JP2008232521A - 多缶設置ボイラ装置の防食方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、多缶設置ボイラ装置について、運転停止となったボイラを効率よく防食しうる方法と装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、ボイラ給水を窒素ガスと接触させて該ボイラ給水中の溶存酸素を除去する窒素式脱酸素装置3を備えた多缶設置ボイラ装置であって、窒素式脱酸素装置3に窒素ガスを供給する窒素ガス用レシーバタンク2を備え、多缶設置されたボイラの中に運転停止ボイラがあると、該運転停止ボイラ缶内の圧力が所定値以下となったときに、窒素ガス用レシーバタンク2から該運転停止ボイラ缶内に窒素ガスの一部を封入する機能を備え、該運転停止ボイラ缶内を所定の圧力値以上の圧力に保つようにした多缶設置ボイラ装置を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明は、ボイラ給水を窒素ガスと接触させて該ボイラ給水中の溶存酸素を除去する窒素式脱酸素装置3を備えた多缶設置ボイラ装置であって、窒素式脱酸素装置3に窒素ガスを供給する窒素ガス用レシーバタンク2を備え、多缶設置されたボイラの中に運転停止ボイラがあると、該運転停止ボイラ缶内の圧力が所定値以下となったときに、窒素ガス用レシーバタンク2から該運転停止ボイラ缶内に窒素ガスの一部を封入する機能を備え、該運転停止ボイラ缶内を所定の圧力値以上の圧力に保つようにした多缶設置ボイラ装置を提供する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、多缶設置ボイラ装置の防食方法に関し、詳しくは多缶設置ボイラ装置について、運転停止となったボイラを効率よく防食しうる方法と装置に関するものである。
多缶設置ボイラでは、設置している全てのボイラを運転させるのではなく、負荷の状況に応じて必要な台数のボイラを運転させ、残りのボイラは運転を停止させておくのが一般的である。
しかしながら、ボイラは運転を停止させるとボイラ缶体内に錆が発生し易くなる。
それ故、従来は、缶体内への錆の発生を防ぐ為、運転停止中のボイラに対しては、以下のような防食方法が採られてきた。
(1)高濃度の脱酸素剤(例えば、ヒドラジン)をボイラ水に投入する方法。
(2)ボイラ缶内を満水にする方法。
(3)ボイラ缶内を加圧保持する方法。例えば、ボイラ缶内の圧力が下がってくると、加圧の為だけに間欠的に燃焼して昇圧させたり、窒素ガス等の不活性ガスを封入する方法である。
しかしながら、ボイラは運転を停止させるとボイラ缶体内に錆が発生し易くなる。
それ故、従来は、缶体内への錆の発生を防ぐ為、運転停止中のボイラに対しては、以下のような防食方法が採られてきた。
(1)高濃度の脱酸素剤(例えば、ヒドラジン)をボイラ水に投入する方法。
(2)ボイラ缶内を満水にする方法。
(3)ボイラ缶内を加圧保持する方法。例えば、ボイラ缶内の圧力が下がってくると、加圧の為だけに間欠的に燃焼して昇圧させたり、窒素ガス等の不活性ガスを封入する方法である。
しかしながら、上記した従来の方法にはそれぞれ以下のような問題点があった。
(1)脱酸素剤を投入する方法
この方法では、運転再開時に蒸気に脱酸素剤が混入して蒸気の質の低下を招く場合がある。これを防ぐ為には、ボイラ缶内の水を入れ替えて脱酸素剤の濃度を低下させる必要があった。
(1)脱酸素剤を投入する方法
この方法では、運転再開時に蒸気に脱酸素剤が混入して蒸気の質の低下を招く場合がある。これを防ぐ為には、ボイラ缶内の水を入れ替えて脱酸素剤の濃度を低下させる必要があった。
(2)ボイラ缶内を満水にする方法
この方法では、運転再開時毎にボイラ内の水を排出して水位の調節が必要となる。負荷は数日周期で変動する場合が多く、その度に満水と排出・水位調節といった作業工数がかかるとともに、直ぐにはボイラの運転を再開することができず効率的に不利である。
この方法では、運転再開時毎にボイラ内の水を排出して水位の調節が必要となる。負荷は数日周期で変動する場合が多く、その度に満水と排出・水位調節といった作業工数がかかるとともに、直ぐにはボイラの運転を再開することができず効率的に不利である。
(3)ボイラ缶内を加圧保持する方法
ボイラ缶内の圧力が下がってきたときに、加圧の為だけに間欠的に燃焼して昇圧させる方法では、燃料費がかかるとともに運転の為の作業工数もかかり経済的ではない。
一方、ボイラ缶体内に不活性ガスを封入する方法は、ボイラ運転停止時の防食方法としては、比較的簡便でしかもその有効性が確認されており、従来から不活性ガスに窒素ガスを用いて利用されてきた(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、窒素ガスをボイラ缶体内に封入する為、市販の窒素ガスボンベを購入して実施しようとすると大きなコスト負担となる。
それ故、窒素ボンベに代わり、窒素式脱酸素装置からの排出された酸素をわずかに含んだ窒素ガスを利用する方法が採られる場合がある(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、この方法では、わずかといえ腐食を促進する酸素を含んでおり、腐食作用に不安を残す。
ボイラ缶内の圧力が下がってきたときに、加圧の為だけに間欠的に燃焼して昇圧させる方法では、燃料費がかかるとともに運転の為の作業工数もかかり経済的ではない。
一方、ボイラ缶体内に不活性ガスを封入する方法は、ボイラ運転停止時の防食方法としては、比較的簡便でしかもその有効性が確認されており、従来から不活性ガスに窒素ガスを用いて利用されてきた(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、窒素ガスをボイラ缶体内に封入する為、市販の窒素ガスボンベを購入して実施しようとすると大きなコスト負担となる。
それ故、窒素ボンベに代わり、窒素式脱酸素装置からの排出された酸素をわずかに含んだ窒素ガスを利用する方法が採られる場合がある(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、この方法では、わずかといえ腐食を促進する酸素を含んでおり、腐食作用に不安を残す。
本発明は、上記従来の問題点を解消し、多缶設置ボイラ装置について、運転停止となったボイラを効率よく防食しうる方法と装置とを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、脱酸素剤を投入する方法でなく、また、ボイラ缶内を満水にする方法でもなく、多缶設置ボイラ装置の防食方法として、有効性が確認されているボイラ缶体内に不活性ガスを封入する方法において、ボイラ給水中の溶存酸素を除去する窒素式脱酸素装置に窒素ガスを供給する窒素ガス用レシーバタンクから、余剰となった窒素ガス(ボイラ給水由来の酸素を含まない)を流用することにより、別途不活性ガスを準備するといった新たなコストをかけることなく、確実な防食効果を得ることが可能となることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに到った。
即ち、請求項1に係る本発明は、ボイラ給水を窒素ガスと接触させて該ボイラ給水中の溶存酸素を除去する窒素式脱酸素装置を備えた多缶設置ボイラ装置の防食方法において、多缶設置されたボイラの中に缶内の圧力が所定値以下の運転停止ボイラがあるときに、該窒素式脱酸素装置に窒素ガスを供給する窒素ガス用レシーバタンクから該運転停止ボイラ缶内に窒素ガスを封入し、該運転停止ボイラ缶内を所定の圧力値以上の圧力に保つことを特徴とする多缶設置ボイラ装置の防食方法を提供するものである。
請求項2に係る本発明は、ボイラ給水を窒素ガスと接触させて該ボイラ給水中の溶存酸素を除去する窒素式脱酸素装置を備えた多缶設置ボイラ装置であって、該窒素式脱酸素装置に窒素ガスを供給する窒素ガス用レシーバタンクを備え、多缶設置されたボイラの中に缶内の圧力が所定値以下の運転停止ボイラがあるときに、該窒素ガス用レシーバタンクから該運転停止ボイラ缶内に窒素ガスの一部を封入する機能を備え、該運転停止ボイラ缶内を所定の圧力値以上の圧力に保つようにした多缶設置ボイラ装置を提供するものである。
請求項2に係る本発明は、ボイラ給水を窒素ガスと接触させて該ボイラ給水中の溶存酸素を除去する窒素式脱酸素装置を備えた多缶設置ボイラ装置であって、該窒素式脱酸素装置に窒素ガスを供給する窒素ガス用レシーバタンクを備え、多缶設置されたボイラの中に缶内の圧力が所定値以下の運転停止ボイラがあるときに、該窒素ガス用レシーバタンクから該運転停止ボイラ缶内に窒素ガスの一部を封入する機能を備え、該運転停止ボイラ缶内を所定の圧力値以上の圧力に保つようにした多缶設置ボイラ装置を提供するものである。
本発明によれば、脱酸素剤を使用することがなく、不活性ガスである窒素ガスを運転停止ボイラ缶内に封入するため、蒸気の質の低下の心配がない。
次に、本発明によれば、ボイラ缶内を満水にするための作業や排出・水位調整といった作業が不要であり、効率的な対応が可能となる。
また、本発明によれば、不活性ガスとしての窒素ガスは、ボイラが運転を停止することにより余剰となった窒素ガスを流用するため、新規に窒素ガスボンベを購入するというような経済的な負担もない。
さらに、本発明では、窒素ガス用レシーバタンクから供給される窒素ガスの一部を流用するため、腐食を促進する酸素などを含まないものであり、防食効果が確実となる。
従って、本発明によれば、負荷の状況に応じて必要な台数のボイラを運転させる多缶設置ボイラ装置に対し、運転停止中のボイラ装置の防食を簡便に、かつ、新たなコストをかけることなく実施することが可能となる。
次に、本発明によれば、ボイラ缶内を満水にするための作業や排出・水位調整といった作業が不要であり、効率的な対応が可能となる。
また、本発明によれば、不活性ガスとしての窒素ガスは、ボイラが運転を停止することにより余剰となった窒素ガスを流用するため、新規に窒素ガスボンベを購入するというような経済的な負担もない。
さらに、本発明では、窒素ガス用レシーバタンクから供給される窒素ガスの一部を流用するため、腐食を促進する酸素などを含まないものであり、防食効果が確実となる。
従って、本発明によれば、負荷の状況に応じて必要な台数のボイラを運転させる多缶設置ボイラ装置に対し、運転停止中のボイラ装置の防食を簡便に、かつ、新たなコストをかけることなく実施することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る多缶設置ボイラ装置の概略図であり、設置ボイラの数量を3基としたものを示しているが、2基以上であれば3基に限定されるものではない。
本発明に係る多缶設置ボイラ装置は、主に、窒素供給装置1と、窒素ガス用レシーバタンク2と、窒素式脱酸素装置3と、給水ポンプ4と、ボイラ5a〜5cと、各種配管と、弁と、からなる。
ここで、配管としては、窒素ガス用配管6a〜6cと、給水用配管7a〜7cと、排気配管8と、弁としては、窒素ガス用制御弁9、給水用制御弁10a〜10cと、さらに、前記窒素ガス用配管6a〜6cから分岐した窒素ガス用配管6dと、窒素ガス制御弁11a〜11cと、を有している。
本発明に係る多缶設置ボイラ装置は、主に、窒素供給装置1と、窒素ガス用レシーバタンク2と、窒素式脱酸素装置3と、給水ポンプ4と、ボイラ5a〜5cと、各種配管と、弁と、からなる。
ここで、配管としては、窒素ガス用配管6a〜6cと、給水用配管7a〜7cと、排気配管8と、弁としては、窒素ガス用制御弁9、給水用制御弁10a〜10cと、さらに、前記窒素ガス用配管6a〜6cから分岐した窒素ガス用配管6dと、窒素ガス制御弁11a〜11cと、を有している。
本発明における、窒素供給装置としては、例えば特開2002−86136号公報に記載されているような、圧力変動吸着分離法により、空気中の窒素ガス(N2)を分離供給する装置[窒素PSA(Pressure Swing Adsorption)装置]を挙げることができる。
窒素供給装置1には窒素ガス用配管6aが接続されており、窒素ガス用配管6aを介して窒素ガス用レシーバタンク2と接続されている。
窒素供給装置1には窒素ガス用配管6aが接続されており、窒素ガス用配管6aを介して窒素ガス用レシーバタンク2と接続されている。
窒素供給装置1より供給された窒素ガスは、窒素ガス用配管6aを通って窒素ガス用レシーバタンク2に貯蔵されるようになっている。
窒素ガス用レシーバタンク2は、窒素供給装置1より供給された窒素ガスを貯蔵しておく装置であり、これに接続されている窒素式脱酸素装置3に、0.4〜1.0MPaの窒素ガスを供給する役割を果たしている。
このような窒素ガス用レシーバタンク2は、窒素ガス用配管6bと接続され、さらに窒素ガス用制御弁9、窒素ガス用配管6cを介して窒素式脱酸素装置3に接続されている。
本発明においては、この窒素ガス用配管6bを途中で分岐させ、窒素ガス用配管6dとすると共に、ボイラ5a〜5cの近辺でさらに3本の配管に分岐させて、3本の配管はそれぞれボイラ5a,5b,5cに接続されている。3本の配管には、ボイラ5a,5b,5cとの間に、独立して窒素ガスの供給が制御可能な、窒素ガス制御弁11a,11b,11cがそれぞれ設置されており、ボイラ5a,5b,5cの中に缶内の圧力が所定値以下の運転停止ボイラがあるときに、窒素ガス用レシーバタンク2から該運転停止ボイラ缶内に窒素ガスの一部を封入する機能を備えたものとなっている。
窒素ガス用レシーバタンク2は、窒素供給装置1より供給された窒素ガスを貯蔵しておく装置であり、これに接続されている窒素式脱酸素装置3に、0.4〜1.0MPaの窒素ガスを供給する役割を果たしている。
このような窒素ガス用レシーバタンク2は、窒素ガス用配管6bと接続され、さらに窒素ガス用制御弁9、窒素ガス用配管6cを介して窒素式脱酸素装置3に接続されている。
本発明においては、この窒素ガス用配管6bを途中で分岐させ、窒素ガス用配管6dとすると共に、ボイラ5a〜5cの近辺でさらに3本の配管に分岐させて、3本の配管はそれぞれボイラ5a,5b,5cに接続されている。3本の配管には、ボイラ5a,5b,5cとの間に、独立して窒素ガスの供給が制御可能な、窒素ガス制御弁11a,11b,11cがそれぞれ設置されており、ボイラ5a,5b,5cの中に缶内の圧力が所定値以下の運転停止ボイラがあるときに、窒素ガス用レシーバタンク2から該運転停止ボイラ缶内に窒素ガスの一部を封入する機能を備えたものとなっている。
窒素式脱酸素装置3は、給水に、窒素ガス用レシーバタンク2からの窒素ガスを効率よく接触させて、分圧差分を利用して水中の飽和酸素濃度を低下させ、溶存酸素を除去する装置である。
本発明における、窒素式脱酸素装置3としては、水中に窒素ガスをバブリングするもの(エアレータ方式の自吸式散気装置)や、塔上部から充填材に給水を噴霧落下させ、下部から窒素ガスを供給して接触させるもの(静止型リアクター方式の静止型気液接触装置)、又、両者を組み合わせたものなど、如何なるものを用いることができるが、両者を組み合わせた方式が高効率である。
給水から除去した酸素を含んだ窒素との混合気体は、排気配管8より排気される。なお、この排気気体には、酸素を含むため、不活性ガスとして用いるには不適である。
本発明における、窒素式脱酸素装置3としては、水中に窒素ガスをバブリングするもの(エアレータ方式の自吸式散気装置)や、塔上部から充填材に給水を噴霧落下させ、下部から窒素ガスを供給して接触させるもの(静止型リアクター方式の静止型気液接触装置)、又、両者を組み合わせたものなど、如何なるものを用いることができるが、両者を組み合わせた方式が高効率である。
給水から除去した酸素を含んだ窒素との混合気体は、排気配管8より排気される。なお、この排気気体には、酸素を含むため、不活性ガスとして用いるには不適である。
窒素式脱酸素装置3には、給水を供給するための給水用配管7aと、窒素ガス用レシーバタンクからの窒素ガスを供給するための窒素ガス用配管6cが接続されている。
また、窒素式脱酸素装置3は、該窒素式脱酸素装置3内で溶存酸素が窒素置換された給水(脱酸素水)をボイラ5a,5b,5cに供給する役割を果たしている。
そのため、窒素式脱酸素装置3には、給水用配管7bが接続されており、給水用配管7bは、給水ポンプ4と接続されている。
給水ポンプ4には、ボイラ5a,5b,5cとの間に給水用配管7cが接続されており、窒素式脱酸素装置3で製造された溶存酸素が除去された給水(脱酸素水)を、ボイラ5a,5b,5cに供給するための揚力を供給している。
給水用配管7cは、ボイラ5a,5b,5cの手前でさらに3本の配管に分岐し、それぞれボイラ5a,5b,5cに接続されている。3本の配管には、それぞれ独立して給水の供給が制御可能な、給水用制御弁10a,10b,10cが設置されている。
また、窒素式脱酸素装置3は、該窒素式脱酸素装置3内で溶存酸素が窒素置換された給水(脱酸素水)をボイラ5a,5b,5cに供給する役割を果たしている。
そのため、窒素式脱酸素装置3には、給水用配管7bが接続されており、給水用配管7bは、給水ポンプ4と接続されている。
給水ポンプ4には、ボイラ5a,5b,5cとの間に給水用配管7cが接続されており、窒素式脱酸素装置3で製造された溶存酸素が除去された給水(脱酸素水)を、ボイラ5a,5b,5cに供給するための揚力を供給している。
給水用配管7cは、ボイラ5a,5b,5cの手前でさらに3本の配管に分岐し、それぞれボイラ5a,5b,5cに接続されている。3本の配管には、それぞれ独立して給水の供給が制御可能な、給水用制御弁10a,10b,10cが設置されている。
本発明において、多缶設置ボイラ装置を構成するボイラ缶の数としては、多缶ということから2基以上であれば特に限定されないが、本発明の実施形態の1つである多缶設置ボイラ装置を示した図1で示すように、3基のボイラ缶から構成される多缶設置ボイラ装置にすることが可能である。
図1における多缶設置ボイラ装置では、ボイラ5a,5b,5cの3つのボイラ缶が設置されている。
前記したように、各ボイラ5a,5b,5cには、窒素ガス用配管6dから分岐した3本の配管が接続されており、それぞれの配管は、窒素ガス制御弁11a,11b,11cが設置され、窒素ガスの供給の制御が可能となる。
また、各ボイラ5a,5b,5cには、給水用配管7cから分岐した3本の配管が接続されており、それぞれの配管は、給水用制御弁10a,10b,10cが設置され、給水の制御が可能となる。
各ボイラ5a,5b,5cには、それぞれに圧力計が設置されており、各ボイラ缶の中に缶内の圧力が所定値以下の運転停止ボイラがあるときに、そのボイラに対応する窒素ガス制御弁が自動的に開弁するようにされており、これにより窒素ガスの供給を制御することができる。
具体的には、運転停止時にボイラの缶内圧力が所定値である0.1MPa以下、好ましくは0.3MPa以下になると、そのボイラに接続する窒素ガス用配管に設置された窒素ガス制御弁が自動的に開弁し、該運転停止ボイラ内に、窒素ガス用レシーバタンク2から窒素ガスの一部が自動的に封入される。
窒素ガス封入後の運転停止ボイラの缶内圧力は、少なくとも0.1MPa以上、好ましくは0.3MPa以上に保持される。この結果、運転停止ボイラの防食を図ることができる。
なお、窒素ガス制御弁11a,11b,11cは逆止弁となっていることから、運転停止されたボイラが運転を開始して缶内圧力が上がったときに、ボイラから窒素ガス用レシーバタンク2の方向へ逆流することはない。
前記したように、各ボイラ5a,5b,5cには、窒素ガス用配管6dから分岐した3本の配管が接続されており、それぞれの配管は、窒素ガス制御弁11a,11b,11cが設置され、窒素ガスの供給の制御が可能となる。
また、各ボイラ5a,5b,5cには、給水用配管7cから分岐した3本の配管が接続されており、それぞれの配管は、給水用制御弁10a,10b,10cが設置され、給水の制御が可能となる。
各ボイラ5a,5b,5cには、それぞれに圧力計が設置されており、各ボイラ缶の中に缶内の圧力が所定値以下の運転停止ボイラがあるときに、そのボイラに対応する窒素ガス制御弁が自動的に開弁するようにされており、これにより窒素ガスの供給を制御することができる。
具体的には、運転停止時にボイラの缶内圧力が所定値である0.1MPa以下、好ましくは0.3MPa以下になると、そのボイラに接続する窒素ガス用配管に設置された窒素ガス制御弁が自動的に開弁し、該運転停止ボイラ内に、窒素ガス用レシーバタンク2から窒素ガスの一部が自動的に封入される。
窒素ガス封入後の運転停止ボイラの缶内圧力は、少なくとも0.1MPa以上、好ましくは0.3MPa以上に保持される。この結果、運転停止ボイラの防食を図ることができる。
なお、窒素ガス制御弁11a,11b,11cは逆止弁となっていることから、運転停止されたボイラが運転を開始して缶内圧力が上がったときに、ボイラから窒素ガス用レシーバタンク2の方向へ逆流することはない。
本発明において、多缶設置ボイラ装置を構成するボイラ缶としては、上記のように、所定の圧力値以下になったときに開弁する窒素ガス用制御弁を設置した窒素ガスの供給が可能な配管が接続されたものであれば、従来用いられている如何なるボイラ缶であっても用いることが可能である。
なお、図1の各ボイラ5a,5b,5cは、従来用いられているボイラ缶と同様に、燃焼時に気液分離した蒸気を外部に供給する装置を備えたものである。
なお、図1の各ボイラ5a,5b,5cは、従来用いられているボイラ缶と同様に、燃焼時に気液分離した蒸気を外部に供給する装置を備えたものである。
次に、このように構成された多缶設置ボイラ装置における運転動作について説明する。
まず、各ボイラ5a,5b,5cの全てが運転している場合について説明する。
まず、各ボイラ5a,5b,5cの全てが運転している場合について説明する。
窒素供給装置1から供給され窒素ガス用レシーバタンク2に一旦蓄えられた窒素ガスは、開弁している窒素ガス用制御弁9を通り、窒素式脱酸素装置3に供給される。給水用配管7aから、窒素式脱酸素装置3に給水された水は、この窒素ガスと接触することで、溶存酸素が窒素に置換されて、除去される。即ち、この窒素ガスは、脱酸素水の生成に使用される。
窒素式脱酸素装置3において溶存酸素が除去された給水(脱酸素水)は、給水ポンプ4で発生する揚力を用いることで、開弁している給水用制御弁10a,10b,10cを通り、各ボイラ5a,5b,5cに送水される。
なお、運転中の加熱された各ボイラ5a,5b,5cの内部は、窒素ガス制御弁11a,11b,11cが開弁する前記所定の圧力値よりも高圧になっているため、窒素ガス制御弁11a,11b,11cは閉弁したままになっている。従って、窒素ガスが各ボイラ5a,5b,5cの内部に入ることはない。
なお、運転中の加熱された各ボイラ5a,5b,5cの内部は、窒素ガス制御弁11a,11b,11cが開弁する前記所定の圧力値よりも高圧になっているため、窒素ガス制御弁11a,11b,11cは閉弁したままになっている。従って、窒素ガスが各ボイラ5a,5b,5cの内部に入ることはない。
次に、多缶設置ボイラ装置に要求される熱量負荷が減少し、ボイラ5aのみを運転停止する場合について説明する。
上記のように各ボイラ5a,5b,5cを運転している状態において、ボイラ5aの運転を停止する場合、ボイラ5aの燃焼を停止し、給水用制御弁10aを閉弁する。
するとボイラ5aの缶内の温度及び圧力が低下し、ボイラ5aの缶内圧力が前記所定の圧力値以下になると、ボイラ5aに接続する窒素ガス用配管に設置された窒素ガス用制御弁11aが自動的に開弁し、該運転停止ボイラ5a内に、窒素ガス用レシーバタンク3に貯蔵されている窒素ガスの一部が、分岐している窒素ガス用配管6dを通って封入され、前記所定の圧力値以上の圧力で保持される。
上記のように各ボイラ5a,5b,5cを運転している状態において、ボイラ5aの運転を停止する場合、ボイラ5aの燃焼を停止し、給水用制御弁10aを閉弁する。
するとボイラ5aの缶内の温度及び圧力が低下し、ボイラ5aの缶内圧力が前記所定の圧力値以下になると、ボイラ5aに接続する窒素ガス用配管に設置された窒素ガス用制御弁11aが自動的に開弁し、該運転停止ボイラ5a内に、窒素ガス用レシーバタンク3に貯蔵されている窒素ガスの一部が、分岐している窒素ガス用配管6dを通って封入され、前記所定の圧力値以上の圧力で保持される。
上記動作により、運転が停止したボイラ5aは、窒素ガスが封入され、前記所定の圧力値以上の圧力で保持されるために、防食効果を発揮する。
なお、ボイラ5aの運転停止に伴い、窒素式脱酸素装置3からの脱酸素水の供給量は、供給すべきボイラの数が3基から2基に減少する。従って、窒素ガス用レシーバタンク2に貯蔵されている窒素ガスの一部が、分岐している窒素ガス用配管6dを通ってボイラ5aに封入されたとしも、窒素式脱酸素装置3の運転に必要な窒素ガス供給に支障が発生することはない。
これらのことは、ボイラ5aが当初から運転していない場合(間引き運転の場合)も同様であり、有効に防食効果が発揮される。
なお、ボイラ5aの運転停止に伴い、窒素式脱酸素装置3からの脱酸素水の供給量は、供給すべきボイラの数が3基から2基に減少する。従って、窒素ガス用レシーバタンク2に貯蔵されている窒素ガスの一部が、分岐している窒素ガス用配管6dを通ってボイラ5aに封入されたとしも、窒素式脱酸素装置3の運転に必要な窒素ガス供給に支障が発生することはない。
これらのことは、ボイラ5aが当初から運転していない場合(間引き運転の場合)も同様であり、有効に防食効果が発揮される。
本発明によれば、負荷の状況に応じて必要な台数のボイラを運転させる多缶設置ボイラ装置に対し、運転停止中のボイラ装置の防食を簡便に、かつ、新たなコストをかけることなく実施することが可能となる。
1 窒素供給装置
2 窒素ガス用レシーバタンク
3 窒素式脱酸素装置
4 給水ポンプ
5a,5b,5c ボイラー
6a,6b,6c,6d 窒素ガス用配管
7a,7b,7c 給水用配管
8 排気配管
9 窒素ガス用制御弁
10a,10b,10c 給水用制御弁
11a,11b,11c 窒素ガス制御弁
2 窒素ガス用レシーバタンク
3 窒素式脱酸素装置
4 給水ポンプ
5a,5b,5c ボイラー
6a,6b,6c,6d 窒素ガス用配管
7a,7b,7c 給水用配管
8 排気配管
9 窒素ガス用制御弁
10a,10b,10c 給水用制御弁
11a,11b,11c 窒素ガス制御弁
Claims (2)
- ボイラ給水を窒素ガスと接触させて該ボイラ給水中の溶存酸素を除去する窒素式脱酸素装置を備えた多缶設置ボイラ装置の防食方法において、多缶設置されたボイラの中に缶内の圧力が所定値以下の運転停止ボイラがあるときに、該窒素式脱酸素装置に窒素ガスを供給する窒素ガス用レシーバタンクから該運転停止ボイラ缶内に窒素ガスを封入し、該運転停止ボイラ缶内を所定の圧力値以上の圧力に保つことを特徴とする多缶設置ボイラ装置の防食方法。
- ボイラ給水を窒素ガスと接触させて該ボイラ給水中の溶存酸素を除去する窒素式脱酸素装置を備えた多缶設置ボイラ装置であって、該窒素式脱酸素装置に窒素ガスを供給する窒素ガス用レシーバタンクを備え、多缶設置されたボイラの中に缶内の圧力が所定値以下の運転停止ボイラがあるときに、該窒素ガス用レシーバタンクから該運転停止ボイラ缶内に窒素ガスの一部を封入する機能を備え、該運転停止ボイラ缶内を所定の圧力値以上の圧力に保つようにした多缶設置ボイラ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007072107A JP2008232521A (ja) | 2007-03-20 | 2007-03-20 | 多缶設置ボイラ装置の防食方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007072107A JP2008232521A (ja) | 2007-03-20 | 2007-03-20 | 多缶設置ボイラ装置の防食方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114811564A (zh) * | 2022-03-11 | 2022-07-29 | 华电电力科学研究院有限公司 | 一种火电机组氮气智能停炉保护工艺 |
-
2007
- 2007-03-20 JP JP2007072107A patent/JP2008232521A/ja not_active Withdrawn
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