JP2008230351A - 電磁弁制御装置及びブレーキ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 消費電力を抑制し、コイルの小型化を可能にし、脈動による騒音発生を抑制できる電磁弁制御装置を提供すること。
【解決手段】 デューティ制御する電磁遮断弁108及び電磁比例弁113の駆動パルス信号を出力するPWM制御回路203a,203bと、入力信号の平滑化を行う平滑コンデンサ214a、214bを制御上負荷となる電磁弁の上流側に設け、平滑コンデンサ214a、214bをPチャネルパワーMOSFET211a,211b、クランプダイオード212a,212b、直流リアクトル213a,213bと負荷の間に配置し、電磁弁のコイルに通電する電流を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両のブレーキ制御装置及び電磁弁制御装置の技術分野に属する。
従来では、車両に制動力を発生させるブレーキバイワイヤ制御として、ノーマルオープンの電磁遮断弁をPWM制御し、電磁コイルへの初期作動時間T1内においては、電磁コイルに、初期作動に必要な作動力に相当する初期作動必要最低電流を通電し、その後の作動状態維持時間T2においては、作動状態を維持するのに必要な作動力に相当する作動状態維持必要最低電流を通電している(例えば、特許文献1参照。)。
また、車両に制動力を発生させるブレーキバイワイヤ制御として、ノーマルオープンの電磁遮断弁を、通常は閉弁させて、ブレーキバイワイヤ制御を行い、異常時には、開弁させて、通常のブレーキ動作を確保しているものもある(例えば、特許文献2参照。)。
特開2006−17181号公報(第2−11頁、全図) 特開2006−15876号公報(第2−6頁、全図)
しかしながら、従来の電磁弁制御装置にあっては、負荷である電磁弁コイルに流れる電流が脈動を持ち、その平滑化が困難であった。このため、電磁遮断弁を確実に遮断状態とするには、脈動している電流の最小値が当該弁の遮断状態とするための必要電流以上である必要がある。
そのため、全体としては通電されるが電流が過剰となってしまい、必要以上の電力を消費してしまっていた。電力消費の増大はコイルの発熱を引き起こすので、コイルの耐熱性能を向上する必要が生じ、これを達成するには、コイルサイズを大きくする必要がある。
所望の電磁力を得るためには、電流を大きくする方法の他に、コイルの巻き数を増加させる方法がある。しかしながらこの方法でもコイルサイズが大きくなるという欠点がある。
また、電流の脈動周波数が可聴領域である場合は、騒音発生の問題が生じる。この音はドライバがブレーキ操作を行う際に生じるため、ドライバに違和感、不快感を与えるものとなる。脈動周波数を可聴領域外とするためには、制御性に制約が生じ、回路素子の周波数特性の影響により回路設計の自由度に制約を生じることが避けられないものであった。
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、消費電力を抑制し、コイルの小型化を可能にし、脈動による騒音発生を抑制できる電磁弁制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、デューティ制御する電磁弁の駆動パルス信号を出力するデューティ制御回路と、前記デューティ制御回路の出力信号の平滑化を行う平滑回路と、を制御上負荷となる電磁弁の上流側に設け、前記平滑回路を前記デューティ制御回路と負荷の間に配置し、前記電磁弁のコイルに通電する電流を制御することを特徴とする。
よって、本発明にあっては、消費電力を抑制し、コイルの小型化を可能にし、脈動による騒音発生を抑制できる。
以下、本発明の電磁弁制御装置を実現する実施の形態を、請求項1,2,3に係る発明に対応する実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1のブレーキ制御装置の全体構成を表わすシステム図である。
実施例1では、ブレーキバイワイヤ制御時の液圧源として、正逆回転可能なモータ101により駆動する双方向ポンプ102を設けている。
双方向ポンプ102には、リザーバタンク105と、これに接続された第1油路103と、ホイールシリンダ106と、これに接続された第2油路104が設けられている。第2油路104上には、ホイールシリンダ圧を検出する第2液圧センサ112が設けられている。
リザーバタンク105には、ドライバのブレーキペダル操作により圧力を発生するマスタシリンダ107が設けられている。マスタシリンダ107には、ブレーキバイワイヤ制御時におけるブレーキペダルのストロークを確保するため、ストロークシュミレータが設けられている。マスタシリンダ107には、ノーマルオープン型の電磁遮断弁108に接続された第3油路109が接続されている。この第3油路109上には、マスタシリンダ圧を検出する第1液圧センサ111が設けられている。
また、電磁遮断弁108には、第2油路104と接続された第4油路110が接続されている。ノーマルクローズ型の電磁比例弁113には、第1油路103と接続された第5油路114と、第2油路104と接続された第6油路115が接続されている。すなわち、第1油路103と第2油路104とは、双方向ポンプ102を迂回して第5油路114、電磁比例弁113及び第6油路115により接続されている。
演算部120には、第1液圧センサ111及び第2液圧センサの検出信号が入力され、必要な制動力を演算し、各電磁弁及びモータ101に対し駆動指令信号を出力する。
尚、図1は1輪のみの制動制御を行う構成となっているが、4輪の制動制御を行う構成としては、第2油路104に複数のホイールシリンダを接続する構成でも良く、または、ポンプ、電磁遮断弁、電磁比例弁及びこれらよりホイールシリンダ側の構成を車輪毎に持つ構成でも良く、またはこれらを組み合わせた構成でも良い。また、一部の車輪に対する制動機構を別の方式としてもよい。
図2は実施例1の電磁弁制御回路の構成を示すブロック図である。
図2に示す電磁弁制御回路は、直流電源201、電源電圧検出回路202、PWM制御回路203a及び203b、電磁遮断弁コイル204、電磁比例弁コイル205、演算部120、電流検出回路204a及び204b、負荷である電磁遮断弁108、負荷である電磁比例弁113を主要な構成としている。
PWM制御回路203a及び203bは、PチャネルパワーMOSFET211a及び211b、クランプダイオード212a及び212b、直流リアクトル213a及び213b、平滑コンデンサ214a及び214bにてそれぞれ構成される。
直流電源201は、バッテリをエネルギー源として直流電圧を発生する。車両搭載の電源であるため、負荷増大による電圧の瞬低、蓄電量減少による電圧低下など、電圧変動の発生が多いことから、出力電圧制御を行うには電源電圧を監視することが不可欠であるので、電源電圧検出回路202を設ける。PチャネルパワーMOSFET211a及び211bは、スイッチング素子として機能して直流電源201から出力された直流電圧を低下させる。クランプダイオード212a及び212bと直流リアクトル213a及び213bと平滑コンデンサ214a及び214bは、PチャネルパワーMOSFET211a及び211bから出力される電圧を平滑する。
演算部には液圧センサ111及び112、電源電圧検出回路202、電流検出回路204a及び204bからのモニタ値が入力される。液圧センサ111及び112のデータと必要な制動制御量から所要の目標電流値が演算され、その目標電流値と、電源電圧検出回路202、電流検出回路204a及び204bそれぞれからのモニタ値からデューティ比が算出される。そしてPチャネルパワーMOSFET211a及び211bをPWM制御するためのデューティ比によるパルス列信号を発生する。
この際、制動制御目標から算出される電磁比例弁開度に応じた電磁比例弁コイル電流目標とを比較し、パルス列のデューティを最適に制御する。例えば、制御電流目標が変化しないのに、電源電圧が蓄電量減少等により低下した場合や、電磁弁コイルの発熱によりコイル抵抗が増大しコイル電流が低下した場合には、オンデューティを引き上げる制御を行う。
このような制御機能を実現するために、直流電源201の正極は、PチャネルパワーMOSFET211a及び211bのソースに接続する。PチャネルパワーMOSFET211a及び211bのドレインは、直流リアクトル213a及び213bの一方の端子とクランプダイオード212a及び212bのカソードに接続する。直流リアクトル213a及び213bの他方の端子は、平滑コンデンサ214a及び214bの正極に接続する。平滑コンデンサ214a及び214bの負極とクランプダイオード212a及び212bのアノードと直流電源201の負極は、共通に接続する。
平滑コンデンサ214a及び214bの両端に電磁遮断弁108及び電磁比例弁113を接続する。尚、PチャネルFETの代わりにNチャネルFETを用い、ゲート電圧の印加時と非印加時のスイッチング状態を逆にする構成として、同様の制御を行う構成としてもよい。
平滑コンデンサ214aの正極と電磁遮断弁108の間及び平滑コンデンサ214bの正極と電磁比例弁113の間にそれぞれ電流検出回路204a、204bを設け、それぞれの電磁弁コイルに流れる電流を検出する。尚、この電流検出回路は平滑コンデンサの負極と電磁弁の間に設けてもよい。
次に電磁遮断弁108の構成について説明する。
図3は実施例1の電磁遮断弁の拡大断面図である。
電磁遮断弁108は、通電により電磁力を発生するコイル302と、電磁力により作動するアーマチュア303を備えている。ハウジングH1内に圧入されたバルブボディ301は、軸方向貫通穴が形成されている。この軸方向貫通穴にはアーマチュア303と一体に作動するプランジャ304と、プランジャ304を開弁方向に付勢するスプリング306と、シートバルブ305が設けられている。
シートバルブ305には、軸心部に第3油路109と接続された軸心油路305aと、図中シートバルブ305の上端に設けられ、シート面に連通するオリフィス穴305bが設けられている。バルブボディ301の側面には、第4油路110と連通する径方向油路301aが形成されている。
次に電磁比例弁113の構成について概略を説明する。
図示しないが、電磁遮断弁108の構成において、ソレノイドを比例ソレノイドとし、また液圧差が弁の開閉状態への応力として働かない構造としたものである。また、電磁遮断弁108と逆に非通電状態では弁が遮断状態となる構造である。プランジャの引き上げ量は電流に比例する構成となっており、従って電流に略比例して弁の開度を制御できる構成となっている。
電磁比例弁113はホイールシリンダの減圧制御時に動作させ、減圧量が大きいほど大きく開き、これによりホイールシリンダ内の液をマスタシリンダ側に逃がすことで減圧を実現する。
電磁比例弁を所望の開度に制御するためには、目標開度に対応した電流をこの電磁比例弁コイルに通電する制御を行う。例えば、開度を30%にするには、全開とするのに必要な電流の略30%を通電すればよい。
次に作用を説明する。
[ブレーキバイワイヤ制御作用]
上記図1、図2を参照して説明した構成に基づく、ブレーキバイワイヤ制御作用について説明する。
(α)増圧制御
ドライバがブレーキペダルを踏み込むと、システムが正常な場合は電磁遮断弁108を閉じ、ブレーキバイワイヤ制御を実行する。またブレーキペダルを踏み込む動作によりマスタシリンダ圧が発生すると、演算部120において、第1液圧センサ111により検出された液圧値に基づいて要求制動力が演算される。この要求制動力に応じたモータ101の駆動信号が出力され、双方向ポンプ102を正方向に駆動すると、リザーバタンク105から第1油路103を介してブレーキ液が吸入され、双方向ポンプ102により発生した液圧がホイールシリンダ106に作用する。この時、第2液圧センサ112により検出された液圧値に基づいてフィードバック制御が実行され、所望のホイールシリンダ圧を確保する。
(β)保持制御
ホイールシリンダ圧を保持する場合には、双方向ポンプ102のリーク量を相殺可能なモータ101の駆動信号を出力し、ホイールシリンダ106の液圧を保持する。また、増圧制御から保持制御への移行時におけるホイールシリンダ圧のオーバーシュートを回避するために双方向ポンプ102を一旦逆方向に駆動してもよく、特に限定しない。
または、第1油路103もしくは第2油路104上に電磁遮断弁を設置し、この電磁遮断弁を遮断することで双方向ポンプ102のリークを遮断し、液圧を保持する構成としてもよい。
(γ)減圧制御
ドライバがブレーキペダルを戻し、マスタシリンダ圧が減少すると、演算部120において、減圧量が演算される。この減圧量に応じて電磁比例弁113の開度を調整し、ホイールシリンダ106内の液圧を第6油路115、第5油路114及び第1油路103を介してリザーバタンク105に還流する。また、電磁比例弁113による減圧では不充分な場合は、双方向ポンプ102を逆方向に駆動し、ホイールシリンダ106内のブレーキ液を積極的にリザーバタンク105へ掻き出すように制御してもよい。
ホイールシリンダを完全に減圧した状態、即ち制動動作が解除された状態となったら、電磁遮断弁108及び電磁比例弁113への通電を停止し、増圧制御前の状態に戻る。
尚、ブレーキバイワイヤ制御装置に異常が生じた場合は、制動制御中も電磁遮断弁108への通電を行わず、これにより電磁遮断弁108を開状態のままとすることで、マスタシリンダ圧をそのままホイールシリンダ106に作用させ、ブレーキ動作を確保する。
[電磁遮断弁通電制御処理]
図4に示すのは、実施例1のブレーキ制御装置で実行されるブレーキバイワイヤ制御時における電磁遮断弁通電制御処理の流れを示すフローチャートで、以下各ステップについて説明する。
ステップ401では、マスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧の差圧(ホイールシリンダ圧を正、マスタシリンダ圧を負として演算、以下同様)があるかどうかを判断し、差圧があるならばステップ403に進み、差圧がないならばステップ402に進む。
ステップ402では、電磁遮断弁108への通電を行わず、電磁遮断弁108を開状態にし、処理を終了する。
ステップ403では、その差圧に応じて電磁遮断弁108を閉状態に保つことが可能なこの電磁遮断弁コイルへの通電量を出力し、処理を終了する。
[電磁遮断弁の作用について]
コイル302に通電が開始され、電磁力が発生すると、アーマチュア303を図2中下方(シートバルブ305側)に吸引し、プランジャ304をスプリング306の付勢力に抗して引き上げる。すると、シートバルブ305のシート面にプランジャ304が当接し、オリフィス穴305bを塞ぐことで第3油路109と第4油路110とを遮断する。一方、コイル302への通電が成されないときは、スプリング306によりプランジャ304は図2中上方(シートバルブ305と反対側)に付勢され、オリフィス穴305bは開放された状態となる。
ここで、マスタシリンダ圧はプランジャ304を開弁する方向に作用するよう接続されている。ブレーキバイワイヤ制御では、運転者のブレーキペダル操作により発生するマスタシリンダ圧よりも高い圧力をホイールシリンダ106に供給することで、ブレーキブースタ等を排除した構成としている。そのため、ブレーキバイワイヤ制御が開始されると、高い制動力を得る場面では、マスタシリンダ圧よりもホイールシリンダ圧の方が高い状態が発生する局面が多々存在する。この時、プランジャ304には、マスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧の差圧(ホイールシリンダ圧がマスタシリンダ圧より大きい)が閉弁方向に作用することとなる。すなわち、ブレーキバイワイヤ制御開始時に一旦電磁遮断弁108を閉じるように通電した後は、差圧が閉弁方向に作用するため、必要となる通電量を低減できるものである。
図6は、実施例1における電磁遮断弁閉状態を維持するために必要な、マスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との差圧と、電磁遮断弁コイル通流電流とのおおよその関係を示すグラフ図である。
図6に示すとおり、電磁遮断弁108を閉状態に保つために必要な電流は、差圧が大きいほど小さくなる。従って、検出された差圧が大きいほど目標とする通電量は小さく、差圧が小さければ通電量は大きくなる。
図7は、実施例1におけるブレーキ制御中におけるマスタシリンダ、ホイールシリンダ間の差圧と、電磁遮断弁108を閉状態に保つために必要な電磁遮断弁コイルの電流量の関係を示すタイミングチャートである。
時刻t1において、ドライバがブレーキペダルを踏み込み、マスタシリンダ圧が発生すると、電磁遮断弁108のコイルに通電処理を行うことで、電磁遮断弁108を閉状態に遷移させると同時に、モータ101を制御することで双方向ポンプ102を制御し、マスタシリンダ圧より高いホイールシリンダ圧を発生させる。これによりマスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧の差圧が発生するので(図7(a)参照)、以後は、差圧に応じた必要量の電流を通電することで(図7(b)参照)、マスタシリンダ圧が発生している間(時刻t2までの間)電磁遮断弁108の閉状態を保持する。
図8は、実施例1と負荷の下流側に設置した電圧制御手段によりPWM制御を行った場合の、電磁遮断弁コイルの目標制御電流が一定であると見なせる程度の短い時間における、実際の電流波形を示すグラフ図である。
例えば、負荷の下流側に設置した電圧制御手段で、PWM制御を行う手法により電圧制御を行うことが考えられるが、図8(a)に示すように電流の脈動が発生する。一方実施例1では、負荷の上流側に設置した電圧制御手段によりPWM制御を行う手法で、電圧制御を行うため、電圧脈動を平滑化して略零にできる(図8(b)参照)。
負荷の下流側に設置した電圧制御手段で、PWM制御を行う手法により電圧制御を行う場合では、電磁遮断弁を確実に遮断状態とするには、脈動している電流の最小値がその弁の遮断状態とするための必要電流以上である必要がある。このため、実効値としては必要電流より過剰な電流が通電されることにより電磁遮断弁のコイル発熱が増大する。これに対して、実施例1では、電流脈動に起因するコイル発熱を抑制することができる。
また、負荷の下流側に設置した電圧制御手段で、PWM制御を行う手法により電圧制御を行う場合では、電流の脈動周波数が可聴領域となると騒音が発生するため、騒音の発生を抑止するためには、その周波数を可聴領域外にする必要があるが、その場合は回路素子の周波数特性の影響により、回路設計の自由度が低くなる。これに対して実施例1では、平滑な電流であるため、騒音発生の問題は生じず、また、この問題を回避するために回路構成が制約を受けることもなく、回路設計の自由度を拡げて確保することができる。
[電磁比例弁通電制御処理]
図5に示すのは、実施例1のブレーキ制御装置で実行されるブレーキバイワイヤ制御時における電磁比例弁通電制御処理の流れを示すフローチャートで、以下各ステップについて説明する。
ステップ501では、マスタシリンダ圧の減圧指令が検出されたかどうかを判断し、減圧指令があるならばステップ503へ進み、減圧指令がないならばステップ502へ進む。
ステップ502では、電磁比例弁113への通電を行わず、電磁比例弁113を閉状態とし、処理を終了する。
ステップ503では、減圧量に応じて電磁比例弁113の開度を算出し、その開度に応じた電磁比例弁113への通電量を出力し、処理を終了する。
[電磁比例弁の作用について]
図9は、実施例1と負荷の下流側に設置した電圧制御手段によりPWM制御を行った場合の、電磁比例弁コイルの目標制御電流が一定であると見なせる程度の短い時間における、実際の電流波形を示すグラフ図である。
例えば、負荷の下流側に設置した電圧制御手段で、PWM制御を行う手法により電圧制御を行うことが考えられるが、図9(a)に示すように電流の脈動が発生する。一方実施例1では、負荷の上流側に設置した電圧制御手段によりPWM制御を行う手法で、電圧制御を行うため、電圧脈動を平滑化して略零にできる(図9(b)参照)。
例えば、負荷の下流側に設置した電圧制御手段で、PWM制御を行う手法により電圧制御を行うことが考えられるが、この場合には、通電電流が目標電流の一定値ではなく、ある幅の間で絶えず変移を繰り返す。従って、実効値としては、目標電流に合致していても、実際の電磁比例弁の動作は瞬間最大電流に影響されて過剰に開いたり、逆に瞬間最小電流のために過小な開き方となったり、あるいは開度が安定しないといった不具合が起きる可能性がある。これに対して実施例では、電流脈動に起因する不安定性が排除できるため、安定した電磁比例制御を行うことができる。
また、負荷の下流側に設置した電圧制御手段で、PWM制御を行う手法により電圧制御を行う場合では、電流の脈動周波数が可聴領域となると騒音が発生するため、騒音の発生を抑止するためには、その周波数を可聴領域外にする必要があるが、その場合は回路素子の周波数特性の影響により、回路設計の自由度が低くなる。これに対して実施例1では、平滑な電流であるため、騒音発生の問題は生じず、またはこの問題を回避するために回路構成が制約を受けることもなく、回路設計の自由度が確保される。
次に、効果を説明する。
実施例1の電磁弁制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1)デューティ制御する電磁遮断弁108及び電磁比例弁113の駆動パルス信号を出力するPチャネルパワーMOSFET211a,211b、クランプダイオード212a,212b、直流リアクトル213a,213bと、直流リアクトル213a,213bの出力信号の平滑化を行う平滑コンデンサ214a、214bを制御上負荷となる電磁弁の上流側に設け、平滑コンデンサ214a、214bをPチャネルパワーMOSFET211a,211b、クランプダイオード212a,212b、直流リアクトル213a,213bと負荷の間に配置し、電磁弁のコイルに通電する電流を制御することとした。
これにより、消費電力を抑制し、コイルの小型化を可能にし、脈動による騒音発生を抑制できる。
(2)ドライバのブレーキ操作に応じてホイールシリンダを加圧する双方向ポンプ102と、ブレーキ操作中は、電磁遮断弁コイル204に通電することによりマスタシリンダ107とホイールシリンダ106との間を遮断する電磁遮断弁108と、ブレーキ液圧回路内の液圧を検出する第1液圧検出センサ111と、液圧検出手段により検出された液圧の大小に応じて電磁遮断弁コイル204に通電する通電量を増減させるPWM制御回路203aを備え、PWM制御回路203aが負荷の上流側に設置した、PチャネルパワーMOSFET211a、クランプダイオード212a、直流リアクトル213a、と平滑コンデンサ214aを組み合わせた構成であることとした。
これにより、電流脈動を平滑化でき、コイル発熱を抑制でき、消費電流を抑制でき、騒音発生を抑制でき、あるいは騒音発生を回避するための回路設計に自由度を持たせることができる。
(3)ドライバのブレーキ操作に応じてホイールシリンダを加圧する双方向ポンプ102と、ブレーキ操作中は、電磁遮断弁コイル204に通電することによりマスタシリンダ107とホイールシリンダ106との間を遮断し、マスタシリンダ圧が開弁方向に作用するように配置された電磁遮断弁108と、マスタシリンダ107と電磁遮断弁108との間の液圧を検出する第1液圧検出センサ111と、第1液圧検出センサ111により検出された液圧の大小に応じ、且つ、遮断弁の開弁圧がマスタシリンダ圧以上となるように電磁遮断弁コイル204に通電するPWM制御回路203aを備え、PWM制御回路203aが負荷の上流側に設置した、PチャネルパワーMOSFET211a、クランプダイオード212a、直流リアクトル213a、と平滑コンデンサ214aを組み合わせた構成であることとした。
これにより、電流脈動を平滑化でき、コイル発熱を抑制でき、電磁遮断弁108を開状態にし、開状態を保つ消費電流を抑制でき、騒音発生を抑制でき、あるいは騒音発生を回避するための回路設計に自由度を持たせることができる。
さらに加えて説明すると、電磁遮断弁108は、通常使用時にほとんど電流が流れることになるため、省電力の効果は非常に大きいものとなる。また、このように安定した制御を行えることは、ブレーキペダルに直接伝わる弁であることからその効果が非常に大きく得られるものとなる。
さらに、上記各実施例から把握しうる請求項以外の技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(イ)請求項2または請求項3に記載のブレーキ制御装置において、
前記マスタシリンダと前記ホイールシリンダの間に比例弁が設けられ、前記比例弁がブレーキ制御状態に応じて通電量を制御することにより弁開度を制御されるようにした、
ことを特徴とするブレーキ装置。
ホイールシリンダ106内の液をマスタシリンダ側へ逃がす減圧の実現を、消費電圧を抑制して行うことができ、コイル発熱を抑制して行うことができ、騒音発生を抑制して行うことができ、あるいは騒音発生を回避するための回路設計に自由度を持たせることができる。
なお、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、デューティ制御の例として、実施例1ではPWM制御を示したが、他のデューティ制御であってもよい。
また、例えば、電磁弁の例として、実施例1では電磁遮断弁及び電磁比例弁を示したが、他の電磁弁であってもよい。
実施例1のブレーキ制御装置の全体構成を表わすシステム図である。 実施例1の電磁弁制御回路の構成を示すブロック図である。 実施例1の電磁遮断弁の拡大断面図である。 実施例1のブレーキ制御装置で実行されるブレーキバイワイヤ制御時における電磁遮断弁通電制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1のブレーキ制御装置で実行されるブレーキバイワイヤ制御時における電磁比例弁通電制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1における電磁遮断弁閉状態を維持するために必要な、マスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との差圧と、電磁遮断弁コイル通流電流とのおおよその関係を示すグラフ図である。 実施例1におけるブレーキ制御中におけるマスタシリンダ、ホイールシリンダ間の差圧と、電磁遮断弁108を閉状態に保つために必要な電磁遮断弁コイルの電流量の関係を示すタイミングチャートである。 実施例1と負荷の下流側に設置した電圧制御手段によりPWM制御を行った場合の、電磁遮断弁コイルの目標制御電流が一定であると見なせる程度の短い時間における、実際の電流波形を示すグラフ図である。 実施例1と負荷の下流側に設置した電圧制御手段によりPWM制御を行った場合の、電磁比例弁コイルの目標制御電流が一定であると見なせる程度の短い時間における、実際の電流波形を示すグラフ図である。
符号の説明
101 モータ
102 双方向ポンプ
103 第1油路
104 第2油路
105 リザーバタンク
106 ホイールシリンダ
107 マスタシリンダ
108 電磁遮断弁
109 第3油路
110 第4油路
111 第1液圧センサ
112 第2液圧センサ
113 電磁比例弁
114 第5油路
115 第6油路
120 演算部
201 直流電源
202 電源電圧検出回路
203a PWM制御回路
203b PWM制御回路
204 電磁遮断弁コイル
204a 電流検出回路
204b 電流検出回路
205 電磁比例弁コイル
211a PチャネルパワーMOSFET
211b PチャネルパワーMOSFET
212a クランプダイオード
212b クランプダイオード
213a 直流リアクトル
213b 直流リアクトル
214a 平滑コンデンサ
214b 平滑コンデンサ
301 バルブボディ
301a 径方向油路
302 コイル
303 アーマチュア
304 プランジャ
305 シートバルブ
305a 軸心油路
305b オリフィス穴
306 スプリング
H1 ハウジング

Claims (3)

  1. デューティ制御する電磁弁の駆動パルス信号を出力するデューティ制御回路と、
    前記デューティ制御回路の出力信号の平滑化を行う平滑回路と、
    を制御上負荷となる電磁弁の上流側に設け、前記平滑回路を前記デューティ制御回路と負荷の間に配置し、
    前記電磁弁のコイルに通電する電流を制御することを特徴とする電磁弁制御装置。
  2. ドライバのブレーキ操作に応じてホイールシリンダを加圧する液圧源と、
    ブレーキ操作中は、コイルに通電することによりマスタシリンダとホイールシリンダとの間を遮断する遮断弁と、
    ブレーキ液圧回路内の液圧を検出する液圧検出手段と、
    前記液圧検出手段により検出された液圧の大小に応じて前記コイルに通電する通電量を増減させる通電量制御手段と、
    を備え、
    前記通電量制御手段を、前記コイルの上流側に設置したデューティ制御回路と平滑回路を組み合わせ、前記平滑回路を前記デューティ制御回路と前記コイルの間に配置した、
    ことを特徴とするブレーキ制御装置。
  3. ドライバのブレーキ操作に応じてホイールシリンダを加圧する液圧源と、
    ブレーキ操作中は、コイルに通電することによりマスタシリンダとホイールシリンダとの間を遮断し、前記マスタシリンダ圧が開弁方向に作用するように配置された遮断弁と、
    前記マスタシリンダと前記遮断弁との間の液圧を検出する液圧検出手段と、
    前記液圧検出手段により検出された液圧の大小に応じ、且つ、前記遮断弁の開弁圧がマスタシリンダ圧以上となるようにコイルに通電する通電量制御手段と、
    を備え、
    前記通電量制御手段を、前記コイルの上流側に設置したデューティ制御回路と平滑回路を組み合わせ、前記平滑回路を前記デューティ制御回路と前記コイルの間に配置した、
    ことを特徴とするブレーキ制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101956860A (zh) * 2010-10-28 2011-01-26 哈尔滨工业大学 一种电磁换向阀的驱动装置
WO2012147755A1 (ja) * 2011-04-28 2012-11-01 Toyonaga Shoichi 圧延用のロールクーラントバルブ

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