JP2008227127A - 冷却ファン駆動制御システム、プロジェクタ、プログラム、情報記憶媒体及び冷却ファン駆動制御方法 - Google Patents

冷却ファン駆動制御システム、プロジェクタ、プログラム、情報記憶媒体及び冷却ファン駆動制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】冷却ファンの回転速度の制御パラメータの最適値を使用環境に応じて自動的に決定し、使用環境の変化に応じて制御パラメータを補正するように制御する冷却ファン駆動制御システム及びプロジェクタを提供すること。
【解決手段】プロジェクタ10は、ランプ300の発熱温度を検出する発熱温度検出手段110と、所与の目標温度130と発熱温度112との偏差に基づき、冷却ファン200の回転速度を制御する冷却ファン駆動制御手段120と、目標温度130及び発熱温度112に基づいて、冷却ファン駆動制御手段120の制御パラメータ140を決定する制御パラメータ決定手段150と、を含み、冷却ファン駆動制御手段120は、制御パラメータ決定手段150が決定した制御パラメータ140に基づいて、冷却ファン300の回転速度を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷却ファン駆動制御システム、プロジェクタ、プログラム、情報記憶媒体及び冷却ファン駆動制御方法に関する。
プロジェクタ等、内部の半導体部品やランプ等の発熱部品の発熱による温度上昇が原因で動作が不安定になり得る機器では温度管理が重要であり、冷却ファンによる発熱部品の冷却が行われている。冷却ファンの回転速度が高いほど冷却ファン駆動時の電力や騒音が増大するので、発熱温度に応じて冷却ファンの回転速度を制御することにより発熱温度が所定の目標温度(管理温度)になるように温度管理が行われる。従来、発熱温度に応じて、冷却ファンの回転速度を段階的に切り替える制御が行われていた。しかし、発熱温度は目標温度付近で上下に変動を繰り返すため、変動が大きい場合には冷却ファンの回転速度が不安定になるという問題があった。また、冷却ファンの回転速度の切り替え段階が少ない場合は、回転速度を上昇させると冷却ファン駆動時の騒音の変化が顕著に感じられてしまうという問題があった。これらの問題を解決するために、特開2001−235797号公報には、あらかじめ設定された目標温度とプロジェクタの内部温度(発熱温度)の偏差に対するフィードバック制御(比例積分制御(PI制御)や比例積分微分制御(PID制御))により、冷却ファンの回転速度を制御するプロジェクタが提案されている。
特開2001−235797号公報
しかしながら、プロジェクタは可搬性を有し、なおかつ恒常的な使用はまれである。ゆえに、制御パラメータを決定したとしても、制御パラメータを決定した時の環境(外気温度など)と実際に冷却ファンを駆動する時の使用環境が大きく異なる場合は、決定した制御パラメータはもはや最適値とはいえない。そのため、例えば非常に暑い環境下での使用は、設定された冷却ファンの回転数では冷却能力が足りず、環境温度と本体からの発熱でプロジェクタ内部エラーが発生してしまう。そのため、使用環境が異なっても常に制御パラメータの最適値を使用するためには、使用環境毎に制御パラメータの最適値を複数用意しておき、使用環境に応じた最適値を選択する必要があり、多大な労力及びコストを必要とするという問題があった。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、冷却ファンの回転速度の制御パラメータの最適値を使用環境に応じて自動的に決定し、使用環境の変化に応じて制御パラメータを補正するように制御する冷却ファン駆動制御システム及びプロジェクタを提供することを目的とする。
(1)本発明に係る冷却ファン駆動制御システムは、発熱部品を冷却するための冷却ファンの回転速度を制御する冷却ファン駆動制御システムであって、前記発熱部品の発熱温度を検出する発熱温度検出手段と、所与の目標温度と前記発熱温度との偏差に基づいて、前記冷却ファンの回転速度を制御する冷却ファン駆動制御手段と、前記目標温度及び前記発熱温度に基づいて、前記冷却ファン駆動制御手段の制御パラメータを決定する制御パラメータ決定手段と、を含み、前記冷却ファン駆動制御手段は、前記制御パラメータ決定手段が決定した制御パラメータに基づいて、前記冷却ファンの回転速度を制御することを特徴とする。
発熱部品は、例えば、プロジェクタに使用されるランプ、ランプの点灯を制御するバラスト装置、電力供給装置などであってもよい。
目標温度は、発熱部品を安定させる目標となる温度であり、発熱部品が破壊したり、異常動作を起こす手前の限界温度以下であればよく、例えば、発熱部品の過冷却を防止して冷却ファンの回転速度を最適に保つためには、当該限界温度を目標温度とするのが好ましい。
冷却ファンの回転速度の制御は、例えば、比例(P(Proportional))制御であってもよいし、比例積分(PI(Proportional Integral))制御であってもよいし、比例積分微分(PID(Proportional Integral Derivative))制御であってもよい。
制御パラメータの決定処理は、例えば、ユーザが所定のボタンを押下することにより開始するようにしてもよい。例えば、本発明に係る冷却ファン駆動制御システムを含むプロジェクタの製造工程において、制御パラメータの決定処理を行ってもよい。また、本発明に係る冷却ファン駆動制御システムを含むプロジェクタを、製造工程で制御パラメータを決定した時の環境と大きく異なる環境で使用する場合(例えば、埃の多い場所や高地で使用する場合)などは、使用する場所であらためて制御パラメータの決定処理を行ってもよい。
制御パラメータは、例えば、P制御、PI制御又はPID制御における比例定数、積分定数又は微分定数の少なくとも二つ以上でよい。
制御パラメータ決定手段は、例えば、P制御、PI制御又はPID制御において、冷却ファンの回転速度をできるだけ低くし、かつ、発熱部品の発熱温度が目標温度付近の許容範囲内で安定するように制御パラメータを決定してもよい。また、制御パラメータ決定手段は、例えば、P制御、PI制御又はPID制御において、発熱部品の発熱温度が目標温度付近の許容範囲内でできる限り迅速に安定するように制御パラメータを決定してもよい。
本発明によれば、目標温度及び発熱温度に基づいて自動的に制御パラメータを決定することができる。また、本発明によれば、例えば、プロジェクタにおいて、ランプを高輝度で点灯させるか低輝度で点灯させるか、設置モードは天吊りか床置きか、埃の多い場所で使用するか否か、高地で使用するか否か等のすべての組み合わせによって制御パラメータを変えるような場合であっても、使用環境に応じて自動的に制御パラメータを決定することができる。従って、多様な使用環境に対応するためにあらかじめ多数の制御パラメータを人手で決定する必要がないので、労力及びコストを削減することができる。
(2)本発明に係る冷却ファン駆動制御システムは、周辺環境に関する所定の環境データを取得する環境データ取得手段と、前記冷却ファンの駆動制御の開始時に、前記環境データに基づいて、前記制御パラメータ決定手段が決定した前記制御パラメータを補正する制御パラメータ補正手段と、を含むことを特徴とする。
所定の環境データとは、発熱部品の発熱温度以外の、周辺環境に関するデータである。例えば、外気温度、湿度、気圧などであってもよい。制御パラメータ補正手段は、一つの環境データのみに基づいて制御パラメータを補正してもよいし、複数の環境データに基づいて制御パラメータを補正してもよい。
本発明によれば、制御パラメータ決定時の周辺環境と冷却ファン駆動時の周辺環境が異なっている場合であっても、人手によることなく、冷却ファンの駆動制御の開始時に自動的に制御パラメータを最適値に補正することができる。
(3)本発明に係る冷却ファン駆動制御システムは、前記環境データ取得手段は、所定の環境データとして外気温度を検出する外気温度検出手段を含み、前記制御パラメータ補正手段は、前記外気温度に基づいて、前記制御パラメータを補正することを特徴とする。
本発明によれば、制御パラメータ決定時と環境が変わりやすく、制御パラメータの最適値に影響を与えやすい外気温度に基づいて制御パラメータを補正するので、効果的な補正処理を効率よく実現することができる。
(4)本発明に係る冷却ファン駆動制御システムは、前記冷却ファンの駆動制御の終了時に、前記発熱温度を記憶する発熱温度記憶手段を含み、前記制御パラメータ補正手段は、前記冷却ファンの駆動制御の開始時に、前記発熱温度記憶手段に記憶した前記発熱温度に基づいて、前記制御パラメータを補正することを特徴とする。
本発明によれば、冷却ファンの動作終了時における発熱部品の発熱温度を記憶しておくので、次回の冷却ファンの駆動制御の開始時に前回終了時の発熱温度の情報に基づいて、冷却ファンの回転速度を制御する制御パラメータを補正することができる。そのため、迅速かつ適切に制御パラメータを補正することができる。
(5)本発明に係る冷却ファン駆動制御システムは、前記冷却ファン駆動制御手段は、比例動作、積分動作、微分動作のうち、少なくとも2つの動作にて制御を行い、前記制御パラメータ決定手段は、比例定数、積分定数、微分定数のうち、少なくとも一つを決定し、前記制御パラメータ補正手段は、比例定数、積分定数、微分定数うち、少なくとも一つを補正することを特徴とする。
本発明によれば、比例動作、積分動作、微分動作における比例定数、積分定数および微分定数を適切な値にすることにより、安定時の発熱温度と目標温度との差を小さくすることができる。従って、目標温度を発熱部品の破壊や異常動作が起こる手前の限界温度に設定することができる。
(6)本発明は、上記のいずれかに記載された冷却ファン駆動制御システムと、冷却ファンと、を含むことを特徴とするプロジェクタである。
本発明によれば、使用環境や使用環境の変化に応じて最適な冷却能力を確保し、プロジェクタの持つ能力を最大限発揮することができるプロジェクタを提供することができる。
(7)本発明は、発熱部品を冷却するための冷却ファンの回転速度を制御するプログラムであって、前記発熱部品の発熱温度を検出する発熱温度検出手段と、所与の目標温度と前記発熱温度との偏差に基づいて、前記冷却ファンの回転速度を制御する冷却ファン駆動制御手段と、前記目標温度及び前記発熱温度に基づいて、前記冷却ファン駆動制御手段の制御パラメータを決定する制御パラメータ決定手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラムである。
(8)本発明は、上記に記載されたプログラムが記憶されていることを特徴とする情報記憶媒体である。
(9)本発明は、所与の目標温度と発熱部品の発熱温度との偏差に基づいて、前記発熱部品を冷却するための冷却ファンの回転速度を制御する冷却ファン駆動制御方法であって、前記発熱温度を検出するステップと、前記目標温度及び前記発熱温度に基づいて制御パラメータを決定するステップと、決定した制御パラメータに基づいて、前記冷却ファンの回転速度を制御するステップと、を含むことを特徴とする冷却ファン駆動制御方法である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
図1は、本実施の形態のプロジェクタ(冷却ファン駆動制御システム)の機能ブロック図である。
プロジェクタ10は、冷却ファン駆動制御システム100を含む。また、プロジェクタ10は、冷却ファン200を含む。ランプ300は点灯中に温度が上昇する発熱部品であり、高温状態で破壊や異常動作を起こさないように、冷却ファン200はランプ300を一定の温度に保つように冷却する。
冷却ファン駆動制御システム100は、ランプ300(発熱部品)の発熱温度を検出する発熱温度検出手段110を含む。発熱温度検出手段110は、例えば、サーミスタ等の感温素子を含んで構成してもよい。また、ランプ300の発熱温度を正確に検出するためには、発熱温度検出手段110はランプ300に極めて近い位置に配置するのが望ましい。
冷却ファン駆動制御システム100は、冷却ファン駆動制御手段120を含む。冷却ファン駆動制御手段120は、所与の目標温度130と発熱温度112との偏差に基づいて、冷却ファン300の回転速度を制御する。冷却ファン駆動制御手段120は、比例動作、積分動作、微分動作のうち、少なくとも2つの動作にて制御を行うようにしてもよい。例えば、冷却ファン駆動制御手段120は、目標温度130と発熱温度112の偏差に対する比例積分制御(PI制御)を行うようにしてもよいし、比例積分微分制御(PID制御)を行うようにしてもよい。冷却ファン駆動制御手段120は、冷却ファン300の駆動制御の終了時に、発熱温度112に応じて、所定の時間だけ冷却ファン300の回転速度を高くするように制御するようにしてもよい。
冷却ファン駆動制御システム100は、制御パラメータ決定手段150を含む。制御パラメータ決定手段150は、目標温度130及び発熱温度112に基づいて、冷却ファン駆動制御手段120の制御パラメータ140を決定する。冷却ファン駆動制御手段120は、制御パラメータ決定手段150が決定した制御パラメータ140に基づいて、冷却ファン200の回転速度を制御する。制御パラメータ決定手段150は、例えば、所定の開始イベント152が発生した時に、制御パラメータ140の決定処理を開始するようにしてもよい。開始イベント152は、例えば、ユーザがプロジェクタ10の所定のボタンを押下することにより発生させるようにしてもよい。制御パラメータ決定手段150は、発熱温度112が所定の許容範囲の上限付近の温度で安定するように制御パラメータ140を決定するようにしてもよい。冷却ファン駆動制御手段120が比例動作、積分動作、微分動作のうち、少なくとも2つの動作にて制御を行う場合において、制御パラメータ決定手段150は、比例定数(Kp)、積分定数(Ki)、微分定数(Kd)(制御パラメータ140)のうち、少なくとも一つを決定するようにしてもよい。
冷却ファン駆動制御システム100は、環境データ取得手段160を含んでもよい。環境データ取得手段160は、周辺環境に関する所定の環境データを取得する。環境データ取得手段160は、所定の環境データとして外気温度162を検出する外気温度検出手段164を含んでもよい。
冷却ファン駆動制御システム100は、制御パラメータ補正手段170を含んでもよい。制御パラメータ補正手段170は、冷却ファン300の駆動制御の開始時に、環境データ162に基づいて、制御パラメータ決定手段150が決定した制御パラメータ140を補正する。制御パラメータ補正手段170は、外気温度162に基づいて、制御パラメータ140を補正するようにしてもよい。制御パラメータ補正手段170は、発熱温度112が所定の許容範囲の上限付近の温度で安定するように制御パラメータ140を補正するようにしてもよい。冷却ファン駆動制御手段120が比例動作、積分動作、微分動作のうち、少なくとも2つの動作にて制御を行う場合において、制御パラメータ補正手段170は、比例定数(Kp)、積分定数(Ki)、微分定数(Kd)(制御パラメータ140)のうち、少なくとも一つを補正するようにしてもよい。
冷却ファン駆動制御システム100は、発熱温度記憶手段180を含んでもよい。発熱温度記憶手段180は、冷却ファン200の駆動制御の終了時に、発熱温度112を記憶する。制御パラメータ補正手段170は、冷却ファン200の駆動制御の開始時に、発熱温度記憶手段180に記憶した発熱温度182に基づいて、制御パラメータ140を補正するようにしてもよい。
なお、比例定数Kp、積分定数Ki、微分定数Kd(制御パラメータ)のチューニングの方法は、オートチューニングPID制御法やセルフチューニングPID制御法が広く知られている。ここでは、オートチューニングの基本的な原理について簡単に説明する。
図2は、オートチューニングを実行したときの発熱温度とモータ回転数の関係を示した図である。図2のように、オートチューニングを実行すると冷却ファン駆動制御手段は現在の温度を目標温度値の近傍まで高め、目標値付近のA点で冷却ファン駆動制御手段の出力を0%→100%→0%→100%と2回サイクルを繰り返す。このときの発熱温度の波形の振幅と周期(無駄時間)を計測し、制御パラメータを決定する。
図3は、本実施の形態の冷却ファン駆動制御システムが比例積分制御(PI制御)を行う場合において、冷却ファンの駆動制御の開始時に、外気温度(環境データの一つ)に基づいて比例定数Kp(制御パラメータ)を補正するためのフローチャートの例を説明するための図である。以下では、図1を参照しながら、比例定数Kpを補正する場合を例にとり説明する。
まず、冷却ファン駆動制御システム100は、環境データ取得手段160に含まれる外気温度検出手段164により外気温度を測定する(ステップS50)。
次に、冷却ファン駆動制御システム100は、制御パラメータ補正手段170において、ステップS50で測定した外気温度を、Kpを決定した時の外気温度と比較する(ステップS52)。ここで、例えば、低輝度点灯時及び高輝度点灯時のそれぞれの場合の比例定数Kp決定時の環境データを別々のテーブルとして不揮発性メモリに記憶しておき、比例定数Kpを決定した時の外気温度を読み出してステップ52の比較対象として使用するようにしてもよい。制御パラメータ補正手段170は、ステップS50で測定した外気温度が、比例定数Kpを決定した時の外気温度と一致しているか否か判断し(ステップS54)、一致している場合は比例定数Kpを補正する必要がないので、比例定数Kpを補正せずに処理を終了する。一方、制御パラメータ補正手段170は、ステップS50で測定した外気温度が、比例定数Kpを決定した時の外気温度よりも低い場合(ステップS56のYESの場合)は比例定数Kpを減少し(ステップS58−1)、比例定数Kpを決定した時の外気温度よりも高い場合(ステップS56のNOの場合)は比例定数Kpを増加する(ステップS58−2)。
次に、冷却ファン駆動制御システム100は、所定の時間が経過するのを待って(ステップS60)、発熱温度検出手段110によりランプ300の発熱温度を測定する(ステップS62)。発熱温度の測定前に所定の時間の経過を待つのは、ランプ300の発熱温度が安定するのを待つためである。
次に、冷却ファン駆動制御システム100は、制御パラメータ補正手段170において、ステップS62で測定した発熱温度が許容範囲(例えば、目標温度を中心とする所定の温度範囲)に含まれるか否かを判断する(ステップS64)。制御パラメータ補正手段170は、発熱温度が許容範囲内にあれば補正処理を終了し、発熱温度が許容範囲内になければ許容範囲よりも低いか否か判断する(ステップS66)。制御パラメータ補正手段170は、ステップS66において、発熱温度が許容範囲よりも低い場合はKpを減少し(ステップS58−1)、発熱温度が許容範囲よりも高い場合はKpを増加して(ステップS58−2)、ステップS60〜S66の処理を繰り返す。ここで、Kpの補正処理が収束しないことを防止するために、例えばKpは最小単位で増減させてもよい。
図3に示したフローチャートによれば、冷却ファン駆動時の外気温度が比例定数Kpを決定した時の外気温度と異なる場合であっても、冷却ファン駆動時の外気温度において比例定数Kpを決定した場合の最適値と同等の値となるように、短時間で比例定数Kpを補正することができる。従って、比較的容易に、冷却ファン駆動時の電力及び騒音を極力低減することができる。
図4は、本実施の形態の冷却ファン駆動制御システムが比例積分制御(PI制御)を行う場合において、通常動作時に、外気温度(環境データの一つ)に基づいて比例定数Kp(制御パラメータ)を補正するためのフローチャートの例を説明するための図である。以下では、図1を参照しながら、図3のフローチャートに従って補正した比例定数Kpを冷却ファン駆動中(通常動作時)にさらに補正する場合を例にとり説明する。
まず、冷却ファン駆動制御システム100は、発熱温度検出手段110によりランプ300の発熱温度を測定する(ステップS70)。ここで、通常動作時は、PI制御のために所定の時間間隔で発熱温度の測定が常に行われているので、ランプ300の発熱温度を別途測定しなくてもよい。
次に、冷却ファン駆動制御システム100は、制御パラメータ補正手段170において、ステップS70で測定した発熱温度が許容範囲(例えば、目標温度を中心とする所定の温度範囲)に含まれるか否かを判断する(ステップS72)。制御パラメータ補正手段170は、発熱温度が許容範囲内にあれば比例定数Kpの補正は行わず、ステップS70及びS72の処理を繰り返し行う。制御パラメータ補正手段170は、発熱温度が許容範囲よりも低い場合はKpを減少し(ステップS76−1)、発熱温度が許容範囲よりも高い場合はKpを増加する(ステップS76−2)。冷却ファン駆動制御システム100は、所定の時間が経過するのを待って(ステップS78)、発熱温度検出手段110によりランプ300の発熱温度を測定する(ステップS70)。発熱温度の測定前に所定の時間の経過を待つのは、比例定数Kpを変更してからランプ300の発熱温度が安定するのを待つためである。ここで、比例制御のみの場合はKpの値が適切な値でなければ残留偏差(オフセット)を有する場合もあるが、PI制御においては、比例制御に加えて積分制御も行われるため、積分制御により残留偏差分がキャンセルされるので、残留偏差を解消できる。なお、比例定数Kpを変更してから発熱温度の測定までの所定の時間は、PI制御の追従性を考慮して適切に設定するのがよい。また、Kpの補正処理が収束しないことを防止するために、例えばKpは最小単位で増減させてもよい。
図4に示したフローチャートによれば、冷却ファン駆動時(通常動作時)に外気温度が変動するような外乱があっても、短時間でKpを最適値に補正することができる。
図5は、本実施の形態の冷却ファン駆動制御システムが、通常動作を終了する時のフローチャートの例を説明するための図である。以下では、本実施の形態の冷却ファン駆動制御システムが、図1で説明したランプ(発熱部品)を冷却するための冷却ファン200の回転速度を制御する場合を例にとり説明する。
終了イベントが発生するまでは、冷却ファン駆動制御システム100は、冷却ファン駆動制御手段120において、例えば、PI制御による冷却ファン駆動制御を行っている(ステップS90)。終了イベントが発生すると、発熱温度検出手段110によりランプ(発熱部品)の発熱温度を測定する(ステップS92)。終了イベントは、例えば、冷却ファン駆動制御システム100を含むプロジェクタ10のパワーダウンボタンが押下された時に発生するイベントであってもよい。次に、冷却ファン駆動制御システム100は、冷却ファン駆動制御手段120において、ステップS92で測定した発熱温度に応じて冷却ファン200の回転速度を上昇させる(ステップS94)。冷却ファン駆動制御手段120は、例えば、発熱温度に比例して冷却ファン200の回転速度を上昇させるように制御してもよい。次に、冷却ファン駆動制御システム100は、冷却ファン駆動制御手段120において、ステップS94で上昇させた回転速度で所定の時間だけ冷却ファン200を駆動制御する(ステップS96)。所定の時間は、例えば、発熱温度に比例する時間にしてもよい。次に、冷却ファン駆動制御システム100は、発熱温度検出手段110によりランプの発熱温度を測定し(ステップS98)、測定温度を発熱温度記憶手段180に記憶する(ステップS100)。
図5に示したフローチャートによれば、冷却ファンの駆動制御終了時に発熱部品を急速に冷却することができる。また、図5に示したフローチャートによれば、冷却ファンの駆動制御終了時の発熱部品の温度を記憶するので、次の起動時に記憶した発熱温度に基づいて冷却ファンの回転速度を制御することができる。したがって、冷却ファンの回転速度が記憶した発熱温度に比例するように制御すれば、起動時にランプの温度が高いほど急速に冷却することができるので、ランプ消灯後すぐにランプの再点灯をしやすくすることができる。なお、起動時のランプの温度は、前回終了時の発熱温度だけでなく、前回終了時から起動時までの時間にも依存するため、終了時の時刻をあわせて記憶しておくことが望ましい。
なお、本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
図3で説明したフローチャートでは、環境データとして外気温度のみに基づいて比例定数Kpを補正しているが、例えば、湿度や気圧などのデータを取得することができる場合は、湿度や気圧などの環境データも含めて比例定数Kpをより最適な値に補正するようにしてもよい。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
また、プロジェクタ10は、これらの各部の機能を実装するためのプログラムを記憶した情報記憶媒体から当該プログラムを読み取って各部の機能を実装してもよい。このような情報記憶媒体しては、例えば、CD−ROM、DVD−ROM、ROM、RAM、HDD等を適用でき、そのプログラムの読み取り方式は接触方式であっても、非接触方式であってもよい。
また、プロジェクタ10としては、例えば、液晶プロジェクタ、CRT(Cathode Ray Tube)プロジェクタ、DMD(Digital Micromirror Device)を用いたプロジェクタ等を用いてもよい。なお、DMDは米国テキサスインスツルメンツ社の商標である。
本実施の形態のプロジェクタ(冷却ファン駆動制御システム)の機能ブロック図。 オートチューニングを実行したときの発熱温度とモータ回転数の関係を示した図。 本実施の形態の冷却ファン駆動制御システムが比例積分制御(PI制御)を行う場合において、冷却ファンの駆動制御の開始時に、外気温度(環境データの一つ)に基づいて比例定数Kp(制御パラメータ)を補正するためのフローチャートの例を説明するための図。 本実施の形態の冷却ファン駆動制御システムが比例積分制御(PI制御)を行う場合において、通常動作時に、外気温度(環境データの一つ)に基づいて比例定数Kp(制御パラメータ)を補正するためのフローチャートの例を説明するための図。 本実施の形態の冷却ファン駆動制御システムが、通常動作を終了する時のフローチャートの例を説明するための図。
符号の説明
10 プロジェクタ、100 冷却ファン駆動制御システム、102 冷却ファン駆動電圧、110 発熱温度検出手段、112 発熱温度、120 冷却ファン駆動制御手段、130 目標温度、140 制御パラメータ、150 制御パラメータ決定手段、152 開始イベント、160 環境データ取得手段、162 環境データ(外気温度)、164 外気温度検出手段、170 制御パラメータ補正手段、180 発熱温度記憶手段、182 発熱温度、200 冷却ファン、300 ランプ(発熱部品)

Claims (9)

  1. 発熱部品を冷却するための冷却ファンの回転速度を制御する冷却ファン駆動制御システムであって、
    前記発熱部品の発熱温度を検出する発熱温度検出手段と、
    所与の目標温度と前記発熱温度との偏差に基づいて、前記冷却ファンの回転速度を制御する冷却ファン駆動制御手段と、
    前記目標温度及び前記発熱温度に基づいて、前記冷却ファン駆動制御手段の制御パラメータを決定する制御パラメータ決定手段と、を含み、
    前記冷却ファン駆動制御手段は、
    前記制御パラメータ決定手段が決定した制御パラメータに基づいて、前記冷却ファンの回転速度を制御することを特徴とする冷却ファン駆動制御システム。
  2. 請求項1において、
    周辺環境に関する所定の環境データを取得する環境データ取得手段と、
    前記冷却ファンの駆動制御の開始時に、前記環境データに基づいて、前記制御パラメータ決定手段が決定した前記制御パラメータを補正する制御パラメータ補正手段と、を含むことを特徴とする冷却ファン駆動制御システム。
  3. 請求項2において、
    前記環境データ取得手段は、
    所定の環境データとして外気温度を検出する外気温度検出手段を含み、
    前記制御パラメータ補正手段は、
    前記外気温度に基づいて、前記制御パラメータを補正することを特徴とする冷却ファン駆動制御システム。
  4. 請求項2又は3において、
    前記冷却ファンの駆動制御の終了時に、前記発熱温度を記憶する発熱温度記憶手段を含み、
    前記制御パラメータ補正手段は、
    前記冷却ファンの駆動制御の開始時に、前記発熱温度記憶手段に記憶した前記発熱温度に基づいて、前記制御パラメータを補正することを特徴とする冷却ファン駆動制御システム。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記冷却ファン駆動制御手段は、
    比例動作、積分動作、微分動作のうち、少なくとも2つの動作にて制御を行い、
    前記制御パラメータ決定手段は、比例定数、積分定数、微分定数のうち、少なくとも一つを決定し、
    前記制御パラメータ補正手段は、比例定数、積分定数、微分定数のうち、少なくとも一つを補正することを特徴とする冷却ファン駆動制御システム。
  6. 請求項1乃至5に記載された冷却ファン駆動制御システムと、冷却ファンと、を含むことを特徴とするプロジェクタ。
  7. 発熱部品を冷却するための冷却ファンの回転速度を制御するプログラムであって、
    前記発熱部品の発熱温度を検出する発熱温度検出手段と、
    所与の目標温度と前記発熱温度との偏差に基づいて、前記冷却ファンの回転速度を制御する冷却ファン駆動制御手段と、
    前記目標温度及び前記発熱温度に基づいて、前記冷却ファン駆動制御手段の制御パラメータを決定する制御パラメータ決定手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
  8. 請求項7に記載されたプログラムが記憶されていることを特徴とする情報記憶媒体。
  9. 所与の目標温度と発熱部品の発熱温度との偏差に基づいて、前記発熱部品を冷却するための冷却ファンの回転速度を制御する冷却ファン駆動制御方法であって、
    前記発熱温度を検出するステップと、
    前記目標温度及び前記発熱温度に基づいて制御パラメータを決定するステップと、
    決定した制御パラメータに基づいて、前記冷却ファンの回転速度を制御するステップと、を含むことを特徴とする冷却ファン駆動制御方法。
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