JP2008232569A - 冷凍装置 - Google Patents

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強 米森
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Abstract

【課題】蒸気圧縮冷凍サイクルの際に冷媒が分岐する箇所と分岐した冷媒が合流する箇所とが形成される冷媒回路(10)を備える冷凍装置(30)において、冷媒が分岐する箇所と冷媒が合流する箇所との間の分岐流路(33,34)の冷媒流量の状態を冷凍装置(30)の効率を低下させずに検出する。
【解決手段】第1の分岐流路(33)から合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピ、第2の分岐流路(34)から合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピ、合流部(18)で合流した冷媒の比エンタルピ、第1の分岐流路(33)と第2の分岐流路(34)の冷媒の合計質量流量を用いて表される数式を用いて、分岐流路(33,34)の冷媒流量の状態を検出する。
【選択図】図2

Description

本発明は、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路を備える冷凍装置に関するものである。
従来より、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路を備える冷凍装置に関して、蒸気圧縮冷凍サイクルの際に冷媒が分岐する箇所と分岐した冷媒が合流する箇所と形成される冷媒回路を備えるものが知られている。この種の冷凍装置の一例が特許文献1に開示されている。
具体的に、特許文献1には、室外機と第1室内機と第2室内機とを備える空調機が開示されている。この空調機では、室外機には室外回路が収容され、各室内機には室内回路がそれぞれ収容されている。各室内回路は、液側連絡管及びガス側連絡管を介して室外回路に対して並列に接続されている。この空調機では、室外回路から流出した冷媒が2手に分岐し、分岐した冷媒が各室内回路を流通する。そして、各室内回路を通過した冷媒が合流して室外回路へ戻ってくる。
特開2002−147878号公報
ところで、従来の冷凍装置では、冷媒が分岐する箇所と冷媒が合流する箇所との間の各分岐流路にどの程度の冷媒が流れているかを検出するには、分岐流路に冷媒流量計を設ける必要があった。しかし、冷媒流量計は冷媒の流れの抵抗になるので、冷凍装置の効率が低下するという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするこころは、蒸気圧縮冷凍サイクルの際に冷媒が分岐する箇所と分岐した冷媒が合流する箇所とが形成される冷媒回路を備える冷凍装置において、冷媒が分岐する箇所と冷媒が合流する箇所との間の分岐流路の冷媒流量の状態を冷凍装置の効率を低下させずに検出することにある。
第1の発明は、圧縮機(26)、減圧手段(42,43)、及び複数の熱交換器(41,44)が設けられて、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備え、上記冷媒回路(10)では、蒸気圧縮冷凍サイクルの際に冷媒が第1の分岐流路(33)と第2の分岐流路(34)とに分岐する分岐部(17)と、該第1の分岐流路(33)を流通した冷媒と該第2の分岐流路(34)を流通した冷媒とが合流する合流部(18)とが形成される冷凍装置(30)を対象とする。そして、この冷凍装置(30)は、上記第1の分岐流路(33)から上記合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピを第1検出値として、上記第2の分岐流路(34)から上記合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピを第2検出値として、及び上記合流部(18)で合流した冷媒の比エンタルピを第3検出値として、それぞれ検出する冷媒状態検出手段(51)と、上記第1検出値をhとし、上記第2検出値をhとし、上記第3検出値をhaとし、第1の分岐流路(33)の冷媒の質量流量をGとし、第2の分岐流路(34)の冷媒の質量流量をGとしたときに、G/(G+G)=(ha−h)/(h−h)という数式1と、G/(G+G)=(ha−h)/(h−h)という数式2とが成り立つことを利用して、G/(G+G)の値、G/(G+G)の値、及びG/Gの値のうち少なくとも1つを推定する分岐状態推定手段(53)とを備えている。
第1の発明では、冷媒状態検出手段(51)が、第1の分岐流路(33)から合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピを第1検出値hとして、第2の分岐流路(34)から合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピを第2検出値hとして、及び合流部(18)で合流した冷媒の比エンタルピを第3検出値hとして、それぞれ検出する。ここで、第1の分岐流路(33)と第2の分岐流路(34)の冷媒の合計質量流量(G+G)に対する第1の分岐流路(33)の冷媒の質量流量Gの割合G/(G+G)は、上記数式1によって算出することができる。また、その合計質量流量(G+G)に対する第2の分岐流路(34)の冷媒の質量流量Gの割合G/(G+G)は、上記数式2によって算出することができる。数式1と数式2の導きだし方について以下に説明する。
冷凍サイクルの理想状態では、第1の分岐流路(33)から合流部(18)に流入する冷媒の仕事率(単位時間当たりの仕事量)と、第2の分岐流路(34)から合流部(18)に流入する冷媒の仕事率との合計が、合流部(18)で合流した冷媒の仕事率に等しくなることから、以下に示す数式6が導き出される。また、第1の分岐流路(33)の冷媒の質量流量Gと第2の分岐流路(34)の冷媒の質量流量Gとの合計は、合流部(18)で合流した冷媒の流量Gaに等しくなることから、以下に示す数式7が導き出される。
式6:G×h+G×h=ha×Ga
式7:G+G=Ga
そして、上記数式7をG=Ga−G、G=Ga−Gと変形して、それぞれ数式6に代入すると、数式1と数式2とがそれぞれ導き出される。この第1の発明では、分岐状態推定手段(53)が、数式1及び数式2の関係を用いて、G/(G+G)の値、G/(G+G)の値、及びG/Gの値のうち少なくとも1つを推定する。これらの値は、何れも冷媒の比エンタルピによって表された数式によって算出される。
第2の発明は、圧縮機(26)、減圧手段(42,43)、及び複数の熱交換器(41,44)が設けられて、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備え、上記冷媒回路(10)では、蒸気圧縮冷凍サイクルの際に冷媒が第1の分岐流路(33)と第2の分岐流路(34)とに分岐する分岐部(17)と、該第1の分岐流路(33)を流通した冷媒と該第2の分岐流路(34)を流通した冷媒とが合流する合流部(18)とが形成される冷凍装置(30)を対象とする。そして、この冷凍装置(30)は、上記第1の分岐流路(33)から上記合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピを第1検出値として、上記第2の分岐流路(34)から上記合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピを第2検出値として、及び上記合流部(18)で合流した冷媒の比エンタルピを第3検出値として、それぞれ検出する冷媒状態検出手段(51)と、上記合流部(18)で合流した冷媒の質量流量を検出する合計流量検出手段(52)と、上記第1検出値をhとし、上記第2検出値をhとし、上記第3検出値をhaとし、第1の分岐流路(33)の冷媒の質量流量をGとし、第2の分岐流路(34)の冷媒の質量流量をGとし、合流部(18)で合流した冷媒の質量流量をGaとしたときに、G/Ga=(ha−h)/(h−h)という数式3と、G/Ga=(ha−h)/(h−h)という数式4とが成り立つことを利用して、Gの値及びGの値の一方又は両方を推定する分岐状態推定手段(53)とを備えている。
第2の発明では、冷媒状態検出手段(51)が、第1の分岐流路(33)から合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピを第1検出値hとして、第2の分岐流路(34)から合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピを第2検出値hとして、及び合流部(18)で合流した冷媒の比エンタルピを第3検出値hとして、それぞれ検出する。合計流量検出手段(52)が、合流部(18)で合流した冷媒の質量流量Gaを検出する。なお、合流部(18)で合流した冷媒の質量流量Gaは、例えば圧縮機(26)の吐出側と吸入側との冷媒の比エンタルピ差で圧縮機(26)の入力電力を除することによって算出された冷媒回路(10)の冷媒循環量から検出可能である。そして、分岐状態推定手段(53)が、数式3及び数式4の関係を用いて、第1の分岐流路(33)の冷媒の質量流量を表すGの値及び第2の分岐流路(34)の冷媒の質量流量を表すGの値の一方又は両方を推定する。数式3及び数式4の導きだし方は、上述した数式1及び数式2と同じである。Gの値やGの値は、冷媒の比エンタルピによって表された数式を用いて検出される。
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記第1の分岐流路(33)及び上記第2の分岐流路(34)の一方又は両方には、上記熱交換器(41)が配置される一方、上記冷媒状態検出手段(51)は、上記熱交換器(41)が配置されている分岐流路(33,34)から合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピとして、該熱交換器(41)と合流部(18)との間の冷媒の比エンタルピを検出する。
第3の発明では、熱交換器(41)が配置されている分岐流路(33,34)については、熱交換器(41)と合流部(18)との間の冷媒の比エンタルピが、該分岐流路(33,34)から合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピとして検出される。熱交換器(41)が蒸発器となる場合は蒸発後の冷媒の比エンタルピが検出され、熱交換器(41)が凝縮器となる場合は凝縮後の冷媒の比エンタルピが検出される。
第4の発明は、上記第2の発明において、上記第1の分岐流路(33)及び上記第2の分岐流路(34)の一方又は両方には、上記熱交換器(41)が配置され、上記分岐状態推定手段(53)は、上記熱交換器(41)が配置された分岐流路(33,34)の冷媒の質量流量(G,G)を推定する一方、上記分岐流路(33,34)の熱交換器(41)における冷媒の比エンタルピの変化量を検出する変化量検出手段(54)と、上記変化量検出手段(54)が検出した熱交換器(41)における冷媒の比エンタルピの変化量に、上記分岐状態推定手段(53)が推定した該熱交換器(41)が配置された分岐流路(33,34)の冷媒の質量流量(G,G)を乗じることによって、該分岐流路(33,34)の熱交換器(41)での熱交換量を算出する能力算出手段(55)とを備えている。
第4の発明では、変化量検出手段(54)が、分岐流路(33,34)の熱交換器(41)における冷媒の比エンタルピの変化量、すなわち熱交換器(41)の入口の冷媒の比エンタルピと出口の冷媒の比エンタルピとの差を検出する。そして、能力算出手段(55)が、熱交換器(41)における冷媒の比エンタルピの変化量に、その熱交換器(41)を流通する冷媒の質量流量を乗じることによって、その熱交換器(41)での熱交換量を算出する。
第5の発明は、第4の発明において、上記圧縮機(26)の吸入側の冷媒の圧力を検出する吸入圧力センサ(23)と、上記熱交換器(41)が配置された分岐流路(33,34)の熱交換器(41)のガス側の冷媒の温度を検出するガス側温度センサ(32)とを備え、上記冷媒状態検出手段(51)は、上記熱交換器(41)が配置された分岐流路(33,34)の熱交換器(41)が蒸発器となる状態では、上記吸入圧力センサ(23)の検出値と上記ガス側温度センサ(32)の検出値とを用いて算出した冷媒の比エンタルピを、該熱交換器(41)が配置された分岐流路(33,34)から上記合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピとする。
第5の発明では、分岐流路(33,34)の熱交換器(41)が蒸発器となる状態の該分岐流路(33,34)から合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピが、吸入圧力センサ(23)の検出値とガス側温度センサ(32)の検出値とを用いて算出される。ここで、冷凍装置(30)には、通常、圧縮機(26)の吸入側の圧力を計測する吸入圧力センサ(23)が設けられている場合が多い。そして、分岐流路(33,34)の熱交換器(41)が蒸発器となる状態では、該分岐流路(33,34)から合流部(18)に流入する冷媒の圧力が、圧縮機(26)の吸入側の圧力に概ね等しくなる。このため、この第5の発明では、分岐流路(33,34)から合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピを検出するために圧力センサを分岐流路(33,34)に設けずに、通常設けられている吸入圧力センサ(23)の検出値を代用している。
第6の発明は、第4又第5の発明において、上記圧縮機(26)の吐出側の冷媒の圧力を検出する吐出圧力センサ(21)と、上記熱交換器(41)が配置された分岐流路(33,34)の熱交換器(41)の液側の冷媒の温度を検出する液側温度センサ(31)とを備え、上記冷媒状態検出手段(51)は、上記熱交換器(41)が配置された分岐流路(33,34)の熱交換器(41)が凝縮器となる状態では、上記吸入圧力センサ(23)の検出値と上記液側温度センサ(31)の検出値とを用いて算出した冷媒の比エンタルピを、該熱交換器(41)が配置された分岐流路(33,34)から上記合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピとする。
第6の発明では、分岐流路(33,34)の熱交換器(41)が凝縮器となる状態の該分岐流路(33,34)から合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピが、吐出圧力センサ(21)の検出値と液側温度センサ(31)の検出値とを用いて算出される。ここで、冷凍装置(30)には、通常、圧縮機(26)の吐出側の圧力を計測する吐出圧力センサ(21)が設けられている場合が多い。そして、分岐流路(33,34)の熱交換器(41)が凝縮器となる状態では、熱交換器(41)で凝縮後の高圧冷媒の比エンタルピが、分岐流路(33,34)から合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピに概ね等しくなるので、分岐流路(33,34)から合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピを凝縮後の高圧冷媒の比エンタルピと同じ値として検出することが可能である。そして、凝縮後の高圧冷媒の圧力は圧縮機(26)の吐出側の圧力に概ね等しくなるので、この第6の発明では、凝縮後の高圧冷媒の比エンタルピ、すなわち分岐流路(33,34)から合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピを検出するために圧力センサを分岐流路(33,34)に設けずに、通常設けられている吐出圧力センサ(21)の検出値を代用している。
第7の発明は、第1乃至第4の何れか1つの発明において、上記第1の分岐流路(33)に設けられて、上記冷媒状態検出手段(51)による上記第1検出値の検出に用いられる第1分岐側温度センサ(36)と、上記第2の分岐流路(34)に設けられて、上記冷媒状態検出手段(51)による上記第2検出値の検出に用いられる第2分岐側温度センサ(37)と、上記合流部(18)の下流に設けられて、上記冷媒状態検出手段(51)による上記第3検出値の検出に用いられる合流側温度センサ(38)と、上記第1分岐側温度センサ(36)から上記合流部(18)、上記第2分岐側温度センサ(37)から上記合流部(18)、及び上記合流部(18)から上記合流側温度センサ(38)までの範囲を断熱する断熱部材(59)とを備えている。
第7の発明では、第1の分岐流路(33)に第1検出値の検出用の第1分岐側温度センサ(36)が設けられ、第2の分岐流路(34)に第2検出値の検出用の第2分岐側温度センサ(37)が設けられ、合流部(18)の下流に第3検出値の検出用の合流側温度センサ(38)が設けられている。そして、断熱部材(59)が、第1分岐側温度センサ(36)から合流部(18)、第2分岐側温度センサ(37)から合流部(18)、及び合流部(18)から合流側温度センサ(38)までの範囲を断熱している。
ここで、上記数式1、数式2、数式3、及び数式4は、冷凍サイクルの理想状態を想定したものである。この第7の発明でいうと、第1分岐側温度センサ(36)から合流部(18)、第2分岐側温度センサ(37)から合流部(18)、及び合流部(18)から合流側温度センサ(38)までの範囲において冷媒に対して熱の出入りがなく、仕事が行われない場合に成立する。しかし、実際の冷凍サイクルでは配管の表面から熱が出入りするので、その分の誤差が理想状態との間で生じる。この第7の発明では、数式1や数式2、又は数式3や数式4の誤差の原因となる熱の出入りを断熱部材(59)によって抑制しているので、数式1や数式2、又は数式3や数式4の誤差が縮小される。
第8の発明は、圧縮機(26)、減圧手段(42,43)、及び複数の熱交換器(41,44)が設けられて、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備え、該冷媒回路(10)では、蒸気圧縮冷凍サイクルの際に冷媒が第1の分岐流路(33)と第2の分岐流路(34)とに分岐する分岐部(17)と、該第1の分岐流路(33)を流通した冷媒と該第2の分岐流路(34)を流通した冷媒とが合流する合流部(18)とが形成される冷凍装置(30)において、該分岐流路(33)の冷媒の質量流量を推定する分岐状態推定方法を対象とする。そして、この分岐状態推定方法は、上記第1の分岐流路(33)から上記合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピを第1検出値として、上記第2の分岐流路(34)から上記合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピを第2検出値として、及び上記合流部(18)で合流した冷媒の比エンタルピを第3検出値として、それぞれ検出する冷媒状態検出行程と、上記合流部(18)で合流した冷媒の質量流量を検出する合計流量検出行程と、上記第1検出値をhとし、上記第2検出値をhとし、上記第3検出値をhaとし、第1の分岐流路(33)の冷媒の質量流量をGとし、第2の分岐流路(34)の冷媒の質量流量をGとし、合流部(18)で合流した冷媒の質量流量をGaとしたときに、G/Ga=(ha−h)/(h−h)という数式3と、G/Ga=(ha−h)/(h−h)という数式4とが成り立つことを利用して、Gの値及びGの値の一方又は両方を推定する分岐状態推定行程とを備えている。
第8の発明では、冷媒状態検出行程において、第1の分岐流路(33)から合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピが第1検出値hとして、第2の分岐流路(34)から合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピが第2検出値hとして、及び合流部(18)で合流した冷媒の比エンタルピが第3検出値hとして、それぞれ検出される。合計流量検出行程において、合流部(18)で合流した冷媒の質量流量Gaが検出される。なお、合流部(18)で合流した冷媒の質量流量Gaは、例えば圧縮機(26)の吐出側と吸入側との冷媒の比エンタルピ差で圧縮機(26)の入力電力を除することによって算出された冷媒回路(10)の冷媒循環量から検出可能である。そして、分岐状態推定行程において、数式3及び数式4の関係を用いて、第1の分岐流路(33)の冷媒の質量流量を表すGの値及び第2の分岐流路(34)の冷媒の質量流量を表すGの値の一方又は両方が推定される。数式3及び数式4の導きだし方は、上述した数式1及び数式2と同じである。Gの値やGの値は、冷媒の比エンタルピによって表された数式を用いて検出される。
第9の発明は、冷媒が循環する冷媒回路(10)に冷媒の流通状態を切り換えるために設けられて、4つのポートのうち何れかが、低圧冷媒が流出する第1低圧ポート、低圧冷媒が流入する第2低圧ポート、高圧冷媒が流入する第1高圧ポート、及び高圧冷媒が流出する第2高圧ポートになる四路切換弁(25)における該第1高圧ポートから第1低圧ポートへの冷媒の漏れ状態を検出するための漏れ状態の検出装置(85)を対象とする。そして、この漏れ状態の検出装置(85)は、上記第1低圧ポートにおける冷媒の比エンタルピを第1低圧側検出値として、上記第2低圧ポートにおける冷媒の比エンタルピを第2低圧側検出値として、上記第1高圧ポートにおける冷媒の比エンタルピを第1高圧側検出値として、及び上記第2高圧ポートにおける冷媒の比エンタルピを第2高圧側検出値として、それぞれ検出する冷媒状態検出手段(51)と、上記第1低圧側検出値をhL1として、上記第2低圧側検出値をhL2として、上記第1高圧側検出値をhH1として、上記第2高圧側検出値をhH2として、四路切換弁(25)において第1高圧ポートから第1低圧ポートへ漏れる冷媒の質量流量をGとして、及び第1高圧ポートから四路切換弁(25)に流入する冷媒の質量流量をGとしたときに、G/G=((hH2−hL2)−(hH1−hL1))/(hH2−hL2)という数式5が成り立つことを利用して、上記四路切換弁(25)における該第1高圧ポートから第1低圧ポートへの冷媒の漏れ状態を検出する漏れ状態検出手段(57)とを備えている。
第9の発明では、冷媒状態検出手段(51)が、第1低圧ポートにおける冷媒の比エンタルピを第1低圧側検出値hL1として、第2低圧ポートにおける冷媒の比エンタルピを第2低圧側検出値hL2として、第1高圧ポートにおける冷媒の比エンタルピを第1高圧側検出値hH1として、及び第2高圧ポートにおける冷媒の比エンタルピを第2高圧側検出値hH2として、それぞれ検出する。ここで、四路切換弁(25)において第1高圧ポートから第1低圧ポートへ漏れる冷媒の質量流量をGと第1高圧ポートから四路切換弁(25)に流入する冷媒の質量流量をGとの比率G/Gは、上記数式5によって算出することができる。数式5の導きだし方について以下に説明する。
冷凍サイクルの理想状態では、第1高圧ポートから四路切換弁(25)へ流入する冷媒の仕事率(単位時間当たりの仕事量)から、第1高圧ポートから第1低圧ポートへ漏れる冷媒の仕事率と、四路切換弁(25)内において第1高圧ポートから第2高圧ポートへ向かう高圧冷媒から第2低圧ポートから第1低圧ポートへ向かう低圧冷媒へ漏れる熱量Qとを引いた値が、第2高圧ポートにおける冷媒の仕事率に等しくなることから、以下に示す数式8が導き出される。また、第2低圧ポートから四路切換弁(25)へ流入する冷媒の仕事率に、第1高圧ポートから第1低圧ポートへ漏れる冷媒の仕事率と、四路切換弁(25)内において第1高圧ポートから第2高圧ポートへ向かう高圧冷媒から第2低圧ポートから第1低圧ポートへ向かう低圧冷媒へ漏れる熱量Qとを加えた値が、第1低圧ポートにおける冷媒の仕事率に等しくなることから、以下に示す数式9が導き出される。
式8:G×hH1−(G×hH1+Q)=(G−G)×hH2
式9:(G−G)×hL2+(G×hH1+Q)=G×hL1
そして、上記数式8の右辺に上記数式9の右辺を加え、上記数式8の左辺に上記数式9の左辺を加えることにより、以下に示す数式10が導き出される。
式10:G×(hH1−hL1)=(G−G)×(hH2−hL2)
そして、数式10を変形すると、数式5が導き出される。この第9の発明では、漏れ状態検出手段(57)が、数式5の関係を用いて、四路切換弁(25)における第1高圧ポートから第1低圧ポートへの冷媒の漏れ状態を検出する。冷媒の漏れ状態は、例えば、数式5によって算出される冷媒の質量流量の比率G/Gとして検出してもよいし、第1高圧ポートから第1低圧ポートへ漏れる冷媒の質量流量Gとして検出してもよい。四路切換弁(25)における冷媒の漏れ状態は、冷媒の比エンタルピによって表された数式を用いて検出される。
第10の発明は、冷媒が循環する冷媒回路(10)に冷媒の流通状態を切り換えるために設けられて、4つのポートのうち何れかが、低圧冷媒が流入する第1低圧ポート、低圧冷媒が流出する第2低圧ポート、高圧冷媒が流入する第1高圧ポート、及び高圧冷媒が流出する第2高圧ポートになる四路切換弁(25)における該第1高圧ポートから第1低圧ポートへの冷媒の漏れ状態を検出するための漏れ状態の検出方法を対象とする。そして、この漏れ状態の検出方法は、上記第1低圧ポートにおける冷媒の比エンタルピを第1低圧側検出値として、上記第2低圧ポートにおける冷媒の比エンタルピを第2低圧側検出値として、上記第1高圧ポートにおける冷媒の比エンタルピを第1高圧側検出値として、及び上記第2高圧ポートにおける冷媒の比エンタルピを第2高圧側検出値として、それぞれ検出する冷媒状態検出行程と、上記冷媒状態検出行程によって検出された上記第1低圧側検出値をhL1として、上記第2低圧側検出値をhL2として、上記第1高圧側検出値をhH1として、上記第2高圧側検出値をhH2として、四路切換弁(25)において第1高圧ポートから第1低圧ポートへ漏れる冷媒の質量流量をGとして、及び第1高圧ポートから四路切換弁(25)に流入する冷媒の質量流量をGとしたときに、G/G=((hH2−hL2)−(hH1−hL1))/(hH2−hL2)という数式5が成り立つことを利用して、上記四路切換弁(25)における該第1高圧ポートから第1低圧ポートへの冷媒の漏れ状態を検出する漏れ状態検出行程とを備えている。
第10の発明では、冷媒状態検出行程において、第1低圧ポートにおける冷媒の比エンタルピが第1低圧側検出値hL1として、第2低圧ポートにおける冷媒の比エンタルピが第2低圧側検出値hL2として、第1高圧ポートにおける冷媒の比エンタルピが第1高圧側検出値hH1として、及び第2高圧ポートにおける冷媒の比エンタルピが第2高圧側検出値hH2として、それぞれ検出される。そして、漏れ状態検出行程において、四路切換弁(25)における第1高圧ポートから第1低圧ポートへの冷媒の漏れ状態が、冷媒の比エンタルピによって表された上記数式5を用いて検出される。
上記第1乃至第9発明によれば、冷媒の比エンタルピによって表された数式を用いて、第1の分岐流路(33)と第2の分岐流路(34)の冷媒の合計質量流量(G+G)に対する第1の分岐流路(33)の冷媒の質量流量Gの割合を表すG/(G+G)の値、その合計質量流量(G+G)に対する第2の分岐流路(34)の冷媒の質量流量Gの割合を表すG/(G+G)の値、第1の分岐流路(33)と第2の分岐流路(34)の冷媒の質量流量の比率を表すG/Gの値のうち少なくとも1つ、又は第1の分岐流路(33)の冷媒の質量流量を表すGの値と第2の分岐流路(34)の冷媒の質量流量を表すGの値の一方若しくは両方が推定される。このため、G/(G+G)の値、G/(G+G)の値、G/Gの値、Gの値、及びGの値を検出するのに、従来の冷凍装置のように冷媒の流れの抵抗になる冷媒流量計を設置する必要がない。従って、冷凍装置(30)の効率を低下させることなく、分岐流路(33,34)の冷媒流量の状態を検出することができる。
また、上記第4の発明では、分岐流路(33,34)の熱交換器(41)での熱交換量が、該分岐流路(33,34)の熱交換器(41)における冷媒の比エンタルピの変化量と、該分岐流路(33)の冷媒の質量流量(G,G)とを用いて算出される。分岐流路(33,34)の冷媒の質量流量(G,G)は、上述したように、冷媒の比エンタルピによって表された数式によって算出される。このため、分岐流路(33,34)の熱交換器(41)での熱交換量は冷媒の比エンタルピから算出でき、冷媒の比エンタルピは冷媒の温度及び圧力から算出可能である。従って、例えば温度センサや圧力センサといった簡易な構成のセンサによって、分岐流路(33,34)の熱交換器(41)での熱交換量を検出することができる。
また、上記第5の発明では、分岐流路(33,34)の熱交換器(41)が蒸発器となる状態の該分岐流路(33,34)から合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピを検出するのに、吸入圧力センサ(23)の検出値を代用している。このため、分岐流路(33,34)から合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピを検出するために圧力センサを新たに設ける必要がないので、より簡素な構成で分岐流路(33,34)の熱交換器(41)での熱交換量を検出することができる。
また、上記第6の発明では、分岐流路(33,34)の熱交換器(41)が凝縮器となる状態の該分岐流路(33,34)から合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピを検出するのに、吐出圧力センサ(21)の検出値を代用している。このため、分岐流路(33,34)から合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピを検出するために圧力センサを新たに設ける必要がないので、より簡素な構成で分岐流路(33,34)の熱交換器(41)での熱交換量を検出することができる。
また、上記第7の発明では、断熱部材(59)を設けることで、第1分岐側温度センサ(36)から合流部(18)、第2分岐側温度センサ(37)から合流部(18)、及び合流部(18)から合流側温度センサ(38)までの範囲における熱の出入りによる数式1や数式2、又は数式3や数式4の誤差が縮小されるようにしている。従って、数式1や数式2を用いて検出される、G/(G+G)の値、G/(G+G)の値、及びG/Gの値を、より正確に検出することができる。又は、数式3や数式4を用いて検出される、Gの値及びGの値を、より正確に検出することができる。
また、上記第9、第10の各発明では、四路切換弁(25)における第1高圧ポートから第1低圧ポートへの冷媒の漏れ状態が、冷媒の比エンタルピによって表された数式を用いて検出される。このため、上記冷媒の漏れ状態を検出するのに、冷媒の流れの抵抗になる冷媒流量計を設置する必要がない。従って、冷凍装置(30)の効率を低下させることなく、四路切換弁(25)における第1高圧ポートから第1低圧ポートへの冷媒の漏れ状態を検出することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。本実施形態1は、本発明に係る冷凍装置(30)によって構成された空調機(30)である。本実施形態1の空調機(30)は、図1に示すように、室外ユニット(50)、第1室内ユニット(60a)、第2室内ユニット(60b)、及び第3室内ユニット(60c)を備えている。なお、室内ユニット(60a,60b,60c)の台数は、単なる例示である。
上記空調機(30)は、冷媒が充填された冷媒回路(10)を備えている。冷媒回路(10)は、室外ユニット(50)に収容される室外回路(19)と、第1室内ユニット(60a)に収容される第1室内回路(29a)と、第2室内ユニット(60b)に収容される第2室内回路(29b)と、第3室内ユニット(60c)に収容される第3室内回路(29c)とを備えている。これらの室内回路(29a,29b,29c)は、液側連絡配管(15)及びガス側連絡配管(16)によって室外回路(19)に並列に接続されている。
具体的に、液側連絡配管(15)は、主液配管(27)と第1液配管(28a)と第2液配管(28b)と第3液配管(28c)とを備えている。主液配管(27)は、一端が室外回路(19)の液側端に接続されている。また、主液配管(27)の他端は、主液配管(27)に第2液配管(28b)と第3液配管(28c)とが接続されている第1接続点(61)になっている。また、主液配管(27)には、第1液配管(28a)が接続されている第2接続点(62)が途中に形成されている。各液配管(28a,28b,28c)は、各室内回路(29a,29b,29c)の液側端に接続されている。
また、ガス側連絡配管(16)は、主ガス配管(47)と第1ガス配管(48a)と第2ガス配管(48b)と第3ガス配管(48c)とを備えている。主ガス配管(47)は、一端が室外回路(19)のガス側端に接続されている。また、主ガス配管(47)の他端は、主ガス配管(47)に第2ガス配管(48b)と第3ガス配管(48c)とが接続されている第3接続点(63)になっている。また、主ガス配管(47)には、第1ガス配管(48a)が接続されている第4接続点(64)が途中に形成されている。各ガス配管(48a,48b,48c)は、各室内回路(29a,29b,29c)のガス側端に接続されている。
〈室外回路の構成〉
室外回路(19)には、圧縮機(26)、室外熱交換器(44)、室外膨張弁(43)、及び四路切換弁(25)が設けられている。
圧縮機(26)は、例えば全密閉の高圧ドーム型のスクロール圧縮機として構成されている。圧縮機(26)には、インバータを介して電力が供給される。圧縮機(26)は、吐出側が四路切換弁(25)の第2ポート(P2)に接続され、吸入側が四路切換弁(25)の第1ポート(P1)に接続されている。
室外熱交換器(44)は、クロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器として構成されている。室外熱交換器(44)の近傍には、室外ファンが設けられている(図示省略)。室外熱交換器(44)では、室外ファンによって供給される室外空気と冷媒との間で熱交換が行われる。室外熱交換器(44)は、一端が四路切換弁(25)の第3ポート(P3)に接続され、他端が室外膨張弁(43)に接続されている。また、四路切換弁(25)の第4ポート(P4)は、室外回路(19)のガス側端に接続されている。
室外膨張弁(43)は、室外熱交換器(44)と室外回路(19)の液側端との間に設けられている。室外膨張弁(43)は、開度可変の電子膨張弁として構成されている。
四路切換弁(25)は、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とが連通して第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とが連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポート(P1)と第3ポート(P3)とが連通して第2ポート(P2)と第4ポート(P4)とが連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とが切り換え自在に構成されている。
〈室内回路の構成〉
各室内回路(29a,29b,29c)には、そのガス側端から液側端へ向かって順に、室内熱交換器(41a,41b,41c)と、室内膨張弁(42a,42b,42c)とが設けられている。
室内熱交換器(41a,41b,41c)は、クロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器として構成されている。室内熱交換器(41a,41b,41c)の近傍には、室内ファンが設けられている(図示省略)。室内熱交換器(41a,41b,41c)では、室内ファンによって供給される室内空気と冷媒との間で熱交換が行われる。また、室内膨張弁(42a,42b,42c)は、開度可変の電子膨張弁として構成されている。
〈センサの配置〉
室外回路(19)では、圧縮機(26)の吐出側に吐出温度センサ(20)及び吐出圧力センサ(21)が設けられている。圧縮機(26)の吸入側に吸入温度センサ(22)及び吸入圧力センサ(23)が設けられている。また、室外膨張弁(43)と室外熱交換器(44)との間に室外液温度センサ(24)が設けられている。
各室内回路(29a,29b,29c)では、室内熱交換器(41a,41b,41c)と室内膨張弁(42a,42b,42c)との間に、液側温度センサである室内液温度センサ(31a,31b,31c)が設けられている。室内熱交換器(41a,41b,41c)と室内回路(29a,29b,29c)のガス側端との間に、ガス側温度センサである室内ガス温度センサ(32a,32b,32c)が設けられている。
また、主ガス配管(47)では、第3接続点(63)と第4接続点(64)との間に、第1温度センサ(11)が設けられている。第4接続点(64)と室外回路(19)との間に、第2温度センサ(12)が設けられている。主液配管(27)では、第1接続点(61)と第2接続点(62)との間に、第3温度センサ(13)が設けられている。第2接続点(62)と室外回路(19)との間に、第4温度センサ(14)が設けられている。
なお、この実施形態1では、温度センサ(11,12,13,14,20,22,31,32)が、その感温部が配管内に位置するように設けられている。
−運転動作−
上記空調機(30)の運転動作について説明する。この空調機(30)は、冷房運転と暖房運転とが実行可能になっており、四路切換弁(25)によって冷房運転と暖房運転との切り換えが行われる。
《冷房運転》
冷房運転時には、四路切換弁(25)が図1に実線で示す第1状態に設定される。また、各室内膨張弁(42)の開度は適宜調節される。
この状態で、圧縮機(26)が駆動されると、圧縮機(26)から吐出された高圧の冷媒が、室外熱交換器(44)へ流入し、室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(44)で凝縮した冷媒は、液側連絡配管(15)の主液配管(27)に流入する。主液配管(27)に流入した冷媒は、その一部が第2接続点(62)で第1液配管(28a)に分かれ、残りが第1接続点(61)で第2液配管(28b)と第3液配管(28c)とに分かれる。
第1液配管(28a)を流入した冷媒は第1室内回路(29a)へ流入し、第2液配管(28b)を流入した冷媒は第2室内回路(29b)へ流入し、第3液配管(28c)を流入した冷媒は第3室内回路(29c)へ流入する。各室内回路(29)では、流入した冷媒が、室内膨張弁(42)で減圧されてから室内熱交換器(41)へ流入し、室内空気から吸熱して蒸発する。一方、室内空気は冷却されて室内へ供給される。
第2室内回路(29b)の室内熱交換器(41b)で蒸発した冷媒と、第3室内回路(29c)の室内熱交換器(41c)で蒸発した冷媒とは、第3接続点(63)で合流する。そして、第3接続点(63)で合流した冷媒は、第4接続点(64)で第1室内回路(29a)の室内熱交換器(41a)で蒸発した冷媒と合流する。第4接続点(64)で合流した冷媒は、室外回路(19)へ流入して、圧縮機(26)へ吸入される。圧縮機(26)に吸入された冷媒は、再び圧縮されて吐出される。
冷房運転では、図2に示すように、冷媒が二手に分岐する分岐部(17)が二箇所形成される。具体的に、冷媒が第2液配管(28b)と第3液配管(28c)と分かれる第1接続点(61)が第1分岐部(17a)になり、主液配管(27)の冷媒の一部が第1液配管(28a)に分かれる第2接続点(62)が第2分岐部(17b)になる。また、冷媒が二手から合流する合流部(18)も二箇所形成される。具体的に、第2ガス配管(48b)の冷媒と第3ガス配管(48c)の冷媒とが合流する第3接続点(63)が第1合流部(18a)になり、主ガス配管(47)の冷媒に第1ガス配管(48a)の冷媒が合流する第4接続点(64)が第2合流部(18b)になる。
第1分岐部(17a)及び第1合流部(18a)に対しては、図2(A)に示すように、第1接続点(61)から第3接続点(63)までの流路のうち第3室内ユニット(60c)側が第1の分岐流路(33)を構成し、第2室内ユニット(60b)側が第2の分岐流路(34)を構成する。一方、第2分岐部(17b)及び第2合流部(18b)に対しては、図2(B)に示すように、第2接続点(62)から第4接続点(64)までの流路のうち第2室内ユニット(60b)及び第3室内ユニット(60c)側が第1の分岐流路(33)を構成し、第1室内ユニット側が第2の分岐流路(34)を構成する。
《暖房運転》
暖房運転時には、四路切換弁(25)が図1に実線で示す第2状態に設定される。また、各室内膨張弁(42)の開度は適宜調節される。
この状態で、圧縮機(26)が駆動されると、圧縮機(26)から吐出された高圧の冷媒が、ガス側連絡配管(16)の主ガス配管(47)に流入する。主ガス配管(47)に流入した冷媒は、その一部が第4接続点(64)で第1ガス配管(48a)に分かれ、残りが第3接続点(63)で第2ガス配管(48b)と、第3ガス配管(48c)とに分かれる。
第1ガス配管(48a)を流入した冷媒は第1室内回路(29a)へ流入し、第2ガス配管(48b)を流入した冷媒は第2室内回路(29b)へ流入し、第3ガス配管(48c)を流入した冷媒は第3室内回路(29c)へ流入する。各室内回路(29)では、流入した冷媒が室内熱交換器(41)で室内空気へ放熱して凝縮する。一方、室内空気は加熱されて室内へ供給される。室内熱交換器(41)で凝縮した冷媒は、室内膨張弁(42)で減圧された後に室内回路(29)から流出する。
第2室内回路(29b)から流出した冷媒と、第3室内回路(29c)から流出した冷媒とは、第1接続点(61)で合流する。そして、第1接続点(61)で合流した冷媒は、第2接続点(62)で第1室内回路(29a)から流出した冷媒と合流する。第2接続点(62)で合流した冷媒は、室外回路(19)に流入してから室外熱交換器(44)で室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(44)で蒸発した冷媒は、圧縮機(26)へ吸入される。圧縮機(26)に吸入された冷媒は、再び圧縮されて吐出される。
暖房運転では、図3に示すように、冷媒が二手に分岐する分岐部(17)が二箇所形成される。具体的に、冷媒が第2ガス配管(48b)と第3ガス配管(48c)と分かれる第3接続点(63)が第1分岐部(17a)になり、主ガス配管(47)の冷媒の一部が第1ガス配管(48a)に分かれる第4接続点(64)が第2分岐部(17b)になる。また、冷媒が二手から合流する合流部(18)も二箇所形成される。具体的に、第2液配管(28b)の冷媒と第3液配管(28c)の冷媒とが合流する第1接続点(61)が第1合流部(18a)になり、主液配管(27)の冷媒に第1液配管(28a)の冷媒が合流する第2接続点(62)が第2合流部(18b)になる。
第1分岐部(17a)及び第1合流部(18a)に対しては、図3(A)に示すように、第3接続点(63)から第1接続点(61)までの流路のうち第3室内ユニット(60c)側が第1の分岐流路(33)を構成し、第2室内ユニット(60b)側が第2の分岐流路(34)を構成する。一方、第2分岐部(17b)及び第2合流部(18b)に対しては、図2(B)に示すように、第4接続点(64)から第2接続点(62)までの流路のうち第2室内ユニット(60b)及び第3室内ユニット(60c)側が第1の分岐流路(33)を構成し、第1室内ユニット(60a)側が第2の分岐流路(34)を構成する。
〈制御部の構成〉
本実施形態1の空調機(30)には、冷媒状態検出手段である冷媒状態検出部(51)、合計流量検出手段である合計流量検出部(52)と、分岐状態推定手段である分岐状態検出部(53)、変化量検出手段である変化量検出部(54)、及び能力算出手段である能力検出部(55)を備える制御部(58)が設けられている。
冷媒状態検出部(51)は、第1の分岐流路(33)から合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピを第1検出値hとして、第2の分岐流路(34)から合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピを第2検出値hとして、第1の分岐流路(33)と第2の分岐流路(34)とから合流した冷媒のみが流れる合流部(18)の下流の冷媒の比エンタルピを第3検出値haとして、それぞれ算出するように構成されている。第1検出値h、第2検出値h、及び第3検出値haは、第1分岐部(17a)及び第1合流部(18a)に対応する値と、第2分岐部(17b)及び第2合流部(18b)に対応する値とがそれぞれ算出される。
合計流量検出部(52)は、合流部(18)で合流した冷媒の質量流量Ga、すなわち第1の分岐流路(33)と第2の分岐流路(34)の冷媒の合計質量流量(G+G)を検出するように構成されている。この合計質量流量(G+G)は、第1分岐部(17a)及び第1合流部(18a)に対応する値と、第2分岐部(17b)及び第2合流部(18b)に対応する値とが、以下に示す数式11によって算出される冷媒回路(10)の冷媒の循環量Gallを用いてそれぞれ検出される。
式11:Gall=W/(h−h)
上記数式11において、hは圧縮機(26)の吐出側の冷媒の比エンタルピを、hは圧縮機(26)の吸入側の冷媒の比エンタルピを、Wは圧縮機(26)の入力電力をそれぞれ表している。
分岐状態検出部(53)は、第1室内回路(29a)の冷媒の質量流量GR1、第2室内回路(29b)の冷媒の質量流量GR2、及び第3室内回路(29c)の冷媒の質量流量GR3をそれぞれ算出するように構成されている。各室内回路(29)の冷媒の質量流量Gは、第1分岐部(17a)及び第1合流部(18a)に対応する第1の分岐流路(33)の冷媒の質量流量G1−1及び第2の分岐流路(34)の冷媒の質量流量G2−1と、第2分岐部(17b)及び第2合流部(18b)に対応する第1の分岐流路(33)の冷媒の質量流量G1−2及び第2の分岐流路(34)の冷媒の質量流量G2−2とを用いて算出される。第1の分岐流路(33)の冷媒の質量流量Gと第2の分岐流路(34)の冷媒の質量流量Gとは、以下に示す数式3及び数式4を用いて算出される。
式3:G/Ga=(ha−h)/(h−h)
式4:G/Ga=(ha−h)/(h−h)
変化量検出部(54)は、第1室内回路(29a)の室内熱交換器(41a)における冷媒の比エンタルピの変化量ΔhR1、第2室内回路(29b)の室内熱交換器(41b)における冷媒の比エンタルピの変化量ΔhR2、及び第3室内回路(29c)の室内熱交換器(41c)における冷媒の比エンタルピの変化量ΔhR3をそれぞれ算出するように構成されている。各室内回路(29)の室内熱交換器(41)における冷媒の比エンタルピの変化量Δhは、以下に示す数式12によって算出される。
式12:Δh=|hIN−hOUT|
上記数式12において、hINは室内熱交換器(41)の入口の冷媒の比エンタルピ、hOUTは室内熱交換器(41)の出口の冷媒の比エンタルピをそれぞれ表している。
能力検出部(55)は、第1室内回路(29a)の室内熱交換器(41a)での熱交換量ΦR1、第2室内回路(29b)の室内熱交換器(41b)での熱交換量ΦR2、及び第3室内回路(29c)の室内熱交換器(41c)での熱交換量ΦR3をそれぞれ算出するように構成されている。各室内回路(29)の室内熱交換器(41)での熱交換量能力Φは、暖房運転時には暖房能力に相当し、冷房運転時には冷房能力に相当する。室内熱交換器(41b)での熱交換量Φは、以下に示す数式13によって算出される。
式13:Φ=Δh×G
上記数式13において、Δhは能力を算出する室内熱交換器(41)における冷媒の比エンタルピの変化量、Gは能力を算出する室内熱交換器(41)が設けられた室内回路(29)の冷媒の質量流量を表している。
−制御部の動作−
制御部(58)の動作について説明する。制御部(58)は、各室内回路(29)の室内熱交換器(41)での熱交換量Φを算出する能力算出動作を所定の時間間隔で行うように構成されている。能力算出動作では、冷媒状態検出行程、循環量検出行程、分岐状態推定行程、変化量検出行程、及び能力算出行程が順次行われる。以下では、冷房運転中の能力算出動作を説明する。
能力算出動作では、まず冷媒状態検出行程が行われる。冷媒状態検出行程では、冷媒状態検出部(51)が、第1分岐部(17a)及び第1合流部(18a)に対応する第1検出値h1−1、第2検出値h2−1、及び第3検出値ha−1と、第2分岐部(17b)及び第2合流部(18b)に対応する第1検出値h1−2、第2検出値h2−2、及び第3検出値ha−2とをそれぞれ検出する。
具体的に、第1分岐部(17a)及び第1合流部(18a)に対応する第1検出値h1−1として、第3室内回路(29c)の室内ガス温度センサ(32c)の位置における冷媒の比エンタルピが、該室内ガス温度センサ(32c)の検出値と吸入圧力センサ(23)の検出値とから算出される。第1分岐部(17a)及び第1合流部(18a)に対応する第2検出値h2−1として、第2室内回路(29b)の室内ガス温度センサ(32b)の位置における冷媒の比エンタルピが、該室内ガス温度センサ(32b)の検出値と吸入圧力センサ(23)の検出値とから算出される。第1分岐部(17a)及び第1合流部(18a)に対応する第3検出値ha−1として、第1温度センサ(11)の位置における冷媒の比エンタルピが、該第1温度センサ(11)の検出値と吸入圧力センサ(23)の検出値とから算出される。
また、第2分岐部(17b)及び第2合流部(18b)に対応する第1検出値h1−2は、第1温度センサ(11)の位置の値となるので、第1分岐部(17a)及び第1合流部(18a)に対応する第3検出値ha−1と同じ値として検出される。第2分岐部(17b)及び第2合流部(18b)に対応する第2検出値h2−2として、第1室内回路(29a)の室内ガス温度センサ(32a)の位置における冷媒の比エンタルピが、該室内ガス温度センサ(32a)の検出値と吸入圧力センサ(23)の検出値とから算出される。第2分岐部(17b)及び第2合流部(18b)に対応する第3検出値ha−2として、第2温度センサ(12)の位置における冷媒の比エンタルピが、該第2温度センサ(12)の検出値と吸入圧力センサ(23)の検出値とから算出される。
この実施形態1では、第1検出値h、第2検出値h、及び第3検出値haを検出するにあたっては、各検出値に対応する位置の冷媒の圧力が圧縮機(26)の吸入側の圧力に概ね等くなるため、吸入圧力センサ(23)の検出値を代用している。
なお、暖房運転時に、第1検出値h、及び第2検出値hを検出するにあたっては、各検出値に対応する位置の冷媒の圧力が圧縮機(26)の吐出側の圧力に概ね等くなるため、吐出圧力センサ(21)の検出値を代用している。また、第3検出値haを検出するにあたっては、各検出値に対応する位置の冷媒の圧力が圧縮機(26)の吸入側の圧力に概ね等くなるため、吸入圧力センサ(23)の検出値を代用している。
冷媒状態検出行程が終了すると、循環量検出行程が行われる。循環量検出行程では、合計流量検出部(52)が、圧縮機(26)の吐出側の冷媒の比エンタルピhを吐出温度センサ(20)の検出値及び吐出圧力センサ(21)の検出値から算出し、圧縮機(26)の吸入側の冷媒の比エンタルピhを吸入温度センサ(22)の検出値及び吸入圧力センサ(23)の検出値から算出する。また、合計流量検出部(52)は、例えば圧縮機(26)のインバータに設けられた電力計から圧縮機(26)の入力電力Wの情報を受信する。そして、合計流量検出部(52)は、これらの値(h,h,W)を上記数式11に代入して、冷媒回路(10)の冷媒の循環量Gallを算出する。
循環量検出行程が終了すると、分岐状態推定行程が行われる。分岐状態推定行程では、分岐状態検出部(53)が、第1分岐部(17a)及び第1合流部(18a)に対応する第1の分岐流路(33)と第2の分岐流路(34)に対して、第1の分岐流路(33)と第2の分岐流路(34)の冷媒の合計質量流量Ga−1に対する第1の分岐流路(33)の冷媒の質量流量G1−1の割合G1−1/Ga−1と、その冷媒の合計質量流量Ga−1に対する第2の分岐流路(34)の冷媒の質量流量G2−1の割合G2−1/Ga−1とを、以下に示す数式3−1及び数式4−1と用いて算出する。
式3−1:G1−1/Ga−1=(ha−1−h2−1)/(h1−1−h2−1)
式3−2:G2−1/Ga−1=(ha−1−h1−1)/(h2−1−h1−1)
また、分岐状態検出部(53)は、第2分岐部(17b)及び第2合流部(18b)に対応する第1の分岐流路(33)と第2の分岐流路(34)に対して、第1の分岐流路(33)と第2の分岐流路(34)の冷媒の合計質量流量Ga−2に対する第1の分岐流路(33)の冷媒の質量流量G1−2の割合G1−2/Ga−2と、その冷媒の合計質量流量Ga−2に対する第2の分岐流路(34)の冷媒の質量流量G2−2の割合G2−2/Ga−2とを、以下に示す数式3−2及び数式4−2と用いて算出する。
式3−2:G1−2/Ga−2=(ha−2−h2−2)/(h1−2−h2−2)
式4−2:G2−2/Ga−2=(ha−2−h1−2)/(h2−2−h1−2)
続いて、合計流量検出部(52)は、第2分岐部(17b)及び第2合流部(18b)に対応する第1の分岐流路(33)と第2の分岐流路(34)の冷媒の合計質量流量Ga−2を、冷媒回路(10)の冷媒の循環量Gallと同じ値として検出する。そして、分岐状態検出部(53)が、この合計質量流量Ga−2を式3−2と式4−2とにそれぞれ代入して、第2分岐部(17b)及び第2合流部(18b)に対応する第1の分岐流路(33)の冷媒の質量流量G1−2及び第2の分岐流路(34)の冷媒の質量流量G2−2を算出する。
続いて、合計流量検出部(52)は、第1分岐部(17a)及び第1合流部(18a)に対応する第1の分岐流路(33)と第2の分岐流路(34)の冷媒の合計質量流量Ga−1を、第2分岐部(17b)及び第2合流部(18b)に対応する第1の分岐流路(33)の冷媒の質量流量G1−2と同じ値として検出する。そして、分岐状態検出部(53)は、この合計質量流量Ga−1を式3−1と式4−1とにそれぞれ代入して、第1分岐部(17a)及び第1合流部(18a)に対応する第1の分岐流路(33)の冷媒の質量流量G1−1及び第2の分岐流路(34)の冷媒の質量流量G2−1を算出する。
続いて、分岐状態検出部(53)は、第1室内回路(29a)の冷媒の質量流量GR1を第2分岐部(17b)及び第2合流部(18b)に対応する第2の分岐流路(34)の冷媒の質量流量G2−2と同じ値として検出し、第2室内回路(29b)の冷媒の質量流量GR2を第1分岐部(17a)及び第1合流部(18a)に対応する第2の分岐流路(34)の冷媒の質量流量G2−1と同じ値として検出し、第3室内回路(29c)の冷媒の質量流量GR3を第1分岐部(17a)及び第1合流部(18a)に対応する第1の分岐流路(33)の冷媒の質量流量G1−1と同じ値として検出する。以上により、各室内回路(29)の冷媒の質量流量Gが検出される。
分岐状態推定行程が終了すると、変化量検出行程が行われる。変化量検出行程では、変化量検出部(54)が、各室内回路(29)について、液側温度センサ(31)の検出値と吸入圧力センサ(23)の検出値とから室内熱交換器(41)の入口の冷媒の比エンタルピhINを算出する。この実施形態1では、室内熱交換器(41)の入口の冷媒の圧力が圧縮機(26)の吸入側の圧力に概ね等しくなるため、吸入圧力センサ(23)の検出値を代用している。
また、変化量検出部(54)は、各室内回路(29)について、室内熱交換器(41)の出口の冷媒の比エンタルピhOUTを、冷媒状態検出行程で冷媒状態検出部(51)が算出した室内ガス温度センサ(32)の位置の冷媒の比エンタルピと同じ値として検出する。そして、変化量検出部(54)は、各室内回路(29)について、上記数式12を用いて室内熱交換器(41)における冷媒の比エンタルピの変化量(ΔhR1,ΔhR2,ΔhR3)を算出する。
変化量検出行程が終了すると、能力算出行程が行われる。能力算出行程では、能力検出部(55)が、各室内回路(29)について、冷媒状態検出行程において分岐状態検出部(53)が算出した各室内回路(29)の冷媒の質量流量(GR1,GR2,GR3)と、変化量検出行程において変化量検出部(54)が算出した室内熱交換器(41)における冷媒の比エンタルピの変化量(ΔhR1,ΔhR2,ΔhR3)とを上記数式13に代入することにより、室内熱交換器(41a)での熱交換量(冷房能力)(ΦR1R2R3)を算出する。この実施形態1の空調機(30)では、算出された熱交換量Φが、例えば室内ユニット(60)に設けられた表示部に表示される。
−実施形態1の効果−
本実施形態1では、冷媒の比エンタルピによって表された数式によって、各室内回路(29)の冷媒の質量流量が検出される。このため、各室内回路(29)の冷媒の質量流量を検出するのに、冷媒の流れの抵抗になる冷媒流量計を設置する必要がない。従って、空調機(30)の効率を低下させることなく、各室内回路(29)の冷媒の質量流量を検出することができる。また、冷媒流量計は非常に高価なので、空調機(30)の製作コストを低減させることもできる。
また、本実施形態1では、各室内回路(29)の室内熱交換器(41)での熱交換量が、各室内熱交換器(41)における冷媒の比エンタルピの変化量と各室内回路(29)の冷媒の質量流量とを用いて算出される。各室内回路(29)の冷媒の質量流量は、上述したように、冷媒の比エンタルピによって表された数式によって算出される。このため、各室内熱交換器(41)での熱交換量を冷媒の比エンタルピから算出できるので、温度センサや圧力センサといった簡易な構成のセンサによって各室内熱交換器(41)での熱交換量を検出することができる。
なお、空調機(30)には、吐出温度センサ(20)、吐出圧力センサ(21)、吸入温度センサ(22)、吸入圧力センサ(23)、室内液温度センサ(31)、及び室内ガス温度センサ(32)が、通常は設けられている。このため、このような場合は、各室内回路(29)の冷媒の質量流量の検出に、これらの通常設けられているセンサを利用することができるので、各室内回路(29)の冷媒の質量流量、及び各室内熱交換器(41)における能力の検出のために空調機(30)の構成が複雑化することを抑制できる。
また、本実施形態1では、各室内回路(29)の室内熱交換器(41)が蒸発器となる状態の第1検出値、第2検出値、及び第3検出値を検出するのに、吸入圧力センサ(23)の検出値を代用している。このため、第1検出値、第2検出値、及び第3検出値を検出するために圧力センサを新たに設ける必要がないので、より簡素な構成で各室内熱交換器(41)での熱交換量を検出することができる。
また、本実施形態1では、各室内回路(29)の室内熱交換器(41)が凝縮器となる状態の第1検出値及び第2検出値を検出するのに、吐出圧力センサ(21)の検出値を代用している。また、第3検出値を検出するのに、吸入圧力センサ(23)の検出値を代用している。このため、第1検出値、第2検出値、及び第3検出値を検出するために圧力センサを新たに設ける必要がないので、より簡素な構成で各室内熱交換器(41)での熱交換量を検出することができる。
−実施形態1の変形例1−
実施形態1の変形例1について説明する。この変形例1では、図4に示すように、配管を断熱する断熱部材(59)が設けられている。断熱部材(59)は、冷房運転時の第1分岐部(17a)及び第1合流部(18a)と、冷房運転時の第2分岐部(17b)及び第2合流部(18b)とにそれぞれ対応して設けられている。
具体的に、冷房運転時の第1分岐部(17a)及び第1合流部(18a)に対しては、第1分岐側温度センサ(36a)に相当する第3室内回路(29c)の室内ガス温度センサ(32c)の位置から第1合流部(18a)までの範囲、第2分岐側温度センサ(37a)に相当する第2室内回路(29b)の室内ガス温度センサ(32b)の位置から第1合流部(18a)までの範囲、及び第1合流部(18a)から合流側温度センサ(38a)に相当する第1温度センサ(11)までの範囲が、断熱部材(59)によって断熱されている。
冷房運転時の第2分岐部(17b)及び第2合流部(18b)に対しては、第1分岐側温度センサ(36b)に相当する第1温度センサ(11)の位置から第2合流部(18b)までの範囲、第2分岐側温度センサ(37b)に相当する第1室内回路(29a)の室内ガス温度センサ(32a)の位置から第2合流部(18b)までの範囲、及び第2合流部(18b)から合流側温度センサ(38b)に相当する第2温度センサ(12)までの範囲が、断熱部材(59)によって断熱されている。
この変形例1では、断熱部材(59)を設けることで、第1分岐側温度センサ(36)から合流部(18)、第2分岐側温度センサ(37)から合流部(18)、及び合流部(18)から合流側温度センサ(38)までの範囲における熱の出入りによる数式3や数式4の誤差が縮小される。従って、数式3を用いて検出される第1の分岐流路(33)の冷媒の質量流量Gと、数式4を用いて検出される第2の分岐流路(34)の冷媒の質量流量Gを、より正確に検出することができる。
なお、暖房運転時の第1分岐部(17a)及び第1合流部(18a)と、暖房運転時の第2分岐部(17b)及び第2合流部(18b)とにそれぞれ対応して、断熱部材(59)を設けてもよい。
−実施形態1の変形例2−
実施形態1の変形例2について説明する。この変形例2では、図5に示すように、室外回路(19)に内部熱交換器(75)が設けられている。内部熱交換器(75)は、冷房運転時に各室内回路(29)へ送る冷媒を過冷却するためのものである。
具体的に、内部熱交換器(75)は、第1室外膨張弁(43a)と室外回路(19)の液側端との間に設けられる第1流路(75a)と、バイパス通路(80)の途中に設けられる第2流路(75b)とを備えている。内部熱交換器(75)では、第1流路(75a)と第2流路(75b)とが互いに隣接する状態で配置され、第1流路(75a)の冷媒と第2流路(75b)の冷媒とが熱交換を行うように構成されている。また、バイパス通路(80)には、第2流路(75b)の液側に第2室外膨張弁(43b)が設けられ、第2流路(75b)のガス側に室外ガス温度センサ(81)が設けられている。
この変形例2の空調機(30)では、冷房運転時に、冷媒が第1液配管(28a)と第2液配管(28b)と分かれる第1接続点(61)が第1分岐部(17a)になり、第1室外膨張弁(43a)から室外回路(19)の液側端へ向かう冷媒の一部がバイパス通路(80)に分かれる第2接続点(62)が第2分岐部(17b)になる。また、第1ガス配管(48a)の冷媒と第2ガス配管(48b)の冷媒とが合流する第3接続点(63)が第1合流部(18a)になり、圧縮機(26)の吸入側へ向かう冷媒にバイパス通路(80)の冷媒が合流する第4接続点(64)が第2合流部(18b)になる。
制御部(58)の分岐状態検出部(53)は、第1室内回路(29a)の冷媒の質量流量GR1、及び第2室内回路(29b)の冷媒の質量流量GR2をそれぞれ算出するように構成されている。また、変化量検出部(54)は、第1室内回路(29a)の室内熱交換器(41a)における冷媒の比エンタルピの変化量ΔhR1、及び第2室内回路(29b)の室内熱交換器(41b)における冷媒の比エンタルピの変化量ΔhR2をそれぞれ算出するように構成されている。能力検出部(55)は、第1室内回路(29a)の室内熱交換器(41a)での熱交換量ΦR1、及び第2室内回路(29b)の室内熱交換器(41b)での熱交換量ΦR2をそれぞれ算出するように構成されている。各室内回路(29)の冷媒の質量流量G、冷媒の比エンタルピの変化量Δh、及び室内熱交換器(41)での熱交換量Φの算出方法は、上記実施形態1と同じである。
−実施形態1の変形例3−
実施形態1の変形例3について説明する。この変形例3では、分岐状態検出部(53)が、各室内回路(29)の冷媒の質量流量の比率を算出するように構成されている。各室内回路(29)の冷媒の質量流量の比率は、上記数式1及び数式2の関係を用いて、第1の分岐流路(33)の冷媒の質量流量Gと第2の分岐流路(34)の冷媒の質量流量Gとの比率G/Gを算出することによって算出される。各室内回路(29)の冷媒の質量流量の比率は、例えば各室内ユニット(60)の異常の検知などに用いることが可能である。
−実施形態1の変形例4−
実施形態1の変形例4について説明する。この変形例4では、図6に示すように、冷媒の比エンタルピを検出する位置の全てに圧力センサ(65,66,71,72,73,74)が設けられている。冷媒の比エンタルピを算出する際は、吐出圧力センサ(21)や吸入圧力センサ(23)の検出値を代用せずに、比エンタルピを算出する位置の圧力センサの検出値が用いられる。従って、より正確に各室内回路(29)の冷媒の質量流量G、及び室内熱交換器(41)での熱交換量Φを検出することができる。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。本実施形態2は、本発明に係る冷凍装置(30)によって構成された空調機(30)である。この空調機(30)は、図7に示すように、漏れ状態検出装置(85)を備えている。
また、この空調機(30)では、切換機構である四路切換弁(25)の第1ポート(P1)から第2ポート(P2)とを連通する回路が、第1回路(83)を構成している。圧縮機(26)は第1回路(83)に位置している。また、四路切換弁(25)の第3ポート(P3)から第4ポート(P4)とを連通する回路が、第2回路(84)を構成している。第2回路(84)は、四路切換弁(25)の第3ポート(P3)から液側連絡配管(15)、各室内回路(29)、ガス側連絡配管(16)を経て四路切換弁(25)の第4ポート(P4)に至るまで回路である。
四路切換弁(25)は、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とが連通して第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とが連通する第1状態では、第1ポート(P1)が低圧冷媒が流出する第1低圧ポートになり、第2ポート(P2)が高圧冷媒が流入する第1高圧ポートになり、第3ポート(P3)が高圧冷媒が流出する第2高圧ポートになり、第4ポート(P4)が低圧冷媒が流入する第2低圧ポートになる。また、第1ポート(P1)と第3ポート(P3)とが連通して第2ポート(P2)と第4ポート(P4)とが連通する第2状態では、第1ポート(P1)が低圧冷媒が流出する第1低圧ポートになり、第2ポート(P2)が高圧冷媒が流入する第1高圧ポートになり、第3ポート(P3)が低圧冷媒が流入する第2低圧ポートになり、第4ポート(P4)が高圧冷媒が流出する第2高圧ポートになる。
第2回路(84)における四路切換弁(25)と室外熱交換器(44)との間には、第1漏れ検出用温度センサ(86)及び第1漏れ検出用圧力センサ(88)が設けられている。第2回路(84)における四路切換弁(25)と室外回路(19)のガス側端との間には、第2漏れ検出用温度センサ(87)及び第2漏れ検出用圧力センサ(89)が設けられている。
漏れ状態検出装置(85)は、冷媒状態検出手段である冷媒状態検出部(51)、漏れ状態検出手段である漏れ状態検出部(57)とを備えている。
冷媒状態検出部(51)は、第1低圧ポートにおける冷媒の比エンタルピを第1低圧側検出値hL1として、第2低圧ポートにおける冷媒の比エンタルピを第2低圧側検出値hL2として、第1高圧ポートにおける冷媒の比エンタルピを第1高圧側検出値hH1として、及び第2高圧ポートにおける冷媒の比エンタルピを第2高圧側検出値hH2として、それぞれ算出するように構成されている。
漏れ状態検出部(57)は、四路切換弁(25)における第2ポート(P2)から第1ポート(P1)への冷媒の漏れ状態を検出するように構成されている。冷媒の漏れ状態は、以下に示す数式5を用いて算出される冷媒の質量流量の比率G/Gとして検出される。
式5:G/G=((hH2−hL2)−(hH1−hL1))/(hH2−hL2)
上記数式5においてGは四路切換弁(25)における第2ポート(P2)から第1ポート(P1)へ漏れる冷媒の質量流量、Gは第2ポート(P2)から四路切換弁(25)へ流入する冷媒の質量流量をそれぞれ表している。
この実施形態2の空調機(30)では、漏れ状態検出装置(85)が四路切換弁(25)における冷媒の漏れ状態を検出する漏れ状態検出動作を行う。漏れ状態検出動作では、冷媒状態検出行程と漏れ状態検出行程とが順次行われる。以下では、冷房運転中の漏れ状態検出動作について説明する。
漏れ状態検出動作では、まず冷媒状態検出行程が行われる。冷媒状態検出行程では、冷媒状態検出部(51)が、第1ポート(P1)における冷媒の比エンタルピである第1低圧側検出値hL1、第4ポート(P4)における冷媒の比エンタルピである第2低圧側検出値hL2、第2ポート(P2)における冷媒の比エンタルピである第2高圧側検出値hH2、及び第3ポート(P3)における冷媒の比エンタルピである第2高圧側検出値hH2を算出する。第1低圧側検出値hL1は、吸入温度センサ(22)の検出値及び吸入圧力センサ(23)の検出値から算出される。第2低圧側検出値hL2は、第2漏れ検出用温度センサ(87)の検出値及び第2漏れ検出用圧力センサ(89)の検出値から算出される。第2高圧側検出値hH2は、吐出温度センサ(20)の検出値及び吐出圧力センサ(21)の検出値から算出される。第2高圧側検出値hH2は、第1漏れ検出用温度センサ(86)の検出値及び第1漏れ検出用圧力センサ(88)の検出値から算出される。
冷媒状態検出行程が終了すると、漏れ状態検出行程が行われる。漏れ状態検出行程では、漏れ状態検出部(57)が、冷媒状態検出行程において冷媒状態検出部(51)が算出した第1低圧側検出値hL1、第2低圧側検出値hL2、第2高圧側検出値hH2、及び第2高圧側検出値hH2を上記数式5に代入することにより、第2ポート(P2)から四路切換弁(25)へ流入する冷媒の質量流量Gに対する第2ポート(P2)から第1ポート(P1)へ漏れる冷媒の質量流量Gを算出する。
−実施形態2の効果−
本実施形態2では、四路切換弁(25)における第2ポート(P2)から第1ポート(P1)への冷媒の漏れ状態が、冷媒の比エンタルピによって表された数式を用いて検出される。このため、上記冷媒の漏れ状態を検出するのに、冷媒の流れの抵抗になる冷媒流量計を設置する必要がない。従って、空調機(30)の効率を低下させることなく、四路切換弁(25)における冷媒の漏れ状態を検出することができる。
−実施形態2の変形例−
実施形態2の変形例について説明する。この変形例では、冷媒の漏れ状態として、四路切換弁(25)における第2ポート(P2)から第1ポート(P1)へ漏れる冷媒の質量流量Gが検出される。漏れ状態検出部(57)は、上記実施形態1と同様の合計流量検出部(52)を備えている。漏れ状態検出部(57)は、第2ポート(P2)から四路切換弁(25)へ流入する冷媒の質量流量Gを、冷媒回路(10)の冷媒の循環量Gallと同じ値として検出して、上記冷媒漏れ量Gを算出する。
《その他の実施形態》
上記実施形態は、以下のように構成してもよい。
上記実施形態について、本発明に係る冷凍装置(30)を、例えば、食品を冷却するための冷凍装置(冷蔵庫や冷凍庫)、空調機と冷蔵庫や冷凍庫とが組み合わされた冷凍装置、熱交換器を流通する冷媒の熱を吸着剤の加熱又は冷却に用いる調湿機能付きの冷凍装置、いわゆるエコキュートのような給湯機能を有する冷凍装置などの空調機以外の冷凍装置に適用してもよい。
上記実施形態1について、第1分岐部(17a)及び第1合流部(18a)に対応する第1検出値h、第2検出値h、及び第3検出値haを検出する際に、吐出圧力センサ(21)や吸入圧力センサ(23)の検出値を代用するのではなく、各検出値に対応する位置の冷媒の圧力を、該検出値に対応する位置と代用する圧力センサ(21,23)との間の圧力損失を考慮して推測してもよい。
また、上記実施形態1について、暖房運転時の第1検出値h、及び第2検出値hを、室内膨張弁(42)における冷媒の圧力損失を考慮して補正してもよい。
また、上記実施形態1について、算出した暖房能力や冷房能力を用いて空調電気料金を算出してもよい。これにより、例えばオフィスビルのテナントに、使用した空調能力に応じた空調電力料金を請求することが可能になる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路を備える冷凍装置について有用である。
図1は、実施形態1に係る空調機の概略構成図である。 図2(A)は、実施形態1に係る空調機の冷房運転中における第1分岐部及び第1合流部に対応する第1の分岐流路及び第2の分岐流路を表す冷媒回路の要部の概略構成図であり、図2(B)は、実施形態1に係る空調機の冷房運転中における第2分岐部及び第2合流部に対応する第1の分岐流路及び第2の分岐流路を表す冷媒回路の要部の概略構成図である。 図3(A)は、実施形態1に係る空調機の暖房運転中における第1分岐部及び第1合流部に対応する第1の分岐流路及び第2の分岐流路を表す冷媒回路の要部の概略構成図であり、図3(B)は、実施形態1に係る空調機の暖房運転中における第2分岐部及び第2合流部に対応する第1の分岐流路及び第2の分岐流路を表す冷媒回路の要部の概略構成図である。 図4は、実施形態1の変形例1に係る空調機の冷媒回路の要部の概略構成図である。 図5は、実施形態1の変形例2に係る空調機の概略構成図である。 図6は、実施形態1の変形例4に係る空調機の概略構成図である。 図7は、実施形態2に係る空調機の概略構成図である。
符号の説明
10 冷媒回路
17 分岐部
18 合流部
21 吐出圧力センサ
23 吸入圧力センサ
25 四路切換弁(切換機構)
26 圧縮機
30 空調機(冷凍装置)
31 室内液温度センサ(液側温度センサ)
32 室内ガス温度センサ(ガス側温度センサ)
33 第1の分岐流路
34 第2の分岐流路
36 第1分岐側温度センサ
37 第2分岐側温度センサ
38 合流側温度センサ
41 室内熱交換器(熱交換器)
42 室内膨張弁(減圧手段)
43 室外膨張弁(減圧手段)
51 冷媒状態検出部(冷媒状態検出手段)
52 合計流量検出部(合計流量検出手段)
53 分岐状態検出部(分岐状態推定手段)
54 変化量検出部(変化量検出手段)
55 能力検出部(能力算出手段)
57 漏れ状態検出部(漏れ状態検出手段)
59 断熱部材

Claims (10)

  1. 圧縮機(26)、減圧手段(42,43)、及び複数の熱交換器(41,44)が設けられて、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備え、
    上記冷媒回路(10)では、蒸気圧縮冷凍サイクルの際に冷媒が第1の分岐流路(33)と第2の分岐流路(34)とに分岐する分岐部(17)と、該第1の分岐流路(33)を流通した冷媒と該第2の分岐流路(34)を流通した冷媒とが合流する合流部(18)とが形成される冷凍装置であって、
    上記第1の分岐流路(33)から上記合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピを第1検出値として、上記第2の分岐流路(34)から上記合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピを第2検出値として、及び上記合流部(18)で合流した冷媒の比エンタルピを第3検出値として、それぞれ検出する冷媒状態検出手段(51)と、
    上記第1検出値をhとし、上記第2検出値をhとし、上記第3検出値をhaとし、第1の分岐流路(33)の冷媒の質量流量をGとし、第2の分岐流路(34)の冷媒の質量流量をGとしたときに、G/(G+G)=(ha−h)/(h−h)という数式1と、G/(G+G)=(ha−h)/(h−h)という数式2とが成り立つことを利用して、G/(G+G)の値、G/(G+G)の値、及びG/Gの値のうち少なくとも1つを推定する分岐状態推定手段(53)とを備えていることを特徴とする冷凍装置。
  2. 圧縮機(26)、減圧手段(42,43)、及び複数の熱交換器(41,44)が設けられて、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備え、
    上記冷媒回路(10)では、蒸気圧縮冷凍サイクルの際に冷媒が第1の分岐流路(33)と第2の分岐流路(34)とに分岐する分岐部(17)と、該第1の分岐流路(33)を流通した冷媒と該第2の分岐流路(34)を流通した冷媒とが合流する合流部(18)とが形成される冷凍装置であって、
    上記第1の分岐流路(33)から上記合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピを第1検出値として、上記第2の分岐流路(34)から上記合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピを第2検出値として、及び上記合流部(18)で合流した冷媒の比エンタルピを第3検出値として、それぞれ検出する冷媒状態検出手段(51)と、
    上記合流部(18)で合流した冷媒の質量流量を検出する合計流量検出手段(52)と、
    上記第1検出値をhとし、上記第2検出値をhとし、上記第3検出値をhaとし、第1の分岐流路(33)の冷媒の質量流量をGとし、第2の分岐流路(34)の冷媒の質量流量をGとし、合流部(18)で合流した冷媒の質量流量をGaとしたときに、G/Ga=(ha−h)/(h−h)という数式3と、G/Ga=(ha−h)/(h−h)という数式4とが成り立つことを利用して、Gの値及びGの値の一方又は両方を推定する分岐状態推定手段(53)とを備えていることを特徴とする冷凍装置。
  3. 請求項1又は2において、
    上記第1の分岐流路(33)及び上記第2の分岐流路(34)の一方又は両方には、上記熱交換器(41)が配置される一方、
    上記冷媒状態検出手段(51)は、上記熱交換器(41)が配置されている分岐流路(33,34)から合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピとして、該熱交換器(41)と合流部(18)との間の冷媒の比エンタルピを検出することを特徴とする冷凍装置。
  4. 請求項2において、
    上記第1の分岐流路(33)及び上記第2の分岐流路(34)の一方又は両方には、上記熱交換器(41)が配置され、
    上記分岐状態推定手段(53)は、上記熱交換器(41)が配置された分岐流路(33,34)の冷媒の質量流量(G,G)を推定する一方、
    上記分岐流路(33,34)の熱交換器(41)における冷媒の比エンタルピの変化量を検出する変化量検出手段(54)と、
    上記変化量検出手段(54)が検出した熱交換器(41)における冷媒の比エンタルピの変化量に、上記分岐状態推定手段(53)が推定した該熱交換器(41)が配置された分岐流路(33,34)の冷媒の質量流量(G,G)を乗じることによって、該分岐流路(33,34)の熱交換器(41)での熱交換量を算出する能力算出手段(55)とを備えていることを特徴とする冷凍装置。
  5. 請求項4において、
    上記圧縮機(26)の吸入側の冷媒の圧力を検出する吸入圧力センサ(23)と、
    上記熱交換器(41)が配置された分岐流路(33,34)の熱交換器(41)のガス側の冷媒の温度を検出するガス側温度センサ(32)とを備え、
    上記冷媒状態検出手段(51)は、上記熱交換器(41)が配置された分岐流路(33,34)の熱交換器(41)が蒸発器となる状態では、上記吸入圧力センサ(23)の検出値と上記ガス側温度センサ(32)の検出値とを用いて算出した冷媒の比エンタルピを、該熱交換器(41)が配置された分岐流路(33,34)から上記合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピとすることを特徴とする冷凍装置。
  6. 請求項4又は5において、
    上記圧縮機(26)の吐出側の冷媒の圧力を検出する吐出圧力センサ(21)と、
    上記熱交換器(41)が配置された分岐流路(33,34)の熱交換器(41)の液側の冷媒の温度を検出する液側温度センサ(31)とを備え、
    上記冷媒状態検出手段(51)は、上記熱交換器(41)が配置された分岐流路(33,34)の熱交換器(41)が凝縮器となる状態では、上記吸入圧力センサ(23)の検出値と上記液側温度センサ(31)の検出値とを用いて算出した冷媒の比エンタルピを、該熱交換器(41)が配置された分岐流路(33,34)から上記合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピとすることを特徴とする冷凍装置。
  7. 請求項1乃至4の何れか1つにおいて、
    上記第1の分岐流路(33)に設けられて、上記冷媒状態検出手段(51)による上記第1検出値の検出に用いられる第1分岐側温度センサ(36)と、
    上記第2の分岐流路(34)に設けられて、上記冷媒状態検出手段(51)による上記第2検出値の検出に用いられる第2分岐側温度センサ(37)と、
    上記合流部(18)の下流に設けられて、上記冷媒状態検出手段(51)による上記第3検出値の検出に用いられる合流側温度センサ(38)と、
    上記第1分岐側温度センサ(36)から上記合流部(18)、上記第2分岐側温度センサ(37)から上記合流部(18)、及び上記合流部(18)から上記合流側温度センサ(38)までの範囲を断熱する断熱部材(59)とを備えていることを特徴とする冷凍装置。
  8. 圧縮機(26)、減圧手段(42,43)、及び複数の熱交換器(41,44)が設けられて、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備え、該冷媒回路(10)では、蒸気圧縮冷凍サイクルの際に冷媒が第1の分岐流路(33)と第2の分岐流路(34)とに分岐する分岐部(17)と、該第1の分岐流路(33)を流通した冷媒と該第2の分岐流路(34)を流通した冷媒とが合流する合流部(18)とが形成される冷凍装置(30)において、該分岐流路(33)の冷媒の質量流量を推定する分岐状態推定方法であって、
    上記第1の分岐流路(33)から上記合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピを第1検出値として、上記第2の分岐流路(34)から上記合流部(18)に流入する冷媒の比エンタルピを第2検出値として、及び上記合流部(18)で合流した冷媒の比エンタルピを第3検出値として、それぞれ検出する冷媒状態検出行程と、
    上記合流部(18)で合流した冷媒の質量流量を検出する合計流量検出行程と、
    上記第1検出値をhとし、上記第2検出値をhとし、上記第3検出値をhaとし、第1の分岐流路(33)の冷媒の質量流量をGとし、第2の分岐流路(34)の冷媒の質量流量をGとし、合流部(18)で合流した冷媒の質量流量をGaとしたときに、G/Ga=(ha−h)/(h−h)という数式3と、G/Ga=(ha−h)/(h−h)という数式4とが成り立つことを利用して、Gの値及びGの値の一方又は両方を推定する分岐状態推定行程とを備えていることを特徴とする分岐状態推定方法。
  9. 冷媒が循環する冷媒回路(10)に冷媒の流通状態を切り換えるために設けられて、4つのポートのうち何れかが、低圧冷媒が流出する第1低圧ポート、低圧冷媒が流入する第2低圧ポート、高圧冷媒が流入する第1高圧ポート、及び高圧冷媒が流出する第2高圧ポートになる四路切換弁(25)における該第1高圧ポートから第1低圧ポートへの冷媒の漏れ状態を検出するための漏れ状態の検出装置であって、
    上記第1低圧ポートにおける冷媒の比エンタルピを第1低圧側検出値として、上記第2低圧ポートにおける冷媒の比エンタルピを第2低圧側検出値として、上記第1高圧ポートにおける冷媒の比エンタルピを第1高圧側検出値として、及び上記第2高圧ポートにおける冷媒の比エンタルピを第2高圧側検出値として、それぞれ検出する冷媒状態検出手段(51)と、
    上記第1低圧側検出値をhL1として、上記第2低圧側検出値をhL2として、上記第1高圧側検出値をhH1として、上記第2高圧側検出値をhH2として、四路切換弁(25)において第1高圧ポートから第1低圧ポートへ漏れる冷媒の質量流量をGとして、及び第1高圧ポートから四路切換弁(25)に流入する冷媒の質量流量をGとしたときに、G/G=((hH2−hL2)−(hH1−hL1))/(hH2−hL2)という数式5が成り立つことを利用して、上記四路切換弁(25)における第1高圧ポートから第1低圧ポートへの冷媒の漏れ状態を検出する漏れ状態検出手段(57)とを備えていることを特徴とする漏れ状態の検出装置。
  10. 冷媒が循環する冷媒回路(10)に冷媒の流通状態を切り換えるために設けられて、4つのポートのうち何れかが、低圧冷媒が流出する第1低圧ポート、低圧冷媒が流入する第2低圧ポート、高圧冷媒が流入する第1高圧ポート、及び高圧冷媒が流出する第2高圧ポートになる四路切換弁(25)における該第1高圧ポートから第1低圧ポートへの冷媒の漏れ状態を検出するための漏れ状態の検出方法であって、
    上記第1低圧ポートにおける冷媒の比エンタルピを第1低圧側検出値として、上記第2低圧ポートにおける冷媒の比エンタルピを第2低圧側検出値として、上記第1高圧ポートにおける冷媒の比エンタルピを第1高圧側検出値として、及び上記第2高圧ポートにおける冷媒の比エンタルピを第2高圧側検出値として、それぞれ検出する冷媒状態検出行程と、
    上記冷媒状態検出行程によって検出された上記第1低圧側検出値をhL1として、上記第2低圧側検出値をhL2として、上記第1高圧側検出値をhH1として、上記第2高圧側検出値をhH2として、四路切換弁(25)において第1高圧ポートから第1低圧ポートへ漏れる冷媒の質量流量をGとして、及び第1高圧ポートから四路切換弁(25)に流入する冷媒の質量流量をGとしたときに、G/G=((hH2−hL2)−(hH1−hL1))/(hH2−hL2)という数式5が成り立つことを利用して、上記四路切換弁(25)における第1高圧ポートから第1低圧ポートへの冷媒の漏れ状態を検出する漏れ状態検出行程とを備えていることを特徴とする漏れ状態の検出方法。
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