JP2008229688A - 鋳片案内装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋳片案内装置において、複数のロール対を稠密配備可能であると共にロール対毎にロール間隔を自在に変更することが可能であり、且つ、装置全体の剛性の確保を図る。
【解決手段】本発明に係る鋳片案内装置は、ロール対2を具備する複数のロールユニット6と、複数のロールユニット6を列んだ状態に支持する共通フレーム4とを備えている。各ロールユニット6は、第1ロール22をハウジング62で枢支してなる第1ロール組立体72と、第2ロール23をハウジング63で枢支してなる第2ロール組立体73と、第1ロール組立体72に対し第2ロール組立体73を近接離間させる駆動手段74とを備えている。隣り合うロールユニット6の間にタイロッド5が配備され、これら隣り合うロールユニット6の各第2ロール組立体73のハウジング63が共に該タイロッド5に摺動自在に嵌合する。
【選択図】図1

Description

本発明は、連続鋳造設備において、パスラインを搬送される鋳片を案内する鋳片案内装置に関するものである。
従来、連続鋳造設備においては、鋳型の下方から複数のロールセグメント等の鋳片案内装置が配備され、該鋳片案内装置の複数対のロールにより鋳片の搬送路(以下、パスラインという)が形成されている。
鋳片案内装置のうち、特に鋳片の中心偏析を解消する目的でパスラインの終端部に配備される軽圧下装置においては、第1ロールと該第1ロールに対し近接離間移動する第2ロールとからなるロール対を稠密に配備(ロールピッチを狭めて配備)することが重要である。ロールピッチが大きいと鋳片にバルジングが生じるものとなり、本来の軽圧下の効果も得ることができないばかりか、鋳片品質自体も損なってしまうからである。
例えば特許文献1や特許文献2においては、複数の第1ロールを稠密に上向き配備した基準フレームに、複数の第2ロールを稠密に下向き配備した傾動フレームを対向させ、基準フレームに対する傾動フレームの距離及び傾きを調整することにより、ロール間隔(第1ロールと第2ロールとの間隔のことを言う)を所定ロール間隔になるようにした軽圧下装置について開示されている。
ところで、パスラインを搬送されてくる鋳片には、軽圧下領域での最適なロール間隔がそれぞれ存在し、かかるロール間隔を達成すべく、搬送されてくる鋳片毎にロール間隔を変更する必要がある。また、この様な最適なロール間隔も、鋳造鋼種・鋳造速度・二次冷却履歴等により時々刻々と微妙に変化し、その状況に応じたロール間隔の変更も必要となる。さらに、非定常時(例えば、鋳造速度変更)においても、その状況に応じたロール間隔を設定しなければならない。
これに対し、上記特許文献1や特許文献2に開示の軽圧下装置においては、複数対のロール間隔を一括で傾斜状に変更することは可能であるが、ロール間隔をフレーム(複数対のロール)単位でしか変更することができないため、上述の如き最適なロール間隔を設定することはきわめて困難である。
かかる問題を解決可能な装置として、特許文献3には、傾動可能な上フレームに取り付けられた複数の第2ロールのそれぞれにロール間隔調整手段を設けた軽圧下装置が開示されている。
ところで、軽圧下装置による鋳片圧下時においては、各ロールと鋳片との接触部を作用点として、各ロールにはパスライン下流側に向けて引抜力が作用する。これに対し、上記特許文献3に開示の軽圧下装置は、各第2ロールを上フレームから下方にオーバハングさせた吊下げ構造であり、この様な引抜力に対して脆弱な構造となっている。このため、該引抜力により上フレーム等軽圧下装置全体が変形し、各ロール対のロール間隔ばかりでなくロール対どうしの間隔にも次第にくるいが生じるものとなるおそれがある。
この様な脆弱構造を回避すべく、上フレームと下フレームとを、下フレームの両側に立設された平板状のサイドフレームによって連結支持した圧下装置が提案されている(例えば特許文献4参照)。
該圧下装置においては、該サイドフレームに複数設けた縦長の開口部に、ロール対の第1ロールを枢支する下ハウジングと第2ロールを枢支する上ハウジングとがそれぞれ収納されている。上ハウジングは、開口部側縁部の規制によりパスライン下流側への移動が規制されると共に上下方向に案内される。また、上ハウジングのロール軸心方向の規制は、サイドフレームに設けられて該上ハウジングに嵌合するキープレートにより案内される。
特開2003−290893号公報 特開2001−113349号公報 特開平5−8004号公報 特開平8−71719号公報
しかしながら、上記特許文献4に開示の圧下装置によれば、ロール対を稠密配備すべくロールピッチを短縮しようとすると、鋳片からの引抜力が最も作用するであろうサイドフレームの前記開口部間に位置するブリッジ部の幅を小さくせざるを得ず、装置全体のパスライン方向の剛性が著しく低下するという問題を招来する。
そこで、本発明は、複数のロール対を稠密配備可能であると共にロール対毎にロール間隔を自在に変更することが可能であり、且つ、装置全体の剛性を確保することができる鋳片案内装置を提供するようにしたものである。
前記目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、
連続鋳造設備のパスライン上の鋳片を複数対のロールを備えたロールスタンドをもって搬送する鋳片案内装置であって、
前記ロールスタンドは、一対のロールを具備する複数のロールユニットと、該複数のロールユニットを一列に列んだ状態に支持する共通フレームとを備え、
各ロールユニットは、前記鋳片のパスラインよりも共通フレーム側に配備される第1ロールをハウジングで枢支してなる第1ロール組立体と、該第1ロール組立体に近接離間可能な第2ロールをハウジングで枢支してなる第2ロール組立体と、第1ロール組立体に近接離間する駆動力を前記第2ロール組立体に付与する駆動手段とを備え、
隣り合うロールユニットの間には、前記共通フレームから突出するタイロッドが配備され、これら隣り合うロールユニットの各第2ロール組立体のハウジングが共に該タイロッドに摺動自在に嵌合することを特徴としている。
これによれば、隣接するロールユニットの間にタイロッドが配備され、該タイロッドからみて一側方のロールユニットの第2ロール組立体を構成するハウジングが該タイロッドに嵌合すると共に、他側方のロールユニットの第2ロール組立体を構成するハウジングも該タイロッドに嵌合する。すなわち、隣接するロールユニットが互いの間に位置するタイロッドを共有するものとなると共に該タイロッドを介してロールユニットを対向配備することができる。この結果、ロールユニットを稠密に配備することが可能となる。
また、ロールユニット毎に駆動手段を配備しているので、ロールユニット毎に第1ロールと第2ロールとの間隔を適宜変更することができる。
また、タイロッドにより各ロールユニットの第2ロール組立体を支持するので、鋳片圧下時に各第2ロール組立体にパスライン方向に作用する引抜力は各タイロッドに受け止められることとなり、これによって、装置全体の剛性を高めることができる。
また、前記第1ロール組立体と第2ロール組立体の何れか一方又は両方のハウジングは、前記タイロッドに摺接する溝部を備えていることが好ましい。
これによれば、タイロッドは隣り合うロールユニットのいずれのハウジングの溝部にも嵌り込むものとなり、これによって、両ハウジングの間隔のさらなる短小化が図られる。この結果、ロールユニット、即ちロール対をさらに稠密に配備することができる。
また、前記タイロッドは、長尺な円柱状又は円筒状に形成され、軸心に垂直な断面の直径又は外径は、ロール軸方向の前記ハウジングの幅よりも小さいことが好ましい。
これによれば、タイロッドを長尺に形成することができ、ロールユニット、即ちロール対をさらに稠密に配備することができる。また、汎用の小型工作機械等で容易にタイロッドを形成することができるものとなる。
また、前記共通フレームから突出する複数のタイロッドは、前記共通フレームからみて第2ロール組立体よりも遠い位置で連結部材により互いに連結されていることが好ましい。
これによれば、各タイロッドの先端部が互いに連結されることとなるので、ロールスタンド全体の剛性をさらに高めることができる。
また、前記第1ロール組立体の各ハウジングは、前記共通フレームに接地した状態で前記タイロッドに嵌合した状態で固定されていることが好ましい。
これによれば、タイロッドにより各ロールユニットの第1ロール組立体も支持されることとなり、鋳片圧下時に各第1ロール組立体に鋳片搬送方向に作用する引抜力はタイロッドに受け止められる。この結果、装置全体の剛性をさらに高めることが可能となる。
これにより、各ロール対のロール間隔を個別に適宜調整することができるものとなる。
本発明の鋳片案内装置によれば、複数のロール対を稠密配備可能であると共にロール対毎にロール間隔を自在に変更することが可能であり、且つ、装置全体の剛性を確保することができる。
以下、本発明に係る鋳片案内装置を軽圧下装置1として実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明していく。
図6に示す如く、本発明に係る軽圧下装置1を有する連続鋳造設備100においては、取鍋101の下方にタンディッシュ102が配備され、該タンディッシュ102の下方に鋳型103が配備され、該鋳型103の下方から複数のサポートロール及び冷却スプレーからなる二次冷却帯104が湾曲状に伸び、これによって、鋳型103の下端を始端部とするパスラインLが形成されている。また、該パスラインLの終端部に軽圧下装置1が配備されている。
取鍋101からタンディッシュ102に流れ込んだ溶鋼Tや該溶鋼Tの先端部に設けられるダミーバーは、二次冷却帯104の中途部に配備される鋳片引抜装置104a等によりパスラインLの上流側から下流側に向けて引き抜かれることにより、パスラインLを通過する。また、該溶鋼Tは、パスラインLを通過している間に二次冷却帯104により冷却された後、切断装置(図示省略)により適当な長さに切断され、これによって鋳片が形成される。
軽圧下装置1は、パスラインLを搬送される鋳片に圧下荷重を付与して該鋳片の中心偏析を解消するための装置であって、該鋳片に圧下荷重を付与する互いに平行な複数のロール対2を有するロールスタンド3と、各ロール対2の一方若しくは両方に回転駆動力を付与するロール回転装置9とを備えている。
なお、ロール回転装置9を配備することなく、ロールスタンド3の各ロール対2の何れか若しくは全てを回転力付与としないフリーロールとすることも可能である。
図1〜図3に示す如く、ロールスタンド3は、共通フレーム4と、ロール対2を有して該共通フレーム4上に列ぶ複数体(本実施形態においては、5体)のロールユニット6と、各ロールユニット6の間に配備されるタイロッド5と、該タイロッド5を連結する連結部材8とを備えている。
共通フレーム4は、パスラインLに沿って延びて互いに対向する一対の支持板41と、該一対の支持板41の長手方向の両端部を連結する一対の連結板42とを備えている。また、各支持板41には、パスラインLに近い方の端面からパスラインLに遠い方の端面に向けて複数個(本実施形態においては6個)の貫通孔43が等間隔で形成されている。
なお、互いに対向する支持板41は同形に形成されており、各貫通孔43の個数、間隔等は互いに同一である。また、該共通フレーム4は、SS400等の一般構造用圧延鋼材やSC410等の炭素鋳鋼品等の素材により形成されている。
また、各支持板41には、パスラインLからみて遠い方となる端縁部に対向する支持板41から離間する方向に延びるフランジ44が設けられている。
接地面Gにはベースフレーム10が設けられており、各支持板41のフランジ44は、ベースフレーム10の先端部に設けられたフランジ11にボルト等の締結具を介して締結される。これにより、共通フレーム4は、ベースフレーム10を介して接地面Gに連結支持される。
各タイロッド5は、共通フレーム4の各支持板41に形成されている貫通孔43の断面半径と同一若しくは僅かに小さい外径を有する断面円形のポール状に形成されている。タイロッド5をかかる形状とすることにより、汎用の小型工作機械等でタイロッド5は容易に製作されるものとなる。
また、タイロッド5を共通フレーム4の貫通孔43に締まり嵌めにより締結することも可能であり、この場合、該貫通孔41の断面直径よりもタイロッド5の外径は僅かに大きい。
なお、タイロッド5は、SS400等の一般構造用圧延鋼材や、S45C等の機械構造用炭素鋼、クロムモリブデン鋼等の機械構造用合金鋼、SUS304やSUS316等のステンレス鋼等の高強度素材や市販棒鋼材等により形成されている。また、表面に窒化処理やクロームメッキ処理を施した素材をタイロッド5として採用することも可能である。
各ロールユニット6は、第1ロール22と該第1ロール22を枢支するハウジング62とを有して共通フレーム側に設けられる第1ロール組立体72と、第2ロール23と該第2ロール23を枢支するハウジング63とを有して連結部材側に設けられる第2ロール組立体73と、該第2ロール組立体73を第1ロール組立体72に向けて近接離間させる駆動手段74とを備えている。
第1ロール組立体72は、ハウジング62を第1ロール22の両端側にそれぞれ備えており、各ハウジング62は、パスライン方向の長さを共通フレーム4に立設されたタイロッド5の間隔と同一若しくは僅かに小さなものとすると共に、パスライン直交方向の長さを共通フレーム4の支持板41と同一若しくは僅かに大きく又は小さく且つタイロッド5の断面径よりも大きいものとする直方体状に形成されている。また、各ハウジング62は、ベアリング等を介して該第1ロール22を枢支する枢支部64を備えると共に、同側に位置するタイロッド5に嵌合可能な嵌合部65を備えている。
図3又は図4(a)に示す如く、嵌合部65は、タイロッド5と対向することとなる端面62aにそれぞれ溝部66を形成して構成されている。該溝部66は、パスラインLからみて近い方となる端縁から遠い方の端縁までを円弧状に凹設して形成されている。該溝部66の円弧面66aの曲率半径は、タイロッド5の軸心に垂直な円形断面の半径と同一若しくは僅かに大きい。これにより、該ハウジング62を共通フレーム4に立設されているタイロッド5間に配備すると、該タイロッド5の表面に溝部66の円弧面66aが密着するものとなる。
第2ロール組立体73は、ハウジング63を第2ロール23の両端側にそれぞれ備えており、各ハウジング63は、パスライン方向の長さを共通フレーム4に立設されたタイロッド5の間隔と同一若しくは僅かに小さなものとすると共に、パスライン直交方向の長さを共通フレーム4の支持板41と同一若しくは僅かに大きく又は小さく且つタイロッド5の断面径よりも大きいものとする直方体状に形成されている。即ち、第2ロール組立体73の各ハウジング63は、第1ロール組立体72のハウジング62と略同形に形成されている。また、各ハウジング63は、ベアリング等を介して該第2ロール23を枢支する枢支部67を備えると共に、同側に位置するタイロッド5に嵌合可能な嵌合部68を備えている。
該嵌合部68は、タイロッド5と対向することとなる端面63aにそれぞれ溝部69を形成して構成されている。該溝部69は、パスラインLからみて近い方となる端縁から遠い方の端縁までを円弧状に凹設して形成されている。該溝部69の円弧面69aの曲率半径は、タイロッド5の軸心に垂直な円形断面の半径と同一である。これにより、該ハウジング63を共通フレーム4に立設されているタイロッド5間に配備すると、該タイロッド5の表面に溝部69の円弧面69aが摺接自在に当接するものとなる。
図1及び図3に示す如く、駆動手段74は、第2ロール組立体73の一方のハウジング63と他方のハウジング63を連結するブリッジ75と、該ブリッジ75に連結されるピストンロッド76aを有する流体シリンダ76と、該流体シリンダ76に流体を供給する供給手段(図示省略)とを備えている。
この様にロール対2を有する各ロールユニット6を同じ部材・構成により形成することにより、部材の共通化が図られている。
また、連結部材8は、所定の厚さを有する平板状に形成されており、共通フレーム4の一対の支持板41に形成された貫通孔43と対向する位置にそれぞれ該貫通孔43と同径の貫通孔81を有している。また、連結部材8には、一方の平板面から他方の平板面に向けて貫通する複数(本実施形態においては5つ)の開口部82が形成されている。
図5に示す如く、ロールスタンド3は、上記共通フレーム4、タイロッド5、各ロールユニット6を構成する第1及び第2ロール組立体72、73、駆動手段74及び連結部材8等を組み合わせて構成されている。これらの部材によりロールスタンド3を形成するには、先ず、各タイロッド5を共通フレーム4の支持板41に形成された貫通孔43に挿通し、締結する。これにより、共通フレーム4に12本のタイロッド5が立設されるものとなる。
そして、第1ロール22を一対のハウジング62により枢支して第1ロール組立体72を形成し、該第1ロール組立体72の各ハウジング62をそれぞれ隣接するタイロッド5の間に差し入れる。これにより、各ハウジング62の嵌合部65を構成する溝部66の円弧面66aにタイロッド5の外周面が当接するものとなる。そして、そのまま該外周面に対して円弧面66aを摺動させつつハウジング62をタイロッド5の基端部に向けて入れ込み、共通フレーム4の支持板41の上面に接地させる。このとき、各溝部66の円弧面66aがタイロッド5の外周面に当接した状態が維持されるので、該ハウジング62を支持板41上に接地した状態でハウジング62ががたつくおそれはない。
また、共通フレーム4の支持板41と第1ロール組立体72のハウジング62の間にシムを配し、該シムを介して共通フレーム4の支持板41上に第1ロール組立体72のハウジング62を接地することとすることも可能である。該シムを介在させることにより、第1ロール組立体72の高さ位置を微調整することができ、隣接するロールユニット6間で第1ロール組立体72の高さを一致させることができるものとなる。
また、各第1ロール組立体72のハウジング62が両側のタイロッド5及び共通フレーム4の支持板41により支持されることとなり、これによってロールスタンド3全体の剛性も向上するものとなる。
次に、第2ロール23を一対のハウジング63により枢支して第2ロール組立体73を形成し、各ハウジング63を隣接するタイロッド5の間に差し入れる。これにより、各ハウジング63の嵌合部68を構成する溝部69の円弧面69aにタイロッド5の外周面が当接するものとなる。また、これによって第1ロール22と第2ロール23とがロール対2となって互いに対向する。
そして、該第2ロール組立体73の一対のハウジング63、63に亘って駆動手段74のブリッジ75を取り付ける。
次に、各タイロッド5の先端部に連結部材8を対向させ、該連結部材8の貫通孔81にタイロッド5をそれぞれ挿通した後、締結する。これにより、各タイロッド5がその先端部で互いに連結され、ロールスタンド全体の剛性が向上するものとなる。
そして、該連結部材8に駆動手段74の流体シリンダ76をそれぞれ設置すると共に、各流体シリンダ76のピストンロッド76aを連結部材8の開口部82にそれぞれ挿通させ、該ピストンロッド76aの先端部を前記ブリッジ75に連結する。
以上により、5つのロールユニット6が一列に並んだ状態で共通フレーム4上に立設される。また、これによって各ロールユニット6のロール対2が一列に列ぶこととなって、ロールスタンド3内にこれらロール対2によるパスラインLが形成されることとなる。
なお、連結部材8に各タイロッド5を挿通して締結した後、該タイロッド5に第2ロール組立体73及び第1ロール組立体72を順に挿通し、さらに第2ロール組立体73と連結部材8とに亘って駆動手段74を設けることにより連結部材側にロールユニット6を先組みしておき、その後、各タイロッド5を共通フレーム4の貫通孔43に挿通・締結して共通フレーム4上にこれら5つのロールユニット6を立設することとしても構わない。
また、図6に示す如く、各ロール対2に回転力を付与するロール回転装置9は、電動機と、該電動機に連結される減速機と、該減速機と各ロール対2とを連結するユニバーサルスピンドル90とを備えてロールスタンド3の側方に配備されている。図3に示す如く、ユニバーサルスピンドル90の先端部は、各ロール組立体72、73のハウジング62、63から突出したロール22、23の突出部22a、23aに連結されている。
本実施の形態によれば、一列に列ぶロールユニット6のそれぞれの間にタイロッド5が位置しており、該タイロッド5からみて一側方のロールユニット6の第2ロール組立体73及び第1ロール組立体72の各ハウジング63、62が該タイロッド5に嵌合すると共に、他側方のロールユニット6の第2ロール組立体73及び第1ロール組立体72の各ハウジング63、62も該タイロッド5に嵌合する。すなわち、隣接するロールユニット6が互いの間に位置するタイロッド5を共有していると共に、該タイロッド5を介してロールユニット6が対向配備されるものとなる。
また、前記タイロッド5の軸心に垂直な断面の直径は、ハウジング62、63のロール軸方向の幅よりも小さく、各ロール組立体72、73のハウジング62、63は、この様なタイロッド5を半円弧状に凹設された溝部66、69に嵌め込んだ状態で該タイロッド5に嵌合している。このため、各ロール組立体72、73のハウジング62、63はタイロッド5にオーバラップするものとなり、各ロール組立体72、73のハウジング62、63の間に生じるタイロッド5の直径分の間隔が詰められるものとなる。
この結果、ロールユニット6が稠密に配備され、各ロール対2のロールピッチが可及的短小化されるものとなる。
また、図4(b)に示す如く、両組立体72、73のハウジング62、63の枢支部64、67に形成されたベアリングを収納するための円筒空間64a、67aと、タイロッド5に嵌合する凹円弧状の溝部66、69が互いに直交して交差するものとなっている。これにより、該円筒空間64a、67aの外周壁面と溝部66、69の壁面とはパスラインLに平行であって且つタイロッド5の軸心を通過する平面Q上で最も近接し合い、該平面Qからハウジング62、63の外側に向かうにつれて徐々に離間しあう。このため、これら壁面間の肉厚は、前記平面Q上で最も薄肉となり、当該平面からハウジングの外方に向かうにつれて肉厚を厚くするものとなる。この様な構成により、円筒空間64a、67aの軸方向に亘って一様に薄肉部が存在するのではなく、ベアリングの円筒空間とタイロッドの外周とが最接近する部分に限って上述の如き薄肉部が存在するものとなり、該薄肉部からハウジング62、63の外方に向かうにつれて徐々に肉厚となっていく上記壁面間がリブとなってハウジング62、63の強度に貢献するものとなる。該壁面間によって形成されるリブによって強度が確保されているため、これら壁面間の間隔Sを可及的短なものとしてハウジング62、63を形成可能であって、これによっても、隣接するロール対2を稠密配置できるものとなっているのである。
また、ロールユニット6毎に駆動手段74を配備しているので、ロールユニット6毎に第1ロール22と第2ロール23との間隔(ロール間隔)を適宜変更することができる。
なお、駆動手段74の流体シリンダ76として通常の油圧シリンダ等を採用すると、当該油圧シリンダは、「押し」あるいは「引き」のポジションしか位置決めすることができない。このため、ロール対のロール間隔を適宜変更するためには、例えば、ストロークの任意位置で停止することができるサーボシリンダ等の油圧シリンダを採用することも可能である。また、図1に示す如く、各ロールユニット6の第1ロール組立体72のハウジング62と第2ロール組立体73のハウジング63との間に高さを変更可能な高さ可変ブロック78を挟み込み、該高さ可変ブロック78の厚みを変更することでロール間隔を可変とすることも可能である。
また、タイロッド5により各ロールユニット6の第2ロール23を支持するので、鋳片圧下時に各第2ロール23にパスライン方向に作用する引抜力は各タイロッド5に受け止められる。これによって、該引抜力に対するロールスタンド3全体の剛性が高められるものとなる。
詳述すると、実際にパスラインLを搬送されてくる鋳片をロール対2により挟持して該鋳片に圧下荷重を付与すると、第2ロール組立体73のハウジング63のロール回転軸心を作用点としてタイロッド5にパスライン方向に沿って引抜力が作用することとなる。本実施形態においては、第1ロール組立体72のハウジング62が共通フレーム4に接地された状態でタイロッド5に嵌合固定されているため、タイロッド5の支持点は第1ロール組立体72のハウジング62の上面となる。これにより、本実施形態においては、第1ロール組立体72を共通フレーム4から離間させた状態でタイロッド5に固定することにより共通フレーム4の上面をタイロッド支持点とする場合よりも、支持点と作用点の距離が短小化される。この結果、この様な場合よりも本実施形態はタイロッド5に作用するモーメントは著しく低下し、前記引抜力によるタイロッド5への曲げ応力又は曲げ変形は軽減される。
即ち、本実施形態の各ロールユニット6は、第2ロール組立体73を比較的小さなオーバハング量で片持ち支持する構造となり、第2ロール23に作用する引抜力に対するタイロッド5の曲がりを低減させる高剛性の構造となるのである。
加えて、各ロールユニット5の第1ロール組立体72のハウジング62は、三方がタイロッド51及び共通フレーム4に取り囲まれた状態で支持されるので、これによってもロールスタンド3全体の鋳片引抜方向に対する剛性も向上する。
また、本実施形態において、ロールスタンド3は、共通フレーム4上に立設された複数のタイロッド5の間に複数のロールユニット6を組み込むことにより形成されており、該ロールユニット6も複数の部材により構成されているため、これらを構成する何れかの部材が損傷したとしても、当該部材のみを交換すればよいので、整備補修作業も容易に行うことができるものとなる。
また、本実施形態においては、タイロッド5の間にロールユニット6を配備する構成であるため、ロールスタンド3の小型化・軽量化が図られ、ひいてはロールスタンド3の搬出入の容易化等が図られる。特に、各ロール組立体72、73のハウジング62、63はタイロッド5にそれぞれ支持されるので、各ハウジング62、63を支持する部材の著しいスリム化(痩身化・薄肉化)が図られると共に、該部材の交換作業の容易化が図られている。
以上、本発明の実施の形態を詳述したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、図7や図8に示す如く、各ロール組立体72、73のハウジング62、63の嵌合部65、68の溝部66、69の形状は、タイロッド5を収容可能であれば、平面視コ字状であっても三角形状等であっても構わない。
また、図9に示す如く、ロールユニット毎に駆動手段74を2個設け、各駆動手段74を第2ロール組立体73のハウジング63にそれぞれ連結する構成とすることも可能である。
これによれば、上記実施形態のブリッジ75を省略することができるものとなる。上記ブリッジ75を両端部にハウジング63をそれぞれ支持する両端支持梁と見ると、流体シリンダ76のピストンロッド76aに連結される中央部に荷重が集中するため、ブリッジ75には大きな曲げ荷重が発生するものとなる。ブリッジ75にこの様な大きな曲げ変形が発生すると該ブリッジ75に連接しているハウジング63がハの字状に傾斜し、ハウジング63の嵌合孔69の軸線とタイロッド5の軸線とが一致しなくなり、嵌合部68に摺動不良を生じるおそれがある。したがって、ブリッジ75の剛性確保の観点から、ブリッジ75は比較的大きな梁せいを有する部材構成とする必要があるところ、図9の如き構成によれば、ブリッジ75を必要としないので、上述の如き問題が生じるおそれはない。
また、流体シリンダ76から連結部材8に作用する曲げモーメントを左右に分散することができるので、連結部材8の剛性を低く(例えば薄く形成)することができる。
さらに、この様にブリッジ75を省略できると共に連結部材8を薄く形成することができることにより、ロールスタンド3全体の高さを低くすることができるものとなる。このため、コンパクトで軽量なロールスタンド3として搬出入や周囲とのスペースの関係で有利なものとなる。
また、図10に示す如く、パスラインLに対し最上流側のロールユニット6の各ロール組立体72、73の嵌合部65、68のうち、最上流側を上記溝部66、69に変えて嵌合孔66b、69bとする構成も採用可能である。図10によれば、パスラインLに対し最下流側のロールユニット6の各ロール組立体72、73の嵌合部65、68のうち、最下流側も上記溝部66、69に変えて嵌合孔66b、69bとしている。
また、各ロールユニット6の第1ロール組立体72の嵌合部65の溝部66と第2ロール組立体73の嵌合部68の溝部69とをそれぞれ異なる形状とすることも可能である。
また、駆動手段74は、第2ロール組立体73を第1ロール組立体72に近接離間可能とする構成であれば、タイロッド5の側部や共通フレーム4等、上記実施形態と異なる位置に配備することも可能である。
また、各ロール2のロール径は、ロールユニット6毎に異なる大きさのものを採用することも可能である。
また、垂直型のパスラインLを有する連続鋳造設備100に本実施形態の軽圧下装置を作用することも可能である。
また、本発明は、軽圧下装置1のみでなく、二次冷却帯104のロールセグメント等、他の鋳片案内装置にも採用することが可能である。
本発明に係る軽圧下装置の側面図である。 該軽圧下装置の平面図である。 該軽圧下装置の正面図である。 (a)は、タイロッド及びその周囲を示す要部断面図であり、(b)は、タイロッド及びその周囲を示す要部平面図である。 軽圧下装置を分解して示す側面図である。 連続鋳造設備の側面図である。 溝部の第1の変形例を示す要部断面図である。 溝部の第2の変形例を示す要部断面図である。 本発明に係る軽圧下装置の第1の変形例を示す正面図である。 本発明に係る軽圧下装置の第2の変形例を示す側面図である。
符号の説明
1 軽圧下装置
2 ロール対
3 ロールスタンド
4 共通フレーム
5 タイロッド
6 ロールユニット
8 連結部材
9 ロール回転装置
22 第1ロール
23 第2ロール
62 ハウジング
63 ハウジング
66 溝部
69 溝部
72 第1ロール組立体
73 第2ロール組立体
74 駆動手段

Claims (5)

  1. 連続鋳造設備のパスライン上の鋳片を複数対のロールを備えたロールスタンドをもって搬送する鋳片案内装置であって、
    前記ロールスタンドは、一対のロールを具備する複数のロールユニットと、該複数のロールユニットを一列に列んだ状態に支持する共通フレームとを備え、
    各ロールユニットは、前記鋳片のパスラインよりも共通フレーム側に配備される第1ロールをハウジングで枢支してなる第1ロール組立体と、該第1ロール組立体に近接離間可能な第2ロールをハウジングで枢支してなる第2ロール組立体と、第1ロール組立体に近接離間する駆動力を前記第2ロール組立体に付与する駆動手段とを備え、
    隣り合うロールユニットの間には、前記共通フレームから突出するタイロッドが配備され、これら隣り合うロールユニットの各第2ロール組立体のハウジングが共に該タイロッドに摺動自在に嵌合することを特徴とする鋳片案内装置。
  2. 前記第1ロール組立体と第2ロール組立体の何れか一方又は両方のハウジングは、前記タイロッドに摺接する溝部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の鋳片案内装置。
  3. 前記タイロッドは、長尺な円柱状又は円筒状に形成され、軸心に垂直な断面の直径又は外径は、ロール軸方向の前記ハウジングの幅よりも小さいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鋳片案内装置。
  4. 前記共通フレームから突出する複数のタイロッドは、前記共通フレームからみて第2ロール組立体よりも遠い位置で連結部材により互いに連結されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の鋳片案内装置。
  5. 前記ロールユニットの第1ロール組立体のハウジングは、前記共通フレームに接地し且つ前記タイロッドに嵌合した状態で固定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の鋳片案内装置。
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