JP2008232008A - ノンスロットルエンジン及び膨張比可変機構付きエンジン並びにノンスロットルエンジン及び膨張比可変機構付きエンジンの二次酸素供給方法 - Google Patents

ノンスロットルエンジン及び膨張比可変機構付きエンジン並びにノンスロットルエンジン及び膨張比可変機構付きエンジンの二次酸素供給方法 Download PDF

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俊一 青山
Masayuki Tomita
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Abstract

【課題】排気の吸気通路への還流を行うノンスロットルエンジンにおいて過渡運転初期のトルク応答に応答遅れが生じないようにする。
【解決手段】所定の運転条件で排気の吸気通路への還流を行うノンスロットルエンジンにおいて、吸気ポートまたは燃焼室内に二次酸素を供給する二次酸素供給装置(81)と、前記排気の吸気通路への還流を行っている状態からの過渡運転の初期に二次酸素供給装置(81)を作動させて二次酸素の供給を行う二次酸素供給装置作動手段(39)とを設けた。
【選択図】図13

Description

本発明は往復動ピストンを有するノンスロットルエンジン(内燃機関)及び膨張比可変機構付きエンジン並びにノンスロットルエンジン及び膨張比可変機構付きエンジンの二次酸素供給方法、特に燃焼改良技術に関する。
吸気弁の開閉時期(主に吸気弁の閉時期)の制御によって、通常のスロットリングを行なわなくても、吸気弁の制御だけでシリンダ内に吸入する空気量を連続的に制御できる、いわゆるノンスロットルエンジンがある(特許文献1参照)。
特開2004−346825号公報
ところで、過渡条件においては残留ガス量が変動することにより、新気量が所望の量に一致しなくなって、期待通りのエンジン出力が得られなくなることがある。例えば、上記のノンスロットルエンジンに対して、排気の吸気通路への還流(内部還流や外部還流)が行われるときには、スロットルエンジン(吸気通路に設けた吸気絞り弁の制御によりシリンダ内に吸入する空気量を連続的に制御するエンジン)の場合に比べて次のようなデメリットがある。すなわち、排気の吸気通路への還流によって吸気通路に残留する既燃ガスの比率は、仮にスロットルエンジンの場合と同じであっても、コレクタ内の既燃ガス重量(絶対量)でみればスロットルエンジンの場合の何倍かになるので、排気の吸気通路への還流を行っている状態からの過渡運転時(加速時など)に排気の吸気通路への還流を即座に停止させても、コレクタ内に残留する既燃ガスが新気に入れ替わるまでの時間はその分長くなり、排気の吸気通路への還流を行っている状態からの過渡運転時のレスポンスがスロットルエンジンの場合より却って悪化することになるという問題がある。
そこで本発明は、過渡条件において残留ガス量が変動して新気量が所望の量に一致しなくなって、期待通りのエンジン出力が得られなくなるという課題を解決するものである。
本発明は、所定の運転条件で排気の吸気通路への還流を行うノンスロットルエンジンにおいて、吸気ポートにまたは燃焼室内に二次酸素を供給する二次酸素供給装置を有し、前記排気の吸気通路への還流を行っている状態からの過渡運転の初期に前記二次酸素供給装置を作動させて二次酸素の供給を行うように構成する。
また、本発明は、所定の運転条件で排気の吸気通路への還流を行うノンスロットルエンジンまたは排気の吸気通路への還流を行うスロットルエンジンにおいて、駆動量に応じてエンジンの膨張比を可変に制御し得る膨張比可変機構と、吸気ポートにまたは燃焼室内に二次酸素を供給する二次酸素供給装置とを有し、低負荷運転時には高負荷運転時より大きな値の膨張比制御目標値が得られるように前記膨張比可変機構に与える駆動量をエンジンの運転条件に応じて制御し、前記排気の吸気通路への還流を行っている状態からの加速運転の初期であって前記膨張比制御目標値が低下する加速運転の初期に前記二次酸素供給装置を作動させて二次酸素の供給を行うように構成する。
ノンスロットルエンジンで排気の吸気通路への還流が行われると、排気(既燃ガス)が吸気通路へと逆流して吸入行程が過ぎた後も残留し、その後に吸気弁が開いたときにこの吸気通路に残留する既燃ガスが燃焼室へと流入するが、こうした排気の吸気通路への還流を行っている状態から、排気の吸気通路への還流を行わない状態への加速運転時(過渡運転時)にはこの吸気通路に残留する既燃ガスが新気と入れ替わるまでの間、酸素が不足してトルク応答に応答遅れが生じる。また、排気の吸気通路への還流を内部還流で行っている状態からの減速運転時(過渡運転時)にも減速運転初期に燃焼室内に酸素が(吸気弁の直上流で滞留していた排気の影響により)不足してトルク応答に応答遅れが生じる。これに対して、排気の吸気通路への還流を内部還流で行っている状態からの過渡運転の初期に、本発明によれば、吸気ポートにまたは燃焼室内に二次酸素の供給を行うので、過渡運転の初期に燃焼室に流入する既燃ガス中に二次酸素が拡散し、これによって過渡運転初期における燃焼室流入吸気中の酸素濃度を速やかに回復させることが可能となり、排気の吸気通路への還流を行っている状態からの過渡運転初期のトルク応答に応答遅れが生じないようにすることができる。
排気の吸気通路への還流を行っている状態かつ高膨張比の運転条件のときと、排気の吸気通路への還流を行っている状態かつ低膨張比の運転条件のときとを比べると、排気の吸気通路への還流を行っている状態かつ高膨張比の運転条件のときのほうが、排気の吸気通路への還流を行っている状態かつ低膨張比の運転条件のときより排気温度が低い分だけ排気の密度が高く、その分だけ吸気通路に残留する既燃ガス量が増える。言い替えると、排気の吸気通路への還流を行っている状態かつ高膨張比の運転条件のときのほうが、排気の吸気通路への還流を行っている状態かつ低膨張比の運転条件のときより吸気通路に残留する既燃ガス量が多くなる。従って、排気の吸気通路への還流を行っている状態かつ高膨張比側の状態(中負荷運転状態)から排気の吸気通路への還流を行わない低膨張比の状態(高負荷運転状態)への加速運転時には、多くなっている吸気通路に残留する既燃ガスが新気と置き換わるまでの間、燃焼室内の酸素が不足してトルクが応答よく発生せずトルク不足を生じるのであるが、本発明によれば、所定の運転条件で排気の吸気通路への還流を行うノンスロットルエンジンまたはスロットルエンジンにおいて、駆動量に応じてエンジンの膨張比を可変に制御し得る膨張比可変機構と、吸気ポートにまたは燃焼室内に二次酸素を供給する二次酸素供給装置とを有し、低負荷運転時には高負荷運転時より大きな値の膨張比制御目標値が得られるように前記膨張比可変機構に与える駆動量をエンジンの運転条件に応じて制御し、前記排気の吸気通路への還流を行っている状態からの加速運転の初期であって前記膨張比制御目標値が低下する加速運転の初期に前記二次酸素供給装置を作動させて二次酸素の供給を行うので、加速運転時判定タイミング直後の最初の吸入行程で燃焼室に流入する既燃ガス中に二次酸素が拡散し、これによって加速運転初期における燃焼室流入吸気中の酸素濃度を速やかに回復させることが可能となり、排気の吸気通路への還流を行っている状態からの加速運転の初期であって膨張比制御目標値が低下する加速運転の初期でのトルク応答に応答遅れが生じないようにすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1はリフト可変機構21及び位相可変機構41の概略斜視図である。図2はリフト可変機構21の概略断面図である。ここで、図2上段は吸気弁のゼロリフト時に、後述する揺動カム29が最小揺動時と最大揺動時とでどのような位置にあるのか、また図2下段は吸気弁のフルリフト時に、後述する揺動カム29が最小揺動時と最大揺動時とでどのような位置にあるのかをそれぞれ示している。ここで、吸気弁のゼロリフトとは、吸気弁31がリフトしない(つまり吸気弁のリフトはゼロ)ことを、また吸気弁のフルリフトとは、吸気弁31が最大のリフトとなることをいう。
なお、この可変動弁機構は、本出願人が先に提案したものであるが、例えば特開2002−256905号、特開平11−107725号公報等によって公知となっているので、その概要のみを説明する。
まず、リフト可変機構21を説明する。リフト可変機構21は、シリンダヘッド(図示しない)に摺動自在に設けられる吸気弁31と、シリンダヘッド上部のカムブラケット(図示しない)に回転自在に支持される駆動軸22と、この駆動軸22に、圧入等により固定される偏心カム23と、上記駆動軸22の上方位置に同じカムブラケットによって回転自在に支持されると共に駆動軸22と平行に配置される制御軸32と、この制御軸32の偏心カム部38に揺動自在に支持されるロッカアーム26と、吸気弁31の上端部に配置されているバルブリフタ30に当接する揺動カム29とを備えている。上記偏心カム23とロッカアーム26とはリンクアーム24によって、またロッカアーム26と揺動カム29とはリンク部材28よってそれぞれ連係されている。
なお、図1には1気筒当たり2つの吸気弁を備える多気筒内燃機関のうち一気筒分で代表させて示している。従って、吸気弁31とバルブリフタ30と揺動カム29とが2つずつ描かれている。
上記の駆動軸22は、後述するように、タイミングチェーンないしはタイミングベルトを介してエンジンのクランクシャフトによって駆動されるものである。
円形外周面を有する上記偏心カム23はその外周面の中心が駆動軸22の軸心から所定量だけオフセットされ、偏心カム23の外周面にリンクアーム24の環状部が回転可能に嵌合している。
上記のロッカアーム26は、略中央部が上記偏心カム部38によって揺動可能に支持され、その一端部(図2上段左側の図において右端部)に連結ピン25を介して上記リンクアーム24のアーム部が連係し、他端部(図2上段左側の図において左端部)に連結ピン27を介して上記リンク部材28の上端部がそれぞれ連係している。上記偏心カム部38は、制御軸32の軸心から偏心し、従って制御軸32の回転角度位置に応じてロッカアーム26の揺動中心が変化することとなる。
上記の揺動カム29は、駆動軸22の外周に嵌合して回転自在に支持され、側方へ延びた端部に連結ピン37を介して上記リンク部材28の下端部が連係している。この揺動カム29の下面には、駆動軸22と同心状の円弧をなす基円面と、その基円面から所定の曲線を描いて延びるカム面とが連続して形成され、これらの基円面ならびにカム面が、揺動カム29の揺動位置に応じてバルブリフタ30の上面に当接している。すなわち、上記基円面はベースサークル区間として、吸気弁31のリフト量(及び吸気弁の作動角)がゼロとなる区間であり、揺動カム29が揺動してカム面がバルブリフタ30に接触すると、徐々に吸気弁31が下方にリフトしていくことになる。なお、ベースサークル区間とリフト区間との間には若干のランプ区間が設けられている。
上記の制御軸32は、図1に示すように、一端部に設けられたリフト制御用アクチュエータ33によって所定角度範囲内で回転するように構成されている。このリフト制御用アクチュエータ33は、例えば制御軸32の後端部に設けられている部材34の一部であって制御軸32の軸心から所定量オフセットされた位置より突出するピン34aと、プランジャ35bの先端に設けられたくちばし状の爪35aとの係合を介して、制御軸32を回転させる油圧アクチュエータ35と、この油圧アクチュエータ35への供給油圧を制御する第1油圧装置(例えば油圧制御弁)36とからなり、第1油圧装置36は、エンジンコントロールユニット39からの制御信号によって制御される。なお、制御軸32の回転角度は、図示しない制御軸センサによって検出される。
このリフト可変機構21の作用は次のようなものである。
駆動軸22がクランクシャフト2により回転すると、偏心カム23のカム作用によってリンクアーム24が上下動し、これに伴ってロッカアーム26が揺動する。このロッカアーム26の揺動は、リンク部材28を介して揺動カム29へ伝達され、この揺動カム29が揺動する。この揺動カム29のカム作用によって、バルブリフタ30が押圧され、吸気弁31が下方にリフトする。
ここで、リフト制御用アクチュエータ33を介して制御軸32の回転角度が変化すると、ロッカアーム26の初期位置が変化し、ひいては揺動カム29の初期揺動位置が変化する。
例えば、図2上段にも示したように、偏心カム部38が図の上方へ位置している場合には、ロッカアーム26は全体として上方へ位置し、揺動カム29の連結ピン37側の端部が相対的に上方へ引き上げられた状態となる。つまり、揺動カム29の初期位置は、そのカム面がバルブリフタ30から離れる方向に傾く(図2上段の左側参照)。従って、駆動軸22の回転に伴って揺動カム29が揺動した際に、基円面が長くバルブリフタ30に接触し続け、カム面がバルブリフタ30に接触する期間は短い。従って、吸気弁31のリフト量が全体として小さくなり(図2上段の右側参照)、かつ吸気弁31の開時期から閉時期までのクランク角度区間(つまり吸気弁の作動角)も縮小する。
この逆に、図2下段にも示したように、偏心カム部38が図の下方へ位置している場合には、ロッカアーム26は全体として下方へ位置し、揺動カム29の連結ピン37側の端部が相対的に下方へ押し下げられた状態となる。つまり、揺動カム29の初期位置は、そのカム面がバルブリフタ30に近付く方向に傾く(図2下段の左側参照)。従って、駆動軸22の回転に伴って揺動カム29が揺動した際に、バルブリフタ30と接触する部位が基円面からカム面へと直ちに移行する。従って、吸気弁31のリフト量が全体として大きくなり(図2下段の右側参照)、かつ吸気弁の作動角も拡大する。
上記の偏心カム部38の初期位置は連続的に変化させ得るので、これに伴って、吸気弁31のバルブリフト特性は連続的に変化する。つまり、図3に示したように吸気弁31のリフト(吸気弁31のリフト量及び吸気弁31の作動角)を、両者同時に連続的に拡大、縮小させることができる。各部のレイアウトによるが、例えば、吸気弁31のリフト量及び吸気弁31の作動角の大小変化に伴い、吸気弁31の開時期と閉時期とがほぼ対称に変化する。
次に、位相可変機構41は、図1に示すように、上記の駆動軸22の前端部に設けられるスプロケット42と、このスプロケット42と上記駆動軸22とを、所定の角度範囲内において相対的に回転させる位相制御用アクチュエータ43とから構成されている。上記スプロケット42は、図示しないタイミングチェーンもしくはタイミングベルトを介して、クランクシャフトに連動している。
上記位相制御用アクチュエータ43は、例えば油圧式の回転型アクチュエータ44と、この油圧アクチュエータ44への供給油圧を制御する第2油圧装置(例えば油圧制御弁)45とからなり、第2油圧装置45は、エンジンコントロールユニット39からの制御信号によって制御される。この位相制御用アクチュエータ43の作用によって、スプロケット42と駆動軸22とが相対的に回転し、吸気弁31のリフト中心角がクランク角に対して遅れたり進んだりする。つまり、吸気弁31のリフト特性の曲線自体は変わらずに、全体が進角もしくは遅角する。また、このときの進角側や遅角側への各変化も、連続的に得ることができる。この位相可変機構41の制御状態は、駆動軸22の回転位置に応答する図示しない駆動軸センサによって検出される。
なお、リフト可変機構21ならびに位相可変機構41の制御としては、制御軸センサ、駆動軸センサの各センサの検出値に基づくクローズドループ制御に限らず、運転条件に応じて単にオープンループ制御するだけでもかまわない。
上記のバルブリフタ30は、公知の油圧式バルブクリアランス調整機構を内蔵しており、実質的にバルブクリアランスが常にゼロに維持される。
このようなリフト可変機構21と位相可変機構41とからなる可変動弁機構を備えた本発明のエンジンは、スロットル弁に依存せず、吸気弁31の開閉を制御することによって吸入空気量が制御される。なお、実用エンジンでは、ブローバイガスの還流等のために吸気系に若干の負圧(大気圧より低い圧力のこと)が存在していることが好ましいので、図示していないが、吸気通路の上流側に、スロットル弁に代えて、負圧生成用の適宜な絞り機構を設けることが望ましい。
上記のリフト可変機構21によれば、原理的に図3に示すように吸気弁31の閉時期の変化に伴い、吸気弁31の開時期も変化する(吸気弁31の閉時期を早めると、吸気弁31の開時期が遅れる)特性となるため、位相可変機構41と組み合わせて用いることにより、任意のクランク角度位置における吸気弁31の開閉制御が可能となっている。このようにして、「通常のスロットリング」の代わりに、吸気弁31の開閉時期(主に吸気弁31の閉時期)の制御によって、「通常のスロットリング」を行なわなくても、吸気弁31の制御だけでシリンダ内に吸入する空気量を連続的に制御できる。以下、吸気弁31上流の吸気通路に吸気絞り弁が設けられておらず、吸気弁31の閉時期IVCの制御によってシリンダ内への吸入空気量を制御するエンジンを「ノンスロットルエンジン」という。ただし、吸気弁の閉時期の制御によってシリンダ内への吸入空気量を制御するエンジンだけが「ノンスロットルエンジン」ではなく、吸気弁31の閉時期、開弁期間、弁リフトのいずれかまたはそれらの組合せによる制御によってシリンダ内への吸入空気量を制御するエンジンも「ノンスロットルエンジン」である。また、上記の「通常のスロットリング」とは、吸気弁上流の吸気通路に設けた吸気絞り弁によってシリンダ内への吸入空気量を制御することをいうものとし、この「通常のスロットリング」を行うエンジンを「スロットルエンジン」という。
図4はノンスロットルエンジンにおける吸気弁閉時期の運転条件に応じた制御方法を示している。ここでは、低負荷運転時、中負荷運転時、高負荷運転時と負荷を大きく3つに分け、各負荷域での吸気弁リフトの相違を示している。まず、吸気弁31のリフトについて述べると、低負荷運転時に吸気弁リフトを小さく、エンジンの中負荷運転時になると吸気弁リフトを低負荷運転時より大きくし、高負荷運転時には吸気弁リフトを中負荷運転時より大きくしている。
一方、吸排気弁の開期間のオーバーラップ(以下「バルブオーバーラップ」という。)については、低負荷運転時にバルブオーバーラップを小さくするかまたはバルブオーバーラップなしとし、中負荷運転時になるとバルブオーバーラップを大きくし、高負荷運転時には再びバルブオーバーラップをなくしている。
低負荷運転時にバルブオーバーラップを小さくするかまたはなしとする理由は、バルブオーバーラップにより排気ポートの排気が吸気ポートに逆流して燃焼室内の残留ガス割合が多くなると、燃焼が不安定となるためである。一方、体積効率(充填効率)を向上させる方法に吸気脈動効果があり、この吸気脈動効果はバルブオーバーラップが大きい方が出ることが知られている。従って、中負荷運転時にバルブオーバーラップを大きくする理由は、バルブオーバーラップを大きくして吸気脈動効果を高め、体積効率(充填効率)を向上させるためである。一方、バルブオーバーラップにより排気ポートの排気が吸気ポートに逆流して燃焼室内の残留ガス割合が多くなる、ということはその残留ガスが邪魔をして新気の導入を妨げることになる。そこで、高負荷運転時には最大の吸入空気量が流れ込むようにするためバルブオーバーラップをなくしている。
さて、ノンスロットルエンジンにおいては、燃焼室内への吸入空気量の少ない低負荷運転時に、下死点より早く吸気弁31の閉時期を設定することになり(図4最上段参照)、吸気弁31の上流には大気圧に近い新気が吸入を待っている状況になる。この結果、ノンスロットルエンジンではコレクタ容積の影響を受けにくくなるため、図5に示すように加速運転時のトルクレスポンスは、スロットルエンジンの場合に比べ、大幅に向上することが確認されている。図5左側にはノンスロットルエンジンの場合(図では「VEL」で略記)と、スロットルエンジンの場合(図では「Throttle」で略記)とで加速運転時に体積効率(Volumetric Efficiency)がどのように変化するのかを重ねて示しており、ノンスロットルエンジンの場合の方が体積効率(つまりトルク)の立ち上がりが早くなっている、つまり、ノンスロットルエンジンの場合の方がレスポンスがよくなっている。ノンスロットルエンジンでこのように加速運転時に良好なレスポンスが得られるのは、上記のように吸気弁31の上流が大気圧に近い状況にあることに加え、図5右側に示したように、前述したリフト可変機構21のレスポンスがよいためである。図5右側にはタイムスケールで0.1秒もあれば吸気弁31の実際の作動角がクランク角で100°の状態から200°近くにまで達する応答を示しており、従って、タイムスケールで0.1秒もあれば図5左側に示したように体積効率が0.9(トルクでいうと90%のトルク)に到達する。このように、レスポンスの良いリフト可変機構21を用いることで体積効率の立ち上がりはさらに向上する。以上記載してきたように、ノンスロットルエンジンの場合、低負荷運転状態よりコレクタには大気圧に近い気体が常に満たされることになるので、その気体が全て新気であればスロットルエンジンの場合よりも素早いレスポンスが得られることが大きなメリットとなっている。
しかしながら、ノンスロットルエンジンに対して、バルブオーバーラップにより排気の内部還流が行われるときにはスロットルエンジンの場合に比べて次のようなデメリットがある。すなわち、内部還流によって吸気ポートに残留する既燃ガスの比率は、仮にスロットルエンジンの場合と同じであっても、コレクタ内の既燃ガス重量(絶対量)でみればスロットルエンジンの場合の何倍かになり、過渡運転時(加速運転時など)にバルブオーバーラップなしの状態に切換え内部還流を即座に停止させても、コレクタから吸気ポートにかけて残留する既燃ガスが新気に入れ替わるまでの時間がその分長くなるため、過渡運転時のレスポンスはスロットルエンジンの場合より却って悪化することになる。ここで、排気の「内部還流」とは、バルブオーバーラップにより排気(既燃ガス)が吸気ポートまで吹き抜けることによって既燃ガスが吸気通路に還流されることをいう。また、「新気」とはエアクリーナを介して吸入される空気(大気)のことをいう。新気には既燃ガスは混じっていない。
上記の内部還流についてさらに説明すると、図6はバルブオーバーラップを行ったときの排気(既燃ガス)の流れを示している。図6において51はノンスロットルエンジン、52はピストン、53は燃焼室、54は吸気ポート、31は吸気弁、55は排気ポート、56は排気弁、57は点火プラグである。ノンスロットルエンジン51においても、排気行程の末期に吸気弁31を早く開くことにより、排気(既燃ガス)の一部は図6(A)に示したように吸気ポート54側に逆流する。スロットルエンジンの場合には、低負荷で吸気ポート54の圧力が大気圧より低いため、既燃ガスは音速で吸気ポート54へと吹き返し、吸気ポート54へと吹き返したこの既燃ガスは膨張しながら、ある程度は新気とも混ざる。しかしながら、ノンスロットルエンジン51の場合、排気ポート55と吸気ポート54の圧力差が小さいため、吸気ポート54を通過して逆流するときの既燃ガスの流速が小さく、新気との混合はあまり促進されない。そのため、吸気弁31の直ぐ上流側には濃度の高い既燃ガスがたまっていることになる。このため、続く吸入行程の初期には図6(B)に示したように燃焼室53内に吸入されるのはほとんど既燃ガスだけということになる。バルブオーバーラップ量が大きく、コレクタまで既燃ガスが逆流している場合には、排気の外部還流と同様に吸気通路(吸気ポート54を含む)に残留する既燃ガスの割合が大きくなる(バルブオーバーラップ量が小さいときに比べてバルブオーバーラップ量が大きいときには吸気通路に残留する既燃ガスの割合が大きくなり、かつ吸気通路内に残留する既燃ガスの比率はスロットルエンジンの場合と同じでも、吸気通路内に残留する既燃ガスの絶対量が増えている)。
この場合に、内部還流が行われている定常運転状態から高負荷運転状態への急加速運転を行うと、バルブオーバーラップなしの状態へと切換えられ、最大の吸入空気量が流れ込むようにされる。しかしながら、内部還流ありの状態からの加速運転初期の中でも、加速運転最初期には吸気弁31の直ぐ上流部に残留する高濃度な既燃ガスの偏在の影響を受け、加速運転最初期以降の加速運転初期においては吸気通路内に残留する既燃ガスの絶対量増大の影響を受けることから、加速運転前の定常運転状態では最適なバルブオーバーラップであっても、急加速運転を行うことで新気をフルに吸入するためにバルブオーバーラップをなくし吸気弁閉時期が下死点にきても、新気割合が回復するには時間がかかってしまうのである。この結果、ストイキ運転を行うノンスロットルエンジン51において、内部還流ありの状態からの加速運転を行ったときの様子を示すと、図7のようになる。図7をみればわかるように、内部還流ありの状態で加速運転を行った場合にはシリンダ内の新気量の立ち上がりが、内部還流なしの状態で加速運転を行った場合より大きく遅れており、これに起因してトルクの立ち上がりも遅れている(破線参照)。なお、実線は内部還流なしの状態で加速運転を行った場合の特性である。ここで、上記の「ストイキ運転」とは、理論空燃比の混合気が得られるように燃料噴射弁からの燃料噴射量を設定している運転のことである。
本発明は、ノンスロットルエンジンであることを前提として、内部還流ありの状態からの加速運転時を対象とするのであるが、これに限定されるものでない。例えば、図13で後述するように、燃焼室53をバイパスして排気通路58と吸気通路59を連通する通路72と、この通路72を開閉する弁73とからなる装置71があり、この装置71では、開閉弁73を開くことによって排気の一部が吸気通路59に還流される。このような排気の還流方法を前述の内部還流と区別するため、排気の「外部還流」という。本発明はノンスロットルエンジン51において外部還流が行われている状態からの加速運転時をも対象としている。すなわち、外部還流ありの状態からの過渡運転時(加速運転時など)には、外部還流を即座に停止させても、コレクタから吸気ポートにかけて残留する既燃ガスが新気に入れ替わるまでの間、レスポンスが悪くなる。
また本発明は、ノンスロットルエンジン51において内部還流や外部還流が行われている状態からの減速運転時をも対象とする。例えば、バルブオーバーラップが大きな定常運転条件(中負荷運転時)から軽い減速運転(エンジン出力が全く不要というわけではないような状態)に入ったような場合には、減速運転前よりバルブオーバーラップ量が減少し吸気弁31を早く閉じ燃焼室内に吸入する新気量を減らすことになるため、過渡的には減速運転最初のサイクルで(減速運転初期に)燃焼室内の既燃ガスの割合が急増することになる(吸気弁31の直ぐ上流の吸気ポートの高濃度な既燃ガスの偏在の影響を受けるため)。このため、エンジン出力が少しは要る状況で、燃焼室内に吸入されるガスに含まれる既燃ガスの割合が高くなって、酸素不足が生じトルクが不足する。
さらに述べると、ノンスロットルエンジン51において内部還流ありの状態で特徴的なのは、次の2つの点である。
第1点:バルブオーバーラップにより吸気通路に逆流して残留する排気(既燃ガス)は 吸気弁の直ぐ上流部に高濃度に偏在する。
第2点:吸気通路内全体に渡ってもまんべんなく既燃ガスが存在し、このまんべんなく 存在する既燃ガスの絶対量はスロットルエンジンの場合より吸気管圧力が小さ い分だけ多い。
ここで、吸気通路(主に吸気弁直上流部)に存在する第1点の既燃ガスを第1内部還流分、吸気通路(主にコレクタ)に存在する第2点の既燃ガスを第2内部還流分として分けて考えてみると、これら2つの内部還流分は過渡運転時に図8、図9に示したように変化する。図8はノンスロットルエンジン51で内部還流ありの状態から加速運転を行った場合の、図9はノンスロットルエンジン51において内部還流ありの状態から軽い減速運転に入ったような場合の、吸気通路内の既燃ガスの割合とアクセル開度の各変化を示している。図8において、第1内部還流分は加速運転時にはその加速運転最初のサイクルで(加速運転初期に)即座に燃焼室53へと吸入される(図8上段の一点鎖線参照)。一方、第2内部還流分は加速運転になっても徐々にしか減少してゆかない(図8上段の二点鎖線参照)。図9に移ると、第1内部還流分は減速運転最初のサイクルで(減速運転初期に)一時的に大きくなった後に応答よく所定値へと減少し(図9上段の一点鎖線参照)、第2内部還流分は徐々にしか減少しない(図9上段の二点鎖線参照)。
このように、ノンスロットルエンジン51においては、内部還流や外部還流を行わない新気のみの場合には過渡運転初期のレスポンスがスロットルエンジンの場合より大幅に向上する反面、内部還流や外部還流によって吸気通路に既燃ガスが残留する場合には、その悪影響がスロットルエンジンの場合より何倍にもなり、吸気通路に既燃ガスが残留している状態からの過渡運転時の違和感はきわめて大きいのである。
本発明は、ノンスロットルエンジン51における、排気還流(内部還流や外部還流)による過渡運転最初のサイクルで(過渡運転初期)のレスポンス悪化に対する抜本的な解決を狙いとしている。具体的には本発明は、排気還流に伴う既燃ガスの吸気ポート54への逆流(吸入)が尾を引くような過渡運転最初のサイクルで(過渡運転初期に)、吸気弁31直近の吸気ポート54にまたは燃焼室53に臨んで設けたO2噴射弁から吸気弁31直近の吸気ポート54にまたは燃焼室53内に、吸気通路を介して導入される大気中のO2とは独立に、O2(酸素)を噴射(供給)し、過渡運転最初のサイクル(過渡運転初期)における燃焼室流入吸気中のO2濃度を速やかに回復させる手法を提案するものである。ここで、O2噴射弁から噴射するO2を、吸気通路を介して導入される大気中のO2と区別するため、以下「二次O2」(二次酸素)という。
図10、図11は、本発明の第1、第2の実施形態のノンスロットルエンジン51の概略縦断面図を示している。図6と同一部分には同一の番号を付している。第1、第2の実施形態のノンスロットルエンジン51は、図10、図11には記載していないが、上記図1に示した可変動弁機構(リフト可変機構21及び位相可変機構41からなる)を有し、上記図4に示したように負荷状態に応じて吸気弁リフトを制御し、所定の運転条件で内部還流を行うノンスロットルエンジンである。また、燃料噴射弁は吸気ポート54と燃焼室53のいずれに臨んで設けられていてもかまわない。この燃料噴射弁と点火プラグ57とを用いて第1、第2の実施形態のノンスロットルエンジンではストイキ運転を行う。
第1実施形態から説明すると、図10に示したように、吸気ポート54の下方より二次O2噴射弁81(二次酸素供給装置)を吸気ポート54に臨ませて設けている。二次O2噴射弁81はエンジンコントロールユニット(図示しない)により次のように制御される。すなわち、エンジンコントロールユニットでは、エンジンの運転条件に基づいて内部還流ありの状態からの加速運転時であるか否かをみて内部還流ありの状態からの加速運転時であることを判定したら、その判定タイミング直後に迎える最初の吸入行程(最初のサイクル)の初期に図10(B)に示したように二次O2噴射弁81を開いて所定量の二次O2を吸気弁31の直ぐ上流の吸気ポート54に噴射し、吸気ポート54から燃焼室53へと流れ込む既燃ガスとの混合を行わせる。ここで、バルブオーバーラップにより吸気ポート54へと逆流し吸気弁31が閉じたタイミングで吸気通路に残留する既燃ガスを、以下「吹き返し残留ガス」で定義する。多気筒エンジンの場合には、気筒毎にこの吹き返し残留ガスを考える。
次に、上記加速運転時の判定タイミング直後に迎える最初の吸入行程で吸気弁31が開いたときに吹き返し残留ガスの全てが燃焼室53に吸入されると仮定すると、二次O2噴射弁81からの二次O2噴射量をこの吹き返し残留ガス量に対し約1/5の濃度(割合)とすれば、吹き返し残留ガス中の平均のO2濃度が新気と同じO2濃度となり、吹き返し残留ガスの影響は解消されることとなる。新気の場合、O2以外はN2(窒素)であるが、N2の代わりに吹き返し残留ガス(成分はN2、CO2、水蒸気H2O等である)があるだけなので、二次O2噴射弁81からの二次O2の噴射によって吹き返し残留ガス中の二次O2濃度が新気中のO2濃度と同じになれば、新気と同じように燃焼に寄与することができる。
二次O2噴射弁81から二次O2を噴射するタイミングは上記加速運転時の判定タイミング直後に迎える最初の吸入行程の初期でなくても、上記加速運転時判定タイミング直後の最初の吸入行程が完了するまでに二次O2噴射弁81から二次O2が燃焼室53内に吸入されれば、後は噴射されたO2と吹き返し残留ガスとの混合をよくする手段があれば燃焼室53内での燃焼が成立する。上記加速運転時判定タイミング直後の最初の吸入行程初期には吹き返し残留ガスが吸気ポート54から燃焼室53へと流入してくるので、この吸入行程初期のタイミングが吸気ポート54から燃焼室53へと流入してくる吹き返し残留ガスとの混合面でもベストな二次O2の噴射タイミングではある。
第2実施形態は、図11に示したように吸気ポート54の燃焼室53への開口端の直ぐ近くで燃焼室53に臨ませて二次O2噴射弁82を設けたものである。第2実施形態では二次O2噴射弁82から二次O2を噴射するタイミングは、図11(A)に示したように上記加速運転時判定タイミング直後の最初の吸入行程でもよいし、図11(B)に示したように上記加速運転時判定タイミング直後の最初の吸入行程に続く圧縮行程に入ってからでも良い。いずれの場合でも、上記加速運転時判定タイミング直後の最初の吸入行程で燃焼室53に吸入される吹き返し残留ガスが新気(空気)だったと仮定した場合に、その新気に含まれることで吸入されたであろうO2(量)に見合う二次O2を二次O2噴射弁82から追加的に供給することとなる。なお、図11(A)と図11(B)とでは二次O2噴射タイミングにおけるピストン位置の相違に対応して噴霧角の異なる二次O2噴射弁82を示している。すなわち、図11(B)のほうがピストン位置が下にあり燃焼室53の空間が拡がっているので、この拡がった燃焼室53の空間に二次O2が行き渡るように噴霧角の大きなものを採用している。
図12は第1、第2の実施形態のノンスロットルエンジン51において内部還流ありの状態からの加速運転時の作用を示すタイミングチャートである。
ストイキ運転を行いつつ内部還流を行っている状態で、アクセルペダルが踏み増しされ、t1のタイミングで内部還流ありの状態からの加速運転時であると判定されると、第1実施形態では内部還流ありの状態からの加速運転時判定タイミング直後の最初の吸入行程の初期に二次O2噴射弁81が各気筒毎に開かれ、二次O2が吸気弁31の直ぐ上流の吸気ポート54に向けて噴射され、噴射された二次O2が、内部還流ありの状態からの加速判定タイミング直後に訪れる最初の吸入行程で吸気ポート54から燃焼室53へと流入する吹き返し残留ガスと混合される。また、第2実施形態では内部還流ありの状態からの加速運転時判定直後の最初の吸入行程や、その吸入行程に続く圧縮行程初期に二次O2噴射弁82が各気筒毎に開かれ、二次O2が燃焼室53内に直接噴射され、噴射された二次O2が、内部還流ありの状態からの加速判定直後に訪れる最初の吸入行程で流入した燃焼室53内の吹き返し残留ガスと混合される。
この場合に、二次O2噴射弁81、82からの二次O2噴射量を吹き返し残留ガス量に対し約1/5の濃度(割合)とすれば、吹き返し残留ガス中の平均の二次O2濃度が新気と同じO2濃度となる、つまり内部還流なしの状態からの加速運転時とほぼ同じになるため、前述の図7第3段目、最下段に実線で示したシリンダ内新気量、トルクの各特性と同様の特性が得られることとなる。
ただし、前述の図7第3段目及び最下段の各実線特性と、図12第3段目及び最下段の各実線特性とを比較すれば分かるように、両者は一致していない。すなわち、図7ではシリンダ内新気量及びトルクとも内部還流ありの状態からの加速運転時に応答よく立ち上がったあとにはオーバーシュートすることなく定常運転状態へと落ち着いているのに対して、図12ではシリンダ内新気量及びトルクとも内部還流ありの状態からの加速運転時に応答よく立ち上がったあとに少しオーバーシュートし、その後に定常運転状態へと落ち着いている。これは、図12では二次O2噴射弁81、82からの二次O2噴射量を吹き返し残留ガス量に対し1/5より少し大きな濃度(割合)に設定し、この二次O2噴射量の多めの設定に合わせて燃料噴射量についても図7での場合より少し多くしているためである。
第1、第2の実施形態では、吹き返し残留ガスにCO2(ガス)が含まれており、CO2は比熱が大きいので燃焼最高温度は新気を燃焼させる場合とほぼ同等に抑えられる。言い替えると、CO2の比熱が大きいから、最高燃焼温度がN2を含む新気を燃焼するより抑えられるので、燃焼最高温度は同じでありながら、新気を燃焼させる場合よりO2濃度と燃料とを増やすことができる。これは排気還流の効果でもある。二次O2を噴射するようにしたことによる二次O2供給の応答は速いので、新気のみの急加速と同等以上の効果が得られることがわかる。
このように、第1、第2の実施形態によれば、二次O2噴射弁81、82からの二次O2噴射量の設定とこれに合わせた燃料噴射量の増量補正とを最適にすることによって、内部還流ありの状態からの加速運転時に、内部還流なしの状態からの加速運転時と同じ加速応答性が得られるほか、さらにそれよりも加速性のよい応答性をも達成することができ、ノンスロットルエンジン51における内部還流状態からの加速応答性の改善に大きく貢献できるのである。
図13は、第3実施形態の全体システムの概略構成図を示している。また、図14は図13のうち吸気通路部分を拡大した概略構成図である。
二次O2噴射弁81から二次O2を噴射させるためには二次O2を生成しなければならない。この場合に、二次O2を蓄えるガスボンベをノンスロットルエンジン51に備えさせ、このガスボンベの二次O2を二次O2噴射弁81へと供給する方法が考えられる。しかしながら、この方法によればガスボンベに対する定期的な二次O2の補充が必要となる。そこで、第3実施形態は排気から回収した水を電気分解することによって二次O2を生成し、その生成した二次O2を二次O2タンクに貯蔵し、その二次O2タンクに貯蔵してある二次O2を二次O2噴射弁へと供給するものである。このため、第1実施形態のノンスロットルエンジン51を前提として、水回収装置130と、水回収装置130からの水を電気分解することによって二次O2を生成する電気分解装置151と、電気分解装置151で生成した二次O2を蓄える二次O2タンク152とを追加して設けている。第3実施形態では、第1実施形態のノンスロットルエンジンを前提とする場合で述べるが、第2実施形態のノンスロットルエンジンを前提としてもかまわない。
第3実施形態では、内部還流を行うだけでなく、さらに外部還流装置71によって外部還流をも行う構成を追加している。外部還流装置71は、燃焼室53をバイパスして排気通路58と吸気通路59のコレクタ60とを連通する通路72と、この通路72を開閉する弁73とからなり、エンジンコントロールユニット39からの制御信号を受けて開閉弁73が開かれると、排気通路58を流れる排気の一部が通路72を介して吸気通路59のコレクタ60へと還流される(外部還流が行われる)。
外部還流は、排気ポート55と吸気ポート54の圧力差が大きいほど容易に行われるのであるが、ノンスロットルエンジン51では同じ運転条件でスロットルエンジンの場合と比較したとき、排気ポート55と吸気ポート54の圧力差がスロットルエンジンの場合よりも小さいため、望みの外部還流率(外部還流量の新気量に対する割合)を実現できない事態が考え得る。そこで、図14に示したように、コレクタ60のすぐ上流に、エンジンコントロールユニット39からの制御信号を受けてモータ等により駆動される常開の吸気絞り弁74を設けておき、外部還流を行うときにはこの吸気絞り弁74を閉じて吸気通路59を絞り、これによって絞り弁74下流のコレクタ内に負圧(大気圧より低い圧力)が生じるようにし、排気ポート55と吸気ポート54の圧力差を吸気絞り弁74がもともとない状態より大きくし、望みの外部還流率が得られるようにする。
また、ブレーキペダル75に作用する踏力を倍力するため、図14に示したようにコレクタ60内の負圧を利用する真空圧倍力装置76が設けられることがある。この真空圧倍力装置76には負圧を蓄えておくための蓄圧シリンダを有しており、この蓄圧シリンダ内の負圧が既定値に満たないと、真空圧倍力装置76が作動し得ない。そこで、エンジンコントロールユニット39からの制御信号によって車両減速運転時に一時的に吸気絞り弁74を閉じてコレクタ60内に負圧を生成させ、その生成した負圧を蓄圧シリンダに導入するようにしている。
第3実施形態では、ノンスロットルエンジンとして、第1、第2の実施形態と異なり複リンク型レシプロ式エンジンを採用している。複リンク型レシプロ式エンジンは圧縮比可変機構(膨張比可変機構)、具体的にはピストン行程を変化させて圧縮比(膨張比)を変更する機構を備えている。圧縮比可変機構(膨張比可変機構)を備えるレシプロ式エンジンは、本出願人が先に提案したものであるが、例えば特開2001−227367号公報等によって公知となっているので、図15を参照してその概要のみを説明する。
図15において、クランクシャフト2には、エンジン本体の一部を構成するシリンダブロック1内の主軸受(図示しない)に回転可能に支持されるクランクジャーナル3が各気筒毎に設けられている。各クランクジャーナル3は、その軸心Oがクランクシャフト2の軸心(回転中心)と一致しており、クランクシャフト2の回転軸部を構成している。
また、クランクシャフト2は、軸心Oから偏心して各気筒毎に設けられたクランクピン4と、クランクピン4をクランクジャーナル3へ連結するクランクアーム4aと、軸心Oに対してクランクピン4と反対側に配置され、主としてピストン運動の回転1次振動成分を低減するカウンターウェイト4bとを有している。クランクアーム4aとカウンターウェイト4bとは、この実施形態では一体的に形成されている。
そして、各気筒毎に形成されたシリンダ10に摺動可能に嵌合するピストン52と、上記のクランクピン4とが、複数のリンク部材、すなわちアッパーリンク6(第1のリンク)とロアーリンク5(第2のリンク)とにより機械的に連携されている。アッパーリンク6の上端側は、ピストン9に固定的に設けられたピストンピン8(第1のピン)に、軸心Oc周りに相対回転可能に外嵌している。また、アッパーリンク6の下端側とロアーリンク5の、ほぼ二等分された一方の本体5aとは、両者を挿通する連結ピン7(第2のピン)によって、軸心Od周りに相対回転可能に連結されている。
ロアーリンク5は、クランクピン4を狭持するように、2つの本体5a、5bを取付けて構成されており、この狭持部分でクランクピン4と軸心Oe周りに相対回転可能に装着されている。ほぼ2等分された他方のロアーリンク本体5bと制御リンク11(第3のリンク)の上端側とは、両者を挿通する連結ピン12(第3のピン)によって軸心Of周りに相対回転可能に連結されている。
この制御リンク11の下端側は、シリンダブロック1に回動可能に支持される、偏心カム部14を有する制御軸13に、その軸心Ob(シリンダブロックに設けられた支点)周りに揺動可能に外嵌,支持されている。すなわち、制御軸13の外周には偏心カム部14が回転可能に設けられており、偏心カム部14の軸心Oaは、制御軸13の軸心Obに対して所定量偏心している。この偏心カム部14は、ウォームギア15を介して圧縮比(膨張比)制御アクチュエータ16によって、機関の運転状態に応じて回動制御されるとともに、任意の回動位置で保持されるようになっている。
このような構成により、クランクシャフト2の回転に伴って、クランクピン4,ロアーリンク5,アッパーリンク6及びピストンピン8を介してピストン52がシリンダ10内を昇降するとともに、ロアーリンク5に連結する制御リンク11が、下端側の揺動軸心Obを支点として揺動する。
また、上記の圧縮比(膨張比)制御アクチュエータ16により偏心カム部14を回動制御することにより、制御リンク11の揺動軸心となる制御軸13の軸心Obが偏心カム部14の軸心Oa周りに回転し、つまり制御リンク11の揺動中心位置Obが機関本体(及びクランクシャフト回転中心O)に対して移動する。これにより、ピストン52の行程が変化して、エンジンの各気筒の圧縮比(膨張比)が可変制御される。参考として、図16に、ピストン上死点位置における3つのリンク6、5、11の姿勢を模式的に示すと、図16左側は高圧縮比(高膨張比)位置での、図16右側は低圧縮比(低膨張比)位置での各リンク姿勢である。
この圧縮比可変機構(膨張比可変機構)の最大の特長は制御軸13の角位置制御により、ピストン52の上死点位置(燃焼室容積)を変えられる点に有り、いわゆる圧縮比可変機構(膨張比可変機構)としての機能を発揮する。また、図17に示すように、ピストンストローク特性が単振動に近づけられるため、バランサシャフトが不要(4気筒)となるような振動低減効果があるが、一方で従来のピストンストローク特性に比べると、上死点付近のピストン速度が遅くなるような設定が可能となる。従来はピストンの上死点滞在時間が下死点に比べ約半分だったが、単振動化により下死点と同等の滞在時間に延長できる効果が得られる。
これで、圧縮比可変機構(膨張比可変機構)を備えるレシプロ式エンジンの概要説明を終了する。
図13に戻り、エンジンの負荷と回転速度の信号が入力されるエンジンコントロールユニット39では、その入力されるエンジンの負荷と回転速度から目標圧縮比(ピストン上死点位置に関連付けられた機構上の圧縮比でもある。あるいは、排気損失低減と出力確保を目的として変更される膨張比と言い替えることもできる。以下同様。)のマップを参照することにより、そのときの負荷と回転速度に応じた目標圧縮比を算出し、その算出した目標圧縮比が得られるように、圧縮比アクチュエータ16に与える制御量(圧縮比可変機構への駆動量)を制御する。なお、エンジンはガソリンエンジンであるため、エンジンコントロールユニット39では、点火プラグ57(図10参照)を介して所定のタイミングで燃焼室内の混合気に対して火花点火を実行する。
図18は目標圧縮比のマップ内容を示すものである。図18に示したように、低負荷運転になるほど燃費の向上を狙い目標圧縮比として最大で22を設定している。ノックの発生しやすい全負荷運転領域になると、目標圧縮比として最低の10を設定する。
このように、第3実施形態では、圧縮比可変機構(膨張比可変機構)を備え、低負荷運転時には高負荷運転時より大きな値の目標圧縮比(膨張比制御目標値)が得られるように圧縮比可変機構(膨張比可変機構)に与える駆動量をエンジンの運転条件に応じて制御するのであるが、それ以外の制御に関しては第1、第2の実施形態のノンスロットルエンジン51と変わりない。すなわち、第3実施形態のノンスロットルエンジン51も、上記図1に示した可変動弁機構(リフト可変機構21及び位相可変機構41からなる)を有し、上記図4に示したように負荷状態に応じて吸気弁リフトを制御し、所定の運転条件で内部還流を行うノンスロットルエンジンである。燃料噴射弁は吸気ポート54と燃焼室53のいずれに臨んで設けられていてもかまわない。この燃料噴射弁と点火プラグ57とを用いて第3実施形態のノンスロットルエンジン51でもストイキ運転を行う。
この場合に、第3実施形態でも、内部還流が行われている定常運転状態から高負荷運転状態への急加速運転を行うと、バルブオーバーラップなしの状態へと切換えられ、最大の吸入空気量が流れ込むようにされる。しかしながら、内部還流ありの状態からの加速運転初期の中でも、加速運転最初期には吸気弁31の直ぐ上流部に残留する高濃度な既燃ガスの偏在の影響を受け、加速運転最初期以降の加速運転初期においては吸気通路内に残留する既燃ガスの絶対量増大の影響を受けることから、加速運転前の定常運転状態では最適なバルブオーバーラップであっても、急加速運転を行うことで新気をフルに吸入するためにバルブオーバーラップをなくし吸気弁閉時期が下死点にきても、新気割合が回復するには時間がかかってしまうことは、第1、第2の実施形態と同じである。
ただし、第3実施形態では、内部還流が行われている定常運転状態(中負荷運転時)から高負荷運転状態への急加速運転を行うとき、同時に圧縮比(膨張比)が加速運転後の圧縮比(膨張比)へと低下する点が第1、第2の実施形態と異なっている。ここで、圧縮比と膨張比は関連しており、圧縮比が低下すると膨張比も低下し、圧縮比が高くなると膨張比も高くなる。この膨張比の違いが残留ガス(および吹き返し残留ガス)に与える影響を次に検討する。内部還流を積極的には行っていない圧縮比可変機構(膨張比可変機構)付きエンジンにおいて、高膨張比の運転条件のときと、低膨張比の運転条件のときとを比べると、高膨張比の運転条件のときのほうが、低膨張比の運転条件のときより排気温度が低い分だけ排気の密度が高く、その密度差の分だけ実質の残留ガス量が増える。つまり、加速の開始等によって、圧縮比(膨張比)が低下する過渡条件の初期は、前回サイクルの温度が低い残留ガスが次回サイクルで存在することになるため、密度の違いにより定常時の同じ圧縮比(膨張比)の下での残留ガス量よりも相対的に多い残留ガス量が存在することになる。さらに圧縮比可変機構(膨張比可変機構)付きエンジンにおいて内部還流を行っている場合に、同じ内部還流を行っている状態では高膨張比の運転条件のときのほうが低膨張比の運転条件のときより実質の吹き返し残留ガス量が増える。いま、第1、第2の実施形態のノンスロットルエンジンの圧縮比が例えば10であるとすると、第3実施形態では図18に示したように低負荷側の定常運転状態では、これより大きな圧縮比(12〜22)で運転されるのであるから、結論として、内部還流を行っている状態かつ高膨張比の状態(低負荷運転状態)では、吹き返し残留ガス量は第1、第2の実施形態の場合よりも実質的に多くなっている。
従って、内部還流を積極的に行っていないが吸気通路に残留ガスが存在する状態かつ高膨張比の状態から低膨張比の状態(高負荷運転状態)への加速運転時には多くなっている実質の残留ガスが新気と置き換わるまでの間、O2が不足してトルクが応答よく発生せずトルク不足を生じる。また、内部還流を行っている状態かつ高膨張比側の状態(中負荷運転状態)からバルブオーバーラップをなくす低膨張比の状態(高負荷運転状態)への加速運転時には、多くなっている実質の吹き返し残留ガスが新気と置き換わるまでの間、O2が不足してトルクが応答よく発生せずトルク不足を生じる。
そこで第3実施形態では、内部還流を行っている状態からの加速運転の初期であって目標圧縮比が低下する加速運転の初期に(具体的には加速運転時判定タイミング直後の最初の吸入行程初期に)二次O2噴射弁81を作動させて吸気ポート54への二次O2の噴射を行う。すると、第3実施形態でも加速運転時判定タイミング直後の最初の吸入行程で燃焼室53に流入する吹き返し残留ガス中に二次O2が拡散し、これによって加速運転直後の最初のサイクル(加速運転初期)における燃焼室流入吸気中のO2濃度を速やかに回復させることが可能となり、内部還流を行っている状態からの加速運転の初期であって目標圧縮比が低下する加速運転時における加速運転の初期でのトルク応答に応答遅れが生じないようにすることができる。なお、内部還流を行っていなくても、燃焼室上流の吸気ポート(吸気通路)に残留ガスが存在することがあるので、燃焼室上流の吸気ポート(吸気通路)に残留ガスが存在するのであれば、内部還流を積極的に行っていない圧縮比可変機構(膨張比可変機構)付きエンジンに対しても本発明の適用がある。
さて、水は砂漠地域は別として基本的にどこにでも存在し、安価で入手できるので、給水した水を溜めておく水タンクを搭載することが可能であるものの、燃料タンクとは別に水タンクを搭載するのではスペース上の制約が大きい。一方、本制御に使用される水の量は過渡時の初期にのみ消費されるので、少量で足りる。そこで第3実施形態では、図13に示したように、触媒101下流の排気の一部を水回収装置130に「回流」させ、凝縮によって必要な水を回収する。ここで、「回流」という言葉は「排気還流」と区別するために用いている。
水回収装置130を具体的に図19を参照して説明する。図19は、水回収装置130に対してさらにエンジンの冷却水との熱交換制御を加え、排気の冷却熱を冷却水に与える(つまり排気熱の冷却水への回収を可能とする)ものである。
先ず水回収装置130について説明すると、これは水冷式の熱交換器132、空冷凝縮装置133(凝縮器)、フィルタ136、水貯蔵タンク137、ポンプ138からなっている。排気通路に設けられる触媒101を出たとき300℃程度になっている排気の一部を、触媒101下流から分岐する通路131を介して水冷熱交換器132に導く。この水冷熱交換器132により100℃近くまで低下させた排気をさらに空冷凝縮装置133に導いて40℃〜25℃程度にまで低下させ排気中の水分を凝縮させる。水分が取り去られて低温となった排気は通路134を介して大気に放出する。空冷凝縮装置133で凝縮した水はフィルタ136で不純物を除去し、不純物を取り去った後の凝縮水を水貯蔵タンク137に蓄える。タンク137に蓄えた水は、ポンプ138により後述する電気分解装置151(図13参照)に供給する。
上記の水冷熱交換器132にはエンジンの冷却水を導く。すなわち、エンジンの冷却装置140は、シリンダ10と燃焼室53とを取り囲むウォータジャケット141、冷却水をウォータジャケット141内に圧送循環させるウォータポンプ142、ウォータジャケット141で温度上昇した冷却水の熱を外気に伝えて冷却するラジエータ143、ラジエータ143の通風を助けるファン144、始動直後に冷却水を速やかに適正温度に保つためのサーモスタット(図示しない)などから構成されるが、ここでは、ウォータポンプ142からウォータジャケット141に向かう通路146より分岐して水冷熱交換器132に向かわせた後にウォータポンプ142の出口に合流するバイパス路147が設けられ、ウォータポンプ142出口への合流部にエンジンコントロールユニット39(図13参照)からの信号により制御される冷却水制御弁148を備えている。
エンジンコントロールユニット39では、エンジンの冷機時に全停止、つまり冷却水がウォータジャケット141、水冷熱交換器132のいずれにも流れることがないようにウォータポンプ142の作動を停止する。エンジンの暖機完了後になると、ウォータポンプ142を作動させ冷却水を循環させる。この場合に、水回収装置130を働かせる必要がないときには冷却水のラジエータ143への循環のみが行われるように、冷却水制御弁148によりバイパス通路147を遮断する。このときの冷却装置の働きは従来エンジンの冷却装置と同じである。これに対して、水回収装置130を働かせるときには水冷熱交換器132への冷却水の一部循環が行なわれるように冷却水制御弁148によりバイパス通路147を開く。これにより、排気熱の冷却水への回収が可能となるので、厳冬時のヒーター熱源の不足等に対応することができる。
分岐通路131の上流側には排気制御弁139を備える。この排気制御弁139は水回収装置130への排気回流量(水回収装置130に導く排気量)をエンジンコントロールユニット39からの信号を受けて可変に調整するものである。
図13に戻り、エンジンコントロールユニット39では、この排気制御弁139を流れる排気量、つまり水回収装置130への排気回流量を目標圧縮比に応じて可変制御する。
また、ポンプ138(図19参照)により水貯蔵タンク137(図19参照)に蓄えている水は電気分解装置151に供給される。電気分解装置151そのものは公知である。図示しないが、電気分解装置151は水を入れる容器と、水の溶液(電解液)に浸した2つの電極とからなり、電源装置からの所定の電圧を両電極間に印加すると、陰極にH2(水素)が、陽極にO2(酸素)が気体で発生するものである。このうち陽極に発生した気体のO2を溜めるO2室はO2が溜まるほどこのO2室のO2圧力が上昇するため、圧送ポンプがなくてもO2は二次O2タンク152へと導かれ、この二次O2タンク152にO2(二次O2)が加圧された状態で蓄積されることとなる。
電気分解装置151の作動、非作動については次のようにする。すなわち、電源装置及び電気分解装置の両極を含む直列回路の途中に、エンジンコントロールユニット39からの制御信号を受けてON、OFFされる常開スイッチを接続しておき、この常開スイッチをONとすることにより電気分解装置151を作動状態とする。圧力センサ94(図20参照)により検出される二次O2タンク152内の二次O2圧力をエンジンコントロールユニット39に入力しておき、エンジンコントロールユニット39では、この圧力センサ94により検出される二次O2圧力が所定の下限値LOW以下になったときに、上記の常開スイッチをONとして電気分解装置151を作動状態とし、二次O2圧力が再び下限値LOWを超えるようにする。また、圧力センサ94により検出される二次O2圧力が所定の上限値HIGH以上になったときに、上記の常開スイッチをOFFとして電気分解装置151を非作動状態とし、二次O2圧力が再び上限値HIGH未満に収まるようにする。このようにして二次O2タンク152に上限値HIGHから下限値LOWの間の圧力の二次O2を蓄える。
二次O2タンク152に蓄えられた二次O2は配管153を介して二次O2噴射弁81へと供給する。二次O2噴射弁81はこの供給された二次O2圧力による力がスプリング力に抗して弁体を開弁方向に付勢することで開かれる構成であり、二次O2圧力が低過ぎると、スプリング力に負けて弁体を開弁方向に付勢できず開くことができない。つまり、二次O2圧力が所定値P1以上ないと二次O2噴射弁81は開弁できない。上記の下限値LOWはこの所定値値P1に余裕代を加算した値であり、二次O2噴射弁81の作動を保証するものである。
図20は、第3実施形態におけるエンジンコントロールユニット39の制御対象をまとめて示したものである。図20に示したように、エンジンコントロールユニット39の制御対象は、主には圧縮比制御アクチュエータ16、二次O2噴射弁81、排気制御弁139、冷却水制御弁148、電気分解装置151の4つである。冷却水制御弁148及び電気分解装置151の制御については上述したので、次にはエンジンコントロールユニット39で実行される二次O2噴射弁81を介しての二次O2の噴射制御と、圧縮比制御アクチュエータ16を介しての圧縮比制御指令値の制御と、排気制御弁139を介しての水回収制御とを以下の図21、図24、図25、図26のフローチャートを参照して詳述する。
図21は二次O2噴射弁81に与える二次O2噴射量指令値を算出するためのもので、一定時間毎(例えば10ms毎)に実行する。
ステップ1ではバルブオーバーラップを行う所定の運転条件にあるか否かにより、内部還流ありの状態か否かをみる。バルブオーバーラップを行う所定の運転条件にあるか否かはエンジン仕様により予め定まっている。図4で前述したように、ここでは中負荷運転域でバルブオーバーラップを行うようにしているので、運転条件が低負荷運転域や高負荷運転域にあればバルブオーバーラップを行う所定の運転条件にない、つまり内部還流なしの状態にあると判断しそのまま今回の処理を終了する。運転条件が中負荷運転域にあるときにはバルブオーバーラップを行う所定の運転条件である、つまり内部還流ありの状態にあると判断しステップ2以降に進む。
ステップ2ではそのときの負荷と回転速度から図22を内容とするマップを参照して吹き返し残留ガス量基本値Qb0を算出する。吹き返し残留ガス量基本値は、主にバルブオーバーラップ量で決まり、運転条件(負荷と回転速度)や環境条件(気圧、気温)にも依存している。例えば、運転条件及び環境条件が一定のもとではバルブオーバーラップ量が相対的に大きいときにバルブオーバーラップ量が相対的に小さいときより吹き返し残留ガス量基本値Gb0が多くなる。また、バルブオーバーラップ量及びエンジン負荷が同じでもエンジンの回転速度が相対的に小さいときには回転速度が相対的に大きいときより吹き返し残留ガス量基本値Gb0が多くなる。ここで、運転条件(負荷と回転速度)によってバルブオーバーラップ量をどのように与えるかはエンジンの仕様により予め決まっている。従って、基準の環境条件で考えれば、各運転条件毎に吹き返し残留ガス量基本値Gb0を計測することができるので、負荷と回転速度をパラメータとする吹き返し残留ガス量基本値Gb0のマップを予め作成しておくことが可能である。図22はこの吹き返し残留ガス量基本値Gb0のマップ内容を表している。図22には吹き返し残留ガス量基本値Gb0の値がどのような傾向を有するのかは具体的に記載していないが、吹き返し残留ガス量基本値Gb0の値がどのような傾向を示すかはノンスロットルエンジンの仕様により異なってくることとなる。上記の回転速度はクランク角センサ92(図20参照)からの信号に基づいて演算されている。
ステップ3ではそのときの目標圧縮比から図30を内容とするテーブルを参照して膨張比係数を算出し、ステップ4で上記の吹き返し残留ガス量基本値Qb0にこの膨張比係数を乗算した値を吹き返し残留ガス量Qbとする、つまり次式により吹き返し残留ガス量Qbを算出する。
Qb=Qb0×膨張比係数 …(1)
第3実施形態では、圧縮比を運転条件に応じて可変に制御しているので、運転条件により膨張比が相違し、この膨張比の違いによって排気温度が変化し、排気温度が変化すると、吹き返し残留ガス量が変化する。つまり、吹き返し残留ガス量は膨張比の影響を受けて変化することを考慮するため膨張比係数を導入したものである。具体的には、上記の吹き返し残留ガス量基本値Qb0を膨張比が最低の10のときの運転条件で適合したとき、膨張比が10より大きいときの運転条件になると、膨張比が10のときの運転条件より効率がよくなる分だけ排気温度従って吹き返し残留ガス温度が低下し実質的に吹き返し残留ガス量が増加する。そこで、膨張比が大きくなるほど実質の吹き返し残留ガス量が多くなるようにするため、図30に示したように、膨張比係数を、膨張比(目標圧縮比)が最低の10のとき最小値の1とし、目標圧縮比が大きくなるほど1より大きくし、目標圧縮比が最高の22のとき最大値を採るように設定している。第1、第2の実施形態では、膨張比は一定であるため膨張比係数は不要である。
ステップ5では過渡の程度(加速の程度や減速の程度)、具体的には所定時間当たり(例えば演算周期当たり)アクセル開度変化量ΔACCを算出する。アクセル開度はアクセルセンサ93により検出すればよい。また、前回のアクセル開度と今回のアクセル開度の差を求めれば、つまり次式により演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACCを算出することができる。
ΔACC=ACC−ACC(前回) …(2)
ただし、ACC(前回):前回のACC、
ステップ6ではこの演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACCとゼロを比較する。演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACCが正の値であるときにはさらにステップ7で演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACCと所定値1を比較する。所定値1は定常運転とみなせる範囲を定める値である。演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACCが所定値1未満であれば内部還流ありの状態かつ定常運転であると判断しそのまま今回の処理を終了する。
演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACCが所定値1以上であるときには内部還流ありの状態からの加速運転時であると判断しステップ7よりステップ8に進み、吹き返し残留ガス量Qbに1/5と定数1とを乗算した値を基準二次O2噴射量として、つまり次式により基準二次O2噴射量を算出する。
基準二次O2噴射量=Gb×(1/5)×定数1 …(3)
この場合に、内部還流ありの状態からの加速運転時における加速の程度が大きいとき(大きなトルクが要求されるとき)と、加速の程度が小さいとき(大きなトルクは要求されないとき)とで同じ量の二次O2噴射量とすることは妥当でない。そこで、演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACCが最大のときに基準二次O2噴射量を供給するものとし、最大の加速程度より加速の程度が小さくなるほど二次O2噴射量を減量補正する。このため、ステップ9では、演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACCから図23を内容とするテーブルを参照して加速の程度に応じた補正係数1を算出し、このステップ10で基準二次O2噴射量にこの補正係数1を乗算した値を二次O2噴射量指令値として算出する。図23のように補正係数1は、演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACCが最大値のとき(最大の加速程度のとき)1であり、最大値のときよりΔACCが小さくなるほど小さくなる値である。
上記(3)式の定数1として1を設定しているとき、内部還流ありの状態からの加速程度最大時に加速運転時判定タイミング直後の最初の吸入行程で、上記(3)式の基準二次O2噴射量をO2噴射弁81から吸気ポート54に供給すれば、加速運転時判定タイミング直後の最初の吸入行程で燃焼室53に流入する吹き返し残留ガス中の平均の二次O2濃度が新気と同じO2濃度となって、内部還流なしの状態からの加速程度最大時とほぼ同じ加速応答性を得ることができ、吹き返し残留ガスの影響は解消されることとなる。
前述のように、内部還流ありの状態からの加速運転時判定タイミング直後の最初の吸入行程で吸気弁31が開いたときに吹き返し残留ガスの全てが燃焼室53に吸入されると仮定したが、実際には、内部還流ありの状態からの加速運転時判定タイミング直後の最初の吸入行程で吸気弁31が開いたときに吹き返し残留ガスの全てが燃焼室53に吸入されることなく吸気弁31が閉じた後に一部が吸気通路54に残留することが考えられる。このときにも二次O2噴射量を吹き返し残留ガス量に対し1/5の濃度(割合)として設定すれば、二次O2噴射量が多少多くなり得る。しかしながら、吹き返し残留ガス量に対する二次O2噴射量の割合は、理論的には約1/5である。実際には図7最下段に実線で示したように、内部還流ありの状態からの加速運転直後から、速やかに立ち上がりオーバーシュートすることなく定常運転状態へと落ち着くトルク特性が得られるように上記(2)式の定数1を適合すればよい。
また、上記(2)式の定数1として1を超える値を設定すれば、内部還流ありの状態からの加速運転時判定タイミング直後の最初の吸入行程で燃焼室に流入する吹き返し残留ガス中の二次O2濃度を新気の二次O2ガス濃度よりも高くすることができ、これに合わせて燃料噴射量も増量補正することで、前述したように内部還流ありの状態からの加速運転時における加速応答性をさらによくすることができる(図12参照)。
一方、ステップ6で演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACCがゼロまたは負のときにはステップ11、12に進む。このときには演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACCの絶対値と所定値3、所定値4(>所定値3)を比較する。ここで、所定値3はバルブオーバーラップが大きな定常条件から軽い減速運転(エンジン出力が全く不要というわけではないような状態)に入った場合であるか否かを判定するための値である。所定値4はバルブオーバーラップが大きな定常条件から急減速運転に入った場合であるか否かを判定するための値である。演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACCの絶対値が所定値3未満であるときや演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACCの絶対値が所定値4以上であるときにはそのまま今回の処理を終了する。
演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACCの絶対値が所定値3以上かつ所定値4未満であるときにはバルブオーバーラップが大きな定常条件から軽い減速運転に入った場合であると判断し、ステップ13〜15に進み、内部還流ありの状態からの加速運転時のステップ8〜10と同様の操作を行う。すなわち、ステップ13では吹き返し残留ガス量Qbに1/5と定数2とを乗算した値を基準二次O2噴射量として、つまり次式により基準二次O2噴射量を算出する。
基準二次O2噴射量=Gb×(1/5)×定数2 …(4)
ステップ14では、演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACCの絶対値から図23を内容とするテーブルと同様のテーブルを参照して減速の程度に応じた補正係数2を算出し、このステップ15で基準二次O2噴射量にこの補正係数2を乗算した値を二次O2噴射量指令値として算出する。補正係数2と上記(4)式の定数2とはバルブオーバーラップを行っている定常運転状態より軽い減速運転に入ったような場合に減速運転判定タイミング直後の最初のサイクルで(減速運転初期に)O2不足が生じてトルクが不足することがないように適合する。
図24は二次O2噴射弁81を駆動するためのもので、二次O2噴射弁81の噴射開始タイミングになる毎に実行する。ここで、二次O2噴射弁81の噴射開始タイミングは図10(B)で前述したように吸入行程の初期に設定されている。
ステップ21、22、23、30、31は図21のステップ1、6、7、11、12と同じである。すなわち、バルブオーバーラップを行う所定の運転条件にあり、演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACCが正の値でありかつ演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACCが所定値1以上であるときには内部還流ありの状態からの加速運転時であると判断しステップ21、22、23よりステップ24に進み、圧力センサ94(図20参照)により検出される二次O2圧力と二次O2タンク152内圧力の下限値LOWを比較する。二次O2タンク内圧力が下限値LOW以下であるときには二次O2噴射弁81の作動を保証できないので、ステップ29に進んで二次O2噴射弁81を非駆動とする。
二次O2圧力が二次O2タンク内圧力の下限値LOWを超えているときにはステップ24よりステップ25に進み今度は二次O2圧力と所定値を比較する。所定値は、二次O2タンク152内圧力の下限値LOWと、二次O2タンク152内圧力の上限値HIGHの間の適当な値(例えば中間値)である。二次O2圧力と所定値以下であるときには現在の二次O2タンク152の残量では内部還流ありの状態からの過渡運転時に二次O2噴射を実行するにつれてやがては二次O2が不足する事態に至ると判断し、このときにはステップ26に進んで二次O2噴射量指令値を減量補正する。これは例えば、図21のステップ10で得られている二次O2噴射量指令値から所定値を減量してやればよい。この二次O2噴射量の減量補正により、内部還流ありの状態からの加速運転直後に迎える最初の吸入行程で燃焼室に流入する吹き返し残留ガス中の二次O2濃度が新気のO2濃度より小さくなるものの、O2を噴射している分だけは内部還流ありの状態からの加速運転時における加速性が改善しつつ、二次O2噴射を行い得る時間を延ばすことができる。
一方、二次O2圧力が所定値を超えているときには二次O2噴射を実行できるだけの十分な二次O2が二次O2タンク152にあると判断し、ステップ25よりステップ27に進み、所定時間当たりアクセル開度変化量ΔACCと所定値2(>所定値1)を比較する。ここで、所定値2は急加速であるのか緩加速であるかを区別するための判定値である。所定時間当たりアクセル開度変化量ΔACCが所定値2未満であれば緩加速時であると判断しステップ26に進んで二次O2噴射量指令値を減量補正する。これは例えば、図21のステップ10で得られている二次O2噴射量指令値から所定値を減量してやればよい。緩加速である場合には急加速である場合より応答性は要求されないのであり、この二次O2噴射量の減量補正により、内部還流ありの状態からの加速運転時における緩加速であるときに不要な二次O2の供給を減らして二次O2を節約できる。
ステップ28では、このようにして減量補正した二次O2噴射量指令値を用いて二次O2噴射弁81を所定の期間開弁駆動し、この減量補正した二次O2噴射量指令値の二次O2を燃焼室53に供給する。
ステップ27で所定時間当たりアクセル開度変化量ΔACCが所定値2以上であれば急加速時であると判断しこのときにはそのままステップ28に進み、図21のステップ10で得られている二次O2噴射量指令値を用いて二次O2噴射弁81を所定の期間開弁駆動し、この二次O2噴射量指令値の二次O2を燃焼室53に供給する。
ステップ21でバルブオーバーラップを行う所定の運転条件にないとき、ステップ22、23で演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACCが正の値であるものの演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACCが所定値1未満であるときにはそのまま今回の処理を終了する。
ステップ21、22、30、31でバルブオーバーラップを行う所定の運転条件にあり、演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACCが正の値でなくかつ演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACCの絶対値が所定値3以上かつ所定値4未満であるときにはバルブオーバーラップが大きな定常運転条件から軽い減速運転に入った場合であると判断しステップ24以降に進み、前述した内部還流ありの状態からの加速運転時と同様の操作を行う。
ステップ21、22、30、31でバルブオーバーラップを行う所定の運転条件にあり、演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACCが正の値でないものの演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACCの絶対値が所定値3未満であるときやバルブオーバーラップを行う運転条件にあり、演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACCが正の値でないものの演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACCの絶対値が所定値4以上であるときにはステップ29に進み、二次O2噴射弁81を非作動状態とする。
このように、内部還流ありの状態からの加速運転時判定タイミング直後の最初の吸入行程でだけ(加速運転初期に)あるいはバルブオーバーラップが大きな定常運転条件から軽い減速運転に入った場合にその減速運転時判定タイミング直後の最初の吸入行程でだけ(減速運転初期に)二次O2噴射弁81を駆動して二次O2を噴射する。
図25は圧縮比制御指令値を算出するためのもので、一定時間毎(例えば10ms毎)に実行する。
これは、内部還流ありの状態からの加速運転時であって圧縮比制御指令値が低下する加速運転時にこの加速の大きさが所定の範囲である緩加速であるとき、加速運転後の圧縮比制御指令値への低下速度を、加速の大きさが所定値以上の急加速であるときより小さくするものである。
ステップ41ではエンジンの負荷と回転速度から図18を内容とするマップを検索することにより目標圧縮比を算出し、この目標圧縮比を改めて圧縮比制御目標基本値CR0とする。
ステップ42では加速フラグ(エンジン始動時にゼロに初期設定)をみる。ここでは、加速フラグ=0であるとして説明すると、このときにはステップ43に進んでバルブオーバーラップを行う所定の運転条件にあるか否かをみる。バルブオーバーラップを行う所定の運転条件にない、つまり内部還流なしの状態にあるときにはステップ44〜48を飛ばしてステップ49に進み、圧縮比制御目標基本値CR0を圧縮比制御指令値CRに移す。
バルブオーバーラップを行う所定の運転条件にあるときには内部還流ありの状態であると判断しステップ44に進む。ステップ43では内部還流ありの状態にあるか否かを判定させているが、外部還流ありの状態にあるか否かを判定させてもかまわない。
ステップ44では所定時間当たりアクセル開度変化量ΔACCと所定値1を比較する。所定時間当たりアクセル開度変化量ΔACCが所定値1未満であれば内部還流ありの状態かつ定常運転時であると判断し、ステップ48に進んで圧縮比制御目標基本値CR0を加速前値に移す。
所定時間当たりアクセル開度変化量ΔACCが所定値1以上であるときには内部還流ありの状態からの加速運転時であると判断しステップ44よりステップ45に進み加速フラグ=1とする。ステップ46では所定時間当たりアクセル開度変化量ΔACCと所定値2(>所定値1)を比較する。ここで、所定値2は内部還流ありの状態からの急加速であるのか内部還流ありの状態からの緩加速であるかを区別するための判定値である。所定時間当たりアクセル開度変化量ΔACCが所定値2未満であれば内部還流ありの状態からの緩加速であると判断しステップ47に進んで緩加速フラグ(始動時にゼロに初期設定)=1とし、これに対して所定時間当たりアクセル開度変化量ΔACCが所定値2以上であれば内部還流ありの状態からの急加速であると判断しこのときにはステップ47を飛ばす(緩加速フラグ=0のままとする)。
ステップ49では圧縮比制御目標基本値CR0を圧縮比制御指令値CRに移す。
ステップ45で加速フラグ=1になると、次回よりステップ42よりステップ50以降に進むことになる。ステップ50では緩加速フラグをみる。緩加速フラグ=0、つまり内部還流ありの状態からの急加速であるときにはステップ51に進み次式により圧縮比制御指令値CRを所定値ΔCR1だけ小さくなる側に更新する。
CR=CR(前回)−ΔCR1 …(5)
ただし、CR(前回):前回のCR、
ここで、急加速判定後初めてステップ51に進んできたとき、(5)式の「CR(前回)」には加速前値が入っている。従って、(5)式による圧縮比制御指令値の更新によって、圧縮比制御指令値CRは加速前値より所定値ΔCR1だけ小さくなる。次回以降もステップ50、51と流れるので、(5)式による圧縮比制御指令値CRの更新を繰り返す。これによって圧縮比制御指令値CRは演算周期毎(10ms毎)に所定値ΔCR1ずつ小さくなっていく。つまり、所定値ΔCR1は、内部還流ありの状態からの急加速運転後の圧縮比制御指令値への低下速度を定めている。
ステップ52では圧縮比制御指令値CRと加速運転後の値である圧縮比制御目標基本値CR0とを比較する。圧縮比制御目標基本値CR0はマップ値であるため、内部還流ありの状態からの加速運転の前後でステップ的に小さくなる。従って、内部還流ありの状態からの急加速運転になってステップ52に進んできた当初は圧縮比制御指令値CRのほうが加速運転後の値である圧縮比制御目標基本値CR0より大きく、従ってステップ53、54を飛ばして今回の処理を終了する。
上記(4)式による圧縮比制御指令値CRの更新を繰り返すと、やがて圧縮比制御指令値CRが、加速運転後の値である圧縮比制御目標基本値CR0に達する。このときにはステップ52よりステップ53に進んで圧縮比制御目標基本値CR0を圧縮比制御指令値CRに移す。ステップ54では次回の内部還流ありの状態からの加速運転時に備えるため加速フラグ=0とする。
一方、ステップ50で緩加速フラグ=1、つまり内部還流ありの状態からの緩加速であるときにはステップ55に進み次式により圧縮比制御指令値CRを所定値ΔCR2だけ小さくなる側に更新する。
CR=CR(前回)−ΔCR2 …(6)
ただし、CR(前回):前回のCR、
ここで、内部還流ありの状態からの緩加速後初めてステップ55に進んできたとき、(6)式の「CR(前回)」には加速前値が入っている。従って、(6)式による圧縮比制御指令値の更新によって、圧縮比制御指令値CRは加速前値より所定値ΔCR2だけ小さくなる。次回以降もステップ50、55と流れるので、(6)式による圧縮比制御指令値CRの更新を繰り返す。これによって圧縮比制御指令値CRは演算周毎に所定値ΔCR2ずつ小さくなっていく。つまり、所定値ΔCR2は、内部還流ありの状態からの緩加速運転後の圧縮比制御指令値への低下速度を定めている。
上記(6)式の所定値ΔCR2は、上記(5)式の所定値ΔCR1よりも小さく設定する。所定値ΔCR2を所定値ΔCR1より小さくする理由は次の通りである。圧縮比可変機構を備えるエンジンにおいては、低負荷運転状態で燃費向上のため圧縮比を高くし、高負荷運転状態ではNOxを抑制するため圧縮比を低くしている。このため、急加速であるときに圧縮比制御目標値を低下させるのが遅れると燃焼温度が上昇してNOxが発生し勝ちになるので、急加速であるときには圧縮比制御目標値を応答よく低下させる必要がある。これに対して緩加速であるときには、急加速であるときほど圧縮比制御目標値を急激に低下させる必要はなく、却って圧縮比制御目標値を高いままに保ったほうが燃費が向上する。そこで、内部還流ありの状態からの緩加速であるときには加速運転後の圧縮比制御目標基本値へと低下させる速度を内部還流ありの状態からの急加速であるときより小さくしたものである。
ステップ56では圧縮比制御指令値CRと加速運転後の値である圧縮比制御目標基本値CR0とを比較する。圧縮比制御目標基本値CR0はマップ値であるため、加速運転の前後でステップ的に小さくなる。従って、内部還流ありの状態からの緩加速運転になってステップ56に進んできた当初は圧縮比制御指令値CRのほうが加速運転後の値である圧縮比制御目標基本値CR0より大きいので、ステップ57〜59を飛ばして今回の処理を終了する。
上記(5)式による圧縮比制御指令値CRの更新を繰り返すと、やがて圧縮比制御指令値CRが加速運転後の値である圧縮比制御目標基本値CR0に達する。このときにはステップ56よりステップ57に進んで圧縮比制御目標基本値CR0を圧縮比制御指令値CRに移す。ステップ58、59では次回の内部還流ありの状態からの加速運転時に備えるため加速フラグ=0、緩加速フラグ=0とする。
図26は排気制御弁139を制御するためのもので、図21、図24、図25のフローとは独立に一定時間毎(例えば10ms毎)に実行する。
ステップ61ではエンジンの負荷と回転速度から図27を内容とするマップを参照して排気回流量の制御目標値(水回収装置に導く排気量)を算出する。図27に示したように、排気回流量の制御目標値は、回転速度が同じであれば負荷が低いほど大きくなり、また負荷が同じであれば回転速度が低いほど大きくなる値である。
図27に示した排気回流量の制御目標値の特性は図28、図29の特性に基づくものである。すなわち、図28に示したように吸気量が一定の運転条件で圧縮比が大きくなるほど排気回流量の制御目標値を大きく設定する。膨張比が大きい(圧縮比が大きくなると膨張比も大きくなる)運転条件のとき膨張比が小さい運転条件のときより排気回流量の制御目標値を大きく設定する理由は、膨張比が大きい運転条件のときのほうが膨張比が小さい運転条件のときより排気温度が低くて排気中の水分が凝縮し易くなり、その分多くの水回収を行うことができるためである。これを逆に言えば膨張比が小さくなるほど排気温度が高くなり、排気中の水分が凝縮しにくくなる(水回収量が減る)ので、排気回流量の制御目標値を小さくする。
ここで、上記の「膨張比」とは、排気弁開時期での燃焼室容積を上死点位置での燃焼室容積で除算した値のことである。また、「圧縮比」とは下死点位置での燃焼室容積を上死点位置での燃焼室容積で除算した値のことである。
また、図29に示したように膨張比が一定の運転条件で吸気量が小さいほど排気回流量の制御目標値を大きく設定する。吸気量が小さい運転条件のとき吸気量が大きい運転条件のときより排気回流量の制御目標値を大きく設定する理由は、吸気量が小さい運転条件のときのほうが吸気量が大きい運転条件のときより排気温度が低くて排気中の水分が凝縮し易くなり、その分多くの水回収できるためである。これを逆に言えば吸気量が大きくなるほど排気温度が高くなり、排気中の水分が凝縮しにくくなる(水回収量が減る)ので、排気回流量の制御目標値を小さくする。
ここで、膨張比に等しい圧縮比(目標圧縮比)は図18で前述したようにエンジンの運転条件(負荷と回転速度)により定まっており、また、吸気量もエンジンの運転条件(負荷と回転速度)により定まるので、圧縮比と吸気量に代えてエンジンの運転条件(負荷と回転速度)をパラメータとすれば図27の特性が得られることとなる。
図26に戻りステップ62では、水貯蔵タンク137(図19参照)のタンク残量と第2所定値を比較する。例えば、水貯蔵タンク137(図19参照)に第1所定高さ以下の水位にまで減少した場合にONとなる第1水位センサ95(図20参照)と、第1所定高さより高いところに設けた第2所定高さ以下の水位にまで減少した場合にONとなる第2水位センサ96(図20参照)とを設けておき、これらの水位センサ95、96からの信号に基づいて水貯蔵タンク137のタンク残量が第1所定値以下にあるのか否か、また水貯蔵タンク137のタンク残量が第2所定値以下にあるのか否かを判断させる。図示しないが、第1水位センサ95がONになったときには電気分解を実行できるだけの十分な水量が水貯蔵タンク137にないと判断し、電気分解装置151、二次O2噴射弁81を非駆動とする。一方、第2水位センサ96(図20参照)がONのとき、つまり水貯蔵タンク137のタンク残量≦第2所定値のときにはステップ63に進んで排気回流量の制御目標値を増量補正する。これは例えば、ステップ61で得られている排気回流量の制御目標値(マップ値)に所定値を加算してやればよい。排気回流量の制御目標値を増量補正すると、その増量補正分だけ水回収装置130による水回収量が増える。すなわち、第2水位センサ96がONのとき(水貯蔵タンク137のタンク残量≦第2所定値のとき)には二次O2噴射の実行を継続するとやがては水貯蔵タンク137内の水量が不足することになると判断できるのであるから、ステップ63での操作は水貯蔵タンク137内の水不足の事態が将来的に生じてこないようにするための操作である。
ステップ64ではこの増量補正後の排気回流量の制御目標値と排気回流量の限界値を比較する。排気回流量の限界値は水回収装置130による水回収率の点から定まる適合値である。水回収装置130による水回収能力は無限ではなく、排気回流量が限界値以上であるときには空冷凝縮装置133において排気中の水分が凝縮温度に降下する前に排気が通路134へと排出されることとなり、水回収装置130に多くの排気を導いた割には水回収量が激減し水回収の効率が悪くなってしまう。そこで、排気回流量の制御目標値が限界値以上であるときには水回収装置130における水回収の効率が悪いと判断し、ステップ66に進んで排気制御弁139を非駆動とする。これに対して排気回流量の制御目標値が限界値未満であるときには水回収の効率が悪いことはないのでステップ64よりステップ65に進んで増量補正後の排気回流量の制御目標値が得られるように排気回流制御弁139を駆動する。
一方、ステップ62で第2水位センサ96がOFFのとき、つまり水貯蔵タンク137のタンク残量>第2所定値のときには二次O2噴射を実行するのに十分な水量が水貯蔵タンク137内に残存すると判断し、そのままステップ64に進みステップ61で得ている排気回流量の制御目標値(マップ値)と排気回流量の限界値を比較する。排気回流量の制御目標値が限界値以上であるときには空冷凝縮装置133において排気中の水分が凝縮温度に降下する前に排気が通路134へと排出されることとなり、水回収装置130に多くの排気を導いた割には水回収量が激減し水回収の効率が悪いと判断し、ステップ66に進んで排気制御弁139を非駆動とする。排気回流量の制御目標値が限界値未満であるときには水回収の効率が悪いことはないのでステップ64よりステップ65に進んで排気回流量の制御目標値が得られるように排気制御弁139を駆動する。
このように、触媒101を出た後の排気中の水回収であるので、有害な腐食成分を触媒101により除去でき、また前述のように圧縮比可変機構を用いて高膨張比で運転する条件では排気温度が低下するため、排気からの水の回収(冷却による凝縮)を効率よく行なうことができる。したがって、圧縮比可変機構により高膨張後の低温となった排気は、少しの冷却で露点以下に下がるため、水の回収効率が高く、凝縮器(109)をコンパクトにできるという効果が生じる。
ここで、本発明の第1、第2、第3の実施形態の作用効果を説明する。
ノンスロットルエンジン51において排気の内部還流が行われると、排気(既燃ガス)が吸気ポート54(吸気通路)へと逆流して溜まり、その後に吸気弁31が開いたときに吸気ポート54に残留しているこの既燃ガスが燃焼室53へと流入するが(図6(A)、図6(B)参照)、こうした内部還流ありの定常運転状態から、バルブオーバーラップをなくす高負荷運転状態への加速運転時(過渡運転時)には、吸気ポート54に残留している既燃ガスが新気と入れ替わるまでの間、図7最下段に破線で示したように、燃焼室53内の新気が不足してトルク応答に応答遅れが生じる。これに対して、内部還流ありの状態からの加速運転時判定タイミング直後の最初の吸入行程で、つまり内部還流ありの状態からの加速運転の初期(過渡運転の初期)に、第1、第2の実施形態(請求項1、20に記載の発明)によれば、吸気ポート54にまたは燃焼室53内に二次O2(二次酸素)の噴射(供給)を行うので(図10、図11参照)、加速運転の初期に燃焼室に流入する既燃ガス中に二次O2が拡散し、これによって加速運転の初期における燃焼室流入吸気中のO2濃度を速やかに回復させることが可能となり、図12最下段に実線で示したように、排気の吸気ポート54への還流を行っている状態からの加速運転の初期のトルク応答に応答遅れが生じないようにすることができる。
第1、第3の実施形態(請求項2に記載の発明)によれば、排気の吸気ポート54(吸気通路)への還流を行っている状態からの加速運転の初期(負荷増大時の初期)に二次O2噴射弁81(二次酸素供給装置)を作動させて二次O2(二次酸素)の供給を行うので(第3実施形態については図24のステップ21、22、23、28参照)、加速運転の初期(負荷増大時の初期)でのトルク応答に応答遅れが生じないようにすることができる(第1実施形態については図12最下段の実線参照)。
ノンスロットルエンジン51において排気の内部還流が行われるときにはスロットルエンジンの場合に比べて次のようなデメリットがある。すなわち、吸気弁31の直上流の吸気ポート54に吹き返し残留ガスが高濃度に偏在し、かつ吸気通路内全体に渡ってまんべんなく存在する既燃ガスの絶対量は吸気管圧力がスロットルエンジンより小さい分だけ多くなる。このため、ノンスロットルエンジン51において内部還流ありの状態からの加速運転時(負荷増大時)にバルブオーバーラップをなくし排気の内部還流を即座に停止させても、吸気通路の吹き返し残留ガスが新気に入れ替わるまでの時間がスロットルエンジンの場合より長くなり、内部還流ありの状態からの加速運転時(負荷増大時)のレスポンスはスロットルエンジンの場合より却って悪化するのであるが、第1、第3の実施形態(請求項3に記載の発明)によれば、ノンスロットルエンジン51において内部還流ありの状態(排気の吸気ポート54への還流を行っている状態)からの加速運転の初期(負荷増大時の初期)に二次O2噴射弁81を作動させて二次O2の吸気ポート54への噴射(供給)を行うので(第3実施形態については図24のステップ21、22、23、28参照)、噴射された二次O2と、内部還流ありの状態からの加速運転の初期に吸気ポート54より燃焼室53へとに流入する吹き返し残留ガスとが混合し、その吹き返し残留ガス中に二次O2が均等に拡散される。これにより、ノンスロットルエンジン51において内部還流ありの状態からの加速運転の初期(負荷増大時の初期)における吹き返し残留ガスの影響を解消して、内部還流ありの状態からの加速運転の初期(負荷増大時の初期)でのトルク応答に応答遅れが生じないようにすることができる(第1実施形態については図12最下段の実線参照)。
ノンスロットルエンジン51において内部還流ありの状態では吸気弁31の直上流の吸気ポート54に吹き返し残留ガスが高濃度に偏在するため、減速運転時(負荷減少時)、例えば演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACCの絶対値(減速の程度)が所定値3以上かつ所定値4未満(所定の範囲)である軽い減速運転に入ったような場合には、バルブオーバーラップ量を少し減らし吸気弁31を早く閉じ燃焼室53内に吸入する新気量を減らすことになるため、内部還流ありの定常運転状態からの減速運転時における減速運転の初期(負荷減少時の初期)に、燃焼室53に流入する吹き返し残留ガスの割合が急増し(エンジン出力が少しは要る状況で燃焼室53内に吸入されるガスに含まれる吹き返し残留ガスの割合が高くなり)、これによりO2不足が生じてトルクが不足することになるのであるが、第3実施形態(請求項4、5に記載の発明)によれば、内部還流ありの状態(排気の吸気ポート54への還流を行っている状態)からの減速運転の初期(負荷減少時の初期)に二次O2弁81を作動させて二次O2の吸気ポート54への噴射(供給)を行うので(図24のステップ21、22、30、31、28参照)、噴射された二次O2と、内部還流ありの定常運転状態からの減速運転時における減速運転の初期(負荷減少時の初期)に吸気ポート54より燃焼室53へとに流入する吹き返し残留ガスとが混合し、その吹き返し残留ガス中に二次O2が均等に拡散される。これにより、内部還流ありの定常運転状態から軽い減速運転に入ったような場合においても、その軽い減速運転の初期でのO2不足に伴うトルク不足を解消できる。
第3実施形態(請求項6に記載の発明)によれば、過渡運転の初期の二次O2噴射量(二次酸素の供給量)を、吹き返し残留ガス中の二次O2の濃度が新気中のO2濃度(=1/5)と同じになるように設定する、具体的には吹き返し残留ガス量Gbを運転条件に応じて算出する吹き返し残留ガス量算出手段(図21のステップ2参照)を備え、過渡運転の初期の二次O2噴射量を吹き返し残留ガス量Gbに対し約1/5の濃度(割合)とするので(図21のステップ1、6、7、8、ステップ1、6、11、12、13参照)、内部還流ありの状態(排気の吸気通路への還流を行っている状態)からの加速運転の初期(負荷増大時の初期)に燃焼室53に流入する吹き返し残留ガス中の二次O2濃度があるいは内部還流ありの状態からの減速運転の初期(負荷減少時の初期)に燃焼室53に流入する吹き返し残留ガスがそれぞれ新気と同じO2濃度となり、過渡運転の初期の吹き返し残留ガスの影響が解消されることとなる。新気の場合、O2以外はN2であるが、N2の代わりに吹き返し残留ガス(N2、CO2、水蒸気H2O等)があるだけなので、二次O2の噴射によって吹き返し残留ガス中の二次O2濃度が新気中のO2濃度と同じになれば、新気と同じように燃焼に寄与することができる。
二次O2を蓄えるガスボンベをノンスロットルエンジン51に備えさせ、このガスボンベの二次O2を二次O2噴射弁81に供給する方法が考えられる。この方法によればガスボンベに対する定期的な二次O2の補充をドライバや車両管理者に要求することになるのであるが、第3実施形態(請求項7、15に記載の発明)によれば、電気分解装置151を備え、二次O2噴射弁81が供給する二次O2としてこの電気分解装置151により水から生成したO2を用いるので、ガスボンベに定期的に二次O2の補充をする必要がなく、ドライバや車両管理者に対する負担を軽減することができる。
水タンクをノンスロットルエンジン51に備えさせ、この水タンクの水を電気分解装置151に供給する方法が考えられる。この方法によれば水タンクに対する定期的な水の補充をドライバや車両管理者に要求することになるのであるが、第3実施形態(請求項8、16に記載の発明)によれば、排気通路58に触媒101を備え、この触媒101下流の排気の一部を空冷凝縮装置133(凝縮器)に導き、この空冷凝縮装置133による排気の冷却により電気分解に用いる水を回収するので、水タンクに定期的に水の補充をする必要がなく、ドライバや車両管理者に対する負担を軽減することができる。
膨張比(圧縮比制御目標基本値CR0)が大きい運転条件のときのほうが膨張比が小さい運転条件のときより排気温度が低くて排気中の水分が凝縮し易くなり、その分多くの水回収を行うことができることから、第3実施形態(請求項9、17に記載の発明)によれば、駆動量に応じてエンジンの圧縮比(膨張比)を可変に制御し得る圧縮比可変機構(膨張比可変機構)と、低負荷運転時には高負荷運転時より大きな値の圧縮比制御目標基本値CR0(膨張比制御目標値)が得られるようにこの圧縮比可変機構に与える駆動量をエンジンの運転条件に応じて制御するエンジンコントロールユニット39(膨張比可変制御手段)とを有し、圧縮比制御目標基本値CR0が相対的に大きい運転条件のときに空冷凝縮装置133(凝縮器)に導入する排気量を圧縮比制御目標値が相対的に小さい運転条件のときより増やすので(図28参照)、効率よく水回収を行うことができる。
内部還流を行っている状態かつ高膨張比の運転条件のときと、内部還流を行っている状態かつ低膨張比の運転条件のときとを比べると、内部還流を行っている状態かつ高膨張比の運転条件のときのほうが、内部還流を行っている状態かつ低膨張比の運転条件のときより排気温度が低い分だけ排気の密度が高く、そのぶんだけ実質の吹き返し残留ガス量が増える。つまり、同じ内部還流を行っている状態では高膨張比の運転条件のときのほうが低膨張比の運転条件のときより実質の吹き返し残留ガス量が増える。従って、内部還流を行っている状態かつ高膨張比側の状態(中負荷運転状態)からバルブオーバーラップをなくす低膨張比の状態(高負荷運転状態)への加速運転時には、多くなっている実質の吹き返し残留ガスが新気と置き換わるまでの間、O2が不足してトルクが応答よく発生せずトルク不足を生じるのであるが、第3実施形態(請求項11、21に記載の発明)によれば、排気の吸気ポート54(吸気通路)への還流を行うノンスロットルエンジン51において、駆動量に応じてエンジンの圧縮比(膨張比)を可変に制御し得る圧縮比可変機構(膨張比可変機構)と、吸気ポート54に二次O2を噴射(供給)する二次O2噴射弁81と、低負荷運転時には高負荷運転時より大きな値の圧縮比制御目標基本値CR0(膨張比制御目標値)が得られるように圧縮比可変機構(膨張比可変機構)に与える駆動量をエンジンの運転条件に応じて制御するエンジンコントロールユニット39(膨張比可変制御手段)と、内部還流ありの状態(排気の吸気ポート54への還流を行っている状態)からの加速運転の初期であって圧縮比制御目標基本値CR0が低下する加速運転の初期に二次O2噴射弁81を作動させて二次O2の供給を行うので(図18、図24のステップ23、28参照)、加速運転時判定タイミング直後の最初の吸入行程で燃焼室に流入する既燃ガス中に二次O2が拡散し、これによって加速運転の初期における燃焼室流入吸気中のO2濃度を速やかに回復させることが可能となり、内部還流ありの状態からの加速運転の初期であって圧縮比制御目標基本値CR0が低下する加速運転の初期でのトルク応答に応答遅れが生じないようにすることができる。
第3実施形態(請求項13に記載の発明)によれば、二次O2噴射弁81の二次O2供給源である二次酸素を蓄える二次O2タンク152(二次酸素タンク)を備え、排気の吸気ポート54への還流を行っている状態からの加速運転の初期であって圧縮比制御目標基本値CR0(膨張比制御目標値)が低下する加速運転の初期にこの二次O2タンク152内の圧力が所定値以下のとき、二次O2噴射弁81を作動させての二次O2噴射量(二次酸素の供給量)を減らすので(図24のステップ25、26参照)、二次O2を節約でき、二次O2噴射を行い得る時間を延ばすことができる。
低負荷運転時に高膨張比とするのは効率が良く燃費が良くなるからである。一方、高負荷運転時にも高膨張比のままだとNOxが多く発生してくるので、高負荷運転時には低膨張比へと変化させている。ということは、排気の吸気ポート54への還流を行っている状態からの加速運転時であって圧縮比制御目標基本値CR0(膨張比制御目標値)が低下する加速運転時に演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACC(加速の大きさ)が所定値2以上の急加速であるときと演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACCが所定値1以上所定値2未満(所定の範囲)である緩加速であるときとを考えると、緩加速であるときには、急加速であるときよりもNOxが発生しにくいので、急加速であるときより加速運転後の圧縮比制御目標基本値CR0への低下速度を小さくしてもNOxが発生することがなく、かつ加速運転後の圧縮比制御目標基本値CR0への低下速度を小さくして圧縮比(膨張比)を高い側に維持することで却って燃費が良くなる。また、緩加速であるときには急加速であるときほど応答のよいトルクの発生が要求されないので、二次O2噴射量(二次酸素の供給量)を急加速であるときに比べて減らしても問題がなく、二次O2噴射量を減らすことで二次O2を節約できる。第3実施形態(請求項14に記載の発明)はこうした点に着目したもので、第3実施形態(請求項14に記載の発明)によれば、内部還流ありの状態(排気の吸気ポート54への還流を行っている状態)からの加速運転の初期であって圧縮比制御目標基本値CR0が低下する加速運転の初期に演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACC(加速の大きさ)が所定値1以上所定値2未満(所定の範囲)である緩加速であるとき、二次O2噴射弁81を作動させての二次O2噴射量を減らすと共に(図24のステップ21、27、26参照)、加速運転後の圧縮比制御目標基本値CR0への低下速度を、演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACC(加速の大きさ)が所定値2以上である急加速であるときよりも小さくするので(図25のステップ43、46、47、ステップ42、50、55、56、57参照)、内部還流ありの状態からの加速運転の初期であって圧縮比制御目標基本値CR0が低下する加速運転の初期に演算周期当たりアクセル開度変化量ΔACCが所定値1以上所定値2未満である緩加速であるときに、二次O2を節約しつつ燃費を向上させることができる。
第3実施形態では、排気の吸気通路への還流を行うノンスロットルエンジン51であることを前提として説明したが、排気の吸気通路への還流を行うスロットルエンジンであることを前提として、駆動量に応じてエンジンの圧縮比(膨張比)を可変に制御し得る圧縮比可変機構(膨張比可変機構)と、吸気ポートまたは燃焼室内に二次O2を供給する二次O2噴射弁(二次酸素供給装置)とを有し、低負荷運転時には高負荷運転時より大きな値の圧縮比制御目標基本値CR0(膨張比制御目標値)が得られるように圧縮比可変機構(膨張比可変機構)に与える駆動量をエンジンの運転条件に応じて制御すると共に、排気の吸気通路への還流を行っている状態からの加速運転の初期であって圧縮比制御目標基本値CR0(膨張比制御目標値)が低下する加速運転の初期に二次O2噴射弁を作動させて二次O2の供給を行うようにしてもかまわない(請求項11参照)。
第1実施形態の可変動弁機構の概略斜視図。 可変動弁機構の作動原理を説明するための概略断面図。 吸気弁のバルブリフト特性図。 負荷に対応した吸気弁のバルブリフトの特性図。 ノンスロットルエンジンによる加速レスポンスを示すタイミングチャート。 ノンスロットルエンジンで内部還流を行ったときの既燃ガスの流れを説明するためのエンジンの概略縦断面図。 ノンスロットルエンジンで内部還流ありの状態からの加速運転時におけるシリンダ内の新気量、トルクの変化を示すタイミングチャート。 ノンスロットルエンジンで内部還流ありの状態からの加速運転時における吸気通路内の既燃ガスの割合の変化を示すタイミングチャート。 ノンスロットルエンジンで内部還流ありの状態から軽い減速に入ったような場合における吸気通路内の既燃ガスの割合の変化を示すタイミングチャート。 本発明の第1実施形態のノンスロットルエンジンの概略縦断面図。 本発明の第2実施形態のノンスロットルエンジンの概略縦断面図。 本発明の第1、第2の実施形態の、内部還流ありの状態からの加速運転時の作用を説明するためのタイミングチャート。 第3実施形態の全体システムの概略構成図。 図13のうち吸気通路部分を拡大した概略構成図。 複リンク型レシプロ式エンジンの概略構成図。 高圧縮比位置、低圧縮比位置での各リンクの姿勢図。 複リンク機構のピストンストロークの特性図。 目標圧縮比の特性図。 水回収装置の概略構成図。 エンジンコントロールユニットの制御対象を説明するための制御ブロック図。 二次O2噴射量指令値の算出を説明するためのフローチャート。 吹き返し残留ガス量基本値の特性図。 補正係数1の特性図。 二次O2噴射弁の駆動制御を説明するためのフローチャート。 圧縮比制御指令値の算出を説明するためのフローチャート。 排気制御弁の制御を説明するためのフローチャート。 運転条件に対する排気回流量の制御目標値の特性図。 膨張比(圧縮比)に対する排気回流量の制御目標値の特性図。 吸気量に対する排気回流量の制御目標値の特性図。 膨張比係数の特性図。
符号の説明
31 吸気弁
39 エンジンコントロールユニット
51 ノンスロットルエンジン
81、82 二次O2噴射弁(二次酸素供給装置)
130 水回収装置
133 空冷凝縮装置(凝縮器)
151 電気分解装置
152 二次O2タンク

Claims (21)

  1. 所定の運転条件で排気の吸気通路への還流を行うノンスロットルエンジンにおいて、
    吸気ポートにまたは燃焼室内に二次酸素を供給する二次酸素供給装置と、
    前記排気の吸気通路への還流を行っている状態からの過渡運転の初期に前記二次酸素供給装置を作動させて二次酸素の供給を行う二次酸素供給装置作動手段と
    を設けることを特徴とするノンスロットルエンジン。
  2. 前記過渡運転は負荷増大時であることを特徴とする請求項1に記載のノンスロットルエンジン。
  3. 前記排気の吸気通路への還流は排気の内部還流であることを特徴とする請求項2に記載のノンスロットルエンジン。
  4. 前記排気の吸気通路への還流は排気の内部還流であると共に、前記過渡運転は負荷減少時であることを特徴とする請求項1に記載のノンスロットルエンジン。
  5. 前記負荷減少は、減速の程度が所定の範囲である軽い減速運転に入ったような場合であることを特徴とする請求項4に記載のノンスロットルエンジン。
  6. 前記過渡運転の初期の二次酸素の供給量を、吹き返し残留ガス中の二次酸素の濃度が新気中の酸素濃度と同じになるように設定することを特徴とする請求項3から5までのいずれか一つに記載のノンスロットルエンジン。
  7. 電気分解装置を備え、
    前記二次酸素供給装置が供給する二次酸素としてこの電気分解装置により水を電気分解して得られる酸素を用いることを特徴とする請求項1から6までのいずれか一つに記載のノンスロットルエンジン。
  8. 排気通路に触媒を備え、
    この触媒下流の排気の一部を凝縮器に導き、この凝縮器による排気の冷却により前記電気分解に用いる水を回収することを特徴とする請求項7に記載のノンスロットルエンジン。
  9. 駆動量に応じてエンジンの膨張比を可変に制御し得る膨張比可変機構と、
    膨張比制御目標値が得られるようにこの膨張比可変機構に与える駆動量をエンジンの運転条件に応じて制御する膨張比可変制御手段と
    を有し、
    前記膨張比制御目標値が相対的に大きい運転条件のときに前記凝縮器に導入する排気量を前記膨張比制御目標値が相対的に小さい運転条件のときより増やすことを特徴とする請求項8に記載のノンスロットルエンジン。
  10. 駆動量に応じてエンジンの膨張比を可変に制御し得る膨張比可変機構と、
    低負荷運転時には高負荷運転時より大きな値の膨張比制御目標値が得られるようにこの膨張比可変機構に与える駆動量をエンジンの運転条件に応じて制御する膨張比可変制御手段と
    を有し、
    前記膨張比制御目標値が低下する加速運転の初期にも前記二次酸素供給装置を作動させて二次酸素の供給を行うことを特徴とする請求項1から8までのいずれか一つに記載のノンスロットルエンジン。
  11. 駆動量に応じてエンジンの膨張比を可変に制御し得る膨張比可変機構と、
    吸気ポートにまたは燃焼室内に二次酸素を供給する二次酸素供給装置と、
    低負荷運転時には高負荷運転時より大きな値の膨張比制御目標値が得られるように前記膨張比可変機構に与える駆動量をエンジンの運転条件に応じて制御する膨張比可変制御手段と、
    前記膨張比制御目標値が低下する加速運転の初期に前記二次酸素供給装置を作動させて二次酸素の供給を行う二次酸素供給装置作動手段と
    を設けることを特徴とする膨張比可変機構付きエンジン。
  12. 前記膨張比制御目標値が低下する加速運転の初期に前記二次酸素供給装置を作動させての二次酸素の供給量を、所定の条件に応じて減らすことを特徴とする請求項11に記載の膨張比可変機構付きエンジン。
  13. 前記二次酸素供給装置の二次酸素供給源である二次酸素を蓄える二次酸素タンクを備え、
    この二次酸素タンク内の圧力が所定値以下のとき、前記二次酸素供給装置を作動させての二次酸素の供給量を減らすことを特徴とする請求項12に記載の膨張比可変機構付きエンジン。
  14. 加速の大きさが所定の範囲である緩加速であるとき、前記二次酸素供給装置を作動させての二次酸素の供給量を減らすと共に、加速運転における膨張比制御目標値への低下速度を小さくすることを特徴とする請求項12に記載の膨張比可変機構付きエンジン。
  15. 電気分解装置を備え、
    前記二次酸素供給装置が供給する二次酸素としてこの電気分解装置により水を電気分解して得られる酸素を用いることを特徴とする請求項11から14までのいずれか一つに記載の膨張比可変機構付きエンジン。
  16. 触媒下流の排気の一部を凝縮器に導き、この凝縮器による排気の冷却により前記電気分解に用いる水を回収することを特徴とする請求項15に記載の膨張比可変機構付きエンジン。
  17. 前記膨張比制御目標値が相対的に大きい運転条件のときに前記凝縮器に導入する排気量を前記膨張比制御目標値が相対的に小さい運転条件のときより増やすことを特徴とする請求項16に記載の膨張比可変機構付きエンジン。
  18. 排気の吸気通路への還流を行う排気還流装置を備えていることを特徴とする請求項11から17までのいずれか一つに記載の膨張比可変機構付きエンジン。
  19. 加速運転前の低負荷条件で排気還流を行い、加速運転後の高負荷条件で排気還流を行わないことを特徴とする請求項18に記載の膨張比可変機構付きエンジン。
  20. 所定の運転条件で排気の吸気通路への還流を行うノンスロットルエンジンにおいて、
    吸気ポートにまたは燃焼室内に二次酸素を供給する二次酸素供給装置
    を有し、
    前記排気の吸気通路への還流を行っている状態からの過渡運転の初期に前記二次酸素供給装置を作動させて二次酸素の供給を行う二次酸素供給装置作動処理手順
    を含むことを特徴とするノンスロットルエンジンの二次酸素供給方法。
  21. 駆動量に応じてエンジンの膨張比を可変に制御し得る膨張比可変機構と、
    吸気ポートにまたは燃焼室内に二次酸素を供給する二次酸素供給装置と
    を有し、
    低負荷運転時には高負荷運転時より大きな値の膨張比制御目標値が得られるように前記膨張比可変機構に与える駆動量をエンジンの運転条件に応じて制御する膨張比可変制御処理手順と、
    前記膨張比制御目標値が低下する側に変化する加速運転の初期に前記二次酸素供給装置を作動させて二次酸素の供給を行う二次酸素供給装置作動処理手順と
    を含むことを特徴とする膨張比可変機構付きエンジンの二次酸素供給方法。
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