JP2008231052A - フルオレン−フルオランテン化合物及びそれを用いた有機電界発光素子 - Google Patents

フルオレン−フルオランテン化合物及びそれを用いた有機電界発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】優れたオプトエレクトロニクス特性を有する新規フルオレン化合物、この化合物を発光材料とする高効率、高輝度及び高寿命の光出力が可能な有機電界発光素子の提供。
【解決手段】フルオレン化合物は、フルオレン基とフルオランテン基を有する、例えば下記化学式(A)で示される化合物である。
Figure 2008231052

(RはH、C1〜18のアルキル基等である。)有機電界発光素子は、陽極と陰極とからなる電極対の間の発光層にこの発光素子材料を含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機発光素子材料として用いることができる新規フルオレン化合物、及びそのフルオレン化合物を使用した発光素子材料、有機電界発光素子に関するものである。
近年、有機電界発光素子に関する研究が活発に行われている。有機電界発光素子は、低印加電圧で高輝度の発光があり、薄型軽量の発光デバイス化が可能となることから、次世代ディスプレイ等への適用が期待される。
発光効率と発光輝度とに優れ高寿命の有機電界発光素子を得るためには、オプトエレクトロニクス特性の優れた有機発光材料を、有機電界発光素子の構成材料として用いる必要がある。そのような発光材料として、様々な有機化合物が提案されている。中でも、芳香族化合物であるフルオレンや縮合芳香族化合物であるフルオランテンは、最も期待される発光材料のひとつである。縮合芳香族化合物はその特有の骨格により多くのπ結合が存在するため、電導性や光伝導性が高く、優れたオプトエレクトロニクス特性と効率的なエレクトロルミネッセンスとを示す。特許文献1には、アントラセン環以外の縮合多環式芳香族環とフルオレン環とが直接結合している炭化水素化合物と、それを利用した有機電界発光素子材料及び有機電界発光素子が示されている。
しかし、より一層高効率、高輝度で発光し高寿命の有機電界発光素子を得るために、さらに優れたオプトエレクトロニクス特性を有する発光材料が求められているのが現状である。
特開2004−43349号公報
本発明は、優れたオプトエレクトロニクス特性を有する新規フルオレン化合物、そのフルオレン化合物を含有する有機発光素子材料、及び高効率、高輝度及び高寿命の光出力が可能な有機電界発光素子を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた、特許請求の範囲の請求項1に記載されたフルオレン化合物は、下記化学式(A)
Figure 2008231052
(式(A)中、−R、−Rは同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜18のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、または置換基を有していてもよいナフチル基、−R〜−Rは同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜18の直鎖または分岐アルキル基、フェニル基、フッ化アルキル基、フッ化フェニル基、トルイル基、ナフチル基)で示されることを特徴とする。
請求項2に記載のフルオレン化合物は、下記化学式(B)
Figure 2008231052
(式(B)中、−R〜−Rは同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜18の直鎖または分岐アルキル基、フェニル基、フッ化アルキル基、フッ化フェニル基、トルイル基、ナフチル基)で示されることを特徴とする。
請求項3に記載のフルオレン化合物は、請求項1に記載されたもので、前記式(A)が、下記式(1)または(2)
Figure 2008231052
Figure 2008231052
であることを特徴とする。
請求項4に記載のフルオレン化合物は、請求項2に記載されたもので、前記式(B)が、下記式(3)または(4)
Figure 2008231052
Figure 2008231052
であることを特徴とする。
請求項5に記載の発光素子材料は、請求項1〜4のいずれかに記載のフルオレン化合物を含有することを特徴とする。
請求項6に記載の有機電界発光素子は、陽極と陰極とからなる電極対の間に、請求項5に記載の発光素子材料を含有する層を有することを特徴とする。
前記式(1)〜(4)で示されるフルオレン化合物は、本発明によって初めて合成された。これらのフルオレン化合物は温度安定性、化学的安定性に優れ、なおかつ高い電子輸送性能とオプトエレクトロニクス特性とを有するため、発光素子材料として好適に使用できる。
本発明のフルオレン化合物を含有する発光素子材料を用いて作製された有機電界発光素子は、印加電圧が低い場合でも高効率、高輝度に発光する。そのため、この有機電界発光素子はディスプレイ材料、照明材料、太陽電池、電界効果トランジスタ等に有用である。
発明を実施するための形態
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明のフルオレン化合物は、縮合芳香環であるフルオランテンでフルオレンを内包したオリゴフェニレンオリゴマーである。
フルオレン化合物の好ましい一例として、前記化学式(3)で示される化合物は以下の化学反応式のようにして合成される。
Figure 2008231052
出発物質である2,7−ジブロモ−9−フルオレノンに粉末マグネシウムと2−ヨードビフェニルとを加えて、乾燥エーテルを溶媒として反応させ、(i)で示した2,7−ジブロモ−9−(2'−ビフェニル)−9−フルオレノールを合成する。さらに塩酸と酢酸とを加えて脱水反応させると、(ii)で示した2,7−ジブロモ−9−(2,2'−ビフェニル)フルオレンが得られる。
次に、(ii)にフェニルアセチレンを加えて薗頭カップリング(Sonogashira Coupling)反応を行い、(iii)で示した2,7−ジ(フェニルアセチル)−9−(2,2'−ビフェニル)フルオレンを中間性生成物として合成する。Sonogashira Couplingは、溶媒としてトリエチルアミンやトリフェニルアミン、触媒としてヨウ化銅(Cul)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh)またはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを使用し、室温で48時間反応させる。
次いでこの中間生成物(iii)に、(iv)で示した7,9−ジフェニル−8H−シクロペンタ[a]アセナフチレン−8−オンを導入する。ジフェニルエーテルを溶媒として250℃で48時間撹拌還流させると、化学式(3)で示されるフルオレン化合物(分子量1173.44)を得ることができる。
合成した化合物は、プロトン核磁気共鳴(H−NMR)、カーボン核磁気共鳴(13C−NMR)、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析(MALDI−TOF−Ms)によって生成を確認、同定する。
前記化学式(1)、(2)、(4)で示されるフルオレン化合物も、同様の反応で合成することができる。
前記化学式(A)中の−R、−Rは、前記化学式(1)、(2)で−R、−Rとして導入されているヘキシル基、パラ−メチルフェニル基や1−ナフチル基の他に、2−ナフチル基、3-ナフチル基、フェニル基、オルト−メチルフェニル基、メタ−メチルフェニル基であってもよい。また、前記化学式(A)、(B)中の−R〜−Rは、前記化学式(1)〜(4)で−R〜−Rとして導入されている水素原子、tert−ブチル基の他に、炭素数1〜18のアルキル基、分岐を持つアルキル基、フェニル基、フッ化アルキル基フッ化フェニル基、トルイル基、ナフチル基であってもよいが、水素原子またはtert−ブチル基であるとより好ましい。
本発明の発光素子材料は、前記のフルオレン化合物を含有するものである。発光素子材料は、有機電界発光素子の発光層や電子輸送層の構成材料として用いられることが好ましいが、有機電界発光素子のホール注入層、ホール輸送層、電子注入層等に含まれていてもよい。
本発明の有機電界発光素子は、基板上に設けられた陽極と陰極との間に存在する層の少なくともひとつの層に、前記の発光素子材料を含有するものである。前記発光素子材料を含有する層は、発光層及び/または電子輸送層であると特に好ましい。
前記発光素子材料を含有する層の形成方法は特に限定されない。例えば、印刷法やスピンコート法やスパッタリング法のようなウェットプロセス、真空蒸着法のようなドライプロセスといった、公知の方法を用いて成膜される。
前記基板としては、例えばガラス基板、石英基板のような透明性基板、または金属製基板、セラミック製基板のような不透明性基板を用いることができる。
前記陽極の材料としては仕事関数が大きなものが好ましく、例えば金、白金、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウムのような金属の単体;これらの金属の合金;酸化錫、酸化亜鉛、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウムのような金属酸化物が挙げられる。これらの陽極材料は、単独で陽極を構成してもよく、複数併用して構成してもよい。
前記陰極の材料としては仕事関数が小さなものが好ましく、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、インジウム、銀、鉛、錫、クロムのような金属の単体;これらの金属の合金が挙げられる。これらの陰極材料は、単独で陰極を構成してもよく、複数併用して構成してもよい。
有機電界発光素子は、前記発光層や前記電子輸送層に加えて、ホール注入層、ホール輸送層、ホールブロック層、電子注入層等の層が設けられていてもよい。これらの層は、単層であっても多層であってもよく、また有機化合物層であっても無機化合物層であってもよい。
具体的には、例えばホール注入層として銅フタロシアニンや4,4−ビス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)ビフェニル(mTDATA)、ホール輸送層として、4,4,4−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(TPD)やN,N'−ビス(1−ナフチル)−N,N'−ジフェニルベンジジン(NPD)、ホールブロック層として2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(バソクプロイン;BCP)やビス(2−メチル−8−キノリノレート)(p−フェニルフェノレート)アルミニウム(BAlq)やバソフェンを用いることができる。また、電子輸送層としてアルミニウム トリス 8−ヒドロキシキノリン(Alq)や1,3,5−トリス(1−フェニル−2−ベンズイミダゾリル)ベンゼン(TPBi)を用いてもよい。
本発明のフルオレン化合物を合成した例を合成例1〜4に示す。
(合成例1) 前記化学式(1)で示されるフルオレン化合物の合成
(1−1) 2,7−ジ(フェニルアセチル)−9,9−ジヘキシルフルオレンの合成
2,7−ジブロモ−9,9−ジヘキシルフルオレンの0.5g(1.05×10−3mol)に、フェニルアセチレン0.46ml(4.20×10−3mol)と、ヨウ化銅8mg(4.20×10−5mol)と、トリフェニルホスフィン55mg(2.10×10−4mol)と、トリエチルアミン12mlとを加え、窒素気流下で30分間脱気した。その後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)の29mgを加えて、48時間反応させた。反応後、エーテル/水で分液を行ってエーテル層を分取し、硫酸マグネシウムで脱水した後減圧濃縮した。シリカゲルカラム(石油エーテル:ジクロロメタン=8:2)を用いて精製を行い、減圧濃縮して目的物を得た。得られた生成物は、H−NMR及びMALDI−TOF−Msにより同定した。尚、NMR測定には、NMR分光器AVANCE400(日本ブルカー社製)を、MALDI−TOF−Ms測定には、Voyager DE Pro(PerSpeptive Biosystems社製)を、それぞれ使用した。
収量(収率):0.18g(67%)
(1−2) 7,9−ジフェニル−8H−シクロペンタ[a]アセナフチレン−8−オンの合成
ナス型フラスコにアセナフテンキノン0.91g(2.46×10−3mol)と、1,3−ジフェニル−2−プロパノン0.50g(2.38×10−3mol)と、エタノール3.5mlとを入れて還流させた。そこに、0.15gの水酸化カリウムをエタノール0.80mlに溶解した溶液を加えて、5分間反応させた。氷水で冷やして反応を止めた後、生成物を吸引濾過して減圧乾燥し、目的物を得た。
収量(収率):3.65g(93%)
(1−3) 2,7−ビス(7,9,10−トリフェニルフルオランテニル)−9,9’ジヘキシルフルオレン(前記化学式(1)で示される化合物)の合成
ナス型フラスコに1−1で得られた2,7−ジ(フェニルアセチル)−9,9−ジヘキシルフルオレンの0.20g(3.87×10−4mol)と、1−2で得られた7,9−ジフェニル−8H−シクロペンタ[a]アセナフチレン−8−オンの0.30g(8.42×10−4mol)と、ジフェニルエーテル7mlとを加えて250℃で48時間還流した。反応後、シリカゲルカラム(石油エーテル:ジクロロメタン=8:2)を用いて精製を行い、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)でさらに精製を行った後減圧濃縮して目的物を得た。得られた生成物は、H−NMR、13C−NMR、MALDI−TOF−Msにより同定した。
収量(収率):0.16g(60%)
1H-NMR(CDCl3,400.13MHz):δ=7.68(d,J=8.4Hz,4H,ArH),7.29(m,20H,ArH),7.21(m,8H,ArH),6.99(d,J=8.0Hz,2H,ArH),6.92(m,2H,ArH),6.86(m,4H,ArH),6.77(m,8H,ArH),6.58(d,J=8.4Hz,2H,ArH),6.52(m,2H,ArH),1.50(m,5H,ArH),1.23(m,5H,ArH),0.88(m,16H,ArH)
13C-NMR(CDCl3):δ=149.0,140.9,139.9,138.4,137.3,136.5,136.4,131.4,131.2,130.1,129.7,129.6,128.1,127.6,126.9,126.8,126.5,125.5,123.1,118.0,54.3,30.3,23.2
MALDI-TOF-Ms(Dithranol):m/z=1191.92,calculated for C93H74;1191.58
(合成例2) 前記化学式(2)で示されるフルオレン化合物の合成
(2−1) 2,7−ビス(7,9,10−トリフェニルフルオランテニル)−9−(p−メチルフェニル)−9−(1−ナフチル)フルオレン(前記化学式(2)で示される化合物)の合成
ナス型フラスコに2,7−ジ(フェニルアセチル)−9−(p−メチルフェニル)−9−(1−ナフチル)フルオレンの0.10g(1.72×10−4mol)と、1−2で得られた7,9−ジフェニル−8H−シクロペンタ[a]アセナフチレン−8−オンの0.14g(3.95×10−4mol)と、ジフェニルエーテル4mlとを加えて250℃で48時間還流した。反応後、シリカゲルカラム(石油エーテル:ジクロロメタン=8:2)を用いて精製を行い、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)でさらに精製を行った後減圧濃縮して目的物を得た。得られた生成物は、H−NMR、13C−NMR、MALDI−TOF−Msにより同定した。
収量(収率):0.12g(60%)
1H-NMR(CDCl3,400.13MHz):δ=7.75(m,3H,ArH),7.32(m,4H,ArH),7.11(m,20H,ArH),6.85(m,16H,ArH),6.64(m,2H,ArH),6.60(m,8H,ArH),6.38(m,8H,ArH),6.23(m,6H,ArH),2.38(s,3H,ArH)
13C-NMR(CDCl3):δ=141.3,140.9,139.9,137.5,137.3,136.7,133.7,131.1,130.6,130.2,129.7,129.5,129.3,128.7,128.3,127.9,126.5,126.4,125.7,123.6,121.2,121.1,119.1
MALDI-TOF-Ms(Dithranol):m/z=1238.89,calculated for C98H62;1238.49
(合成例3) 前記化学式(3)で示されるフルオレン化合物の合成
(3−1) 2,7−ジブロモ−9−(2'−ビフェニル)−9−フルオレノールの合成
三つ口フラスコに粉末マグネシウム0.11g(2.96×10−3mol)を加え、窒素気流下撹拌した。そこにdryエーテル20mlを加えて更に撹拌を行った後、2−ヨードビフェニル1.0ml(5.92×10−3mol)を発熱を抑えながらゆっくり滴下し、加熱しながら1時間撹拌した。その後、2,7−ジブロモ−9−フルオレノン1.0g(4.44×10−3mol)をゆっくりと加え、一晩還流した。一晩還流後、エーテル/水で分液を行ってエーテル層を分取し、硫酸マグネシウムで脱水した後減圧濃縮した。シリカゲルカラム(石油エーテル:ジクロロメタン=8:2)を用いて精製を行い、減圧濃縮して目的物を得た。得られた生成物は、H−NMRにより同定した。
収量(収率):1.38mg(95%)
(3−2) 2,7−ジブロモ−9−(2,2'−ビフェニル)フルオレンの合成
3−1で得られた2,7−ジブロモ−9−(2'−ビフェニル)−9−フルオレノール1.38g(2.80×10−3mol)と、酢酸20mlとをナス型フラスコに入れて還流させた。そこに塩酸0.2mlを加え、さらに20分間還流させた。その後室温に戻し、水を加えて撹拌した。生成物を吸引濾過した後、シリカゲルカラム(石油エーテル:ジクロロメタン=8:2)を用いて精製を行い、減圧濃縮して目的物を得た。得られた生成物は、H−NMR及び13C−NMRにより同定した。
収量(収率):1.17mg(88%)
(3−3) 2,7−ジ(フェニルアセチル)−9−(2,2'−ビフェニル)フルオレンの合成
3−2で得られた2,7−ジブロモ−9−(2,2'−ビフェニル)フルオレン0.5g(1.05×10−3mol)に、フェニルアセチレン0.46ml(4.20×10−3mol)と、ヨウ化銅8mg(4.20×10−5mol)と、トリフェニルアミン55mg(2.10×10−4mol)と、トリエチルアミン12mlとを加え、窒素気流下で30分間脱気した。その後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)の29mgを加えて、48時間反応させた。反応後、エーテル/水で分液を行ってエーテル層を分取し、硫酸マグネシウムで脱水した後減圧濃縮した。シリカゲルカラム(石油エーテル:ジクロロメタン=8:2)を用いて精製を行い、減圧濃縮して目的物を得た。得られた生成物は、H−NMR及び13C−NMRにより同定した。
収量(収率):1.17mg(88%)
(3−4) 2,7−ビス(7,9,10−トリフェニルフルオランテニル)−9−(2,2’−ビフェニル)フルオレン(前記化学式(3)で示される化合物)の合成
3−3で得られた2,7−ジ(フェニルアセチル)−9−(2,2'−ビフェニル)フルオレンの0.20g(3.87×10−4mol)をナス型フラスコに入れ、そこに1−2で得られた7,9−ジフェニル−8H−シクロペンタ[a]アセナフチレン−8−オンの0.30g(8.42×10−4mol)とジフェニルエーテル7mlとを加えて、250℃で48時間還流した。反応後、シリカゲルカラム(石油エーテル:ジクロロメタン=8:2)を用いて精製を行い、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)でさらに精製を行った後減圧濃縮して目的物を得た。得られた生成物は、MALDI−TOF−Msにより同定した。
収量(収率):0.32g(71%)
MALDI-TOF-Ms(Dithranol):m/z=1173.26,calculated for C93H56;1173.44
(合成例4) 前記化学式(4)で示されるフルオレン化合物の合成
(4−1) 7,9−ビス(4−t−ブチルフェニル)−8H−シクロペンタ[a]アセナフチレン−8−オンの合成
ナス型フラスコにアセナフテンキノン0.20g(1.10×10−3mol)と、1,3−ビス(t−ブチルフェニル)−2−プロパノン0.35g(1.09×10−3mol)と、エタノール4mlとを入れて還流させた。そこに、0.06gの水酸化カリウムをエタノール0.36mlに溶解した溶液をゆっくりと加えて、10分間反応させた。氷水で冷やして反応を止めた後、生成物を吸引濾過して減圧乾燥し、目的物を得た。
収量(収率):0.45g(87%)
(4−2) 2,7−ビス[7,9−ビス(4−ブチルフェニル)−10−フェニルフルオランテニル]−9,9’−ジヘキシルフルオレン(前記化学式(4)で示される化合物)の合成
3−3で得られた2,7−ジ(フェニルアセチル)−9−(2,2'−ビフェニル)フルオレンの0.19g(3.68×10−4mol)をナス型フラスコに入れ、そこに4−1で得られた7,9−ビス(4−t−ブチルフェニル)−8H−シクロペンタ[a]アセナフチレン−8−オンの0.29g(8.10×10−4mol)とジフェニルエーテル7mlとを加えて、250℃で48時間還流した。反応後、シリカゲルカラム(石油エーテル:ジクロロメタン=8:2)を用いて精製を行い、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)でさらに精製を行った後減圧濃縮して目的物を得た。得られた生成物は、H−NMR及びMALDI−TOF−Msにより同定した。
収量(収率):0.45g(87%)
1H-NMR(CDCl3,400.13MHz):δ=7.73(m,2H,ArH),7.62(d,J=8.4Hz,4H,ArH),7.34(m,2H,ArH),7.27(m,4H,ArH),7.18(m,10H,ArH),7.10(m,4H,ArH),7.02(d,J=8.4Hz,2H,ArH),6.92(t,J=8.0Hz,2H,ArH),6.76(m,10H,ArH),6.56(m,4H,ArH),6.43(m,4H,ArH),6.30(m,4H,ArH),1.36(s,18H,PhC(CH3)3),1.29(s,18H,PhC(CH3)3)
MALDI-TOF-Ms(Dithranol):m/z=1397.94,calculated for C109H88;1397.87
(紫外・可視(UV−Vis)スペクトル測定)
測定装置V−650iRM(日本分光(株)社製)を使用して、合成例1〜4で得られた化合物のジクロロメタン中におけるUV−Visスペクトル測定を行った。結果を図1に示す。
UV−Visスペクトル測定の結果、すべての化合物において300nm及び320nm付近にフルオレン特有のピークが、370nm付近にフルオランテン特有のピークが観察された。
(蛍光スペクトル測定)
測定装置FP−750(日本分光(株)社製)を使用して、合成例1〜4で得られた化合物のフルオレンの励起波長における蛍光スペクトル測定を行った。結果を図2に示す。
蛍光スペクトル測定の結果、すべての化合物においてフルオレン由来のピークは見られず、475nm付近にのみ周辺のフルオランテンに由来するピークが観察された。
(熱重量分析)
分析装置TG/DTA6200(セイコーインスツル(株)社製)を使用して、合成例1〜4で得られた化合物の熱重量分析を行った。結果を図3に示す。
すべての化合物において450℃以上まで重量減少は見られなかった。フルオレンの9位にアルキル基を導入した合成例1の化合物は450℃付近より重量減少が見られた。これに対して、フルオレンの9位にトルエンとナフタレンとを導入した合成例2の化合物、及びフルオレンの9位にフルオレンを導入した合成例3、4の化合物は、500〜550℃付近まで重量減少は観察されなかった。このことから、合成例の化合物、特に合成例3の化合物は熱安定性に優れること、また、フルオレンの9位を芳香環で置換することで、化合物の熱耐性を高められることがわかった。
次に、合成例2で得られた化合物を用いて有機電界発光素子(EL素子)を作製した例を実施例1に示す。
(実施例1)
素子構成は、ITO/PEDOT−PSS/合成例2の化合物、及びDPAVBi/LiF/Ca/Alである。
ガラス基板上に、陽極としてITOをスパッタ法にて150nmの膜厚で成膜し、中性洗剤、アルカリ性洗剤、純水、アセトン、イソプロピルアルコール(IPA)で順次超音波洗浄して乾燥した。
次いで前記陽極の上に、ホール輸送層として導電性高分子であるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(4−スチレンスルホナート)(PEDOT−PSS)層を形成した。PEDOT−PSS(Baytron P AI4083)をスピンコート法(2000rpm)にて50nmの膜厚で成膜し、200℃で乾燥、焼成した。
次いで前記ホール輸送層の上に、発光層として合成例2で得られた化合物の層を形成した。合成例2の化合物の20mgと、4,4’−ビス[4−(ジフェニルアミノ)スチリル]ビフェニル(DPAVBi)の5mg(20重量%)とをp−キシレン1.0gに溶解し、フィルタリングの後スピンコート法(2000rpm)にて80nmの膜厚で成膜し、180℃で乾燥、焼成した。
次いで前記発光層の上に、陰極としてフッ化リチウム(LiF)とカルシウム(Ca)とアルミニウム(Al)とを蒸着した。真空蒸着法にてフッ化リチウムを0.1オングストローム/秒で0.5nmの膜厚で成膜し、次いでその上に、カルシウムを成膜速度0.3オングストローム/秒で20nmの膜厚で成膜し、次いでその上に、真空蒸着法にてアルミニウムを成膜速度1〜5オングストローム/秒で200nmの膜厚で成膜して、EL素子を作製した。
実施例1で作製したEL素子について以下に示す測定を行い、物性を評価した。
(電流密度、発光輝度の測定)
EL1003(プレサイスゲージ社製)を用い、実施例1で作製したEL素子の電流密度と発光輝度とを測定した。電流密度、発光輝度の測定結果を図4(a)に、実施例1で作製したEL素子の励起波長を図4(b)に、それぞれ示す。
図4から明らかなように、実施例のEL素子は470nm付近に発光ピークを持ち、発光輝度が良好で、優れたエレクトロルミネッセンス特性を有していた。
以上の結果から、本発明のフルオレン化合物はEL素子材料として有用であることが確認できた。
合成例1、3、4の化合物を用いて作製したEL素子についても、同様に優れた発光輝度が得られた。
本発明を適用するフルオレン化合物のUV−Visスペクトルである。 本発明を適用するフルオレン化合物の蛍光スペクトルである。 本発明を適用するフルオレン化合物の熱重量分析結果を示すグラフである。 実施例1で作製したEL素子の電流密度及び発光輝度を測定したグラフである。

Claims (6)

  1. 下記化学式(A)
    Figure 2008231052
    (式(A)中、−R、−Rは同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜18のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、または置換基を有していてもよいナフチル基、−R〜−Rは同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜18の直鎖または分岐アルキル基、フェニル基、フッ化アルキル基、フッ化フェニル基、トルイル基、ナフチル基)で示されることを特徴とするフルオレン化合物。
  2. 下記化学式(B)
    Figure 2008231052
    (式(B)中、−R〜−Rは同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜18の直鎖または分岐アルキル基、フェニル基、フッ化アルキル基、フッ化フェニル基、トルイル基、ナフチル基)で示されることを特徴とするフルオレン化合物。
  3. 前記式(A)が、下記式(1)または(2)
    Figure 2008231052
    Figure 2008231052
    であることを特徴とする請求項1に記載のフルオレン化合物。
  4. 前記式(B)が、下記式(3)または(4)
    Figure 2008231052
    Figure 2008231052
    であることを特徴とする請求項2に記載のフルオレン化合物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のフルオレン化合物を含有することを特徴とする発光素子材料。
  6. 陽極と陰極とからなる電極対の間に、請求項5に記載の発光素子材料を含有する層を有することを特徴とする有機電界発光素子。
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