JP2008226319A - 垂直磁気記録ヘッド装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】Edge Write磁界を低く抑えて外部磁界耐性を向上させることができる垂直磁気記録ヘッド装置を提供すること。
【解決手段】本発明の垂直磁気記録ヘッド装置は、記録媒体Mとの対向面で露出する主磁極を有する磁性層24と、前記磁性層24上に非磁性層を介して設けられたリターンヨーク層27と、前記磁性層24及び前記リターンヨーク層27に記録磁界を与えるためのコイル層18,23と、を具備し、リターンヨーク層27は、トラック幅方向における端部に、略直方体形状の絶縁層27eと、前記絶縁層27eの少なくとも媒体対向面側の第1面、前記第1面に対して前記絶縁層を挟んで反対側の第2面、及び上面を覆うように設けられた磁性膜27fとで構成された略箱型部27dを有し、前記第1面が媒体対向面で露出する。
【選択図】図3
【解決手段】本発明の垂直磁気記録ヘッド装置は、記録媒体Mとの対向面で露出する主磁極を有する磁性層24と、前記磁性層24上に非磁性層を介して設けられたリターンヨーク層27と、前記磁性層24及び前記リターンヨーク層27に記録磁界を与えるためのコイル層18,23と、を具備し、リターンヨーク層27は、トラック幅方向における端部に、略直方体形状の絶縁層27eと、前記絶縁層27eの少なくとも媒体対向面側の第1面、前記第1面に対して前記絶縁層を挟んで反対側の第2面、及び上面を覆うように設けられた磁性膜27fとで構成された略箱型部27dを有し、前記第1面が媒体対向面で露出する。
【選択図】図3
Description
本発明は、記録媒体の媒体面に対して垂直方向に磁界を与えて記録を行う垂直磁気記録ヘッド装置に関する。
垂直磁気記録ヘッド装置は、記録媒体に対向する面(媒体対向面)に、主磁極層上に非磁性絶縁層を介してリターンヨーク層を設けてなる積層構造を有する。主磁極層とリターンヨーク層とは、媒体対向面よりもハイト方向における奥部で磁気的に接続されている。また、非磁性絶縁層内には、主磁極層及びリターンヨーク層に記録磁界を与えるためのコイル層が埋設されている。このような構成を有する磁気ヘッド装置において、コイル層に通電することにより、主磁極層とリターンヨーク層との間に記録磁界が誘導され、この記録磁界が主磁極層の媒体対向面から記録媒体のハード膜に垂直に入射し、記録媒体のソフト膜を通ってリターンヨーク層に帰還する。これにより、記録媒体における主磁極層と対向する領域に情報記録される(特許文献1)。
特開2005−122831号公報
垂直磁気記録ヘッド装置におけるリターンヨーク層やシールド層は、一般的に略長方形の薄膜磁性体で構成されており、ハイト方向の外部磁界を印加した場合に磁性体内部の磁束が薄膜のエッジに集中する。このとき、磁化方向成分の中でハイト方向成分が最も大きくなり、これが既存情報の上書き(Edge Write)の原因となる。すなわち、Edge Write磁界を低減するためには、リターンヨーク層やシールド層のエッジから発生するハイト方向成分の磁界を小さくする必要がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、Edge Write磁界を低く抑えて外部磁界耐性を向上させることができる垂直磁気記録ヘッド装置を提供することを目的とする。
本発明の垂直磁気記録ヘッド装置は、記録媒体との対向面で露出する主磁極を有する第1磁性層と、前記第1磁性層に記録磁界を与えるためのコイル層と、前記コイル層上に絶縁層を介して設けられた第2磁性層と、を具備し、前記第2磁性層は、トラック幅方向における端部に、略直方体形状の絶縁層と、前記絶縁層の少なくとも媒体対向面側の第1面、前記第1面に対して前記絶縁層を挟んで反対側の第2面、及び上面を覆うように設けられた磁性膜とで構成された略箱型部を有し、前記第1面が媒体対向面で露出することを特徴とする。
この構成によれば、第2磁性層がトラック幅方向における端部に箱型部を有する。箱型部においては、磁化困難軸方向に外部磁界が印加された状態となり、磁性体が磁化し難く、発生する磁界が小さくなる。このため、相対的に薄い第2磁性層であってもEdge Write磁界を低く抑えて外部磁界耐性を向上させることができる。
本発明の垂直磁気記録ヘッド装置においては、前記磁性膜は、前記絶縁層のハイト方向に沿う一対の面も覆うように形成されていることが好ましい。
本発明の垂直磁気記録ヘッド装置は、記録媒体との対向面で露出する主磁極を有する第1磁性層と、前記第1磁性層に記録磁界を与えるためのコイル層と、前記コイル層上に絶縁層を介して設けられた第2磁性層と、を具備し、前記第2磁性層は、トラック幅方向における端部に、略直方体形状の絶縁層と、前記絶縁層の少なくとも媒体対向面側の第1面、前記第1面に対して前記絶縁層を挟んで反対側の第2面、及び上面を覆うように設けられた磁性膜とで構成された略箱型部を有し、前記第1面が媒体対向面で露出するので、Edge Write磁界を低く抑えて外部磁界耐性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
垂直磁気記録ヘッド装置において、情報記録時に内部の温度が高くなると、リターンヨーク層を構成する材料と、リターンヨーク層の周囲の絶縁材料などとの間での熱膨張係数の違いにより、リターンヨーク層が媒体対向面から突出し易くなるという、いわゆるPTP(Pole Tip Protrusion)現象が起こる。
垂直磁気記録ヘッド装置において、情報記録時に内部の温度が高くなると、リターンヨーク層を構成する材料と、リターンヨーク層の周囲の絶縁材料などとの間での熱膨張係数の違いにより、リターンヨーク層が媒体対向面から突出し易くなるという、いわゆるPTP(Pole Tip Protrusion)現象が起こる。
本発明者らは、リターンヨーク層の膜厚を薄くすることにより、PTP現象を抑制することができることを見出した。しかしながら、PTP抑制のためにリターンヨーク層の膜厚を一様に薄くして、媒体対向面に露出するリターンヨーク層の面積が小さくなると、リターンヨーク層がハイト方向に磁化し易くなり、発生するハイト方向成分磁界強度が大きくなるためEdge Writeが発生するという恐れがある。したがって、本発明者らは、PTP現象を抑制しつつ、Edge Write磁界を低く抑えて外部磁界耐性を向上させることを目的としている。
すなわち、本発明の骨子は、記録媒体との対向面で露出する主磁極を有する第1磁性層と、前記第1磁性層に記録磁界を与えるためのコイル層と、前記コイル層上に絶縁層を介して設けられた第2磁性層と、を具備し、前記第2磁性層は、トラック幅方向における端部に、略直方体形状の絶縁層と、前記絶縁層の少なくとも媒体対向面側の第1面、前記第1面に対して前記絶縁層を挟んで反対側の第2面、及び上面を覆うように設けられた磁性膜とで構成された略箱型部を有し、前記第1面が媒体対向面で露出する垂直磁気記録ヘッド装置により、PTP現象を抑制しつつ、Edge Write磁界を低く抑えて外部磁界耐性を向上させることである。
図1は、本発明の実施の形態に係る垂直磁気記録ヘッドを備えた磁気ヘッドを示す縦断面図である。ここでは、第2磁性層がリターンヨーク層である場合について説明する。図2は、図1に示す垂直磁気記録ヘッドの部分平面図及びリターンヨーク層の部分正面図である。図1において、Xはトラック幅方向を示し、Yはハイト方向を示し、Zは膜厚方向を示す。各方向は残り2つの方向に対して直交する関係となっている。
図1に示す垂直磁気記録ヘッドHWは、記録媒体Mに垂直磁界を与え、記録媒体Mのハード膜Maを垂直方向に磁化させる。記録媒体Mは、例えばディスク状であり、その表面に残留磁化の高いハード膜Maを有し、その内側に磁気透過率の高いソフト膜Mbを有しており、ディスクの中心が回転中心となって回転するように構成されている。
スライダ10は、Al2O3・TiCなどの非磁性材料で構成されている。スライダ10の対向面10aは記録媒体Mに対向しており、記録媒体Mが回転すると、表面の空気流によりスライダ10が記録媒体Mの表面から浮上し、又はスライダ10が記録媒体Mに摺動する。スライダ10のトレーリング側端面(上面)10bには、Al2O3又はSiO2などの無機材料で構成された非磁性絶縁層12が形成されており、この非磁性絶縁層12上に読取り部HRが形成されている。
読取り部HRは、非磁性絶縁層12上に形成された下部シールド層13と、下部シールド層13上に無機絶縁層(ギャップ絶縁層)15を介して形成された上部シールド層16とを有する。無機絶縁層15内には、読み取り素子14が設けられている。読み取り素子14としては、AMR(Anisotropic MagnetoResistance)素子 、GMR(Giant MagnetoResistance)素子、TMR(Tunnel MagnetoResistance)素子などの磁気抵抗効果素子が用いられる。
上部シールド層16上には、コイル絶縁下地層17を介して、導電性材料で構成された複数本の下層コイル片18が形成されている。下層コイル片18は、例えばAu,Ag,Pt,Cu,Cr,Al,Ti,NiP,Mo,Pd,Rh,Niから選ばれた少なくとも1種の金属材料で構成される。また、下層コイル片18は、これらの非磁性金属材料で構成された層を積層して構成しても良い。
下層コイル片18の周囲には、Al2O3などの無機絶縁材料や、レジストなどの有機絶縁材料で形成されたコイル絶縁層19が形成されている。コイル絶縁層19の上面は平坦に形成され、この上面に、メッキ下地層(図示せず)が形成され、このメッキ下地層上に、主磁極層24が設けられている。主磁極層24の周囲は、Al2O3やSiO2などで構成された絶縁層32によって埋められ、主磁極層24の上面と絶縁層32の上面とが略同一平面になるように平坦化処理されている。主磁極層24は、例えばNiFe,CoFe,NiFeCoなどの飽和磁束密度の高い強磁性材料で構成されており、例えばメッキにより形成される。
図2に示すように、主磁極層24は、記録媒体との対向面H1a(対向面H1aはスライダ10の対向面10aと略同一平面で形成されている)からハイト方向(図示Y方向)にトラック幅Twで形成された細長い形状の前方部24aと、前方部24aのハイト方向後方において前方部24aよりもトラック幅方向(図示X方向)の幅寸法が広い後方部24b(最大幅寸法T2)とを有する。
図1に示すように、主磁極層24上には、Al2O3又はSiO2などの無機材料で構成された非磁性層であるギャップ層21が形成されている。ギャップ層21上には、コイル絶縁下地層22を介して上層コイル片23が形成されている。ギャップ層21は、上層コイル片23の絶縁下地としても機能しているので、コイル絶縁下地層22は形成されていなくても良い。上層コイル片23は、下層コイル片18と同様に、導電性材料によって複数本形成されている。上層コイル片23は、例えばAu,Ag,Pt,Cu,Cr,Al,Ti,NiP,Mo,Pd,Rh,Niから選ばれた少なくとも1種の金属材料で構成される。また、上層コイル片23は、これらの非磁性金属材料で構成された層を積層して構成しても良い。
下層コイル片18と上層コイル片23とは、図2に示すように、ソレノイド状に配置され、各コイル片のトラック幅方向(図示X方向)における端部同士が電気的に接続されている。下層コイル片18及び上層コイル片23には、それぞれ引き出し部18a,23aが形成されており、この引き出し部18a,23aから電流がソレノイド状コイルに供給されるようになっている。
上層コイル片23上には、Al2O3などの無機絶縁材料や、レジストなどの有機絶縁材料で構成されたコイル絶縁層26が形成されている。また、本実施の形態においては、ギャップ層21上に、無機材料又は有機材料で構成された間隔調整絶縁層28が形成されている。コイル絶縁層26の前縁は、間隔調整絶縁層28上に重なっている。図2に示すように、間隔調整絶縁層28の前縁28aは、トラック幅方向(図示X方向)と略平行な方向に向けて直線状に延在している。間隔調整絶縁層28の前縁28aは、対向面H1aからハイト方向に所定距離(ギャップデプス)L1だけ離れて形成されている。間隔調整絶縁層28は、図2に示すように、トラック幅方向(図示X方向)に長く延在している。間隔調整絶縁層28の前縁28aの幅寸法T3は、少なくとも主磁極層24の最大幅寸法T2よりも大きく形成される。
ソレノイド状のコイル層を用いる場合、上層コイル片23のトラック幅方向の幅寸法は、主磁極層24の最大幅寸法T2よりも必ず大きくなるので、上層コイル片23上を覆うコイル絶縁層26の最大幅寸法T4は、主磁極層24の最大幅寸法T2より必ず大きくなる。間隔調整絶縁層28は、例えば有機絶縁材料で構成され、熱硬化により形成される。熱処理により間隔調整絶縁層28の縦断面形状は、矩形状から略半楕円形状(あるいは少なくとも上面28bは曲面状)となる。間隔調整絶縁層28上に一部重なってハイト方向に向けて形成されるコイル絶縁層26も有機絶縁材料で構成され、熱硬化により形成されたものであり、コイル絶縁層26の対向面側上面26bは、間隔調整絶縁層28の上面28bから曲面形状に盛り上がって形成される。間隔調整絶縁層28及びコイル絶縁層26(以下、この2層を「絶縁層30」と称する場合がある)は、ギャップ層21の上面を基準平面としたとき、基準平面よりも上方(図示Z方向)に盛り上がって形成されている。絶縁層30の周囲には、ギャップ層20の上面が露出している。以下では、間隔調整絶縁層28の前縁28aと対向面H1aとの間の領域を前方領域A(図3に示す斜線領域)と称し、絶縁層30のトラック幅方向(図示X方向)における両側の領域を両側領域Bと称する。
図1及び図2に示すように、前方領域A上、絶縁層30上、及び両側領域B上には、パーマロイなどの磁性材料で構成された第2磁性層であるリターンヨーク層27が形成されている。図1に示すように、リターンヨーク層27のハイト方向の後端部は、主磁極層24と磁気的に接続する接続部27cとなっている。リターンヨーク層27上は、無機絶縁材料などで構成された保護層31により覆われている。なお、第2磁性層としては、接続部27hを有しない、すなわち主磁極を有する磁性層と磁気的結合のない、単なるシールド作用を有する層であっても良い。
リターンヨーク層27は、中央部27aと、中央部27aのトラック幅方向(図示X方向)の両側に位置する両側端部27bとで形成される。中央部27aは、主磁極層24と膜厚方向(図示Z方向)で対向する位置に形成されている。図1及び図2に示すように、中央部27aには、絶縁層30上から前方領域A上にかけて上方に向けて突出する突出部27a1が形成されている。絶縁層30上に形成されるリターンヨーク層27は、そもそも絶縁層30が両側領域Bよりも盛り上がって形成されているから両側領域B上に形成されるリターンヨーク層27に比べて突出して形成される。このとき、絶縁層30上に形成されるリターンヨーク層27の膜厚と、両側領域B上に形成されるリターンヨーク層27の膜厚はあまり変わらない。なお、リターンヨーク層27の厚さは、PTP現象を抑制することを考慮すると、0.1μm〜1.0μmであることが好ましい。
図3(a)は、本発明の実施の形態に係る垂直磁気記録ヘッドのリターンヨーク層を示す平面図であり、図3(b)は、(a)におけるIIIB−IIIB線に沿う断面図である。図3(a)に示すように、リターンヨーク層27は、トラック幅方向における端部に略箱型部27dを有する。この箱型部27dは、図3(b)に示すように、略直方体形状の絶縁層27eと、この絶縁層27eの少なくとも媒体対向面側の第1面、この第1面に対して絶縁層27eを挟んで反対側の第2面、及び上面を覆うように設けられた磁性膜27fとで構成されている。この第1面側の磁性膜27fは媒体対向面で露出する。
すなわち、箱型部27dにおいては、図3(b)に示すように、リターンヨーク層27の下地層27g上に絶縁層27eが設けられており、その絶縁層27e上に磁性膜27fが形成されることにより構成されている。なお、図3(b)においては、リターンヨーク層27の厚さt1よりも下地層27gの厚さt2を薄くした場合について示しているが、本発明においてはリターンヨーク層27の厚さt1と下地層27gの厚さt2が同じであっても良く、リターンヨーク層27の厚さt1が下地層27gの厚さt2よりも薄くても良い。
箱型部27dにおける磁性膜27fの被着領域は、少なくとも媒体対向面側の第1面a、この第1面aに対して絶縁層27eを挟んで反対側の第2面b、及び上面cである。また、磁性膜27fは、絶縁層27eのハイト方向に沿う一対の面も覆うように形成されていることが好ましい。すなわち、図4(a)に示すように、絶縁層27eを露出させないように磁性膜27fを設けても良く、図4(b)に示すように、絶縁層27eのハイト方向に沿う一対の面が露出させて、媒体対向面側の第1面a、この第1面aに対して絶縁層27eを挟んで反対側の第2面b、及び上面cに磁性膜27fを設けても良い。特に、第1面aについては、以下の理由により磁性膜27fを形成することが望ましい。
本発明者らは、薄い磁性体膜であるリターンヨーク層の反磁界に着目し、略箱型形状を設けて反磁界を利用することにより、Edge Write磁界を低く抑えて外部磁界耐性を向上させることができることを見出し本発明をするに至った。
反磁界(Hd)は、磁性体の磁化と同時に、磁極が磁性体内部に作り出す磁化方向と逆向きの磁界である。そして、一般的に直交座標系における反磁界係数は、Nx+Ny+Nz=1という関係がある。
磁性体を膜厚≒0の薄膜とすると、磁性体の反磁界係数Nx,Nyが0であり、Nzが1であると考えることができる。この場合において、磁性体に外部磁界が印加されることを考える。磁化容易軸方向に外部磁界が印加されると、図5(a)に示すように、磁性体が磁化し易く、発生する磁界が大きくなり、一方、磁化困難軸方向に外部磁界が印加されると、図5(b)に示すように、磁性体が磁化し難く、発生する磁界が小さくなると考えられる。
このような考え方を垂直磁気記録ヘッドのリターンヨーク層27に適用すると、薄膜のリターンヨーク層27においては、外部磁界に対して磁性体の磁化が薄膜の端部に集中することになる。したがって、リターンヨーク層において、薄膜磁性体の磁化し難い方向を生じさせるために略箱型形状の部分を設けている。このため、前記作用を発揮させるために、箱型部27dの第1面aには磁性膜27fを設けることが好ましい。これにより、ハイト方向成分の磁界を低減して、Edge Write磁界を低く抑えて外部磁界耐性を向上させている。
図3(a)に示す箱型部27dのトラック幅方向の幅Wは、外部磁界耐性やエッジのT−PTPなどを考慮して1μm〜10μmであることが好ましい。より好ましくは、箱型部27dのトラック幅方向の幅Wは、4μm〜10μmである。また、箱型部27dのハイト方向の奥行きLは、T−PTPなどを考慮すると、奥行きLはできるだけ小さくことが好ましく、0.05μm〜10μmであることが好ましい。また、図3(b)に示す箱型部27dの高さt3は、外部磁界耐性などを考慮してできるだけ厚いことが好ましく、0.5μm〜5μmであることが好ましい。また、下地層27gの厚さt2は、リターンヨーク層27の飽和などを考慮して0.05μm〜2μmであることが好ましい。また、リターンヨーク層27の厚さt1は、T−PTP、リターンヨーク層27の飽和などを考慮して0.1μm〜2.0μmであることが好ましい。
上述したような箱型部27dを形成する場合、絶縁層30上にリターンヨーク層27を形成し、そのトラック幅方向における端部にレジスト材料やアルミナなどの絶縁材料により略直方体形状の絶縁層27eを形成し、その後、磁性膜27fを被着する絶縁層27eの面上にスパッタリングで磁性材料により下地層を形成して、その後に磁性材料をメッキする。
このようにして、箱型部27dを含むリターンヨーク層27を有する垂直磁気記録ヘッドを作製することができる。この垂直磁気記録ヘッドは、図3、図4から分かるように、媒体対向面において箱型部27dが露出した状態となる。箱型部27dにおいては、磁化困難軸方向に外部磁界が印加された状態となり、磁性体が磁化し難く、発生する磁界が小さくなる。このため、相対的に薄いリターンヨーク層27であってもEdge Write磁界を低く抑えて外部磁界耐性を向上させることができる。
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。
ここでは、静磁界シミュレーションにより効果を確認した。このシミュレーションでは、垂直磁気記録ヘッドにおいて、外部磁界耐性にかかわる部位をモデル化し、外部磁界印加時の磁化状態を計算した。そして、リターンヨーク層の厚さが0.5μmであり、箱型部27dの高さt3を変えたときの磁界強度最大量を求めた。その結果を図6(a),(b)に示すに示す。図6(a)は、外部磁界100Oe(×103/4π A/m)をハイト方向に印加したときの磁界強度最大値を示し、図6(b)は、外部磁界100Oe(×103/4π A/m)をトラック幅方向に印加したときの磁界強度最大値を示す。また、参考のために、箱型部27dにおいて、下地層27gを有しない、すなわち絶縁層30上に直接絶縁層27eが形成された構成の磁界強度最大値についても調べた。その結果を図6(a),(b)に併記する。
ここでは、静磁界シミュレーションにより効果を確認した。このシミュレーションでは、垂直磁気記録ヘッドにおいて、外部磁界耐性にかかわる部位をモデル化し、外部磁界印加時の磁化状態を計算した。そして、リターンヨーク層の厚さが0.5μmであり、箱型部27dの高さt3を変えたときの磁界強度最大量を求めた。その結果を図6(a),(b)に示すに示す。図6(a)は、外部磁界100Oe(×103/4π A/m)をハイト方向に印加したときの磁界強度最大値を示し、図6(b)は、外部磁界100Oe(×103/4π A/m)をトラック幅方向に印加したときの磁界強度最大値を示す。また、参考のために、箱型部27dにおいて、下地層27gを有しない、すなわち絶縁層30上に直接絶縁層27eが形成された構成の磁界強度最大値についても調べた。その結果を図6(a),(b)に併記する。
図6(a),(b)から分かるように、本発明に係る垂直磁気記録ヘッドを備えた磁気ヘッドについては、箱型部27dの高さt3が高くなるほど、外部磁界耐性が向上する。また、下地層27gがない箱型部27dに比べて外部磁界耐性が向上している。
また、図4(a)に示す箱型部27dを持つリターンヨーク層27を備えた垂直磁気記録ヘッドと、図7(a)に示す端部に箱型部27dを有しないリターンヨーク層を備えた垂直磁気記録ヘッドと、図7(b)に示す端部にアーチ部27hを有するリターンヨーク層を備えた垂直磁気記録ヘッドとについて、上記と同様にして磁界強度最大値を調べた。その結果を図8(a),(b)に示す。図8(a)は、外部磁界100Oe(×103/4π A/m)をハイト方向に印加したときの磁界強度最大値を示し、図8(b)は、外部磁界100Oe(×103/4π A/m)をトラック幅方向に印加したときの磁界強度最大値を示す。
図8(a),(b)から分かるように、本発明に係る垂直磁気記録ヘッドについては、箱型部27dのないリターンヨーク層を持つ垂直磁気記録ヘッドに比べてほぼ半分の磁界強度最大値となっており、かなりのレベルで外部磁界耐性が向上している。また、アーチ部27hを有するリターンヨーク層を持つ垂直磁気記録ヘッドに比べても外部磁界耐性が向上していた。
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、垂直磁気記録ヘッドの各層の構成や形状については、リターンヨークを含むシールド層に、本発明に係る箱型部を含むものであれば、特に制限はない。また、上記実施の形態においては、リターンヨーク層に箱型部が含まれている場合について説明しているが、本発明はこれに限定されず、リターンヨーク層以外のシールド層、例えば上部シールド層や下部シールド層にも同様に適用することができる。すなわち、上部シールド層や下部シールド層に、トラック幅方向における端部に箱型を含む形状を導入することにより、Edge Write磁界を低く抑えて外部磁界耐性を向上させることができる。もちろん、リターンヨーク層と、上部シールド層及び/又は下部シールド層とに箱型部を設けて、Edge Write磁界をより低く抑えて外部磁界耐性を向上させることができる。また、上記実施の形態で説明した数値や材質については特に制限はない。また、上記実施の形態で説明したプロセスについてはこれに限定されず、工程間の適宜順序を変えて実施しても良い。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
10 スライダ
12 非磁性絶縁層
13 下部シールド層
15 無機絶縁層
16 上部シールド層
18 下層コイル片
21 ギャップ層
23 上層コイル片
24 主磁極層
26 コイル絶縁層
27 リターンヨーク層
27d 箱型部
27e 絶縁層
27f 磁性膜
27g 下地層
27h アーチ部
28 間隔調整絶縁層
12 非磁性絶縁層
13 下部シールド層
15 無機絶縁層
16 上部シールド層
18 下層コイル片
21 ギャップ層
23 上層コイル片
24 主磁極層
26 コイル絶縁層
27 リターンヨーク層
27d 箱型部
27e 絶縁層
27f 磁性膜
27g 下地層
27h アーチ部
28 間隔調整絶縁層
Claims (2)
- 記録媒体との対向面で露出する主磁極を有する第1磁性層と、前記第1磁性層に記録磁界を与えるためのコイル層と、前記コイル層上に絶縁層を介して設けられた第2磁性層と、を具備し、前記第2磁性層は、トラック幅方向における端部に、略直方体形状の絶縁層と、前記絶縁層の少なくとも媒体対向面側の第1面、前記第1面に対して前記絶縁層を挟んで反対側の第2面、及び上面を覆うように設けられた磁性膜とで構成された略箱型部を有し、前記第1面が媒体対向面で露出することを特徴とする垂直磁気記録ヘッド装置。
- 前記磁性膜は、前記絶縁層のハイト方向に沿う一対の面も覆うように形成されていることを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録ヘッド装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007061169A JP2008226319A (ja) | 2007-03-12 | 2007-03-12 | 垂直磁気記録ヘッド装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2007
- 2007-03-12 JP JP2007061169A patent/JP2008226319A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012014791A (ja) * | 2010-06-30 | 2012-01-19 | Toshiba Corp | 磁気記録ヘッド及び磁気記録装置 |
US8817419B2 (en) | 2010-06-30 | 2014-08-26 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Magnetic recording head and magnetic recording apparatus |
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