以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる画像処理装置Xのブロック図である。
本実施形態の画像処理装置Xは、例えば標準規格IEEE802.3に準拠したLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)、インターネット等のネットワーク30を介してパーソナルコンピュータ等の外部装置31と通信可能に構成され、外部装置31と通信を行う通信手段として、本実施形態ではNIC(Network Interface Card)5を備えている。ここで、ネットワーク30を介して画像処理装置Xと通信可能な外部装置31としては、画像処理装置Xの利用者の端末や、本画像処理装置Xのメンテナンスを行う事業者の端末、及び他の画像処理装置等が考えられる。
画像処理装置Xは、図1に示すように、NIC5に加え、操作部1、表示部2、HDD(Hard Disc Drive)3、画像処理演算部4を備えている。また、画像処理装置Xは、原稿読取部であるスキャナ制御部6、自動原稿搬送装置(以下、「ADF」という。)6bを備えたスキャナ部6a、画像形成部であるプリント制御部7、定着用ヒータ7bを備えたプリント部7a、後処理部である後処理制御部8、シフター8a、パンチャー8b、ステイプラー8cを備えている。さらに、画像処理装置Xは、メイン制御部9、メイン通電切換回路10、メイン電源21、サブ電源22等を備えている。
なお、以下の説明において、スキャナ制御部6、プリント制御部7、及び後処理制御部8を総称して「ローカル制御部」ともいう。また、操作部1、表示部2、HDD3、画像処理演算部4、NIC5、スキャナ制御部6、スキャナ部6a、ADF6b、プリント制御部7、プリント部7a、定着用ヒータ7b、後処理制御部8、シフター8a、パンチャー8b、ステイプラー8c、メイン制御部9、メイン通電切換回路10を総称して「処理ユニット」ともいう。
本実施形態では、メイン制御部9、画像処理演算部4、NIC5、スキャナ制御部6、プリント制御部7、後処理制御部8、及びメイン通電切換回路10は、それぞれバス11により相互に接続されている。
操作部1は、所望の情報を入力するための操作入力手段として機能し、シートキーや液晶表示装置の表面に設けられたタッチパネル等から構成されている。表示部2は、所望の情報の表示手段として機能し、液晶表示装置やLEDランプ等から構成されている。すなわち、操作部1及び表示部2により、利用者に対するMMI(Man Machine Interface)が構成されている。
HDD3は、原稿から読み取った読取り画像データの処理、画像データのプリント処理等を行う場合に、必要に応じて、その処理データを記憶する大容量の不揮発性メモリであり、画像処理装置Xと通信可能な外部装置31からの要求に応じて、外部装置31から送信されてくるデータファイルの保存先として用いられる。このように、外部装置31から送信されてくるデータファイルをHDD3に保存する処理、及びその保存したデータファイルの保存場所(データフォルダ)の変更や、ファイル名の変更、データの書き換え、データの消去等を行う処理を、以下、「データファイリング処理」という。
画像処理演算部4は、専用の信号処理回路、若しくはDSP(Digital Signal Processor)等により構成され、画像データについて各種画像処理を行い、画像形成のための印刷データ(イメージデータや印刷ジョブ等)の生成、外部装置31へ送信する画像データ(例えば、JPEG形式等の所定の符号化が行われた画像データ等)の生成、画像データに暗号化を施す処理、暗号化された画像データを復号化する処理、あるいは画像データを圧縮符号化する処理、圧縮符号化された画像データを伸張(復元)する処理等を行うものである。
スキャナ制御部6は、原稿から画像を読み取る処理を実行するスキャナ部6a及びADF6bに対して制御信号を出力することにより、スキャナ部6a及びADF6bを制御するものである。スキャナ部6aは、図示しないガラス製の原稿台上に載置された原稿や、ADF6bにより搬送される原稿から、その原稿に形成された画像を読み取る装置である。
スキャナ部6aは、ADF6bの他、例えば原稿の画像面に光を照射する光源、及び原稿からの反射光を所定の方向へ反射するミラーなどを備えており、原稿に沿って移動するように構成された移動式光学ユニット、この移動式光学ユニットを駆動するモータ、前記移動式光学ユニットから出射される光を所定の経路に沿って導く固定式のミラー、及びその光を集光するレンズ、このレンズを通過した光を光電変換し、光量に応じた電気信号を出力するCCD(Charge Coupled Device)等を備えている。
移動式光学ユニットは、原稿台に載置された原稿から画像を読み取る場合には、その原稿に沿って移動しつつ画像面に光を照射する。一方、ADF6bにより搬送される原稿から画像を読み取る場合には、その原稿の搬送経路に対向する所定位置に固定され、搬送中の原稿に光を照射する。また、CCDから出力される電気信号は、画像データとして画像処理演算部4へ出力される。
ADF6bは、原稿供給用のトレイにセットされた原稿を、1枚ずつ所定の原稿搬送路に沿って搬送し、原稿排出用のトレイに排出する装置であり、例えば、原稿供給用のトレイから原稿搬送路へ原稿を1枚ずつ送り出すピックアップローラを兼用した搬送ローラと、原稿搬送路において原稿を搬送する搬送ローラと、これら搬送ローラをそれぞれ駆動する各モータとを備えている。
プリント制御部7は、画像形成処理に関する処理を実行するプリント部7aに対して制御信号を出力することにより、プリント部7aを制御するものである。プリント部7aは、図示しない給紙カセットに収容された用紙を、1枚ずつ順次送り出し、所定の画像形成位置を経て排紙トレイまで搬送すると共に、スキャナ部6aにより原稿から読み取られた原稿の画像データや、画像処理演算部4により生成された印刷データ等に基づいて、用紙に画像を形成するものである。
ここで、画像処理装置Xは、原稿の画像データに基づく画像形成処理を行うことにより、複写機(コピー機)として機能し、外部装置31から受信したプリント要求(印刷ジョブ)に基づく画像形成処理を行うことにより、印刷装置(プリンター)として機能する。
プリント部7aは、例えば像を担持する感光体ドラム、感光体ドラムに対し帯電を行う帯電装置、与えられた画像データや印刷ジョブに基づく静電潜像を感光体ドラム表面に書き込む露光装置、静電潜像をトナー像として現像する現像装置、感光体ドラム上のトナー像を用紙に転写する転写装置、感光体ドラムや用紙搬送用のローラを駆動するモータ等を備えている。
また、プリント部7aは、用紙に転写されたトナー画像を、加熱して定着させる定着装置を備え、この定着装置は、定着用ヒータ7bが内装された加熱ローラ、トナー画像が転写された用紙を加熱ローラに対して圧接させる加圧ローラ、これら各ローラを駆動するモータ等を備えている。
すなわち、プリント部7aは、用紙供給用のトレイにセットされた用紙を、1枚ずつ搬送し、用紙排出用のトレイに排出する用紙搬送路を備えており、供紙トレイから用紙を搬送経路へ1枚ずつ送り出すピックアップローラを兼用した搬送ローラ(後述する図7等におけるR1)と、用紙搬送路において用紙を搬送する複数の搬送ローラ(後述する図7等におけるR2〜R5)と、これら各搬送ローラを駆動する各モータ(後述する図7等におけるM1〜M5)とを備えている。
後処理制御部8は、画像が形成された用紙に対して各種の後処理を施すシフター8a、パンチャー8b、及びステイプラー8cに対して制御信号を出力することにより、シフター8a、パンチャー8b、及びステイプラー8cを制御するものである。
シフター8aは、複数の排紙トレイが設けられた可動式トレイを備え、プリント部7aにおいて、複数部数分の画像データや印刷ジョブ(以下、「1組のジョブ」という)に対する画像形成処理が連続して行われた場合に、排紙トレイに排紙された用紙を予め定められた規則に従って仕分けするものである。なお、可動式トレイは、用紙の排出口に対する排紙トレイ各々の位置を移動可能に構成されている。
例えば、シフター8aは、画像形成後の用紙が、排紙トレイ各々に対して1組のジョブごとに、あるいは同じページごとに排出されるよう可動式トレイを制御する。パンチャー8bは、画像形成後の記録紙にパンチ穴を開ける処理を行うものである。ステイプラー8cは、画像形成後の複数枚の記録紙に対してステイプル綴じ処理を施すものである。
NIC5は、ネットワーク30を通じて、外部装置31との間でデータの送受信を行う通信インターフェースである。NIC5は、例えば画像処理演算部4により生成された画像データや、スキャナ部6aで読み取られた画像データ、あるいはHDD3に保存されているデータを外部装置31へ送信する処理、さらには外部装置31から各種のデータ処理要求を受信する処理等を行う。なお、データ処理要求には、用紙に画像形成を行うことを要求するプリント要求(印刷ジョブ)、原稿から画像を読み取ることを要求するスキャン要求、データファイリング処理を行うことを要求するデータファイリング要求等が含まれる。
また、NIC5は、画像処理装置Xに設定されている、例えばMACアドレスやIPアドレス等の情報(以下、「機器情報」という。)に関する所定の処理を求める機器情報処理要求を外部装置31から受信する処理、及び必要に応じて当該受信に対する応答を外部装置31に対して送信(返信)する処理を行う。
メイン電源21及びサブ電源22は、画像処理装置Xの各構成要素に対して電力を供給する電源回路である。
メイン通電切換回路10は、後述するように、NIC5から受ける制御信号に従って、サブ電源22の1つについて、これを商用電源に接続するか否かを切り換えることにより、メイン制御部9等の一部の機器に対して通電を行うか否かを切り換えるスイッチ回路である。この詳細については、後述する。さらに、メイン通電切換回路10は、操作部1から受信する制御信号によっても、その切換状態が変化するように構成されている。
メイン制御部9は、操作部1、表示部2、HDD3及び画像処理演算部4のそれぞれを制御するものであり、さらに、ローカル制御部6〜8の各々間で、各制御部が実行するデータ処理に必要な情報や、そのデータ処理によって得られる情報の授受を行うものである。
例えば、メイン制御部9は、プリント制御部7に対し、画像形成先となる用紙のサイズや、出力画像の縮倍率や濃度補正値、カラー画像形成処理を行うかモノクロ画像形成処理を行うか等の情報を送信する一方、プリント制御部7からは、何枚目の用紙まで画像形成を終了したかの情報や、プリント部7aで発生したエラーの情報等を取得する。
また、メイン制御部9は、スキャナ制御部6に対し、原稿における画像読み取り範囲の情報等を送信する一方、スキャナ制御部7からは、ADF6bを用いて何枚目の原稿まで画像読み取りを終了したかの情報や、スキャナ部6aによって読み取られた画像データ、ADF部6bで発生したエラーの情報等を取得する。
さらに、メイン制御部9は、後処理制御部8に対し、シフター8aによる仕分け処理の種類に関する情報や、パンチャー8bやステイプラー8cにより穴開け処理やステイプル綴じ処理を施す用紙の枚数情報等を送信する一方、後処理制御部8からは、シフター8a、パンチャー8b、及びステイプラー8cで発生したエラー情報等を取得する。
以上に説明したように、メイン制御部9、HDD3、スキャナ制御部6、スキャナ部6a、プリント制御部7、プリント部7a、後処理制御部8、後処理部8a〜8cは、それぞれの機能に応じて区分された部品若しくは部品の集合として構成された処理ユニットである。
また、ハードディスクを回転駆動させるモータを備えたHDD3と、このHDD3を制御するメイン制御部9とは、メイン制御部9が上位、HDD3が下位となる関係を有している。
また、メイン制御部9は、複数のローカル制御部6〜8の各々間でデータ処理に必要な情報若しくはデータ処理によって得られる情報の授受を行う処理ユニットであり、メイン制御部9が上位、ローカル制御部6〜8の各々が下位となる関係を有している。
また、制御される側の処理ユニットである各種モータを備えたスキャナ部6a、及び後処理部8a〜8cが下位、このスキャナ部6a及び後処理部8a〜8cを制御する側のスキャナ制御部6及び後処理制御部8が上位となる関係を有している。
また、制御される側の処理ユニットである各種モータと定着用ヒータ7bとを備えたプリント部7aが下位、このプリント部7aを制御する側のプリント制御部7が上位となる関係を有している。
以上を整理すると、最上位の処理ユニットがメイン制御部9、その1つ下位の処理ユニットがローカル制御部6〜8、さらにその1つ下位(最下位)の処理ユニットがスキャナ部6a、プリント部7a及び後処理部8a〜8cとなっている。このように、各処理ユニットが、上位から下位への階層的な関係を有している。
図2は、上記構成の画像処理装置Xの電源系統図を示している。ただし、図2では、電源供給ラインを実線で示し、その他の信号伝送ラインを破線及び矢印線で示している。この図2に示す電源系統図を参照して、各処理ユニットに対する電源の接続関係を説明する。
本実施形態では、画像処理装置Xは、1個のメイン電源21と9個のサブ電源22とを備えている。以下、これら9個のサブ電源22をそれぞれ第1サブ電源221〜第9サブ電源229という。
メイン電源21は、NIC5、操作部1、及びメイン通電切換回路10に対して電力を供給する電源(電力源)である。メイン電源21は、画像処理装置X全体に対する基幹の電力源となる商用電源50に対し、手動操作に応じて電源供給ラインを導通させるか遮断するかを切り換える手動切換スイッチ40を介して接続されている。
そして、画像処理装置Xの利用者が、手動切換スイッチ40の切り換え操作を行うことにより、NIC5、操作部1、及びメイン通電切換回路10に対して通電されるか否かが切り換えられる。従って、NIC5、操作部1、及びメイン通電切換回路10は、画像処理装置Xが商用電源50に接続されている状態では、利用者の操作によって手動切換スイッチ40が導通状態から遮断状態に切り換えられない限り、常に通電された状態となる。また、手動切換スイッチ40が遮断状態に切り換えられると、画像処理装置X全体が非通電状態(遮断状態)となる。
第1サブ電源221は、メイン制御部9、表示部2、及び画像処理演算部4に対する電力源としての電源回路である。第2サブ電源222は、スキャナ制御部6に対する電力源としての電源回路であり、電源中継部60を介して接続されている。第3サブ電源223は、プリント制御部7に対する電力源としての電源回路であり、電源中継部60を介して接続されている。第4サブ電源224は、後処理制御部8に対する電力源としての電源回路であり、電源中継部60を介して接続されている。
第5サブ電源225は、HDD3に対する電力源としての電源回路である。第6サブ電源226は、スキャナ部6aに対する電力源としての電源回路であり、電源中継部60を介して接続されている。第7サブ電源227は、プリント部7a内の定着用ヒータ7bを除く他の機器に対する電力源としての電源回路であり、電源中継部60を介して接続されている。
第8サブ電源228は、定着用ヒータ7bに対する電力源としての電源回路である。第9サブ電源229は、後処理部8a〜8cの各々に対する電力源としての電源回路であり、電源中継部60を介して接続されている。
また、第1サブ電源221〜第9サブ電源229のそれぞれは、商用電源50に対し、手動切換スイッチ40と、所定の制御信号に基づいて電源供給ラインを導通させるか遮断するかを切り換える各自動切換スイッチ41〜49とを介してそれぞれ接続されている。
すなわち、図2から明らかなように、自動切換スイッチ41と第1サブ電源221、自動切換スイッチ42と第2サブ電源222、・・・、自動切換スイッチ49と第9サブ電源229がそれぞれ対応関係にある。従って、手動切換スイッチ40が導通状態にされた後、それぞれの自動切換スイッチ41〜49が導通状態となって初めて、各サブ電源221〜229がそれぞれ通電状態となるように回線が接続されていいる。
以下、電源供給ラインを導通させることを「ONする」、遮断することを「OFFする」という。同様に、電源供給ラインが導通した状態のことを「ON状態」、遮断した状態のことを「OFF状態」という。
各自動切換スイッチ41〜49は、その各々がON状態となるかOFF状態となるかにより、対応する各処理ユニット2〜4、6〜9,6a,7a,7b,8a〜8cの各々に対して個別に通電するか否かを切り換える通電切換手段として機能する。
図2に示すように、自動切換スイッチ41は、NIC5からの制御信号に従って動作するメイン通電切換回路10により、ONするかOFFするか(以下、ON/OFFと記載)が制御される。すなわち、NIC5及びメイン通電切換回路10が、自動切換スイッチ41のON/OFFを制御することにより、メイン制御部9、表示部2、及び画像処理演算部4に対する通電を制御する。
このように、NIC5は、各処理ユニットに対する通電制御を実行する手段の一部を兼ねている。以下、NIC5の構成要素の中で、メイン通電切換回路10の制御機能を実現する部分(具体的には、MPUとそのMPUによって実行されるメイン通電切換回路10の制御に関するプログラムモジュール)を、「第1通電制御実行部」という。
NIC5の第1通電制御実行部は、各自動切換スイッチ41〜49のうち、最上位の処理ユニットであるメイン制御部9に対する通電の切り換えを行う自動切換スイッチ41のみを制御する。なお、NIC5の第1通電制御実行部は、メイン通電切換回路10に対し、バス11(図1参照)を通じて制御信号を出力する。
また、自動切換スイッチ41以外の他の自動切換スイッチ42〜45は、全てメイン制御部9によってON/OFFが制御される。すなわち、メイン制御部9が、それより一階層下位の処理ユニットであるローカル制御部6〜8、及びHDD3の各々に対する通電を制御する。
また、自動切換スイッチ46はスキャナ制御部6によってON/OFFが制御され、自動切換スイッチ47,48はプリント制御部7によってON/OFFが制御され、自動切換スイッチ49は後処理制御部8によってON/OFFが制御される。すなわち、スキャナ制御部6が、それより一階層下位の処理ユニットであるスキャナ部6aに対する通電を制御する。同様に、プリント制御部7が、それより一階層下位の処理ユニットであるプリント部7aに対する通電を制御する。さらに、後処理制御部8が、それより一階層下位の処理ユニットである後処理駆動部8a〜8cに対する通電を制御する。なお、各制御部6〜9は、その各々が備えるI/Oポートを通じて、各自動切換スイッチ42〜49に対して制御信号を出力し、その制御信号を出力する処理は、各制御部6〜9が備えるMPUが所定のプログラムを実行することにより実現される。
以下、各制御部6〜9の構成要素の中で、自動切換スイッチ42〜49の制御機能を実現する部分(具体的には、MPUとそのMPUによって実行される自動切換スイッチ42〜49の制御に関するプログラムモジュール)を、「第2通電制御実行部」という。各制御部6〜9の第2通電制御実行部は、対応する各自動切換スイッチ42〜49のうち、自身の処理ユニットに対して一階層下位の他の処理ユニットに対する通電の切り換えのみを制御する。
次に、各処理ユニットに対する通電制御の基本動作について説明する。先ず、各処理ユニットが通電されていない状態である場合に、各処理ユニットに対する通電を開始する場合の基本動作について説明する。以下では、処理ユニットに通電されていない状態を「通電無し状態」、通電されている状態を「通電有り状態」という。
先ず、NIC5における第1通電制御実行部及びメイン通電切換回路10が、自動切換スイッチ41をOFF状態からON状態へ切り換える。これにより、最上位の処理ユニットであるメイン制御部9に対する通電状態が、「通電無し状態」から「通電有り状態」へ切り換わる。
次に、メイン制御部9が「通電有り状態」となると、メイン制御部9における第2通電制御実行部が、各自動切換スイッチ42〜45をそれぞれ制御し、メイン制御部9に対し一階層下位の処理ユニット(通電が必要な処理ユニット)をOFF状態からON状態へ切り換える。これにより、メイン制御部9よりも一階層下位の処理ユニット(HDD3及びローカル制御部6〜8のうちの1または複数)が「通電有り状態」に切り換わる。
さらに、ローカル制御部6〜8が「通電有り状態」となると、ローカル制御部6〜8における第2通電制御実行部が、各自動切換スイッチ46〜49をそれぞれ制御し、ローカル制御部6〜8に対し一階層下位の処理ユニット(通電が必要な処理ユニット)をOFF状態からON状態へ切り換える。これにより、ローカル制御部6〜8よりも一階層下位の処理ユニット(スキャナ部6a、プリント部7a及び後処理部8a〜8cのうちの1または複数)が「通電有り状態」に切り換わる。
以上の通り、画像処理装置Xでは、NIC5における第1通電制御実行部、及びメイン通電切換回路10並びに各制御部6〜9における第2通電制御実行部の処理動作により、処理ユニットを「通電無し状態」から「通電有り状態」へ切り換える場合、当該処理ユニットを上位のものから下位のものへ順に「通電有り状態」へ切り換える階層的通電制御処理を実行する。
続いて、各処理ユニットが「通電有り状態」である場合に、その処理ユニット各々に対する通電を遮断する場合の基本動作について、(1)〜(4)に場合分けして説明する。
(1)NIC5における第1通電制御実行部が、制御対象となるメイン制御部9を「通電有り状態」から「通電無し状態」に切り換える場合、まず、メイン制御部9よりも下位の処理ユニットであるローカル制御部6〜8、及びさらにその下位の処理ユニットであるスキャナ部6a、プリント部7a、及び後処理部8a〜8cの全てが「通電無し状態」であることを確認する。そして、「通電無し状態」を確認できた場合にのみ、自動切換スイッチ41をON状態からOFF状態へ切り換える。一方、「通電無し状態」の確認ができなかった場合には、自動切換スイッチ41をON状態からOFF状態へ切り換えることを禁止する。
(2)メイン制御部9における第2通電制御実行部が、制御対象となるスキャナ制御部6を「通電有り状態」から「通電無し状態」に切り換える場合、スキャナ制御部6よりもさらに下位の全ての処理ユニット(スキャナ部6a)が「通電無し状態」であることを確認する。そして、「通電無し状態」を確認できた場合にのみ、自動切換スイッチ42をON状態からOFF状態へ切り換える。一方、「通電無し状態」の確認ができなかった場合には、自動切換スイッチ42をON状態からOFF状態へ切り換えることを禁止する。
(3)メイン制御部9における第2通電制御実行部が、制御対象となるプリント制御部7を「通電有り状態」から「通電無し状態」に切り換える場合、プリント制御部7よりもさらに下位の全ての処理ユニット(プリント部7a)が「通電無し状態」であることを確認する。そして、「通電無し状態」を確認できた場合にのみ、自動切換スイッチ43をON状態からOFF状態へ切り換える。一方、「通電無し状態」の確認ができなかった場合には、自動切換スイッチ43をON状態からOFF状態へ切り換えることを禁止する。
(4)メイン制御部9における第2通電制御実行部が、制御対象となる後処理制御部8を「通電有り状態」から「通電無し状態」に切り換える場合、後処理制御部8よりもさらに下位の全ての処理ユニット(後処理部8a〜8c)が「通電無し状態」であることを確認する。そして、「通電無し状態」を確認できた場合にのみ、自動切換スイッチ44をON状態からOFF状態へ切り換える。一方、「通電無し状態」の確認ができなかった場合には、自動切換スイッチ44をON状態からOFF状態へ切り換えることを禁止する。
以上説明したように、本実施形態の画像処理装置Xでは、NIC5の第1通電制御実行部及びメイン制御部9の第2通電制御実行部(通電制御の対象となる処理ユニットよりもさらに下位の処理ユニットが存在するもの)の処理動作により、制御対象となる一階層下位の処理ユニットを「通電無し状態」に切り換える場合、さらに下位の処理ユニットが「通電無し状態」であることを確認した場合にのみ、その切り換え動作を実施するようになっている。これにより、制御される側の処理ユニットであるスキャナ部6a、プリント部7a、及び後処理部8a〜8cよりも先に、制御する側の処理ユニットであるローカル制御部6〜8が「通電無しの状態」に切り換えられてしまうといった不都合な状況に陥ることを確実に防止することができる。
ここで、上記で説明した、通電制御の対象となる処理ユニットよりもさらに下位側の処理ユニットの通電状態を確認する具体的な手法について、以下に説明する。
具体的な手法の一例として、制御対象となる「通電有り状態」の処理ユニットに対し、それより下位側の処理ユニットの通電状態を問い合わせ、この問い合わせに対する応答に基づいて確認することが考えられる。ここで、問い合わせとは、例えば通電制御実行部が処理ユニットに対して状態確認要求信号を送信することであり、応答とは、例えば処理ユニットが通電制御実行部に対して通電または非通電の状態を示す信号を送信することである。
また、他の例として、NIC5のフラッシュメモリに、各処理ユニットの最新の通電状態を記憶させ、その記憶内容を参照することによって下位側の処理ユニットの通電状態を確認することが考えられる。この場合、第2通電制御実行部を有する各処理ユニットに、一階層下位の処理ユニットの通電状態の切り換わり情報をNIC5に通知する機能を設け、さらに、NIC5に、各処理ユニットからの通知に基づいて、各処理ユニットの最新の通電状態をフラッシュメモリに記憶させる機能を設ければよい。
本実施形態では、画像処理装置Xに電源中継部60を設けている。電源中継部60の入力側には、メイン通電切換回路10、第2サブ電源222、第3サブ電源223、第4サブ電源224、第6サブ電源226、第7サブ電源227、第9サブ電源229が接続されている。また、電源中継部60の出力側には、スキャナ制御部6、スキャナ部6a、プリント制御部7、プリント部7a、後処理制御部8、後処理駆動部8a〜8cが接続されている。また、電源中継部60は、メイン通電切換回路10と制御信号線によって接続されている。
すなわち、第2サブ電源222、第3サブ電源223、第4サブ電源224、第6サブ電源226、第7サブ電源227、第9サブ電源229から電源中継部60に電力線が入力され、電源中継部60からの出力線がスキャナ制御部6、スキャナ部6a、プリント制御部7、プリント部7a、後処理制御部8、後処理駆動部8a〜8cのそれぞれに接続されている。そして、メイン通電切換回路10から電源中継部60に切換制御信号が出力されることで、所定のサブ電源と所定の処理ユニットとが接続され、サブ電源から処理ユニットに電力が供給されるようになっている。以下、スキャナ制御部6、プリント制御部7、後処理制御部8を制御系(制御部)、スキャナ部6a、プリント部7a、後処理駆動部8a〜8cを駆動系(駆動部)ともいう。
図3は、画像処理装置Xに備える電源中継部60の電気回路図である。
図3に示すように、電源中継部60には、第2〜第4サブ電源222〜224、第6〜第7サブ電源226,227、及び第9サブ電源229のそれぞれに対応して、第2〜第4切換スイッチSW2〜SW4、第6〜第7切換スイッチSW6,SW7、及び第9切換スイッチSW9が設けられている。
第2サブ電源222は、第2切換スイッチSW2の切換片A2に接続されており、第2切換スイッチSW2の3個の接点B2−1,B2−2,B2−3は、制御系であるスキャナ制御部6、プリント制御部7、及び後処理制御部8のそれぞれに接続されている。
第3サブ電源223は、第3切換スイッチSW3の切換片A3に接続されており、第3切換スイッチSW3の3個の接点B3−1,B3−2,B3−3は、制御系であるスキャナ制御部6、プリント制御部7、及び後処理制御部8のそれぞれに接続されている。
第4サブ電源224は、第4切換スイッチSW4の切換片A4に接続されており、第4切換スイッチSW4の3個の接点B4−1,B4−2,B4−3は、制御系であるスキャナ制御部6、プリント制御部7、及び後処理制御部8のそれぞれに接続されている。
第6サブ電源226は、第6切換スイッチSW6の切換片A6に接続されており、第6切換スイッチSW6の3個の接点B6−1,B6−2,B6−3は、駆動系であるスキャナ部6a、プリント部7a、後処理部8a〜8cのそれぞれに接続されている。
第7サブ電源227は、第7切換スイッチSW7の切換片A7に接続されており、第7切換スイッチSW7の3個の接点B7−1,B7−2,B7−3は、駆動系であるスキャナ部6a、プリント部7a、後処理部8a〜8cのそれぞれに接続されている。
第9サブ電源229は、第9切換スイッチSW9の切換片A9に接続されており、第9切換スイッチSW9の3個の接点B9−1,B9−2,B9−3は、駆動系であるスキャナ部6a、プリント部7a、後処理部8a〜8cのそれぞれに接続されている。
また、メイン通電切換回路10は、第2〜第4サブ電源222〜224、及び第6,第7,第9サブ電源226,227,229の2次側の出力電圧を監視して所定電圧以下のときに電源異常として検知する電源異常検知手段61(後述する図3参照)、電源選択対応テーブルD(後述する図3及び図5参照)、画像処理装置Xの各種動作モードを指定する動作モード指定手段64(後述する図3参照)、指定された動作モードに応じて処理ユニットを選択的に動作させる選択動作手段65(後述する図3参照)、電源異常検知手段61により電源異常が検知されると、正常に動作する他のサブ電源により電力を必要とする処理ユニットに電力を供給するために電源中継部60の切り換え制御を行う通電制御手段62(後述する図3参照)を備えている。
上記接続構成において、第2〜第4サブ電源222〜224、第6〜第7サブ電源226,227、及び第9サブ電源229は、次のように選択的に切り換え制御される。
先ず、コピー、プリント、スキャンの各動作モードに対して動作要求がない状態で所定時間が経過すると、各サブ電源222〜224,226,227,229はOFFされて待機状態となる。そして、待機状態において、利用者が操作部1からコピー、プリント、スキャンの何れかを指令する操作を行ったとき、若しくは外部からのプリントデータをNIC5が受信したとき、これらの操作またはプリントデータの受信に基づいて、動作モード指定手段64が動作モードを決定し、決定した動作モードを選択動作手段65に対し指定する。選択動作手段65は、指定された動作モードに応じて、処理ユニットを選択的に動作させるように自動切換スイッチ41〜49を制御する。自動切換スイッチ41〜49は各動作モードに応じて該当する1または複数のサブ電源222〜224,226,227,229を選択的にONする。これにより、1次側電力がONされたサブ電源222〜224,226,227,229に供給される。
この状態において、制御系の例えばプリント制御部7に対応する第3サブ電源223に異常が発生したために通電が遮断された場合には、第3サブ電源223の電源異常が電源異常検知手段61で検知される。通電制御手段62は、この電源異常検知手段61の検知信号に基づいて、他の制御系であるスキャナ制御部6及び後処理制御部8に対応する第2,第4切換スイッチSW2,SW4の何れか一方の切換片A2,A4を、プリント制御部7への通電側である接点B2−2,B4−2側に切り換える。これにより、第3サブ電源223が通電遮断状態であるにも関わらず、プリント制御部7への代替通電(代替給電)が行われることとなり、プリント制御部7はその後も動作を継続することが可能となる。
また、駆動系の例えばプリント部7aに対応する第7サブ電源227に電源異常が発生したために通電が遮断された場合には、第7サブ電源227の電源異常が電源異常検知手段61で検知される。通電制御手段62は、この電源異常検知手段61の検知信号に基づいて、他の駆動系であるスキャナ部6a及び後処理部8a〜8cに対応する第6,第9切換スイッチSW6,SW9の何れかの切換片A6,A9を、プリント部7aへの通電側である接点B6−2,B9−2側に切り換える。これにより、第7サブ電源227が通電遮断状態であるにも関わらず、プリント部7aへの代替通電(代替給電)が行われることとなり、プリント部7aはその後も動作を継続することが可能となる。
以上のように、電源異常により、プリント制御部7やプリント部7aの第3,第7サブ電源223,227が通電遮断された場合でも、他の第2,第4サブ電源222,224、及び第6,第9サブ電源226,229で代替給電を行うことにより、プリント制御部7やプリント部7aの動作が継続されることになる。
また、本実施形態では、スキャナ制御部6、プリント制御部7、後処理制御部8の制御系に対して第2〜第4サブ電源222〜224がそれぞれ個別に対をなして設けられ、スキャナ部6a、プリント部7a、後処理駆動部8a〜8cの駆動系に対して第6、第7、第9サブ電源226,227,229がそれぞれ個別に対をなして設けられているので、画像処理装置Xの各処理ユニットがそれぞれ専用のサブ電源により動作されるため、電源の電力変換効率を向上させることができる。
さらに、駆動系と制御系とでは、それぞれの電源に必要とされる電圧、電力容量が異なり、例えば、駆動系では電圧は一般に24V、電力容量は80〜150W、制御系では電圧は3〜5V、電力容量は20W程度が必要とされている。従って、本実施形態ではこれを踏まえて、制御系であるスキャナ制御部6、プリント制御部7、後処理制御部8に設けられた第2〜第4サブ電源222〜224の相互間と、駆動系であるスキャナ部6a、プリント部7a、後処理部8a〜8cに設けられた第6、第7、第9サブ電源226,227,229の相互間で、それぞれ代替可能としている。これにより、電圧変換等を行う必要がないため、代替給電の組み合わせを構築する際の設計自由度を高めることができる。
図4は、通常動作時の各動作モードに対応して、使用される(ONされる)サブ電源と使用されない(OFFされる)サブ電源を一覧で示した図表である。
図4において、第2〜第4サブ電源は制御系電源(電源種別A)であり、電力容量は20Wである。第6、第7、第9サブ電源は、駆動系電源(電源種別B)であって、第6サブ電源は電力容量が80W、第7サブ電源は電力容量が150W、第9サブ電源は電力容量が100Wである。各サブ電源は、動作モードの種類に対応して使用されるか否かが決まっている。
電源異常が発生していない通常動作時においては、図4に示すように、制御系の第2サブ電源222は、コピー動作モード(後処理がある場合、無い場合の両方共)とスキャナ動作モードにおいてONされ、プリンタ動作モード(後処理がある場合、無い場合の両方共)ではONされない。従って、第2サブ電源222に接続されているスキャナ制御部6は、コピー動作モード(後処理がある場合、無い場合の両方共)とスキャナ動作モードにおいて第2サブ電源から電力が供給され、プリンタ動作モード(後処理がある場合、無い場合の両方共)の場合には電力が供給されないことになる。
また、制御系の第3サブ電源223は、コピー動作モード(後処理がある場合、無い場合の両方共)とプリンタ動作モード(後処理がある場合、無い場合の両方共)においてONされ、スキャナ動作モードではONされない。従って、第3サブ電源223に接続されているプリント制御部7は、コピー動作モード(後処理がある場合、無い場合の両方共)とプリンタ動作モード(後処理がある場合、無い場合の両方共)において第3サブ電源223から電力が供給され、スキャナ動作モードの場合には電力が供給されないことになる。
また、制御系の第4サブ電源224は、コピー動作モードの後処理がある場合と、プリンタ動作モードの後処理がある場合においてONされ、コピー動作モードの後処理が無い場合と、プリンタ動作モードの後処理が無い場合と、スキャナ動作モードではONされない。従って、第4サブ電源224に接続されている後処理制御部8は、コピー動作モードの後処理がある場合と、プリンタ動作モードの後処理がある場合において第4サブ電源224から電力が供給され、コピー動作モードの後処理が無い場合と、プリンタ動作モードの後処理が無い場合と、スキャナ動作モードの場合には電源が供給されないことになる。
また、駆動系の第6サブ電源226は、コピー動作モード(後処理がある場合、無い場合の両方共)とスキャナ動作モードにおいてONされ、プリンタ動作モード(後処理がある場合、無い場合の両方共)ではONされない。従って、第6サブ電源226に接続されているスキャナ部6aは、コピー動作モード(後処理がある場合、無い場合の両方共)とスキャナ動作モードにおいて第6サブ電源226から電力が供給され、プリンタ動作モード(後処理がある場合、無い場合の両方共)の場合には電力が供給されないことになる。
また、駆動系の第7サブ電源227は、コピー動作モード(後処理がある場合、無い場合の両方共)とプリンタ動作モード(後処理がある場合、無い場合の両方共)においてONされ、スキャナ動作モードではONされない。従って、第7サブ電源に接続されているプリント部7aは、コピー動作モード(後処理がある場合、無い場合の両方共)とプリンタ動作モード(後処理がある場合、無い場合の両方共)において第7サブ電源227から電力が供給され、スキャナ動作モードの場合には電力が供給されていことになる。
また、駆動系の第9サブ電源229は、コピー動作モードの後処理がある場合と、プリンタ動作モードの後処理がある場合においてONされ、コピー動作モードの後処理が無い場合と、プリンタ動作モードの後処理が無い場合と、スキャナ動作モードではONされない。従って、第9サブ電源229に接続されているシフター8a,パンチャー8b、ステイプラー8cは、コピー動作モードの後処理がある場合と、プリンタ動作モードの後処理がある場合において第9サブ電源229から電力が供給され、コピー動作モードの後処理が無い場合と、プリンタ動作モードの後処理が無い場合と、スキャナ動作モードの場合には電力が供給されないことになる。
このように、図4の対応表に示すように、動作モードによって使用されないサブ電源が存在する。従って、その動作モード中にONされているいずれかのサブ電源に異常が発生して遮断状態となった場合には、その動作モードにおいて使用されていない他のサブ電源を代替用の電源として使用することが可能である。
具体的には、コピー動作モードの後処理無しの場合には第4サブ電源224と第9サブ電源229と第がOFFされ、プリンタ動作モードの後処理無しの場合には第2サブ電源222と第4サブ電源224と第6サブ電源226と第9サブ電源229とがOFFされ、プリンタ動作モードの後処理ありの場合には第2サブ電源222と第6サブ電源226とがOFFされ、スキャナー動作モードの場合には第3サブ電源223と第4サブ電源224と第7サブ電源227と第9サブ電源229とがOFFされる。
従って、本実施形態では、上記各動作モードにおいて、これらOFFされているサブ電源を代替用の電源として使用する。
図5は、上記各動作モード時において使用されない電源をその動作モード時の代替用の電源として予め割り当てた電源選択対応テーブルDを示している。この電源選択対応テーブルDには、各サブ電源に対応する処理ユニットの電力上限値である電力容量(W)も記述されている。なお、第5サブ電源225と第8サブ電源228は、代替用の電源としては使用されない。この電源選択対応テーブルDは、メイン通電切換回路10に対応付けて格納されている。
メイン通電切換回路10の通電制御部62は、動作モード指定手段64により任意の動作モードが指定されて実行中において、電源異常検知手段61により任意の電源の異常が検知された場合に、電源選択対応テーブルDを用いて代替用の電源を選択し、異常が検知された電源を電力源としている処理ユニットに選択した代替用の電源を供給する。以下、代替用の電源の選択手法について具体的に説明する。
代替用の電源(以下、「代替電源」という。)が複数存在する場合、使用する代替電源の選択は、電力容量の大きい電源を優先する。すなわち、図5において、代替電源1(図5において「代替1」と表記)が代替電源2(図5において「代替2」と表記)より優先する。なお、電力容量が同じ場合は、何れも代替電源1として表記している。
使用する代替電源の選択には、何れか1つの代替電源のみを選択する場合と、複数の代替電源を選択する場合とがある。何れか1つの代替電源のみを選択する場合は電力容量の大きい代替電源から選択する。電源異常の処理ユニットに要求される電力容量が代替電源1の電力容量を超える場合は、複数の代替電源を選択することにより、より多くの電力容量の確保が可能となる。
なお、代替電源の選択は、基本的に図5の「代替1」、「代替2」と表記されたサブ電源の中から選択するのが通電制御手段62(図3参照)の設計上好ましい。ただし、「代替1」、「代替2」が存在しない動作モードの場合や、「代替1」、「代替2」が存在する動作モードであってもこれら「代替1」、「代替2」の電力容量のみでは電力異常の発生した処理ユニットを動作するのに不十分である場合等においては、動作対象となっている処理ユニットの電源(つまり、「ON」と表記されている電源)の1つ若しくは複数を組み合わせて使用するように構成してもよい。
ここで、制御系電源(電源種別A)を使用する場合についてみると、コピー動作モードの後処理が無い場合は、通常動作時にONされない第4サブ電源224を代替電源1として使用する。一方、コピー動作モードの後処理がある場合は、通常動作時に全てのサブ電源がONされているため、代替電源を使用することができない。
また、プリンタ動作モードの後処理が無い場合は、通常動作時にONされない第2サブ電源222と第4サブ電源224のいずれか一方または両方を代替電源1として使用する。一方、プリンタ動作モードの後処理がある場合は、通常動作時にONされない第2サブ電源222を代替電源1として使用する。
また、スキャナ動作モードにおいては、通常動作時にONされない第3サブ電源223と第4サブ電源224のいずれか一方または両方を代替電源1として使用する。
次に、駆動系電源(電源種別B)を使用する場合についてみると、コピー動作モードの後処理が無い場合は、通常動作時にONされない第9サブ電源229を代替電源1として使用する。一方、コピー動作モードの後処理がある場合は、通常動作時に全てのサブ電源がONされているため、代替電源を使用することができない。
また、プリンタ動作モードで後処理が無い場合は、通常動作時にONされない第6サブ電源226と第9サブ電源229を代替電源として使用する。この場合、第9サブ電源229が「代替1」であり、第6サブ電源226が「代替2」であるので、第9サブ電源229を代替電源1として優先使用する。そして、第9サブ電源229のみでは電力不足である場合には、第6サブ電源226を代替電源2として併せて使用する。本実施形態では、第6サブ電源226の電力容量が80Wであり、第9サブ電源229の電力容量が100Wである。従って、電力容量の大きい第9サブ電源229を代替電源1とし、第6サブ電源226を代替電源2としている。
また、プリンタ動作モードで後処理がある場合は、通常動作時にONされない第6サブ電源226を代替電源1として使用する。
また、スキャナ動作モードにおいては、通常動作時にONされない第7サブ電源227と第9サブ電源229を代替電源として使用する。この場合、第7サブ電源227が「代替1」であり、第9サブ電源229が「代替2」であるので、第7サブ電源227を代替電源1として優先使用する。そして、第7サブ電源227のみでは電力不足である場合には、第9サブ電源229を代替電源2として併せて使用する。本実施形態では、第7サブ電源227の電力容量が150Wであり、第9サブ電源229の電力容量が100Wである。従って、電力容量の大きい第7サブ電源227を代替電源1とし、第9サブ電源229を代替電源2としている。
ここで、代替電源を複数選択する場合について、説明する。
例えば、プリンタ動作モードで後処理が無い場合は、複数の代替電源を選択することができる。すなわち、図5に示す通り、駆動系電源(電源種別B)を使用する場合には、通常動作時にONされない第6サブ電源226と第9サブ電源229の両方を代替電源として使用できる。つまり、駆動系のプリント部7aに対応する第7サブ電源227に電源異常が発生して通電が遮断された場合、第7サブ電源227の電源異常が電源異常検知手段61で検知される。通電制御手段62は、この電源異常検知手段61の検知信号に基づき、駆動系のスキャナ部6aに対応する第6切換スイッチSW6、及び後処理部8a〜8cに対応する第9切換スイッチSW9の両方の切換片A6,A9を、プリント部7aへの通電側である接点B6−2,B9−2側にそれぞれ切り換える。これにより、第7サブ電源227が通電遮断状態になっても、プリント部7aへの代替給電が行われることから、プリント部7aは動作を継続することが可能となる。この場合、第6サブ電源226の電力容量80Wと、第9サブ電源229の電力容量100Wの両方が代替電源として使用されるため、代替電源全体の電力容量は180Wとなる。従って、第7サブ電源227が電源異常の場合でも、必要な電力容量を超える電力容量を確保することが可能となる。
図6は、電源選択を行うときの処理動作を説明するためのフローチャートである。電源選択対応テーブルDを使用した電源選択処理はメイン通電切換回路10において行われ、画像処理装置Xの動作モードに対応して使用するサブ電源に電源異常があることを電源異常検知手段61が検知すると、画像処理装置Xの動作モードに対応して使用しないサブ電源を電源選択対応テーブルDから選択し、代替電源として使用するものである。以下、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
画像処理装置Xが所定の動作モードを開始すると、電源異常検知手段61は、制御系のスキャナ制御部6、プリント制御部7、後処理制御部8のそれぞれの電力源である第2〜第4サブ電源222〜224、及び駆動系のスキャナ部6a、プリント部7a、後処理駆動部8a〜8cのそれぞれの電力源である第6,第7,第9サブ電源226,227,229に異常が発生したか否かを監視する(ステップST1)。その結果、電源異常無しと判断された場合(ステップST1でNoと判断された場合)には、ステップST2へと動作を進め、図5の電源選択対応テーブルDに基づいて、各サブ電源をONする。
一方、電源異常ありと判断された場合(ステップST1でYesと判断された場合)には、ステップST3へと動作を進め、現在の動作モードにおいて代替電源1が設定されているか否かを電源選択対応テーブルDを参照して確認する。その結果、代替電源1が設定されていない場合(ステップST3でNoと判断された場合)には、電源異常に対して他に代替電源が用意されていないため、ステップST9へと動作を進め、電源異常を表示部2に表示して処理を終了する。
一方、現在の動作モードにおいて代替電源1が設定されている場合(ステップST3でYesと判断された場合)には、その代替電源1として指定されているサブ電源に異常が発生していないか否かを判断する(ステップST4)。その結果、代替電源1として指定されているサブ電源に異常がなかった場合(ステップST4でNoと判断された場合)には、代替電源1が正常であると判断し、そのサブ電源を代替電源1として選択する(ステップST5)。なお、ステップST5で代替電源1を選択するときに、代替電源1が複数ある場合は、何れかを優先(本実施形態では電力容量の大きい方を優先)して選択する。
一方、代替電源1として指定されているサブ電源に異常があった場合(ステップST4でYesと判断された場合)には、ステップST6へと動作を進め、現在の動作モードにおいて代替電源2が設定されているか否かを電源選択対応テーブルDを参照して確認する。その結果、代替電源2が設定されていない場合(ステップST6でNoと判断された場合)には、電源異常に対して他に代替電源が用意されていないため、ステップST9へと動作を進め、電源異常を表示部2に表示して処理を終了する。
一方、現在の動作モードにおいて代替電源2が設定されている場合(ステップST6でYesと判断された場合)には、その代替電源2として指定されているサブ電源に異常が発生していないか否かを判断する(ステップST7)。その結果、代替電源2として指定されているサブ電源に異常がなかった場合(ステップST7でNoと判断された場合)には、代替電源2が正常であると判断し、そのサブ電源を代替電源2として選択する(ステップST8)。
一方、代替電源2として指定されているサブ電源に異常があった場合(ステップST7でYesと判断された場合)には、電源異常に対して他に代替電源が用意されていないため、ステップST9へと動作を進め、電源異常を表示部2に表示して処理を終了する。
上記したように、電源選択対応テーブルDには、コピー、プリンタ、スキャナの各処理ユニットに対応して、出力可能な電力の上限値である電力容量が予め記述されている。従って、制御系の第2〜第4サブ電源222〜224、及び駆動系の第6、第7、第9サブ電源226,227,229の何れかに電源異常が発生した場合には、電源選択対応テーブルDの電力容量を参照して、電力容量の大きいサブ電源を優先して選択するようにすればよい。このようにすれば、代替給電時においても、この代替給電によって駆動される処理ユニットの能力を可能な限り最大限に発揮させることができる。
しかし、電力容量の大きいサブ電源を選択したとしても、電源異常が発生したサブ電源の電力容量の方が、選択されたサブ電源の電力容量より大きい場合には、代替給電によって駆動される処理ユニットの動作を、代替給電による供給可能な電力容量の範囲内に納めるように制御する必要がある。すなわち、画像形成処理や原稿読取処理の単位時間当たりの画像処理速度を通常動作時より低下させる必要がある。
例えば、図5に示すように、後処理無しのプリンタ動作モード時において、第7サブ電源227に異常が発生したために、第9サブ電源229を代替電源1として使用した場合、第7サブ電源227は150Wであるのに対し、第9サブ電源229は100Wであるため、第7サブ電源227によって駆動されるプリント部7aの動作を、100Wの電力容量の範囲内に納めるように駆動制御する必要がある(これを「ケース1」という)。同様に、後処理無しのプリンタ動作モード時において、第7サブ電源227に加え、第9サブ電源229にも異常が発生したために、第6サブ電源226を代替電源2として使用した場合、第7サブ電源227は150Wであるのに対し、第6サブ電源226は80Wであるため、第6サブ電源226によって駆動されるプリント部7aの動作を、80Wの電力容量の範囲内に納めるように駆動制御する必要がある(これを「ケース2」という)。
ここでは、上記ケース1とケース2の場合について、通常動作時の場合と対比して具体的に説明する。なお、ケース1とケース2は共に画像形成部であるプリント部7aの駆動制御であるが、原稿読取部であるスキャナ部6aの場合でも原稿搬送路に関してはほぼ同じ構成であるため、ここでは、原稿読取部の説明を省略し、画像形成部についてのみ説明する。
図7は、プリント部7aを形成する用紙搬送路の一構成例を模式的に示した説明図である。
この用紙搬送路は、給紙トレイT1と排紙トレイT2との間の用紙搬送路上に、用紙搬送のための5個のローラR1〜R5(すなわち、ピックアップローラを兼用する搬送ローラR1と、4個の搬送ローラR2〜R5)が所定の間隔を存して配置されており、これらローラR1〜R5の間に用紙検知用の5個のセンサS1〜S5がそれぞれ配置されている。また、5個のローラR1〜R5を駆動する駆動源である5個のモータM1〜M5がそれぞれ配置されている。なお、図7は、その後の説明を簡単にするために、各ローラローラR1〜R5及び各センサセンサS1〜S5をほぼ等間隔で配置した構成としている。
<通常動作時の場合の説明>
ここで、通常動作時には、5個のモータM1〜M5の全てが動作しても十分に電力をまかなえるように、プリント部7aの電力源である第7サブ電源227の電力量が設定されている。従って、通常動作時には、搬送ローラR2〜R5を駆動する4個のモータM2〜M5は常にON状態となっており、各搬送ローラR2〜R5は常に回転駆動状態となっている。そして、この状態において、モータM1を駆動してピックアップローラを兼用する搬送ローラR1を所定のタイミングで動作させることで、用紙Pを所定の間隔(隣接する用紙間の隙間を例えば20〜30mm程度の間隔)で連続給紙するようになっている。図7は、この通常動作時の用紙搬送状態を示している。このように隣接する用紙P間の隙間を詰めて用紙搬送路に連続給紙しても、全ての搬送ローラM2〜M5が常に回転駆動されているので、用紙搬送路上の用紙Pは、この一定間隔(搬送ピッチL1)を保持した状態で順次画像形成が行われ、排紙トレイT2まで順次搬送されることになる。
<ケース1の場合の説明>
ここで、5個のモータM1〜M5の全てが動作しているときに必要な電力量が例えば120Wであるとすると、上記ケース1の場合には、供給可能な電力量が100Wであるため、このような通常動作を行うことができない。この場合には、単純計算で4個のモータを駆動すると96Wの電力が必要であるため、この計算結果を踏まえると、ケース1の場合に駆動できるモータの数は最大4個までということになる。そのため、ケース1の場合には、この条件を満たすように用紙搬送を制御する必要がある。
以下、ケース1の場合(駆動するモータが最大4個の場合)の用紙搬送制御について、図8Aないし図8Cに示す用紙搬送状態の遷移図を参照して説明する。なお、図8Aないし図8Cに示す遷移図において、駆動しているモータ及びローラに斜線を付している。
まず、図8A(a)に示すように、モータM1を駆動してピックアップローラを兼用する搬送ローラR1を駆動し、給紙トレイT1に載置されている最上部の用紙P1を用紙搬送路に給紙する。このとき駆動しているモータはモータM1の1個である。
このようにして用紙P1がピックアップされて用紙搬送方向下流側(図8において左側)に搬送され、図8A(b)に示すように、その先端がセンサS1の下までくると、センサS1がこれを検知し、検知信号をプリント制御部7に送信する。プリント制御部7は、この検知信号を受信すると、モータM2の駆動を開始する。従って、このとき駆動しているモータは、モータM1,M2の2個である。
この後、用紙P1が搬送ローラR1及びR2によってさらに搬送方向下流側に搬送され、図8A(c)に示すように、その先端がセンサS2の下までくると、センサS2がこれを検知し、検知信号をプリント制御部7に送信する。プリント制御部7は、この検知信号を受信すると、モータM3の駆動を開始する。このとき、用紙P1の後端はまだセンサS1の下を抜けていない。従って、このとき駆動しているモータは、モータM1,M2,M3の3個である。
この後、用紙P1が搬送ローラR2によってさらに搬送方向下流側に搬送され、図8B(d)に示すように、その後端がセンサS1の下を抜けると、センサS1がこれを検知し、検知信号をプリント制御部7に送信する。プリント制御部7は、この検知信号を受信すると、モータM1の駆動を停止する。このとき、用紙P1の先端はまだセンサS3の下まできていない。従って、このとき駆動しているモータは、モータM2,M3の2個である。
この後、用紙P1が搬送ローラR2及びR3によってさらに搬送方向下流側に搬送され、図8B(e)に示すように、その先端がセンサS3の下までくると、センサS3がこれを検知し、検知信号をプリント制御部7に送信する。プリント制御部7は、この検知信号を受信すると、モータM4の駆動を開始する。このとき、用紙P1の後端はまだセンサS2の下を抜けていない。従って、このとき駆動しているモータは、モータM2,M3,M4の3個である。
この後、用紙P1が搬送ローラR3によってさらに搬送方向下流側に搬送され、図8B(f)に示すように、その後端がセンサS2の下を抜けると、センサS2がこれを検知し、検知信号をプリント制御部7に送信する。プリント制御部7は、この検知信号を受信すると、モータM2の駆動を停止するとともに、この時点でモータM1を駆動してピックアップローラを兼用する搬送ローラR1を駆動し、給紙トレイT1に載置されている最上部の(次の)用紙P2を用紙搬送路に給紙する。このとき、用紙P1の先端はまだセンサS4の下まできていない。従って、このとき駆動しているモータは、モータM1,M3,M4の3個である。
この後、用紙P1が搬送ローラR4によってさらに搬送方向下流側に搬送されるとともに、用紙P2が搬送ローラR1によってさらに搬送方向下流側に搬送され、図8C(g)に示すように、用紙P1の先端がセンサS4の下までくると、センサS4がこれを検知し、検知信号をプリント制御部7に送信する。プリント制御部7は、この検知信号を受信すると、モータM5の駆動を開始する。従って、このとき駆動しているモータは、モータM1,M3,M4,M5の4個であり、最大4個の条件を満たしている。
この後、用紙P1が搬送ローラR4によってさらに搬送方向下流側に搬送されるとともに、用紙P2が搬送ローラR1によってさらに搬送方向下流側に搬送され、図8C(h)に示すように、用紙P1の後端がセンサS3の下を抜け、用紙P2の先端がセンサS1の下までくると、センサS1,S3がこれを検知し、それぞれの検知信号をプリント制御部7に送信する。プリント制御部7は、これらの検知信号を受信すると、モータM3の駆動を停止するとともに、モータM2の駆動を開始する。従って、このとき駆動しているモータは、モータM1,M2,M4,M5の4個であり、最大4個の条件を満たしている。
この後、用紙P1が搬送ローラR5によってさらに搬送方向下流側に搬送されるとともに、用紙P2が搬送ローラR2によってさらに搬送方向下流側に搬送され、図8C(i)に示すように、用紙P1の後端がセンサS4の下を抜け、用紙P2の先端がセンサS2の下までくると、センサS2,S4がこれを検知し、それぞれの検知信号をプリント制御部7に送信する。プリント制御部7は、これらの検知信号を受信すると、モータM4の駆動を停止するとともに、モータM3の駆動を開始する。このとき、用紙P2の後端はまだセンサS1の下を抜けていない。従って、このとき駆動しているモータは、モータM1,M2,M3,M5の4個であり、最大4個の条件を満たしている。
この後、用紙P1が搬送ローラR5によってさらに搬送方向下流側に搬送されるとともに、用紙P2が搬送ローラR3によってさらに搬送方向下流側に搬送され、図8C(j)に示すように、用紙P1の後端がセンサS5の下を抜け、用紙P2の先端がセンサS3の下までくると、センサS3,S4がこれを検知し、それぞれの検知信号をプリント制御部7に送信する。プリント制御部7は、これらの検知信号を受信すると、モータM5の駆動を停止するとともに、モータM4の駆動を開始する。このとき、用紙P2の後端はまだセンサS2の下を抜けていない。従って、このとき駆動しているモータは、モータM2,M3,M4の3個である。
ケース1の場合は、上記のような搬送制御となる。従って、用紙Pの搬送ピッチは図8C(g)に示すようにL11となり、これは図7に示した通常動作時の搬送ピッチL1よりも長くなっている。すなわち、ケース1の場合には、このように搬送ピッチL11を長くすることで、単位時間当たりの画像形成枚数を通常動作時より少なくなるように制御している。
図9は、上記のような搬送制御を行うためにプリント制御部7が実行する処理手順を示すフローチャートである。以下、この図9に示すフローチャートを参照して、上記図8A〜図8Cを用いて説明した用紙の搬送制御について再度説明する。
まず、モータM1を駆動してピックアップローラを兼用する搬送ローラR1を駆動し(ステップST11)、給紙トレイT1に載置されている最上部の用紙P1を用紙搬送路に給紙する。この状態が図8A(a)である。
そして、変数nに「1」を代入し(ステップST12)、1番目のセンサS1がOFFからONに変化したか否かを監視する(ステップST13)。その結果、センサS1がOFFからONに変化した場合(ステップST13でYesと判断された場合)には、そのセンサS1の搬送方向下流側に配置されている搬送ローラR2を駆動するモータM2の回転を開始する(ステップST14)。この状態が図8A(b)である。
この後、変数nをインクリメントしてn=2とし(ステップST15)、次のステップST16においてnが2より大きいか否か(n>2)を判断する。この場合にはn=2であるので、ステップST16での判断がNoとなり、ステップST13へ戻ることになる。
ステップST13では、2番目のセンサS2がOFFからONに変化したか否かを監視する。その結果、センサS2がOFFからONに変化した場合(ステップST13でYesと判断された場合)には、そのセンサS2の搬送方向下流側に配置されている搬送ローラR3を駆動するモータM3の回転を開始する(ステップST14)。この状態が図8A(c)である。
この後、変数nをインクリメントしてn=3とし(ステップST15)、次のステップST16においてnが2より大きいか否かを判断する。この場合にはn=3であり、2より大きいので、ステップST16での判断がYesとなり、ステップST17へ進む。ステップST17では、変数nが4より大きいか否か(n>4)を判断する。この場合には、n=3であるので、ステップST17での判断がNoとなり、ステップST18へ進むことになる。ステップST18では、センサS(n−2)、つまりこの場合には、n=3であるので、センサS1がONからOFFに変化したか否かを監視する。その結果、センサS1がON状態のままである場合(ステップST18でNoと判断された場合)には、ステップST13に戻って、センサS3の監視と、ステップST18でのセンサS1の監視とを継続することになる。この状態も図8A(c)である。
この後、ステップST18において、センサS1がONからOFFに変化すると(ステップST18でYesと判断されると)、モータM(n−2)、すなわちn=3であるので、モータM1を停止する(ステップST19)。この状態が図8B(d)である。
この後、センサS2がONからOFFに変化したか否か、すなわちステップST18でONからOFFに変化したセンサがセンサS2であるか否かを判断し(ステップST20)、センサS2でなければ(ステップST20でNoと判断されれば)、ステップST13に戻り、ステップST13〜ステップST20の処理を繰り返す。
そして、ステップST13において、センサS3がOFFからONに変化した場合(ステップST13でYesと判断された場合)には、そのセンサS3の搬送方向下流側に配置されている搬送ローラR4を駆動するモータM4の回転を開始する(ステップST14)。この状態が図8B(e)である。
この後、変数nをインクリメントしてn=4とし(ステップST15)、次のステップST16においてnが2より大きいか否か(n>2)を判断する。この場合にはn=4であり、2より大きいので、ステップST16での判断がYesとなり、ステップST17へ進む。ステップST17では、変数nが4より大きいか否か(n>4)を判断する。この場合には、n=4であるので、ステップST17での判断がNoとなり、ステップST18へ進むことになる。ステップST18では、センサS(n−2)、つまりこの場合には、n=4であるので、センサS2がONからOFFに変化したか否かを監視する。その結果、センサS2がON状態のままである場合(ステップST18でNoと判断された場合)には、ステップST13に戻って、センサS4の監視と、ステップST18でのセンサS2の監視とを継続することになる。この状態も図8B(e)である。
この後、ステップST18において、センサS2がONからOFFに変化すると(ステップST18でYesと判断されると)、モータM(n−2)、すなわちn=4であるので、モータM2を停止する(ステップST19)。この状態が図8B(f)の左側部分である。
この後、センサS2がONからOFFに変化したか否か、すなわちステップST18でONからOFFに変化したセンサがセンサS2であるか否かを判断する(ステップST20)。この場合には、変化したのがセンサS2であるので(ステップST20でYesと判断さるので)、ステップST21へ進み、現在実行中の一つのジョブの全枚数を給紙したか否かを判断する。その結果、全枚数を給紙していなければ(ステップST21でNoと判断されれば)、次に搬送すべき用紙(すなわち、画像処理すべきジョブ)があるため、本処理動作1の並列処理を開始して(ステップST22)、ステップST13に戻る。すなわち、本処理動作1の並列処理では、モータM1を駆動してピックアップローラを兼用する搬送ローラR1を駆動し(ステップST11)、給紙トレイT1に載置されている最上部の(次の)用紙P2を用紙搬送路に給紙する。この状態が図8B(f)である。なお、この時点で開始した処理動作1の並列処理の説明については、以後の説明では省略し、その結果のみを示すものとする。
この後、ステップST13〜ステップST20の処理を繰り返し、ステップST13において、センサS4がOFFからONに変化した場合(ステップST13でYesと判断された場合)には、そのセンサS4の搬送方向下流側に配置されている搬送ローラR5を駆動するモータM5の回転を開始する(ステップST14)。この状態が図8C(g)である。
この後、変数nをインクリメントしてn=5とし(ステップST15)、次のステップST16においてnが2より大きいか否か(n>2)を判断する。この場合にはn=5であり、2より大きいので、ステップST16での判断がYesとなり、ステップST17へ進む。ステップST17では、変数nが4より大きいか否か(n>4)を判断する。この場合には、n=5であるので、ステップST17での判断がYesとなり、ステップST23へ進むことになる。ステップST23では、センサS3がONからOFFに変化したか否かを監視する。その結果、センサS3がONからOFFに変化した場合(ステップST23でYesと判断された場合)には、モータM3を停止する(ステップST24)。なお、このとき処理動作1の並列処理によってセンサS1がOFFからONに変化しており、モータM2が回転を開始している。この状態が図8C(h)である。
この後、次のステップST25において、センサS4がONからOFFに変化したか否かを監視する。その結果、センサS4がONからOFFに変化した場合(ステップST25でYesと判断された場合)には、モータM4を停止する(ステップST26)。なお、このとき処理動作1の並列処理によってセンサS2がOFFからONに変化しており、モータM3が回転を開始している。この状態が図8C(i)である。
この後、次のステップST27において、センサS5がONからOFFに変化したか否かを監視する。その結果、センサS5がONからOFFに変化した場合(ステップST27でYesと判断された場合)には、モータM5を停止する(ステップST28)。なお、このとき処理動作1の並列処理によってセンサS3がOFFからONに変化しており、モータM4が回転を開始している。この状態が図8C(j)である。
なお、ステップST28の処理によって、排紙トレイT2まで搬送された用紙P1が一つのジョブの最後の用紙であった場合には、図8B(f)〜図8C(j)に示すような次の用紙P2の搬送は行われないため、この時点で一つのジョブの処理完了となる。
ところで、上記説明では、便宜上、例えば図8C(h)の場合の説明において、用紙P1の後端がセンサS3の下を抜けるタイミングと、用紙P2の先端がセンサS1の下までくるタイミングとを同じタイミングとして説明しているが、用紙P2の先端が先にセンサS1の下まできた場合には、最大4個の条件を守るため、その時点ではモータM2は駆動せず、用紙P2はモータM1の駆動による搬送ローラR1のみによって搬送を継続する。そして、その後に用紙P1の後端がセンサS3の下を抜けたとき、モータM2の駆動を開始するようにすればよい。この場合、用紙P2の先端が搬送ローラR2の直前まできても、用紙P1の後端がセンサS3の下をまだ抜けていない場合には、モータM1の駆動を停止して、用紙P1の後端がセンサS3を抜けるまで、用紙P2をその位置で待機させればよい。なお、このようなタイミング制御は、次に説明するケース2の場合も同様である。
<ケース2の場合の説明>
上記したように、5個のモータM1〜M5の全てが動作しているときに必要な電力量が例えば120Wであるとすると、上記ケース2の場合には、供給可能な電力量が80Wであるため、このような通常動作を行うことができない。この場合には、単純計算で3個のモータを駆動すると72Wの電力が必要であるため、この計算結果を踏まえると、ケース2の場合に駆動できるモータの数は最大3個までということになる。そのため、ケース2の場合には、この条件を満たすように用紙搬送を制御する必要がある。
以下、ケース2の場合(駆動するモータが最大3個の場合)の用紙搬送制御について、図10Aないし図10Cに示す用紙搬送状態の遷移図を参照して説明する。なお、図10Aないし図10Cに示す遷移図において、駆動しているモータ及びローラに斜線を付している。
まず、図10A(a)に示すように、モータM1を駆動してピックアップローラを兼用する搬送ローラR1を駆動し、給紙トレイT1に載置されている最上部の用紙P1を用紙搬送路に給紙する。このとき駆動しているモータはモータM1の1個である。
このようにして用紙P1がピックアップされて用紙搬送方向下流側(図10において左側)に搬送され、図10A(b)に示すように、その先端がセンサS1の下までくると、センサS1がこれを検知し、検知信号をプリント制御部7に送信する。プリント制御部7は、この検知信号を受信すると、モータM2の駆動を開始する。従って、このとき駆動しているモータは、モータM1,M2の2個である。
この後、用紙P1が搬送ローラR1及びR2によってさらに搬送方向下流側に搬送され、図10A(c)に示すように、その先端がセンサS2の下までくると、センサS2がこれを検知し、検知信号をプリント制御部7に送信する。プリント制御部7は、この検知信号を受信すると、モータM3の駆動を開始する。このとき、用紙P1の後端はまだセンサS1の下を抜けていない。従って、このとき駆動しているモータは、モータM1,M2,M3の3個である。
この後、用紙P1が搬送ローラR2によってさらに搬送方向下流側に搬送され、図10B(d)に示すように、その後端がセンサS1の下を抜けると、センサS1がこれを検知し、検知信号をプリント御部7に送信する。プリント制御部7は、この検知信号を受信すると、モータM1の駆動を停止する。このとき、用紙P1の先端はまだセンサS3の下まできていない。従って、このとき駆動しているモータは、モータM2,M3の2個である。
この後、用紙P1が搬送ローラR2及びR3によってさらに搬送方向下流側に搬送され、図10B(e)に示すように、その先端がセンサS3の下までくると、センサS3がこれを検知し、検知信号をプリント制御部7に送信する。プリント制御部7は、この検知信号を受信すると、モータM4の駆動を開始する。このとき、用紙P1の後端はまだセンサS2の下を抜けていない。従って、このとき駆動しているモータは、モータM2,M3,M4の3個である。
この後、用紙P1が搬送ローラR3によってさらに搬送方向下流側に搬送され、図10B(f)に示すように、その後端がセンサS2の下を抜けると、センサS2がこれを検知し、検知信号をプリント制御部7に送信する。プリント制御部7は、この検知信号を受信すると、モータM2の駆動を停止する。このとき、用紙P1の先端はまだセンサS4の下まできていない。従って、このとき駆動しているモータは、モータM3,M4の2個である。
この後、用紙P1が搬送ローラR4によってさらに搬送方向下流側に搬送され、図10C(g)に示すように、用紙P1の先端がセンサS4の下までくると、センサS4がこれを検知し、検知信号をプリント制御部7に送信する。プリント制御部7は、この検知信号を受信すると、モータM5の駆動を開始する。従って、このとき駆動しているモータは、モータM3,M4,M5の3個である。
この後、用紙P1が搬送ローラR4によってさらに搬送方向下流側に搬送され、図10C(h)に示すように、用紙P1の後端がセンサS3の下を抜けると、センサS3がこれを検知し、この検知信号をプリント制御部7に送信する。プリント制御部7は、この検知信号を受信すると、モータM3の駆動を停止するとともに、この時点でモータM1を駆動してピックアップローラを兼用する搬送ローラR1を駆動し、給紙トレイT1に載置されている最上部の(次の)用紙P2を用紙搬送路に給紙する。従って、このとき駆動しているモータは、モータM1,M4,M5の3個である。
この後、用紙P1が搬送ローラR5によってさらに搬送方向下流側に搬送されるとともに、用紙P2が搬送ローラR1によってさらに搬送方向下流側に搬送され、図10C(i)に示すように、用紙P1の後端がセンサS4の下を抜け、用紙P2の先端がセンサS1の下までくると、センサS1,S4がこれを検知し、それぞれの検知信号をプリント制御部7に送信する。プリント制御部7は、これらの検知信号を受信すると、モータM4の駆動を停止するとともに、モータM2の駆動を開始する。従って、このとき駆動しているモータは、モータM1,M2,M5の3個である。
この後、用紙P1が搬送ローラR5によってさらに搬送方向下流側に搬送されるとともに、用紙P2が搬送ローラR2によってさらに搬送方向下流側に搬送され、図10C(j)に示すように、用紙P1の後端がセンサS5の下を抜け、用紙P2の先端がセンサS2の下までくると、センサS2,S4がこれを検知し、それぞれの検知信号をプリント制御部7に送信する。プリント制御部7は、これらの検知信号を受信すると、モータM5の駆動を停止するとともに、モータM3の駆動を開始する。このとき、用紙P2の後端はまだセンサS1の下を抜けていない。従って、このとき駆動しているモータは、モータM1,M2,M3の3個である。
ケース2の場合は、上記のような搬送制御となる。従って、用紙Pの搬送ピッチは図10C(h)に示すようにL12となり、これは図7に示した通常動作時の搬送ピッチL1、及び図8C(g)に示したケース1の場合の搬送ピッチL11よりも長くなっている。すなわち、ケース2の場合には、このように搬送ピッチL12をさらに長くすることで、単位時間当たりの画像形成枚数を通常動作時よりさらに少なくなるように制御している。
図11は、上記のような搬送制御を行うためにプリント制御部7が実行する処理手順を示すフローチャートである。以下、この図11に示すフローチャートを参照して、上記図10A〜図10Cを用いて説明した用紙の搬送制御について再度説明する。
まず、モータM1を駆動してピックアップローラを兼用する搬送ローラR1を駆動し(ステップST31)、給紙トレイT1に載置されている最上部の用紙P1を用紙搬送路に給紙する。この状態が図10A(a)である。
そして、変数nに「1」を代入し(ステップST32)、1番目のセンサS1がOFFからONに変化したか否かを監視する(ステップST33)。その結果、センサS1がOFFからONに変化した場合(ステップST33でYesと判断された場合)には、そのセンサS1の搬送方向下流側に配置されている搬送ローラR2を駆動するモータM2の回転を開始する(ステップST34)。この状態が図10A(b)である。
この後、変数nをインクリメントしてn=2とし(ステップST35)、次のステップST36においてnが2より大きいか否か(n>2)を判断する。この場合にはn=2であるので、ステップST36での判断がNoとなり、ステップST33へ戻ることになる。
ステップST33では、2番目のセンサS2がOFFからONに変化したか否かを監視する。その結果、センサS2がOFFからONに変化した場合(ステップST33でYesと判断された場合)には、そのセンサS2の搬送方向下流側に配置されている搬送ローラR3を駆動するモータM3の回転を開始する(ステップST34)。この状態が図10A(c)である。
この後、変数nをインクリメントしてn=3とし(ステップST35)、次のステップST36においてnが2より大きいか否かを判断する。この場合にはn=3であり、2より大きいので、ステップST36での判断がYesとなり、ステップST37へ進む。ステップST37では、変数nが4より大きいか否か(n>4)を判断する。この場合には、n=3であるので、ステップST37での判断がNoとなり、ステップST38へ進むことになる。ステップST38では、センサS(n−2)、つまりこの場合には、n=3であるので、センサS1がONからOFFに変化したか否かを監視する。その結果、センサS1がON状態のままである場合(ステップST38でNoと判断された場合)には、ステップST33に戻って、センサS3の監視と、ステップST38でのセンサS1の監視とを継続することになる。この状態も図10A(c)である。
この後、ステップST38において、センサS1がONからOFFに変化すると(ステップST38でYesと判断されると)、モータM(n−2)、すなわちn=3であるので、モータM1を停止する(ステップST39)。この状態が図10B(d)である。
この後、ステップST33に戻り、ステップST33〜ステップST19の処理を繰り返す。そして、ステップST33において、センサS3がOFFからONに変化した場合(ステップST33でYesと判断された場合)には、そのセンサS3の搬送方向下流側に配置されている搬送ローラR4を駆動するモータM4の回転を開始する(ステップST34)。この状態が図10B(e)である。
この後、変数nをインクリメントしてn=4とし(ステップST35)、次のステップST36においてnが2より大きいか否か(n>2)を判断する。この場合にはn=4であり、2より大きいので、ステップST36での判断がYesとなり、ステップST37へ進む。ステップST37では、変数nが4より大きいか否か(n>4)を判断する。この場合には、n=4であるので、ステップST37での判断がNoとなり、ステップST38へ進むことになる。ステップST38では、センサS(n−2)、つまりこの場合には、n=4であるので、センサS2がONからOFFに変化したか否かを監視する。その結果、センサS2がON状態のままである場合(ステップST38でNoと判断された場合)には、ステップST33に戻って、センサS4の監視と、ステップST38でのセンサS2の監視とを継続することになる。この状態も図10B(e)である。
この後、ステップST38において、センサS2がONからOFFに変化すると(ステップST38でYesと判断されると)、モータM(n−2)、すなわちn=4であるので、モータM2を停止する(ステップST39)。この状態が図10B(f)である。
この後、ステップST33に戻って、ステップST33〜ステップST20の処理を繰り返す。そして、ステップST33において、センサS4がOFFからONに変化した場合(ステップST33でYesと判断された場合)には、そのセンサS4の搬送方向下流側に配置されている搬送ローラR5を駆動するモータM5の回転を開始する(ステップST34)。この状態が図10C(g)である。
この後、変数nをインクリメントしてn=5とし(ステップST35)、次のステップST36においてnが2より大きいか否か(n>2)を判断する。この場合にはn=5であり、2より大きいので、ステップST36での判断がYesとなり、ステップST37へ進む。ステップST37では、変数nが4より大きいか否か(n>4)を判断する。この場合には、n=5であるので、ステップST37での判断がYesとなり、ステップST40へ進むことになる。ステップST40では、センサS3がONからOFFに変化したか否かを監視する。その結果、センサS3がONからOFFに変化した場合(ステップST40でYesと判断された場合)には、モータM3を停止する(ステップST41)。
次のステップST42では、現在実行中の一つのジョブの全枚数を給紙したか否かを判断する。その結果、全枚数を給紙していなければ(ステップST42でNoと判断されれば)、次に搬送すべき用紙(すなわち、画像処理すべきジョブ)があるため、本処理動作2の並列処理を開始する(ステップST43)。すなわち、本処理動作2の並列処理では、モータM1を駆動してピックアップローラを兼用する搬送ローラR1を駆動し(ステップST31)、給紙トレイT1に載置されている最上部の(次の)用紙P2を用紙搬送路に給紙する。この状態が図10B(h)である。なお、この時点で開始した処理動作2の並列処理の説明については、以後の説明では省略し、その結果のみを示すものとする。
この後、次のステップST44において、センサS4がONからOFFに変化したか否かを監視する。その結果、センサS4がONからOFFに変化した場合(ステップST44でYesと判断された場合)には、モータM4を停止する(ステップST45)。なお、このとき処理動作2の並列処理によってセンサS1がOFFからONに変化しており、モータM2が回転を開始している。この状態が図10C(i)である。
この後、次のステップST46において、センサS5がONからOFFに変化したか否かを監視する。その結果、センサS5がONからOFFに変化した場合(ステップST46でYesと判断された場合)には、モータM5を停止する(ステップST47)。なお、このとき処理動作2の並列処理によってセンサS2がOFFからONに変化しており、モータM3が回転を開始している。この状態が図10C(j)である。
なお、ステップST47の処理によって、排紙トレイT2まで搬送された用紙P1が一つのジョブの最後の用紙であった場合には、図10B(h)〜図10C(j)に示すような次の用紙P2の搬送は行われないため、この時点で一つのジョブの処理完了となる。
本実施形態では、上記ケース1及びケース2の場合の説明を、画像形成部であるプリント部7aの駆動制御に適用して説明しているが、原稿読取部であるスキャナ部6aの駆動制御に適用しても同様の制御となる。すなわち、スキャナ部6aの駆動制御に適用した場合には、図7に示す用紙搬送路の構成が原稿搬送路の構成となり、用紙検知用の各センサS1〜S5が原稿検知用のセンサとなるだけである。
また、本実施形態では、制御系の第2〜第4サブ電源222〜224は制御系のスキャナ制御部、プリント制御部7、後処理制御部8とそれぞれ対をなしており、駆動系の第6,第7,第9サブ電源226,227,229は、駆動系のスキャナ部6a、プリント部7a、シフター8a〜ステイプラー8cとそれぞれ対をなしている。すなわち、各制御系、及び各駆動系にそれぞれ専用のサブ電源が割り当てられている。しかし、このような割り当てに限定されず、各制御系、各駆動系に割り当てられるサブ電源の設定を変更できるように構成してもよい。
本発明の要旨は、少なくとも各処理ユニットと同じ個数の電源を備え、かつ、処理ユニットそれぞれに個別に電源が割り当てられていることを前提として、何れかの電源に異常が発生した場合には、その異常発生時の動作モードにおいて使用されていない処理ユニット用の電源を代替電源として使用することにある。従って、各制御系、各駆動系に割り当てられるサブ電源の設定を変更できるように構成した場合でも、その設定変更の前後において、各処理ユニットに個別に電源が割り当てられていればよい。