JP4662006B2 - マルチビーム半導体発光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチビーム半導体発光装置に関し、更に詳細には放熱性が良好で信頼性の高いマルチビーム半導体発光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、光デバイスの集積化が進み、民生用機器の分野では、複数個のGaAs系赤外色半導体レーザ素子を組み込んだ、例えば2ビーム半導体レーザ装置、4ビーム半導体レーザ装置等のマルチビーム化された半導体レーザ装置が、市場に提供されている。
【0003】
ここで、図4を参照して、従来の4ビーム半導体レーザ装置の構成を説明する。図4は従来の4ビーム半導体レーザ装置の構成を示す斜視図である。
従来の4ビーム半導体レーザ装置10は、図4に示すように、共通基板12上に、分離溝14を介して配置された4個の半導体レーザ素子16A〜Dを備えている。半導体レーザ素子16A〜Dの上面には、電極分離アイソレーション層18としてSiO2 膜等が成膜されている。共通基板12の裏面には、共通電極20が設けられている。
共通電極20の対向電極(図示せず)は、各半導体レーザ素子16A〜Dのレーザ共振器構造を構成する化合物半導体層の積層構造の最上層であるキャップ層(図示せず)上に設けてあって、引き出し電極パッド22A〜Dに電気的に接続されている。
各引き出し電極パッド22A〜Dは、電極分離アイソレーション層18に設けた窓によって外側に露出しており、接続配線24A〜Dに接続され、更に各端子パッド26A〜Dを介して外部端子(図示せず)に接続されている。
電極分離アイソレーション層18は、各半導体レーザ素子16A〜Dの引き出し電極パッド22A〜D、従って対向電極を相互に分離、独立させるために全面に設けてある。
半導体レーザ素子の場合、通常、共通基板12はn型GaAs基板で形成され、共通電極20はn側電極、対向電極はp側電極として構成されている。
【0004】
GaAs系赤色半導体レーザ素子16は、図5に示すように、共通のn型GaAs基板12上に、n型バッファ層28、n型下部クラッド層、活性層、p型上部クラッド層等の化合物半導体層の積層構造で構成されるレーザ共振器構造30、及びキャップ層32を備えている。
下部クラッド層の上部及びキャップ層32はリッジとして形成されている。そして、キャップ層32を除いてリッジは、絶縁膜又はn型高抵抗化合物半導体層からなる埋め込み層34で埋め込まれている。
キャップ層32と電気的に接続するように、p側電極36が埋め込み層34上に形成され、更にp側電極36上に引き出し電極パッド22が形成され、窓38を介して接続配線24が引き出し電極パッド22に接続されている。
【0005】
引き出し電極パッド22を露出させた窓38は、図4に示すように、半導体レーザ素子16A、B間で、また半導体レーザ素子16C、D間で相互に異なった位置に設けてある。
例えば半導体レーザ素子16Bの窓38は、半導体レーザ素子16Aの窓38とは異なった場所にあるので、半導体レーザ素子16Bの接続配線24Bが半導体レーザ素子16Aの窓38を介して半導体レーザ素子16Aの引き出し電極パッド22Aに接触して短絡するようなことは生じない。
【0006】
次に、図6及び図7を参照して、4ビーム半導体レーザ装置10の作製方法を説明する。図6(a)と(b)、及び図7(c)と(d)は、それぞれ、4ビーム半導体レーザ装置10を作製する際の工程毎の断面図である。
先ず、図6(a)に示すように、共通のn型基板12上にn型バッファ層28を成膜し、次いでn型バッファ層28上に、下部クラッド層、活性層、上部クラッド層等の積層構造からなるレーザ共振器構造30を形成し、更にp型キャップ層32を成膜する。
続いて、p側キャップ層32及び積層構造30の上部をエッチングして、それぞれ、上部クラッド層の上部及びp型キャップ層32からなる4個のリッジ40を形成する。
次いで、埋め込み層34を成膜して、p型キャップ層32を除いてリッジ40を埋め込み、続いてp型キャップ層32上及び埋め込み層34上にp側電極層42を形成する。
【0007】
次に、p側電極層42上に引き出し電極層を基板全面に成膜し、パターニングして、図6(b)に示すように、引き出し電極22を形成する。
【0008】
次いで、図7(c)に示すように、p側電極層42、埋め込み層34、レーザ共振器構造30を構成する積層構造、及びn型バッファ層28の途中までエッチングして、分離溝14を形成すると共に半導体レーザ素子10A〜D毎のp側電極36及びレーザ共振器構造30を形成する。
次いで、図7(d)に示すように、基板全面に電極分離アイソレーション層18としてSiO2 膜を成膜し、必要な領域に窓38を開口する。
更に、必要に応じて、窓38を除いて基板全面に、SiO2 膜、又はSiO2 膜/SiNX 膜の積層膜からなる電極分離アイソレーション層18を形成する。
続いて、接続配線24及び端子パッド26を形成する。
【0009】
半導体レーザ素子10Aと半導体レーザ素子10A〜Dは、それぞれ、電極分離アイソレーション層18により絶縁、分離され、並列に配線されている接続配線24及び端子パッド26により、エピサイドアップマウントできるように構成されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、マルチビーム半導体レーザ装置では、小型化のために複数個の半導体レーザ素子が密に集積されており、また、光学系との整合を良好にするために、素子同士を出来るだけ近接させていて、素子間距離は、10μm〜と非常に短い。
その結果、放熱性が必ずしも良好ではなく、個々の半導体レーザ素子で発生した熱が外部に円滑に放熱されずに内部に蓄積されがちである。例えば、例えば4ビーム半導体レーザ装置では、動作電流を4倍にしたときの半導体レーザ素子と等価の熱密度で熱が発生し、内部に蓄積される。
【0011】
そして、発生した熱の蓄積に伴って半導体レーザ素子の動作温度が上昇すると、素子寿命が短くなり、信頼性が低下することが懸念される。
今後、8ビーム、16ビーム等の更なる多マルチビーム化や、赤色化のための長波長化による動作電流の増加を考えると、放熱性の悪さが、一層深刻な問題となることが予想される。
【0012】
動作時の半導体レーザ素子の温度上昇を抑えて素子寿命を長くするには、半導体レーザ素子の発光効率を高めて、消費電力の低下を図り、発熱を抑えることが原則的な解決法である。そのために、研究、開発が盛んに行われているものの、発光効率の向上は、実際には、簡単ではない。
従って、動作時の半導体レーザ素子の温度上昇を抑えるためには、発生した熱を円滑に外部に放熱させることが必要になる。
以上の説明では、半導体レーザ素子を集積したマルチビーム半導体レーザ装置を例にしているが、この問題は、半導体レーザ装置に限らず、複数個の半導体レーザ素子、発光ダイオード等の半導体発光素子を集積したマルチビーム半導体発光装置について該当する問題である。
そこで、本発明の目的は、放熱性の良好なマルチビーム半導体発光装置及びその作製方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来のマルチビーム半導体レーザ装置で、放熱性が悪く、装置信頼性に影響を与えている原因は、半導体レーザ素子の積層構造を覆っている電極分離アイソレーション層が、多結晶性SiO2等の熱伝導率の悪い材料で形成されていることにあると考え、電極分離アイソレーション層内に熱伝導性の良い膜、例えば金属膜を介在させることを着想し、研究を進めて、本発明を発明するに到った。
【0014】
上記目的を達成するために、本発明に係るマルチビーム半導体発光装置は、レーザ共振器構造上に電極および引き出し電極パッドを有する複数個の半導体発光素子を分離溝を介してモノリシックに又はハイブリッドに集積したマルチビーム半導体発光装置であって、絶縁膜内に前記絶縁膜より熱伝導率が大きい熱伝導層を有する電極分離アイソレーション層を有し、前記電極分離アイソレーション層が、前記分離溝、前記半導体素子の側面および前記引き出し電極パッドの上面の少なくとも一部を覆っているものである。
【0015】
本発明で、半導体発光素子とは、半導体レーザ素子及び発光ダイオードを含む概念である。
本発明で、熱伝導層を絶縁膜でサンドイッチする態様には制約はなく、例えば熱伝導層は一層に限ることはなく、複数層の熱伝導層の間に絶縁膜を介在させ、かつ外側の熱伝導層上に絶縁膜を積層するような態様でも良い。
本発明では、例えばヒートシンクに熱伝導層を熱的に接続することにより、各半導体レーザ素子で発生した熱をヒートシンクに放熱させ、半導体レーザ素子の温度上昇を抑制することができる。
【0016】
熱伝導層は、熱伝導率が絶縁膜より高いものであれば良いが、好適には金属層である。熱伝導層が金属層であるときには、望ましくは、電極分離アイソレーション層の窓開口では、金属層が絶縁膜で覆われ、露出していないようにする。金属層が露出していると、接続配線が金属層に接触して短絡する恐れがあるからである。
また、熱伝導層が金属層であるときには、別法として、電極分離アイソレーション層を各半導体発光素子毎に分離して、各半導体発光素子を電気的に分離し、かつ半導体レーザ素子毎に金属層をヒートシンク等に接続して放熱させるようにしてもよい。
【0017】
好適には、金属層は、半導体発光素子を構成する層とオーミックコンタクトを形成しないノンオーミックメタル層である。
金属層がノンオーミックメタル層であることにより、絶縁膜の絶縁性が劣化して、万一、金属層が半導体発光素子を構成する層と接触しても、短絡し難いからである。
【0018】
また、SiO2等の絶縁膜は、金属拡散の抑止性が必ずしも十分ではない。よって、電極分離アイソレーション層の金属層には、拡散し難い金属、または拡散したとしても、ドーパントとして機能し難い金属であるとことが必要である。
拡散し難い金属、またはドーパントとして機能し難い金属であって、絶縁膜より熱伝導率が高く、しかも、半導体発光素子を構成する層がGaAs系のときに、ノンオーミックメタルである金属としては、Ti、Be、Ca、Cr、Cu、Fe、K、Mo、Ni、Pb、Pt、Ta、W、及びZrのいずれかが好適である。
【0019】
本発明は、半導体発光素子を構成する化合物半導体層の組成に制約無く適用できるものの、赤色光を発光する発熱性の高いマルチビーム半導体発光装置に好適である。
例えば、半導体発光素子を構成する化合物半導体層は、3族元素としてGa、Al、及びInのうちの少なくとも一つを含み、5族元素としてAs、P、及びSbのうちの少なくとも一つを含むような、赤色光を発光する発熱性の高い半導体発光装置に好適に適用できる。
【0020】
絶縁膜の種類にも制約はないが、実用的には、SiO2膜、SiNx膜、SiO2/SiNxの積層膜の少なくとも一層で形成されているような絶縁膜であり、SiO2 膜とSiNx膜とを交互に積層させた絶縁膜でも良い。
【0021】
熱伝導層が金属層である電極分離アイソレーション層を有する、マルチビーム半導体発光装置を作製する際には、本発明に係るマルチビーム半導体発光装置の作製方法は、複数個の半導体発光素子を同一基板上に分離溝を介してモノリシックに又はハイブリッドに集積し、次いで絶縁膜より熱伝導率が大きい金属層と、金属層をサンドイッチする絶縁膜との複合絶縁膜からなる電極分離アイソレーション層を半導体発光素子上に形成する際、
E−gun蒸着法を適用して、原料を切り替えることにより、絶縁膜、金属層、及び絶縁膜を、順次、真空一貫プロセスで作製することを特徴としている。
これにより、絶縁膜と金属層との密着性を向上させ、かつ電極分離アイソレーション層の成膜作業の生産性を向上させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、実施形態例を挙げ、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説明する。
半導体発光装置の実施形態例
本実施形態例は、本発明に係るマルチビーム半導体発光装置の実施形態の一例であって、図1は本実施形態例のマルチビーム半導体発光装置を構成する半導体レーザ素子の構成を示す断面図である。
本実施形態例のマルチビーム半導体発光装置を構成する半導体レーザ素子50は、図1に示すように、電極分離アイソレーション層52の構成を除いて、従来の半導体レーザ素子10と同じ構成を備えている。
【0023】
本実施形態例の電極分離アイソレーション層52は、図1に示すように、ノンオーミックメタル層として設けられた、少なくとも膜厚1nmから200nmのTi層54と、Ti層54をサンドイッチした例えば膜厚10nmから350nmのSiO2 膜56A、Bで構成されている。SiO2 膜56A、Bの膜厚は、同じ膜厚でも良く、相互に異なった膜厚でも良い。
また、窓38では、Ti層54が露出しないようにSiO2 膜56で覆われている。
【0024】
Tiの熱伝導率は、0.22W/cm・℃であって、SiO2(石英)の熱伝導率、0.014W/cm・℃より約10倍以上大きい。しかも、p型キャップ層32がGaAs層であるとき、Tiは、p型GaAsキャップ層32にオーミックコンタクトする性質を有しない。
電極分離アイソレーション層のSiO2層は、通常、E−gun蒸着法により成膜されているので、比較的粗い多結晶膜になっている。従って、例えば黒鉛とダイヤモンドとの対比から判るように、同じSiO2 であっても、熱伝導率は、一般的には、多結晶SiO2 膜は単結晶SiO2 より小さいので、TiとSiO2 との熱伝導率の差は、上述した単なる熱伝導率の比較以上に大きい。
【0025】
もっとも、金属についても、緻密な蒸着膜とバルクの状態とを比較すると、熱伝導率の違いは存在するものの、自由電子の存在から、その影響はSiO2等の膜に比較してほとんど無視できるので、Ti層とSiO2 膜との熱伝導率の差は極めて大きい。
【0026】
厳密には、SiO2による金属拡散の閉じ込め性は、十分ではない。よって、電極分離アイソレーション層52の金属層には、拡散し難い金属、または拡散したとしても、ドーパントとして機能し難い金属であることが必要である。
SiO2等の絶縁膜よりも熱伝導率が大きく、拡散し難い金属、または拡散したとしても、ドーパントとして機能し難い金属であって、しかもGaAs等のコンタクト層にオーミックコンタクトを形成しない金属としては、上述のTiに加えて、例えばBe、Ca、Cr、Cu、Fe、K、Mo、Ni、Pb、Pt、Ta、W、Zr等が挙げられる。
【0027】
本実施形態例では、窓38で、電極分離アイソレーション層52のTi層54が、SiO2 膜56によって被覆されているので、各半導体レーザ素子16A〜Dが、電極分離アイソレーション層52を介して電気的に接続されるようなことは生じない。
よって、Ti層54をヒートシンク(図示せず)に熱的に接続することにより、半導体レーザ素子50を集積したマルチビーム半導体レーザ装置の放熱性を、従来のものに比べて、著しく高めることができる。
【0028】
図2を参照して、本実施形態例の電極分離アイソレーション層52を形成する方法を説明する。図2(a)から(c)は、それぞれ、本実施形態例の半導体レーザ素子50の電極分離アイソレーション層を形成する際の工程毎の断面図である。
先ず、図2(a)に示すように、引き出し電極パッド22上を含めて基板面にSiO2 膜56Aを成膜し、窓38の領域を開口する。
次いで、引き出し電極パッド22上を含めて基板全面にTi層54を成膜し、窓38の領域からTi層を除去し、図2(b)に示すように、SiO2 膜56AとTi層54との積層膜を形成する。
続いて、図2(c)に示すように、引き出し電極パッド22上を含めて基板全面にSiO2 膜を成膜し、窓38の領域からSiO2 膜をを除去し、図2(c)に示すように、SiO2 膜56AとTi層54とSiO2 膜56Bの積層膜からなる電極分離アイソレーション層52を形成する。
【0029】
半導体レーザ素子の変形例
実施形態例では、電極分離アイソレーション層52は各半導体レーザ素子50毎に分離されることなく、マルチビーム半導体レーザ装置上全面に連続的に設けられているが、本変形例では、電極分離アイソレーション層60は、図3に示すように、分離溝14の溝底で、各半導体レーザ素子16A〜D毎に分離されている。
これにより、本変形例では、上述の実施形態例のように、窓38で、Ti層54が必ずしもSiO2 膜56により被覆されている必要はなく、端部を含めて全面にわたりTi層54をSiO2 膜56A、Bでサンドイッチした積層膜として電極分離アイソレーション層60を構成することができる。
Ti層54自身をヒートシンクとして機能させても良く、或いは各半導体レーザ素子50A〜D毎に設けられ、かつ外部から電気絶縁されたヒートシンク(図示せず)に、各半導体レーザ素子50A〜D毎の電極分離アイソレーション層60のTi層54を熱的に接続しても良い。
【0030】
半導体発光装置の作製方法の実施形態例
本実施形態例は、本発明に係るマルチビーム半導体発光装置の作製方法を上述の変形例のマルチビーム半導体レーザ装置の作製に適用した実施形態の一例である。
電極分離アイソレーション層60を分離溝14の溝底で各半導体レーザ素子16A〜D毎に電気的に分離する変形例では、上述の実施形態例の方法とは異なって、電極分離アイソレーション層60を形成に際し、E−gun蒸着法を適用して、原料を順次切り替えることにおり、連続的にSiO2 膜56A、Ti層54、及びSiO2 膜56Bを順次成膜することができる。
【0031】
つまり、本実施形態例では、E−gun蒸着法を用いて所定膜厚のSiO2膜56Aを蒸着させた後、原料をTiに切り替えて、SiO2膜56A上に連続して所定膜厚のTi層54を蒸着させ、次いで、原料をSiO2に切り替えて、Ti層54上に所定膜厚のSiO2 膜56Bを蒸着させる。
次いで、分離溝14上の電極分離アイソレーション層60をエッチングして除去する。
連続的に成膜することにより、Ti層54とSiO2 膜56A、B間の密着性を良好にすることができると共に電極分離アイソレーション層の成膜作業の生産性を向上させることができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、絶縁膜より熱伝導率が大きい熱伝導層と、熱伝導層をサンドイッチする絶縁膜との複合絶縁膜として電極分離アイソレーション層を形成することにより、マルチビーム半導体発光装置の放熱性を高めて素子寿命を延ばし、信頼性を向上させることができる。
放熱性を高めて、温度上昇を抑制することにより、動作電流/電圧に対する影響を小さくし、低消費電力化を図ることができる。
従来、p側電極を形成する際、熱放散を良くするために、必要以上の膜厚のAu層を蒸着させていたが、電極分離アイソレーション層により分離される電極の金属厚を薄くすることができるので、電極構成金属、特に主金属の金(Au)の使用量を減らすことができる。例えば、膜厚が、それぞれ、10nm、15nm、及び500nmのAu/Au−Zn/Auの積層金属膜からなる従来のp側電極の場合、膜厚500nmのAu膜を膜厚200nm程度に減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例のマルチビーム半導体発光装置を構成する半導体レーザ素子の構成を示す断面図である。
【図2】図2(a)から(c)は、それぞれ、実施形態例の方法に従って電極分離アイソレーション層を形成する際の工程毎の断面図である。
【図3】変形例の半導体レーザ素子の電極分離アイソレーション層の構成を示す断面図である。
【図4】従来のマルチビーム半導体レーザ装置の構成を示す斜視図である。
【図5】半導体レーザ素子の構成を示す断面図である。
【図6】図6(a)と(b)は、それぞれ、4ビーム半導体レーザ装置10を作製する際の工程毎の断面図である。
【図7】図7(c)と(d)は、それぞれ、図6(b)に続いて、4ビーム半導体レーザ装置を作製する際の工程毎の断面図である。
【符号の説明】
10……従来の4ビーム半導体レーザ装置、12……共通基板、14……分離溝、16A〜D……半導体レーザ素子、18……電極分離アイソレーション層、20……共通電極、22A〜D引き出し電極パッド、24A〜D接続配線、26A〜D……端子パッド、28……n型バッファ層、30……レーザ共振器構造、32……キャップ層、34……埋め込み層、36……p側電極、38……窓、40……リッジ、42……p側電極層、50……実施形態例のマルチビーム半導体レーザ層、52……電極分離アイソレーション層、54……Ti層、56A、B……SiO2 膜、60……電極分離アイソレーション層。
Claims (8)
- レーザ共振器構造上に電極および引き出し電極パッドを有する複数個の半導体発光素子を分離溝を介してモノリシックに又はハイブリッドに集積したマルチビーム半導体発光装置であって、
絶縁膜内に前記絶縁膜より熱伝導率が大きい熱伝導層を有する電極分離アイソレーション層を有し、前記電極分離アイソレーション層が、前記分離溝、前記半導体素子の側面および前記引き出し電極パッドの上面の少なくとも一部を覆っている
マルチビーム半導体発光装置。 - 前記熱伝導層が金属層であって、前記電極分離アイソレーション層は前記引き出しパッド電極上に窓開口を有し、前記窓開口では、金属層が絶縁膜で覆われ、露出していない、請求項1に記載のマルチビーム半導体発光装置。
- 前記熱伝導層が金属層であって、前記電極分離アイソレーション層が前記半導体発光素子毎に分離されている、請求項1に記載のマルチビーム半導体発光装置。
- 前記金属層が、半導体発光素子を構成する層とオーミックコンタクトを形成しないノンオーミックメタル層である、請求項2又は3に記載のマルチビーム半導体発光装置。
- 前記半導体発光素子を構成する層がGaAs系のとき、前記ノンオーミックメタル層は、Ti、Be、Ca、Cr、Cu、Fe、K、Mo、Ni、Pb、Pt、Ta、W、及びZrのいずれかである、請求項4に記載のマルチビーム半導体発光装置。
- 前記半導体発光素子を構成する化合物半導体層は、3族元素としてGa、Al、及びInのうちの少なくとも一つを含む、請求項1から5のうちのいずれか1項に記載のマルチビーム半導体発光装置。
- 前記半導体発光素子構成する化合物半導体層は、5族元素としてAs、P、及びSbのうちの少なくとも一つを含む、請求項1から5のうちのいずれか1項に記載のマルチビーム半導体発光装置。
- 前記絶縁膜が、SiO2膜、SiNx膜、SiO2/SiNxの積層膜の少なくとも一層で形成されている、請求項1から7のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
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