JP2008233361A - 光導波路 - Google Patents

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Abstract

【課題】屈折率等の光学特性の温度変化安定性や耐熱性に優れた光導波路を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される硬化性樹脂を硬化させてクラッド層又はコア層の少なくとも一方を形成した光導波路であり、一般式(1)の硬化性樹脂は、式(2)で計算されるKpが0.68〜0.8の密な構造部位(A)とKpが0.68未満の疎な構造部位(B)とを有し、構造部位(A)/(B)の重量比は0.01〜5.00であり、少なくとも一つの不飽和結合を有して平均分子量が800〜60000である。-{(A)-(B)mn- (1)(mおよびnは1以上の整数)Kp=An・Vw・p/Mw (2)(An=アボガドロ数、Vw=ファンデアワールス体積、p=密度、Mw=分子量、Vw=ΣVa、Va=4π/R3−Σ1/3πhi2(3Ra−hi)、hi=Ra−(Ra2+di2−Ri2)/2di、Ra=原子半径、Ri=結合原子半径、及びdi=原子間距離)
【選択図】図1

Description

本発明は、耐熱性、低吸水性、及び耐衝撃性等に優れた硬化性樹脂によりクラッド層及び/又はコア層を形成した光導波路に関する。
石英やガラスは、光ファイバーや光導波路等の光伝送部材を形成する信頼性の高い材料として使用されている。ところが、これらの無機材料では高温加工が必要であり、また、生産性にも劣ることから、加工性、耐久性のある光伝送部材用の有機材料が求められている。例えば、ポリイミド樹脂は、信頼性の高い有機材料として知られ、光伝送部材を含めた各種電子部品用の材料として広く利用されている。また、オルガノポリシロキサン系材料は、光透過性、電気絶縁性、光安定性、熱安定性等に優れることから、オプトエレクトロニクスの分野において注目されている。
光伝送部材用の有機材料に要求される物性として、1300〜1660nmの通信波長帯に吸収を有しないことや、ポリマー鎖の配向による複屈折がない等の光学的特性のほか、デバイスアセンブリにおける耐熱性や、耐吸湿性、耐水性、加工性等に優れることが望まれる。そして、ポリイミド樹脂やオルガノポリシロキサン系の材料を中心にこれらの特性改良が進められている。例えば、オルガノポリシロキサンをコア層やクラッド層に用いた光導波路(特許文献1及び2参照)や、シリカフィラーを含有した付加反応型液状シリコーン組成物からなる光伝送部材(特許文献3参照)が報告されている。しかしながら、シリコーンゴムやオルガノポリシロキサンエラストマーは、その分子構造上、環境の温度変化に伴い屈折率等の光学特性変化が大きい。換言すれば、温度変化安定性や耐熱性に問題がある。
また、光伝送部材用の材料として、重水素化アルキル基またはハロゲン化アルキル基を有するオルガノトリクロロシランを加水分解縮合して得たオルガノポリシルセスキオキサンや、重水素化アルキル基またはハロゲン化アルキル基を有するオルガノトリクロロシランとジオルガノジクロロシランとを共加水分解縮合して得たオルガノポリシロキサン樹脂(モノオルガノシロキサン単位とジオルガノシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン樹脂)(特許文献4参照)、オルガノポリシロキサンの高い光透過性を考慮して、重水素置換もしくはハロゲン置換していない炭化水素基を有するオルガノポリシロキサン樹脂(特許文献5参照)、エポキシ基含有アルコール存在下でフェニルトリクロロシランとジフェニルジクロロシランとを共加水分解縮合して得たエポキシ基含有フェニルポリシロキサン樹脂(特許文献6)などが提案されている。しかしながら、これらのオルガノポリシロキサン樹脂は、常温での光学特性に優れるものの、シラノール基同士の脱水縮合により硬化するタイプであるため、高温で長時間加熱しないと充分に硬化せず、最終製品である光通信機器の製造時に光導波路のような光伝送部材が高温(例えば約260℃)に曝されると、更なる脱水縮合反応が進行して、光学特性に変化が生じるという問題がある。この点を考慮して、例えば上記特許文献6では、エポキシ基含有フェニルポリシロキサン樹脂に光硬化触媒を添加して紫外線硬化させているが、通信光の吸収の増加や散乱が起こりやすくなるといった別の問題が生じるおそれがある。
ところで、光導波路はコア層とクラッド層と呼ばれる屈折率の異なる2種類の材料で形成され、この屈折率の差は主に光導波路のデザインに依存するが、コア中を光が伝播するためにはコア層の屈折率がクラッド層の屈折率より0.1%〜1.5%程度大きいことが必要である。例えば、脱水縮合硬化型オルガノポリシロキサン樹脂を用いてコア層及びクラッド層を形成する場合、低屈折率化に寄与するフッ素化炭化水素基の導入量を調整することにより、両者に屈折率の差を設けるようにしている(特許文献7参照)。ところが、厳密に言えば、フッ素化炭化水素基を導入するために材料コストが余計にかかるといった問題もある。
特開昭63−217306号公報 特開平1−131505号公報 特開平11−43605号公報 特開平3−43423号公報 特開平4−157402号公報 特開平9−124793号公報 特開2000−230052号公報
本発明の目的は、屈折率等の光学特性の温度変化安定性や耐熱性に優れ、重水素化アルキル基やフッ素化炭化水素基等を導入しなくても通信波長領域で高透過率を達成でき、容易に変形しない程度の硬さと弾性を併せ持ち、しかも、屈折率差調整が容易に行える硬化性樹脂からなるクラッド層及び/又はコア層を備えた光導波路を提供することにある。
そこで、本発明者等は、石英やガラスのような無機材料に代わる光伝送部材用の材料について鋭意検討した結果、自由体積分率が異なる密な構造部位と疎な構造部位とを分子構造中に有する硬化性樹脂を硬化させることにより、屈折率等の光学特性の温度変化安定性や耐熱性に優れ、重水素化アルキル基やフッ素化炭化水素基等を導入しなくても通信波長領域で高透過率を達成でき、容易に変形しない程度の硬さと弾性を併せ持つ材料が得られ、しかも、この硬化性樹脂では屈折率差調整が容易に行えることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される硬化性樹脂を硬化させてクラッド層又はコア層の少なくとも一方、好ましくは両方を形成した光導波路であって、一般式(1)の硬化性樹脂は、自由体積分率から計算される下記計算式(2)で求められるパッキング係数Kpが0.68〜0.8の金属酸化物から構成される密な構造単位(A)と、上記Kpが0.68未満であって有機物と有機金属酸化物とを含んで構成される疎な構造単位(B)とを有し、構造単位(A)/(B)の重量比が0.01〜5.00であり、かつ、少なくとも一つの不飽和結合を有して平均分子量が800〜60000であることを特徴とする光導波路である。
−{(A)−(B)mn− (1)
(但し、mおよびnは1以上の整数を示す。)
Kp=An・Vw・p/Mw (2)
〔但し、An=アボガドロ数、Vw=ファンデアワールス体積、p=密度、Mw=分子量であり、Vw=ΣVa、Va=4π/R3-Σ1/3πhi2(3Ra-hi)、hi=Ra-(Ra2+di2-Ri2)/2di、Ra=原子半径、Ri=結合原子半径、及びdi=原子間距離を示す。〕
ここで、密な構造単位(A)が、下記一般式(I)の有機物部位を除いた三次元多面体構造骨格を有する金属酸化物部位からなり、疎な構造単位(B)が、下記一般式(II)で表される有機金属酸化物からなる鎖状単位と一般式(I)の有機物部位とからなることは、本発明の好ましい態様である。
(RSiO3/2w(MO2x(RXSiO)y(XMO3/2z (I)
(R345SiO1/2j(R67SiO)k{R67XSiO1/2l (II)
〔但し、Rは(a)-R1-OCO-CR2=CH2、(b)-R1-CR2=CH2若しくは(c)-CH=CH2で示される不飽和基、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、フェニル基、水素原子、アルコキシル基、又はアルキルシロキシ基であり、式(I)における複数のRは互いに異なるものであってもよいが、少なくとも1つは上記(a)、(b)又は(c)のいずれかを含み、R1はアルキレン基、アルキリデン基又はフェニレン基を示し、R2は水素又はアルキル基を示す。また、R3〜R7は(a)-R1-OCO-CR2=CH2、(b)-R1-CR2=CH2若しくは(c)-CH=CH2で示される不飽和基、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、フェニル基、水素原子、アルコキシル基、又はアルキルシロキシ基である。更に、Mはケイ素、ゲルマニウム、チタン、又はジルコニウムの金属原子、Xはハロゲン原子、又はアルコキシル基であり、wは4以上の整数であり、x、y及びzはw+x+y+z≧8を満たす整数である。j、k、及びlはそれぞれ0以上の整数を示す。〕
また、上記一般式(I)は、RSiX3、MX4又はこれらの混合物(但しR、M及びXは一般式(I)の場合と同じである)の加水分解縮合物からなり、上記一般式(II)が、R345SiX、R67SiX2又はこれらの混合物(但し、R3〜R7及びXは一般式(II)と同じである。)の加水分解縮合物からなると共に、一般式(I)の有機物部位の少なくとも一部がこの加水分解縮合物に結合して一般式(1)の構造部位(B)を形成することは、本発明の好ましい態様である。
本発明においては、一般式(1)で表される硬化性樹脂にヒドロシリル化触媒及び/又はラジカル開始剤を配合して硬化性樹脂組成物を得た後、この硬化性樹脂組成物を熱硬化又は光硬化させてクラッド層又はコア層を形成するようにしてもよい。また、この硬化性樹脂組成物には、分子中に少なくとも1つのヒドロシリル基を有する化合物又は不飽和基を有する化合物、或いはこれら両者を更に配合するようにしてもよい。
本発明の光導波路では、上記一般式(1)で表される硬化性樹脂を用いてクラッド層又はコア層の少なくとも一方を形成しているため、屈折率等の光学特性の温度変化安定性や耐熱性に優れる。また、上記硬化性樹脂によれば容易に変形しない程度の硬さと弾性を併せ持つため、長期に亘って優れた耐久性を発揮する。更には、重水素化アルキル基やフッ素化炭化水素基等を導入しなくても通信波長領域で高透過率を達成でき、しかも、この硬化性樹脂によれば屈折率差調整が容易に行えるため、光導波路の低コスト化が可能である。
以下、本発明を更に具体的に説明する。
本発明の硬化性樹脂は、上記一般式(1)で表されるように、密な構造単位(A)と疎な構造単位(B)とからなる分子構造を有し、少なくとも一つの不飽和結合を有する。ここで、密な構造単位(A)は上記計算式(2)で計算されるパッキング係数Kpが0.68〜0.8の金属酸化物から構成されるものであり、疎な構造単位(B)はパッキング係数Kpが0.68未満であって有機物と有機金属酸化物とを含んで構成されるものである。
密な構造単位(A)は、好ましくは上記一般式(I)の有機物部位を除いた三次元多面体構造骨格を有する金属酸化物部位からなるのがよい。ここで、有機物部位とは、一般式(I)中のR(有機基)のうち、金属原子(すなわちSi及びM)と結合しているものである。一般式(I)において、Rの少なくとも1つは上記式(a)〜(c)で表される不飽和基を有する有機基であるのがよい。なお、一般式(I)の複数のRは全て同じでなくてもよい。
一般式(I)は、三次元多面体構造骨格とRとにより構成されたかご型シロキサン樹脂であり、その一例として、一般式(I)中のwが8でありx、y及びzが0である場合、wが10でありx、y及びzが0である場合、及びwが12でありx、y及びzが0である構造の具体例を下記構造式(3)、(4)及び(5)に示す。但し、一般式(I)で表される構造単位は、この構造式(3)、(4)及び(5)に示すものに限られない。なお、これらの構造は、公知であり特定の官能基のものについてX線結晶構造解析により示されている。
Figure 2008233361
上記一般式(I)は、RSiX3又はMX4で表される化合物の1種以上を酸又は塩基触媒存在下で加水分解と縮合反応とを行うことで得ることができる。ここで、R、X及びMは一般式(I)のR、X及びMと同じ意味を有する。このうち、Rの一部は、上記(a)、(b)又は(c)で表される不飽和基であることが好ましいが、好ましい不飽和基の具体例を示せば、3-メタアクリロキシプロピル基、3-アクリロキシプロピル基、アリール基、ビニル基、及びスチリル基が挙げられる。また、Xは、ハロゲン原子、アルコキシル基の加水分解性基であり、具体例を示せば、塩素、臭素、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシル基、及びi-プロポキシル基が例示される。
RSiX3で表される化合物の好ましい例を示せば、トリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、イソプロピルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、t-ブチルトリクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、アリルトリクロロシラン、スチリルトリクロロシラン、シクロヘキセニルトリクロロシラン、トリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、t-ブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、シクロヘキセニルトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、t-ブチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、スチリルトリエトキシシラン、シクロヘキセニルトリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、イソプロピルトリプロポキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン、t-ブチルトリプロポキシシラン、シクロヘキシルトリプロポキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、アリルトリプロポキシシラン、スチリルトリプロポキシシラン、シクロヘキセニルトリプロポキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシラン、3-メタクリロキシプロピルトリクロロシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリクロロシラン等が挙げられる。
また、Mはケイ素、ゲルマニウム、チタン又はジルコニウムである。ここで、MX4で表される化合物の好ましい例を示せば、テトラクロロシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラクロロゲルマン、テトラメトキシゲルマン、テトラエトキシゲルマン、チタニウムエトキシド、チタニウムプロポキシド、チタニウムイソプロポキシド、チタニウムブトキシド、チタニウムイソブトキシド、ジルコニウムエトキシド、ジルコニウムプロポキシド、ジルコニウムイソプロポキシド、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムイソブトキシド等が挙げられる。
次に、疎な構造単位(B)は、上記一般式(I)で表される構造単位中の三次元多面体構造骨格を除いた残基である有機物部位(又は置換基)と、上記一般式(II)で表されるような鎖状単位を持つ有機金属酸化物(シリコーン化合物)とからなる。言い換えれば、上記一般式(I)で表される構造単位から密な構造部位(A)を除いた部位と一般式(II)で表される構造単位からなる。より具体的には、下記で説明するとおり、R345SiX、R67SiX2又はこれらの混合物(但し、R3〜R7及びXは一般式(II)と同じである)の加水分解縮合物からなる一般式(II)の有機金属酸化物の鎖状構造物と、一般式(I)の有機物部位〔すなわち、一般式(I)で表される構造単位中の三次元多面体構造骨格を除いた残基(又は置換基)〕又はXの少なくとも一部とが結合して、一般式(1)の構造部位(B)を形成するのがよい。すなわち、一般式(1)の有機物部位の一部が一般式(II)と結合してもよく、一般式(1)の有機物部位の全部が一般式(II)と結合してもよい。一般式(II)に結合した一般式(I)の有機物部位は、一般式(II)の鎖状単位に取り込まれる。
上記一般式(II)で表される構造単位は、R345SiX又はR67SiX2で表される化合物の1種以上を酸又は塩基触媒存在下で加水分解と縮合反応を行うことで得ることができる。ここで、R3〜R7は一般式(II)のR3〜R7と同じ意味である。R3〜R7の一部が不飽和基である場合、好ましい具体例を示せば、3-メタアクリロキシプロピル基、3-アクリロキシプロピル基、アリール基、ビニル基及びスチリル基が挙げられる。Xは、ハロゲン原子又はアルコキシル基であり、具体例を示せば、塩素、臭素、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシル基、及びi-プロポキシル基を挙げることができる。
345SiXで表される化合物の好ましい例を示せば、トリメチルクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ジメチルクロロシラン、フェニルジメチルクロロシラン、フェニルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、トリビニルクロロシラン、メチルジビニルクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、3-メタアクリロキシプロピルジメチルクロロシラン、3-アクリロキシプロピルジメチルクロロシラン、スチリルジメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、フェニルジメチルメトキシシラン、フェニルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリビニルメトキシシラン、メチルジビニルメトキシシラン、アリルジメチルメトキシシラン、3-メタアクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、スチリルジメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、フェニルジメチルエトキシシラン、フェニルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリビニルエトキシシラン、メチルジビニルエトキシシラン、アリルジメチルエトキシシラン、3-メタアクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、スチリルジメチルエトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、ビニルジメチルプロポキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、フェニルジメチルプロポキシシラン、フェニルプロポキシシラン、トリエチルプロポキシシラン、トリビニルプロポキシシラン、メチルジビニルプロポキシシラン、アリルジメチルプロポキシシラン、3-メタアクリロキシプロピルジメチルプロポキシシラン、3-アクリロキシプロピルジメチルプロポキシシラン、スチリルジメチルプロポキシシラン、トリメチルイソプロポキシシラン、ビニルジメチルイソプロポキシシラン、ジメチルイソプロポキシシラン、フェニルジメチルイソプロポキシシラン、フェニルイソプロポキシシラン、トリエチルイソプロポキシシラン、トリビニルイソプロポキシシラン、メチルジビニルイソプロポキシシラン、アリルジメチルイソプロポキシシラン、3-メタアクリロキシプロピルジメチルイソプロポキシシラン、3-アクリロキシプロピルジメチルイソプロポキシシラン、スチリルジメチルイソプロポキシシラン等が挙げられる。
また、R67SiX2で表される化合物の好ましい例を示せば、ジメチルジクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ジビニルジクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、メチルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、メチルエチルジクロロシラン、エチルビニルジクロロシラン、エチルアリルジクロロシラン、スチリルメチルジクロロシラン、スチリルエチルジクロロシラン、3-メタアクリロキシプロピルメチルジクロロシラン、ジメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、アリルメチルジメトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、エチルビニルジメトキシシラン、エチルアリルジメトキシシラン、スチリルメチルジメトキシシラン、スチリルエチルジメトキシシラン、3-メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、アリルメチルジエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、エチルビニルジエトキシシラン、エチルアリルジエトキシシラン、スチリルメチルジエトキシシラン、スチリルエチルジエトキシシラン、3-メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ビニルメチルジプロポキシシラン、ジビニルジプロポキシシラン、アリルメチルジプロポキシシラン、メチルジプロポキシシラン、メチルフェニルジプロポキシシラン、メチルエチルジプロポキシシラン、エチルビニルジプロポキシシラン、エチルアリルジプロポキシシラン、スチリルメチルジプロポキシシラン、スチリルエチルジプロポキシシラン、3-メタアクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ビニルメチルジイソプロポキシシラン、ジビニルジイソプロポキシシラン、アリルメチルジイソプロポキシシラン、メチルジイソプロポキシシラン、メチルフェニルジイソプロポキシシラン、メチルエチルジイソプロポキシシラン、エチルビニルジイソプロポキシシラン、エチルアリルジイソプロポキシシラン、スチリルメチルジイソプロポキシシラン、スチリルエチルジイソプロポキシシラン、3-メタアクリロキシプロピルメチルジイソプロポキシシランなどが挙げられる。
本発明における硬化性樹脂は、上記一般式(I)で表されるかご型シロキサン樹脂と、一般式(II)で表されるシリコーン化合物とを反応させて得ることができるが、得られた硬化性樹脂は、上記一般式(I)及び上記一般式(II)で表される構造単位の不飽和結合が架橋又は加水分解縮合により縮合した分子構造を有する。そして、この硬化性樹脂は、自由体積分率から計算されるパッキング係数が0.68〜0.8の密な構造単位(A)と、パッキング係数が0.68未満の疎の構造単位(B)とを有し、かつ、少なくとも一つの不飽和結合を有する。
本発明で用いたパッキング係数Kpの計算は、以下の計算式(2)より算出される。
Kp=An・Vw・p/Mw (2)
(但し、An=アボガドロ数、Vw=ファンデアワールス体積、p=密度、Mw=分子量である。)このうち、
Vw=ΣVa
Va=4π/R3−Σ1/3πhi2(3R-hi)
hi=R−(R2+di2−Ri2)/2di
である(但し、R=原子半径、Ri=結合原子半径、及びd=原子間距離である)。
上記パッキング係数の計算では、原子半径および原子間距離は日本化学会著化学便覧基礎編改訂3版に記載されている数値を用いた。すなわち、原子半径ではH=1.2Å、O=1.52Å、C=1.7Å、Si=2.14Åを用い、原子間距離はH-C=1.08Å、C-C=1.541Å、Si-C=1.863Å、Si-O=1.609Åを用いた。例えば、一般式(I)のM=ケイ素原子、w=0、x=2、y=0、及びz=0で表せるガラスの密度は2.23g/cm3でありそのパッキング係数は0.747となる。一般式(I)のRがメチル基でw=8、x=0、y=0、及びz=0の立方体構造をとるオクタキスメチルシルセスキオキサンの密度は1.49g/cm3でありパッキング係数は0.697となる。また一般式(II)のR6およびR7がメチル基でj=0、k=4、及びl=0の環状構造をとるオクタメチルシクロテトラシロキサンの密度は0.956g/cm3であり、そのパッキング係数は0.576となる。同様にR3およびR4、R5、R6、及びR7がメチル基でj=2、k=1、及びl=0の鎖状構造をとるオクタメチルトリシロキサンの密度は0.820g/cm3であり、そのパッキング係数は0.521となる。すなわち、ケイ素原子が3つ以上の酸素原子と結合した三次元多面体構造を有する金属酸化物のパッキング係数は0.69以上となり、本発明における密な構造単位となる。また環状および鎖状構造をとる化合物のパッキング係数は0.576および0.521であり、本発明における疎な構造単位となる。
また、本発明における硬化性樹脂は、密な構造単位(A)と疎な構造単位(B)の構造単位重量比(A)/(B)が0.01〜5.00、好ましくは0.5〜3.00である。(A)/(B)が0.01より小さい場合は密な構造が少なすぎ、硬化性樹脂を成形し硬化させたクラッド層又はコア層の機械物性及び耐熱性が著しく悪化してしまう。また、5.00以上の場合、クラッド層又はコア層に柔軟性を付与する疎な構造部位が少なすぎ、靭性が著しく悪化し脆いものとなってしまう。
また、上記硬化性樹脂の平均分子量は800〜60000である。平均分子量が800未満であると成形後に脆くなりやすく、反対に60000を超えると硬化成型加工が困難となり取り扱いに不自由をきたすことがある。なお、平均分子量は公知のGPC測定装置によって測定することができる。
RSiX3又はMX4で表される化合物、及びR345SiX又はR67SiX2で表される化合物の加水分解及び縮合に用いられる酸触媒としては、塩酸、及び硫酸が挙げられる。また、これらを混合して用いることもできるし、加水分解性基がハロゲン原子の場合は、加水分解のときに生成するハロゲン化水素を利用してもよい。
加水分解及び縮合に用いられる塩基性触媒としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物、あるいはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシド等の水酸化アンモニウム塩が例示される。これらの中でも、触媒活性が高い点からテトラメチルアンモニウムヒドロキシドが好ましく用いられる。塩基性触媒は、通常水溶液として使用される。
加水分解反応は水の存在が必須であるが、これは触媒の水溶液から供給することもできるし、別途水として加えてもよい。水の量は加水分解性基を加水分解するに足る量以上、好ましくは理論量の1.0〜1.5倍量である。
本発明においては、硬化性樹脂にヒドロシリル化触媒又はラジカル開始剤を配合し、或いは両者を配合して硬化性樹脂組成物を得るようにしてもよい。そして、この硬化性樹脂組成物を熱硬化又は光硬化させて、ヒドロシリル化やラジカル重合することで、クラッド層又はコア層を得ることができる。また、ヒドロシリル化触媒やラジカル開始剤に加えて、分子中に少なくとも1つのヒドロシリル基を有する化合物や、分子中に不飽和基を有する化合物を更に配合して硬化性樹脂組成物を得るようにしてもよい。すなわち、光導波路の用途、目的、形状や、クラッド層又はコア層の物性を改良する目的から、反応を促進する添加剤としてヒドロシリル化触媒、熱重合開始剤、熱重合促進剤、光重合開始剤、光開始助剤、鋭感剤等を配合して硬化性樹脂組成物を得るようにする。
ヒドロシリル化触媒を配合する場合、その添加量は硬化性樹脂の重量に対し金属原子として1〜1000ppm、より好ましくは20〜500ppmの範囲で添加するのがよい。また、ラジカル開始剤として光重合開始剤又は熱重合開始剤を配合する場合、その添加量は硬化性樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲とするのがよく、0.1〜3重量部の範囲とするのがより好ましい。この添加量が0.1重量部に満たないと硬化が不十分となり、得られるクラッド層又はコア層の強度や剛性が低くなる。一方、5重量部を超えると着色等の問題が生じるおそれがある。またヒドロシリル化触媒とラジカル開始剤を単独で使用してもよく、2種類以上併用して用いることもできる。
ヒドロシリル化触媒としては、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトンとの錯体、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金とビニルシロキサンとの錯体、ジカルボニルジクロロ白金及びパラジウム系触媒、ロジウム系触媒等の白金族金属系触媒が挙げられる。これらの中で、触媒活性の点から、塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金とビニルシロキサンとの錯体が好ましい。また、これらを単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよい。
硬化性樹脂組成物を光硬化性樹脂組成物とする場合に用いられる光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、チオキサンソン系、アシルホスフィンオキサイド系等の化合物を好適に使用することができる。具体的には、トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1-フェニル-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルホリノプロパン-1-オン、ベンゾインメチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、チオキサンソン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、カンファーキノン、ベンジル、アンスラキノン、ミヒラーケトン等を例示することができる。また、光重合開始剤と組み合わせて効果を発揮する光開始助剤や鋭感剤を併用することもできる。
上記目的で使用される熱重合開始剤としては、ケトンパーオキサイド系、パーオキシケタール系、ハイドロパーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド系、ジアシルパーオキサイド系、パーオキシジカーボネート系、パーオキシエステル系など各種の有機過酸化物を好適に使用することができる。具体的にはシクロヘキサノンパーオキサイド、1,1―ビス(t-ヘキサパーオキシ)シクロヘキシサノン、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、t-ブチルパオキシー2-エチルヘキサノエート等を例示する事ができるが、これに何ら制限されるものではない。また、これら熱重合開始剤は単独で使用しても、2種類以上を混合して使用してもよい。
硬化性樹脂を硬化性樹脂組成物にする場合において、硬化性樹脂に配合される分子中に少なくとも1つのヒドロシリル基を有する化合物は、分子中に少なくとも1つ以上のヒドロシリル化可能なケイ素原子上に水素原子有しているオリゴマー及びモノマーである。ケイ素原子上に水素原子を有しているオリゴマーとしては、ポリハイドロジェンシロキサン類、ポリジメチルヒロドシロキシシロキサン類及びその共重合体、末端がジメチルヒドロシロキシで修飾されたシロキサンが挙げられる。また、ケイ素原子上に水素原子を有しているモノマーとしては、テトラメチルシクロテトラシロキサン、ペンタメチルシクロペンタ等の環状シロキサン類、ジヒドロジシロキサン類、トリヒドロモノシラン類、ジヒドロモノシラン類、モノヒドロモノシラン類、ジメチルシロキシシロキサン類等を例示することができ、これらを2種類以上混合してもよい。
また、硬化性樹脂に配合される不飽和基を有する化合物は、構造単位の繰り返し数が2〜20程度の重合体である反応性オリゴマーと、低分子量であり低粘度の反応性モノマーに大別される。また、不飽和基を1個有する単官能不飽和化合物と2個以上有する多官能不飽和化合物に大別される。
反応性オリゴマーとしては、ポリビニルシロキサン類、ポリジメチルビニルシロキシシロキサン類、及びその共重合体、末端がジメチルビニルシロキシで修飾されたシロキサン類、エポキシアクリレート、エポキシ化油アクリレート、ウレタンアクリレート、不飽和ポリエステル、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ビニルアクリレート、ポリエン/チオール、シリコーンアクリレート、ポリブタジエン、ポリスチリルエチルメタクリレート等を例示することができる。これらには、単官能不飽和化合物と多官能不飽和化合物がある。
反応性の単官能モノマーとしては、トリエチルビニルシラン、トリフェニルビニルシランなどのビニル置換ケイ素化合物類、シクロヘキセン等の環状オレフィン類、スチレン、酢酸ビニル、N-ビニルピロリドン、ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n-デシルアクリレート、イソボニルアクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート等を例示することができる。
反応性の多官能モノマーとしては、テトラビニルシラン、ジビニルテトラメチルジシロキサン等のビニル置換ケイ素化合、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン、ペンタメチルペンタビニルシクロペンタシロキサン等のビニル置換環状ケイ素化合物、ビス(トリメチルシリル)アセチレン、ジフェニルアセチレンなどのアセチレン誘導体、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、シクロオクタジエンなどの環状ポリエン類、ビニルシクロヘキセン等のビニル置換環状オレフィン、ジビニルベンゼン類、ジエチニルベンゼン類、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等を例示することができる。
分子中に不飽和基を有する化合物としては、以上に例示したもの以外に、各種反応性オリゴマー、モノマーを用いることができる。また、これらの反応性オリゴマーやモノマーは、それぞれ単独で使用しても、2種類以上を混合して使用してもよい。また、本発明で使用する分子中に少なくとも1つのヒドロシリル基を有する化合物、及び分子中に不飽和基を有する化合物は、それぞれ単独で使用しても、2種類以上混合して使用してもよい。
硬化性樹脂組成物には、本発明の目的から外れない範囲で各種添加剤を添加することができる。各種添加剤として有機/無機フィラー、可塑剤、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、離型剤、発泡剤、核剤、着色剤、架橋剤、分散助剤、樹脂成分等を例示することができる。
本発明の硬化性樹脂にヒドロシリル化触媒、ラジカル重合開始剤のいずれか又は両方を添加して硬化性樹脂組成物にした場合、加熱又は光照射によって硬化させてクラッド層又はコア層、或いはこれらの両方を得ることができる。加熱による共重合体(成形体)によってクラッド層やコア層を形成する場合、その成形温度は、熱重合開始剤と促進剤の選択により、室温から200℃前後までの広い範囲から選択することができる。この際、例えば金型内やスチールベルト上で重合硬化させることで所望の形状のクラッド層やコア層を得ることができる。より具体的には、射出成形、押出成形、圧縮成形、トランスファー成形、カレンダー成形、キャスト(注型)成形といった一般的な成形加工方法の全てが適用可能である。
また、常温下で基材上に硬化性樹脂組成物を塗布してスピンコーテイングする場合には、組成物の粘度は25℃において1×104mPa・s以下であるのが好ましい。これより粘度が大きいと基材上にスピンコーテイングする際に均一な厚みの膜ができにくいため希釈するのが望ましい。この際使用する希釈溶媒としては、沸点が80〜200℃のものが推奨される。具体的には、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エトキシ−2−プロパノールアセテート、メトキシ−2−プロパノールアセテート、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルジシロキサンが例示される。このような希釈溶媒は、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。また、溶媒で希釈した組成物の固形分濃度は、分子量と粘度および形成するコーティング膜の厚さにもよるが、20重量%以上であることが望ましい。
一方、光照射による共重合体(成形体)によりクラッド層やコア層を形成する場合、例えば波長100〜400nmの紫外線や波長400〜700nmの可視光線を照射することで得ることができる。用いる光の波長は特に制限されるものではないが、特に波長200〜400nmの近紫外線が好適に用いられる。紫外線発生源として用いられるランプとしては、低圧水銀ランプ(出力:0.4〜4W/cm)、高圧水銀ランプ(40〜160W/cm)、超高圧水銀ランプ(173〜435W/cm)、メタルハライドランプ(80〜160W/cm)、パルスキセノンランプ(80〜120W/cm)、無電極放電ランプ(80〜120W/cm)等を例示することができる。これらの紫外線ランプは、各々その分光分布に特徴があるため、使用する光開始剤の種類に応じて選定される。
硬化性樹脂組成物を硬化させて得たクラッド層やコア層について、可視光領域においては反射を除けばほぼ100%の光透過率を有する。また、偏光子を用いて測定する限りにおいては、偏光は観測されないことから、複屈折は無視できる程度に小さい。更に、得られたクラッド層やコア層を例えば260℃まで加熱しても成形当初の形状を保つことができて、重量変化も認められないことから、フッ素化ポリメチルメタクリレート樹脂のような光伝送部材用の熱可塑性樹脂以上の耐熱性を有していると言え、容易に変形しない程度の硬さと弾性を備えることから、十分な自己保持強度を有すると言える。
本発明における光導波路は、パッシブ系の光導波路、アクティブ系の光導波路の双方で使用可能である。また、本発明の硬化性透明樹脂組成物の硬化物を用いて、非分岐導波路、分岐導波路、合分波器、光学接着剤等のパッシブ光伝送部材、導波路型光スイッチ、導波路型光変調器、光減衰器、光増幅器等のアクティブ光伝送部材として使用しても差し支えない。また、硬化性透明樹脂組成物の硬化物自体を光伝送部材として使用しても良く、他の部材を被覆したり、他の部材間に挟持されていたり、他の部材中や機器中に組み込まれて使用しても差し支えない。
本発明の硬化性樹脂組成物を用いて光導波路を得る手段については特に制限されないが、例えば以下のような方法を例示することができる。先ず、硬化性樹脂組成物に含まれる溶媒に対して安定であり、硬化時の温度に耐え得る基板であってその表面が平滑であるものを用意し、この基板上に硬化性樹脂組成物(1)を塗布する。このような基板としては、シリコンウエファー、ガラス、セラミック、耐熱性プラスチック等の一般的に使用されるものを挙げることができる。次に、上記樹脂組成物(1)を加熱又は光照射によって硬化させた後、この硬化物上に上記樹脂組成物(1)より硬化後の屈折率が少なくとも0.1%以上大きい樹脂組成物(2)を所定量塗布し、加熱又は光照射により硬化させる。更に、この硬化物上に樹脂組成物(1)を再度塗布し、同様に硬化させ、これらの硬化物を基板から剥離することによりスラブ型光導波路を製造することができる。この場合、樹脂組成物(1)の硬化物は下部クラッド層と上部クラッド層とになり、樹脂組成物(2)の硬化物はコア層になる。なお、屈折率を調整する手段としては、例えば前記一般式(I)及び(II)のR、R3〜R7に芳香環(フェニル基)を用いことにより屈折率を高くする方法や、同様に、Mにケイ素のかわりにゲルマニウムやチタン、ジルコニウムを用いることで屈折率を高くする方法等を採用することができる。また、硬化性樹脂組成物に芳香環(フェニル基)やチオール基を有する化合物を配合することでも屈折率を高くすることができる。
また、上記樹脂組成物(2)の硬化物を所望の形状に縮小加工後、樹脂組成物(1)の硬化物と樹脂組成物(2)の硬化物上に樹脂組成物(1)を塗布して硬化させ、必要に応じて基板から剥がすことにより、フィルム状チャネル型光導波路を得ることもできる。樹脂組成物(2)の硬化物を所望の形状に縮小加工するには、所望のパターンにエッチング加工するのがよい。例えば、樹脂組成物(2)の硬化物(コア層)上にフォトリソグラフィーによりレジストパターンを形成し、レジストパターンで保護されていないコア層をエッチングにより除去し、該レジストを除去してコアパターンを形成すればよい。更に、樹脂組成物(1)を基板に塗布して加熱硬化又は光硬化させて、その硬化物(下部クラッド層)を基板から剥がし、この硬化物(下部クラッド層)上に上記要領によりコアパターンと上部クラッド層を形成することによっても、フィルム状チャネル型光導波路を得ることができる。
以下、本発明の実施例を示す。尚、下記の実施例に使用した硬化性樹脂は、下記の合成例に示した方法で得たものである。
[合成例1−A]
撹拌機及び滴下ロートを備えた2Lの4口フラスコに、イソプロピルアルコール300mLおよびトルエン600mL、20w%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液22.37g(水酸化テトラメチルアンモニウム4.55g/0.05mol、水17.82g/0.99mol)を装入した。滴下ロートにビニルトリメトキシシラン44.4g/0.30molとイソプロピルアルコール50mLの混合溶液を装入し、反応容器を撹拌しながら、室温で3時間かけて滴下した。滴下終了後加熱することなく3時間撹拌した。3時間撹拌後、撹拌を止め反応溶液を18時間室温で熟成させた。その反応溶液を0.1Mクエン酸水溶液1Lに加え中和し、さらに水で中性になるまで水洗した後、無水硫酸マグネシウムを加え脱水した。無水硫酸マグネシウムをろ別し、減圧下で濃縮した。濃縮物を脱水されたテトラヒドロフラン200mLで溶解し、撹拌機、滴下ロートを備えた1Lの4口フラスコに装入した。反応容器に脱水されたピリジン100mLおよび滴下ロートにジメチルジクロロシラン3.2g/0.025molとトリメチルクロロシラン2.7g/0.025molとテトラヒドロフラン30mLを加え、窒素気流下で反応容器を撹拌しながら、室温で3時間かけて滴下した。滴下終了後加熱することなく3時間撹拌した。3時間撹拌後、トルエン300mLを加えた後、反応溶液を水で中性になるまで水洗し、無水硫酸マグネシウムを加え脱水した。無水硫酸マグネシウムをろ別し、減圧下で濃縮することで無色透明の液体として硬化性樹脂(1-A)〔一般式(1)〕27.1g得た。
この硬化性樹脂の1H-NMRでは、ビニル基のシャープなシグナルが観測されたことからビニルトリメトキシシランからの加水分解縮合物は籠型構造であることが確認された。このことから金属酸化物、すなわちケイ素酸化物で構成される三次元多面体構造である密な構造単位(A)については、ケイ素原子8個と酸素原子12個とで構成される(SiO3/28で表せる立方体構造と仮定することができ、導き出されたKpは0.73であった。また、上記硬化性樹脂の(A)以外の部分は、(H2C=CH-SiO3/28の残基であるビニル基と(Me3SiO1/2)と(Me2SiO)とであって疎な構造部位(B)であり、これらから求められる重量比〔(A)/(B)〕は1.302であり、また、GPCによる数平均分子量Mnは5200であった。更に、疎な構造単位(B)はビニル基、(Me3SiO1/2)、及び(Me2SiO)からなり、三次元多面体構造をとらず、Kpは0.69未満であった。尚、密な構造単位(A)のKpを算出する際、(SiO3/28は(A)の部分であり一般式(I)樹脂中の一部として存在するため取り出すことが不可能であって直接的にKpを求めることができない。そのため最もKpへの影響が少なく近似できる化合物として(HSiO3/28を用いて計算した。
[合成例1−B]
撹拌機と滴下ロートを備えた2Lの4口フラスコにイソプロピルアルコール300mL、トルエン600mL、及び20w%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液22.37g(水酸化テトラメチルアンモニウム4.55g/0.05mol、水17.82g/0.99mol)を装入した。滴下ロートにビニルトリメトキシシラン44.4g/0.30molとイソプロピルアルコール50mLの混合溶液を装入し、反応容器を撹拌しながら、室温で3時間かけて滴下した。滴下終了後加熱することなく3時間撹拌した。3時間撹拌後、撹拌を止め反応溶液を18時間室温で熟成させた。その反応溶液を0.1Mクエン酸水溶液1Lに加え中和し、さらに水で中性になるまで水洗した後、無水硫酸マグネシウムを加え脱水した。無水硫酸マグネシウムをろ別し、減圧下で濃縮した。濃縮物を脱水されたテトラヒドロフラン200mLで溶解し、撹拌機、滴下ロートを備えた1Lの4口フラスコに装入した。反応容器に脱水されたピリジン100mLおよび滴下ロートにフェニルメチルジクロロシラン9.6g/0.05molとフェニルジメチルクロロシラン1.7g/0.01molとテトラヒドロフラン30mLを加え、窒素気流下で反応容器を撹拌しながら、室温で3時間かけて滴下した。滴下終了後加熱することなく3時間撹拌した。3時間撹拌後、トルエン300mLを加えた後、反応溶液を水で中性になるまで水洗し、無水硫酸マグネシウムを加え脱水した。無水硫酸マグネシウムをろ別し、減圧下で濃縮することで無色透明の液体として硬化性樹脂(1−B)〔一般式(1)〕30.1gを得た。
この硬化性樹脂の1H-NMRでは、ビニル基のシャープなシグナルが観測されたことからビニルトリメトキシシランからの加水分解縮合物は籠型構造であることが確認された。このことから金属酸化物、すなわちケイ素酸化物で構成される三次元多面体構造である密な構造部位(A)については、ケイ素原子8個と酸素原子12個とで構成される(SiO3/28で表せる立方体構造と仮定することができ、導き出されたKpは0.73であった。また、上記硬化性樹脂の(A)以外の部位は、(H2C=CH-SiO3/28の残基であるビニル基と(PhMe2SiO1/2)と(PhMeSiO)であって疎な構造部位(B)であり、これらから求められる重量比〔(A)/(B)〕は0.955であった。また、GPCによる数平均分子量Mnは6800であった。更に、疎な構造単位(B)はビニル基、(PhMe2SiO1/2)及び(PhMeSiO)からなり、三次元多面体構造をとらず、Kpは0.69未満であった。
本発明を具体的に説明するために以下に実施例と比較例を記すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下で得られた硬化物の屈折率はプリズムカプラー法により波長1550nmにて測定し、膜厚はTencor製アルファステップ200により測定した。硬化物の弾性率は、厚さ2mmの平板について、動的粘弾性測定装置を用い1ヘルツの周波数、ひずみ量0.5%の条件で0〜50℃の温度範囲で測定し、25℃の値を測定値とした。また、硬化物の透過率は、厚さ3mmの平板について、自記分光光度計により波長1550nmで測定した。硬化物の光損失値は、1550nmでの値をカットバック法により測定した。
上記合成例1−Aで得られた硬化性樹脂(1−A)58重量部、末端水素修飾メチルヒドロシロキサン-フェニルメチルシロキサンコポリマー(アヅマックス株式会社製 HPM-502)42重量部、ジクミルパーオキサイド(日本油脂株式会社製パークミルD)2重量部、及び白金-ビニルシロキサン錯体(アヅマックス株式会社製SIP6830.3)0.5重量部を均一になるまで混合し、硬化性樹脂組成物(1−C)とした。これをガラス板で組んだ型に厚み2mmおよび3mmになるように流し込み、100℃で1時間、120℃で1時間、140℃で1時間、160℃で1時間、180℃で1時間、及び200℃で2時間加熱して平板の硬化物を得た。この硬化物は無色透明であり、屈折率は1.491、弾性率は0.8〜1.0ギガパスカルであり、すなわち、容易に変形しない程度の硬さと弾性を有し、十分な自己保持強度を有しており、トルエン中に一晩浸漬しても溶解、膨潤等による変化は観測されなかった。また、硬化物の通信波長領域(1550nm)での透過率は94%以上であり、光損失値は0.5dB/cmであるため、光伝送部材として使用するに足りる値を有していた。
また、合成例1−Bで得られた硬化性樹脂(1−B)37重量部、末端水素修飾メチルヒドロシロキサン-フェニルメチルシロキサンコポリマー(アヅマックス株式会社製 HPM-502)63重量部、ジクミルパーオキサイド(日本油脂株式会社製パークミルD)2重量部、及び白金-ビニルシロキサン錯体(アヅマックス株式会社製SIP6830.3)0.5重量部を均一になるまで混合し、硬化性樹脂組成物(1−D)とした。これをガラス板で組んだ型に厚み2mmおよび3mmになるように流し込み、100℃で1時間、120℃で1時間、140℃で1時間、160℃で1時間、180℃で1時間、及び200℃で2時間加熱して平板の硬化物を得た。この硬化物は無色透明であり、屈折率は1.511、弾性率は0.8〜1.0ギガパスカルであり、すなわち、容易に変形しない程度の硬さと弾性を有し、十分な自己保持強度を有しており、トルエン中に一晩浸漬しても溶解、膨潤等による変化は観測されなかった。また、硬化物の通信波長領域(1550nm)での透過率は94%以上であり、光損失値は0.5dB/cmであるため、光伝送部材として使用するに足りる値を有していた。
上記で得られた硬化性樹脂組成物(1−C)と硬化性樹脂組成物(1−D)を用いて、図1に示すような光導波路1を作製した。先ず、図示外のシリコン処理基板上に硬化性樹脂組成物(1−C)の2-プロパノール溶液をスピンコート法により塗布して成膜した。この際、膜厚が15μmとなるようにスピンコーターの回転数を調整した。形成した薄膜は、80℃で1時間加熱して溶媒を除去した後、100℃で1時間、200℃で1時間加熱することにより硬化させ、下部クラッド層2aとした。次いで、この上に硬化性樹脂組成物(1−D)の2-プロパノール溶液を用いて、スピンコート法により成膜した。スピンコーターの回転数は、得られる膜厚が8μmとなるように調整した。この際、下部クラッド層2aとの間でインターミキシングは全く見られなかった。形成した塗膜は、80℃で1時間加熱して溶媒を除去した後、100℃で1時間、200℃で1時間加熱することにより硬化させた。続いて、この上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィにより直線状の導波路マスクパターンを形成した。さらに、反応性イオンエッチングにより、マスクパターン以外の部分を除去し、幅8μm、高さ8μmの矩形断面のコアリッジ(コア層)3を形成した。更に、この上に硬化性樹脂組成物(1−C)の2-プロパノール溶液を塗布し、下部クラッド層2aを形成した場合と同様に硬化させて上部クラッド層2bを形成し、コア/クラッド構造からなるチャネル型光導波路1を得た。なお、上部クラッド層2bの厚さはコア層3の上面から8μmとなるようにした。以上の光導波路作製工程において、クラックの発生は見られなかった。
上記で得られた光導波路1をダイシングソーによって5cmの長さに切り出し、導波損失を測定したところ、波長1.3μmのみならず波長1.40−1.61μmでも0.5dB/cm以下であった。この光導波路1を空気中で加熱したところ280℃まで重量減少は観察されず、耐熱性に優れていることが確認された。
[比較例1] 特許文献1の実施例に準じた可撓性光導波路
粘度5000mPa・sの両末端トリメチルシロキシ基封鎖直鎖状ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサンコポリマー(フェニル基を25モル%含有、屈折率1.50)100重量部と粘度5mPa・sの両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサンコポリマー5重量部の混合物に、塩化白金酸のクロロフォルム溶液を白金重量で5ppmになるように添加し、混合してヒドロシリル化反応硬化型液状シリコーンゴム組成物を調製した後、この組成物を熱気中に吐出して直径1φのシリコーンゴムからなる丸紐状コアを形成した。次いでこのコアに粘度3000mPa・sのヒドロシリル化反応硬化型液状シリコーンゴム組成物(主成分:両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖直鎖状ジメチルポリシロキサンと両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサンコポリマーと塩化白金酸。屈折率1.41)をコーティングした後、150℃で5分間加熱し硬化させて直径1.4φの丸紐状可撓性光導波路を作製した。この光導波路は、容易に変形して自己保持強度がなく、これを空気中で加熱したところ、200℃から分解による重量減少が観察され、耐熱性に劣ることがわかった。
[比較例2] 特許文献5の実施例2に準じたポリシルセスキオキサン光導波路
クラッド層用としてポリメチルシルセスキオキサン(分子量Mw=2000、屈折率1.423)、コア層用としてポリフェニルシルセスキオキサン(分子量Mw=15000、屈折率1.555)を使用して、スピンコート、フォトリソグラフィ、ドライエッチング、ついでスピンコートすることにより、コア層が幅8μm、高さ8μm、長さ50mmのポリフェニルシルセスキオキサンからなり、上部クラッド層、下部クラッド層ともに厚さ20μmのポリメチルシルセスキオキサンからなるチャネル型光導波路を作製した。この光導波路の光損失値は0.5dB/cm以下であった。この光導波路を260℃で2分間加熱処理したところ、コアの屈折率が0.3%、両クラッド層の屈折率が0.8%減少し、両者間の屈折率差が熱処理前と比べて変化した。このことから、この光導波路は耐熱性に劣ることが分った。
図1は、本発明の実施例に係る光導波路を示す断面模式図である。
符号の説明
1:光導波路、2a:下部クラッド層、2b:上部クラッド層、3:コア層。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表される硬化性樹脂を硬化させてクラッド層又はコア層の少なくとも一方を形成した光導波路であって、一般式(1)の硬化性樹脂は、自由体積分率から計算される下記計算式(2)で求められるパッキング係数Kpが0.68〜0.8の金属酸化物から構成される密な構造単位(A)と、上記Kpが0.68未満であって有機物と有機金属酸化物とを含んで構成される疎な構造単位(B)とを有し、構造単位(A)/(B)の重量比が0.01〜5.00であり、かつ、少なくとも一つの不飽和結合を有して平均分子量が800〜60000であることを特徴とする光導波路。
    −{(A)−(B)mn− (1)
    (但し、mおよびnは1以上の整数を示す。)
    Kp=An・Vw・p/Mw (2)
    〔但し、An=アボガドロ数、Vw=ファンデアワールス体積、p=密度、Mw=分子量であり、Vw=ΣVa、Va=4π/R3-Σ1/3πhi2(3Ra-hi)、hi=Ra-(Ra2+di2-Ri2)/2di、Ra=原子半径、Ri=結合原子半径、及びdi=原子間距離を示す。〕
  2. 密な構造単位(A)は、下記一般式(I)の有機物部位を除いた三次元多面体構造骨格を有する金属酸化物部位からなり、疎な構造単位(B)は、下記一般式(II)で表される有機金属酸化物からなる鎖状単位と一般式(I)の有機物部位とからなる請求項1に記載の光導波路。
    (RSiO3/2w(MO2x(RXSiO)y(XMO3/2z (I)
    (R345SiO1/2j(R67SiO)k{R67XSiO1/2l (II)
    〔但し、Rは(a)-R1-OCO-CR2=CH2、(b)-R1-CR2=CH2若しくは(c)-CH=CH2で示される不飽和基、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、フェニル基、水素原子、アルコキシル基、又はアルキルシロキシ基であり、式(I)における複数のRは互いに異なるものであってもよいが、少なくとも1つは上記(a)、(b)又は(c)のいずれかを含み、R1はアルキレン基、アルキリデン基又はフェニレン基を示し、R2は水素又はアルキル基を示す。また、R3〜R7は(a)-R1-OCO-CR2=CH2、(b)-R1-CR2=CH2若しくは(c)-CH=CH2で示される不飽和基、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、フェニル基、水素原子、アルコキシル基、又はアルキルシロキシ基である。更に、Mはケイ素、ゲルマニウム、チタン、又はジルコニウムの金属原子、Xはハロゲン原子、又はアルコキシル基であり、wは4以上の整数であり、x、y及びzはw+x+y+z≧8を満たす整数である。j、k、及びlはそれぞれ0以上の整数を示す。〕
  3. 一般式(I)は、RSiX3、MX4又はこれらの混合物(但しR、M及びXは一般式(I)の場合と同じである)の加水分解縮合物からなる請求項2に記載の光導波路。
  4. 一般式(II)が、R345SiX、R67SiX2又はこれらの混合物(但し、R3〜R7及びXは一般式(II)と同じである。)の加水分解縮合物からなり、一般式(I)の有機物部位又はXの少なくとも一部がこの加水分解縮合物に結合して一般式(1)の構造部位(B)を形成する請求項2に記載の光導波路。
  5. 一般式(1)で表される硬化性樹脂にヒドロシリル化触媒及び/又はラジカル開始剤を配合して硬化性樹脂組成物を得た後、この硬化性樹脂組成物を熱硬化又は光硬化させてクラッド層又はコア層を形成する請求項1〜4のいずれかに記載の光導波路。
  6. 分子中に少なくとも1つのヒドロシリル基を有する化合物及び/又は不飽和基を有する化合物を更に配合して硬化性樹脂組成物を得る請求項5に記載の光導波路。
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JP2009242628A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Dow Corning Toray Co Ltd オルガノポリシロキサン、その製造方法、硬化性シリコーン組成物、およびその硬化物
JP2010091734A (ja) * 2008-10-07 2010-04-22 Hitachi Chem Co Ltd コア部形成用樹脂組成物及びこれを用いたコア部形成用樹脂フィルム、ならびにこれらを用いた光導波路
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