JP2008231257A - 吸音材料およびその製造方法、並びにその再生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、その使用、再利用、および廃棄処分において環境負荷を最小限に抑制し、優れた吸音性を有するとともに、水溶解性を備えた吸音材料に関する技術を開発することを目的とするものである。
【解決手段】 本発明の吸音材は、一種以上の水溶性高分子からなる水溶性の発泡マトリクスと、マトリクス中に分散するイオン系界面活性剤と、水とで形成された多孔質体であって、該多孔質体を構成する気孔が、気泡の破壊により連通している気孔であることを特徴とする。
この吸音材は、水溶性の発泡マトリクスおよびイオン系界面活性剤からなる水溶液を発泡して発泡組成物を得る工程と、前記発泡組成物を凍結させ発泡凍結物を得る工程と、 前記発泡凍結物を乾燥する工程とから製造することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、一種以上の水溶性高分子からなる水溶性の発泡マトリクスおよびイオン系界面活性剤を用いた吸音材料およびその製造方法、並びにその再生方法に関する。
近年、自然環境保護の見地から、自然環境中で分解する生分解性樹脂及びその成形品、並びに発泡品が求められ、例えば脂肪族ポリエステルやでんぷんまたはそれらを化学的に改質した物質等による生分解性樹脂の研究が活発に行なわれている。しかしこれらを、吸音材料として用いるには、その組成・構造などから特筆すべき吸音効果がなく、応用例は存在しない。また、従来の石油系由来の有機高分子多孔質体を用いた吸音材料に関しては、意外にも吸音性能が弱く、また原料の有害性、燃焼時の有害性、リサイクル困難性などの面からも代替が必要である(特許文献1参照)。
従来の有機高分子多孔質体の吸音材料は、材料の気孔内に当てられた振動エネルギーを熱エネルギーに変換して吸音特性を良くするというメカニズムで吸音性能が発揮されるようになっているため、十分な吸音性を確保しようとしたときには、厚みを厚くしたり、繊維径を太くしたり、繊維長を長くしたり、繊維密度を大きくしたりするなど、単位重量当たりの表面積を大きくして、空気との接触面積を増やさなければならなかった。このため、高性能な吸音材料としようとすると、厚く嵩高なものとなってしまい、例えば障子紙や壁紙、家電機器におけるケーシングやカバーといった厚みやスペースの制限されるような用途には用いることはできなかった。
他方、水溶性高分子の中でも特に天然由来である、水溶性多糖類または水溶性蛋白質等においては安全性が高く、且つ自然環境中に放出された場合、速やかに微生物によって分解され、消滅する。こうした材料のうち、特にゲル形成能を有するものは、増粘剤・ゲル化剤として、食品・化粧品・トイレタリー等の分野で広く使用される。また、成形性を有するため、例えばオブラート等可食性フィルムとして使用されている。しかしながら従来この可食性フィルムは薄く、強度が小さく、構造材等には使用不可能であった。
天然水溶性多糖類または水溶性蛋白質の中でも、例えば海草中の成分であるアルギン酸は、船舶の航行に障害となる海草から採取することができる。また、食糧問題に影響しない不要な物質を原料として用い得るため、コストを最小限に抑制できる可能性がある。この物質は、水溶性であるという特性を有しており、環境負荷の低減された将来の樹脂材料として有望であり、アルギン酸を用いて生分解性ポリマーを作製することも試みられている(特許文献2、3参照)。こうした生分解性ポリマーは、アルギン酸またはその金属塩に起泡剤、可塑剤、および架橋剤等を混合し、保水性を有する材料である。しかしながらこの材料は表面が堅く、圧縮性能がなく、構造材等として使用するにはこれまでは適さなかった。そこで我々は、このような用途に用いるために鋭意研究を重ねた結果、吸音材料として使用可能な発泡材料を得ることを検討している
特開平10−541432号公報 特開平8−337674号公報 特開2005−166971号公報 特開2005−285507号公報
本発明は、その使用、再利用、および廃棄処分において環境負荷を最小限に抑制し、優れた吸音性を有するとともに、水溶解性を備えた吸音材料に関する技術を開発することを目的とするものである。
第1の本発明は、一種以上の水溶性高分子からなる水溶性の発泡マトリクスと、マトリクス中に分散するイオン系界面活性剤と、水とで形成された多孔質体であって、該多孔質体を構成する気孔が、気泡の破壊により連通している気孔であることを特徴とする吸音材料である。
前記水溶性の発泡マトリクスがアルギン酸またはその塩またはその誘導体であることを特徴とする吸音材料である。
第2の本発明は、水溶性の発泡マトリクスおよびイオン系界面活性剤からなる水溶液を発泡して発泡組成物を得る工程と、前記発泡組成物を凍結させ発泡凍結物を得る工程と、前記発泡凍結物を乾燥する工程とを具備することを特徴とする吸音材料の製造方法である。
第3の本発明は、水溶性の発泡マトリクスおよびイオン系界面活性剤および水で形成された吸音材料を水に溶解して水溶性の発泡マトリクスおよびイオン系界面活性剤の水溶物を得る工程と、前記水溶物を発泡して発泡組成物を得る工程と、前記発泡組成物を凍結させ発泡凍結物を得る工程と、前記発泡凍結物を乾燥させ吸音材料を形成する工程とを具備することを特徴とする吸音材料の再生方法である。
本発明によれば、環境負荷を最小限に抑制され、優れた吸音性を有するとともに、水溶解性を備えた吸音材料を得ることができる。さらに、この吸音材料を簡便な方法により再生することができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明者らは、水溶性高分子由来の吸音材料について鋭意研究を重ねた結果、一種以上の水溶性高分子からなる水溶性の発泡マトリクスおよびイオン系界面活性剤を含有し、マトリクス樹脂が気泡破壊により連なった層状の気孔を有すれば、家電等に用いる場合の重要な周波数領域において、従来材に比べて良好な吸音効果を得られることを見いだした。
また、水溶性高分子を吸音材料にする場合において、材料の構造を工夫することによって次のような効果を得られることを見出した。すなわち、加熱処理を施しても材料特有の凝固性が発現することなく機械的特性を維持することができる。しかも、凝固剤などの添加剤の含有を抑制できるため、製品をリサイクル・廃棄する場合に、従来材に比べ処理が容易である。本発明は、こうした知見に基づいて完成されたものである。
本発明の実施形態にかかる発泡組成物は、一種以上の水溶性高分子を含有するものであり、かかる水溶性高分子からなる水溶性の発泡マトリクスを後述の任意の方法にて発泡させることによって、本発明の実施形態にかかる吸音材料が得られる。
以下、吸音材料の構造、吸音性向上のメカニズム、水溶性高分子材料、発泡組成物、吸音材料の製造方法、吸音材料の再生方法について順次説明する。
(吸音材料の構造)
本実施の形態の吸音材料は、吸音材料の断面写真である図1に見られるように、吸音材料マトリックス樹脂に独立気泡状に形成されている気泡の隔壁が破壊され、連通気孔となっているものである。吸音材料がこのような状態であれば、吸音材料の性質は大幅に変動されないが、好ましくは特許文献4に記載のように、気孔の最小径が、0.10mm以上0.35mm以下であり、最小径と最大径のアスペクト比が3以上であり、気孔の容積率が80%以上であることが好ましい。
(吸音のメカニズム)
本実施の形態の吸音材料は、発泡マトリクス中に樹脂とは異なる異物いわゆるイオン系界面活性剤と水分が存在することによって、吸音性向上の効果が現れる。前に記載の通り、吸音材料は材料の気孔内に当てられた振動エネルギーを熱エネルギーに変換して吸音特性を良くするというメカニズムで吸音性能が発揮されるようになっているが、本材料では振動により界面活性剤の親水基が水分にひきつけられやすくなる。電気的な振動を起こしやすくなると推測されるイオン性界面活性剤の導入により、これの近づきや離れにより振動エネルギーが増徴されやすくなることで、樹脂と界面活性剤、または界面活性剤同士の摩擦により発熱が促進されると推測される。本発明はこの原理を用いて吸音材料の吸音性を高めるという効果を狙ったものである。
(水溶性高分子材料)
本発泡組成物において、水溶性高分子としては、以下のものが挙げられる。すなわち、アルギン酸、ヒアルロン酸、カラゲナン、寒天、キサンタンガム、ジェランガム、ローカストビーンガム、グアーガム、アラビアガム、ガッティガム、ペクチン、キトサン、マンナン、セルロース、デキストリン、グリコーゲン、澱粉、アミロース、アミロペクチン、にかわ、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルデキストラン、カルボキシメチルプルラン;およびこれらの金属塩、またはこれらの生理学的に許容される人工的な誘導体;およびカルボキシルメチルキチンなどのキチン誘導体;ゼラチン、アルブミン、プロタミン、レシチン、カゼイン、卵白蛋白質、卵黄蛋白質、米蛋白質、小麦蛋白質、大豆蛋白質;およびこれらの金属塩、またはこれらの生理学的に許容される人工的な誘導体;ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等の合成水溶性高分子物質;およびこれらの金属塩、またはこれらの生理学的に許容される人工的な誘導体などである。
水溶性高分子の重合平均分子量は、その種類に応じて適宜決定することができる。例えば、アルギン酸類であれば、重量平均分子量は70,000〜100,000程度が好ましい。この場合の重合度は、299〜427程度に相当する。また、ヒアルロン酸類であれば、重量平均分子量は100,000〜150,000程度が好ましく、この場合の重合度は、220〜331程度に相当する。さらに澱粉類であれば100,000〜1,000,000程度が好ましく、この場合の重合度は、617〜6,173程度に相当する。一般的に、水溶性多糖類または水溶性蛋白質の重量平均分子量が増加すると、粘性が増加し溶解が困難となると同時に、吸音材料の加工性が困難となる傾向にある。このため、重量平均分子量の上限は、1,000,000程度に留めることが好ましい。
本発明においては、これらの水溶性高分子は、単独で、もしくは二種以上の材料を混合して用いることができる。これによって、吸音材料の吸音特性、機械的特性、見かけ密度等の特性を改善することができる。
二種以上の高分子材料を混合して用いる場合には、見かけ密度すなわちフィルム状に成形した場合の密度が異なるものを混合することが好ましい。その理由は、高分子材料の水溶性、線形性、ゲル化性能等により吸音材料にした場合の発現する性質が異なるため、各高分子材料の短所を補完するような形で、二種以上の高分子材料を混合することにより、吸音特性、機械的特性、発泡倍率、水溶性能等の特性を改善することができるからである。
(発泡組成物)
上述したような水溶性高分子は、イオン系界面活性剤とともに水に溶解して、本発明の実施形態にかかる発泡組成物が得られる。
なお本発明の実施形態にかかる発泡組成物には、起泡性の向上、生成した気泡の安定化、および吸音材料の吸音性を向上のために、イオン系界面活性剤を添加する。イオン系界面活性剤は、主にカチオン系、アニオン系、両性系、その他に分類することができ、カチオン系は例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例;塩化アルキルトリメチルアンモニウム)、ジアルキルジメチルアンモニウム塩(例;塩化ジアルキルジメチルアンモニウム)、塩化ベンザルコニウム塩、アルキルピリジニウムクロリド、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、Nメチルビスヒドロキシエチルアミン脂肪酸エステル塩酸塩、モノカルボキシ−ココ−イミダゾリン化合物、ジカルボキシ−ココ−イミダゾリン化合物、などが挙げられる。アニオン系は例えば、脂肪酸塩(ステアリン酸ナトリウム、天然の牛脂やヤシ油、パーム油などを原料とした石鹸、ロジン石鹸、等)、アルキル硫酸塩(AS;ドデシル硫酸ナトリウム等)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、モノアルキルリン酸塩、アルファスルホ脂肪酸エステル塩(α−SFE)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ABS)[疎水基の炭化水素が直鎖のものは,直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)]、αオレフィンスルホン酸塩(AOS)、その他のスルホン酸塩(スルホコハク酸塩等)、アルキルエーテル硫酸エステル塩(AES)、アルキル硫酸トリエタノールアミン、アルキルエーテルカルボン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩およびそのホルムアルデヒド縮合物、アルカンスルホン酸塩(SAS)、高級アルコールやモノアルキル(MAP)、およびその酸化エチレン付加物などのリン酸エステル塩、アシルーN−メチルタウリン塩、などが挙げられる。両性系は例えば、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン 、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン 、アルキルアミノ脂肪酸塩(N−アルキル−β−アラニン)、アルキルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタイン、などが挙げられる。その他の物質としては例えば、リン脂質(レシチン等)や、植物界に広く分布するサポニン系化合物などが挙げられる。なおイオン系界面活性剤は、水溶性・安全性・生分解性等を勘案して適宜選択すればよいが、これらに限定されるものではない。
イオン系界面活性剤の添加量は、通常、発泡組成物100重量%に対して1〜10重量%程度である。添加量が1重量%未満の場合には、イオン系界面活性剤の効果を十分に得ることが困難となる。一方、10重量%を越えると、吸音材料の吸音特性や機械特性、および環境調和性が損なわれるおそれがある。
イオン系界面活性剤の粒子形状は、球状または楕円球状またはチップ状に粉砕されたものが好ましく、またサイズは、最大長が約1μm〜約1mm程度が効果的であるが、より好ましくは、0.1mm以上0.7mm以下程度である。
また本発明の実施形態にかかる発泡組成物には、成形した吸音材料の機械的特性を最適なものに調整するために、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、例えば、グリセロール、グルコース、多価アルコール、トリエタノールアミン、ステアリン酸塩、ジグリセリン、トリグリセリン、ぺンタグリセリン、デカグリセリンから選ぶことができる。可塑剤は、水溶性・安全性・生分解性等を勘案して適宜選択すればよいが、これらに限定されるものではない。可塑剤は、発泡後の吸音材料に柔軟性を与え、かつ吸音材料製造時の送風乾燥の際に収縮を低減する作用を有する。
可塑剤の含有量は、通常、発泡組成物100重量%に対して10〜30重量%程度である。10重量%未満の場合には、可塑剤の効果を十分に得ることが困難となる。一方、30重量%を越えると、吸音材料のもつ機械特性や環境調和性が損なわれるおそれがある。好ましくは、15〜25重量%程度である。
本発明の発泡組成物には、必要に応じて、オリゴマーあるいはポリマーのフォーム改質剤を含有させてもよい。フォーム改質剤を含有することによって、吸音材料の柔軟性や靱性を改善するため用いることができる。フォーム改質剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリオキサゾリン、およびポリエチレンイミンなどが挙げられる。こうしたフォーム改質剤を用いる場合には、発泡組成物100重量%に対して1重量%程度の割合で配合すれば、その効果を得ることができる。ただし、フォーム改質剤が過剰に含有された場合には、吸音材料のもつ機械特性や環境調和性が損なわれるといった不都合が生じるおそれがあるので、その配合量は、発泡組成物100重量%に対して3重量%程度に留めることが望まれる。
本発明の実施形態にかかる発泡組成物には、必要に応じて熱に対する安定性を高める意味合いでフォーム安定剤を配合してもよい。フォーム安定剤は、例えば、ステアリン酸アンモニウム、ドデシルアルコール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、トリデシルオキシポリエタノール、およびポリオキシエチル化オレイルアミンから選ぶことができる。その配合量は、特に限定されないが、通常発泡組成物100重量%に対して1重量%程度であれば、十分な効果を発揮することができる。ただし、過剰に配合された場合には、吸音材料のもつ機械特性や環境調和性が損なわれるおそれがあるので、配合量の上限は3重量%程度に留めることが望まれる。
(発泡組成物の粘度)
発泡組成物の粘度は、1.0×10(Pa・s)以上1.5×10(Pa・s)以下であることが好ましい。本発明の実施形態にかかる発泡組成物は水に溶解して調製されるが、粘性が低いと発泡状態の膜が破泡してしまうため、発泡組成物の粘度は1.0×10(Pa・s)以上とすることが好ましい。一方、吸音材料の発泡倍率と良好な緩衝特性を維持するために、本発明の実施形態にかかる発泡組成物の粘度の上限は1.5×10(Pa・s)が好ましい。
本実施の形態において、発泡組成物の粘度は、水溶性高分子の種類、重合度、重量平均分子量、および含有量によって決定される。したがって、この粘度範囲が得られるように、水溶性高分子の種類等に応じて含有量を調整すればよい。吸音材料の発泡の状態を良好に保つためには、水溶液粘度を制御することが好ましい。特に材料的な脆さが少なく、加工しやすく、ポリマーの耐久性が大きいことなどを考慮すると、粘度はこの範囲にあることが望まれる。
(吸音材料の製造)
上述したような一種以上の水溶性高分子およびイオン系界面活性剤を水に溶解して所定粘度の水溶液として、本実施の形態にかかる発泡組成物を得る。この発泡組成物を用いて、以下の方法により本実施の形態にかかる吸音材料を作製することができる。
吸音材料の作製に当たっては、まず、発泡組成物を機械的に攪拌することによって泡立てする。機械的攪拌は、例えばプレッシャーミキサー、連続高圧発泡ミキサー、台所用ミキサー、ビーター、ホモジナイザーによって行うことができる。なお、発泡組成物を泡立てする際、水溶液の粘度が材料の発泡の状態、性質等に大きく影響を及ぼすため、これを制御する必要がある。こうした理由から、発泡組成物の粘度は、上述したように1.0×10(Pa・s)以上1.5×10(Pa・s)以下であることが好ましい。
発泡組成物を泡立てすることによって、湿潤状態の吸音材料が形成される。例えば、これを所望の型内に注型し、流延して吸音材料のシート状ないし板状体を成形する。この厚さは、約1mm以下から約50mm以上の厚さに、用途に応じて任意に選択することができる。厚い板状体の場合は、内部に“気泡破壊”の層を有することもできる。“気泡破壊”とは、せん断力や切断などの外的要因により破泡し、気泡が肥大化または一部欠落する現象をさす。吸音材料の表面に存在する気泡は、著しく気泡破壊されずに、新たに製造された気泡と同様な外観であり、またほぼ等しい気泡径および気泡径分布を有する。図1に見られるように好ましくは、吸音材料は連通気泡を介して、マトリクスとなる水溶性樹脂が層構造になっているものがよい。吸音材料の気孔として、独立気泡が大部分を占めると、気孔の隔壁が厚くなったり、組成むらがでたりするため加熱時の機械的特性が低下して好ましくない。
注型後には、送風乾燥・凍結乾燥等の乾燥処理を施して水分を含有率10%以下まで除去することによって、目的の微細気泡構造を有する吸音材料が作製される。乾燥処理は、室温(25℃)にて2日間程度、または水の融点以下の温度かつ真空に近い圧力で1日程度行なうことが望まれる。十分に乾燥処理が行なわれなかった場合には、使用中の水分蒸発または流出により、水分に弱い物質に影響を及ぼすといった不都合が生じるおそれがある。また、吸音材料の特性を損なわず、良好な成形性を保つ観点から、10℃付近にて10Pa以下で乾燥を行うことが特に好ましいがこの方法に限定されない。常温対流乾燥などは、例えば、密閉空間内に送風を行うことが可能な装置(卓上換気装置、局所排気装置)によって達成することができる。
所定の条件下で乾燥処理を施すことによって、本発明の実施形態にかかる吸音材料が作製される。すなわち、水溶性高分子と、イオン系界面活性剤とによってマトリックスが構成され、このマトリックス中には、イオン系界面活性剤の作用により所定のサイズで形成された気泡が分散される。得られた吸音材料は、採寸後そのまま、電子機器等、予め水や湿度に触れる可能性の少ない部分に適用することができる。あるいは、本発明の実施形態にかかるシート状の吸音材料については、複数枚を重ねて使用してもよい。この場合には、少なくとも2層のシートは、互いに積層し機械的あるいは化学的に接着する。具体的には2液混合エポキシ系、ゴム系、シアノアクリレート系、酢酸ビニール樹脂エマルジョン、澱粉糊などの接着剤を使用したり、ホットメルト接着剤を塗工した樹脂フィルム、ポリイミド系接着フィルム、エチレン・アクリル酸系共重合体接着フィルムなどのフィルムを間に挟むことによって重ね合わせて複合構造を形成する。こうした材料も、電子機器等の予め水や湿度に触れる可能性の少ない部分に適用することが可能である。
(吸音材料の用途)
本発明の実施形態にかかる吸音材料は、吸音、共鳴防止などを目的として、スピーカやマイクロホンなどの音響機器を構成する材料や建築音響、騒音対策の分野で各種の音響処理に使われる材料として用いることができる。さらには、その他任意の形状で、玩具、DIY素材、シート材、家具部品、建築・土木用途の建材、自動車・電車等の移動装置、家電製品、OA機器の部材、発電装置、変電装置、コンプレッサー、内装材、およびハウジングなどに有効利用ができるものと期待される。
(吸音材料の評価)
なお、本発明で用いた吸音性評価方法は、JISA1405に基づいた垂直入射吸音率(定在波法)の測定である。吸音性評価方法にはこれ以外にも残響室法吸音率法(JISA1409)があるが、この手法によっても同様の効果が予想される。吸音材料を特定する際の吸音率は背後空気層のない状態、つまり、剛壁に密着した状態で100〜5000Hzの各周波数について測定した。結果については、ある周波数における吸音率が高い方が、吸音性が良いことになる。なお、吸音性評価結果についてはJISA1405規格が5000Hzまでを網羅領域としているが、電気機器の発する周波数が顕著に存在する領域への応用を考慮し参考値として10000Hzまでの吸音率を示したが、この5000〜10000Hzの範囲内においても良好な吸音性を示している。
また、吸音材料の評価として、水溶性の評価を行っているが、本実施の形態においては、一定量の吸音材料をその20倍量の室温の水に浸漬し、完全に溶解するまでの時間が60分以内であれば、十分な水溶性を有していると判断することができる。
(吸音材料の再生)
本発明の吸音材料は使用されることによって、経時劣化をおこし、吸音材料としての機能が低下することがある。こうした場合には、本発明の実施形態にかかる方法によって吸音材料を再生することができる。本発明の実施形態にかかる吸音材料は、水溶性高分子をマトリクス樹脂として含有しているので、使用後に水にて容易に処理することができる。すなわち、吸音材料を水に溶解して水溶物を得る工程と、前記水溶物を発泡させる工程と、前記水溶物から前記水を除去して再生吸音材料を成形する工程とを具備する方法によって、本発明の実施形態にかかる吸音材料を再生することが可能である。
基本的には、水に吸音材料を加え、フッ素樹脂(テフロン(登録商標))製などの撹拌翼が付随した撹拌装置等を用いて攪拌することによって溶解して水溶物を得ることができる。なおこの場合、樹脂の劣化を修復する手段として、新たな樹脂(バージン材)を加えることもできる。添加量は使用年数によっても異なるが、概ね再生前樹脂量の50〜150%程度の添加で耐久性を復元できる。吸音材料を水に溶解するに当たっては、得られる水溶物の粘度が所定の範囲内となるように、水量を調整することが望まれる。具体的には、吸音材料を溶解してなる水溶物の粘度は、1.0×10(Pa・s)以上1.5×10(Pa・s)以下であることが好ましい。すでに説明したように、吸音材料の水溶物を泡立てする際には、この水溶物の粘度が得られる吸音材料の発泡の状態、性質等に大きく影響を及ぼすため、これを事前に制御する必要がある。吸音材料の濃度によらず、数分から1時間で容易に溶解することができ、再生する場合に溶解に手間がかかることもない。吸音材料の溶解に当たっては、例えば加熱機能つき撹拌装置(ホットスターラー)等を用いて60℃程度まで昇温させてもよい。これによって、吸音材料の溶解を促進することが可能となる。ただし、過剰に高温に加熱した場合には、吸音材料に含まれる水溶性高分子の分子量低下が起こり、吸音材料の機械的特性全般が低下するおそれがある。これを避けるため、加熱温度の上限は80℃程度とすることが望まれる。
吸音材料を水に溶解させることによって、運搬の際には従来の吸音材料よりも大量に運ぶことが可能となり、吸音材料の再生や処理に有利となる。従来の吸音材料は、そのまま運搬する際には、車両の最大積載量に対して15重量%程度しか運ぶことができない。これに対して、本発明の実施形態にかかる吸音材料では、ほとんどの水溶性高分子において、15重量%以上で溶解することができる。また、水溶物の粘度を1.0×10(Pa・s)以上1.5×10(Pa・s)以下に制御することによって、発泡して再生することが可能である。運搬の際に粘度を所定の範囲に制御できなかった場合は、発泡直前にバージン材を混合すればよい。あるいは、水を混合して粘度を調整することによって、良好な吸音材料を再生することができる。
吸音材料を溶解して所定粘度の水溶物を得、これを用いて上述したような手法にしたがって再生吸音材料を作製することができる。すなわち、まず、水溶物を泡立てすることによって吸音材料の湿潤状態を形成する。
これを所望の型内に流延して、所定の厚さの板状体あるいは造形品を成形する。注型後には、室温または融点以下の温度で送風乾燥・凍結乾燥等の乾燥処理を施して、水分を除去することによって、目的の微細気泡構造を有する再生吸音材料が得られる。
所定の条件下で乾燥処理を施すことによって、水溶性高分子と、イオン系界面活性剤とを含むマトリックス、および、前記マトリックス中に分散され、前記イオン系界面活性剤により形成された気泡を含有する再生吸音材料が作製される。本発明の実施形態にかかる方法により再生された吸音材料は、使用前の吸音材料(バージンの吸音材料)と比較して、その特性は何等遜色ない。このため、バージンの吸音材料と同様の種々の用途に用いることができる。すなわち、再生された吸音材料は、採寸後そのまま、電子機器等、予め水や湿度に触れる可能性の少ない部分に適用することができる。あるいは、再生されたシート状の吸音材料は、複数枚を重ねて使用してもよい。この場合には、少なくとも2層のシートは、互いに積層し機械的あるいは化学的に接着する。具体的には接着剤を使用したり、フィルムを間に挟むことにより重ね合わせて複合構造を形成する。
上述したように、本発明の実施形態にかかる吸音材料は、特定の水溶性高分子とイオン系界面活性剤とを含有する組成物から作製されるので、環境負荷は最小限に低減される。しかも、優れた吸音特性および機械的特性を備えている。さらに、本発明の実施形態にかかる吸音材料は水溶性であることから、本発明の実施形態にかかる方法によって容易に再生することが可能である。再生後の吸音材料も、バージン材と同様に優れた吸音特性および機械的特性を備え、吸音材として再利用が可能となる。
以下、本発明の実施例および比較例を示す。
(実施例1)
まず、水溶性高分子としてアルギン酸プロピレングリコールエステル(キミカ製キミロイドHV、重量平均分子量Mw:約100,000)を用意し、6重量%の濃度で水に溶解して水溶液を調製した。得られた水溶液200gに、イオン系界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウム(和光純薬工業製;平均粒径0.35mm)1.2g、および可塑剤としてグリセリン(ナカライテスク製)2.3gを添加して、実施例1の発泡組成物を調製した。この発泡組成物を台所用ミキサーで撹拌して、吸音材料の湿潤状態を形成した。この発泡組成物をA4サイズ厚み2cm程度でシート状に引き伸ばし、−43℃で14時間予備凍結を行った。その後、乾燥温度10℃、圧力10Pa以下にて30時間乾燥を行って吸音材料を作製した。乾燥後の吸音材料の見かけ密度は0.058g/cm、発泡倍率は約15.9倍であった。この吸音材料を管内法(JISA1405)によってn=3の同一条件で測定した垂直入射吸音率の平均値を示したものを図2に示す。本発明の吸音材は、比較材料と比べて、1300Hz以下の領域では、吸音率に優位性が見られない場合もあるが、家電等で用いる場合に重要な領域であるそれ以上の領域では吸音率が高く、吸音特性が良いことがわかる。
また、吸音材料を5重量%の濃度で含む水溶液を調製し、吸音材料が完全に溶解するまでの時間(水溶時間)を測定した。本実施例においては、吸音材料は10分で完全に溶解しており、十分な水溶性を有していることがわかった。
(実施例2)
イオン系界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウムを0.6g加えた以外は、実施例1と同様の手法で実施例2の吸音材料を作製した。乾燥後の吸音材料の見かけ密度は0.064g/cm、発泡倍率は約14.4倍であった。この吸音材料を管内法(JISA1405)によってn=3の同一条件で測定した垂直入射吸音率の平均値を示したものを図2に示す。本発明の吸音材は、比較材料と比べて、2000Hz以下の領域では、吸音率の優位性が見られない場合もあるが、家電等で用いる場合に重要な領域であるそれ以上の領域では吸音率が高く、吸音特性が良いことがわかるが、実施例1よりは劣っている。
また、吸音材料を5重量%の濃度で含む水溶液を調製し、吸音材料が完全に溶解するまでの時間(水溶時間)を測定した。本実施例においては、吸音材料は10分で完全に溶解しており、十分な水溶性を有していることがわかった。
(実施例3)
実施例1で得られた吸音材料を、0.056kg/cmの荷重下で1週間静置した後、吸音材料の再生を行なった。再生に当たっては、まず、水に溶解して5重量%の濃度の水溶物を調製した。得られた水溶物の粘度は、2.8×10(Pa・s)であった。この水溶物を台所用ミキサーで撹拌して、吸音材料の湿潤状態を形成した。この発泡組成物をA4サイズ厚み2cm程度でシート状に引き伸ばし、−43℃で14時間予備凍結を行った。その後、乾燥温度10℃、圧力10Pa以下にて30時間乾燥を行って吸音材料を再生した。乾燥後の見かけ密度は0.055g/cm、発泡倍率は約16.7倍であった。この吸音材料を管内法(JISA1405)によってn=3の同一条件で測定した垂直入射吸音率の平均値を示したものを図2に示す。本発明の吸音材は、比較材料と比べて、1300Hz以下の領域では、吸音率に優位性が見られない場合もあるが、家電等で用いる場合に重要な領域であるそれ以上の領域では吸音率が高く、吸音特性が良いことがわかる。
また、吸音材料を5重量%の濃度で含む水溶液を調製し、吸音材料が完全に溶解するまでの時間(水溶時間)を測定した。本実施例においては、吸音材料は10分で完全に溶解しており、十分な水溶性を有していることがわかった。
(実施例4)
イオン系界面活性剤としてN−ラウロイルサルコシンナトリウム(ナカライテスク製)を1.2g入れた以外は、実施例1と同様の手法で実施例4の吸音材料を作製した。乾燥後の吸音材料の見かけ密度は0.067g/cm、発泡倍率は約13.7倍であった。この吸音材料を管内法(JISA1405)によってn=3の同一条件で測定した垂直入射吸音率の平均値を示したものを図2に示す。
本発明の吸音材は、比較材料と比べて、1150Hz以下の領域では、吸音率の優位性が見られない場合もあるが、家電等で用いる場合に重要な領域であるそれ以上の領域では吸音率が高く、吸音特性が良いことがわかる。
また、吸音材料を5重量%の濃度で含む水溶液を調製し、吸音材料が完全に溶解するまでの時間(水溶時間)を測定した。本実施例においては、吸音材料は15分で完全に溶解しており、十分な水溶性を有していることがわかった。
(実施例5)
イオン系界面活性剤としてラウリルベタイン(アンヒトール20BS 花王製)を1.2g入れた以外は、実施例1と同様の手法で実施例5の吸音材料を作製した。乾燥後の吸音材料の見かけ密度は0.070g/cm、発泡倍率は約13.1倍であった。この吸音材料を管内法(JISA1405)によってn=3の同一条件で測定した垂直入射吸音率の平均値を示したものを図2に示す。
本発明の吸音材は、比較材料と比べて、1550Hz以下の領域では、吸音率の優位性が見られない場合もあるが、家電等で用いる場合に重要な領域であるそれ以上の領域では吸音率が高く、吸音特性が良いことがわかる。
また、吸音材料を5重量%の濃度で含む水溶液を調製し、吸音材料が完全に溶解するまでの時間(水溶時間)を測定した。本実施例においては、吸音材料は8分で完全に溶解しており、十分な水溶性を有していることがわかった。
(実施例6)
まず、水溶性高分子としてアルギン酸プロピレングリコールエステル(キミカ製キミロイドHV、重量平均分子量Mw:約100,000)を用意し、6重量%の濃度で水に溶解して水溶液を調製した。また水溶性高分子の第二成分としてカルボキシメチルセルロースナトリウム(ナカライテスク製)を用意し、5重量%の濃度で水に溶解して水溶液を調製した。各水溶液をアルギン酸プロピレングリコールエステルとカルボキシメチルセルロースナトリウムの重量比が1:1となるように混合して得られた混合溶液200gを用いた以外は、実施例1と同様の手法で実施例6の吸音材料を作製した。乾燥後の吸音材料の見かけ密度は0.050g/cm、発泡倍率は約19.4倍であった。この吸音材料を管内法(JISA1405)によってn=3の同一条件で測定した垂直入射吸音率の平均値を示したものを図2に示す。
本発明の吸音材は、比較材料と比べて、1150Hz以下の領域では、同等またはそれ以上の吸音率となるが、家電等で用いる場合に重要な領域であるそれ以上の領域では吸音率が高く、吸音特性が良いことがわかる。
また、この吸音材料を5重量%の濃度で含む水溶液を調製し、吸音材料が完全に溶解するまでの時間(水溶時間)を測定した。本実施例においては、吸音材料は10分で完全に溶解し、十分な水溶性を有していることがわかった。
(比較例1、2)
グリセリンモノアクリレート(A1−1)3部、グリセリン(1モル)にPO(73モル)を付加し、さらにEO(16モル)を付加して得られたポリオール(A2−3)60部、(A2−3)中でアクリロニトリルを重合して得られた重合体ポリオール(ポリアクリロニトリル20質量%)(A2−4)40部、ジエタノールアミン1部、“シリコーンSRX−253”(トーレシリコーン社製、シリコーン系整泡剤)1部、水3.7部、“TEDA L33”(トーソー社製、トリエチレンジアミン系アミン触媒)0.4部さらに“TOYOCAT ET”(トーソー社製、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル系アミン触媒)0.07部を配合して25℃に温度調節し、この中に25℃に温度調節したTDI/粗製MDI=80/20質量%の混合物50.4部(NCO指数100)を加えて、“ホモディスパー”(特殊機化社製撹拌機)4000rpmで10秒撹拌後、60℃に温度調節した300mm(長さ)×300mm(幅)×100(高さ)mmの、アルミ製モールドに注入し、10分後脱型し、軟質ポリウレタンフォームを得た。見かけ密度が0.022g/cmであるものを比較例1、0.060g/cmであるものを比較例2として調製した。本材料を管内法(JISA1405)によってn=3の同一条件で測定した垂直入射吸音率の平均値を示したものを図2に示す。比較例の吸音材は、本発明の吸音材に比べて、1000Hz以下の領域では、吸音率の優位性が見られる場合もあるが、家電等で用いる場合に重要な領域である1000Hz以上の領域では総じて吸音率が低く、吸音特性が芳しくないことがわかる。
図1は、本発明の吸音材の断面写真である。 図2は、本実施例の効果を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 一種以上の水溶性高分子からなる水溶性の発泡マトリクスと、マトリクス中に分散するイオン系界面活性剤と、水とで形成された多孔質体であって、該多孔質体を構成する気孔が、気泡の破壊により連通している気孔であることを特徴とする吸音材料。
  2. 水溶性の発泡マトリクスがアルギン酸またはその塩またはその誘導体であることを特徴とする請求項1に記載の吸音材料。
  3. 水溶性の発泡マトリクスおよびイオン系界面活性剤からなる水溶液を発泡して発泡組成物を得る工程と、
    前記発泡組成物を凍結させ発泡凍結物を得る工程と、
    前記発泡凍結物を乾燥する工程とを具備することを特徴とする吸音材料の製造方法。
  4. 水溶性の発泡マトリクスおよびイオン系界面活性剤および水で形成された吸音材料を水に溶解して水溶性の発泡マトリクスおよびイオン系界面活性剤の水溶物を得る工程と、
    前記水溶物を発泡して発泡組成物を得る工程と、
    前記発泡組成物を凍結させ発泡凍結物を得る工程と、
    前記発泡凍結物を乾燥させ吸音材料を形成する工程とを具備することを特徴とする吸音材料の再生方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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