JP2008231338A - インクジェット記録用インク - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明のインクジェット記録用インクは保存安定性および吐出安定性に優れ、普通紙や光沢紙での高い発色性と光沢紙での高い光沢性を併せ持つインクジェット記録用インクを提供した。
【解決手段】水と、顔料と、当該顔料を分散させるためのポリマーと、式(1)で表される顔料誘導体と、式(2)で表される化合物とを含むことを特徴とするインクジェット記録用インク。
【選択図】なし
【解決手段】水と、顔料と、当該顔料を分散させるためのポリマーと、式(1)で表される顔料誘導体と、式(2)で表される化合物とを含むことを特徴とするインクジェット記録用インク。
【選択図】なし
Description
本発明は、保存安定性および吐出安定性に優れ、普通紙や光沢紙での高い発色性と、光沢紙での高い光沢性を併せ持つインクジェット記録用インクに関する。
インクジェット記録用インクとしては現在、色材として染料を用いたもの、顔料を用いたもの双方が普及している。顔料を用いたインクでは、顔料を水に分散させる手段として界面活性剤を用いる方法(特許文献1参照)、疎水部と親水部を有する分散ポリマーを用いて分散させる方法(特許文献2参照)、また顔料の表面を高分子で被覆する方法が検討され、その例としては転相乳化反応や酸析法によるものが知られている(特許文献3参照)。
しかしながら、いずれも顔料を分散させる方法としてはスチレンを主な構成成分とするポリマーを用いるため、定着性があまりなく、印刷物の長期の保存で黄変しやすかった。また、従来の水性インクは、紙に対するにじみを低減させるため、界面活性剤やグリコールエーテル等の親水部と疎水部を有する物質が必要であったところ、これらの物質がインク中に存在すると、顔料からのポリマーの吸脱着が起こりやすくなり、保存安定性が劣るという課題があった。一方、これらの物質を用いないインクでは、紙に対する浸透性が不十分となり、均一な印字を行うためには紙種が制限され、印字画像の低下を引き起こしやすくなるという課題があった。
さらに、従来の顔料分散体(一般的な分散剤により分散された顔料をいう。)に、たとえば印字品質を向上させるための添加剤(アセチレングリコール、アセチレンアルコール、シリコン系界面活性剤、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル若しくは1,2−アルキレングリコールまたはこれらの混合物)を用いると長期の保存安定性が得られず、再溶解性が悪いためインクが乾燥してインクジェットヘッドのノズルで詰まりやすくなるという課題や、ヘッドを構成する物質に用いられる接着剤等の材料をアタックして接着強度を低下させて吐出安定性を悪くするなどの課題を有していた。
また、このような一般的な分散剤により分散された顔料は、分散剤の残存物がインク中に残り、分散剤が十分に分散に寄与せず顔料から脱離して粘度が高いものになってしまうという課題があった。インクの粘度が高くなると顔料等の色材の添加量が制限され、特に普通紙において十分な印字品質が得られないという課題もあった。
本発明のインクジェット記録用インクは、水と、顔料と、当該顔料を分散させるためのポリマーと、式(1)で表される顔料誘導体と、式(2)で表される化合物とを含むことを特徴とする。
本発明のインクジェット記録用インクは、保存安定性および吐出安定性に優れ、普通紙および光沢紙上で高発色であり、光沢紙上では十分な光沢性に加えて定着性を有し、インクジェットヘッドからのインクの吐出安定性に優れることなどの特性等が要求されていることに鑑み、鋭意検討した結果によるものである。
本発明のインクジェット記録用インクは、水と、顔料と、当該顔料を分散させるためのポリマーと、式(1)で表される顔料誘導体と、式(2)で表される化合物とを含むことを特徴とする。
また、式(1)に示す顔料誘導体が、顔料の表面に存在することを特徴とする。式(1)に示す顔料誘導体は、顔料の表面に存在することでその特性を発揮することができる。すなわち、インク系中におけるほぼ全ての有機顔料の結晶成長を防止し、その結果として生じる凝集に対して顕著な改善効果を発揮するとともに、インクの流動性を著しく改善し、例えば、鮮明性、光沢等の点で優れた被膜を得ることができる等、インク適性を向上させることができるという顕著な効果を有する。また、上記ポリマーが、その構成成分として50重量%以上のベンジルアクリレートと、15重量%以下の(メタ)アクリル酸とが重合され、酸価が50mgKOH/g以上120mgKOH/g以下であり、重量平均分子量が20000以上120000以下であることが好ましい。
ベンジルアクリレートは、50重量%未満では定着性が低下してくるので好ましい範囲が50重量%以上であるが、50重量%未満の場合を否定するものではない。より好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上である。また、15重量%以下の(メタ)アクリル酸との重合が好ましいが、15重量%を超えるとインクジェットインクの普通紙での発色性が低下する傾向になる、しかし、15重量%を超える重合を否定するものではなく、より好ましい範囲は10重量%以下である。また、メタクリル酸とアクリル酸を比較した場合は、アクリル酸を用いることが、定着性の観点からより好ましい。
上記ポリマーの酸価は、50mgKOH/g未満では分散安定性が得られなくなり、120mgKOH/gを越えると普通紙の発色性が低下する。また、重量平均分子量が20000未満であると、インクジェットインクとしての長期保存安定性、熱安定性および定着性が悪くなり、120000を超えると、インクジェットインクとしての粘度が高くなり、分散安定性が悪くなる傾向があり、さらに吐出安定性が低下する傾向がある。
また、式(2)で表される化合物は、Rが分枝を有することがある炭素数8から16のアルキル基、アルキレン基またはアルケニレン基であることが好ましい。炭素数8未満では光沢紙での光沢が得られにくい。また、16を超えると、水への溶解性を向上させるために、エチレンオキシ基の付加量が多く必要になるが、そうすると泡立ちやすくなって、インクジェットのドット抜けが発生しやすくなり、また、普通紙での発色性も低下する。nは4〜12が好ましいが、4未満では光沢紙での光沢性が向上しにくく、12を超えると水への溶解性を向上させるために、エチレンオキシ基の付加量が多く必要になるが、そうすると泡立ちやすくなって、インクジェットのドット抜けが発生しやすくなり、また、普通紙での発色性も低下する。mは1〜12であるが、1未満では水への溶解性が低下するために、添加量が制限されて光沢紙の光沢性が得られない。また、12を超えると、泡立ちやすくなって、インクジェットのドット抜けが発生しやすくなり、また、普通紙での発色性も低下する。アルキル基へのプロピレンオキシ基とエチレンオキシ基の付加は、ランダムであってもブロックであってもよいが、アルキル基にプロピレンオキシをブロックで付加した後、エチレンオキシをブロックで付加した構造は、ランダム付加や、アルキル基にエチレンオキシをブロックで付加した後プロピレンオキシをブロックで付加するより、光沢紙での光沢性が向上し、普通紙での発色性も向上するので好ましい。
本発明において用いる顔料は、例えば黒色インク用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅酸化物、鉄酸化物(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられるがインクジェット用としては比重が比較的低く水中で沈降しにくいカーボンブラックが好ましい。更にカラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83(ジスアゾイエローHR)、93、94、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、128、138、153、180、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22(ブリリアントファーストスカーレット)、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36等が使用できる。
顔料の添加量は、0.5重量%〜30重量%が好ましいが、1.0重量%〜12重量%がさらに好ましい。0.5重量%以下の添加量では、印字濃度が確保できなくなり、30重量%以上の添加量では、インクの粘度増加や粘度特性に構造粘性が生じ、インクジェットヘッドからのインクの吐出安定性が悪くなる傾向になる。
本発明のインクジェット記録用インクの顔料が、例えばC.I.ブラック7、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23ようなイエロー以外の顔料の場合は、平均粒径が90nm以下、且つ50mgKOH/g以上100mgKOH/g以下の酸価を有するポリマーを用いて分散されることが、保存安定性および吐出安定性に優れ、普通紙や光沢紙での高い発色性と光沢紙での高い光沢性を併せ持つインクジェット記録用インクを提供する観点から好ましい。平均粒径が90nmを超えると光沢紙上での光沢が低下してくる。また、50mgKOH/g未満の酸価では分散が不安定になる。さらに、100mgKOH/gを超える酸価では普通紙での発色性が低下してくる。より好ましい酸価は60mgKOH/g〜100mgKOH/gである。
また、本発明のインクジェット記録用インクの顔料が、例えばC.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー79、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー156、C.I.ピグメントイエロー175およびC.I.ピグメントイエロー180のようなイエローの顔料の場合は、平均粒径が20nm以上110nm以下であり、且つ50mgKOH/g以上120mgKOH/g以下の酸価を有するポリマーを用いて分散されることが、保存安定性および吐出安定性に優れ、普通紙や光沢紙での高い発色性と光沢紙での高い光沢性を併せ持つインクジェット記録用インクを提供する観点から好ましい。平均粒径が20nm未満では耐光性が劣化し、110nmを超えると普通紙上での発色性が低下してくる。また50mgKOH/g未満の酸価では分散が不安定になり、120mgKOH/gを超える酸価では普通紙上での発色性が低下してくる。
本発明で顔料の分散に用いるポリマーは、影響がない程度に市販のスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等から選ばれた1種以上を組み合わせて使用することも可能である。しかし、少なくともポリマーの構成成分の80%以上が、アクリレートおよびアクリル酸の共重合によることが好ましい。
アクリレートとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、フェノールEO変性アクリレート、N−ビニルピロリドン、イソボロニルアクリレート、ベンジルアクリレート、パラクミルフェノールEO変性アクリレート、2−ヒドロキシエチル−3−フェノキシプロピルアクリレートなど市販のアクリレートを用いることができる。また、アクリル酸の代わりにω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸ダイマーなどを用いることもできる。
また、本発明で用いるポリマーを用いた分散方法は顔料をポリマーが覆うように水中への転相乳化であることが好ましい。転相乳化法を用いることによって、インクが安定になり、普通紙の発色性が向上する。
また、本発明のインクは、2、4、7、9−テトラメチル−5−デシン−4、7−ジオール、3、6−ジメチル−4−オクチン−3、6−ジオール、2、4、7、9−テトラメチル−5−デシン−4、7−ジオールのアルキレンオキシド付加物および3、6−ジメチル−4−オクチン−3、6−ジオールのアルキレンオキシド付加物から選ばれた1種以上を含むことが好ましく、その添加量は、0.05重量%〜1重量%が好ましい。0.05重量%未満では普通紙でのにじみが多くなり好ましくない。また、1重量%を超えるとインクジェットインクとしての保存安定性が悪くなり、長期の保存が難しくなる。より好ましくは0.1重量%以上0.7重量%以下である。
上記2、4、7、9−テトラメチル−5−デシン−4、7−ジオール、3、6−ジメチル−4−オクチン−3、6−ジオール、2、4、7、9−テトラメチル−5−デシン−4、7−ジオールのアルキレンオキシド付加物は市販され、日信化学株式会社製のサーフィノール104、サーフィノール82、サーフィノール2502、サーフィノール420、サーフィノール440、サーフィノール465、サーフィノール485、川研ファインケミカル株式会社製のアセチレノールEOO、アセチレノールE40、アセチレノールE100などとして手に入れることができる。
また、本発明のインクは、1,2−アルキレングリコールを含んでなることが好ましい。1,2−アルキレングリコールの中でも、1,2−ヘキサンジオールおよび4−メチル−1,2−ペンタンジオールが特に好ましく、インクジェットインクの吐出安定性が向上し、普通紙に印刷したときのにじみが低減する。
また、本発明のインクは、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジ(トリ)エチレングリコールモノペンチルエーテルおよびジ(トリ)エチレングリコールモノヘキシルエーテルから選ばれた1種以上を含んでなることが好ましい。インクジェット方式で普通紙に印刷したときのにじみがさらに低減し、印字品質が向上する。
また、本発明のインクは、2−ブチル−2−エチル−1、3−プロパンジオールを含んでなることが好ましい。光沢紙上での光沢性が向上し、普通紙上での発色性が向上する。
また、本発明におけるポリマーは、カルボキシル基を有しているが、その対イオンとしては、トリエタノールアミンおよび/またはトリプロパノールアミンを含んでなることが好ましい。トリエタノールアミンおよび/またはトリプロパノールアミンを用いることで、乾燥状態であってもインクジェットインクの目詰まりが起こりにくくなる。
本発明のポリマーの重合の方法としては、溶媒として、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、グリコールエーテル系を用いることができる。しかし、水系の顔料分散であるため、後で前述の溶媒を除去可能なものであることが必要である。従って、そのような溶媒としては以下のようなものを用いることができる。アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、第3級ブタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。また、エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。さらに、グリコールエーテル系としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ブチルセロソルブ等が挙げられる。
また、ポリマーを重合させるためのラジカル重合開始剤としては、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシオクトエート等の有機過酸化物、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2'−アゾビスブチレート、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ化合物等、過硫酸カリ、過硫酸ソーダなどを用いることができるがそれらに限定されず、ラジカル重合可能なものであれば上述以外の開始剤を用いることもできる。ラジカル重合開始剤の使用量は、重合の際に使用されるモノマーに対し、0.01モル%以上5モル%以下が好ましい。前述の重合の温度は、特に、制約されるものではないが、通常、30℃〜100℃の範囲であり、好ましくは、40℃〜90℃の範囲である。重合の温度が余りに低いときは、モノマーの重合に長時間要する必要が生じ、場合によっては重合率が低下して多量のモノマーが残存するおそれがある。
また、本発明のインクは、インクジェットの目詰まりが起こりにくくするために、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、四炭糖、五炭糖および六炭糖から選ばれた1種以上を含んでなることが好ましい。
本発明では、さらに必要に応じて分散剤、表面張力調整剤又は浸透剤(界面活性剤)、湿潤乾燥防止剤、防腐剤、殺菌剤、pH調整剤、防錆剤、保湿剤、その他の添加剤を用いてもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
次に、本発明のインクジェットインクの製造方法としては、例えば、本発明のインクジェットインク用ポリマー組成物、水性媒体、水酸化ナトリウム等のアルカリ等を高速攪拌により乳化し、さらに、顔料等を投入し、ディスパー等で強力に分散する方法等が挙げられる。さらに、必要に応じて、三本ロールミル等で分散し、得られた顔料スラリーを高圧分散機等で顔料を所定粒子径まで分散し、次いで得られた顔料分散液から有機溶剤等を除去する方法等を行ってもよい。
前述の高圧分散機としては、特に限定されず、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディックス社)、アルティマイザー(スギノマシン社)、湿式ジェットミル(ジーナス社)、ナノマイザー(エス・ジーエンジニアリング社)等が挙げられる。
前述の高圧分散機で分散する際の圧力は、所望とする顔料粒子径に到達できれば幾らでもよいが、100MPa〜300MPaが好ましい。100MPa未満では分散粒径が大きくなりやすく、分散に時間がかかったり、パス数を極端に多くしなければ安定した分散体になりにくく経済的でない。また、300MPaを超えると過分散になりやすく、分散体の安定性が得られにくい。なお、所望の顔料粒子径に到達できない場合は、前述の圧力の範囲で分散回数を増やしたり、圧力を上げたりして分散してもよい。
また、本発明のインクジェットインクの製造方法には、重合が完了した前述のインクジェットインク用ポリマー組成物にアルカリ溶液が加えられて加熱され、その後、溶媒が除去され、イオン交換水等で置換されたインクジェットインク用ポリマー組成物溶液を使用してもよい。
さらに、重合が完了した前述のインクジェットインク用ポリマーを減圧蒸留によって溶媒を除去し、得られたインクジェットインク用ポリマーの固形物を粉砕し、イオン交換水、アルカリ溶液等を加えて加熱溶解して、得られたインクジェットインク用ポリマー溶液を使用してもよい。この場合、その後、得られた顔料分散液から有機溶剤等を除去することは不要となる。
前述のアルカリ溶液に用いられるアルカリとしては、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン等の第3級のアルカノールアミンやアルキルアルカノールアミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の無機塩基等が挙げられる。
(実施例)
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り種々の変更は可能である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り種々の変更は可能である。
攪拌装置、還流管、温度計、滴下ロートを備えた2000mlのセパラブルフラスコ内を窒素置換した後、ジエチレングリコールモノメチルエーテル200.0重量部をセパラブルフラスコに入れて攪拌しながら80℃に昇温した。次いで、滴下ロートにジエチレングリコールモノメチルエーテル200.0重量部、ベンジルアクリレート486.0重量部、アクリル酸46.8重量部及びt−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)3.0重量部を入れ、80℃で4時間かけてセパラブルフラスコ中に滴下して反応させた。滴下終了後、80℃で1時間保持した後、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)0.6重量部を加え、さらに80℃で1時間反応を行った。その後、減圧蒸留によりジエチレングリコールモノメチルエーテルを除去した。そして、メチルエチルケトン560.0重量部を加え、樹脂固形分50%のポリマー組成物溶液を得た。このようにして得られたポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたポリマー組成物の固形物の酸価は60mgKOH/gであり、重量平均分子量は49000であった。
続いて、銅フタロシアニンを有機色素残基とする式(3)で表される顔料誘導体(以下「顔料誘導体(3)ということもある。」)を1.0部、C.I.ピグメントブルー15:4を9.0部、エチレングリコールを20部、硫酸ナトリウムを100部混合し、ニーダーで50℃〜70℃で10時間混練した。混練物を温水に分散後、濾過、洗浄することで表面処理されたC.I.ピグメントブルー15:4を得た。
次に、ポリマー組成物溶液120.0重量部に対して30%水酸化ナトリウム水溶液3.0重量部を加えて、高速ディスパーで5分間攪拌し、さらに表面処理されたC.I.ピグメントブルー15:4を顔料濃度30%のペーストとしたものを、480.0重量部加えて高速ディスパーで1時間半攪拌し、顔料分散スラリーを得た。そして、その顔料分散スラリーを超高圧ホモジナイザー(マイクロフルイダイザー、みずほ工業株式会社製)により200MPaの圧力で10回連続して分散を繰り返し、顔料分散液を得た。
さらに、そのようにして得られた顔料分散液からエバポレーターを用いた減圧蒸留によりメチルエチルケトンおよび水の一部を留去し、遠心分離機(05P−21、日立製作所製)により30分5000rpmで遠心分離させた後、顔料濃度15重量%になるようにイオン交換水を添加して顔料分散体を調製した。そして、5μmのメンブレンフィルター(アドバンテック社製)を用いて加圧ろ過した。その後、表2に示すインク組成1のインクジェット用インクを作成した。なお式(2)で表される化合物については、Rがノニル基で、nが7、mが4である、PO、EOの順序で付加したブロック構造を有する物質を用いた。
式(4)で表される顔料誘導体(以下「顔料誘導体(4)ということもある。」)で表面処理されたC.I.ピグメントレッド255を使用し顔料分散液を調製した以外は、実施例1と同様の方法を用い、表2に示すインク組成2のインクジェット用インクを作成した。
式(5)で表される顔料誘導体(以下「顔料誘導体(5)ということもある。」)で表面処理されたC.I.ピグメントイエロー74を使用し顔料分散液を調製した以外は、実施例1と同様の方法を用い、表2に示すインク組成3のインクジェット用インクを作成した。
実施例1と同様の方法を用いて得られた顔料誘導体(3)を1.0部、C.I.ピグメントブルー15:3を9.0部、エチレングリコールを20部、硫酸ナトリウムを100部混合し、ニーダーで50℃〜70℃で10時間混練した。混練物を温水に分散後、濾過、洗浄することで表面処理されたC.I.ピグメントブルー15:3を得た。
続いて、攪拌装置、還流管、温度計、滴下ロートを備えた2000mlのセパラブルフラスコ内を窒素置換した後、ジエチレングリコールモノメチルエーテル200.0重量部をセパラブルフラスコに入れて攪拌しながら80℃に昇温した。次いで、滴下ロートにジエチレングリコールモノメチルエーテル200.0重量部、ベンジルアクリレート486.0重量部、アクリル酸36.0重量部及びt−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)5.9重量部を入れ、80℃で4時間かけてセパラブルフラスコ中に滴下して反応させた。滴下終了後、80℃で1時間保持した後、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)0.6重量部を加え、さらに80℃で1時間反応を行った。その後、減圧蒸留によりジエチレングリコールモノメチルエーテルを除去した。そして、メチルエチルケトン560.0重量部を加え、樹脂固形分50%のポリマー組成物溶液を得た。このようにして得られたポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたポリマー組成物の固形物の酸価は95mgKOH/gであり、重量平均分子量は26000であった。
この後、実施例1と同様の方法を用いて顔料分散液の調製を行い、表2に示すインク組成4のインクジェット用インクを作成した。なお化合物(2)については、Rがデシル基で、nが6、mが4である、EO、POの順序で付加したブロック構造を有する物質を用いた。
C.I.ピグメントブルー15:3に替えてC.I.ピグメントバイオレット19に、また顔料誘導体(3)に替えて顔料誘導体(4)とした以外は実施例4と同様に行い、表2に示すインク組成5のインクジェット用インクを作成した。
C.I.ピグメントブルー15:3に替えてC.I.ピグメントイエロー98に、顔料誘導体(3)に替えて顔料誘導体(5)とした以外は実施例4と同様に行い、表2に示すインク組成6のインクジェット用インクを作成した。
化合物(2)のnを9、mを5に変更した以外は、実施例1と同様に行い、表2に示すインク組成7のインクジェット用インクを作成した。
化合物(2)のRをドデシル基に変更し、nを5、mを6に変更した以外は、実施例1と同様に行い、表2に示すインク組成8のインクジェット用インクを作成した。
アクリル酸46.8重量部に替えて、アクリル酸を70.0重量部にした以外は、実施例1と同様に行い、表2に示すインク組成9のインクジェット用インクを作成した。なお、ポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたインクジェットインク用ポリマー組成物の固形物の酸価は100mgKOH/gであり、重量平均分子量は31000であった。
化合物(2)のnを7、mを4とする、PO、EOの付加形態がランダム構造を有する物質に変更した以外は、実施例1と同様に行い、表2に示すインク組成10のインクジェット用インクを作成した。なお、ポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたインクジェットインク用ポリマー組成物の固形物の酸価は55mgKOH/gであり、重量平均分子量は48000であった。
(比較例1)
顔料誘導体(3)を添加せず、顔料表面処理を行わない以外は実施例1と同様に行い、表2に示すインク組成11のインクジェット用インクを作成した。
顔料誘導体(3)を添加せず、顔料表面処理を行わない以外は実施例1と同様に行い、表2に示すインク組成11のインクジェット用インクを作成した。
(比較例2)
顔料誘導体(4)を添加せず、顔料表面処理を行わない以外は実施例2と同様に行い、表2に示すインク組成12のインクジェット用インクを作成した。
顔料誘導体(4)を添加せず、顔料表面処理を行わない以外は実施例2と同様に行い、表2に示すインク組成12のインクジェット用インクを作成した。
(比較例3)
顔料誘導体(5)を添加せず、顔料表面処理を行わない以外は実施例3と同様に行い、表2に示すインク組成13のインクジェット用インクを作成した。
顔料誘導体(5)を添加せず、顔料表面処理を行わない以外は実施例3と同様に行い、表2に示すインク組成13のインクジェット用インクを作成した。
(比較例4)
化合物(2)のRをペンチル基に変更し、nを3、mを2に変更した以外は、実施例1と同様に行い、表2に示すインク組成14のインクジェット用インクを作成した。
化合物(2)のRをペンチル基に変更し、nを3、mを2に変更した以外は、実施例1と同様に行い、表2に示すインク組成14のインクジェット用インクを作成した。
(比較例5)
化合物(2)のRをペンチル基に変更し、nを3、mを2に変更した以外は、実施例2と同様に行い、表2に示すインク組成15のインクジェット用インクを作成した。
化合物(2)のRをペンチル基に変更し、nを3、mを2に変更した以外は、実施例2と同様に行い、表2に示すインク組成15のインクジェット用インクを作成した。
(比較例6)
化合物(2)のRをペンチル基に変更し、nを3、mを2に変更した以外は、実施例3と同様に行い、表2に示すインク組成16のインクジェット用インクを作成した。
化合物(2)のRをペンチル基に変更し、nを3、mを2に変更した以外は、実施例3と同様に行い、表2に示すインク組成16のインクジェット用インクを作成した。
(比較例7)
アクリル酸46.8重量部に替えて、アクリル酸を30.0重量部にした以外は、実施例1と同様に行い、表2に示すインク組成17のインクジェット用インクを作成した。なお、ポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたインクジェットインク用ポリマー組成物の固形物の酸価は40mgKOH/gであり、重量平均分子量は28000であった。
アクリル酸46.8重量部に替えて、アクリル酸を30.0重量部にした以外は、実施例1と同様に行い、表2に示すインク組成17のインクジェット用インクを作成した。なお、ポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたインクジェットインク用ポリマー組成物の固形物の酸価は40mgKOH/gであり、重量平均分子量は28000であった。
(比較例8)
アクリル酸46.8重量部に替えて、アクリル酸を50.0重量部、メタクリル酸を40.0部にした以外は、実施例1と同様に行い、表2に示すインク組成18のインクジェット用インクを作成した。なお、ポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたインクジェットインク用ポリマー組成物の固形物の酸価は110mgKOH/gであり、重量平均分子量は110000であった。
アクリル酸46.8重量部に替えて、アクリル酸を50.0重量部、メタクリル酸を40.0部にした以外は、実施例1と同様に行い、表2に示すインク組成18のインクジェット用インクを作成した。なお、ポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたインクジェットインク用ポリマー組成物の固形物の酸価は110mgKOH/gであり、重量平均分子量は110000であった。
(比較例9)
アクリル酸46.8重量部に替えて、アクリル酸を100.0重量部にした以外は、実施例1と同様に行い、表2に示すインク組成19のインクジェット用インクを作成した。なお、ポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたインクジェットインク用ポリマー組成物の固形物の酸価は130mgKOH/gであり、重量平均分子量は50000であった。
アクリル酸46.8重量部に替えて、アクリル酸を100.0重量部にした以外は、実施例1と同様に行い、表2に示すインク組成19のインクジェット用インクを作成した。なお、ポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたインクジェットインク用ポリマー組成物の固形物の酸価は130mgKOH/gであり、重量平均分子量は50000であった。
(比較例10)
t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)の添加量を3.6重量部から9.1重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、表2に示すインク組成20のインクジェット用インクを作成した。なお、ポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたインクジェットインク用ポリマー組成物の固形物の酸価は60mgKOH/gであり、重量平均分子量は18000であった。
t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)の添加量を3.6重量部から9.1重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、表2に示すインク組成20のインクジェット用インクを作成した。なお、ポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたインクジェットインク用ポリマー組成物の固形物の酸価は60mgKOH/gであり、重量平均分子量は18000であった。
(比較例11)
t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)の添加量を3.6重量部から1.8重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、表2に示すインク組成21のインクジェット用インクを作成した。なお、ポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたインクジェットインク用ポリマー組成物の固形物の酸価は60mgKOH/gであり、重量平均分子量は130000であった。
t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)の添加量を3.6重量部から1.8重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、表2に示すインク組成21のインクジェット用インクを作成した。なお、ポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたインクジェットインク用ポリマー組成物の固形物の酸価は60mgKOH/gであり、重量平均分子量は130000であった。
(評価試験1:普通紙発色性の評価方法)
実施例1〜10及び比較例1〜11に係るインクジェットインクを、インクジェットプリンター(EM−930C、セイコーエプソン株式会社製)を用い、XeroxP紙に(富士ゼロックス社製)にベタ印字し、試験体を得た。印字モードは用紙:普通紙、印字品質:スーパーファイン、色補正:なし、印字方向:双方向で行なった。そして、GRETAGMACBETH SPECTROSCANSP50(Gretag社(米国)製)を用いて各色のOD値を測定することによる。結果はOD値の値として表1に示す。
実施例1〜10及び比較例1〜11に係るインクジェットインクを、インクジェットプリンター(EM−930C、セイコーエプソン株式会社製)を用い、XeroxP紙に(富士ゼロックス社製)にベタ印字し、試験体を得た。印字モードは用紙:普通紙、印字品質:スーパーファイン、色補正:なし、印字方向:双方向で行なった。そして、GRETAGMACBETH SPECTROSCANSP50(Gretag社(米国)製)を用いて各色のOD値を測定することによる。結果はOD値の値として表1に示す。
(評価試験2:光沢度の評価方法)
実施例1〜10及び比較例1〜11に係るインクジェットインクを、インクジェットプリンター(EM−930C、セイコーエプソン株式会社製)で写真用紙<光沢>(セイコーエプソン株式会社製)にベタ印字し、試験体を得た。印字モードは用紙:フォトプリント紙、印字品質:フォト、色補正:なし、印字方向:双方向で行なった。この試験体の20度光沢を光沢計(HG−268、スガ試験機株式会社製)で測定した。その結果を表1に示す。
実施例1〜10及び比較例1〜11に係るインクジェットインクを、インクジェットプリンター(EM−930C、セイコーエプソン株式会社製)で写真用紙<光沢>(セイコーエプソン株式会社製)にベタ印字し、試験体を得た。印字モードは用紙:フォトプリント紙、印字品質:フォト、色補正:なし、印字方向:双方向で行なった。この試験体の20度光沢を光沢計(HG−268、スガ試験機株式会社製)で測定した。その結果を表1に示す。
(評価試験3:分散性の評価方法)
実施例1〜10及び比較例1〜11に係るインクジェットインク中の粒子の平均粒子径を、レーザー粒径解析装置(ゼータサイザー3000、マルバーン社(英国)製)で測定した。その結果を表1に示す。
実施例1〜10及び比較例1〜11に係るインクジェットインク中の粒子の平均粒子径を、レーザー粒径解析装置(ゼータサイザー3000、マルバーン社(英国)製)で測定した。その結果を表1に示す。
(評価試験4:保存安定性の評価方法)
実施例1〜10及び比較例1〜11に用いたインクジェットインク用顔料分散体の初期粘度及び70℃で1週間静置した後の粘度を、ローリングボール式粘度計(AMVn、アントンパール(ドイツ国)社製)で測定した。その結果を、保存安定性:70℃で1週間静置した後の粘度(mPa・s)/初期粘度(mPa・s)の値として表1に示す。尚、表1には、インクジェットインクを製造した際に用いたモノマー組成、重合開始剤及び顔料、並びに、インクジェットインク組成も示す。
実施例1〜10及び比較例1〜11に用いたインクジェットインク用顔料分散体の初期粘度及び70℃で1週間静置した後の粘度を、ローリングボール式粘度計(AMVn、アントンパール(ドイツ国)社製)で測定した。その結果を、保存安定性:70℃で1週間静置した後の粘度(mPa・s)/初期粘度(mPa・s)の値として表1に示す。尚、表1には、インクジェットインクを製造した際に用いたモノマー組成、重合開始剤及び顔料、並びに、インクジェットインク組成も示す。
尚、表1および表2において示す略号は以下の通りである。
BZA:ベンジルアクリレート
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
BPEH:t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)
PB15:3 :C.I.ピグメントブルー15:3
PB15:4 :C.I.ピグメントブルー15:4
PR255 :C.I.ピグメントレッド255
PV19 :C.I.ピグメントバイオレット19
PY74 :C.I.ピグメントイエロー74
PY98 :C.I.ピグメントイエロー98
DEGmBE:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
TEGmBE:トリエチレングリコールモノブチルエーテル
PGmBE:プロピレングリコールモノブチルエーテル
DPGmBE:ジプロピレングリコールモノブチルエーテル
BEPD:2−ブチル−2−エチル−1、3−プロパンジオール
1、2−HD:1、2−ヘキサンジオール
TMP:トリメチロールプロパン
BZA:ベンジルアクリレート
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
BPEH:t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)
PB15:3 :C.I.ピグメントブルー15:3
PB15:4 :C.I.ピグメントブルー15:4
PR255 :C.I.ピグメントレッド255
PV19 :C.I.ピグメントバイオレット19
PY74 :C.I.ピグメントイエロー74
PY98 :C.I.ピグメントイエロー98
DEGmBE:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
TEGmBE:トリエチレングリコールモノブチルエーテル
PGmBE:プロピレングリコールモノブチルエーテル
DPGmBE:ジプロピレングリコールモノブチルエーテル
BEPD:2−ブチル−2−エチル−1、3−プロパンジオール
1、2−HD:1、2−ヘキサンジオール
TMP:トリメチロールプロパン
表1ではBZA、AA、MAA、BPEH、PB15:3、PB15:4、PR255、PV19、PY74およびPY98は重量部で示す。また、表2においては各成分の重量%で示す。また表1に、式(2)中のRの炭素数、プロピレンオキシPOの付加モル数(n)とエチレンオキシEOの付加モル数(m)の比率をそれぞれ示す。式(2)中のPO、EO付加形態にはRにプロピレンオキシPOおよびエチレンオキシEOがブロック付加されるかとランダム付加されるかの別を示す。なお、ブロック付加の場合の、PO、EO付加順はRにプロピレンオキシPOが先に付加されるものをPOEOとし、アルキル基RにエチレンオキシEOが先に付加されるものをEOPOとして示した。
表1の結果からわかるように、実施例1〜10に係るインクジェットインクを用いた場合は評価試験1〜4何れも良好な結果であるが比較例1〜11に係るインクジェットインクを用いた場合は、評価試験1〜4何れかまたは複数の項目で良好な結果にならない。
Claims (7)
- 水と、顔料と、当該顔料を分散させるためのポリマーと、式(1)で表される顔料誘導体と、式(2)で表される化合物とを含むことを特徴とするインクジェット記録用インク。
- 前記式(1)で表される顔料誘導体が、前記顔料の表面に存在することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
- 前記ポリマーが、その構成成分として少なくとも50重量%以上のベンジルアクリレートと、15重量%以下の(メタ)アクリル酸とが重合され、酸価が50mgKOH/g以上120mgKOH/g以下であり、重量平均分子量が20000以上120000以下である、請求項1または2に記載のインクジェット記録用インク。
- 0.05重量%以上1重量%以下の2、4、7、9−テトラメチル−5−デシン−4、7−ジオールおよび2、4、7、9−テトラメチル−5−デシン−4、7−ジオールのアルキレンオキシド付加物から選ばれた1種以上を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
- 1、2−アルキレングリコールを含んでなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
- ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテルおよび(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルから選ばれた1種以上を含んでなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
- 2−ブチル−2−エチル−1、3−プロパンジオールを含んでなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007076127A JP2008231338A (ja) | 2007-03-23 | 2007-03-23 | インクジェット記録用インク |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8371687B2 (en) | 2008-12-26 | 2013-02-12 | Fujifilm Corporation | Ink composition and image formation method |
-
2007
- 2007-03-23 JP JP2007076127A patent/JP2008231338A/ja not_active Withdrawn
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