JP2008227104A - レーザ装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】活性層で生じた熱を効率よく放熱することのできるレーザ装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】活性層を含む積層体が半導体基板の一面に配置され、積層体上に形成された絶縁膜の貫通部を介して、第1電極が積層体と接触されている。第1電極は、金属材料からなり、貫通部を介して露出される積層体の露出部位の一部と接触された第1電極膜と、第1電極膜よりも熱伝導率の高い金属材料からなり、積層体の露出部位のうちの第1電極膜とは異なる部位及び第1電極膜と接触され、積層体からの高さが第1電極膜の高さ以上とされた第2電極膜と、第1電極膜よりも熱伝導率が高く、第2電極膜よりも展性、延性に優れた金属材料からなる第3電極膜を含んでいる。そして、第3電極膜は、貫通部を含む絶縁膜上に積層された状態で、第2電極膜と接触されつつ絶縁膜側の面の裏面が平坦とされており、該裏面にヒートシンクが直接接合されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、レーザ装置及びその製造方法に関するものである。
従来、半導体レーザからの放熱性を向上させるレーザ装置の構成として、例えば特許文献1が開示されている。
特許文献1に示されるレーザ装置は、コンタクト層を貫いて活性層の近傍に至る凹部としてのメサストライプがクラッド層に形成され、メサストライプとヒートシンクとの間に伝熱材料としての金メッキ層が充填された構成となっている。
特開2001−94210号公報
特許文献1に示される構成においては、活性層からヒートシンクに伝わる熱が、電流注入するための電極金属を必ず通る構成となっている。電極金属の構成材料としては、オーミック特性を確保するためにCr/PtやTi/Ptが一般的であるが、Cr、Ti、Ptの熱伝導率は、それぞれ90W/m・K、22W/m・K、71W/m・Kと、315W/m・Kの熱伝導率を有するAuに対して低い。したがって、電極金属が熱障壁となり、活性層からの放熱の妨げとなる。
本発明は上記問題点に鑑み、活性層で生じた熱を効率よく放熱することのできるレーザ装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する為に請求項1に記載の発明は、半導体基板と、半導体基板の一面に、活性層を含む半導体層が多層に積層配置されてなる積層体と、積層体の半導体基板配置面の裏面に積層され、半導体層の積層方向に貫通する貫通部を有する絶縁膜と、貫通部を介して積層体と接触された電極と、を備えるレーザ装置である。そして、電極は、金属材料からなり、貫通部を介して絶縁膜から露出される積層体の露出部位の一部と接触された第1電極膜と、第1電極膜よりも熱伝導率の高い金属材料からなり、積層体の露出部位のうちの第1電極膜とは異なる部位及び第1電極膜と接触され、積層体からの高さが第1電極膜の高さ以上とされた第2電極膜を有することを特徴とする。
このように本発明によれば、積層体に電流注入するための電極(対をなす一方の電極)を、積層体の露出部位の一部とそれぞれ接する第1電極膜及び第2電極膜を含む複数の電極膜によって構成している。そして、第2電極膜を、第1電極膜よりも熱伝導率の高い金属材料を用いて構成するとともに、積層体からの高さを第1電極膜の高さ以上としている。したがって、活性層で生じた熱を主として第2電極膜を通じて放熱することができるので、活性層で生じた熱を従来よりも効率よく放熱することができる。
なお、注入電流は、電極を構成する第1電極膜及び第2電極膜を通して積層体へ流れる。したがって、第1電極膜を構成する金属材料を、第2電極膜よりも積層体(半導体層)とのオーミック特性に優れた材料とすることで、オーミック特性を確保する(大電流注入時の発熱を抑制する)ことができる。
請求項1に記載の発明においては、例えば請求項2に記載のように、第1電極膜が貫通部の壁面に対して離れて配置され、第1電極膜と貫通部の壁面との隙間に第2電極膜が介在された構成としても良い。このような構成とすると、放熱経路が分散されるので、局所的な蓄熱を抑制することができる。すなわち、レーザ装置としての信頼性を向上することができる。好ましくは請求項3に記載のように、第2電極膜が隙間を全て埋めるように配置され、隙間が等間隔とされた構成とすると、放熱経路がほぼ均等に分散されるので、局所的な蓄熱をより抑制することができる。
請求項1〜3いずれかに記載の発明においては、請求項4に記載のように、第1電極膜の積層体からの高さ(厚さ)が絶縁膜よりも低く(薄く)され、第1電極膜の積層体接触面の裏面上にも第2電極膜が配置された構成とすると良い。このような構成とすると、第2電極膜による放熱経路の断面積を増やすことができる。すなわち、放熱性をより向上することができる。好ましくは請求項5に記載のように、第1電極膜が第2電極膜によって被覆された構成とすると、放熱経路の断面積をより増やすことができるとともに、局所的な蓄熱を抑制することができる。
請求項5に記載の発明においては、請求項6に記載のように、第2電極膜が絶縁膜の積層体接触面の裏面に積層された構成としても良い。このように、貫通部内だけでなく、絶縁膜上にも第2電極膜が配置された構成とすると、放熱経路の断面積をさらに増やすことができる。
請求項6に記載の発明においては、請求項7に記載のように、ヒートシンクをさらに備え、第2電極膜は絶縁膜側の面の裏面が平坦とされており、該裏面にヒートシンクが直接接合された構成とすると良い。このような構成とすると、熱伝導率の高い金属材料からなる第2電極膜を介して、活性層で生じた熱をヒートシンクに効率よく放熱することができる。したがって、放熱性をより向上することができる。なお、第2電極膜とヒートシンクとを例えばはんだを介して接合すると、はんだにおける粒界の存在や粒径の不均一性から、はんだが熱障壁となって放熱性が低下してしまう。これに対し、請求項7に記載の発明においては、第2電極膜とヒートシンクとが直接接合されている。したがって、はんだのような熱障壁を介さないので、放熱性をより向上することができる。
なお、請求項7に記載の発明においては、例えば請求項8に記載のように、第2電極膜の構成材料として、Au、Cu、Al、Agのいずれかを採用すると良い。これらの金属は、熱伝導率が高く、展性、延性に優れているので、放熱性の向上とヒートシンクとの接合を両立することができる。
また、請求項1〜5いずれかに記載の発明においては、請求項9に記載のように、電極を構成する複数の電極膜として、第1電極膜よりも熱伝導率が高く、且つ、第2電極膜よりも展性、延性に優れた金属材料からなる第3電極膜を有し、第3電極膜が、貫通部を含む絶縁膜上に積層されて、第1電極膜及び第2電極膜のうち、少なくとも第2電極膜と接触された構成としても良い。このような構成としても、放熱経路の断面積をさらに増やすことができる。
請求項9に記載の発明においては、請求項10に記載のように、ヒートシンクをさらに備え、第3電極膜は絶縁膜側の面の裏面が平坦とされており、該裏面にヒートシンクが直接接合された構成とすると良い。このような構成とすると、熱伝導率の高い金属材料からなる第3電極膜を介して、活性層で生じた熱をヒートシンクに効率よく放熱することができる。また、第3電極膜の絶縁膜側の面の裏面を平坦とし、熱障壁となるはんだを介さずに第3電極膜とヒートシンクとを直接接合しているので、放熱性をより向上することができる。また、第3電極膜が第2電極膜よりも展性、延性に優れた金属材料からなるので、ヒートシンクと直接接合しやすい。
なお、請求項10に記載の発明においては、例えば請求項11に記載のように、第3電極膜の構成材料として、Au、Cu、Al、Agのいずれかを採用することができる。これらの金属は、熱伝導率が高く、展性、延性に優れているので、放熱性の向上とヒートシンクとの接合を両立することができる。
請求項7、請求項8、請求項10、及び請求項11のいずれかに記載の発明においては、例えば請求項12に記載のように、ヒートシンクが、接合側の面上に第1電極膜よりも熱伝導率が高い金属材料からなり、接合側が平坦とされた金属膜を有する構成としても良い。このような構成とすると、ヒートシンクに反りや表面の荒れなどがあっても、金属膜と第2電極膜、又は、金属膜と第3電極膜を直接接合することができる。しかしながら、金属膜を有さないヒートシンクと第2電極膜及び第3電極膜のいずれかが直接接合された構成としても良い。
なお、請求項12に記載の発明においては、例えば請求項13に記載のように、金属膜の構成材料として、Au、Cu、Al、Agのいずれかを採用することができる。これらの金属は、熱伝導率が高く、展性、延性に優れているので、放熱性の向上と第2電極膜及び第3電極膜のいずれかとの接合を両立することができる。
請求項1〜13いずれかに記載の発明は、請求項14に記載のように、第1電極膜が、Cr/Pt又はTi/Ptからなる構成としても良い。このような構成とすると、第1電極膜によって、積層体(半導体層)に対する電極のオーミック特性を確保することができる。
次に、請求項15に記載の発明は、レーザ装置の製造方法であって、半導体基板の一面上に、活性層を含む複数の半導体層を積層してなる積層体が形成された状態で、積層体の半導体基板配置面の裏面上に絶縁膜を形成し、絶縁膜に半導体層の積層方向に貫通する貫通部を形成する絶縁膜形成工程と、貫通部を介して絶縁膜から露出される積層体の露出部位の一部と接触し、積層体からの高さが絶縁膜の高さよりも低くなるように、貫通部内に金属材料からなる第1電極膜を形成する第1電極膜形成工程と、積層体の露出部位のうちの第1電極膜とは異なる部位と接触しつつ第1電極膜を被覆し、積層体接触面の裏面が平坦となるように、貫通部を含む絶縁膜上に第1電極膜よりも熱伝導率の高い金属材料からなる第2電極膜を形成する第2電極膜形成工程と、第2電極膜とヒートシンクの接合面をそれぞれ活性化させて、常温又は低温で第2電極膜とヒートシンクを接合する接合工程と、を備えることを特徴とする。
このように本発明によれば、請求項7に記載された第2電極膜とヒートシンクが直接接合された構成のレーザ装置を形成することができる。なお、第2電極膜とヒートシンクの接合には、第2電極膜とヒートシンクの接合面をそれぞれ活性化させて、常温又は低温で第2電極膜とヒートシンクを直接接合する表面活性化接合法を採用する。したがって、熱障壁となるはんだなどの接続部材が存在しないので、放熱性を向上することができる。なお、表面活性化接合法は、常温の場合、常温接合法や表面活性化常温接合法(SAB法)として知られている。また、上述の低温とは、半導体レーザとヒートシンクの従来の接合温度(例えばはんだによる)よりも低い温度である。
積層体接触面の裏面が平坦な第2電極膜を形成するには、例えば請求項16に記載のように、第2電極膜形成工程において、貫通部を含む絶縁膜上に第2電極膜を積層した後、第2電極膜の絶縁膜接触面の裏面を平坦としても良い。
また、請求項17に記載の発明も、レーザ装置の製造方法であって、半導体基板の一面上に、活性層を含む複数の半導体層を積層してなる積層体が形成された状態で、積層体の半導体基板配置面の裏面上に絶縁膜を形成し、絶縁膜に半導体層の積層方向に貫通する貫通部を形成する絶縁膜形成工程と、貫通部を介して絶縁膜から露出される積層体の露出部位の一部と接触するように、貫通部内に金属材料からなる第1電極膜を形成する第1電極膜形成工程と、積層体の露出部位のうちの第1電極膜とは異なる部位と接触しつつ第1電極膜とも接触し、積層体からの高さが第1電極膜の高さ以上となるように、絶縁膜の少なくとも貫通部内に第1電極膜よりも熱伝導率の高い金属材料からなる第2電極膜を形成する第2電極膜形成工程と、第1電極膜及び第2電極膜の形成後、貫通部を含む絶縁膜上に、絶縁膜接触面の裏面が平坦となるように、第1電極膜よりも熱伝導率が高く、且つ、第2電極膜よりも延性に優れた金属材料からなる第3電極膜を形成する第3電極膜形成工程と、第3電極膜とヒートシンクの接合面をそれぞれ活性化させて、常温又は低温で第3電極膜とヒートシンクを接合する接合工程と、を備えることを特徴とする。
このように本発明によれば、請求項10に記載された第3電極膜とヒートシンクが直接接合された構成のレーザ装置を形成することができる。なお、第3電極膜とヒートシンクの接合には、第3電極膜とヒートシンクの接合面をそれぞれ活性化させて、常温又は低温で第3電極膜とヒートシンクを直接接合する表面活性化接合法を採用する。したがって、熱障壁となるはんだなどの接続部材が存在しないので、放熱性を向上することができる。なお、表面活性化接合法は、常温の場合、常温接合法や表面活性化常温接合法(SAB法)として知られている。また、上述の低温とは、半導体レーザとヒートシンクの従来の接合温度(例えばはんだによる)よりも低い温度である。
絶縁膜接触面の裏面が平坦な第3電極膜を形成するには、例えば請求項18に記載のように、第3電極膜形成工程において、第1電極膜及び第2電極膜のうち、積層体からの高さが絶縁膜よりも高い部位を、絶縁膜をストッパとして除去した後、第3電極膜を形成する方法を採用しても良い。
請求項15〜18いずれかに記載の発明においては、例えば請求項19に記載のように、第1電極形成工程において、第1電極膜を貫通部の壁面に対して離間して形成し、第2電極形成工程において、第1電極膜と貫通部の壁面との隙間に介在するように第2電極膜を形成しても良い。この場合、請求項20に記載のように、第1電極形成工程において、隙間が積層体からの絶縁膜の高さに対する第1電極膜高さの差以下となるように、第1電極膜を絶縁膜よりも低く形成し、第2電極形成工程において、貫通部内に選択的に第2電極膜を形成しても良い。これによれば、絶縁膜と面一となるように貫通部内に第2電極膜を選択的に形成することもできる。面一とした場合、研磨などの処理を不要とすることもできる。
請求項15〜20いずれかに記載の発明においては、請求項21に記載のように、ヒートシンクの一面に第1電極膜よりも熱伝導率が高い金属材料からなり、接合側が平坦とされた金属膜を有し、接合工程において、電極膜の表面を接合面としても良い。これによれば、ヒートシンクに反りや表面の荒れなどがあっても、請求項12に記載のレーザ装置を形成することができる。
請求項15〜21いずれかに記載の発明においては、請求項22に記載のように、接合工程において、接合時の温度を100℃以下の低温とすると良い。このように100℃以下とすると、ヒートシンクと半導体基板の線膨張係数差に基づいて活性層に作用する応力を、効果的に抑制することができる。
また、請求項15〜22いずれかに記載の発明においては、例えば請求項23に記載のように、接合工程において、Arイオンでスパッタリングすることにより、接合面をそれぞれ活性化させることができる。
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るレーザ装置のうち、半導体レーザの概略構成を示す断面図である。図2は、半導体レーザの平面図である。図3は、レーザ装置のうち、特徴部分の拡大断面図である。なお、図2においては、便宜上、第2電極膜及び第3電極膜を省略して図示している。また、図3においては、便宜上、積層体のうち、活性層以外の半導体層を省略して図示している。
本実施形態に係るレーザ装置は、端面発光型ストライプ構造の半導体レーザと、活性層で生じた熱を放熱するためのヒートシンクとを一体化してなるものである。
半導体レーザは、図1に示すように、要部として、半導体基板110と、半導体基板110の一面(以下、上面と示す)に、活性層134を含む半導体層を多層に積層配置してなる積層体130と、積層体130の半導体基板配置面の裏面(以下、上面と示す)に配置され、半導体層の積層方向に貫通する貫通部151を有する絶縁膜150と、貫通部151を介して積層体130と接触された第1電極170と、半導体基板110の下面(積層体配置面の裏面)に配置された第2電極190と、を有している。このうち、第1電極170を特徴部分としている。
本実施形態においては、半導体基板110としてn−GaAs基板を採用している。そして半導体基板110の一面に、n−GaAsからなるバッファ層131、n−AlGaAsからなるクラッド層132、n−AlGaAsからなる光ガイド層133、InGaAsからなる活性層134、p−AlGaAsからなる光ガイド層135、p−AlGaAsからなるクラッド層136、p−GaAsからなるコンタクト層137の順で積層されて、複数の半導体層からなる積層体130が構成されている。なお、バッファ層131は結晶性を高める層、クラッド層132,136は主として活性層134の接合領域の電子密度及びホール密度を高める層、光ガイド層133,135は発光した光を活性層134に閉じ込める層、活性層134は注入されたキャリアが再結合し、該層のバンドギャップエネルギーに応じた波長の光を発光する層である。
このように構成される積層体130の上面に、絶縁膜150が配置されている。本実施形態において、絶縁膜150はシリコン酸化膜からなり、絶縁膜150の一部に、半導体層の積層方向に貫通する貫通部151が設けられている。より詳しくは、図2に示すように、貫通部151は、活性層134の積層面に平行であってレーザ光の出力方向(図1において紙面に垂直な方向)に垂直な方向の幅S(ストライプ幅S)が、レーザ光の出力方向の長さ(共振器長)よりも短い幅(例えば10μm)とされたストライプ状の溝となっている。
そして、積層体130の上面上には、貫通部151を介して積層体130と接触するように、p型電極としての第1電極170が配置されている。この第1電極170が、特許請求の範囲に記載の電極に相当するものである。本実施形態において、第1電極170は、第1電極膜171、第2電極膜172、及び第3電極膜173からなり、貫通部151を含む絶縁膜150上に配置されている。
第1電極膜171は、第1電極170のうち、積層体130(コンタクト層137)に対してオーミック特性を得るための部位であり、第2電極膜172や第3電極膜173よりも積層体130に対してオーミック特性に優れる(電気的抵抗の小さい)金属材料を用いて構成されている。そして、貫通部151を介して絶縁膜150から露出される積層体130の露出部位138の一部と接触されている。
本実施形態においては、積層体130(コンタクト層137)に対してオーミック特性を得るべく、Cr/Ptを用いて構成されている。また、図1及び図2に示すように、ストライプ状の貫通部151の両壁面に対して離間され、両壁面との間で構成される隙間L1,L2が互いに等しくされている。また、図1に示すように、積層体130(露出部位138)からの高さ(厚さ)が、絶縁膜150よりも低く(薄く)され、露出部位138からの絶縁膜150の高さと第1電極膜171の高さの差(後述する差t)が、隙間L1,L2と等しくされている。なお、オーミック特性に優れる材料としては、上述のCr/Ptに限定されるものではなく、それ以外にも、例えばTi/Ptを構成材料とすることもできる。
第2電極膜172は、第1電極170のうち、活性層134で生じた熱を半導体レーザ外(本実施形態においてはヒートシンク)に放熱するに当たり、主として貫通部151内における放熱性を向上するための部位であり、第1電極膜171よりも熱伝導率の高い金属材料を用いて構成されている。そして、絶縁膜150から露出される積層体130の露出部位138のうち、第1電極膜171とは異なる部位と接触されている。また、貫通部151内において第1電極膜171とも接触され、露出部位138からの高さが第1電極膜171の高さ以上とされている。
第2電極膜172の構成材料としては、単一金属を採用すると良い。複数の金属からなる構成に比べて粒界や粒径ばらつきによる熱伝導性の低下を抑制し、放熱性を向上することができる。本実施形態においては、熱伝導率が178W/m・KのW(タングステン)を用いて構成されている。ちなみに、第1電極膜171の構成材料であるCr、Pt、Tiの熱伝導率は、それぞれ90W/m・K、71W/m・K、22W/m・Kである。また、図1に示すように、第2電極膜172は、貫通部151内のみに配置されており、第1電極膜171の配置部位以外の部位を満たしている。すなわち、積層体130の露出部位138のうち、第1電極膜171の接触部位を除く部位全てに接触されている。また、露出部位138からの高さが第1電極膜171の高さよりも高くされている。さらには、第1電極膜171の積層体接触面の裏面上にも配置され、第1電極膜171の積層体接触部位以外の部位が第2電極膜172に被覆されている。
なお、第2電極膜172の構成材料としては、上述したW以外にも、Cu(熱伝導率398W/m・K)、Al(熱伝導率237W/m・K)、Au(熱伝導率315W/m・K)、Ag(熱伝導率427W/m・K)などを採用することができる。
第3電極膜173は、第1電極170のうち、貫通部151を通して伝達された熱をヒートシンクに効率よく放熱する部位であるとともに、ヒートシンクに半導体レーザを固定するための接合部位であり、第1電極膜171よりも熱伝導率が高く、且つ、第2電極膜172よりも展性、延性に優れた金属材料を用いて構成されている。そして、貫通部151を含む絶縁膜150上に配置されて、第1電極膜171及び第2電極膜173のうち、少なくとも第2電極膜172と接触されている。
本実施形態においては、熱伝導率が高く、且つ、延性,展性に優れるAuを用いて構成されている。Auの場合、ヒートシンクとの接続信頼性や放熱時の熱障壁となる酸化膜が形成されないので好ましい材料である。しかしながら、Au以外にも、Cu、Al、Agなどを採用することができる。また、第3電極膜173は、その厚さが500nm以上2000nm未満ととされており、絶縁膜150側の面の裏面が平坦とされている。
第2電極190は、第1電極170と対をなし、活性層134に対して電流を注入するための電極であり、半導体基板110の下面に配置されている。本実施形態においては、n型電極として、例えばAu−Ge/Ni/Auからなる第2電極190が配置されている。
図3に示すように、ヒートシンク210は、活性層134で生じた熱を半導体レーザ(レーザ装置100)の外部に放熱するためのものである。このため、熱伝導率の大きな材料を用いて構成されている。また、半導体レーザと直接接合すべく半導体レーザとの接触面が平坦とされている。本実施形態において、ヒートシンク210は、第1電極膜171を構成するWよりも熱伝導率の大きなCuを用いて平板状に構成されている。
さらに、本実施形態においては、図3に示すように、ヒートシンク210が、接合側の面上に、第1電極膜171よりも熱伝導率が高い金属材料からなり、接合側が平坦とされた接合用金属膜211を有している。この接合用金属膜211は、特許請求の範囲に記載の金属膜に相当するものである。このように、ヒートシンク210が接合用金属膜211を有する構成とすると、ヒートシンク210の表面が反っていたり、凹凸を有していても、接合用金属膜211を接触面として、半導体レーザとヒートシンク210の接続信頼性を確保することができる。なお、放熱性と接続信頼性を両立するには、熱伝導率が高く、展性、延性に優れる材料を採用することが好ましい。このような材料としては、例えばAu、Cu、Al、Agがある。本実施形態においては、接合用金属膜211がCuからなり、ヒートシンク210と接合用金属膜211が同一材料からなるので、ヒートシンク210と接合用金属膜211の界面における放熱ロスを抑制し、これによっても放熱性を向上することができる。
次に、上述したレーザ装置100の製造方法を、図4〜図6を用いて説明する。図4は、レーザ装置の製造工程を示す断面図であり、(a)は絶縁膜形成工程、(b)は第1電極膜形成工程、(c)は第2電極膜形成工程を示している。図5(a),(b)は、レーザ装置の製造工程のうち、第3電極膜形成工程を示す断面図である。図6(a)〜(c)は、レーザ装置の製造工程のうち、接合工程を示す断面図である。なお、図4〜図6においては、便宜上、積層体のうち、活性層以外の半導体層を省略して図示している。
先ず、MOCVD(有機金属気相成長)法やMBE(分子線エピタキシー)法などの公知の結晶成長方法を用いて半導体基板110上に活性層134を含む積層体130を形成する。積層体130の形成後、図4(a)に示すように、積層体130の上面に絶縁膜150を形成し、絶縁膜150に積層体130を構成する半導体層の積層方向に貫通する貫通部151を形成する絶縁膜形成工程を実施する。本実施形態においては、CVD法によって、積層体130の上面全面にシリコン酸化物(SiO)からなる絶縁膜150を形成する。そして、フォトリソグラフィによって、ストライプとなる部分の絶縁膜150をエッチングして開口し、溝状の貫通部151を形成している。
次に、第1電極形成工程を実施する。本実施形態においては、第1電極形成工程が大きく分けて3つの工程からなる。先ず、蒸着やスパッタなどの公知の成膜方法を用いて、図4(b)に示すように、貫通部151を介して絶縁膜150から露出される積層体130の露出部位138の一部と接触するように、貫通部151内に第1電極膜171を形成する第1電極膜形成工程を実施する。本実施形態においては、蒸着によってCr/Ptを成膜し、フォトリソグラフィによって不要部分を除去することにより、図4(b)に示すように、積層体130(露出部位138)からの高さが絶縁膜150よりも低く、貫通部151の両壁面との隙間L1,L2、及び、露出部位138からの絶縁膜150の高さと第1電極膜171の高さの差tがそれぞれ等しい第1電極膜171を形成する。
次に、図4(c)に示すように、積層体130の露出部位138のうち、第1電極膜171の接触部位とは異なる部位と接触しつつ第1電極膜171とも接触し、露出部位138からの高さが第1電極膜171の高さ以上となるように、絶縁膜150の少なくとも貫通部151内に第1電極膜171よりも熱伝導率の高い金属材料からなる第2電極膜172を形成する第2電極膜形成工程を実施する。本実施形態においては、公知の選択ダングステンCVD法によって、図4(b)に示すように、絶縁膜150以外の表面上(すなわち露出部位138及び第1電極膜171上)に、絶縁膜150と略面一となるようにW(タングステン)からなる第2電極膜172を選択的に形成する。このように選択CVD法を採用すると、選択的かつ単純な工程で、貫通部151内のみに第2電極膜172を形成することができる。なお、選択CVD法による第2電極膜172の形成は、W以外にもAlやCuで可能である。また、選択CVD法以外にも、蒸着、スパッタ、CVD法などにより第2電極膜172を形成することができる。
なお、本実施形態においては、第1電極膜形成工程において、貫通部151の両壁面との隙間L1,L2、及び、露出部位138からの絶縁膜150の高さと第1電極膜171の高さの差tがそれぞれ等しい第1電極膜171を形成し、第2電極膜形成工程において、絶縁膜150と略面一となるように第2電極膜172を選択的に形成する。したがって、第2電極膜形成工程終了時に、第2電極膜172と絶縁膜150との段差を極力小さくすることができるので、平坦化処理を行わなくとも、第1電極170とヒートシンク210との接続信頼性を向上することができる。しかしながら、必要に応じて平坦化処理を実施し、これによって第1電極170とヒートシンク210との接続信頼性を向上するようにしても良い。例えば、第2電極膜172の成膜後に平坦化処理を実施しても良い。一例としては、スパッタによって貫通部151内を埋めつつ絶縁膜150の表面を被覆するように第2電極膜172を成膜した後、絶縁膜150をストッパとして第2電極膜172を研磨し、平坦化しても良い。このように第2電極膜172に平坦化処理を実施すると、絶縁膜150を平坦化の基準(ストッパ)とすることができるので平坦化しやすい。また、本実施形態に示すように、第1電極170として第3電極膜173を有する場合には、第3電極膜173の形成後にその表面を平坦化処理しても良い。
次に、第1電極膜171よりも熱伝導率が高く、且つ、第2電極膜172よりも延性に優れた金属材料からなる第3電極膜173を形成する第3電極膜形成工程を実施する。本実施形態においては、第2電極膜172及び絶縁膜150と第3電極膜173との接続信頼性を向上するために、前処理として、図5(a)に示すように、表面活性化処理を実施する。具体的には、第3電極膜173を形成する前に、第2電極膜172及び絶縁膜150の表面(極最表面)を、不活性ガス(例えばSF)をエッチングガス種とする高周波プラズマエッチングによりエッチングする。これにより、酸化膜や吸着水、有機系汚染物などを除去して第2電極膜172及び絶縁膜150の表面活性化することができる。このように表面活性化処理を実施すると、第2電極膜172と第3電極膜173との接続信頼性を向上することができる。したがって、接続信頼性を確保するための別部材を不要とすることができるので、別部材による放熱ロスがない分、放熱性をより向上することができる。しかしながら、表面活性化処理をしなくとも第2電極膜172と第3電極膜173との接続信頼性を確保できる場合には、表面活性化処理をせずに第3電極膜173を形成しても良い。
次に、第2電極膜172及び絶縁膜150の表面を活性化させた状態で、図5(b)に示すように、貫通部151を含む絶縁膜150上に、絶縁膜接触面の裏面が平坦となるように第3電極膜173を形成する第3電極膜形成工程を実施する。本実施形態においては、蒸着法によって、第1電極膜171を構成するCr/Ptよりも熱伝導率が高く、第2電極膜172を構成するWよりも展性、延性に優れたAuからなる第3電極膜173を形成する。上述したように、第2電極膜172を絶縁膜150と略面一(平坦)としているので、貫通部151を含む絶縁膜150上に第3電極膜173を形成すれば、特に平坦化処理をしなくとも第3電極膜173の絶縁膜接触面の裏面を平坦とすることができる。例えば第3電極膜173を成膜した時点で、絶縁膜接触面の裏面が平坦でない場合には、接合工程の前に研磨などの平坦化処理を実施すれば良い。
第3電極膜173の構成材料としては、Au以外にもCu、Al、Agなどを採用することができる。しかしながら、後述する接合工程において第3電極膜173の表面を活性化処理する際に、活性化されることによって酸化膜を形成すると、この酸化膜が接続信頼性や放熱性を低下させてしまう。これに対し、Auを用いると、接合工程において第3電極膜173の表面を活性化処理しても酸化膜が形成されないので、接続信頼性や放熱性をより向上することができる。
なお、第3電極膜173の厚さとしては、500nm以上2000nm未満とすることが好ましい。500nm未満とすると、下地の表面凹凸(例えば絶縁膜150と第2電極膜172の段差)の影響を受けやすく、接合時に変形したとしても凹凸の影響が残り、ヒートシンク210との接続信頼性を確保できない恐れがある。また、2000nm以上とすると、第3電極膜173自身の表面凹凸が大きくなってヒートシンク210との接合界面でボイドなどが生じやすくなる。
次に、蒸着、スパッタなどの公知の製造方法により、半導体基板110の下面に第2電極190を形成(図示略)した後、第3電極膜173とヒートシンク210の接合面をそれぞれ活性化させて、常温又は低温で第3電極膜173とヒートシンク210を直接接合する接合工程を実施する。このような接合方法は、常温の場合、常温接合法や表面活性化常温接合法として知られている。なお、半導体基板110の下面への第2電極190の形成は、接合工程の前に完了していれば良い。
本実施形態においては、ヒートシンク210の一面に第1電極膜171の構成材料よりも熱伝導率が高い金属材料からなり、接合側が平坦とされた接合用金属膜211を形成し、接合用金属膜211と第3電極膜173とを直接接合するようにしている。接合用金属膜211の構成材料としては、Au、Cu、Al、Agなどの、熱伝導率が高く、延性,展性に優れる材料を採用することができる。これによれば、ヒートシンク210に反りや表面の荒れなどがあっても、接合用金属膜211が変形して半導体レーザとの接続信頼性を向上することができる。また、本実施形態においては、Cuからなるヒートシンク210にCuからなる接合用金属膜211を形成しているので、ヒートシンク210と接合用金属膜211との界面での放熱ロスを低減することができる。
先ず、図6(a),(b)に示すように、ヒートシンク210における接合用金属膜211の表面及び半導体レーザにおける第3電極膜173の表面をそれぞれ活性化する活性化処理を実施する。この活性化処理は、接合用金属膜211を構成する金属原子と第3電極膜173を構成する金属原子とを直接結合させて強固な接合状態を形成するために、イオンビームやプラズマなどによるスパッタエッチングを施して、表面の酸化膜や吸着水、有機系汚染物などを除去する工程である。本実施形態においては、それぞれの表面に、図6(a),(b)に示すように、不活性ガスであるArのイオンビームを照射してそれぞれの表面(極最表面)を活性化する。
そして、第3電極膜173及び接合用金属膜211の表面を活性化させた状態で、図6(c)に示すように、第3電極膜173を接触面として半導体レーザをヒートシンク210の接合用金属膜形成面上に接触配置する。すると、常温において半導体レーザの自重により第3金属膜173と接合用金属膜211とが接合する。そして、上述した構成のレーザ装置100が形成される。
本実施形態においては、はんだのように熱障壁となる接続部材を介さずに、第3電極膜173と接合用金属膜211を直接接合する。したがって、放熱性を向上することができる。また、常温で半導体レーザとヒートシンク210を一体化することができるので、加熱によって例えば活性層134に作用する応力を抑制することができる。ただし、接合時の温度を100℃以下の低温とすれば、Cuからなるヒートシンク210とGaAsからなる半導体基板110の線膨張係数差に基づいて活性層134に作用する応力を、効果的に抑制することができる。また、低温でありながらも加熱するので、接続信頼性をより高めることができる。また、ヒートシンク210の構成材料として安価なCuを採用することができるので、製造コストを低減することができる。なお、Alからなるヒートシンク210についても、Cu同様の効果を発揮することができる。
また、本実施形態においては、半導体レーザの自重によって接合する例を示した。しかしながら、ヒートシンク210の自重によって接合しても良い。また、加圧して接合しても良い。
このように、本実施形態に係るレーザ装置100によれば、図3に示すように、オーミック特性を得る第1電極膜171とともに、放熱性を向上する第2電極膜172を、貫通部151内に配置して積層体130の露出部位138と接触させている。すなわち、活性層134で生じた熱(図中に実線矢印で熱の放熱経路を示す)が、積層体130の露出部位138から熱伝導率の高い材料からなる第2電極膜172に主として伝達されるようになっている。また、ヒートシンク210と接する第3電極膜173に第2電極膜172を接触させており、熱伝導率の高い材料からなる第3電極膜173と接合用金属膜211とを直接接合させている。すなわち、積層体130からヒートシンク210の間の伝熱経路を、全て熱伝導率の高い材料によって構成しているので、従来よりも、活性層134で生じた熱をヒートシンク210に効率よく放熱することができる。
また、注入電流は、第1電極膜171及び第2電極膜172を通して積層体130(活性層134)へ流れるが、第1電極膜171が第2電極膜172よりもオーミック特性に優れた材料からなるので、大電流注入時の発熱を抑制することができる。
また、第1電極膜171を、図3に示すように、貫通部151の壁面に対して離れて配置し、第1電極膜171と貫通部151の壁面との隙間に第2電極膜172を介在させている。したがって、放熱経路が分散されているので、局所的な蓄熱を抑制することができ、ひいてはレーザ装置100としての信頼性を向上することができる。特に本実施形態においては、隙間を等間隔とし、第2電極膜172によって全ての隙間を充填している。したがって、放熱経路がほぼ均等に分散されているので、局所的な蓄熱をより抑制することができる。
また、図3に示すように、貫通部151内において、第1電極膜171の積層体130からの高さを絶縁膜150よりも低くし、第1電極膜171上にも第2電極膜172を配置している。このように、第1電極膜171上にも第2電極膜172による放熱経路を形成しているので、放熱性をより向上することができる。なお、本実施形態においては、第2電極膜172によって第1電極膜171を完全に被覆しているので、放熱性をより向上することができる。
また、図3に示すように、第1電極170のうち、ヒートシンク210と接する第3電極膜173を、貫通部151を含む絶縁膜150の積層体接触面の裏面全面を覆うように形成している。すなわち、第2電極膜172よりも第3電極膜173のほうが放熱経路の断面積が大きいので、放熱性をより向上することができる。
なお、本実施形態においては、第2電極膜172が、第1電極膜171を被覆しつつ貫通部151を埋めて、絶縁膜150と略面一とされる例を示した。しかしながら、第3電極膜173の一部が貫通部151内に配置された構成としても良い。例えば第1電極膜171と貫通部151の壁面との隙間L1,L2が露出部位138からの絶縁膜150の高さと第1電極膜171の高さの差tよりも小さい場合、図7に示すような構成とすることもできる。また、隙間L1,L2が差tよりも大きい場合、図8に示すような構成とすることもできる。図7、図8は、変形例を示す断面図である。なお、図7、図8に示す構成において、第3電極膜173と接合用金属膜211とを接合するに当たり、第3電極膜173に接続信頼性を確保するだけの平坦度が無い場合には、第2電極膜172の形成後及び第3電極膜173の形成後の少なくともも一方で、上述した平坦化処理を実施すれば良い。
また、本実施形態においては、積層体130からの第1電極膜171の高さが絶縁膜150よりも低く、第1電極膜171が第2電極膜172によって被覆され、第3電極膜173に対して第2電極膜172のみが接触する例を示した。しかしながら、例えば図9に示すように、第2電極膜172とともに、第1電極膜171も第3電極膜173と接触する構成(第1電極膜171の高さと第2電極膜172の高さが、ともに絶縁膜150の高さと等しい構成)としても良い。この場合、貫通部151内において、放熱経路の断面積が本実施形態に示した構成よりも小さくなるものの、第2電極膜172、第3電極膜173、接合用金属膜211による伝熱経路を有しているので、従来よりも効率よく放熱することができる。図9は、変形例を示す断面図である。
また、本実施形態においては、溝状の貫通部151の両壁面に対して、第1電極膜171が隙間L1,L2を有するように離間して配置される例を示した。しかしながら、例えば図10に示すように、第1電極膜171が貫通部151の壁面の一部(図10においては、溝状の貫通部151の一方の壁面)と接触する構成としても良い。このような構成としても、本実施形態に示した構成と同様の効果を期待することができる。ただし、エッチングによって第1電極膜171を形成する場合、貫通部151内のみに配置され、且つ、貫通部151の壁面と接触するように第1電極膜171を形成するのは難しいので、本実施形態に示したように、第1電極膜171が貫通部151の壁面と離間された構成とするほうが良い。図10は、変形例を示す断面図である。
本実施形態においては、積層体130が、各半導体層131〜137を積層して構成される例を示した。しかしながら、積層体130の構成は上記例に限定されるものではない。活性層134を含む半導体層を積層してなり、注入電流によってレーザ光を発振できる構成であれば採用することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を、図11に基づいて説明する。図11は、第2実施形態に係るレーザ装置の概略構成を示す断面図である。
第2実施形態に係るレーザ装置は、第1実施形態に示したレーザ装置と共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、第1実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
第1実施形態においては、ヒートシンク210の接合用金属膜211と、第1電極170の第3電極膜173とが直接接合される例を示した。これに対し、本実施形態においては、図11に示すように、接合用金属膜211を有さないヒートシンク210と第1電極170(第3電極膜173)とが直接接合される点を特徴とする。このような構成とすると、構成を簡素化することができる。また、接合用金属膜211がない分、活性層134からヒートシンク210への放熱経路が短くなり、放熱性をさらに向上することができる。なお、図11に示す構成は、第1実施形態に示した接合用金属膜211の活性化処理と同様の処理をヒートシンク210の表面に実施することで、第3電極膜173との直接的な接合が可能である。
ただし、ヒートシンク210の表面が反っていたり荒れている場合、第1電極170(第3電極膜173)との接触面積が減少して接続信頼性が低下することも考えられる。このような場合、研磨などによってヒートシンク210の接合面を平坦化し、その後、活性化処理をして接合することが好ましい。
なお、本実施形態においては、第1実施形態に示した構成(図3参照)において、接合用金属膜211の無いヒートシンク210の構成を示した。しかしながら、第1実施形態に示した変形例において、接合用金属膜211の無い構成としても良い。第1電極170の表面とヒートシンク210の表面を活性化処理して直接接合することにより、いずれの構成も実現が可能である。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を、図12に基づいて説明する。図12は、第3実施形態に係るレーザ装置の概略構成を示す断面図である。
第3実施形態に係るレーザ装置は、第1実施形態に示したレーザ装置と共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、第1実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
第1実施形態においては、ヒートシンク210の接合用金属膜211と、第1電極170の第3電極膜173とが直接接合される例を示した。これに対し、本実施形態においては、図12に示すように、第1電極170が第1電極膜171及び第2電極膜172のみからなり(第3電極膜173を有しておらず)、第2電極膜172とヒートシンク210とが直接接合される点を特徴とする。このような構成とすると、構成を簡素化することができる。
このような構成における第2電極膜172の構成材料としては、第1電極膜171の構成材料よりも熱伝導率が高い材料であって、延性,展性に優れる材料を採用すると良い。具体的には、Au、Ag、Cu、Alのいずれかを採用することができる。このような金属材料を採用すると、多少の段差などがあったとしても、接合時に変形してヒートシンク210との接続信頼性を高めることができる。また、活性層134で生じた熱をヒートシンク210に効率よく放熱することができる。特に本実施形態においては、第3電極膜173がない分、第2電極膜172と第3電極膜173の界面における放熱ロスが無くなり、放熱性をさらに向上することができる。
また、第2電極膜172は、貫通部151内だけでなく、貫通部151を含む絶縁膜150上にも形成し、絶縁膜150上に配置された部位の厚さを500nm以上2000nm未満とすると良い。このような構成とすると、第1実施形態に示した第3電極膜173と同様の効果を発揮することができる。すなわち、放熱経路の断面積を増やし、放熱性をより向上することができる。また、ヒートシンク210(接合用金属膜211)との接触面積も増えて、接続信頼性を向上することができる。なお、ヒートシンク210との接続信頼性を向上するには、図12に示す第2電極膜172の接合面が平坦化されていることが好ましいので、第2電極膜172の成膜後であって、接合工程の前に、研磨などの平坦化処理を適宜実施すると良い。
なお、本実施形態においては、第1実施形態に示した構成(図3参照)において、第3電極膜173を無くし、その分第2電極膜172が広範囲に亘って配置された構成を示した。しかしながら、第1実施形態に示した変形例(図9を除く)において、第3電極膜173を無くし、その分第2電極膜172が広範囲に亘って配置された構成としても良い。また、第2実施形態に示した構成と本実施形態の構成を組み合わせても良い。この場合、接合用金属膜211と第3電極膜173が無いので、放熱性をさらに向上することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を、図13及び図14に基づいて説明する。図13は、第4実施形態に係るレーザ装置の概略構成を示す断面図である。図14は、レーザ装置のうち、半導体レーザの平面図である。図14においては、便宜上、第2電極膜及び第3電極膜を省略して図示している。
第4実施形態に係るレーザ装置は、第1実施形態に示したレーザ装置と共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、第1実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
第1実施形態においては、半導体レーザとして端面発光型のレーザを示した。これに対し、本実施形態においては、半導体レーザが面発光型のレーザとして構成されている点を第1の特徴とする。また、貫通部151が溝状ではなく、孔状(コンタクトホール)とされている点を第2の特徴とする。
図13に示すように、本実施形態においては、半導体レーザが面発光型のレーザとして構成されている。具体的には、積層体130を構成する半導体層として、活性層134と、積層方向において活性層134を挟んで配置されたクラッド層(図示略)と、積層方向において間に活性層134及びクラッド層を挟んで配置された反射鏡139,140とを少なくとも含んでいる。反射鏡139,140は、公知の多層膜反射鏡として構成されており、活性層134で生じる光を共振し、図中の矢印方向(半導体層の積層方向)にレーザ発振するように、出力側の反射鏡140の反射率が反出力側の反射鏡139の反射率よりも小さく設定されている。
本実施形態において、積層体130はメサエッチングされて半導体基板110の一面上の一部に配置されており、半導体基板110には、積層体130の形成位置に対応して、積層体130の形成面の裏面側に開口する溝部111が形成されている。このような溝部111は、例えば半導体基板110をエッチングすることにより構成することができる。
また、本実施形態においては、図14に示すように、絶縁膜150の貫通部151が孔状(すなわちコンタクトホール)とされている。そして、孔状の貫通部151の壁面に対して第1電極膜171が離間されて配置されている。また、図13に示すように、孔状の貫通部151内を埋めて絶縁膜150と略面一となるように、第2電極膜172が形成されている。さらには、貫通部151を含む絶縁膜150上に、第3電極膜173が形成されている。そして、第3電極膜173のうち、第2電極膜172と接しつつ平坦とされた部位がヒートシンク210(接合用金属膜211)と直接接合されている。
このように、面発光型の半導体レーザとヒートシンク210からなるレーザ装置100においても、第1実施形態に示した構成を適用することができ、それによって同様の効果を発揮することができる。
なお、本実施形態においては、貫通部151が図14に示すように平面長方形である例を示した。しかしながら、貫通部151の平面形状は特に限定されるものではない。正方形や円形、矩形以外の多角形としても良い。また、上述した各実施形態において、貫通部151を孔状としても良い。
また、本実施形態においては、積層体130がメサ構造とされる例を示した。しかしながら、メサエッチングされずに半導体基板110の一面上に配置された構成(第1実施形態と同様)としても良い。
また、本実施形態においては、第1実施形態に示した構成において、半導体レーザを面発光型に置き換える例を示した。しかしながら、第1実施形態に示した変形例や第2実施形態に示した構成、第3実施形態に示した構成、各実施形態を組み合わせた構成において、半導体レーザを面発光型に置き換えることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
上述した各実施形態においては、レーザ装置100としてヒートシンク210を含む例を示した。しかしながら、ヒートシンク210の無い構成としても良い。レーザ装置100は、半導体基板110、半導体基板110の一面に形成された積層体130、積層方向に貫通する貫通部151を有し、積層体130の上面に形成された絶縁膜150、貫通部151を介して積層体130と接触された第1電極170を有し、第1電極170として、貫通部151内に配置されて積層体130の露出部位138の一部と接する第1電極膜171と、第1電極膜171よりも熱伝導率の高い金属材料からなり、積層体130の露出部位138のうちの第1電極膜171とは異なる部位及び第1電極膜171と接触され、積層体130からの高さが第1電極膜171の高さ以上とされた第2電極膜172を有していれば良い。したがって、例えば図15に示すような構成としても良い。図15は、その他変形例を示す断面図である。図15においては、第1実施形態に示した構成において、接合用金属膜211を含むヒートシンク210と第3電極膜173の無い構成となっている。これによれば、第2電極膜172が積層体130の露出部位138と接し、且つ、第1電極膜171よりも高く外部(図15においては外部雰囲気)に晒されているので、活性層134で生じた熱を、積層体130の露出部位138から主として第2電極膜172を介してレーザ装置100の外部へ放熱することができる。したがって、放熱経路として第1電極膜171を含む構成に比べて、放熱性を向上することができる。
本実施形態においては、半導体基板110に1つの積層体130が配置された例を示した。しかしながら、半導体基板110に複数の積層体130が配置された構成としても良い。
第1実施形態に係るレーザ装置のうち、半導体レーザの概略構成を示す断面図である。 半導体レーザの平面図である。 レーザ装置のうち、特徴部分の拡大断面図である。 レーザ装置の製造工程を示す断面図であり、(a)は絶縁膜形成工程、(b)は第1電極膜形成工程、(c)は第2電極膜形成工程を示している。 (a),(b)は、レーザ装置の製造工程のうち、第3電極膜形成工程を示す断面図である。 (a)〜(c)は、レーザ装置の製造工程のうち、接合工程を示す断面図である。 変形例を示す断面図である。 変形例を示す断面図である。 変形例を示す断面図である。 変形例を示す断面図である。 第2実施形態に係るレーザ装置の概略構成を示す断面図である。 第3実施形態に係るレーザ装置の概略構成を示す断面図である。 第4実施形態に係るレーザ装置のうち、特徴部分である半導体レーザの平面図である。 第5実施形態に係るレーザ装置の概略構成を示す断面図である。 その他変形例を示す断面図である。
符号の説明
100・・・レーザ装置
110・・・半導体基板
130・・・積層体
134・・・活性層
150・・・絶縁膜
151・・・貫通部
170・・・第1電極
171・・・第1電極膜
172・・・第2電極膜
173・・・第3電極膜
210・・・ヒートシンク
211・・・接合用金属膜(金属膜)

Claims (23)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板の一面に、活性層を含む半導体層が多層に積層配置されてなる積層体と、
    前記積層体の半導体基板配置面の裏面に積層され、前記半導体層の積層方向に貫通する貫通部を有する絶縁膜と、
    前記貫通部を介して前記積層体と接触された電極と、を備えるレーザ装置であって、
    前記電極は、金属材料からなり、前記貫通部を介して前記絶縁膜から露出される前記積層体の露出部位の一部と接触された第1電極膜と、前記第1電極膜よりも熱伝導率の高い金属材料からなり、前記第1電極膜及び前記積層体の露出部位のうちの前記第1電極膜とは異なる部位と接触され、前記積層体からの高さが前記第1電極膜の高さ以上とされた第2電極膜を有することを特徴とするレーザ装置。
  2. 前記第1電極膜は、前記貫通部の壁面に対して離れて配置され、
    前記第2電極膜は、前記第1電極膜と前記貫通部の壁面との隙間に介在されていることを特徴とする請求項1に記載のレーザ装置。
  3. 前記第2電極膜は、前記隙間を全て埋めるように配置され、
    前記隙間が等間隔となっていることを特徴とする請求項2に記載のレーザ装置。
  4. 前記第1電極膜は、前記積層体からの高さが前記絶縁膜よりも低くされ、
    前記第2電極膜は、前記第1電極膜の積層体接触面の裏面上にも配置されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のレーザ装置。
  5. 前記第1電極膜は、前記第2電極膜によって被覆されていることを特徴とする請求項4に記載のレーザ装置。
  6. 前記第2電極膜は、前記絶縁膜の積層体接触面の裏面に積層されていることを特徴とする請求項5に記載のレーザ装置。
  7. ヒートシンクをさらに備え、
    前記第2電極膜は積層体接触面の裏面が平坦とされており、該裏面に前記ヒートシンクが直接接合されていることを特徴とする請求項6に記載のレーザ装置。
  8. 前記第2電極膜は、Au、Cu、Al、Agのいずれかからなることを特徴とする請求項7に記載のレーザ装置。
  9. 前記電極は、前記第1電極膜よりも熱伝導率が高く、且つ、前記第2電極膜よりも展性、延性に優れた金属材料からなる第3電極膜を有し、
    前記第3電極膜は、前記貫通部を含む前記絶縁膜上に積層されて、前記第1電極膜及び前記第2電極膜のうち、少なくとも前記第2電極膜と接していることを特徴とする請求項1〜5に記載のレーザ装置。
  10. ヒートシンクをさらに備え、
    前記第3電極膜は前記絶縁膜側の面の裏面が平坦とされており、該裏面に前記ヒートシンクが直接接合されていることを特徴とする請求項9に記載のレーザ装置。
  11. 前記第3電極膜は、Au、Cu、Al、Agのいずれかからなることを特徴とする請求項10に記載のレーザ装置。
  12. 前記ヒートシンクは、接合側の面上に、前記第1電極膜よりも熱伝導率が高い金属材料からなり、接合側が平坦とされた金属膜を有することを特徴とする請求項7、請求項8、請求項10、及び請求項11のいずれか1項に記載のレーザ装置。
  13. 前記金属膜は、Au、Cu、Al、Agのいずれかからなることを特徴とする請求項12に記載のレーザ装置。
  14. 前記第1電極膜は、Cr/Pt又はTi/Ptからなることを特徴とする請求項1〜13いずれか1項に記載のレーザ装置。
  15. 半導体基板の一面上に、活性層を含む複数の半導体層を積層してなる積層体が形成された状態で、前記積層体の半導体基板配置面の裏面上に絶縁膜を形成し、前記絶縁膜に前記半導体層の積層方向に貫通する貫通部を形成する絶縁膜形成工程と、
    前記貫通部を介して前記絶縁膜から露出される前記積層体の露出部位の一部と接触し、前記積層体からの高さが前記絶縁膜の高さよりも低くなるように、前記貫通部内に金属材料からなる第1電極膜を形成する第1電極膜形成工程と、
    前記積層体の露出部位のうちの前記第1電極膜とは異なる部位と接触しつつ前記第1電極膜を被覆し、積層体接触面の裏面が平坦となるように、前記貫通部を含む前記絶縁膜上に前記第1電極膜よりも熱伝導率の高い金属材料からなる第2電極膜を形成する第2電極膜形成工程と、
    前記第2電極膜とヒートシンクの接合面をそれぞれ活性化させて、常温又は低温で前記第2電極膜と前記ヒートシンクを接合する接合工程と、を備えることを特徴とするレーザ装置の製造方法。
  16. 前記第2電極膜形成工程において、前記貫通部を含む前記絶縁膜上に前記第2電極膜を積層した後、前記第2電極膜の絶縁膜接触面の裏面を平坦とすることを特徴とする請求項15に記載のレーザ装置の製造方法。
  17. 半導体基板の一面上に、活性層を含む複数の半導体層を積層してなる積層体が形成された状態で、前記積層体の半導体基板配置面の裏面上に絶縁膜を形成し、前記絶縁膜に前記半導体層の積層方向に貫通する貫通部を形成する絶縁膜形成工程と、
    前記貫通部を介して前記絶縁膜から露出される前記積層体の露出部位の一部と接触するように、前記貫通部内に金属材料からなる第1電極膜を形成する第1電極膜形成工程と、
    前記積層体の露出部位のうちの前記第1電極膜とは異なる部位と接触しつつ前記第1電極膜とも接触し、前記積層体からの高さが前記第1電極膜の高さ以上となるように、前記絶縁膜の少なくとも前記貫通部内に前記第1電極膜よりも熱伝導率の高い金属材料からなる第2電極膜を形成する第2電極膜形成工程と、
    前記第1電極膜及び前記第2電極膜の形成後、前記貫通部を含む前記絶縁膜上に、絶縁膜接触面の裏面が平坦となるように、前記第1電極膜よりも熱伝導率が高く、且つ、前記第2電極膜よりも延性に優れた金属材料からなる第3電極膜を形成する第3電極膜形成工程と、
    前記第3電極膜とヒートシンクの接合面をそれぞれ活性化させて、常温又は低温で前記第3電極膜と前記ヒートシンクを接合する接合工程と、を備えることを特徴とするレーザ装置の製造方法。
  18. 前記第3電極膜形成工程において、前記第1電極膜及び前記第2電極膜のうち、前記積層体からの高さが前記絶縁膜よりも高い部位を、前記絶縁膜をストッパとして除去した後、前記第3電極膜を形成することを特徴とする請求項17に記載のレーザ装置の製造方法。
  19. 前記第1電極形成工程において、前記第1電極膜を前記貫通部の壁面に対して離間して形成し、
    前記第2電極形成工程において、前記第1電極膜と前記貫通部の壁面との隙間に介在するように、前記第2電極膜を形成することを特徴とする請求項15〜18いずれか1項に記載のレーザ装置の製造方法。
  20. 前記第1電極形成工程において、前記隙間が、前記積層体からの前記絶縁膜の高さに対する前記第1電極膜高さの差以下となるように、前記第1電極膜を前記絶縁膜よりも低く形成し、
    前記第2電極形成工程において、前記貫通部内に選択的に前記第2電極膜を形成することを特徴とする請求項19に記載のレーザ装置の製造方法。
  21. 前記ヒートシンクは、その一面に前記第1電極膜よりも熱伝導率が高い金属材料からなり、接合側が平坦とされた金属膜を有し、
    前記接合工程において、前記電極膜の表面を前記接合面とすることを特徴とする請求項15〜20いずれか1項に記載のレーザ装置の製造方法。
  22. 前記接合工程において、接合時の温度を100℃以下とすることを特徴とする請求項15〜21いずれか1項に記載のレーザ装置の製造方法。
  23. 前記接合工程において、Arイオンでスパッタリングすることにより、前記接合面をそれぞれ活性化させることを特徴とする請求項15〜22いずれか1項に記載のレーザ装置の製造方法。
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