JP2008231127A - 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料及び素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】固体状態において高い蛍光発光特性を示し、熱及び光安定性に優れた新規の有機EL素子用材料、それを用いた、低い駆動電圧で高い色純度と輝度が得られる長寿命の有機EL素子の提供。
【解決手段】ベンゾ[ghi]ペリレン、並びにその誘導体を発光材料とする有機EL素子。該ペリレン化合物は、置換基として水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、芳香族複素環基、アラルキル基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、N−アルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、アシルアミノ基又はカルボキシル基等を有していても良い。
【選択図】なし
【解決手段】ベンゾ[ghi]ペリレン、並びにその誘導体を発光材料とする有機EL素子。該ペリレン化合物は、置換基として水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、芳香族複素環基、アラルキル基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、N−アルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、アシルアミノ基又はカルボキシル基等を有していても良い。
【選択図】なし
Description
本発明は平面光源や表示に使用される有機エレクトロルミネッセンス素子用の材料および有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。さらに詳しくは、高い蛍光発光特性を示し、熱及び光安定性に優れた新規の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料と、低い駆動電圧で高い色純度と輝度を示す赤色発光を得るための長寿命の有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
陰極から注入された電子と陽極から注入された正孔とがこれら両極に挟まれた有機蛍光体内で再結合する際に発光するという有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子は、固体発光型の表示素子としての用途が有望視され、近年、活発に研究開発が行われている。
この研究は、イーストマン・コダック社のC.W.Tang氏らにより報告された有機薄膜を積層したEL素子に端を発している(非特許文献1)。この報告では、金属キレート錯体を発光層、アミン系化合物を正孔注入層に使用することで、6〜10Vの直流電圧での輝度が数1000(cd/m2)、最大発光効率が1.5(lm/W)の緑色発光を得ている。現在、様々な研究機関で開発が進められている有機EL素子は、基本的にこのイーストマン・コダック社の構成を踏襲しているといえる。
有機EL素子の中でも、特に赤色発光を示す有機EL素子は、その有用性から様々な材料を用いた素子の研究が進められてきたが、ホスト材料の中に微量のドーピング材料を共蒸着などの方法によって混入させて発光層を形成し、ドーピング材料からの発光を得るという方法が有効な方法として検討されている。そのような例として、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウムをホスト材料に、DCM、DCJ、DCJT、DCJTBといった4H−ピラン誘導体をドーピング材料に用いて橙色から赤色の発光が得られる有機EL素子が報告されている(非特許文献2)。
また、ベンゾペリレン化合物(特許文献1〜2)やペリレン化合物(特許文献3〜8)を用いた有機EL素子については既にいくつか報告されている。
Appl.Phys.Lett.,第51巻,913頁,1987年
Macromol.Symp.,第125号,34〜36頁および49〜58頁,1997年
特開2003−347058号公報
特開平05−179237号公報
特開平10−251633号公報
特開平11−144869号公報
特開2001−11031号公報
特開2001−176664号公報
特開2002−129043号公報
特開2003−201472号公報
従来の技術に述べた赤色の有機EL素子は、色純度が悪いことや寿命が短いという欠点があった。例えば特許文献1に記載されているベンゾペリレン化合物を有する有機EL素子の場合、発光波長が短いため色純度の点で不十分であった。また、例えば特許文献3に記載されているペリレン化合物を有する有機EL素子は駆動電圧が高く発光輝度が低いというという問題があった。そのため、固体状態において高い蛍光発光特性を示し、熱及び光安定性に優れた新規の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料と、それを用いた、より一層低い駆動電圧で高い色純度と輝度が得られる赤色発光を得ることができる長寿命の有機EL素子が求められていた。
本発明者は、以上の諸問題を考慮し解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。すなわち、本発明は、下記一般式[1]で表される有機エレクトロルミネッセンス素子用材料に関する。
〔式中、R1 〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換もしくは未置換のアミノ基、シアノ基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、置換もしくは未置換のアラルキル基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換のアルキルチオ基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、置換もしくは未置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは未置換のN−アルキルカルバモイル基、置換もしくは未置換のN−アリールカルバモイル基又はカルボキシル基を表す。但し、R1 〜R12は、隣接する置換基同士で環状構造を形成してもよい。〕
また本発明は、上記一般式[1]で表される有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含んで成る有機エレクトロルミネッセンス素子用発光材料に関する。
また本発明は、陽極と陰極とからなる一対の電極間に、発光層または発光層を含む複数層の有機化合物薄膜を形成してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層が上記一般式[1]で表される有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含む有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
また本発明は陽極と陰極とからなる一対の電極間に、発光層または発光層を含む複数層の有機化合物薄膜を形成してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記発光層が、ホスト材料50.0〜99.999重量%と、ドーピング材料0.001〜50.0重量%とからなり、前記ホスト材料の内少なくとも1種類は下記一般式[2]で表される化合物であり、前記ドーピング材料の内少なくとも1種類は上記一般式[1]で表される化合物である有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
[式中、R13 〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換もしくは未置換のアミノ基、シアノ基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、置換もしくは未置換のアラルキル基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換のアルキルチオ基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、置換もしくは未置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは未置換のN−アルキルカルバモイル基、置換もしくは未置換のN−アリールカルバモイル基又はカルボキシル基を表す。但し、R13 〜R24は、隣接する置換基同士で環状構造を形成することはない。但し、R13 〜R24の少なくとも1つは、置換もしくは未置換のアミノ基である。]
本発明の有機EL素子用材料を用いて作成した有機EL素子は、従来に比べて低い駆動電圧で発光し長寿命であるため、壁掛けテレビ等のフラットパネルディスプレイや平面発光体として好適に使用することができ、複写機やプリンター等の光源、液晶ディスプレイや計器類等の光源、表示板、標識灯等への応用が可能である。
以下、詳細にわたって本発明を説明する。まず、一般式[1]で表されるベンゾペリレン化合物について説明する。
一般式[1]において、R1 〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換もしくは未置換のアミノ基、シアノ基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、置換もしくは未置換のアラルキル基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換のアルキルチオ基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、置換もしくは未置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは未置換のN−アルキルカルバモイル基、置換もしくは未置換のN−アリールカルバモイル基又はカルボキシル基を表す。R1 〜R12は、隣接する置換基同士で環状構造を形成していてもよい。
R1 〜R12において、ハロゲン原子としては弗素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
R1 〜R12において、置換もしくは未置換のアミノ基としては、好ましくは炭素数1〜40からなる置換もしくは未置換のアミノ基であり、具体的には、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ(n−ブチル)アミノ基、ジ(sec−ブチル)アミノ基、ジ(tert−ブチル)アミノ基、ジペンチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、ジネオペンチルアミノ基、ジ(tert−ペンチル)アミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジイソヘキシルアミノ基、ジヘプチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、ジノニルアミノ基、ジデシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジビフェニリルアミノ基、ジ(o−トリル)アミノ基、ジ(m−トリル)アミノ基、ジ(p−トリル)アミノ基、ジキシリルアミノ基、ジ(o−クメニル)アミノ基、ジ(m−クメニル)アミノ基、ジ(p−クメニル)アミノ基、ジフェナントリルアミノ基、ジピレニルアミノ基、ジクリセニルアミノ基、ジナフタセニルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、メチルペンチルアミノ基、メチルヘキシルアミノ基、エチルプロピルアミノ基、エチルブチルアミノ基、エチルペンチルアミノ基、エチルヘキシルアミノ基、プロピルブチルアミノ基、プロピルペンチルアミノ基、プロピルヘキシルアミノ基、ブチルペンチルアミノ基、ブチルヘキシルアミノ基、ペンチルヘキシルアミノ基、フェニルビフェニリルアミノ基、フェニルターフェニリルアミノ基、ジナフチルアミノ基、フェニルナフチルアミノ基、フェニルアントリルアミノ基、ビフェニリルナフチルアミノ基、ビフェニリルアントリルアミノ基、ビフェニリルフェナントリルアミノ基、ナフチルアントリルアミノ基、ナフチルフェナントリルアミノ基、ナフチルターフェニリルアミノ基、アントリルフェナントリルアミノ基、アントリルターフェニリルアミノ基、メチルフェニルアミノ基、メチルビフェニリルアミノ基、メチルナフチルアミノ基、メチルアントリルアミノ基、メチルフェナントリルアミノ基、メチルターフェニリルアミノ基、エチルフェニルアミノ基、エチルビフェニリルアミノ基、エチルナフチルアミノ基、エチルアントリルアミノ基、エチルフェナントリルアミノ基、エチルターフェニリルアミノ基、プロピルフェニルアミノ基、プロピルビフェニリルアミノ基、プロピルナフチルアミノ基、プロピルアントリルアミノ基、プロピルフェナントリルアミノ基、プロピルターフェニリルアミノ基、ブチルフェニルアミノ基、ブチルビフェニリルアミノ基、ブチルナフチルアミノ基、ブチルアントリルアミノ基、ブチルフェナントリルアミノ基、ブチルターフェニリルアミノ基、ペンチルフェニルアミノ基、ペンチルビフェニリルアミノ基、ペンチルナフチルアミノ基、ペンチルアントリルアミノ基、ペンチルフェナントリルアミノ基、ペンチルターフェニリルアミノ基、ヘキシルフェニルアミノ基、ヘキシルビフェニリルアミノ基、ヘキシルナフチルアミノ基、ヘキシルアントリルアミノ基、ヘキシルフェナントリルアミノ基、ヘキシルターフェニリルアミノ基、ジピリジルアミノ基、ジキノリルアミノ基、フェニルピリジルアミノ基等が挙げられる。
R1 〜R12において、置換もしくは未置換のアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜40からなる置換もしくは未置換のアルキル基であり、更に好ましくは炭素数1〜20からなる置換もしくは未置換のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基等の未置換直鎖状又は分枝状アルキル基の他、エトキシエチル基、エトキシメチル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、2−フェニルイソプロピル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基、α−フェノキシベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、α,α−メチルフェニルベンジル基、α,α−ジトリフルオロメチルベンジル基、トリフェニルメチル基、α−ベンジルオキシベンジル基等の置換アルキル基が挙げられる。
R1 〜R12において、置換もしくは未置換のアルケニル基としては、好ましくは炭素数2〜40からなる置換もしくは未置換のアルケニル基であり、具体的には、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、オレイル基、エイコサペンタエニル基、ドコサヘキサエニル基、2,2−ジフェニルビニル基、1,2,2−トリフェニルビニル基、2−フェニル−2−プロペニル基等が挙げられる。
R1 〜R12において、置換もしくは未置換のアルコキシ基としては、好ましくは炭素数2〜40からなる置換もしくは未置換のアルコキシ基であり、更に好ましくは炭素数2〜10からなる置換もしくは未置換のアルコキシ基であり、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、イソペンチルオキシ基等のアルコキシル基が挙げられる。
R1 〜R12において、置換もしくは未置換のアリールオキシ基としては、好ましくは炭素数6〜40からなる置換もしくは未置換のアリールオキシ基であり、具体的には、フェノキシ基、p−ニトロフェノキシ基、p−tert−ブチルフェノキシ基、3−フルオロフェノキシ基、ペンタフルオロフェニル基、3−トリフルオロメチルフェノキシ基、ナフチルオキシ基、アンスリルオキシ基等のアリールオキシ基が挙げられる。
R1 〜R12において、置換もしくは未置換のアリール基としては、好ましくは炭素数6〜40からなる置換もしくは未置換のアリール基であり、更に好ましくは炭素数6〜18からなる置換もしくは未置換のアリール基であり、具体的には、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、ビフェニル基、4−メチルビフェニル基、4−エチルビフェニル基、4−シクロヘキシルビフェニル基、ターフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、ナフチル基、5−メチルナフチル基、アントリル基、ピレニル基等が挙げられる。
R1 〜R12において、置換もしくは未置換の芳香族複素環基としては、ヘテロ原子としてO、N、Sを含有する5員または6員環の芳香族複素環基、または、縮合多環芳香複素環基が挙げられる。縮合多環芳香複素環基としては炭素数4〜40が好ましく、炭素数4〜20が更に好ましい。また、芳香族複素環基及び縮合多環芳香複素環基としては、チエニル基、フリル基、ピロリル基、ピリジル基、キノリル基、キノキサリル基、イミダゾピリジル基、ベンゾチアゾール基、フラニル基、チオフェニル基、ピロール基、ピラニル基、チオピラニル基、チアゾリル基、イミダゾール基、ピリミジニル基、トリアジニル基、インドリニル基、キノリル基、プリニル基、ジオキサニル基、ジオキソラニル基等が挙げられる。
R1 〜R12において、置換もしくは未置換のアラルキル基としては、好ましくは炭素数6〜50からなる置換もしくは未置換のアラルキル基であり、更に好ましくは炭素数6〜20からなる置換もしくは未置換のアラルキル基であり、具体的には、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルイソプロピル基、2−フェニルイソプロピル基、フェニル−t−ブチル基、α−ナフチルメチル基、1−α−ナフチルエチル基、2−α−ナフチルエチル基、1−α−ナフチルイソプロピル基、2−α−ナフチルイソプロピル基、β−ナフチルメチル基、1−β−ナフチルエチル基、2−β−ナフチルエチル基、1−β−ナフチルイソプロピル基、2−β−ナフチルイソプロピル基、1−ピロリルメチル基、2−(1−ピロリル)エチル基、p−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、o−メチルベンジル基、p−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、o−クロロベンジル基、p−ブロモベンジル基、m−ブロモベンジル基、o−ブロモベンジル基、p−ヨードベンジル基、m−ヨードベンジル基、o−ヨードベンジル基、p−ヒドロキシベンジル基、m−ヒドロキシベンジル基、o−ヒドロキシベンジル基、p−アミノベンジル基、m−アミノベンジル基、o−アミノベンジル基、p−ニトロベンジル基、m−ニトロベンジル基、o−ニトロベンジル基、p−シアノベンジル基、m−シアノベンジル基、o−シアノベンジル基、1−ヒドロキシ−2−フェニルイソプロピル基、1−クロロ−2−フェニルイソプロピル基等が挙げられる。
R1 〜R12において、置換もしくは未置換のアリールチオ基としては、好ましくは炭素数6〜50からなる置換もしくは未置換のアリールチオ基であり、更に好ましくは炭素数6〜20からなる置換もしくは未置換のアリールチオ基であり、具体的には、フェニルチオ基、p−ニトロフェニルチオ基、p−tert−ブチルフェニルチオ基、3−フルオロフェニルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基、3−トリフルオロメチルフェニルチオ基等のアリールチオ基が挙げられる。
R1 〜R12において、置換もしくは未置換のアルキルチオ基としては、好ましくは炭素数2〜40からなる置換もしくは未置換のアルキルチオ基であり、更に好ましくは炭素数2〜10からなる置換もしくは未置換のアルキルチオ基であり、具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、デシルチオ基等が挙げられる。
R1 〜R12において、置換もしくは未置換のアシル基としては、好ましくは炭素数1〜40からなる置換もしくは未置換のアシル基であり、更に好ましくは炭素数1〜10からなる置換もしくは未置換のアシル基であり、具体的には、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、シクロヘキシルカルボニル基、ベンゾイル基、フェニルアセチル基等が挙げられる。
R1 〜R12において、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基としては、好ましくは炭素数2〜50からなる置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基であり、更に好ましくは炭素数2〜18からなる置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基であり、具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルビニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。
R1 〜R12において、置換もしくは未置換のアリールオキシカルボニル基としては、好ましくは炭素数7〜60からなる置換もしくは未置換のアリールオキシカルボニル基であり、更に好ましくは炭素数7〜30からなる置換もしくは未置換のアリールオキシカルボニル基であり、具体的には、フェノキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、2−フェナントリルオキシカルボニル基等が挙げられる。
R1 〜R12において、置換もしくは未置換のN−アルキルカルバモイル基としては、好ましくは炭素数1〜50からなる置換もしくは未置換のN−アルキルカルバモイル基であり、更に好ましくは炭素数1〜10からなる置換もしくは未置換のN−アルキルカルバモイル基であり、具体的には、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−イソプロピルカルバモイル基、N−シクロヘキシルカルバモイル基等が挙げられる。
R1 〜R12において、置換もしくは未置換のN−アリールカルバモイル基としては、好ましくは炭素数7〜50からなる置換もしくは未置換のN−アリールカルバモイル基であり、更に好ましくは炭素数7〜20からなる置換もしくは未置換のN−アリールカルバモイル基であり、具体的には、N−フェニルカルバモイル基、N−トリルカルバモイル基、N−ビフェニリルカルバモイル基、N−ナフチルカルバモイル基等が挙げられる。
また、R1 〜R12は、隣接する置換基同士で環状構造を形成していてもよい。
隣接する置換基同士で、それぞれ互いに結合して形成される環としては、例えばインデン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、キノリン、iso−キノリン、キノキサリン、フェナジン、アクリジン、インドール、カルバゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、ベンゾチアゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、アクリドン、ベンズイミダゾール、クマリン、フラボン等が挙げられる。
以上、本発明に用いることができる一般式[1]で表されるベンゾペリレン化合物について説明したが、これらベンゾペリレン化合物の分子量は、2000以下が好ましく、1500以下が更に好ましく、1000以下が特に好ましい。この理由は、分子量が大きい程、蒸着により素子を作成しようとした場合の蒸着性が悪くなることが考えられるためである。
以下、表1に本発明の有機EL素子用材料として用いることができる一般式[1]で表されるベンゾペリレン化合物の代表例を示す。しかしながら、本発明は、なんらこれらに限定されるものではない。
次に、一般式[2]で表されるペリレン化合物について説明する。一般式[2]において、R13 〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換もしくは未置換のアミノ基、シアノ基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、置換もしくは未置換のアラルキル基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換のアルキルチオ基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、置換もしくは未置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは未置換のN−アルキルカルバモイル基、置換もしくは未置換のN−アリールカルバモイル基又はカルボキシル基を表す。R13 〜R24は、隣接する置換基同士で環状構造を形成することはない。ただし、R13 〜R24の少なくとも1つは、置換もしくは未置換のアミノ基である。
ここで、R13 〜R24における、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、置換もしくは未置換のアラルキル基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換のアルキルチオ基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、置換もしくは未置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは未置換のN−アルキルカルバモイル基、置換もしくは未置換のN−アリールカルバモイル基は、それぞれ、一般式[1]で説明したハロゲン原子、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、置換もしくは未置換のアラルキル基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換のアルキルチオ基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、置換もしくは未置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは未置換のN−アルキルカルバモイル基、置換もしくは未置換のN−アリールカルバモイル基と同義である。
以上、本発明に用いる一般式[2]で表されるペリレン化合物について説明したが、これらペリレン化合物の分子量としては、2000以下が好ましく、1500以下がさらに好ましく、1000以下が特に好ましい。この理由として、分子量が大きいと、蒸着によって素子を作成する場合の蒸着性が悪くなる懸念が考えられるためである。
以下、表2に本発明の有機EL素子用材料として用いることができる一般式[2]で表されるペリレン化合物の代表例を示すが、本発明は、なんらこれらに限定されるものではない。
ところで、有機EL素子は、陽極と陰極間に一層または多層の有機層を形成した素子から構成されるが、ここで、一層型有機EL素子とは、陽極と陰極との間に発光層のみからなる素子を指す。一方、多層型有機EL素子とは、発光層の他に、発光層への正孔や電子の注入を容易にしたり、発光層内での正孔と電子との再結合を円滑に行わせたりすることを目的として、正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層、電子注入層などを積層させたものを指す。したがって、多層型有機EL素子の代表的な素子構成としては、(1)陽極/正孔注入層/発光層/陰極、(2)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極、(3)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極、(4)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極、(5)陽極/正孔注入層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(6)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(7)陽極/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(8)陽極/発光層/電子注入層/陰極等の多層構成で積層した素子構成が考えられる。
ここで、正孔注入層には、発光層に対して優れた正孔注入効果を示し、かつ陽極界面との密着性と薄膜形成性に優れた正孔注入層を形成できる正孔注入材料が用いられる。また、このような材料を多層積層させ、正孔注入効果の高い材料と正孔輸送効果の高い材料とを多層積層させた場合、それぞれに用いる材料を正孔注入材料、正孔輸送材料と呼ぶことがある。そのような正孔注入材料あるいは正孔輸送材料の例としては、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾールチオン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、テトラヒドロイミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、ヒドラゾン誘導体、アシルヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、芳香族三級アミン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリシラン誘導体等があげられるが、素子作成に必要な薄膜を形成し、陽極からの正孔を注入ができて、正孔を輸送できる材料であれば、特にこれらに限定されるものではない。
上記材料の中でも特に好適に使用することのできる正孔注入材料あるいは正孔輸送材料としては、芳香族三級アミン誘導体およびフタロシアニン誘導体があげられる。芳香族三級アミン誘導体としては、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N,N’,N’−(4−メチルフェニル)−1,1’−フェニル−4,4’−ジアミン、N,N,N’,N’−(4−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−(メチルフェニル)−N,N’−(4−n−ブチルフェニル)−フェナントレン−9,10−ジアミン、N,N−ビス(4−ジ−4−トリルアミノフェニル)−4−フェニル−シクロヘキサン、およびこれら芳香族三級アミン骨格を有するオリゴマーまたはポリマーがあげられ、これらは正孔注入材料、正孔輸送材料いずれにも好適に使用することができる。また、フタロシアニン(Pc)誘導体としては、例えば、H2Pc、CuPc、CoPc、NiPc、ZnPc、PdPc、FePc、MnPc、ClAlPc、ClGaPc、ClInPc、ClSnPc、Cl2SiPc、(HO)AlPc、(HO)GaPc、VOPc、TiOPc、MoOPc、GaPc−O−GaPc等のフタロシアニン誘導体があげられ、これらは特に正孔注入材料に好適に使用することができる。
一方、電子注入層には、発光層に対して優れた電子注入効果を示し、かつ陰極界面との密着性と薄膜形成性に優れた電子注入層を形成できる電子注入材料が用いられる。そのような電子注入材料の例としては、金属錯体化合物、含窒素五員環誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェノキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ペリレンテトラカルボン酸誘導体、フレオレニリデンメタン誘導体、アントロン誘導体、シロール誘導体、カルシウムアセチルアセトナート、酢酸ナトリウムなどがあげられる。また、セシウム等の金属をバソフェナントロリンにドープした無機/有機複合材料(高分子学会予稿集,第50巻,4号,660頁,2001年発行に記載)や第50回応用物理学関連連合講演会講演予稿集、No.3、1402頁、2003年発行記載のBCP、TPP、T5MPyTZ等も電子注入材料の例としてあげられるが、素子作成に必要な薄膜を形成し、陰極からの電子を注入できて、電子を輸送できる材料であれば、特にこれらに限定されるものではない。
上記電子注入材料の中でも特に効果的な電子注入材料としては、金属錯体化合物または含窒素五員環誘導体があげられる。本発明に使用可能な電子注入材料の内、好ましい金属錯体化合物としては、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(5−フェニル−8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)(2−ナフトラート)アルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)(フェノラート)アルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)(4−シアノ−1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(4−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(5−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(2−ナフトラート)アルミニウム、ビス(5−フェニル−8−ヒドロキシキノリナート)(フェノラート)アルミニウム、ビス(5−シアノ−8−ヒドロキシキノリナート)(4−シアノ−1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)クロロアルミニウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)(o−クレゾラート)アルミニウム等のアルミニウム錯体化合物、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、トリス(2−メチル−5−フェニル−8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(1−ナフトラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(2−ナフトラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(フェノラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(4−シアノ−1−ナフトラート)ガリウム、ビス(2、4−ジメチル−8−ヒドロキシキノリナート)(1−ナフトラート)ガリウム、ビス(2、5−ジメチル−8−ヒドロキシキノリナート)(2−ナフトラート)ガリウム、ビス(2−メチル−5−フェニル−8−ヒドロキシキノリナート)(フェノラート)ガリウム、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−ヒドロキシキノリナート)(4−シアノ−1−ナフトラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)クロロガリウム、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(o−クレゾラート)ガリウム等のガリウム錯体化合物の他、8−ヒドロキシキノリナートリチウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)銅、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)マンガン、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)亜鉛、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛等の金属錯体化合物があげられる。
また、本発明に使用可能な電子注入材料の内、好ましい含窒素五員環誘導体としては、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体があげられ、具体的には、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−チアゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4’−tert−ブチルフェニル)−5−(4”−ビフェニル)1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ビス[2−(5 −フェニルオキサジアゾリル)]ベンゼン、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)−4−tert−ブチルベンゼン]、2−(4’−tert− ブチルフェニル)−5−(4”−ビフェニル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−チアジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルチアジアゾリル)]ベンゼン、2−(4’−tert−ブチルフェニル)−5−(4”−ビフェニル)−1,3,4−トリアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−トリアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルトリアゾリル)]ベンゼン等があげられる。
さらに、正孔阻止層には、発光層を経由した正孔が電子注入層に達するのを防ぎ、薄膜形成性に優れた層を形成できる正孔阻止材料が用いられる。そのような正孔阻止材料の例としては、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)(4−フェニルフェノラート)アルミニウム等のアルミニウム錯体化合物や、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)(4−フェニルフェノラート)ガリウム等のガリウム錯体化合物、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)等の含窒素縮合芳香族化合物があげられる。
本発明の有機EL素子用材料は、固体状態において強い蛍光を持つ化合物であり、発光層内における発光材料として適している。さらに、他のホスト材料と組み合わせるドーピング材料として用いると、発光層中にて最適の割合でドーピングすることにより、高い発光効率および発光波長の選択が可能である。又、ドーピング材料として、本発明の有機EL素子用材料と共に他のドーピング材料を用いる事で青から赤色、さらには白色の発光を得ることができる。
発光層がホスト材料とドーピング材料からなる場合、その割合はホスト材料50.0〜99.999重量%と、ドーパント材料0.001〜50.0重量%であるが、好ましいドーピング材料の濃度は、ホスト材料に対して0.001〜30重量%の範囲であり、より好ましくは、0.01〜10重量%の範囲であり、さらに好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。
他のホスト材料としては特に限定はないが、一般式[2]で表されるペリレン化合物を含有することが好ましい。
本有機EL素子における発光層中には、本発明の有機EL素子用材料の他に、必要に応じて、他の発光材料やドーピング材料のみならず、先に述べた正孔注入材料や電子注入材料を二種類以上組み合わせて使用することもできる。また、正孔注入層、発光層、電子注入層は、それぞれ二層以上の層構成により形成されても良い。
さらに、本発明の有機EL素子の陽極に使用される材料は、炭素、アルミニウム、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、タングステン、銀、金、白金、パラジウム等の金属およびそれらの合金、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)等の導電性金属酸化物、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性ポリマー等があげられる。特に本発明の有機EL素子の陽極に使用される導電性材料としては、できるだけ抵抗値の低いものが好ましく、ITOガラス、NESAガラスが好適に使用される。
また、本発明の有機EL素子の陰極に使用される材料は、電子を効率よく有機EL素子に注入できる材料であれば特に限定されないが、一般に、白金、金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛、アルミニウム、インジウム、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよびこれらの合金があげられる。ここで、合金としては、マグネシウム/銀、マグネシウム/インジウム、リチウム/アルミニウム等が代表例としてあげられるが、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの低仕事関数金属を含む合金が好ましい。また、フッ化リチウムのような無機塩を上記低仕事関数金属の替わりに使用することも可能である。また、これら陰極の作成方法としては、抵抗加熱、電子線ピーム照射、スパッタリング、イオンプレーティング、コーティングなどの業界公知の方法で作成することができる。以上述べた陽極および陰極は、必要に応じて二層以上の層構成により形成されていても良い。
本発明の有機EL素子からの発光を効率よく取り出すためには、発光を取り出す面の基板の材質が充分透明であることが望ましく、具体的には素子からの発光の発光波長領域における透過率が50%以上、好ましくは90%以上であることが望ましい。これら基板は、機械的、熱的強度を有し、透明であれば特に限定されるものではないが、例えば、ガラスの他、ポリエチレン、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレン等の透明性ポリマーが推奨される。
また、本発明の有機EL素子の各層の形成方法としては、真空蒸着、電子線ピーム照射、スパッタリング、プラズマ、イオンプレーティング等の乾式成膜法、もしくはスピンコーティング、ディッピング、フローコーティング等の湿式成膜法のいずれかの方法を適用することができる。各層の膜厚は特に限定されるものではないが、膜厚が厚すぎると一定の光出力を得るために大きな印加電圧が必要となり効率が悪くなり、逆に膜厚が薄すぎるとピンホール等が発生し、電界を印加しても充分な発光輝度が得にくくなる。したがって、各層の膜厚は、1nmから1μmの範囲が適しているが、10nmから0.2μmの範囲がより好ましい。
また、有機EL素子の温度、湿度、雰囲気等に対する安定性向上のために、素子の表面に保護層を設けたり、樹脂等により素子全体を被覆や封止を施したりしても良い。特に素子全体を被覆や封止する際には、光によって硬化する光硬化性樹脂が好適に使用される。
以上述べたように、本有機EL素子は、低い駆動電圧で高い色純度と輝度を示す赤色発光を得ることが可能である。故に、本有機EL素子は、壁掛けテレビ等のフラットパネルディスプレイや平面発光体として、さらには、複写機やプリンター等の光源、液晶ディスプレイや計器類等の光源、表示板、標識灯等への応用が考えられる。
はじめに、実施例に先立って本発明の有機EL素子用材料の合成例を述べる。
合成例1
化合物(1)の合成方法
キシレン50ml中に、無水マレイン酸8.2g、ペリレン3.0g、クロラニル6.4gおよび酢酸20.0gを加え、窒素雰囲気下、攪拌しながら5時間加熱還流した。放冷後濾過し、得られた濾物をキシレン230mlにて再結晶を行った。析出した結晶を濾過にて回収し、濾物を乾燥。次にキノリン150ml中に濾物3.0g、銅粉末1.1g、酢酸銅(II)1.1gおよび酢酸0.5gを加え、窒素雰囲気下、攪拌しながら50時間加熱還流した。放冷後、2M塩酸860ml中に移し1時間室温にて攪拌した。その後濾過し、濾物をクロロホルム:ヘキサン=1:3の混合溶媒中に溶解させ、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(1)1.25gを得た。マススペクトル、NMRスペクトル、元素分析により構造を確認した。第1図にCDCl3溶液中で測定した化合物(1)の1H−NMRスペクトル(テトラメチルシランの吸収ピークを基準とする)を示す。
化合物(1)の合成方法
キシレン50ml中に、無水マレイン酸8.2g、ペリレン3.0g、クロラニル6.4gおよび酢酸20.0gを加え、窒素雰囲気下、攪拌しながら5時間加熱還流した。放冷後濾過し、得られた濾物をキシレン230mlにて再結晶を行った。析出した結晶を濾過にて回収し、濾物を乾燥。次にキノリン150ml中に濾物3.0g、銅粉末1.1g、酢酸銅(II)1.1gおよび酢酸0.5gを加え、窒素雰囲気下、攪拌しながら50時間加熱還流した。放冷後、2M塩酸860ml中に移し1時間室温にて攪拌した。その後濾過し、濾物をクロロホルム:ヘキサン=1:3の混合溶媒中に溶解させ、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(1)1.25gを得た。マススペクトル、NMRスペクトル、元素分析により構造を確認した。第1図にCDCl3溶液中で測定した化合物(1)の1H−NMRスペクトル(テトラメチルシランの吸収ピークを基準とする)を示す。
合成例2
化合物(17)の合成方法
キシレン140ml中に、無水マレイン酸11.0g、3,9−ビス(ジトリルアミノ)ペリレン5.0g、クロラニル9.6gおよび酢酸38.0gを加え、窒素雰囲気下、攪拌しながら15時間加熱還流した。放冷後濾過し、濾液を濃縮してシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、濃縮し乾燥する事で赤い結晶が得られた。次にキノリン150ml中に先ほど得られた赤い結晶3.0g、銅粉末1.1g、酢酸銅(II)1.1gおよび酢酸0.5gを加え、窒素雰囲気下、攪拌しながら50時間加熱還流した。放冷後、2M塩酸860ml中に移し1時間室温にて攪拌した。その後濾過し、濾物をクロロホルム:ヘキサン=1:3の混合溶媒中に溶解させ、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(17)0.8gを得た。マススペクトル、NMRスペクトル、元素分析により構造を確認した。
化合物(17)の合成方法
キシレン140ml中に、無水マレイン酸11.0g、3,9−ビス(ジトリルアミノ)ペリレン5.0g、クロラニル9.6gおよび酢酸38.0gを加え、窒素雰囲気下、攪拌しながら15時間加熱還流した。放冷後濾過し、濾液を濃縮してシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、濃縮し乾燥する事で赤い結晶が得られた。次にキノリン150ml中に先ほど得られた赤い結晶3.0g、銅粉末1.1g、酢酸銅(II)1.1gおよび酢酸0.5gを加え、窒素雰囲気下、攪拌しながら50時間加熱還流した。放冷後、2M塩酸860ml中に移し1時間室温にて攪拌した。その後濾過し、濾物をクロロホルム:ヘキサン=1:3の混合溶媒中に溶解させ、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(17)0.8gを得た。マススペクトル、NMRスペクトル、元素分析により構造を確認した。
合成例3
化合物(63)の合成方法
トルエン300ml中に、4−ブロモビフェニル30.8g、3−アミノペリレン16.0g、ナトリウム-t-ブトキシド13.8g、酢酸パラジウム0.67gおよびトリ−t−ブチルホスフィン2.43gを加え、窒素雰囲気下、攪拌しながら2時間加熱還流した。放冷後濾過し、濾液を濃縮してシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(63)26.1gを得た。マススペクトル、NMRスペクトル、元素分析により構造を確認した。第2図にCDCl3溶液中で測定した化合物(3)の1H−NMRスペクトル(テトラメチルシランの吸収ピークを基準とする)を示す。
化合物(63)の合成方法
トルエン300ml中に、4−ブロモビフェニル30.8g、3−アミノペリレン16.0g、ナトリウム-t-ブトキシド13.8g、酢酸パラジウム0.67gおよびトリ−t−ブチルホスフィン2.43gを加え、窒素雰囲気下、攪拌しながら2時間加熱還流した。放冷後濾過し、濾液を濃縮してシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(63)26.1gを得た。マススペクトル、NMRスペクトル、元素分析により構造を確認した。第2図にCDCl3溶液中で測定した化合物(3)の1H−NMRスペクトル(テトラメチルシランの吸収ピークを基準とする)を示す。
合成例4
化合物(65)の合成方法
トルエン300ml中に、4−メチル−2’−ブロモビフェニル32.7g、3−アミノペリレン16.0g、ナトリウム-t-ブトキシド13.8g、酢酸パラジウム0.67gおよびトリ−t−ブチルホスフィン2.43gを加え、窒素雰囲気下、攪拌しながら2時間加熱還流した。放冷後濾過し、濾液を濃縮してシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(65)22.1gを得た。マススペクトル、NMRスペクトル、元素分析により構造を確認した。
化合物(65)の合成方法
トルエン300ml中に、4−メチル−2’−ブロモビフェニル32.7g、3−アミノペリレン16.0g、ナトリウム-t-ブトキシド13.8g、酢酸パラジウム0.67gおよびトリ−t−ブチルホスフィン2.43gを加え、窒素雰囲気下、攪拌しながら2時間加熱還流した。放冷後濾過し、濾液を濃縮してシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(65)22.1gを得た。マススペクトル、NMRスペクトル、元素分析により構造を確認した。
合成例5
化合物(66)の合成方法
トルエン300ml中に、2−メチル−4’−ブロモビフェニル32.7g、3−アミノペリレン16.0g、ナトリウム−t−ブトキシド13.8g、酢酸パラジウム0.67gおよびトリ−t−ブチルホスフィン2.43gを加え、窒素雰囲気下、攪拌しながら2時間加熱還流した。放冷後濾過し、濾液を濃縮してシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(66)27.1gを得た。マススペクトル、NMRスペクトル、元素分析により構造を確認した。
化合物(66)の合成方法
トルエン300ml中に、2−メチル−4’−ブロモビフェニル32.7g、3−アミノペリレン16.0g、ナトリウム−t−ブトキシド13.8g、酢酸パラジウム0.67gおよびトリ−t−ブチルホスフィン2.43gを加え、窒素雰囲気下、攪拌しながら2時間加熱還流した。放冷後濾過し、濾液を濃縮してシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(66)27.1gを得た。マススペクトル、NMRスペクトル、元素分析により構造を確認した。
以下、実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。本実施例では、特に断りのない限り、混合比は全て重量比を示す。また、電極面積2mm×2mmの有機EL素子の特性を測定した。
実施例1
厚さ200nmのITO透明電極(陽極)を有するガラス基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄した。その基板を、窒素ガスを用いて乾燥し、さらにUV/オゾン洗浄した後、蒸着装置の基板ホルダーに固定した後、蒸着槽を3×10-6Torrに減圧した。まず、ITO透明電極上に、4,4’−ビス〔N−フェニル−N−(3”−メチルフェニル)アミノ〕ビフェニルを、蒸着速度0.2nm/secで75nmの厚さに蒸着し、正孔輸送層とした。次いで、表1の化合物17を真空蒸着して膜厚20nmの発光層を得た。次に、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム(Alq3)を、蒸着速度0.2nm/sec で50nmの厚さに蒸着し、電子輸送層とした。さらにその上に、マグネシウムと銀を、蒸着速度0.2nm/secで200nmの厚さに共蒸着(重量比10:1)して陰極とし、有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。尚、蒸着は、蒸着槽の減圧状態を保ったまま実施した。作製した有機EL素子に、直流電圧を印下したところ、この素子からは、最高輝度が10000cd/m2の赤色発光が得られた。この素子は駆動電圧5Vでの輝度が400cd/m2であった。さらに発光輝度500cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命は1200時間であった。
厚さ200nmのITO透明電極(陽極)を有するガラス基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄した。その基板を、窒素ガスを用いて乾燥し、さらにUV/オゾン洗浄した後、蒸着装置の基板ホルダーに固定した後、蒸着槽を3×10-6Torrに減圧した。まず、ITO透明電極上に、4,4’−ビス〔N−フェニル−N−(3”−メチルフェニル)アミノ〕ビフェニルを、蒸着速度0.2nm/secで75nmの厚さに蒸着し、正孔輸送層とした。次いで、表1の化合物17を真空蒸着して膜厚20nmの発光層を得た。次に、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム(Alq3)を、蒸着速度0.2nm/sec で50nmの厚さに蒸着し、電子輸送層とした。さらにその上に、マグネシウムと銀を、蒸着速度0.2nm/secで200nmの厚さに共蒸着(重量比10:1)して陰極とし、有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。尚、蒸着は、蒸着槽の減圧状態を保ったまま実施した。作製した有機EL素子に、直流電圧を印下したところ、この素子からは、最高輝度が10000cd/m2の赤色発光が得られた。この素子は駆動電圧5Vでの輝度が400cd/m2であった。さらに発光輝度500cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命は1200時間であった。
実施例2〜実施例10
化合物17の代わりに表3に示すベンゾペリレン化合物を用いる以外は、全て実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。これらの素子における、駆動電圧5Vでの輝度および発光輝度500cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命を併せて表3に示す。
化合物17の代わりに表3に示すベンゾペリレン化合物を用いる以外は、全て実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。これらの素子における、駆動電圧5Vでの輝度および発光輝度500cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命を併せて表3に示す。
比較例1
化合物17の代わりに下記に示すDCJTBを用いる以外は、実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。この素子における駆動電圧5Vでの輝度は2.3cd/m2であり、発光輝度500cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命は210時間であった。
化合物17の代わりに下記に示すDCJTBを用いる以外は、実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。この素子における駆動電圧5Vでの輝度は2.3cd/m2であり、発光輝度500cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命は210時間であった。
実施例11
発光層の構成を、表1の化合物17と表2の化合物61を1:99(重量比)の組成比で共蒸着して膜厚20nmの発光層にした以外は、実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。作製した有機EL素子に、直流電圧を印下したところ、この素子からは、最高輝度が12500cd/m2の赤色発光が得られた。この素子は駆動電圧5Vでの輝度が550cd/m2であった。さらに発光輝度500cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命は2200時間であった。
発光層の構成を、表1の化合物17と表2の化合物61を1:99(重量比)の組成比で共蒸着して膜厚20nmの発光層にした以外は、実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。作製した有機EL素子に、直流電圧を印下したところ、この素子からは、最高輝度が12500cd/m2の赤色発光が得られた。この素子は駆動電圧5Vでの輝度が550cd/m2であった。さらに発光輝度500cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命は2200時間であった。
実施例12〜実施例21
実施例11の化合物17の代わりに表4に示す化合物を用いる以外は、全て実施例11と同様の方法で有機EL素子を作製した。これらの素子における、駆動電圧5Vでの輝度および発光輝度500cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命を併せて表4に示す。
実施例11の化合物17の代わりに表4に示す化合物を用いる以外は、全て実施例11と同様の方法で有機EL素子を作製した。これらの素子における、駆動電圧5Vでの輝度および発光輝度500cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命を併せて表4に示す。
実施例22〜45
実施例11の化合物61の代わりに表5に示す化合物を用いる以外は、全て実施例11と同様の方法で有機EL素子を作製した。これらの素子における、駆動電圧5Vでの輝度および発光輝度500cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命を併せて表5に示す。
実施例11の化合物61の代わりに表5に示す化合物を用いる以外は、全て実施例11と同様の方法で有機EL素子を作製した。これらの素子における、駆動電圧5Vでの輝度および発光輝度500cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命を併せて表5に示す。
比較例5〜比較例9
実施例11の化合物61の代わりにAlq3及び下記の表6に示す公知の化合物である化合物A〜化合物Dを成膜して用いる以外は、実施例11と同様の方法で有機EL素子を作製した。なお、表6中でTolはp−tolyl基を表す。これらの素子における、駆動電圧5Vでの輝度および発光輝度500cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命を表7に示す。
実施例11の化合物61の代わりにAlq3及び下記の表6に示す公知の化合物である化合物A〜化合物Dを成膜して用いる以外は、実施例11と同様の方法で有機EL素子を作製した。なお、表6中でTolはp−tolyl基を表す。これらの素子における、駆動電圧5Vでの輝度および発光輝度500cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命を表7に示す。
比較例10
実施例11の化合物17の代わりにDCJTBを用いる以外は、実施例11と同様の方法で有機EL素子を作製した。この素子における駆動電圧5Vでの輝度は3cd/m2であり、発光輝度500cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命は300時間であった。
実施例11の化合物17の代わりにDCJTBを用いる以外は、実施例11と同様の方法で有機EL素子を作製した。この素子における駆動電圧5Vでの輝度は3cd/m2であり、発光輝度500cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命は300時間であった。
実施例46
発光層の構成を、下記に示すDPVBiと表1の化合物17と表2の化合物61を70:1:29(重量比)の組成比で共蒸着させ、厚さ15nmの発光層にした以外は、実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。作製した有機EL素子に、直流電圧を印下したところ、最高輝度が20000cd/m2の白色発光が得られた。この素子は駆動電圧5Vでの輝度が300cd/m2であった。さらに発光輝度500cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命は1000時間であった。
発光層の構成を、下記に示すDPVBiと表1の化合物17と表2の化合物61を70:1:29(重量比)の組成比で共蒸着させ、厚さ15nmの発光層にした以外は、実施例1と同様の方法で有機EL素子を作製した。作製した有機EL素子に、直流電圧を印下したところ、最高輝度が20000cd/m2の白色発光が得られた。この素子は駆動電圧5Vでの輝度が300cd/m2であった。さらに発光輝度500cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命は1000時間であった。
実施例47〜55
実施例45の化合物17の代わりに表8に示す化合物を用いる以外は、全て実施例36と同様の方法で有機EL素子を作製した。これらの素子における、駆動電圧5Vでの輝度および発光輝度500cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命を併せて表5に示す。
実施例45の化合物17の代わりに表8に示す化合物を用いる以外は、全て実施例36と同様の方法で有機EL素子を作製した。これらの素子における、駆動電圧5Vでの輝度および発光輝度500cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命を併せて表5に示す。
実施例56〜79
実施例45の化合物61の代わりに表5に示す化合物を用いる以外は、全て実施例45と同様の方法で有機EL素子を作製した。これらの素子における、駆動電圧5Vでの輝度および発光輝度500cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命を併せて表5に示す。
実施例45の化合物61の代わりに表5に示す化合物を用いる以外は、全て実施例45と同様の方法で有機EL素子を作製した。これらの素子における、駆動電圧5Vでの輝度および発光輝度500cd/m2で定電流駆動したときの半減寿命を併せて表5に示す。
実施例80
洗浄したITO電極付きガラス板上に、PEDOTをスピンコート法で50nmの膜厚に製膜し、次に、化合物17と化合物61を1:99の割合で混合し、2mmol/lの濃度でトルエンに溶解させ、スピンコーティング法により100nmの膜厚の発光層を得た。その上に、Caを40nm、Alを80nmの膜厚の電極を形成して、有機EL素子を得た。作製した有機EL素子に、直流電圧を印下したところ、最高輝度が2000cd/m2の赤色発光が得られた。
洗浄したITO電極付きガラス板上に、PEDOTをスピンコート法で50nmの膜厚に製膜し、次に、化合物17と化合物61を1:99の割合で混合し、2mmol/lの濃度でトルエンに溶解させ、スピンコーティング法により100nmの膜厚の発光層を得た。その上に、Caを40nm、Alを80nmの膜厚の電極を形成して、有機EL素子を得た。作製した有機EL素子に、直流電圧を印下したところ、最高輝度が2000cd/m2の赤色発光が得られた。
以上述べた実施例から明らかなように、本発明の有機EL素子用材料を用いることで、有機EL素子の低電圧駆動時での発光輝度の向上と長寿命化を達成することが可能である。
Claims (4)
- 下記一般式〔1〕で表される有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
一般式[1]
〔式中、R1 〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換もしくは未置換のアミノ基、シアノ基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、置換もしくは未置換のアラルキル基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換のアルキルチオ基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、置換もしくは未置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは未置換のN−アルキルカルバモイル基、置換もしくは未置換のN−アリールカルバモイル基、置換もしくは未置換のアシルアミノ基又はカルボキシル基を表す。但し、R1 〜R12は、隣接する置換基同士で環状構造を形成してもよい。〕 - 請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含んで成る有機エレクトロルミネッセンス素子用発光材料。
- 陽極と陰極とからなる一対の電極間に、発光層または発光層を含む複数層の有機化合物薄膜を形成してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層が請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含む有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記発光層が、ホスト材料50.0〜99.999重量%と、ドーピング材料0.001〜50.0重量%とからなり、前記ホスト材料の内少なくとも1種類は下記一般式[2]で表される化合物であり、前記ドーピング材料の内少なくとも1種類は請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料である有機エレクトロルミネッセンス素子。
一般式[2]
[式中、R13 〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換もしくは未置換のアミノ基、シアノ基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、置換もしくは未置換のアラルキル基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換のアルキルチオ基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニル基、置換もしくは未置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは未置換のN−アルキルカルバモイル基、置換もしくは未置換のN−アリールカルバモイル基、置換もしくは未置換のアシルアミノ基又はカルボキシル基を表す。但し、R13 〜R24は、隣接する置換基同士で環状構造を形成することはない。但し、R13 〜R24の少なくとも1つは、置換もしくは未置換のアミノ基である。]
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