。
[第2の従来技術]
このDCドリフトを解決するために、z−カットLN基板を使用するLN光変調器について特許文献1として提案された技術を第2の従来技術として説明する。
この第2の従来技術では、第1の従来技術で使用した絶縁体であるSiOからなるバッファ層2にやや導電性のある酸化インジウム(In)や酸化チタン(TiO)、あるいは酸化錫(SnO)などの金属の酸化物をドーピングすることにより、SiO単体の場合よりもバッファ層の抵抗値が小さくなるように、さらには最適な値となるように調整しようとするものである。
図22にはこの第2の従来技術に基づくLN光変調器を製作する際にバッファ層を堆積するスパッタ装置のチャンバー部について、その横断面図を示す。図中、6は真空チャンバー、7はz−カットLNウェーハ8を保持しつつ回転するドラム、9はSiOターゲット、10はInターゲット、11はTiOターゲット、12はSnOターゲットである。
なお、Inターゲット10は金属であるインジウム(In)を、TiOターゲット11は金属であるチタン(Ti)を、SnOターゲット12は金属である錫(Sn)を酸化させた後に成形する工程を経て製造される。いずれのターゲットも酸化物とはいえある程度の導電性を有している。
このスパッタ装置を使用して、実際にLN光変調器を製作するに当たっては、スパッタ装置の真空チャンバー6内においてガスプラズマを発生させることにより、回転するドラム7に固定したz−カットLNウェーハ8の上に、SiOターゲット9からはSiOを、Inターゲット10からはInを、TiOターゲット11からはTiOを、SnOターゲット12からはSnOを堆積させる。
こうして製作したLN光変調器の一例を図23に示す。ここで、図18に示した第1の従来技術ではSiOで構成されるバッファ層2が使用されているが、図23に示すこの第2の従来技術では、SiO層14と導電性を有する酸化物であるIn層15とが積層された導電性酸化物混合バッファ層13が使用されている。
つまり、この第2の従来技術では相互作用光導波路3a、3bと、中心導体4a、接地導体4b、4c、及びSi導電層5の間にあるバッファ層全体が導電性酸化物混合バッファ層13により構成されている。
なお、ここでは導電性酸化物混合バッファ層13を成膜するに当たって、SiOターゲット9とInターゲット10の2つを使用する場合について説明したが、TiOターゲット11やSnOターゲット12、あるいはこれらを組み合わせて使用しても良い。
ここで、第1の従来技術として示した図20に対応する等価回路を図24に記す。導電性酸化物混合バッファ層13の等価的なキャパシタンスと電気的抵抗を各々C'、R'とする。第2の従来技術における第1の従来技術からの大きな変更点は、第2の従来技術における導電性酸化物混合バッファ層13の等価的な電気的抵抗R'が第1の従来技術におけるSiOからなるバッファ層2の等価的な電気的抵抗Rに比べて小さいことである。つまり、
'<R (4)
とした点である。
さらに、その抵抗値R'も次に述べるようにLN光変調器の信頼性の観点から有利なDCドリフト特性となるように最適化されている。なお、正確にはキャパシタンスC'も第1の従来技術のキャパシタンスCと異なってはいるが、ここでは主要な働きをする電気的抵抗R'とRに着目して議論している。
この第2の従来技術のDCドリフト特性(DCドリフト量S)を図25に示す。ここで、LN光変調器の環境温度は図21の場合と同じく100℃とした。図21に示した第1の従来技術と比較して、DCドリフト特性は大幅に改善されていることがわかる。さらに、この第2の従来技術では、初期の経過時間(日数)の領域(図25においてIとして示した領域)ではDCドリフト量Sの時間に関する微係数が負となっている。なお、この第2の従来技術では領域I以外においては正のドリフトが生じている。
なお、ここでは、そのInをバッファ層全体に対して6mol%含有させることにより、大きな負のドリフトを実現している。
このようにDCドリフト量Sの時間に関する微係数が負になる現象を負のDCドリフト(あるいは、簡単に負のドリフト)と呼んでいる。負のドリフトが生じる場合には、印加したDCバイアス電圧は時間の経過とともに、まずその符号が反対の電圧に向かって大きく変化し、その後初期に印加したDCバイアス電圧の符号の方向に大きくなる。つまり、最初にプラスのDCバイアス電圧を印加した場合には、DCバイアス電圧はまずマイナスに向かって大きく減少し、その後、プラス方向への増加に転ずる。逆に、最初にマイナスのDCバイアス電圧を印加した場合には、DCバイアス電圧はまずプラスに向かって大きく増加し、その後、マイナス方向にその絶対値が大きくなる。なお金属Inの酸化物であるInを用いると大きな負のドリフトが発生することが知られている。これまで大きな負のドリフトが好ましいと考えられ、その実現に注力されてきた。
さて図25において領域Iとして示した時間経過の初期における大きな負のドリフトはその後に始まる長期的なDCドリフトに対して極めて有利になると特許文献1には述べられている。
つまり、特許文献1の狙いは、まず、特許文献1の図16、図18、あるいは図19などに示されているように、バッファ層全体に金属の酸化物などの不純物をドーピングして、なるべく大きな負のドリフトを生じさせることにより、一旦急激に減少したDCバイアス電圧が上昇に転ずる電圧をなるべく低くする。次に、特許文献1の図18や図19などに示され、また特許文献1の図20、図22などから推測されるように、DCバイアス電圧が初期値に戻るまでの時間をできる限り長くすることにより、LN光変調器の寿命となるDCバイアス電圧までの時間を稼ごうとするものである。
DCバイアス電圧が大きく変化するために、トランスポンダの中の制御回路としては広い範囲の電圧の制御を行う必要があることと、その変化が激しい場合にはDCバイアス電圧制御のロックが外れることもあり、実際には制御回路の観点からあまり望ましくない。また、特に短い時間において微細な測定を行う必要がある測定器用のLN光変調器としては特に好ましくない。
また、スパッタ装置用のターゲットとしては図22に示したようなドラム式でない場合には、例えば上面図として図26に示す構造のターゲットを用いる場合もある。なお、図27には図26のC−C'における断面図を示す。このスパッタ装置用のターゲットではSiO16の中に、酸化物であるInペレット17が埋め込まれている。
なお、SiOターゲット9を用いて堆積するSiOへのドーパントを生成するために、Inターゲット10、TiOターゲット11、SnOターゲット12のような金属の酸化物を使用している。
例えば、DCドリフト抑圧に特に有効なInターゲット10を用いる場合、元々金属として高価なInをさらに酸化させたInを成形してInターゲット10を製作する。
この酸化させる工程と酸化物を成形する工程のためにInターゲット10はスパッタ装置用のターゲットとしてより一層高価となっている。また、Inは金属であるInと比較して導電率が小さいので、バッファ層を所望の抵抗率に設定する際にInの使用量が多くなる。この2点がLN光変調器のコスト上昇をもたらす一因となっている。
さらに、TiOやSnOなどをターゲット材料として使用する場合についても、それぞれ金属であるTiやSnを酸化する工程と得られた酸化物を成形する工程が必要であるため、やはりスパッタ装置用ターゲットとしてのコストを上昇させてしまい、その結果、LN光変調器のコストを高くしている。
このようにバッファ層形成に使用するターゲットが高価であること、高価なドーパントをバッファ層全体にドーピングするためにドーパントの使用量が多いことが、LN光変調器のコストを上昇させる要因となっている。
図28には図23に示した第2の従来技術の導電性酸化物混合バッファ層13へドーピングしたドーパントInの濃度を変数とした場合における相互作用光導波路3a、3bを伝搬する光の伝搬損失の測定結果を示す。図からわかるように、ドーパントInは酸化物とはいえ、元々は金属である。そのため、光の伝搬損失はドーパントInのドーピング濃度に大きく依存しており、ドーピング量が増えると光の伝搬損失は著しく大きくなることがわかる。
一般に、光導波路3の全長(つまりz−カットLN基板1の全長)は7cmから8cm程度と長いので、伝搬損失が例えば0.1dB/cm程度の増加であっても、LN光変調器としての全挿入損失は0.7dBから0.8dBと約1dB程度も増えてしまう。そのため、LN光変調器としての挿入損失を小さくしたい用途の場合には伝搬損失の増加を極力抑える必要がある。
さて、SiOの比誘電率は実数であり、虚部は無視できるほどに充分小さい。一方、ドーパントInはある程度の導電性を持っているので、ドーパントInをドーピングした導電性酸化物混合バッファ層13の比誘電率ε は以下のように複素数となる。
ε = Re(ε )−j・Im(ε ) (5)
ここで、Re(ε )は複素比誘電率ε の実部であり、Im(ε )は複素比誘電率ε の虚部である。なお、jは純虚数を表している。
一般に、導電性媒質の複素比誘電率ε の虚部は複素比誘電率ε の実部よりも大きくなる。そして、ドーパントInを導電性酸化物混合バッファ層13にドーピングした場合も、その導電性が高くなるにつれて導電性酸化物混合バッファ層13の複素比誘電率ε の虚部Im(ε )の値は複素比誘電率ε の実部の値Re(ε )(約4)よりも大きくなる。そのため、ドーパントInのドーピング濃度が高くなるにつれて高周波電気信号のマイクロ波等価屈折率nが光の等価屈折率nよりも大きくなる。その結果、高周波電気信号と光との速度の差が拡大する。さらに高周波電気信号の伝搬損失も増加し、これらのことから光変調帯域が劣化してしまう。
この現象を説明するために、図29には図23に示した第2の従来技術の導電性酸化物混合バッファ層13へドーピングしたドーパントInのドーピング濃度を変数とした場合における光変調帯域の測定結果を示す。図からわかるように、導電性酸化物混合バッファ層13へドーピングしたドーパントInの濃度が高くなると高周波電気信号と光の速度不整合、及び高周波電気信号の伝搬損失のために、光変調帯域が劣化していることがわかる。従って、LN光変調器としての光変調帯域を確保したい用途の場合には、高周波電気信号のマイクロ波等価屈折率と高周波電気信号の伝搬損失の増加を極力抑える必要がある。
特開平5−257105号公報
以上のように、第2の従来技術により第1の従来技術と比較してDCドリフトは改善できたが、大きな負のドリフト現象が生じるとDCバイアス電圧が大きく変化するため、トランスポンダの中の制御回路としては広い範囲の電圧の制御を行う必要がある。このことは制御回路の観点から望ましくない。特に負のドリフト現象が激しい場合には、制御回路が追従できずにDCバイアス点のロックが外れるという問題もあった。また、特に短い時間において微細な測定を行う必要がある測定器用のLN光変調器としては特に好ましくなかった。つまり、時間の経過とともにDCバイアス電圧があまり変わらないz−カットLN光変調器はこれまで開発されていなかった。また、高価であるとともに光と高周波電気信号の吸収損失があり、かつ高周波電気信号の等価屈折率を高くするという悪影響を有する複素誘電率の虚部が大きな金属酸化物をバッファ層全体にドーピングしていたので、LN光変調器のコストを上昇させる、光の挿入損失が増える、さらには光変調帯域が劣化するなどの問題もあった。
そこで、本発明は、以上のような従来技術の問題点を解消することにより、安価で時間の経過に対して比較的変化の小さなドリフト特性を有するLN光変調器を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の光変調器は、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光を導波するための光導波路と、前記光を変調するための電圧を印加する、前記基板の一方の面側に形成された中心導体及び接地導体からなる電極と、前記中心導体もしくは前記接地導体の少なくとも一方と前記光導波路の間に形成されたバッファ層とを具備し、前記光導波路が前記中心導体と前記接地導体との間に前記電圧を印加することにより前記光の位相を変調するための相互作用光導波路を有する光変調器において、前記バッファ層は、酸化物もしくは酸化物でないインジウム、酸化物もしくは酸化物でないチタン、及び酸化物もしくは酸化物でない錫の少なくとも1つをドーパントとして含むドーパント混合バッファ層と、周期律表の三から八族あるいは一b族と二b族に属する金属元素もしくはその酸化物、及びSi以外の半導体元素もしくはその酸化物のいずれをも含まないドーパント非混合バッファ層とを具備していることを特徴とする。
本発明の請求項2の光変調器は、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光を導波するための光導波路と、前記光を変調するための電圧を印加する、前記基板の一方の面側に形成された中心導体及び接地導体からなる電極と、前記中心導体もしくは前記接地導体の少なくとも一方と前記光導波路の間に形成されたバッファ層とを具備し、前記光導波路が前記中心導体と前記接地導体との間に前記電圧を印加することにより前記光の位相を変調するための相互作用光導波路を有する光変調器において、前記バッファ層は、酸化物もしくは酸化物でないゲルマニウム、酸化物もしくは酸化物でないアルミニウムの少なくとも1つをドーパントとして含むドーパント混合バッファ層と、周期律表の三から八族あるいは一b族と二b族に属する金属元素もしくはその酸化物、及びSi以外の半導体元素もしくはその酸化物のいずれをも含まないドーパント非混合バッファ層とを具備していることを特徴とする。
本発明の請求項3の光変調器は、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光を導波するための光導波路と、前記光を変調するための電圧を印加する、前記基板の一方の面側に形成された中心導体及び接地導体からなる電極と、前記中心導体もしくは前記接地導体の少なくとも一方と前記光導波路の間に形成されたバッファ層とを具備し、前記光導波路が前記中心導体と前記接地導体との間に前記電圧を印加することにより前記光の位相を変調するための相互作用光導波路を有する光変調器において、前記バッファ層は、周期律表の三から八族あるいは一b族と二b族に属する金属元素もしくはその酸化物、もしくはSi以外の半導体元素もしくはその酸化物の少なくとも1つをドーパントとして含むドーパント混合バッファ層と、周期律表の三から八族あるいは一b族と二b族に属する金属元素もしくはその酸化物、及びSi以外の半導体元素もしくはその酸化物のいずれをも含まないドーパント非混合バッファ層とを具備していることを特徴とする。
本発明の請求項4の光変調器は、前記電極に電圧を印加してからの初期の時間経過において、負のDCドリフトを実用上有さないことを特徴とする。
本発明の請求項5の光変調器は、前記バッファ層は前記基板の側から前記ドーパント混合バッファ層、前記ドーパント非混合バッファ層の順で積層されていることを特徴とする。
本発明の請求項6の光変調器は、前記バッファ層は前記基板の側から前記ドーパント非混合バッファ層、前記ドーパント混合バッファ層の順で積層されていることを特徴とする。
本発明の請求項7の光変調器は、前記バッファ層を構成する前記ドーパント混合バッファ層の層数と前記ドーパント非混合バッファ層の層数との和が3以上であることを特徴とする。
本発明の請求項8の光変調器は、前記ドーパント非混合バッファ層の厚みが前記ドーパント混合バッファ層の厚みより厚いことを特徴とする。
本発明の請求項9の光変調器は、前記ドーパント非混合バッファ層の厚みと前記ドーパント混合バッファ層の厚みとがほぼ等しいことを特徴とする。
本発明の請求項10の光変調器は、前記ドーパント非混合バッファ層の厚みが前記ドーパント混合バッファ層の厚みより薄いことを特徴とする。
本発明の請求項11の光変調器は、前記ドーパント非混合バッファ層の厚みが前記バッファ層の厚みの10%より薄いことを特徴とする。
本発明の請求項12の光変調器は、前記ドーパント非混合バッファ層の厚みが前記バッファ層の厚みの20%より薄いことを特徴とする。
本発明の請求項13の光変調器は、前記ドーパント非混合バッファ層の厚みが前記バッファ層の厚みの30%より薄いことを特徴とする。
本発明の請求項14の光変調器は、前記ドーパント混合バッファ層が主として酸化シリコンを含み、かつ前記ドーパント非混合バッファ層が酸化シリコンであることを特徴とする。
本発明の請求項15の光変調器は、前記ドーパント混合バッファ層に含まれる酸化シリコンの組成と前記ドーパント非混合バッファ層を構成する酸化シリコンの組成とが同じであることを特徴とする。
本発明の請求項16の光変調器は、前記ドーパント混合バッファ層に含まれる酸化シリコンの組成と前記ドーパント非混合バッファ層を構成する酸化シリコンの組成とが異なることを特徴とする。
本発明の請求項17の光変調器は、前記ドーパント混合バッファ層が主として酸化シリコンを含むか、もしくは前記ドーパント非混合バッファ層が酸化シリコンであることを特徴とする。
本発明の請求項18の光変調器は、前記酸化シリコンの組成はSiOx(0<x<2.5)であることを特徴とする。
本発明の請求項19の光変調器は、前記ドーパント混合バッファ層が酸化シリコンを含まず、かつ前記ドーパント非混合バッファ層が酸化シリコン以外からなることを特徴とする。
本発明の請求項20の光変調器は、前記ドーパント非混合バッファ層の電気的抵抗が前記ドーパント混合バッファ層の電気的抵抗よりも低いことを特徴とする。
本発明の請求項21の光変調器は、前記ドーパント非混合バッファ層の電気的抵抗が前記ドーパント混合バッファ層の電気的抵抗よりも高いことを特徴とする。
本発明に係る光変調器では、バッファ層全体がドーパントを含む特許文献1と異なり、ドーパントを含まないドーパント非混合バッファ層とドーパントを含むドーパント混合バッファ層とを合わせ持つことにより、特に初期における時間の経過に対して比較的変化の小さなドリフト特性を実現できる。このような時間の経過に対して比較的変化の小さなドリフト特性は本発明のように、バッファ層にドーパントを含むドーパント混合バッファ層とバッファ層にドーパントを含まないドーパント非混合バッファ層をもつ多層からなるバッファ層により初めて実現できた。また、バッファ層の一部にのみある程度の導電性を有するドーパントをドーピングするので、従来技術と比較して使用する高価なドーパントの量が少なくて済む。従って、バッファ層の形成が安価に済むため、時間の経過に対して比較的変化の小さなドリフト特性を実現しつつ光変調器のコストを低減することができる。また、光変調器として光の挿入損失を小さくする、光変調帯域を確保する、あるいは光の挿入損失を小さくしつつ、かつ光変調帯域も確保するなど、ドーピングしたバッファ層の位置や構成により使用目的に応じた光変調器を実現できる。さらに、選択する構造によっては、ドーパントに起因する光の挿入損失の増加、光変調帯域の劣化を同時に抑えることができる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、図17乃至図29に示した従来技術と同一の符号は同一機能部に対応しているため、ここでは同一の符号を持つ機能部の説明を省略する。
[第1の実施形態]
図1に本発明のLN光変調器を製作する際にバッファ層を堆積するスパッタ装置のチャンバー部についての横断面図を示す。基本構造は第2の従来技術の説明で示した図22と同様であり、6は真空チャンバー、7はz−カットLNウェーハ8を保持しつつ回転するドラム、9はSiOターゲット、20はSiOターゲットである。
バッファ層へのドーパントを生成するためのターゲットとして、図22に示したようなInターゲット10やTiOターゲット11など金属の酸化物をターゲットとして用いる第2の従来技術とは異なり、本発明においてはInターゲット18、Tiターゲット19のように、酸化物ではない金属あるいはSi以外の半導体の元素からなるターゲットを使用した。
製作したLN光変調器の一例を本発明の第1の実施形態として図2に示す。本実施形態のLN光変調器の製造工程を以下に簡単に述べる。
(1)光導波路の製作
LN光変調器の通常の製造工程を通して、図17で示したようにz−カットLN基板1に光導波路3を形成する。
(2)バッファ層の堆積
次の製造工程として、図1で説明したスパッタ装置を使用して光導波路3の上にバッファ層を形成するが、図2に示すようにこのバッファ層は大きく分けて2つの層から構成されている。つまり、光導波路3の上にまず第1の層として金属酸化物や金属などのドーパントを含むドーパント混合バッファ層21を形成した後に、第2の層として第1の層において使用する金属酸化物や金属などのドーパントを含まず、シリコンの酸化物であるSiO層29からなるドーパント非混合バッファ層22を堆積している。
ドーパント混合バッファ層21の堆積では、スパッタ装置の真空チャンバー6内において、酸素(O)もしくはOを含むガスプラズマ(以下、Oガスプラズマと省略する)を発生させることにより、回転するドラム7に固定したz−カットLNウェーハ8の上にSiOターゲット9からはSiO層30を、Inターゲット18からはIn層31を堆積させる。なお、この時、Arなど、酸素を含まないガスプラズマ(以下、Arガスプラズマと省略する)により堆積させると、SiOターゲット9からはSiO層30が堆積されるが、Inターゲット18により堆積されるIn層31の中のInに金属Inが含有されている場合には、少ないInターゲット18の消費量にも関わらず、ドーパント混合バッファ層21としてより高い導電性を実現することができる。
次に、ドーパント混合バッファ層21の上にInやInなどのドーパントを含まず、それ単体としてもバッファ層となり得る材料であるSiO層29を用いてドーパント非混合バッファ層22を堆積させる。つまり、本発明の構造はバッファ層全体にドーパントを混合させる特許文献1とは大きく異なっている。
(3)バッファ層のアニール
上記(2)で形成したドーパント混合バッファ層21とドーパント非混合バッファ層22の2つの層からなるバッファ層の各々の密度を上げるためや酸化させるために、数100度の温度で数時間アニールを行う。なお、その際にドーパント混合バッファ層21の中に酸化物でない、即ち金属Inの成分を多く残すにはArやNなどOを含まないガスを流しながらアニールをすれば良い。
(4)Si導電層の堆積と電極の形成
LN光変調器の通常の製造工程を通して、図17で示したように温度ドリフト対策用のSi導電層5を堆積した後に、進行波電極4を形成する。
図23に示した第2の従来技術ではSiO層14と導電性を有する酸化物であるIn層15とが積層された導電性酸化物混合バッファ層13がバッファ層の全体に使用されていた。
一方、図2に示す本発明の第1の実施形態では大きく分けて、SiO層30と金属の酸化物であるIn層31からなるドーパント混合バッファ層21と、高価な金属や酸化物からなるドーパントを含まないSiO層30からなるドーパント非混合バッファ層22の2つの層から構成されている。
なお、ドーパント混合バッファ層21を構成するSiO層30とIn層31(あるいはこの中に金属Inが含まれていても良い)の厚みは今回の試作では1nmから0.3μm程度であったが、これらの範囲以外の厚みでも良い。
なお、ここではドーパント混合バッファ層21とドーパント非混合バッファ層22を成膜するに当たって、SiOターゲット9とInターゲット18の2つを使用する場合について説明したが、この他にTiターゲット19を用いても良いし、あるいはこれらを組み合わせて使用しても良いことは言うまでもないし、このことは以下の議論においても成り立つ。
ここで、本実施形態の等価回路を図3に記す。ここで、ドーパント混合バッファ層21の等価的なキャパシタンスと電気的抵抗を各々C''、R''、ドーパント非混合バッファ層22の等価的なキャパシタンスと電気的抵抗を各々C'''、R'''とする。
図24に示した第2の従来技術と同様に、第1の従来技術と本実施形態との大きな差異は、本実施形態におけるドーパント混合バッファ層21の等価的な電気的抵抗R''とドーパント非混合バッファ層22の等価的な電気的抵抗R'''の和であるR''+R'''が第1の従来技術におけるSiOからなるバッファ層2の等価的な電気的抵抗Rに比べて小さい、つまり、
''+R'''<R (6)
となることである。
換言すると、ドーパント混合バッファ層21とドーパント非混合バッファ層22からなるバッファ層全体における電圧降下は第1の従来技術におけるSiOからなるバッファ層2における電圧降下よりも小さいので、DCドリフトを著しく改善できる。さらに、ドーパント混合バッファ層21とドーパント非混合バッファ層22により、中心導体4a、接地導体4b、4cなどの金属により光が著しく吸収されることを防ぎつつ、かつ高周波電気信号のマイクロ波等価屈折率nを低減している。
次に、図3に示したドーパント混合バッファ層21の厚みD21とドーパント非混合バッファ層22の厚みD22について考える。なお、ドーパント混合バッファ層21とドーパント非混合バッファ層22からなるバッファ層全体の厚みをDtot(=D21+D22)とする。
さて、ドーパント非混合バッファ層22と比較して、ドーパント混合バッファ層21に含まれる金属の酸化物(In)は、DCドリフトについては有利ではあるものの、酸化物とはいえ酸化する前は金属であるからある程度は光を吸収する。
図4には、バッファ層全体の厚みDtotが約1μmの場合において、ドーパント非混合バッファ層22の厚みD22と、ドーパント混合バッファ層21とドーパント非混合バッファ層22からなるバッファ層全体の厚みDtotとの比(D22/Dtot)を変数とした場合の相互作用光導波路3a、3bを伝搬する光の伝搬損失の測定結果を示す。
相互作用光導波路3a、3bを伝搬する光はドーパント混合バッファ層21とドーパント非混合バッファ層22からなるバッファ層内にも染み出している。そのため、図4からわかるように、バッファ層全体の厚みDtotを一定とすると、ドーパント非混合バッファ層22の厚みD22が薄い(つまり、ドーパント混合バッファ層21の厚みD21が厚い)と光の伝搬損失は大きくなり、逆に、ドーパント非混合バッファ層22の厚みD22が厚い(つまり、ドーパント混合バッファ層21の厚みD21が薄い)と光の伝搬損失は小さくなる。
図5には図4と同じ厚みの場合において、ドーパント非混合バッファ層22の厚みD22と、バッファ層全体の厚みDtotとの比(D22/Dtot)を変数とした場合の光変調帯域の測定結果を示す。
(5)式を用いて説明したように、ドーパントIn(あるいは金属In)をドーピングすることにより、導電性を持ったドーパント混合バッファ層21の比誘電率は複素比誘電率ε となり、その虚部Im(ε )は実部Re(ε )よりも大きくなる。
従って、図5において、バッファ層全体の厚みDtotを一定とすると、ドーパント非混合バッファ層22の厚みD22が薄い(つまり、ドーパント混合バッファ層21の厚みD21が厚い)と高周波電気信号のマイクロ波等価屈折率nが大きくなるので、高周波電気信号と光との速度不整合、及び高周波電気信号の伝搬損失が大きくなり、その結果、光変調帯域は劣化する。一方、ドーパント非混合バッファ層22の厚みD22が厚い(つまり、ドーパント混合バッファ層21の厚みD21が薄い)と高周波電気信号のマイクロ波等価屈折率nが小さくなるので、高周波電気信号と光との速度不整合が減少する。また高周波電気信号の伝搬損失も小さくなるので、その結果、光変調帯域は広くなる。
換言すると、ドーパントIn(あるいは金属In)をバッファ層全体にドーピングした場合には、ドーパント混合バッファ層21の複素比誘電率ε の虚部Im(ε )は実部Re(ε )よりも大きくなるので、光変調帯域の観点からは不利となる。
従って光変調帯域の観点からはドーパントIn(あるいは金属In)はバッファ層の一部であるドーパント混合バッファ層21にのみドーピングした方が好ましい。
なお、ドーパント混合バッファ層21を構成する酸化シリコンの組成とドーパント非混合バッファ層22を構成する酸化シリコンの組成は、各々SiOとSiO、あるいはSiO(0<x<2)とSiO(0<x<2)の組み合わせのように同じであっても良いし、SiOとSiO(0<x<2)、あるいはその逆の組み合わせように異なっていても良い。つまり、例えば、本発明の第1の実施形態については、ドーパント混合バッファ層21とドーパント非混合バッファ層22を構成する酸化シリコンは各々SiOとSiO(0<x<2)であるが、両方をSiO(0<x<2)としても良いし、両方をSiOとしても良い。また、どちらか一方をSiO(0<x<2)、あるいはSiOとしても良い。このことは、本発明の全ての実施形態について言える。
図6には、図4と同じ厚みの場合において、ドーパント非混合バッファ層22の厚みD22と、バッファ層全体の厚みDtotとの比(D22/Dtot)を変数とした場合のドーパント混合バッファ層21の等価的な電気的抵抗R''とドーパント非混合バッファ層22の等価的な電気的抵抗R'''の和R''+R'''を示す。図からわかるように、バッファ層全体の厚みDtotを一定とすると、ドーパント非混合バッファ層22の厚みD22が薄い(つまり、ドーパント混合バッファ層21の厚みD21が厚い)と電気的抵抗の和R''+R'''は小さく、逆にドーパント非混合バッファ層22の厚みD22が厚い(つまり、ドーパント混合バッファ層21の厚みD21が薄い)と電気的抵抗の和R''+R'''は大きくなる。
つまり、図4と図6からわかるように、光の伝搬損失の観点からはドーパント非混合バッファ層22の厚みD22は厚い方が望ましいが、DCドリフトを抑えるためにバッファ層の電気的抵抗を下げるという観点からはドーパント非混合バッファ層22の厚みD22は薄い方が望ましい。そして、図5からわかるようにドーパント非混合バッファ層22の厚みD22が薄くなると光変調帯域が劣化する。
従って、ドーパント混合バッファ層21とドーパント非混合バッファ層22の厚みの決定に当たっては、所望の光の挿入損失、光変調帯域、及び、後述するLN光変調器を適用する光伝送システムにおいて許容できるDCドリフト量から、ドーパント混合バッファ層(ドーパント非混合バッファ層)の厚みをバッファ層全体の厚みの半分よりも厚くする(薄く)、半分とする、あるいは半分よりも薄く(厚く)するなどと決定する必要がある。このことは本発明の全ての実施形態に対して成り立つことである。
なお、ドーパント混合バッファ層21に金属Inが含まれるように製造することにより、少ないドーピング量の金属Inを用いてバッファ層としての電気的抵抗を有効に下げることが可能となる。本発明では、金属の酸化物であるInのドーパントをバッファ層の一部にのみドーピングしているので、Inターゲット18の消費量は少なくて済むが、金属Inを用いることによりInターゲット18の消費量を抑えることがいっそう可能となる。
なお、正確にはドーパント混合バッファ層21の等価的なキャパシタンスC''とドーパント非混合バッファ層22の等価的キャパシタンスC'''の和、つまりC''・C'''/(C''+C''')も第1の従来技術のキャパシタンスCとは異なっているが、ここでは主要な働きをする電気的抵抗R''、R'''とRに着目して議論している。
本発明に基づく第1の実施形態についてその一例を述べる。この実施形態の製作に当たって、ドーパント混合バッファ層21のドーパント生成においてはInターゲット18を使用した。このInターゲット18のスパッタ時において、ドーパント混合バッファ層21とドーパント非混合バッファ層22を堆積する際にはOガスプラズマを用いた(なお、ドーパント混合バッファ層21に金属Inもドーパントとして残す場合にはArガスプラズマを用いた)。
ドーパント混合バッファ層21にはInを6mol%ドーピングした(なお、酸化物Inと導電性の高い金属Inにより同じDCドリフト抑圧効果を得るには、ドーパント混合バッファ層21にわずか0.24〜1mol%程度をドーピングすれば良かった)。
また、ドーパント混合バッファ層21とドーパント非混合バッファ層22のアニール条件は、Oガスを用いて、700℃、1時間とした(なお、ドーパント混合バッファ層21に金属Inをドーピングし、アニール後も金属Inを残すには金属としての酸化を防ぐために、Arあるいは窒素(N)ガスを用いれば良い)。
なお、この実施形態の一例では、ドーパント混合バッファ層21へのドーパントとしてはIn(あるいはIn)を用いたが、TiO(Ti)やSnO(あるいはSn)など他の金属をドーパントとして用いても良いし、In(あるいはIn)とそれらを組み合わせてドーピングしても良い。
ここで中心導体4aの幅は12μmで接地導体4b、4cとのギャップは15μmとした。ドーパント混合バッファ層21の厚みD21とドーパント非混合バッファ層22の厚みD22は各々0.6μm、0.4μmとした(Dtot=1.0μm)。以上の条件により製作した実施形態についてDCドリフト特性(DCドリフト量S)を測定した。
図7に示す本実施形態では、バッファ層を2分割するとともに、ドーパント混合バッファ層21とドーパント非混合バッファ層22とを積層させている。このように、本発明の狙いは、バッファ層全体にドーパントを混合し、時間経過の初期において大きな負のドリフトを起こさせる第2の従来技術と全く異なり、図7の中に領域IIと示したような時間経過に対してフラットなDCドリフト特性を得ることであり、こうした時間経過に対してフラットなDCドリフト特性は第2の従来技術では決して得ることができない特性である。なお、図2においてSiO層30の厚みも初期の時間経過におけるDCドリフト特性に影響を与えるので、ここではドーパント非混合バッファ層22の厚みとともにSiO層30の厚みを適切に設定した。
つまり、本発明では、第2の従来技術のように初期における大きな負のドリフトを発生させることにより、DCバイアス電圧についてのLN光変調器の寿命を稼ぐという概念は全くないので、初期の時間経過においてLN光変調器の寿命を延ばすことのできる負のドリフトを発生させる必要は完全にない。従って、負のドリフトは実用上あるいは全く発生せず、時間の経過に対してフラットなDCドリフト特性を実現できる。従って、DCバイアス電圧の制御という観点から、トランスポンダの中の制御回路にとって追従しやすく、また特に短い時間において微細な測定を行う必要がある測定器にも大変扱いやすいLN光変調器を提供できる。ここで、負のDCドリフトを実用上有さないとは、通常25年という長い期間で使用されるLN光変調器について、その寿命を延ばすという観点からの負のドリフトが存在しないということである。
なお、LN光変調器の環境温度は図21や図25の場合と同じく100℃とした。LN光変調器の寿命Tは図21に示した第1の従来技術と比較して、極めて改善されており、また図25に示した第2の従来技術と遜色ない実用上充分な信頼性を確保できている。
なお、本実施形態を含む本発明の全ての実施形態においては、導電性のあるドーパントをバッファ層の一部にのみドーピングしている。そして、ドーパント非混合バッファ層もバッファ層としての重要な機能を果たしているので、バッファ層全体としての厚みはドーパント混合バッファ層の厚みとドーパント非混合バッファ層の厚みの総和となる。
なお、前述のように、ドーパント混合バッファ層21に金属酸化物Inの代わりに金属Inが少ない量でドーピングされている場合でも、金属Inの導電性が高いためDCドリフト抑圧の効果が著しいことを確認している。
各バッファ層の厚みについてさらに詳細に検討する。前述のように、ドーパント混合バッファ層21とドーパント非混合バッファ層22の厚みの決定に当たっては、所望の光の挿入損失、光変調帯域、及び、LN光変調器を適用する光伝送システムにおいて大きな負や正のドリフトが生じないように決定する必要がある。
そして、フラットなDCドリフト特性を実現するには、ドーパント非混合バッファ層22の材料と、ドーパント混合バッファ層21のドーピング量、及びドーパント混合バッファ層21とドーパント非混合バッファ層22の厚みの比が重要なファクタとなる。従って、本発明のこの特徴は単一の種類のバッファ層では実現し得ないものである。そして、バッファ層全体の厚みDtotに対するドーパント非混合バッファ層22の厚みD22の比(Dtot=D21+D22であるので、D22/Dtotとして定義)には最適値が有り、それはドーパント混合バッファ層21とドーパント非混合バッファ層22の種々の組み合わせにより決定される。従って、0<D22/Dtot<0.5、D22/Dtot=0.5、あるいは0.5<D22/Dtot<1の各種の厚みを設定できる。
また、ドーパント非混合バッファ層22としてSiOを使用した場合、材料の特性を決定するxによりLN光変調器としてのDCドリフト特性を調整することができる。そのため、ドーパント非混合バッファ層22を構成する材料によっては、その厚みが薄くてもフラットなDCドリフト特性を実現することができる。従って、この場合には、0<D22/Dtot<0.1、0<D22/Dtot<0.2、あるいは0<D22/Dtot<0.3のようにドーパント非混合バッファ層22の厚みD22を充分に薄くすることが可能となる。
なお、バッファ層全体の厚みDtotに対するドーパント非混合バッファ層22の厚みD22の比について述べた以上の事柄は本発明の全ての実施形態に対して成り立つ。
なお、ドーパント非混合バッファ層22の厚みをやや厚くすると、図8(a)に示すように、時間経過の初期の段階における領域IVにおいて緩やかに立ち上がった後、領域Vにおいてフラットな特性となり、そして時間が充分経過したVIの領域で負のドリフトが生じた。なお、図8の時間軸は対数で表記されているのでVIの領域における時間の経過は実際には極めて長い。そして、このことはLN光変調器を使用する上で重要となる。
つまり、図8において負のドリフトが生じるとはいっても、その負のドリフトでは第2の従来技術のように、時間経過の初期において激しくDCバイアス電圧が変化するわけではなく、時間が充分に長く経過した後、長い時間をかけて緩やかに変化する。このように、DCバイアス電圧の変化は時間的に大変緩やかであるので、トランスポンダの中の制御回路にとって追従しやすく、また測定器にも極めて扱いやすいLN光変調器を提供することができる。
また、図8において、一点鎖線(b)はバッファ層全体にドーパント非混合バッファ層22としてSiO(0<x<2)を使用した場合であり、時間が充分に長く経過した後に負のドリフト(領域III)が出現している。そして、図8(a)に示した本発明の領域VIにおいて負のドリフトが生じているのは、第2の従来技術のように初期に負のドリフトを生じさせて、初期の段階でDCバイアス電圧の余裕を稼ぐためという考え方ではなく、ドーパント非混合バッファ層22が有している長時間経過後に発生する負のドリフトが影響しているためである。
一方、特許文献1に示された第2の従来技術では、長時間経過後には負のドリフトは発生していず、この点からも図8(a)に示した本実施形態は第2の従来技術と根本的に考え方が異なっている。なお、時間が充分に長く経過した後に負のドリフトが発生するというDCドリフト特性は、ドーパント非混合バッファ層の材料、ドーパント混合バッファ層のドーパントの材料とドーピング量、及びドーパント非混合バッファ層の厚みとドーパント混合バッファ層の厚みの比を適切に選択することにより本発明の全ての実施形態で実現可能である。
なお、LN光変調器として長時間経過後に負のドリフトが発生しない場合においても、ドーパント非混合バッファ層22が有している長時間経過後に発生する負のドリフト(図8における一点鎖線(b)の領域III)は、長時間経過後においてもLN光変調器としてのDCバイアス電圧がフラットになる、あるいは長時間経過後におけるDCバイアス電圧の上昇を抑える効果を発揮する。これらの効果はバッファ層全体にドーパントをドーピングする第2の従来技術にはない効果である。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態によるLN光変調器を図9に示す。本実施形態は図2に示した第1の実施形態において、ドーパント混合バッファ層21とドーパント非混合バッファ層22の位置を入れ替えた構造である。
つまり、光導波路3の上にまず第1の層として、次に述べる第2の層において使用する金属酸化物や金属などのドーパントを含まず、シリコンの酸化物であるSiO層29からなるドーパント非混合バッファ層23を形成した後に、第2の層としてSiO層30とIn層31からなるドーパント混合バッファ層24を堆積している。なお、本発明における第1の実施形態の場合と同じく、In層31には中には酸化されていない金属Inを含んでいても良いことは言うまでもない。
ここで、本実施形態の等価回路を図10に記す。ここで、ドーパント非混合バッファ層23の等価的なキャパシタンスと電気的抵抗を各々C (4)、R (4)、ドーパント混合バッファ層24の等価的なキャパシタンスと電気的抵抗を各々C (5)、R (5)とする。
この第2の実施形態においても、本実施形態におけるドーパント非混合バッファ層23の等価的な電気的抵抗R (4)とドーパント混合バッファ層24の等価的な電気的抵抗R (5)の和であるR (4)+R (5)が第1の従来技術におけるSiOからなるバッファ層2の等価的な電気的抵抗Rに比べて小さい、つまり、
(4)+R (5)<R (7)
となっている。
換言すると、ドーパント非混合バッファ層23とドーパント混合バッファ層24からなるバッファ層全体における電圧降下は第1の従来技術におけるSiOからなるバッファ層2における電圧降下よりも小さいので、DCドリフトを著しく改善できる。また、ドーパント非混合バッファ層23とドーパント混合バッファ層24を用いることにより、中心導体4a、接地導体4b、4cなどの金属による著しい光の吸収を防ぎつつ、かつ高周波電気信号のマイクロ波等価屈折率nを低減している。
次に、図10に示したドーパント非混合バッファ層23の厚みD23とドーパント混合バッファ層24の厚みD24について考える。なお、ドーパント非混合バッファ層23とドーパント混合バッファ層24からなるバッファ層全体の厚みをDtot'(=D23+D24)とする。
図11には、バッファ層全体の厚みDtot'が約1μmの場合において、ドーパント混合バッファ層24の厚みD24と、ドーパント非混合バッファ層23とドーパント混合バッファ層24からなるバッファ層全体の厚みDtot'との比(D24/Dtot')を変数とした場合の相互作用光導波路3a、3bを伝搬する光の伝搬損失の測定結果を示す。
相互作用光導波路3a、3bを伝搬する光はドーパント混合バッファ層24とドーパント非混合バッファ層23からなるバッファ層内にも染み出している。そのため、図11からわかるように、バッファ層全体の厚みDtot'を一定とすると、ドーパント混合バッファ層24の厚みD24が薄い(つまり、ドーパント非混合バッファ層23の厚みD23が厚い)と光の伝搬損失は小さくなり、逆に、ドーパント混合バッファ層24の厚みD24が厚い(つまり、ドーパント非混合バッファ層23の厚みD23が薄い)と光の伝搬損失は大きくなる。
図12には同じくバッファ層全体の厚みDtot'が約1μmの場合において、ドーパント混合バッファ層24の厚みD24と、バッファ層全体の厚みDtot'との比(D24/Dtot')を変数とした場合の光変調帯域の測定結果を示す。
(5)式を用いて説明したように、ドーパントIn(あるいは金属In)をドーピングすることにより、導電性を持ったドーパント混合バッファ層24の比誘電率は複素比誘電率ε となり、その虚部Im(ε )は実部Re(ε )よりも大きくなる。
従って、図12からわかるように、バッファ層全体の厚みDtot'を一定とすると、ドーパント混合バッファ層24の厚みD24が薄い(つまり、ドーパント非混合バッファ層23の厚みD23が厚い)と高周波電気信号のマイクロ波等価屈折率nが小さくなるので、高周波電気信号と光との速度不整合が減少する。また高周波電気信号の伝搬損失も小さくなるので、その結果、光変調帯域は広くなる。一方、ドーパント混合バッファ層24の厚みD24が厚い(つまり、ドーパント非混合バッファ層23の厚みD23が薄い)と高周波電気信号のマイクロ波等価屈折率nが大きくなるので、高周波電気信号と光との速度不整合が大きくなる。また、高周波電気信号の伝搬損失も大きくなるので、その結果、光変調帯域は劣化する。
図13には、図11と同じ厚みの場合において、ドーパント混合バッファ層24の厚みD24と、バッファ層全体の厚みDtot'との比(D24/Dtot')を変数とした場合のドーパント非混合バッファ層23の等価的な電気的抵抗R (4)とドーパント混合バッファ層24の等価的な電気的抵抗R (5)の和R (4)+R (5)を示す。図からわかるように、バッファ層全体の厚みDtot'を一定とすると、ドーパント混合バッファ層24の厚みD24が薄い(つまり、ドーパント非混合バッファ層23の厚みD23が厚い)と電気的抵抗の和R (4)+R (5)は大きく、逆にドーパント混合バッファ層24の厚みD24が厚い(つまり、ドーパント非混合バッファ層23の厚みD23が薄い)と電気的抵抗の和R (4)+R (5)は小さくなる。
つまり、図11と図13からわかるように、光の伝搬損失の観点からはドーパント混合バッファ層24の厚みD24は薄い方が望ましいが、DCドリフトを抑えるためにバッファ層の電気的抵抗を下げるという観点からはドーパント混合バッファ層24の厚みD24は厚い方が望ましい。そして、図12からわかるように、ドーパント混合バッファ層24の厚みD24が厚くなると光変調帯域が劣化する。また、DCドリフトは図7に示した本発明の第1の実施形態とほぼ同じ特性であった。また、図8のように時間が充分に長く経過した後に負のドリフトを発生させることも可能であった。
従って、図2に示した本発明の第1の実施形態と同じく、ドーパント非混合バッファ層23の材料、あるいはドーパント非混合バッファ層23とドーパント混合バッファ層24の厚みなどの決定に当たっては、所望の光の挿入損失、光変調帯域、及び、LN光変調器を適用する光伝送システムにおいて大きな負や正のドリフトが生じないように決定する必要がある。
そして、ドーパント非混合バッファ層23の材料、ドーパント混合バッファ層24のドーパントの材料とドーピング量、及びドーパント混合バッファ層24とドーパント非混合バッファ層23の厚みの比が重要なファクタとなる。従って、本発明のこの特徴は単一の種類のバッファ層では実現し得ないものである。
[第3の実施形態]
本発明による第3の実施形態を図14に示す。本実施形態では、光導波路3の上にまず第1の層として、次に述べる第2の層において使用する金属酸化物や金属などのドーパントを含まず、シリコンの酸化物であるSiO層29からなるドーパント非混合バッファ層25を形成した後に、第2の層としてSiO層30とIn層31からなるドーパント混合バッファ層26を堆積している。なお、本発明における第1の実施形態や第2の実施形態の場合と同じく、In層31の中には酸化されていない金属Inを含んでいても良いことは言うまでもない。そして、第3の層として、第1の層と同様に、第2の層において使用する金属酸化物や金属などのドーパントを含まず、シリコンの酸化物であるSiO層29からなるドーパント非混合バッファ層27を形成している。
前述のように、ドーパントIn(あるいは金属In)は光の吸収損失を生じる、あるいは複素比誘電率の虚部が大きく、光変調帯域を劣化させるなどの悪い影響を有している。
図14に示した本発明の第3の実施形態では、相互作用光導波路3a、3bの直上にはSiO層29からなるドーパント非混合バッファ層25があるので光の挿入損失は小さく、また高周波電気信号の電界強度が強い中心導体4aと接地導体4b、4cの直下にもSiO層29からなるドーパント非混合バッファ層27があるのでLN光変調器特性に与える影響が小さくて済むという優れた利点がある。
なお、図14において、逆に、25と27をドーパント混合バッファ層とし、26をドーパント非混合バッファ層としても、本発明の第3の実施形態ほどには優れた特性ではないが、DCドリフトを抑えつつ高価なドーパントの消費量を低減できる。さらに図14の3層構造よりももっと層数の多い多層構造としても良いことは言うまでもない。
また、スパッタ装置用のターゲットとしては図1に示したようなドラム式でない場合には、例えば上面図として図15に示す構造のターゲットを用いても良い。なお、図16には図15のD−D'における断面図を示す。このスパッタ装置用のターゲットではSiO32の中に、金属であるInペレット33が埋め込まれている。
本発明に係る光変調器では、バッファ層の一部にのみある程度の導電性を有するドーパントをドーピングするので従来技術と比較して消費するドーパントの量が少なくて済む。従って、バッファ層の形成が安価に済むため、DCドリフトを抑圧しつつ光変調器のコストを低減することができる。さらに、光変調器として光の挿入損失を小さくする、光変調帯域を確保する、あるいは光の挿入損失を小さくしつつ、かつ光変調帯域も確保するなど、ドーピングしたバッファ層の位置や構成により使用目的に応じた光変調器を実現できる。
[各実施形態について]
以上のように本発明では、経時変化に対してフラットなドリフト特性を実現できる。また、ドーパントをバッファ層の一部に使用するため、高価な金属あるいは金属酸化物であるドーパントの使用量が少なくて済む。つまり、少ないドーピング量でDCドリフト抑圧の効果を発揮できる。
なお、図6や図13に示したように、これまでの説明においてはドーパント非混合バッファ層の電気的抵抗はドーパント混合バッファ層の電気的抵抗より大きいとして説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。つまり、例えば、SiOはドーパントを含有しなくても、導電性を持たせることができ、SiOにより構成したドーパント非混合バッファ層の電気的抵抗を、Inを少なくドーピングしたドーパント混合バッファ層の電気的抵抗よりも小さくすることも可能である。従って、本発明はドーパント非混合バッファ層とドーパント混合バッファ層の電気的抵抗の大小関係により限定されるものではない。
本発明による光変調器用の基板としてはLN基板を例に用いて説明したが、リチウムタンタレートなど、電気光学効果を有するその他の各種基板でも良いし、半導体基板でも良い。
また、ドーパント混合バッファ層を構成する主たるバッファ層、及びドーパント非混合バッファ層として主にSiOについて説明したが、ドーパント混合バッファ層を構成する主たるバッファ層やドーパント非混合バッファ層には、その他の酸化シリコンつまりSiO(0<x<2)でも良いし、さらにはAlやSiNなどその他の非シリコン系あるいはシリコン系の材料を組み合わせて使用しても良い。また、酸化シリコンを用いる場合、本発明の全ての実施形態において、ドーパント混合バッファ層を構成する酸化シリコンの組成とドーパント非混合バッファ層を構成する酸化シリコンの組成は、各々SiOとSiO、あるいはSiO(0<x<2)とSiO(0<x<2)のように、同じであっても良いし、SiOとSiO(0<x<2)、あるいはその逆のように異なっていても良い。さらには、SiOのxは0<x<2.5のように、2以上であっても良い。
さらに、ドーパント混合バッファ層へのドーパントとしては主にIn、TiO、あるいはSnOなどの金属酸化物について説明したが、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、ゲルマニウム(Ge)、クロム(Cr)などの酸化物でも良いし、周期律表の三から八族あるいは一b族と二b族に属する各種金属元素の酸化物、もしくはSi以外の各種半導体元素の酸化物でも良いし、これらが酸化物でない、即ち金属の元素や半導体の元素でも良い。さらにこれらを組み合わせてドーピングしても良い。
また、ドーピングする各元素の酸化物の量は0.01〜40mol%程度でDCドリフトに対して効果がある。酸化物をドーピングする場合の濃度は特に3〜6mol%程度で、また金属をドーピングする場合にはその濃度として1mol%強程度で顕著な効果が見られる。但し、これらの値以外のドーピング量でも本発明の効果を得ることができるのは言うまでもない。また、ドーパント混合バッファ層自体が層構成となっている実施形態について説明したが、ドーパントはドーパント混合バッファ層の中において層状ではなく、完全に混合していても良い。
以上では、主にドーパント混合バッファ層とドーパント非混合バッファ層が各1層ずつの場合について説明したが、上記の第3の実施形態でも説明したようにこれらの層の片方もしくは両方が複数あっても本発明としての効果を発揮できることは言うまでもない。
以上の説明では、バッファ層の成膜装置としてスパッタ装置を用いる場合について説明したが、電子ビーム蒸着装置などその他の装置を用いても良いことは言うまでもない。
また、先に述べたように、各実施形態を説明する際のLN光変調器の構造として中心導体の中心に左右対称な構造として主に説明したが、勿論、左右対称でなくても良いことは言うまでもない。
さらに、進行波電極としてはCPW電極を例にとり説明したが、非対称コプレーナストリップ(ACPS)や対称コプレーナストリップ(CPS)などの各種進行波電極、あるいは集中定数型の電極でも良いことは言うまでもない。さらに、DCバイアスを印加する部分とRF電気信号とを印加する部分と分離した、いわゆるDCバイアス分離型の構造にも適用可能である。
また、光導波路としてはマッハツェンダ光導波路の他に、方向性結合器や直線など、その他の光導波路でも良いことは言うまでもない。
以上の各実施形態においては、z−カットの面方位を持つ基板としたが、以上に述べた各実施形態での面方位を主たる面方位とし、これらに他の面方位が副たる面方位として混在しても良いことは言うまでもないし、x−カットやy−カットの面方位を持つ基板でも良いことは言うまでもない。
以上のように、本発明に係る光変調器はターゲットの使用量を低減することにより、DCドリフトを抑圧しつつLN光変調器のコストを低減するとともに、挿入損失や光変調帯域を改善することを可能とし、コスト、性能及び信頼性の観点から優れた光変調器として有用である。
本発明の実施形態によるLN光変調器を製作するためのスパッタ装置の内部を示す模式図 本発明の第1の実施形態によるLN光変調器の断面図 本発明の第1の実施形態のDCドリフト抑圧の原理を説明する図 本発明の第1の実施形態の原理を説明する図 本発明の第1の実施形態の原理を説明する図 本発明の第1の実施形態の原理を説明する図 本発明の第1の実施形態によるLN光変調器のDCドリフト特性 本発明の第1の実施形態によるLN光変調器のDCドリフト特性 本発明の第2の実施形態によるLN光変調器の断面図 本発明の第2の実施形態のDCドリフト抑圧の原理を説明する図 本発明の第2の実施形態の原理を説明する図 本発明の第2の実施形態の原理を説明する図 本発明の第2の実施形態の原理を説明する図 本発明の第3の実施形態によるLN光変調器の断面図 本発明の実施形態によるLN光変調器を製作するためのその他のターゲット構成を説明する図 図15のD−D'における断面図 第1の従来技術によるLN光変調器の斜視図 図17のA−A'における断面図 第1の従来技術による光変調器の動作原理を説明する図 第1の従来技術によるLN光変調器の等価回路図 第1の従来技術によるLN光変調器のDCドリフト特性 第2の従来技術によるLN光変調器を製作するためのスパッタ装置の内部を示す模式図 第2の従来技術によるLN光変調器の断面図 第2の従来技術によるLN光変調器の等価回路図 第2の従来技術によるLN光変調器のDCドリフト特性 第2の従来技術によるLN光変調器を製作するためのその他のターゲット構成を説明する図 図26のC−C'における断面図 第2の従来技術の問題点を説明する図 第2の従来技術の問題点を説明する図
符号の説明
1:z−カットLN基板(LN基板、基板)
2:SiOバッファ層(バッファ層)
3:光導波路(マッハツェンダ光導波路)
3a、3b:相互作用光導波路(光導波路)
4:進行波電極(電極)
4a:中心導体
4b、4c:接地導体
5:Si導電層
6:真空チャンバー
7:ドラム
8:z−カットLNウェーハ
9:SiOターゲット
10:Inターゲット
11:TiOターゲット
12:SnOターゲット
13:導電性酸化物混合バッファ層
14:SiO
15:In
16:SiO
17:Inペレット
18:Inターゲット
19:Tiターゲット
20:SiOターゲット
21:ドーパント混合バッファ層
22:ドーパント非混合バッファ層
23:ドーパント非混合バッファ層
24:ドーパント混合バッファ層
25:ドーパント非混合バッファ層
26:ドーパント混合バッファ層
27:ドーパント非混合バッファ層
29:SiO
30:SiO
31:In
32:SiO
33:Inペレット

Claims (21)

  1. 電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光を導波するための光導波路と、前記光を変調するための電圧を印加する、前記基板の一方の面側に形成された中心導体及び接地導体からなる電極と、前記中心導体もしくは前記接地導体の少なくとも一方と前記光導波路の間に形成されたバッファ層とを具備し、前記光導波路が前記中心導体と前記接地導体との間に前記電圧を印加することにより前記光の位相を変調するための相互作用光導波路を有する光変調器において、
    前記バッファ層は、酸化物もしくは酸化物でないインジウム、酸化物もしくは酸化物でないチタン、及び酸化物もしくは酸化物でない錫の少なくとも1つをドーパントとして含むドーパント混合バッファ層と、
    周期律表の三から八族あるいは一b族と二b族に属する金属元素もしくはその酸化物、及びSi以外の半導体元素もしくはその酸化物のいずれをも含まないドーパント非混合バッファ層とを具備していることを特徴とする光変調器。
  2. 電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光を導波するための光導波路と、前記光を変調するための電圧を印加する、前記基板の一方の面側に形成された中心導体及び接地導体からなる電極と、前記中心導体もしくは前記接地導体の少なくとも一方と前記光導波路の間に形成されたバッファ層とを具備し、前記光導波路が前記中心導体と前記接地導体との間に前記電圧を印加することにより前記光の位相を変調するための相互作用光導波路を有する光変調器において、
    前記バッファ層は、酸化物もしくは酸化物でないゲルマニウム、酸化物もしくは酸化物でないアルミニウムの少なくとも1つをドーパントとして含むドーパント混合バッファ層と、
    周期律表の三から八族あるいは一b族と二b族に属する金属元素もしくはその酸化物、及びSi以外の半導体元素もしくはその酸化物のいずれをも含まないドーパント非混合バッファ層とを具備していることを特徴とする光変調器。
  3. 電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光を導波するための光導波路と、前記光を変調するための電圧を印加する、前記基板の一方の面側に形成された中心導体及び接地導体からなる電極と、前記中心導体もしくは前記接地導体の少なくとも一方と前記光導波路の間に形成されたバッファ層とを具備し、前記光導波路が前記中心導体と前記接地導体との間に前記電圧を印加することにより前記光の位相を変調するための相互作用光導波路を有する光変調器において、
    前記バッファ層は、周期律表の三から八族あるいは一b族と二b族に属する金属元素もしくはその酸化物、もしくはSi以外の半導体元素もしくはその酸化物の少なくとも1つをドーパントとして含むドーパント混合バッファ層と、
    周期律表の三から八族あるいは一b族と二b族に属する金属元素もしくはその酸化物、及びSi以外の半導体元素もしくはその酸化物のいずれをも含まないドーパント非混合バッファ層とを具備していることを特徴とする光変調器。
  4. 前記電極に電圧を印加してからの初期の時間経過において、負のDCドリフトを実用上有さないことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光変調器。
  5. 前記バッファ層は前記基板の側から前記ドーパント混合バッファ層、前記ドーパント非混合バッファ層の順で積層されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光変調器。
  6. 前記バッファ層は前記基板の側から前記ドーパント非混合バッファ層、前記ドーパント混合バッファ層の順で積層されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光変調器。
  7. 前記バッファ層を構成する前記ドーパント混合バッファ層の層数と前記ドーパント非混合バッファ層の層数との和が3以上であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光変調器。
  8. 前記ドーパント非混合バッファ層の厚みが前記ドーパント混合バッファ層の厚みより厚いことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光変調器。
  9. 前記ドーパント非混合バッファ層の厚みと前記ドーパント混合バッファ層の厚みとがほぼ等しいことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光変調器。
  10. 前記ドーパント非混合バッファ層の厚みが前記ドーパント混合バッファ層の厚みより薄いことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光変調器。
  11. 前記ドーパント非混合バッファ層の厚みが前記バッファ層の厚みの10%より薄いことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光変調器。
  12. 前記ドーパント非混合バッファ層の厚みが前記バッファ層の厚みの20%より薄いことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光変調器。
  13. 前記ドーパント非混合バッファ層の厚みが前記バッファ層の厚みの30%より薄いことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光変調器。
  14. 前記ドーパント混合バッファ層が主として酸化シリコンを含み、かつ前記ドーパント非混合バッファ層が酸化シリコンであることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の光変調器。
  15. 前記ドーパント混合バッファ層に含まれる酸化シリコンの組成と前記ドーパント非混合バッファ層を構成する酸化シリコンの組成とが同じであることを特徴とする請求項14に記載の光変調器。
  16. 前記ドーパント混合バッファ層に含まれる酸化シリコンの組成と前記ドーパント非混合バッファ層を構成する酸化シリコンの組成とが異なることを特徴とする請求項14に記載の光変調器。
  17. 前記ドーパント混合バッファ層が主として酸化シリコンを含むか、もしくは前記ドーパント非混合バッファ層が酸化シリコンであることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の光変調器。
  18. 前記酸化シリコンの組成はSiOx(0<x<2.5)であることを特徴とする請求項14から請求項17のいずれか一項に記載の光変調器。
  19. 前記ドーパント混合バッファ層が酸化シリコンを含まず、かつ前記ドーパント非混合バッファ層が酸化シリコン以外からなることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の光変調器。
  20. 前記ドーパント非混合バッファ層の電気的抵抗が前記ドーパント混合バッファ層の電気的抵抗よりも低いことを特徴とする請求項1から請求項19のいずれか一項に記載の光変調器。
  21. 前記ドーパント非混合バッファ層の電気的抵抗が前記ドーパント混合バッファ層の電気的抵抗よりも高いことを特徴とする請求項1から請求項19のいずれか一項に記載の光変調器。
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