JP2008230157A - 転写媒体基材用ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 転写媒体を用いて転写されたオーバーコート層の光沢度を改善するため転写媒体基材の平滑化をすすめても、ブロッキングせずかつ巻特性等のハンドリングを高度に維持した転写媒体基材用フィルムを提供すること。
【解決手段】2軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片側に微細凹凸構造の被膜層を有し、該被膜層は平均粒径が8〜50nmの不活性粒子を10〜10/mm有し、かつ、該被膜層の外表面(表面A)のAFMによるaが1〜10nmであり、かつ、該表面がインクを積層させるための面であることを特徴とする転写媒体基材用ポリエステルフィルムであること。
【選択図】なし

Description

本発明は,昇華型プリンターや熱転写型プリンターなどに用いられ、印刷物の表面光沢度等を改善し得るインクリボンなどの転写媒体に使用し得る転写媒体基材用ポリエステルフィルムに関する。
デジタルカメラやデジタルビデオ、パーソナルコンピューターの普及に伴い、数値化された画像のプリンターによる印刷の需要が増加してきている。ことに、紫外線などによる褪色や水などの液体への耐性を持つオーバーコート層を備えたプリンターによる写真印刷は、従来の銀塩写真に比べて印刷速度が速い、印刷機が安くメンテナンスが簡単なため一般家庭に導入しやすいといった利点があり、銀塩写真の代替として伸びてきている。
しかし、従来の転写媒体を用いて転写されたオーバーコート層は表面の光沢度が銀塩写真と比較して低く、銀塩写真からの更なる代替促進のためには外観の品位の改善が急務となっている。この点、印刷物の光沢度を改善するために、転写媒体基材の転写する側の表面形状が印刷物の表面に凹凸を反転した形で転写され、印刷物の光沢度に反映されるため、転写媒体基材の表面を平滑にすることで、印刷物の光沢度を改善できることが知られている(特許文献1)。
しかしながら、フィルム表面を平滑化していくと、光沢度は改善するものの、転写材やインクの密着性が低下し印画ムラが発生しやすい問題が生じたり、フィルムをロール状に巻きとるなどフィルムが重なりあった場合、フィルム同士がブロッキングしやすくなり、良品歩留まりが極端に落ち、工業生産上問題があった。このような基材フィルムの平滑化とブロッキング防止を同時に満たす方法として、特許文献2のような方法が提案されているが、基材ベースの巻き特性が悪化することから、平滑化には限界があった。
特開2004−306580号公報 特開2006−176685号公報
本発明の課題は、光沢度を改善するため平滑化をすすめても、転写材やインクとの密着力を向上させたまま、ブロッキングせずかつ巻特性等のハンドリングを高度に維持したフィルムを提供することにある。
かかる問題を解決するために、本発明は、以下の構成からなる。
(1) 2軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片側に微細凹凸構造の被膜層を有し、
該被膜層は数平均粒径が8〜50nmの不活性粒子を10〜10個/mm有し、
かつ、該被膜層の表面(表面A)のAFMによるRaが1〜10nmであり、
かつ、表面Aがインクを積層させるための面である
転写媒体基材用ポリエステルフィルム、
(2) 該2軸延伸ポリエステルフィルムの被膜層と反対側の表面BのAFMによるRaが10〜20nmである(1)に記載の転写媒体基材用ポリエステルフィルム、
(3) 2軸延伸ポリエステルフィルムの被膜層と反対側にポリエステル層Bを設け、該ポリエステル層B表面のAFMによるRaが10〜20nmである(1)に記載の転写媒体基材用ポリエステルフィルム、
(4) 該2軸延伸ポリエステルフィルムの縦方向のF5値が100〜200MPa、および縦方向の150℃の加熱収縮率が2〜10%である(1)〜(3)のいずれかに記載の転写媒体基材用ポリエステルフィルム、
(5) 昇華型熱転写リボンに使用されることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の転写媒体基材用ポリエステルフィルム、
である。
本発明の転写媒体用ポリエステルフィルムによれば、積層膜の微細凹凸構造を有する表面Aの平均粗さが1〜10nmであるため、印刷物の表面光沢度の向上させることができ、かつ、転写材やインクの基材フィルムへの密着力を向上させることができ、また、基材ベース自身のブロッキングがおこらず、生産性およびハンドリングを高度に維持したフィルムを提供することができる。
本発明の転写媒体用ポリエステルフィルムは被膜層を有した単層フィルムでもよいが、フィルムの巻き取り性を向上させるため、2層以上の積層構成を有していても良い。
ここで、基材フィルムとなる2軸延伸ポリエステルフィルムをポリエステル層Aとするが、この層上に設ける微細凹凸構造の被膜層(被膜層A)はインク層を設ける側の面となる。本発明においては、ポリエステル層Bを設けることが好ましいが、この層Bは、被膜層と反対側に位置していることが好ましい。
本発明におけるポリエステルA層、ポリエステルB層に含まれるポリエステルの固有粘度は0.4〜1.0であることが好ましい。より好ましくは0.5〜0.8あり、特に好ましくは0.55〜0.70である。ポリエステルの固有粘度が0.4未満であると、フィルム製膜時にフィルム破断が発生しやすくなり生産性が低下しやすい。また、ポリエステルの固有粘度が1.0を超えると、ポリマーの溶融粘度が高くなり、ポリエステル樹脂中の異物を除去するためのフィルター濾過が困難となりやすい。
前記ポリエステル層A、ポリエステル層Bに含まれるポリエステルA、Bとしては、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステルなどを用いることができるが、特に芳香族ポリエステルが好ましい。ポリエステルA、Bは同じ種類でも、異なる種類であってもよい。積層ポリエステルフィルムが2層より多い多層積層フィルムである場合、ポリエステル層A、ポリエステル層B以外の層に含まれるポリエステルとしては、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステルなどを用いることができるが、特に芳香族ポリエステルが好ましく、ポリエステルA、Bは同じ種類でも、異なる種類であってもよい。
本発明におけるポリエステルとしては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環族ジカルボン酸などで示されるジカルボン酸成分と、エチレングリコール、ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのグリコール成分とから得られるポリエステルを用いることができ、具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどを挙げることができる。これらの中でも特に工業上安価であるポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
またポリエステルは、ホモポリマであっても共重合ポリマであってもよく、共重合成分としては、上記したジカルボン酸、ジオールを1種以上使用することができる。さらにはポリエチレングリコール、ポリブチレングリコールなどのポリアルキレングリコール、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸などのオキシカルボン酸なども使用することができる。ポリエステルは2種以上のものをブレンドしてもよく、例えば50%以上がポリエステルであれば、ポリエステル以外のものをブレンドしてもよい。
本発明を構成するポリエステルは、種々のエステル化反応、エステル交換反応およびそれに引き続く重縮合反応により得ることができる。これらの反応を行うため、通常、触媒として金属化合物を添加する方法が用いられる。例えば、エステル交換反応触媒として、Ca、Mg、Mn、Li等の化合物、重縮合反応触媒としてSb、Ti、Ge、Sn、Co等の化合物が一般的に用いられている。
本発明においては、ポリエステルフィルムの少なくとも片側に被膜層を有し、この被膜は微細凹凸構造を持つが、被膜層を形成する樹脂としては、ポリビニルアルコール、トラガントゴム、アラビアゴム、カゼイン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリエステルエーテル共重合体、水溶性ポリエステル共重合体等などが好ましく挙げられ、なかでも、セルロース誘導体と水溶性ポリエステル共重合体の高分子ブレンド体が特に好ましい。水溶性ポリエステル共重合体としては、ジカルボン酸成分とグリコール成分が重縮合したポリエステルであって、例えばスルホン酸基を有するジカルボン酸成分のような機能性酸成分を全カルボン酸成分の5モル%以上共重合せしめること、及び/又は、グリコール成分としてポリアルキレンエーテルグリコール成分を2〜70wt%共重合せしめることによって水溶性を付与したものが好ましいが、これらに限定されるものではない。スルホン酸基を有するジカルボン酸としては、好ましくは5−スルホイソフタル酸、2−スルホテレフタル酸などや、それらの金属塩、ホスホニウム塩などが使用でき、5−ナトリウムスルホイソフタル酸が特に好ましい。5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合せしめる際の他のジカルボン酸成分としてはイソフタル酸、テレフタル酸などが好ましく、グリコール成分としてはエチレングリコール、ジエチレングリコールなどが好ましい。セルロース誘導体は特に微細凹凸構造の形成に寄与し、水溶性ポリエステル共重合体はセルロ−ス誘導体とポリエステルフィルム表面との接着性向上に寄与する。本発明の微細凹凸構造により転写材と基材との接触面積が向上し、転写材の基材への密着力やインクの密着力を良好なものにすることができる。本発明の微細凹凸構造は連続していてもよく、また、不連続であってもよい。また、凸部の平均幅は0.1〜2μm、より好ましくは0.1〜1μmであることが微細凹凸構造が緻密となり、耐ブロッキング性が向上するので好ましい。凹部の平均幅は0.1〜2μm、より好ましくは0.1〜1μmであることが表面Aの平坦部分が減少して耐ブロッキング性が向上するので好ましい。
表面Aの面粗さRaは1〜10nm、好ましくは1.5〜8nm、より好ましくは2.0〜4.0nmである。表面Aの面粗さRa値が1.0nm未満であると、表面A上に形成されるインク層が平滑となり滑り性が低下し、インクリボンの巻特性が悪化し好ましくない。また、表面Aの面粗さRaが10nmを超えると、オーバーコート層転写後の画像の光沢度が劣り、好ましくない。また、本発明における表面Aの面粗さRzは5〜50nmであることがフィルムの巻き取り性が向上するので好ましく、より好ましくは10〜30nmである。
表面Aの面粗さRaは、ポリエステルAに含有させる不活性粒子の粒径と量により調整する方法とポリエステル層Aの最外面に微細凹凸構造の被膜層(被膜層A)を設ける方法とにより制御が可能であるが、本発明では、特に被膜層を設ける方法が、フィルムをロール上に巻きとった場合、ポリエステル層AとポリエステルB層とのブロッキングを防止できるので必要である。この被膜層Aに含有される不活性粒子の個数は1×10〜1×10個/mmであることが肝要である。この頻度が1×10個/mm未満であると、フィルムの易滑性が不十分であり、 一方〜1×10個/mmを越えると、フィルム加工時に走行させた場合、削れ物が発生しやすくなる。
この被膜層Aに含有される不活性粒子の数平均粒径としては8〜50nm、より好ましくは10〜20nmである必要がある。数平均粒径が8nmより小さいと表面AのRaが小さくなり平滑となって滑り性が低下し、インクリボンの巻特性が悪化し好ましくない。また、数平均粒径が50nmより大きくなると、フィルム加工時に走行させた場合、粒子が脱落しやすくなり削れ物が発生しやすくなる。不活性粒子の種類としては無機物質あるいは有機物質のどちらでもよく、皮膜中の不活性粒子の含有量としては0.1〜30wt%であることが好ましい。不活性粒子の数平均粒径は、以下のように測定する。フィルムの皮膜表面A上に金スパッター装置により金薄膜蒸着層を20〜30nm(この時のスパッターの蒸着膜厚をχnmとする)で設け、電子顕微鏡(好ましくは走査型電子顕微鏡)により倍率3万倍で観測し、少なくとも100個の粒子について面積円相当径を求め、この数平均値より2χnmを減じた値をもって数平均粒径とする。
また、フィルムの表面の表面粗さRa値、Rz値は、原子間力顕微鏡(走査型プローブ顕微鏡)AFMを用いて測定する。具体的には、例えば、セイコーインスツルメント(株)製の卓上小型プローブ顕微鏡(“Nanopics” 1000)を用い、ダンピングモードで、フィルムの表面を40μm角の範囲で原子間力顕微鏡計測走査を行い、得られる表面のプロファイル曲線よりJIS・B0601・Raに相当する算術平均粗さよりRa値を、十点平均粗さよりRz値を求める。
被膜層Aに含有される不活性微粒子としては具体的には、ポリスチレン、ポリスチレン―ジビニル酸モノエステル、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート共重合架橋体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリアクリロニトリル、メチルメタクリル、アルキルイタコン酸モノエステル、塩化ビニリデリレート共重合体、ベンゾグアナミン樹脂等の有機物、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、カオリン、タルク、グラファイト、炭酸カルシウム、長石、二硫化モリブデン、カーボンブラック、硫酸バリウム等の無機物から選ぶことができる。中でも、シリカがモース硬度が高く、削れて脱落することがないので好ましい。
ポリエステル層Aに不活性粒子を含有させる場合、ポリエステルAに含有させる好ましい不活性粒子としては、例えば、(1)耐熱性ポリマー粒子(例えば、架橋シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、架橋ポリエステルなどからなる粒子)、(2)金属酸化物(例えば、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素(シリカ)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムなど)、(3)金属の炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなど)、(4)金属の硫酸塩(例えば、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなど)、(5)炭素(例えば、カーボンブラック、グラファイト、ダイヤモンドなど)、および(6)粘土鉱物(例えば、カオリン、クレー、ベントナイトなど)などのような無機化合物からなる微粒子が挙げられる。これらのうち、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂粒子、ポリアミドイミド樹脂粒子、その他酸化アルミニウム(アルミナ)、二酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、合成炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ダイヤモンド、またはカオリンからなる微粒子が好ましい。さらに好ましくは、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、その他酸化アルミニウム(アルミナ)、二酸化チタン、二酸化ケイ素、または炭酸カルシウムからなる微粒子である。これらの不活性粒子は1種または2種以上のものを使用してもよい。また界面活性化剤、帯電防止剤、各種エステル成分等、異なる成分を添加させてもよい。
ポリエステル層Aに不活性粒子を含有させる場合の不活性粒子の好ましい数平均粒径は5〜200nmであり、より好ましくは10〜100nmであり、また、ポリエステルAに含まれる不活性粒子の好ましい含有量は0.001〜1.0wt%、より好ましくは0.05〜0.5wt%である。
また、本発明では、被膜層とは反対側にポリエステル層Bを設けることが好ましい。ポリエステル層B表面は、AFMによるRaが10〜20nmであることが好ましい。ポリエステル層B表面の面粗さRaが10nm未満であるとフィルムの巻取り性、耐ブロッキング性が不良となりやすい。一方、表面粗さRaが20nmを超えると、インク層への走行面の形状転写がおこりやすくなり、インクの転写ムラの問題がおこりやすい。ポリエステル層B表面の面粗さRzは100〜400nmであるとフィルムの巻取り性がさらに向上するので好ましく、より好ましくは150〜300nmである。
ポリエステルBに含有させる好ましい不活性粒子としては、例えば、(1)耐熱性ポリマー粒子(例えば、架橋シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、架橋ポリエステルなどからなる粒子)、(2)金属酸化物(例えば、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素(シリカ)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムなど)、(3)金属の炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなど)、(4)金属の硫酸塩(例えば、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなど)、(5)炭素(例えば、カーボンブラック、グラファイト、ダイヤモンドなど)、および(6)粘土鉱物(例えば、カオリン、クレー、ベントナイトなど)などのような無機化合物からなる微粒子が挙げられる。これらのうち、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂粒子、ポリアミドイミド樹脂粒子、その他酸化アルミニウム(アルミナ)、二酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、合成炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ダイヤモンド、またはカオリンからなる微粒子が好ましい。さらに好ましくは、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、その他酸化アルミニウム(アルミナ)、二酸化チタン、二酸化ケイ素、または炭酸カルシウムからなる微粒子である。これらの不活性粒子は1種または2種以上のものを使用してもよい。また界面活性化剤、帯電防止剤、各種エステル成分等、異なる成分を添加させてもよい。
ポリエステル層B表面の面粗さRaは、ポリエステル層Bに含有させる不活性粒子の粒径と量により調整することができる。不活性粒子の好ましい数平均粒径は50〜1,000nmであり、より好ましくは100〜500nmである。ポリエステル層Bに含まれる不活性粒子の好ましい含有量は0.01〜1.0wt%、より好ましくは0.1〜0.6wt%である。
ここで、ポリエステル層A、Bに含有される粒子の数平均粒径は、表面A側あるいはポリエステル層B表面側からポリエステル樹脂をプラズマ低温灰化処理法(たとえばヤマト科学製PR-503型)で除去し粒子を露出させる。処理条件は被膜や熱可塑性樹脂は灰化されるが粒子はダメージを受けない条件を選択する。これをSEM(走査型電子顕微鏡)で観察し、粒子の画像(粒子によってできる光の濃淡)をイメージアナライザー(たとえばケンブリッジインストルメント製QTM900)に結びつけ、観察箇所を変えて粒子数10,000個以上で次の数値処理を行い、それによって求めた数平均径Dを数平均粒径とする。
D=ΣDi/N
ここで、Diは粒子の円相当径、Nは個数である。ただし、後述の被膜層Bに微細粒子を含有する場合は、被膜層Bを取り除いてから灰化処理を行う。
ポリエステルAに含有される粒子の場合も同様な方法にて平均粒径を求める。ただし、被膜層Aに微細粒子を含有する場合は、被膜層Aを取り除いてから灰化処理を行う。
また、ポリエステル層Bに用いられるポリエステルBは、固有粘度が0.4〜0.65であることが、ポリエステル樹脂中の異物を除去するため、溶融ポリマーをフィルター濾過がしやすくなる点から好ましく、より好ましいポリエステル0.55〜0.6である。
前記ポリエステルポリエステル層Bに含まれるポリエステルBの製造方法としては前述のポリエステル層Aに用いられるポリエステルAの製造方法を用いることができる。
また、ポリエステル層Bの最外面に被膜層(被膜層B)を設けることも好ましい形態である。被膜層Bを設けることで、転写媒体基材用ポリエステルフィルムの取り扱い時の両表面での耐ブロッキング性が向上すること、ポリエステル層Bからの析出物が表面Aに転写することを防止できるため好ましい。
被膜層Bは、易滑性であって削られにくく、かつ、ポリエステルフィルムからの分解物を通さない機能を有するものであればよく、主として、水溶性高分子及び/又は水分散性高分子から構成され、好ましくは、水溶性高分子及び/又は水分散性高分子にシリコーン及びシランカップリング剤とが加わった組成物から形成されることが好ましい。
被膜層Bに用いられる水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、トラガントゴム、アラビアゴム、カゼイン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリエステルエーテル共重合体、水溶性ポリエステル共重合体等が使用できる。また、水分散性高分子のエマルジョンとしては、ポリメタクリル酸メチルエマルジョン、ポリアクリル酸エステルエマルジョン等が使用できる
シリコーンとしては、ポリジメチルシロキサン等のシロキサン結合を分子骨格にもつ有機ケイ素化合物が共有結合で多数つながった重合体が使用できる。シリコーンにより被膜層の易滑性が向上し、フィルムの走行性、耐削れ性が確保される。またポリエステルフィルムを巻いたときのフィルム間のブロッキングが防止される。なおフッ素化合物を易滑剤として用いてもよい。
シランカップリング剤としては、その分子中に2個以上の異なった反応基をもつ有機ケイ素単量体が挙げられ、その反応基の一つはメトキシ基、エトキシ基、シラノール基などであり、もう一つの反応基はビニル基、エポキシ基、メタアクリル基、アミノ基、メルカプト基などである。反応基としては水溶性高分子の側鎖、末端基およびポリエステルと結合するものが選ばれるが、シランカップリング剤としてビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が適用できる。シランカップリング剤はシリコーンの易滑剤層からの遊離防止に寄与し、さらに、被膜層とポリエステルとの接着性向上にも寄与する。
本発明における積層ポリエステルフィルムの全厚みは2μm以上10μm未満であることが好ましく、より好ましくは2μm〜8μmである。
本発明のフィルムにおける積層構造において、ポリエステル層Bの厚みの上限は全体厚みの8〜25%が好ましく、より好ましくは10〜20%である。ポリエステルBの厚みが全体厚みの8%未満であると、ポリエステルB中の不活性粒子が脱落しやすくなる。ポリエステル層Bの厚みが全体厚みの25%より厚くなると、ポリエステル層B中の不活性粒子の形状が表面Aに転写されることがある。
本発明における積層ポリエステルフィルムは種々の方法により製造することが可能である。例えば、ポリエステル層Aとポリエステル層Bとの積層構造は、共押出し法により製造するのが好ましく、被膜層Aおよび被膜層Bの積層は塗布法により行うのが好ましい。
以下、二軸配向ポリエステルフィルムを例により説明する。
押出機にて必要に応じて不活性粒子を含有させたポリエステルAを溶融状態にしてさらにそのままフィルターにて高精度濾過し、また、ポリエステル層Bを形成させる場合には、別の押出機にて不活性粒子を含有させたポリエステルBを溶融状態にしてさらに別のフィルターにて高精度濾過したのち、フィードブロックにそれぞれ導き、溶融状態にて複合積層せしめる。ポリエステルAとポリエステルBとの積層厚みの比は、各層の押出機の押出量を調整することにより、上記記載の好適な積層厚み比にすることができる。3層以上に複合せしめる場合は、ポリエステルAとポリエステルBとを押し出す押出機のほかに、さらに押出機によりポリエステルCを溶融押出し、必要よりフィルターにて濾過せしめたのち、3層積層ができるフィードブロックに導き、ポリエステル層Aとポリエステル層Bとの間に積層せしめることができる。このようにして溶融、好ましくは積層せしめた後、融点(Tm)〜(Tm+70)℃の温度で口金より押出もしくは共押出ししたのち、10〜50℃のキャスティングドラム上で急冷固化して未延伸積層フィルムシートを得る。その後、上記未延伸積層フィルムを常法に従い、一軸方向(縦方向または横方向)に(Tg)〜(Tg+80)℃の温度(ただし、Tgはポリエステルのガラス転移温度)で2〜8倍の倍率で、好ましくは3〜7.5倍で延伸する。さらに必要に応じて、被膜層Aあるいは被膜層Bを形成するための塗液をフィルム表面に塗布して乾燥し、その後上記延伸方向とは直角方向に(一軸延伸方向とは直交する方向に)延伸配向させ、熱固定する製造方法により、本発明のフィルムを製造することができる。
ポリエステル層A側の表面上に形成される被膜層Aを形成するために塗布する塗液の固形分濃度としては0.01〜1wt%、より好ましくは0.04〜0.5wt%である。そして水性塗液には本発明の効果を妨げない範囲で、他の成分、例えば他の界面活性剤、安定剤、分散剤、紫外線吸収剤、増粘剤、帯電防止剤などを添加することができる。
ポリエステル層B側の表面上に被膜層Bを形成する場合、形成される被膜層Bを形成するために塗布する塗液の固形分濃度としては0.01〜1wt%、さらに好ましくは0.04〜0.5wt%である。そして水性塗液には本発明の効果を妨げない範囲で、他の成分、例えば他の界面活性剤、安定剤、分散剤、紫外線吸収剤、増粘剤、帯電防止剤などを添加することができる。
二軸延伸は例えば逐次二軸延伸法又は同時二軸延伸法で行うことができるが、所望するならば熱固定前にさらに縦方向あるいは横方向、またはその両方(縦と横方向)に再度延伸させ機械的強度を高めた、いわゆる強力化タイプとすることもできる。
ポリエステル層A上に被膜層Aを形成するためには、前述した通り、1軸方向への延伸を終えた段階で所定組成・濃度の塗液を基層フィルム上に塗布する方法をとればよい。その塗布方法としては、ドクターブレード方式、グラビア方式、リバースロール方式、メイヤーバー方式のいずれであってもよい。表面AのRaは被膜層の微粒子、成分、ポリエステル層A内部の微細粒子の調整により制御することができる。ポリエステル層B上の被膜層Bの形成に関しても同様の方法を用いればよく、被膜層の厚みは、塗布液の固形分濃度、塗布液厚みの調整により所望値に制御することができる。
本発明においては、インク転写時の張力で転写媒体が変形することなく良好な画質を得るために、ポリエステルフィルムの長手方向の5%伸長応力F−5が100MPa以上であることが好ましく、より好ましくは150MPa以上である。F−5値の上限は特に限定されないが、200MPaを越えるとフィルムの製膜時にフィルム破断が増え、生産性に問題が生ずるため実質的に200MPa以下に限定される。
本発明におけるポリエステルフィルムの150℃、30分における縦方向の加熱収縮率は、2〜10%であることが好ましい。より好ましくは4〜8%である。近年の印画のスピードアップに対して高エネルギー化、高張力化の傾向があり、リボンには高温化での高張力のストレスがかかるようになってきた。そのため、上記範囲より加熱収縮率が低い場合にはリボンが伸びてシワが発生し、印画に写ってしまう。さらに悪いときにはリボンが切れてしまう。逆に上記範囲より高い場合には、プリンターの張力制御ではリボンの変形を防止することができなくなり画像がずれてしまう。
また、ポリエステル層A、Bの結晶化度は、ポリエステルがポリエチレンテレフタレートの場合は30〜50%、ポリエチレン−2,6−ナフタレートの場合は28〜38%であることが望ましい。いずれも下限を下回ると、熱収縮率が大きくなり、一方上限を上回るとフィルムの耐摩耗性が低下し、フィルム加工時にガイドロール表面と摺動した場合に白粉が生じやすくなる。
本発明のフィルムは、表面の光沢が必要な印刷物の転写媒体に用いられることでその効果が発揮されるが、特に銀塩写真と同等の光沢度が得られるため、デジタルカメラやスキャナーなどにより数値化された画像を印刷する際のオーバーコート層の転写媒体の基材として使用することが好ましい。
本実施例で用いた測定法は次のとおりである。
[測定法]
(1)フィルムの表面粗さRa値、Rz値
フィルムの表面の表面粗さRa値、Rz値は、原子間力顕微鏡(走査型プローブ顕微鏡)AFMを用いて測定した。具体的には、セイコーインスツルメント(株)製の卓上小型プローブ顕微鏡(“Nanopics” 1000)を用い、ダンピングモードで、フィルムの表面を40μm角の範囲で原子間力顕微鏡計測走査を行い、得られる表面のプロファイル曲線よりJIS・B0601・Raに相当する算術平均粗さよりRa値を、十点平均粗さよりRz値を求めた。
なお、測定条件の詳細は以下のとおりである。
測定面 表面A 表面B
測定モード ダンピングモード ダンピングモード
測定方向 幅方向 幅方向
測定領域 40×40μm 40×40μm
スキャンスピード 380s/FRAME 380s/FRAME
スキャン回数 512本 512本
振幅モード LL(20%) HH(100%)
(2)表面Aの微細凹凸構造の凹部凸部の平均幅測定方法
上記(1)で測定した40μm×40μmのAFM像より、縦4μm間隔で横方向の2次元プロファイルを合計9本求め、各々のプロファイルより凹部幅、凸部幅を測定する。この測定を10枚のAFM像にて実施し、平均の凹部幅、凸部幅を算出する。
(3−1)微細粒子の平均粒径(被膜層中の粒子)
電子顕微鏡(電顕)試験台上に微細粒子粉体を、この粒子ができるだけ重ならないように散在せしめ、電子顕微鏡(好ましくは透過型電子顕微鏡)により倍率100万倍で観測し、少なくとも100個の粒子について面積円相当径を求め、この数平均値をもって数平均粒径とした。
積層フィルムから求める場合には下記のa)手法等により求められる。
a)フィルムの皮膜表面A上に金スパッター装置により金薄膜蒸着層を20〜30nm(この時のスパッターの蒸着膜厚をχnmとする)で設け、電子顕微鏡(好ましくは走査型電子顕微鏡)により倍率3万倍で観測し、少なくとも100個の粒子について面積円相当径を求め、この数平均値より2χnmを減じた値をもって数平均粒径とする。
(3−2)微細粒子の個数
フィルムの皮膜表面A上に金スパッター装置により金薄膜蒸着層を20〜30nmで設け、電子顕微鏡(好ましくは走査型電子顕微鏡)により倍率3万倍で観測し、10枚写真撮影を行う(写真1枚あたりの面積は1000mmである)。撮影された10枚の写真から写真に観察される粒子の個数をカウントし、1mm2あたりの粒子数に換算して、粒子個数とした。
(4)粒子の平均粒径
ポリエステルAあるいはBに含有される粒子の場合、表面A側あるいは表面B側からポリエステル樹脂をプラズマ低温灰化処理法(たとえばヤマト科学製PR-503型)で除去し粒子を露出させる。処理条件は被膜や熱可塑性樹脂は灰化されるが粒子はダメージを受けない条件を選択する。これをSEM(走査型電子顕微鏡)で観察し、粒子の画像(粒子によってできる光の濃淡)をイメージアナライザー(たとえばケンブリッジインストルメント製QTM900)に結びつけ、観察箇所を変えて粒子数10,000個以上で次の数値処理を行い、それによって求めた数平均径Dを数平均粒径とする。
D=ΣDi/N
ここで、Diは粒子の円相当径、Nは個数である。ただし、被膜層Bに微細粒子を含有する場合は、被膜層Bを取り除いてから灰化処理を行う。
ポリエステルAに含有される粒子の場合も同様な方法にて平均粒径を求める。ただし、被膜層Aに微細粒子を含有する場合は、被膜層Aを取り除いてから灰化処理を行う。
(5)ポリエステル層A、Bの厚み、およびフィルム全体の厚み
フィルム全体の厚みはマイクロメーターにてランダムに10点測定し、その平均値を用いる。ポリエステル層A、Bの層厚については、相対的に薄いポリエステル層の層厚みを以下に述べる方法にて測定し、相対的に厚いポリエステル層の層厚みは、全厚みより被膜層および相対的に薄いポリエステル層の層厚を引き算して求める。
二次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、深さ5,000nmの範囲のフィルム中の粒子の内最も高濃度の粒子に起因する金属元素、フィルム中に金属元素を含まない粒子を含有する場合は、ポリエステルフィルム重合時の最も高濃度に含有する触媒に起因する金属元素濃度(M)を測定する。金属元素濃度Mは一旦安定値1になったのち、単調に増加するかまたは減少して安定値2になる。この分布曲線をもとに、前者の場合は、(安定値1+安定値2)/2の粒子濃度を与える深さをもって、薄いポリエステル層の厚み(μm)とする。
測定条件は、以下のとおりである。
(a)測定装置
二次イオン質量分析装置(SIMS);パーキン・エルマー株式会社(PERKIN ELMER INC.)製、「6300」
(b)測定条件
一次イオン種:Cs2+
一次イオン加速電圧:3KV
一次イオン入射角:60°
一次イオン電流:150nA
ラスター領域:300μm×400μm
分析領域:ゲート9%
測定真空度:6.0×10−9 Torr
E−GUNN:0.5KV−3.0A
(6)F−5値
ASTM-D-882によるテンシロン型引張試験器に試料幅10mm、試料長100mmとなるようセットし、引張速度200m/分、温度20℃、湿度65%RHの条件でフィルムの5%伸張の対応する強度を測定した。
(7)ポリエステルの固有粘度IV
ポリエステル層Aまたは層Bから削り出したポリエステル樹脂を用いて、オルソクロロフェノールを溶媒として25℃で測定した。
(8)加熱収縮率
フィルムを測定する方向に約120mm、試料幅10mmに切り、測定方向に100mmの間隔で標線を入れ、加熱オーブン中で試料の測定方向における一端を固定し、他端に荷重1.5gをかけ、試料を垂直にして一定時間熱処理(150℃、30分)する。該熱処理後の試料長変化から次式により求めた。
熱収縮率=(熱処理前の長さ−熱処理後の長さ)/熱処理前の長さ
なお、熱処理によってフィルムが伸びた場合は熱収縮率は負の値となる。
(9)転写型画像保護フィルムの作製
実施例中に記載する方法で作製したマスターロールから500mm幅、35000m長のロール状に巻き取ったロールについて、このロールを巻きだして、一方の面(表面B)に、全面に亘ってバックコート層用塗料をグラビアコート方式により塗工後、55℃のオーブンにて5日間保存し硬化させてバックコート層を形成した。バックコート層用塗料は、ポリビニルアセタール系樹脂としてデンカブチラール#3000K(電気化学工業(株)製)を5.0重量部と、イソシアネートとしてコロネートL(日本ポリウレタン工業(株)製)を0.5重量部と、燐酸エステルとしてフォスファノールGB520(東邦化学(株)製)を20重量部と、シリカとしてNipsil E−200A(日本シリカ工業(株)製)を0.5重量部と、メチルエチルケトンを37重量部と、トルエンを37重量部とを混合して調製した。続いて、バックコート層硬化後のロール状フィルムを再度巻きだして、バックコート層の反対面(表面A)に、画面保護層用塗料をバーコーティングにより、厚み約2.0μmとなるように塗布し、120℃オーブンで乾燥し、転写型画像保護フィルムを作製した。画像保護層用塗料は、セルロース・アセテートブチレート樹脂としてCAB500−0.5(イーストマンケミカル社製)を20.0重量部と、メチルエチルケトンを40.0重量部と、トルエンを40.0重量部とを混合して調製した。
(10)光沢度
上記(9)で記載した方法にて作製した転写型画像保護フィルムを用いて、非保護画像上に画像保護層を転写し、その表面の光沢度をGloss Meter VG2000(NIPPON DENSHOKU製)を用いて20°Glossを測定し、以下の基準で判定した。
◎:光沢が十分にあり、優秀
○:若干、光沢が低下するが、実用上、問題ないレベルであり、良好。
×:光沢が不十分で実用に耐えず、不良
なお、印画紙の染料受容層に印画、および熱転写する上記の転写型画像保護フィルムについては、ソニー(株)製昇華型Digital Photo Printer DPP−SVシリーズ純正メディアであるSVM−25LSインクリボンの熱転写フィルム部分と置換えてリボンと貼り合わせることによって使用した。評価用印画物作成としてソニー(株)製Digital PhotoPrinterを使用した。
具体的には、まず、Adobe社製のソフトウエアAdobe Photo Shopを使用して、白のベタ画像を作成し、そのデータをプリンターDPP−SVM77に転送、SVM−25LSインクリボンの熱転写フィルム部に、本発明の熱転写フィルムを置き換えたインクリボンを使用して、各画像保護フィルムの白ベタ画像上への転写を行った。印画紙に白ベタ画像を当該プリンターの熱転写ヘッドにより転写印画した。
(11)転写材密着性
上記(9)で作成した記載した方法にて作製した転写型画像保護フィルムの転写材積層面にセロテープ(登録商標):CT−24(ニチバン(株)製) を貼り、ハンドローラーを用いて約5kgの荷重で10回往復して圧着させ、セロテープ(登録商標)を180°方向に強制剥離し、転写材の剥離度合を観察し評価した。判定基準は、
◎:非常に良好(剥離なし)
○:良好(剥離面積5%未満)
△:やや劣る(剥離面積5以上10%未満)
×:不良(剥離面積10%以上)
とした。
(12)ブロッキング現象
実施例中に記載する方法で作製したマスターロールから500mm幅、35000m長のロール状に巻き取ったロールについて、これを40℃、80%R.H.に調節された恒温恒湿室内にて24時間放置し、その後、恒温恒湿室内を23℃、50%R.H.に変更し、そのまま24時間放置した。放置後、ロールを巻きだして、そのフィルム層間のブロッキング状態(固着状態)を以下の基準で判定した。
◎:まったく、ブロッキング起きず、優秀。
○:若干、ブロッキング起こすも、実用上、問題ないレベル。良好。
×:ブロッキングひどく、使用に耐えない。不良。
(13)ハンドリング性
フィルムまたはフィルムにインク層およびオーバーコート層を設けた転写媒体をロール状に巻き取る際の巻き姿、および転写媒体から受容体に熱を用いて転写する際のシワをみて次の基準により判定した。
×:転写時にシワが多く実用不可。
△:転写時にシワが発生することがあるが実用上問題無いレベル。
○:巻き姿悪いが巻き長短ければ実用可。転写時はシワなく実用可。
◎:巻き姿良好で且つ転写時にもシワなく実用可。
次に実施例に基づき、本発明を説明する。
[実施例1]
(ポリエステルAの製造方法)
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール70重量部、酢酸カルシウム0.09重量部を反応器に入れて180〜210℃にてエステル交換反応を施し、メタノールを留出させた。エステル交換反応が終了した時点でリン酸0.02重量部および三酸化アンチモン0.03重量部を添加し、引き続いて系内を徐々に減圧にし、60分で1mmHg以下とした。それと同時に徐々に昇温し290℃とした。重縮合反応を2時間実施し、実質的に不活性粒子を含有しないポリエチレンテレフタレート(PET)を得た。
(ポリエステルBの製造方法)
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール70重量部、酢酸カルシウム0.09重量部を反応器に入れて180〜210℃にてエステル交換反応を施し、メタノールを留出させた。エステル交換反応が終了した時点でリン酸0.02重量部および三酸化アンチモン0.03重量部を添加し、引き続いて系内を徐々に減圧にし、60分で1mmHg以下とした。それと同時に徐々に昇温し290℃とした。重縮合反応を2時間実施し、その後吐出ノズルより水中に押し出しカッターによって径約5mm長さ約7mmの円柱状のチップとした。こうして得られたポリマに数平均粒径300nmのポリスチレン球を0.50wt%となるように含有させ、ポリエステルBを得た。
得られたポリエステルA、ポリエステルBを、それぞれ170℃で3時間乾燥後、2台の押し出し機に、厚みの比が6:1となるように調整して共押出しにより供給し、溶融温度280〜300℃にて溶融し、平均目開き1μmの鋼線フィルターで高精度ろ過したのち、マルチマニホールド型共押出しダイを用いて、ポリエステルAの片面にポリエステルBを積層させ、温度25℃のキャステイングドラム上にて急冷して厚さ84μmの未延伸積層ポリエステルフィルムを得た。押し出し時にはポリエステルAとポリエステルBともフィルター圧力上昇もなく押し出しができた。次にこのようにして得られた未延伸フィルムを予熱しロール延伸法で108℃で4.0倍に縦延伸し、急冷して縦延伸フィルムを得た。
この縦延伸フィルムに、被膜層Aを設けるため、ポリエステル層Aの外側に下記組成・濃度の水溶液を、塗布厚み4.0μmでメイヤーバー方式にて塗布した。
ポリエステル層A外側への塗布水溶液:
メチルセルロース 0.10wt%
水溶性ポリエステル 0.30wt%
平均粒径 18nmの球状シリカ 0.03wt%
また、被膜層Bを設けるため、ポリエステル層Bの外側に下記組成・濃度の水溶液を、塗布厚み4.0μmでメイヤーバー方式にて塗布した。
メチルセルロース 0.12wt%
水溶性ポリエステル 0.30wt%
アミノエチルシランカップリング剤 0.01wt%
続いてステンターに供給し、110℃にて横方向に3.8倍に延伸した。得られた二軸延伸フィルムを、220℃の熱風で4秒間熱固定し、全厚み6.2μmで、ポリエステル層Bの厚み0.9μmの積層二軸配向ポリエステルフィルムを得た。このマスターロールから500mm幅にトリミングしながら内径6インチの巻き芯にトータル35000m、250m/分の速度でロール状に巻き取り、ロール状フィルムとした。このフィルムを用いて、測定法(9)の方法で転写型画像保護フィルムを作製した。得られた結果を表1に示す。
[実施例2]
(ポリエステルAの製造方法)
実施例1と同様にポリエステルAを得た。
(ポリエステルBの製造方法)
実施例1と同様にポリエステルBを得た。
得られたポリエステルA、ポリエステルBを、それぞれ170℃で3時間乾燥後、2台の押し出し機に、厚みの比が5:1となるように調整して共押出しにより供給し、溶融温度280〜300℃にて溶融し、平均目開き1μmの鋼線フィルターで高精度ろ過したのち、マルチマニホールド型共押出しダイを用いて、ポリエステルAの片面にポリエステルBを積層させ、温度25℃のキャステイングドラム上にて急冷して厚さ72μmの未延伸積層ポリエステルフィルムを得た。次にこのようにして得られた未延伸フィルムを予熱しロール延伸法で108℃で4.0倍に縦延伸し、急冷して縦延伸フィルムを得た。
この縦延伸フィルムに、被膜層Aを設けるため、ポリエステル層Aの外側に下記組成・濃度の水溶液を、塗布厚み4.0μmでメイヤーバー方式にて塗布した。
ポリエステル層A外側への塗布水溶液:
メチルセルロース 0.10wt%
水溶性ポリエステル 0.30wt%
数平均粒径 40nmの球状シリカ 0.60wt%
ポリエステル層Bの外側へは被膜層Bは設けなかった。
続いてステンターに供給し、110℃にて横方向に3.8倍に延伸した。得られた二軸延伸フィルムを、180℃の熱風で4秒間熱固定し、全厚み5.2μmで、ポリエステル層Bの厚み0.9μmの積層二軸配向ポリエステルフィルムを得た。このマスターロールから、実施例1と同様にしてロール状フィルムを得た。このフィルムを用いて、測定法(9)の方法で転写型画像保護フィルムを作製した。得られた結果を表1に示す。
[実施例3]
(ポリエステルAの製造方法)
実施例1と同様にポリエステルAを得た。
(ポリエステルBの製造方法)
実施例1と同様にポリエステルBを得た。
得られたポリエステルA、ポリエステルBを、それぞれ170℃で3時間乾燥後、2台の押し出し機に、厚みの比が6:1となるように調整して共押出しにより供給し、溶融温度280〜300℃にて溶融し、平均目開き1μmの鋼線フィルターで高精度ろ過したのち、マルチマニホールド型共押出しダイを用いて、ポリエステルAの片面にポリエステルBを積層させ、温度25℃のキャステイングドラム上にて急冷して厚さ84μmの未延伸積層ポリエステルフィルムを得た。次にこのようにして得られた未延伸フィルムを予熱しロール延伸法で108℃で3.0倍に縦延伸し、急冷して縦延伸フィルムを得た。
この縦延伸フィルムに、被膜層Aを設けるため、ポリエステル層Aの外側に下記組成・濃度の水溶液を、塗布厚み4.0μmでメイヤーバー方式にて塗布した。
ポリエステル層A外側への塗布水溶液:
メチルセルロース 0.10wt%
水溶性ポリエステル 0.30wt%
平均粒径 20nmのポリスチレン 0.03wt%
ポリエステル層Bの外側へは被膜層Bは設けなかった。
続いてステンターに供給し、実施例1と同様にして、ロール状フィルムを得た。このフィルムをもちいて、測定法(9)の方法で転写型画像保護フィルムを作製した。得られた結果を表1に示す。
[実施例4]
(ポリエステルAの製造方法)
ポリマ中に数平均粒径が80nmのシリカ粒子を0.08wt%含有させた以外は実施例1と同様にしてポリエステルAを得た。
(ポリエステルBの製造方法)
実施例1と同様にしてポリエステルBを得た。
このようにして得られたポリエステルを用いて、実施例1と同様にして縦延伸フィルムを得た。この縦延伸フィルムに、被膜層Aを設けるため、ポリエステル層Aの外側に下記組成・濃度の水溶液を、塗布厚み4.0μmでメイヤーバー方式にて塗布した。
ポリエステル層A外側への塗布水溶液:
メチルセルロース 0.20wt%
水溶性ポリエステル 0.10wt%
平均粒径 18nmのポリスチレン 0.03wt%
ポリエステル層Bの外側へは被膜層Bは設けなかった。
続いてステンターに供給し、実施例1と同様にして、ロール状フィルムを得た。このフィルムを用いて、測定法(9)の方法で転写型画像保護フィルムを作製した。得られた結果を表1に示す。
[実施例5]
(ポリエステルAの製造方法)
実施例1と同様にしてポリエステルAを得た。
(ポリエステルBの製造方法)
実施例1と同様にしてポリエステルBを得た。
このようにして得られたポリエステルを用いて、実施例1と同様にして縦延伸フィルムを得た。この縦延伸フィルムに、被膜層Aを設けるため、ポリエステル層Aの外側に下記組成・濃度の水溶液を、塗布厚み4.0μmでメイヤーバー方式にて塗布した。
ポリエステル層A外側への塗布水溶液:
メチルセルロース 0.10wt%
水溶性ポリエステル 0.30wt%
数平均粒径 10nmの球状シリカ 0.01wt%
ポリエステル層Bの外側へは被膜層Bは設けなかった。
続いてステンターに供給し、実施例1と同様にして、ロール状フィルムを得た。このフィルムを用いて、測定法(9)の方法で転写型画像保護フィルムを作製した。得られた結果を表1に示す。
[実施例6]
(ポリエステルAの製造方法)
実施例1と同様にしてポリエステルAを得た。
(ポリエステルBの製造方法)
ポリマ中に含有させた粒子を平均粒径200nmの球状シリカ0.1wt%に変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステルBを得た。
このようにして得られたポリエステルを用いて、実施例1と同様にして縦延伸フィルムを得た。この縦延伸フィルムに、被膜層Aを設けるため、ポリエステル層Aの外側に下記組成・濃度の水溶液を、塗布厚み4.0μmでメイヤーバー方式にて塗布した。
ポリエステル層A外側への塗布水溶液:
メチルセルロース 0.30wt%
水溶性ポリエステル 0.10wt%
数平均粒径 18nmの球状シリカ 0.03wt%
ポリエステル層Bの外側へは被膜層Bは設けなかった。
続いてステンターに供給し、実施例1と同様にして、ロール状フィルムを得た。このフィルムを用いて、測定法(9)の方法で転写型画像保護フィルムを作製した。得られた結果を表1に示す。
[比較例1]
(ポリエステルAの製造方法)
実施例1と同様にしてポリエステルAを得た。
(ポリエステルBの製造方法)
実施例1と同様にしてポリエステルBを得た。
得られたポリエステルA、ポリエステルBを、実施例1と同様にして厚さ84μmの未延伸積層ポリエステルフィルムを得た。次にこのようにして得られた未延伸フィルムを予熱しロール延伸法で108℃で3.5倍に縦延伸し、急冷して縦延伸フィルムを得た。
この縦延伸フィルムに、被膜層Aを設けるため、ポリエステル層Aの外側に下記組成・濃度の水溶液を、塗布厚み4.0μmでメイヤーバー方式にて塗布した。
ポリエステル層A外側への塗布水溶液:
メチルセルロース 0.10wt%
水溶性ポリエステル 0.30wt%
数平均粒径 8nmの球状シリカ 0.005wt%
ポリエステル層Bの外側へは実施例1と同様に被膜層Bを設けた。
続いてステンターに供給し、実施例1と同様にしてロール状フィルムを得た。このフィルムを用いて、測定法(9)の方法で転写型画像保護フィルムを作製した。得られた結果を表2に示す。
[比較例2]
(ポリエステルAの製造方法)
実施例1と同様にしてポリエステルAを得た。
(ポリエステルBの製造方法)
実施例1と同様にしてポリエステルBを得た。
これらのポリエステルを用いて比較例1と同様にして、縦延伸フィルムを得た。
この縦延伸フィルムに、被膜層Aを設けるため、ポリエステル層Aの外側に下記組成・濃度の水溶液を、塗布厚み4.0μmでメイヤーバー方式にて塗布した。
ポリエステル層A外側への塗布水溶液:
水溶性ポリエステル 0.30wt%
数平均粒径 18nmの球状シリカ 0.03wt%
ポリエステル層Bの外側へは実施例1と同様に被膜層Bを設けた。
続いてステンターに供給し、210℃の熱風で4秒間熱固定した以外は、実施例1と同様にしてロール状フィルムを得た。このフィルムを用いて、測定法(9)の方法で転写型画像保護フィルムを作製した。得られた結果を表2に示す。
[比較例3]
(ポリエステルAの製造方法)
ポリマ中に数平均粒径が200nmの炭酸カルシウム粒子を0.07wt%含有させた以外は実施例1と同様にしてポリエステルAを得た。
(ポリエステルBの製造方法)
実施例1と同様にしてポリエステルBを得た。
このようにして得られたポリエステルを用いて、実施例1と同様にして、ロール状フィルムを得た。このフィルムを用いて、測定法(9)の方法で転写型画像保護フィルムを作成した。得られた結果を表2に示す。
[比較例4]
(ポリエステルAの製造方法)
実施例1と同様にしてポリエステルAを得た。
(ポリエステルBの製造方法)
ポリマ中に含有させた粒子を数平均粒径200nmの球状シリカ0.1wt%に変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステルBを得た。
このようにして得られたポリエステルを用いて、比較例2と同様にして縦延伸フィルムを得た。この縦延伸フィルムに、被膜層Aを設けるため、ポリエステル層Aの外側に下記組成・濃度の水溶液を、塗布厚み4.0μmでメイヤーバー方式にて塗布した。
ポリエステル層A外側への塗布水溶液:
メチルセルロース 0.20wt%
水溶性ポリエステル 0.10wt%
ポリエステル層Bの外側へは実施例1と同様に被膜層Bを設けた。
続いてステンターに供給し、210℃の熱風で4秒間熱固定した以外は、実施例1と同様にしてロール状フィルムを得た。このフィルムを用いて、測定法(9)の方法で転写型画像保護フィルムを作製した。得られた結果を表2に示す。
[比較例5]
(ポリエステルAの製造方法)
実施例1と同様にしてポリエステルAを得た。
(ポリエステルBの製造方法)
実施例1と同様にしてポリエステルBを得た。
このようにして得られたポリエステルを用いて、実施例1と同様にして縦延伸フィルムを得た。この縦延伸フィルムに、被膜層Aを設けるため、ポリエステル層Aの外側に下記組成・濃度の水溶液を、塗布厚み4.0μmでメイヤーバー方式にて塗布した。
ポリエステル層A外側への塗布水溶液:
メチルセルロース 0.10wt%
水溶性ポリエステル 0.30wt%
数平均粒径 18nmの球状シリカ 0.69×10−4wt%
ポリエステル層Bの外側へは実施例1と同様に被膜層Bを設けた。
続いてステンターに供給し、実施例1と同様にしてロール状フィルムを得た。このフィルムを用いて、測定法(9)の方法で転写型画像保護フィルムを作製した。得られた結果を表2に示す。
[比較例6]
(ポリエステルAの製造方法)
実施例1と同様にしてポリエステルAを得た。
(ポリエステルBの製造方法)
実施例1と同様にしてポリエステルBを得た。
このようにして得られたポリエステルを用いて、実施例1と同様にして縦延伸フィルムを得た。この縦延伸フィルムに、被膜層Aを設けるため、ポリエステル層Aの外側に下記組成・濃度の水溶液を、塗布厚み4.0μmでメイヤーバー方式にて塗布した。
ポリエステル層A外側への塗布水溶液:
メチルセルロース 0.10wt%
水溶性ポリエステル 0.30wt%
数平均粒径 18nmの球状シリカ 0.09wt%
ポリエステル層Bの外側へは実施例1と同様に被膜層Bを設けた。
続いてステンターに供給し、実施例1と同様にしてロール状フィルムを得た。このフィルムを用いて、測定法(9)の方法で転写型画像保護フィルムを作製した。得られた結果を表2に示す。なお、比較例6においては、粒子数が本発明の範囲を超えているため、フィルム加工時に被膜層Aからの粒子の脱落がみられ、光沢度、転写材の密着性が劣る結果であった。
[比較例7]
(ポリエステルAの製造方法)
実施例1と同様にしてポリエステルAを得た。
(ポリエステルBの製造方法)
実施例1と同様にしてポリエステルBを得た。
このようにして得られたポリエステルを用いて、実施例1と同様にして縦延伸フィルムを得た。この縦延伸フィルムに、被膜層Aを設けるため、ポリエステル層Aの外側に下記組成・濃度の水溶液を、塗布厚み4.0μmでメイヤーバー方式にて塗布した。
ポリエステル層A外側への塗布水溶液:
メチルセルロース 0.10wt%
水溶性ポリエステル 0.30wt%
数平均粒径 7nmの球状シリカ 0.003wt%
ポリエステル層Bの外側へは実施例1と同様に被膜層Bを設けた。
続いてステンターに供給し、実施例1と同様にしてロール状フィルムを得た。このフィルムを用いて、測定法(9)の方法で転写型画像保護フィルムを作製した。得られた結果を表2に示す。
[比較例8]
(ポリエステルAの製造方法)
実施例1と同様にしてポリエステルAを得た。
(ポリエステルBの製造方法)
実施例1と同様にしてポリエステルBを得た。
このようにして得られたポリエステルを用いて、実施例1と同様にして縦延伸フィルムを得た。この縦延伸フィルムに、被膜層Aを設けるため、ポリエステル層Aの外側に下記組成・濃度の水溶液を、塗布厚み4.0μmでメイヤーバー方式にて塗布した。
ポリエステル層A外側への塗布水溶液:
メチルセルロース 0.10wt%
水溶性ポリエステル 0.30wt%
数平均粒径 54nmの球状シリカ 0.81wt%
ポリエステル層Bの外側へは実施例1と同様に被膜層Bを設けた。
続いてステンターに供給し、実施例1と同様にしてロール状フィルムを得た。このフィルムを用いて、測定法(9)の方法で転写型画像保護フィルムを作製した。得られた結果を表2に示す。
Figure 2008230157
Figure 2008230157
微細凹凸構造の被膜層について模式的に示した平面図である。 図1のフィルムの概略の断面図である。
符号の説明
1 凸部
2 凹部
3 微細粒子
4 ポリエステルフィルム

Claims (5)

  1. 2軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片側に微細凹凸構造の被膜層を有し、
    該被膜層は数平均粒径が8〜50nmの不活性粒子を10〜10個/mm有し、
    かつ、該被膜層の表面(表面A)のAFMによるRaが1〜10nmであり、
    かつ、表面Aがインクを積層させるための面である
    転写媒体基材用ポリエステルフィルム。
  2. 該2軸延伸ポリエステルフィルムの被膜層と反対側の表面BのAFMによるRaが10〜20nmである請求項1に記載の転写媒体基材用ポリエステルフィルム。
  3. 該2軸延伸ポリエステルフィルムの被膜層と反対側にポリエステル層Bを設け、該ポリエステル層B表面のAFMによるRaが10〜20nmである請求項1に記載の転写媒体基材用ポリエステルフィルム。
  4. 該2軸延伸ポリエステルフィルムの縦方向のF5値が100〜200MPa、および縦方向の150℃の加熱収縮率が2〜10%である請求項1〜3のいずれかに記載の転写媒体基材用ポリエステルフィルム。
  5. 昇華型熱転写リボンに使用されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の転写媒体基材用ポリエステルフィルム。
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JP2010150308A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 Mitsubishi Plastics Inc インモールド転写箔用ポリエステルフィルム

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