JP2008225526A - アクティブ制振制御システム及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】制振対象及び制振装置の特性に応じた制御パラメタを自動的に設計・調整できるアクティブ制振制御システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】制振制御システム5の制御部14を、制振対象9の固有振動数fn以上又は以外の周波数を遮断するフィルタ処理部15と、アクチュエータ・制御対象・センサ全体のオープンループの位相特性φを補償する位相補償処理部16と、ゲインkcの乗算処理部17とで構成する。位相補償特性設定部20により、アクチュエータ加振信号とセンサ入力信号との位相ずれからオープンループ位相特性φを検出して位相補償処理部16に設定する。フィルタ特性設定部22により、カットオフ周波数fc及びゲインkcを変えながらセンサ信号の安定する限界を検出し、その安定限界より小さいカットオフ周波数fc及びゲインkcをフィルタ処理部15及び乗算処理部17に設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明はアクティブ制振制御システム及びプログラムに関し、とくに制振対象の特性とアクティブ制振装置の特性とに応じた制御パラメタを自動的に設計・調整できる制振制御システム及びプログラムに関する。
地震・風力その他の振動外乱を受ける建築構造物や機械類等の振動を抑制するため、例えば図12(A)に示すように、制振対象9を加振するアクチュエータ(加振機等)3と、振動対象9の振動を検出するセンサ(加速度計等)2と、そのセンサ2の検出信号に基づきアクチュエータ3の作動を制御するコントローラ(制振制御システム)5とを有し、センサ2の検出信号に応じてアクチュエータ3を能動的に駆動することで制振対象9の振動を抑制するアクティブ制振装置1が開発されている。図示例は制振対象9上に相対的可動に取り付けた付加質量4をアクチュエータ3で加振する付加質量型のアクティブ動吸振機(Active Mass Damper;AMD)であるが、その他にも、制振対象9の近傍に設置したアクチュエータ3(圧電変換素子等)で制振対象9を直接加振する直動型のもの(特許文献1参照)、制振対象9の梁部分に組み込んだピエゾアクチュエータ3の加振により梁の曲げモーメントを制御するもの(非特許文献1及び2参照)、制振対象9の梁に沿って配設した力伝達手段をアクチュエータ3で加振するもの(特許文献2参照)等、様々な形式のアクティブ制振装置1が開発されている。
アクティブ制振装置1の制振制御システム5(以下、アクティブ制振制御システム5ということがある)は一般的に、図12(A)に示すように、センサ2のアナログ検出信号をデジタル変換するアナログ/デジタル変換器(AD変換器)6と、そのデジタル信号に基づきアクチュエータ3にデジタル制御信号(指令信号)を出力するコンピュータ等の制御系10と、そのデジタル制御信号をアナログ変換してアクチュエータ3に送るデジタル/アナログ変換器(DA変換器)7とで構成される。アクティブ制振制御システム5の制御系10は、同図(B)に示すように、制振対象9の振動特性Gf(s)とアクチュエータ3の特性Ga(s)とセンサ2の特性Gs(s)とに応じて設計され、例えば制御パラメタを含むプログラムとしてコンピュータに実装される。上述したように様々な形式のアクティブ制振装置1が開発されているが、制振対象9の振動特性Gf(s)とアクチュエータ特性Ga(s)とセンタ特性Gs(s)とに応じて設計される制御系10の原理的な構成は何れも同様である。このような制御系10に適用するための様々な制御理論・アルゴリズムが提案されているが(特許文献3〜5参照)、例えば最適フィードバック制御理論(非特許文献3参照)、H∞制御理論等のロバスト制御手法(非特許文献4参照)等が一般的に使われている。
安藤雅倫他「ピエゾアクチュエータによる鉄骨造建物の上下振動の制御」日本建築学会大会学術講演梗概集(北陸)、2002年8月、pp301−302 神永敏行他「ピエゾアクチュエータによる鉄骨造建物の上下振動の制御・その2」日本建築学会大会学術講演梗概集(東海)、2003年9月、pp289−290 増渕正美著「システム制御」コロナ社、1987年11月初版、p187−189 システム制御情報学会編「制御系設計−H∞制御とその応用−」朝倉書店、1994年6月初版、p11−12 特開2003−221807号公報 特開平5−018136号公報 特許第2732681号公報 特開平09−049544号公報 特開平06−106946号公報
しかし、従来のアクティブ制振制御システム5の制御系10は、専門家が経験的手法に基づき制御パラメタを設計する必要があり、また制振対象の高次モードを含めた振動特性等については現地の制振対象に実際に適用して調整又は再設計する必要があることから、設計・調整に非常に手間(コスト・時間)がかかる問題点がある。このような設計・調整に要するコスト・時間は、高層ビル等のように制振対象が大きい場合は全体に比してあまり問題とならないが、制振対象が小さい場合は全体に対する影響が大きくなるためアクティブ制振装置を適用する際の障害となっている。アクティブ制振装置の普及を図るため、設計・調整の手間が少ないアクティブ制振制御システム5の開発が望まれている。
この問題を解決するため、本発明者は、想定される制振対象周波数範囲の複数の周波数について事前に制御系10の制御パラメタを設計しておき、実際に制振装置を適用する制振対象9の固有振動数に最も近い振動数で設計された制御パラメタ(又は固有振動数との差に応じて補正した制御パラメタ)を選択してアクティブ制振制御システム5に組み込む設計手法を開発し、特願2005−316833号に開示した。しかし、この設計手法においても、アクチュエータ特性Ga(s)やセンサ特性Gs(s)の異なるアクティブ制振装置に適用するには多数の制御パラメタを予め設計しておく必要があり、事前の設計に手間がかかる。また、制振対象の高次モードが分からない状態で設計を行うため安全側の設計となりがちであり、不安定現象が発生した場合はゲインの調整等のみで対応しなければならないので、アクティブ制振装置の有する制振性能を十分に発揮できない場合がある。更に、同じ構成のアクティブ制振装置であっても多少の個体差が考えられるが、このような装置の個体差に対応した設計をすることができず、装置の個体差により制振性能が大きく劣化する可能性があった。
そこで本発明の目的は、制振対象及び制振装置の特性に応じた制御パラメタを自動的に設計・調整できるアクティブ制振制御システム及びプログラムを提供することにある。
本発明者は、制振対象の特定の固有振動モードを制御するアクティブ制振制御システム5の制御系10が、一般的にその振動モードの振動数(又はその付近の周波数)をピークとしたゲイン特性を有することに注目した。これは他のモードのスピルオーバー(発振)を防止するために制振対象周波数以外の周波数におけるゲインを抑えた結果であるが、ロバスト制御系設計手法として一般的なH∞制御理論を用いた場合等でも同様の傾向が見られる。このような制御系10の周波数特性はフィルタ関数の特性と同様であり、フィルタ関数のパラメタを調整するアルゴリズムによって制振対象に適する制御パラメタを自動的に設計・調整できる可能性がある。本発明は、この知見に基づく実験研究の結果、完成に至ったものである。
図1の実施例を参照するに、本発明によるアクティブ制振制御システムは、制振対象9の振動を検出するセンサ2に接続するAD変換器6;制振対象9を加振するアクチュエータ3に接続するDA変換器7;制振対象9の固有振動数fnとアクチュエータ3・制御対象9・センサ2全体のモード質量mとその全体の固有振動数fnにおけるオープンループ8の位相特性φとを記憶する記憶部12;AD変換器6の入力信号に対し、前記固有振動数fnの近傍以上又は以外の周波数を遮断するフィルタ処理15と、前記オープンループ8の位相特性φを補償する位相補償処理16と、ゲインkcの乗算処理17とを施した加振信号をDA変換器7に出力する制御部14;並びにフィルタ処理15のカットオフ周波数fcを変えながら、そのカットオフ周波数fcと前記モード質量mとに応じた乗算処理17のゲインkcによりAD変換器6の入力信号の振幅が安定するか否かを判定するサイクルを繰り返して安定限界のカットオフ周波数fc及びゲインkcを検出し、その安定限界より小さいカットオフ周波数fc及びゲインkcを制御部14に設定するフィルタ特性設定部22を備えてなるものである。
好ましくは、図示例のように、DA変換器7に固有振動数fnの加振信号を出力し且つその出力信号とAD変換器6の入力信号との位相ずれから前記オープンループ8の位相特性φを検出して記憶部12に設定する位相補償特性設定部20を設ける。更に好ましくは、DA変換器7に周波数の異なる加振信号を出力しながらその出力信号とAD変換器6の入力信号との振幅比を計測するサイクルを繰り返し且つその振幅比の極大点近傍のデータから前記固有振動数fn及びモード質量mを検出して記憶部12に設定する制振対象特性同定部27を設ける。望ましくは、制振対象特性同定部27により前記固有振動数fn及びモード質量mと共に制振対象9の減衰比ζを検出して記憶部12に設定し、フィルタ特性設定部22により、フィルタ処理15のカットオフ周波数fcを変えながらそのカットオフ周波数fcと前記モード質量m及び減衰比ζとに応じた乗算処理17のゲインkcにより入力信号の振幅が安定するか否かを判定するサイクルを繰り返す。
また図1のブロック図を参照するに、本発明によるアクティブ制振制御プログラムは、制振対象9の振動を検出するセンサ2からの入力信号に応じて制振対象9を加振するアクチュエータ3に加振信号を出力して制振対象9の振動を抑制するためコンピュータ10を、制振対象9の固有振動数fnとアクチュエータ3・制御対象9・センサ2全体のモード質量mとその全体の固有振動数fnにおけるオープンループ8の位相特性φとを記憶する記憶手段12;センサ2からの入力信号に対し、前記固有振動数fnの近傍以上又は以外の周波数を遮断するフィルタ処理15と、前記オープンループ8の位相特性φを補償する位相補償処理16と、ゲインkcの乗算処理17とを施した加振信号をアクチュエータ3に出力する制御手段14;並びにフィルタ処理15のカットオフ周波数fcを変えながら、そのカットオフ周波数fcと前記モード質量mとに応じた乗算処理17のゲインkcによりセンサ2からの入力信号の振幅が安定するか否かを判定するサイクルを繰り返して安定限界のカットオフ周波数fc及びゲインkcを検出し、その安定限界より小さいカットオフ周波数fc及びゲインkcを制御手段14に設定するフィルタ特性設定手段22として機能させるものである。
本発明によるアクティブ制振システム及びプログラムは、制振対象9の固有振動数fnの近傍以上又は以外の周波数を遮断するフィルタ処理部15と、固有振動数fnにおけるアクチュエータ3・制御対象9・センサ2全体のオープンループ位相特性φを補償する位相補償処理部16と、ゲインkcの乗算処理部17とで制御部14を構成し、その制御部14の制御パラメタのうちフィルタ処理部15のカットオフ周波数fc及び乗算処理部17のゲインkcを、フィルタ特性設定部22においてアクチュエータ3・制御対象9・センサ2全体のモード質量mに応じて変えながら安定限界を検出して自動的に設定するので、次の顕著な効果を奏する。
(イ)実際の制振対象9に制振制御システム5を試行的に適用しながら制御パラメタを自動的に設定・調整できるので、安定性を確保しつつ制振対象に応じた制振性能の高い制振制御システム5を容易に得ることができる。
(ロ)制振対象の特性だけでなくアクティブ制振装置1の特性(アクチュエータ及びセンサの特性)に応じた制御パラメタを自動的に設定することができ、制振装置1の構成の違いによって専門家が制御パラメタの設計をやり直す手間を省くことができる。
(ハ)オープンループ位相特性φを検出する位相補償特性設定部20を設ければ、位相補償特性処理部16の制御パラメタについても制振対象及び制振装置の特性に応じて自動的に設定することが可能であり、より制振性能の高い制振制御システム5とすることが期待できる。
(ニ)更に、固有振動数fn及びモード質量mを検出する制振対象特性同定部27を設ければ、制振対象9にアクティブ制振装置を設置するだけで制御パラメタを自動的に設定することが可能となり、制御パラメタの設計に関わるコストと時間を大幅に削減できる。
(ホ)位相補償特性設定部20及び制振対象特性同定部27を設ければ、アクティブ制振装置1の特性が分からない場合でも、その制振性能を十分に発揮させる制御パラメタを自動的に設定することが可能であり、アクティブ制振装置1の個体差等に影響されない制振制御システム5とすることができる。
図1は、本発明のアクティブ制振制御システム5を用いて構成したアクティブ制振装置1のブロック図の一例を示す。図示例のアクティブ制振制御システム5は、制振対象9の振動を検出するセンサ2に接続するAD変換器6と、制振対象9を加振するアクチュエータ3に接続するDA変換器7と、制御部14が設けられた制御系10とを有する。図示例では制御系10をコンピュータとし、制御部14をコンピュータ10の内蔵プログラムとしている。センサ2による振動検出信号(センサ信号)をAD変換器6経由でコンピュータ10に入力し、そのセンサ信号をコンピュータ10の制御部14において加振信号(指令信号)に変換し、変換した加振信号(指令信号)をDA変換器7経由でアクチュエータ3に出力することで制振対象9の振動を抑制する。
図示例の制振制御システム5のコンピュータ10には、制御部14の他に、振動特性パラメタ及び制御部14の制御パラメタを記憶する記憶部12と、制御部14の制御パラメタを設定する位相補償特性設定部20及びフィルタ特性設定部22とが設けられている。位相補償特性設定部20及びフィルタ特性設定部22の一例も、コンピュータ10の内蔵プログラムである。制御部14の制御パラメタは、図示例のアクティブ制振装置1を制振対象9に試行的に適用しながら、その制振対象9の振動特性とアクチュエータ3及びセンサ2の特性と応じて、位相補償特性設定部20及びフィルタ特性設定部22により自動的に設定することができる。従って、制振制御システム5に接続するセンサ2及びアクチュエータ3の構成や制振対象9の特性にとくに制限はなく、本発明は様々な形式のアクティブ制振装置1(例えば付加質量型、直動型等)に適用可能である。ただし、位相補償特性設定部20で設定すべき制御パラメタは他の適当な方法で推定又は計測することが可能であり、位相補償特性設定部20は本発明の制振制御システム5に必須のものではない。
アクティブ制振制御システム5のコンピュータ10の記憶部12には、振動特性パラメタとして、制振対象9の固有振動数fn、及びアクチュエータ3と制御対象9とセンサ2とで構成されるオープンループ8のモード質量mを記憶する。モード質量mは、制振対象9の特性だけでなく、アクチュエータ3及びセンサ2の特性(ゲイン特性)を含んだパラメタである。これらの振動特性パラメタは、後述するように制御部14の制御パラメタを算出する際に利用される。好ましくは、固有振動数fn及びモード質量mと共に制振対象9の減衰比ζを記憶部12に記憶し、固有振動数fnとモード質量mと減衰比ζとに応じて制御部14の制御パラメタを算出する。ただし、アクティブ制振装置1が適用される一般的な建築構造物の減衰比ζは0.03程度であるから、そのような建築構造物に本発明を適用する場合は、制振対象9の減衰比ζを0.03として記憶部12への設定を省略してもよい。すなわち、記憶部12には固有振動数fnとモード質量mとを記憶すれば足りる。例えば図示例のように、コンピュータ10に振動特性パラメタを自動的に同定する制振対象特性同定部27を設け、その特性同定部27で同定された振動特性パラメタを記憶部12に設定することも可能である。制振対象特性同定部27の一例もコンピュータ10の内蔵プログラムであり、その作用の詳細については後述する。ただし、固有振動数fn及びモード質量mは他の適当な方法で推定又は計測することが可能であり、制振対象特性同定部27は本発明に必須のものではない。
またコンピュータ10の記憶部12には、振動特性パラメタとして、オープンループ8の固有振動数fnにおける位相特性φを記憶する。オープンループ位相特性φも、後述するように制御部14の制御パラメタを算出する際に利用される。例えば図示例のように位相補償特性設定部20を設けた場合は、その特性設定部20でオープンループ位相特性φを検出して記憶部12に設定することができる。位相補償特性設定部20の詳細については後述する。ただし、制振対象とする振動モードの周波数が他の振動モードと離れている場合は、そのピーク付近では他の振動モードの影響をほとんど受けないため、制御対象9の位相特性φが固有振動数fnにおいて90度となることが知られている(入力を力、出力を加速度と見た場合)。従って、アクチュエータ3及びセンサ2の固有振動数fnにおける位相特性φa、φsを推定又は計測できれば、その位相特性φa、φsと90度との和(=φa+φs+90)をオープンループ位相特性φとして記憶部12に記憶しておけば足り、位相補償特性設定部20によるオープンループ位相特性φの検出は省略可能である。
コンピュータ10の制御部14は、AD変換器6の入力信号(センサ信号)を変換してアクチュエータ3の作動を制御する制御信号(加振信号)をDA変換器7に出力する制御系本体のプログラムである。図示例の制御部14は、制御対象9の固有振動数fnの近傍以上又は以外の周波数を遮断するフィルタ処理部15(フィルタ関数Gfil(s)を含む)と、上述したオープンループ8(アクチュエータ3+制御対象9+センサ2)の位相特性φを補償して一巡伝達関数(アクチュエータ3+制振対象9+センサ2+制振制御システム5)の位相特性を180度近傍にする位相補償処理部16(位相補償関数Gpc(s)を含む)と、ゲインkcを乗算する乗算処理部17とで構成されている((1)式参照)。AD変換器6からの入力信号sは、制御部14の各処理部15、16、17に通して周波数帯制限処理、位相補償処理、乗算処理を順次施したのち、加振信号としてDA変換器7に出力される。
制御部14のフィルタ処理部15は、スピルオーバー防止のために高周波数域でゲインが小さくなるような可変カットオフ周波数fcのフィルタ関数Gfil(s)を有し((2)式参照)、そのフィルタ関数Gfil(s)にAD変換器6からの入力信号を通して制振対象9の固有振動数fnの近傍以上の高周波数域(又は固有振動数fnの近傍以外の高周波数域及び低周波数域)の通過を遮断する。一般的にフィルタ関数Gfil(s)の特性は、その通過域(pass band)の端となるカットオフ周波数fc(通過域より通過特性が3dB程度減衰した固有振動数fn近傍の周波数)で定めることができる。フィルタ処理部15のフィルタ関数Gfil(s)は、カットオフ周波数fcを任意に設定することができ、通過又は遮断する周波数範囲を調節できるものである。
フィルタ関数Gfil(s)の一例は(2)式のような段数n・減衰率ζcのバンドパス・フィルタであり、(2)式においてωn(=2π・fn)は固有振動数fnに対応する角振動数を表す。(2)式のフィルタ関数Gfil(s)の1段分(段数n=1)のゲイン特性及び位相特性(ボード線図)を図5に示す。同図から分かるように、このフィルタ関数Gfil(s)は固有振動数fnにおいてゲインが1となり、固有振動数fnから離れた周波数になるほどゲインが小さくなり、減衰率ζcが小さいほどゲインの山は急峻となって固有振動数fn近傍以外の周波数の減衰が大きくなる。周波数の減衰はバンドパス・フィルタの段数nによっても異なる。すなわち、(2)式のフィルタ関数Gfil(s)は、減衰率ζc及び段数nによってカットオフ周波数fcを任意に設定することができる。ただし、フィルタ関数Gfil(s)は(2)式に限定されるものではなく、例えばローパス・フィルタとすることも考えられ、またカットオフ周波数fcを任意に設定できるバターワース(Butterworth)フィルタ、チェビシェフ(Chebyshev typeI)フィルタ、逆チェビシェフ(Chebyshev typeII)フィルタ、楕円(Elliptic)フィルタ等を用いることも可能である。
フィルタ関数Gfil(s)のカットオフ周波数fc(例えば(2)式の段数n及び減衰率ζc)は、制振効果と高周波数域のスピルオーバーに対するロバスト性とのトレードオフにより決定する。カットオフ周波数fcが高くなる(固有振動数fnから離れる)ほど、固有振動数fnにおける制振効果は高くなるが、高周波数域でのゲインが高くなるためスピルオーバーの可能性が生じる。図6(A)は、(2)式のフィルタ関数Gfil(s)の段数nと減衰率ζcとの関係を、フィルタ関数Gfil(s)による制御時の1次モード(固有振動数fn)の振動伝達率(=制振対象の応答加速度/加振力)と非制御時の振動伝達率との比(=制御時/非制御時)として表したものである。何れの段数nにおいても、ある限界値(安定限界)までは減衰率ζcの増大により制振性能は向上するが、減衰率ζcがその限界値を超えるとスピルオーバーの影響により制御性能が極端に悪化してしまう。同図から分かるように、(2)式における段数nに応じた減衰率ζc、すなわちカットオフ周波数fcを安定限界より若干小さく(固有振動数fnに近付けた側に)設定すれば、スピルオーバーを抑えつつ固有振動数fnの振動を効果的に抑制できる。
ただし、制振対象9の振動特性は様々であり、とくに高次の振動特性の推定は困難であることから、フィルタ関数Gfil(s)のカットオフ周波数fcは、実際に適用する制振対象9の振動特性とアクティブ制振装置1の構成とに応じて決定する必要がある。図6(B)は、2段(段数n=2)とした(2)式のフィルタ関数Gfil(s)の減衰率ζcと制振性能との関係を、3種類の制振対象9(建築構造物を想定した床モデル)について示したものである。同図から分かるように、フィルタ関数Gfil(s)のカットオフ周波数fc((2)式の減衰率ζc)の安定限界は制振対象9の種類によって異なる。同図は同じ構成のアクチュエータ3及びセンサ2を用いた場合を示すが、カットオフ周波数fcの安定限界はアクティブ制振装置1の構成によっても相違しうる。本発明では、後述するフィルタ特性設定部22によって制振対象9の振動特性とアクチュエータ3及びセンサ2の特性とに応じた安定限界のカットオフ周波数fcを検出し、その安定限界よりある程度小さい(固有振動数fnに近付けた)カットオフ周波数fcをフィルタ関数Gfil(s)に設定する。
制御部14の位相補償処理部16は、上述したアクチュエータ3と制御対象9とセンサ2とを含むオープンループ8の位相特性φを補償する位相補償関数Gpc(s)を有し、フィルタ処理部15の出力信号を位相補償関数Gpc(s)に通して固有振動数fnにおける位相特性φを補償する。一般的にアクティブ制振装置1の原理は減衰を付加することで制振を行うものであり、制振対象9の(絶対)速度に対して逆位相の力をかけることで振動エネルギーを吸収する。力をかけるタイミングがずれると、十分な制振効果が得られないばかりか不安定な制御系となる可能性もある。図12(B)のブロック図において、固有振動数fn付近のセンサ2、アクチュエータ3及び制振制御システム5の特性に急激な位相変化がないとすれば、制振の観点からは、制振制御システム5とアクチュエータ3と制振対象9とセンサ2とで構成されるシステム全体の一巡伝達関数の位相特性が、固有振動数fnにおいて180度(又は−180度)となっていることが理想的である。すなわち、同図のオープンループ8の固有振動数fnにおける位相特性φに対し、制振制御システム5の固有振動数fnにおける位相特性がφcon(=−φ+180°)であることが望ましい。位相補償処理部16の位相補償関数Gpc(s)は、固有振動数fnにおける一巡伝達関数の位相特性が180度近傍となるようにオープンループ位相特性φを補償するものである。
位相補償関数Gpc(s)の一例は、(4)式の比例ゲインkp、積分ゲインki、微分ゲインkdを用いた(3)式のPID位相補償関数Gpc(s)である。(4)式のαは0〜1の任意の定数であるが、固有振動数fnを中心としたバランスを考えるとα=0.5程度が適当である。図4は、α=0.5とした(3)式の位相補償関数Gpc(s)のゲイン特性及び位相特性(ボード線図)を示す。同図から分かるように、(3)式の位相補償関数Gpc(s)は固有振動数fnでゲインが1(=0dB)となり、ゲインに関してはオープンループ8の位相特性がφでも(180−φ)でも同じになる。図1の実施例では、記憶部12に設定されたオープンループ位相特性φに基づき、(4)式の比例ゲインkp、積分ゲインki、微分ゲインkdを決定する。ただし、位相補償関数Gpc(s)は(3)式及び(4)式に限定されるものではなく、一巡伝達関数の位相特性が180度近傍となるようにオープンループ位相特性φを補償する他の位相補償関数Gpc(s)、例えば(5)式及び(6)式のような位相補償関数Gpc(s)を用いることも可能である。(5)式及び(6)式の位相補償関数Gpc(s)を用いる場合は、オープンループ位相特性φに基づき(5)式及び(6)式のαを決定する。
制御部14の乗算処理部17は、位相補償処理部16の出力信号にゲインkcを乗算して振幅を調整する。乗算処理部17のゲインkcは、上述したカットオフ周波数fcのフィルタ処理部15と位相特性φcon(=−φ+180°)の位相補償処理部16とを含む制御部14が最適又は最適に近い制振効果を発揮できる値に決定する。本発明では、後述するフィルタ特性設定部22により、振動特性パラメタに基づき振動モードが1次のみでアクチュエータ3及びセンサ2の時間遅れがない理想的な振動系を想定し、そのような理想的な振動対象9の伝達関数と、カットオフ周波数fcのフィルタ処理部15と、位相特性φconの位相補償処理部16と、ゲインkcの乗算処理部17とからなる閉ループにおいて、ゲインkcを変えながら制振効果が最大となる(応答加速度/加振力の伝達関数の最大値が最小となる)ゲインを検出し、そのゲイン又は若干小さいゲインを最適ゲインkcとして乗算処理部17に設定する。位相補償処理部16のゲイン特性がフラットなときは、フィルタ特性設定部22によりカットオフ周波数fcに応じた最適ゲインkcを検出することになる。最適ゲインkcの検出の迅速化を図るため、例えば単位質量の理想振動系を用いた上述の閉ループを想定し、その閉ループにおけるフィルタ処理部15のカットオフ周波数fcと対応する最適ゲインkcとの関係を予め計算して記憶部12に行列データT(図1参照)として記憶しておき、実際に適用する際にカットオフ周波数fcに応じた最適ゲインkcを行列データTから線形補間等により選択し、選択した最適ゲインkcにモード質量mを乗算して乗算処理部17に設定することができる。
また、例えば(3)式及び(4)の位相補償関数Gpc(s)を用いる場合のように、位相補償処理部16の影響によってフィルタ処理部15の効果が大きく異なるときは、乗算処理部17のゲインkcをオープンループ位相特性φに応じて決定することが望ましい。このような場合は、振動特性パラメタに基づく理想振動系に例えば(7)式のフィルタをかけて位相シフトを行い、そのようなフィルタをかけた振動対象9の伝達関数を含む閉ループにおいて最適ゲインkcを検出し、その最適ゲインkcを乗算処理部17に設定することができる。すなわち、カットオフ周波数fcとオープンループ位相特性φとに応じた最適ゲインkcを検出して乗算処理部17に設定する。また、異なる位相特性φ(例えば15°毎)のフィルタをかけた振動対象9を含む閉ループにおけるカットオフ周波数fcと最適ゲインkcとの関係を予め算出して記憶部12に行列データTとして記憶しておき、その行列データからカットオフ周波数fc及びオープンループ位相特性φに応じた最適ゲインkcを選択して乗算処理部17に設定してもよい。更に、減衰比ζの異なる制振対象9に対応するため、異なる減衰比ζの振動対象9を含む閉ループにおけるカットオフ周波数fcと最適ゲインkcとの関係を行列データTとして記憶部12に記憶しておき、その行列データから線形補間等によりカットオフ周波数fc及び減衰比ζに応じた最適ゲインkcを選択して乗算処理部17に設定することも可能である。
コンピュータ10のフィルタ特性設定部22は、図1のアクティブ制振制御システム5をアクチュエータ3と制振対象9とセンサ2とに接続したうえで、そのアクチュエータ3及びセンサ2の特性と制振対象9の振動特性とに応じて、上述したフィルタ処理部15の制御パラメタ(フィルタ関数Gfil(s)のカットオフ周波数fc)と乗算処理部17の制御パラメタ(ゲインkc)とを自動的に設定するプログラムである。フィルタ特性設定部22によるカットオフ周波数fc及びゲインkcの設定処理の流れ図の一例を図3に示す。
フィルタ特性設定部22は、先ず制御部14を停止したうえで、図3のステップS101において記憶部12から振動特性パラメタ(固有振動数fnとモード質量mとオープンループ位相特性φ、必要に応じて減衰比ζ)を読み込み、ステップS102においてフィルタ処理部15のカットオフ周波数fcを初期値24に設定し、そのカットオフ周波数fcの初期値24に応じてフィルタ関数Gfil(s)の制御パラメタ(例えば(2)式の段数n及び減衰率ζc)を算出する。制御部14は任意の方法で停止できるが、例えばAD変換器6と制御部14との間に切替スイッチ11を設け、その切替スイッチ11によりAD変換器6と制御部14との接続を切断し、AD変換器6をフィルタ特性設定部22に接続する。また、上述したようにカットオフ周波数fcが安定限界を超えて高くなる(固有振動数fnから離れる)と発振現象が発生することから、カットオフ周波数fcを徐々に低くしながら発振現象が発生しない安定限界を検出するため、ステップS102の初期値24は十分高い値(固有振動数fnから十分離れた値)とすることが望ましい。このような初期値24は、予め定めてフィルタ特性設定部22又は記憶部12に記憶しておくことができる。
図3のステップS103では、フィルタ特性設定部22のゲイン設定部23において、例えば振動特性パラメタfn、m、ζに基づく理想的な振動系を想定した上述の閉ループからカットオフ周波数fcに応じた乗算処理部17の制御パラメタ(最適ゲインkc)を算出し、又は記憶部12の行列データTから乗算処理部17の制御パラメタ(最適ゲインkc)を選択する。オープンループ位相特性φに応じた最適ゲインkcを求める必要がある場合は、ステップS103において、カットオフ周波数fcとオープンループ8の位相特性φとに応じた最適ゲインkcを求める。ステップS104において、フィルタ処理部15の制御パラメタ(この場合のカットオフ周波数fcは初期値)と乗算処理部17の制御パラメタ(最適ゲインkc)とを記憶部12に一旦格納する。
次いでステップS105において、記憶部12の制御パラメタfc、kcを制御部14のフィルタ特性設定部22及び乗算処理部17に設定したのち、制御部14を起動(制御部14をAD変換器6と接続)して制御を開始し、AD変換器6から制御対象9に加わる外乱のセンサ信号を入力する。更にステップS106〜S108において、所定時間制御を継続したのち制御部14を停止し、その所定時間内(例えば固有周期のn倍等)にAD変換器6からの入力信号の振幅が安定していたか否か、例えば入力信号の振幅が所定時間内に所定限界値を超えて発振したか否かを判定する。発振現象(不安定現象)を早期に発現させるため、例えばコンピュータ10に試験信号発生部21を設け(図1参照)、ステップS105において必要に応じて試験信号発生部21から短時間のパルス試験信号(加振信号)を出力することも考えられる。
図3のステップS102で十分高い初期値24を設定した場合は、ステップS108において所定限界値を超える発振(スピルオーバー)が発生するはずであるから、ステップS109へ進み、高周波数域でゲインが小さくなるようにカットオフ周波数fcを所定刻み値25だけ低い値に変更し、それに応じてフィルタ関数Gfil(s)のカットオフ周波数fcに関連する制御パラメタと最適ゲインkcとを更新する。このような所定刻み値25も、予め定めてフィルタ特性設定部22又は記憶部12に記憶しておくことができる。カットオフ周波数fcを変更したのちステップS103へ戻り、上述したステップS103〜S109のサイクルを繰り返すことにより、AD変換器6からの入力信号の振幅が所定時間内に所定限界値を超えない安定限界のカットオフ周波数fcを検出する。例えば、カットオフ周波数fcの最適値を安定限界値の3/4程度とし、ゲインkcの最適値はそのカットオフ周波数fcの最適値に対応した最適ゲインkcとする。こうして、アクティブ制振装置1の構成(アクチュエータ3及びセンサ2)と制振対象9の振動特性とに応じたフィルタ処理部15のカットオフ周波数fc及び乗算処理部17のゲインkcの最適値を決定することができる。決定されたカットオフ周波数fc及びゲインkcは記憶部12に記憶し(図1参照)、アクティブ制振装置1の実際の運用に供する(ステップS110)。
なお、フィルタ関数Gfil(s)のカットオフ周波数fcを安定限界よりある程度小さく設定すれば、スピルオーバーを防止しつつ制振対象9の制振性能を高めることができるが、例えばフィルタ関数Gfil(s)として(2)式のバンドパス・フィルタを用いた場合は、様々な制振対象(床モデル)9における固有振動数fnの振動を十分抑制するために、減衰率ζcを安定限界の3/4程度とすることが適切であることを本発明者は実験的に確認した。また、ゲインkcについても、例えば(2)式のバンドパス・フィルタ関数Gfil(s)と(3)式のPID位相補償関数Gpc(s)とを用いた場合は、高次モードのある制振対象(床モデル)9の振動を抑制するために、理想系において制振効果が最大となるゲインの0.7倍程度のゲインkcを用いるのが適切であることを実験的に確認した。従って、実際にフィルタ処理部15及び乗算処理部17に設定するカットオフ周波数fcは、様々な制振対象9においてスピルオーバーの発生を確実に防止できるように、図3の流れ図により決定される安定限界値に適当な低減率を乗じた値とする。
図3の流れ図によるフィルタ特性設定部22を用いれば、図1のアクティブ制振装置1を制振対象9に試行的に適用した状態で、カットオフ周波数fc及びゲインkcといった制御部14の制御パラメタを自動的に決定することができる。従って、従来のアクティブ制振装置1のように制御パラメタを事前に設計する手間を省くことができると共に、実際に適用するアクティブ制振装置1の構成と制振対象9の振動特性とに応じた適切な制御パラメタを選択することができ、制振性能の高い制振制御システム5とすることが期待できる。本発明のアクティブ制振制御システム5(及びアクティブ制振制御プログラム)の制振性能を確認するため、図9に示すようにデジタル信号処理装置(DSP)に実装した制御対象(床モデル)の振動特性31とセンサ特性32とアクチュエータ特性33とからなる仮想モデル30を用いて実験を行った。この実験結果を表1に示す。
図9の実験では、3種類の制御対象振動特性(床モデル)31と2種類のアクチュエータ特性33と3種類のセンサ特性32とをそれぞれ組み合わせた18種類の仮想モデル30を用い、AD変換器36及びDA変換器37を介して仮想モデル30が実装されたDSPと図1の制振システム5とを接続した。制振システム5の制御部14は(1)式とし、(2)式〜(4)式のフィルタ関数Gfil(s)及び位相補償関数Gpc(s)を用いた。なお、(2)式のフィルタ関数Gfil(s)の段数nは2段(n=2)とした。表1の減衰率ζc及びゲインkcの理論値と実験値とは、それぞれ18種類の仮想モデル30について、(1)式〜(4)式に基づき理論的に求めた解析値と、図3の流れ図により実際に作成したフィルタ特性設定部22のプログラムによる算出値を示す。表1の理論値及び実験値の比較から、両者に若干の違いはあるものの、図3の流れ図を用いた本発明の制振制御システム5により、理論値とほぼ一致する減衰率ζc(すなわちカットオフ周波数fc)とゲインkcとを自動的に算出できることが確認できる。
また、図9に示すように仮想モデル30を実装したDSPにAD変換器36及びDA変換器37を介して周波数特性分析器38を接続し、周波数掃引しながら制振制御システム5の試験信号発生部21(図1参照)により仮想外乱信号(加振信号)を仮想モデル30に印加し、本発明の制振制御システム5による制御時の1次モード(固有振動数fn)の振動伝達率と非制御時の振動伝達率との比(=制御時/非制御時)を周波数特性分析器38により計測した。この計測結果も表1に併せて示す。表1の振動伝達率比において、実験値と理論値はほぼ一致しており、制御パラメタを自動設定する本発明の制振制御システム5により理論値とほぼ同じ制振性能を得ることができることを確認できた。また、制御パラメタを自動設定する本発明の制振制御システムは、非制御時に比して、振動伝達率を床モデル1及び床モデル3では1次モードを20%程度に、床モデル2では1次モードを30%程度に低減することができ、本発明の制振制御システム5の妥当性を確認することができた。
図10は、面積9m×6.7m、厚さ120mmのコンクリート床(スラブ)に設置したアクティブ制振装置1に本発明を適用した実験結果を示す。同図の実験結果から分かるように、本発明の制振制御システム5でアクティブ制振装置1を制御することで、制御しない場合に比し、1次モード(固有振動数fn)の振動伝達率を約1/4(≒約25%)程度に低減することができた。また図11は、同じコンクリート床(スラブ)上にインパクトボールを落下させた場合の経時的な加速度波形の変化を示し、本発明の制振制御システム5を有するアクティブ制振装置1を適用することで、制御しない場合に比し、コンクリート床の振動を迅速に抑制できることを示す。図10及び図11の実験結果から、本発明の制振制御システム5を実際の建築構造物に適用した場合も、図9に示す仮想モデル30の場合と同様の高い制振性能が得られることを確認できた。なお、本発明は制振対象9の1次モードを主な対象とし、2次以上のモードについては劣化させない程度の制振を可能とするものであるが、本発明の応用により2次以上のモードを制振するようなアクティブ動吸収の制振制御システムとすることも期待できる。
こうして本発明の目的である「制振対象及び制振装置の特性に応じた制御パラメタを自動的に設計・調整できるアクティブ制振制御システム及びプログラム」を提供することができる。
好ましくは、図1に示すようにコンピュータ10に位相補償特性設定部20を設け、DA変換器7に固有振動数fnの加振信号を出力し、その出力信号とAD変換器6の入力信号との位相ずれからオープンループ8の位相特性φを検出して記憶部12に設定する。上述したように、制御対象9の位相特性φを90度と仮定して位相補償処理部16の位相補償関数Gpc(s)の制御パラメタを設定することも可能であるが、実際に適用する制御対象9の特性とアクチュエータ3及びセンサ2の構成とに応じたオープンループ8の位相特性φを検出して相補償関数Gpc(s)の制御パラメタを設定することにより、より制振性能の高い制振制御システム5とすることが期待できる。位相補償特性設定部20によるオープンループ位相特性φの検出処理及び制御パラメタの設定処理の流れ図を図2に示す。
位相補償特性設定部20は、先ず制御部14を停止したうえで、図2のステップS001において記憶部12から制振対象9の振動特性(固有振動数fn)を読み込み、ステップS002においてDA変換器7に固有振動数fnの加振信号(正弦波信号)を出力する。例えば図示例のようにコンピュータ10に試験信号発生部21を設け、位相補償特性設定部20により試験信号発生部21から固有振動数fnの加振試験信号(正弦波信号)を出力させる。次いでステップS003〜S005において、出力した加振信号により生じる制振対象9の振動(AD変換器6からの入力信号)が定常状態になるまで待機したのち、DA変換器7に出力した加振信号とAD変換器6に戻る入力信号との位相ずれを検出することによりオープンループの位相ずれφを検出する。
例えばステップS003において、予め定めた時間(例えば加振信号の周期のn倍等)だけ待機するか、センサ信号の振幅の変動がある一定値になるまで待機する方法が考えられる。ステップS004では、例えばDA変換器7への出力信号とAD変換器6からの入力信号との各々の最大値又は最小値(あるいはその両方)の発生時刻から位相ずれを検出することができる。更にステップS006〜S007において、検出したオープンループの位相ずれを記憶部12にオープンループ位相特性φとして記憶するとと共に、位相補償関数Gpc(s)のオープンループ位相特性φに関する制御パラメタ(例えば(4)式の比例ゲインkp、積分ゲインki、微分ゲインkd、又は(5)式及び(6)式のα)を算出し、算出したパラメタkp、ki、kd等を記憶部12に記憶する(図1参照)。
図2の流れ図による位相補償特性設定部20と、図3の流れ図によるフィルタ特性設定部22とを組み合わせれば、たとえアクチュエータ3及びセンサ2の位相特性φa、φs等が分からない場合でも、アクティブ制振装置1の制振性能を十分に発揮させるフィルタ処理部15、位相補償処理部16及び乗算処理部17の制御パラメタを自動的に設定することができ、制御パラメタの設計に関わるコストと手間を削減できると共に、より制振性能の高い制振制御システム5とすることができる。
図1の制振制御システム5のコンピュータ10は、振動特性パラメタを自動的に同定する制振対象特性同定部27を有し、制振対象9にアクティブ制振装置1を設置した状態で固有振動数fn、減衰比ζ、モード質量mといった振動特性パラメタを自動的に同定して記憶部12に設定している。上述したように制振対象特性同定部27は本発明に必須の構成ではないが、制振対象特性同定部27を設けることにより、例えば制振対象9の特性やアクチュエータ3及びセンサ2の特性が分からない場合でも、アクティブ制振装置1を制振対象9に設置するだけで制御パラメタを自動的に設計することが可能となるので、制御パラメタの設計に関わるコストと時間を大幅に削減することができ、アクティブ制振装置1の個体差等に影響されない制振制御システム5とすることが期待できる。制振対象特性同定部27による振動特性パラメタの同定処理の流れ図の一例を図7及び図8に示す。
図7は、制振対象特性同定部27により制振対象9の固有振動数fnを同定する処理の流れ図(アルゴリズム)を示す。先ず制振対象9の固有振動数fnが想定される範囲fmin−fmax(例えば建築構造物の床の場合は3〜20Hzの範囲)を定め、その範囲内で適当な刻み値(例えば0.001Hzの刻み値)で周波数を変化させながらDA変換器7に加振信号を出力する。例えば制振対象特性同定部27により、図1の試験信号発生部21から適当な刻み値で周波数を変化させながら加振試験信号(正弦波信号)を出力させる。その加振信号とAD変換器6に戻る入力信号との振幅比(=センサ信号/加振信号)を計測し、その振幅比を制振対象9の振動伝達率(=応答加速度/加振力)に変換するサイクルを繰り返すことにより、振動伝達率のゲインが極大点となる周波数fp(すなわち制振対象9の固有振動数fn)と、その周波数fpでのゲインGpとを同定することができる。
図7において、センサ信号及び加振信号の振幅比から制振対象9の振動伝達率を求めるためには、センサ2の特性(=センサ信号/加速度)とアクチュエータ3の特性(=加振力/加振信号)とが周波数毎に必要であるが、そのようなセンサ2の周波数特性及びアクチュエータ3の周波数特性は例えば0.01Hz刻みで予め求めてコンピュータ10の記憶部12に記憶しておくことができる(その間は線形補間で求める)。ただし、通常のセンサ2に関しては対象の周波数範囲内(fmin−fmax)ではフラットな特性を有する場合が多いので、アクチュエータ3の周波数特性のみを記憶しておけば足りる。また、例えばアクティブ制振装置1に振動センサ(加速度センサ)を取り付け、その振動センサの出力信号をコンピュータ10の制振対象特性同定部27に入力することにより、加振信号を出力すると同時にアクチュエータ3の周波数特性を自動的に計測することも可能である。
図7の流れ図では、先ず同図(A)において周波数範囲内(例えば3Hz〜20Hz)の適当な計測周波数f(t)(例えば10Hz)で振動伝達率のゲインG(t)を求めてGmaxとし、次に同図(B)において(f(t)−fmin)と(fmax−f(t))とを比較して差の大きい側に計測周波数f(t+1)を移動して(例えば大きい差の半分(fmax−f(t))/2ずらした15Hzに移動)して振動伝達率のゲインを求める。同図(C)において、周波数f(t)のゲインG(t)と周波数f(t+1)のゲインG(t+1)とを比較し、ゲインG(t+1)が大きければそのゲインG(t+1)をGmaxとすると共に周波数f(t)をfminとして周波数範囲内(fmin−fmax)を変更し、ゲインG(t)が大きければGmaxはそのままで周波数f(t+1)をfmaxとして周波数範囲内(fmin−fmax)を変更する。更に、同図(B)及び(C)の操作を周波数の移動距離が最小刻み値0.001Hzとなるまで繰り返し、最終的に極大ゲインGmax(=Gp)となる周波数fp(すなわち制振対象9の固有振動数fn)を同定する(同図(D))。ただし、加振信号の周波数を変化させる方法は図示例に限されるものではない。
図8は、制振対象特性同定部27により、制振対象9の減衰比ζと、アクチュエータ3・制御対象9・センサ2全体のオープンループ8のモード質量mとを同定する処理の流れ図(アルゴリズム)を示す。図7における振動伝達率のゲインが極大点となる周波数fp近傍(固有振動数fnの近傍)でゲインが1/√2となる周波数(ハーフパワーポイント)fq1、fq2を求めれば、その周波数fq1、fq2と極大振動数fp(固有振動数fn)及びそのゲインGpとから、(8)式(ハーフパワー法)により減衰比ζ及びモード質量mを同定することができる。図8は、ハーフパワーポイント周波数fq1、fq2を同定する処理の流れ図である。
図8の流れ図では、先ず同図(A)において固有振動数fnより高い周波数側において、減衰比4%近辺のハーフパワーポイントfq2に相当する計測周波数f(t)(=1.04fp)においてゲインG(t)を求める。次に同図(B)において、計測周波数f(t)で計測したゲインG(t)がGp/√2より小さければ所定刻み値fd(例えば0.064Hz)だけ低周波数側の計測周波数f(t+1)に移動し、Gp/√2より大きければ所定刻み値fdだけ高周波数側の計測周波数f(t+1)に移動してゲインG(t+1)を求めるサイクルを、Gp/√2のラインを超えるか又は以前計測した周波数に達するまで繰り返す。Gp/√2のラインを超えるか又は以前計測した周波数に達した場合は、次に同図(C)において、所定刻み値fdを半分にしたうえで、反対方向の計測周波数f(t+2)に移動してゲインG(t+2)を求めるサイクルを、同様にGp/√2のラインを超えるか又は以前計測した周波数に達するまで繰り返す。更に、同図(C)の操作を所定刻み値fdが最小刻み値0.001Hzとなるまで繰り返し、最もGp/√2のラインに近い周波数をハーフパワーポイントfq2として同定する。固有振動数fnより低い周波数側においても、同様の処理を繰り返すことにより、ハーフパワーポイントfq1を同定することができる。
本発明による制振制御システムの一実施例の構成を示す説明図である。 図1の制振制御システムにおける位相補償特性設定部の一例の流れ図である。 図1の制振制御システムにおけるフィルタ特性設定部の一例の流れ図である。 図1の制振制御システムにおける位相補償処理部の特性を示すグラフの一例である。 図1の制振制御システムにおけるフィルタ処理部の特性を示すグラフの一例である。 図1の制振制御システムにおけるフィルタ処理部の他の特性を示すグラフの一例である。 制振対象構造物の固有振動数(ピーク周波数)の同定方法の一例の説明図である。 制振対象構造物のハーフパワーポイントの同定方法の一例の説明図である。 図6の制振性能確認実験の実験装置の説明図である。 本発明の制振制御システムによるコンクリート床の制振性能を示す実験結果のグラフである。 本発明の制振制御システムによるコンクリート床の制振性能を示す他の実験結果のグラフである。 アクティブ制振装置の説明図である。
符号の説明
1…アクティブ制振装置 2…振動センサ
3…アクチュエータ 4…付加荷重(質量)
5…制振制御システム(コントローラ) 6…AD(アナログ/デジタル)変換器
7…DA(デジタル/アナログ)変換器 8…オープンループ
9…制御対象構造物 10…制御系(コンピュータ)
11…切替スイッチ 12…記憶部
14…制御部 15…フィルタ処理部
16…位相補償処理部 17…乗算処理部
18…信号加え合せ点 20…位相補償特性設定部
21…試験信号発生部 22…フィルタ特性設定部
23…ゲイン設定部 24…初期値
25…刻み値 27…制振対象特性同定部
30…仮想モデル 31…制御対象振動特性
32…センサ特性 33…アクチュエータ特性
34…加速度ゲイン 35…加速度ゲイン
36…AD(アナログ/デジタル)変換器 37…DA(デジタル/アナログ)変換器
38…周波数特性分析器

Claims (8)

  1. 制振対象の振動を検出するセンサに接続するAD変換器;制振対象を加振するアクチュエータに接続するDA変換器;制振対象の固有振動数fnとアクチュエータ・制御対象・センサ全体のモード質量mとその全体の固有振動数fnにおけるオープンループの位相特性φとを記憶する記憶部;前記AD変換器の入力信号に対し、前記固有振動数fnの近傍以上又は以外の周波数を遮断するフィルタ処理と、前記オープンループの位相特性φを補償する位相補償処理と、ゲインkcの乗算処理とを施した加振信号をDA変換器に出力する制御部;並びに前記フィルタ処理のカットオフ周波数fcを変えながら、そのカットオフ周波数fcと前記モード質量mとに応じた乗算処理のゲインkcによりAD変換器の入力信号の振幅が安定するか否かを判定するサイクルを繰り返して安定限界のカットオフ周波数fc及びゲインkcを検出し、その安定限界より小さいカットオフ周波数fc及びゲインkcを制御部に設定するフィルタ特性設定部を備えてなるアクティブ制振制御システム。
  2. 請求項1の制御システムにおいて、前記DA変換器に固有振動数fnの加振信号を出力し且つその出力信号とAD変換器の入力信号との位相ずれから前記オープンループの位相特性φを検出して記憶部に設定する位相補償特性設定部を設けてなるアクティブ制振制御システム。
  3. 請求項1又は2の制御システムにおいて、前記DA変換器に周波数の異なる加振信号を出力しながらその出力信号とAD変換器の入力信号との振幅比を計測するサイクルを繰り返し且つその振幅比の極大点近傍のデータから前記固有振動数fn及びモード質量mを検出して記憶部に設定する制振対象特性同定部を設けてなるアクティブ制振制御システム。
  4. 請求項3の制御システムにおいて、前記制振対象特性同定部により前記固有振動数fn及びモード質量mと共に制振対象の減衰比ζを検出して記憶部に設定し、前記フィルタ特性設定部により、前記フィルタ処理のカットオフ周波数fcを変えながらそのカットオフ周波数fcと前記モード質量m及び減衰比ζとに応じた乗算処理のゲインkcにより入力信号の振幅が安定するか否かを判定するサイクルを繰り返してなるアクティブ制振制御システム。
  5. 制振対象の振動を検出するセンサからの入力信号に応じて制振対象を加振するアクチュエータに加振信号を出力して制振対象の振動を抑制するためコンピュータを;制振対象の固有振動数fnとアクチュエータ・制御対象・センサ全体のモード質量mとその全体の固有振動数fnにおけるオープンループの位相特性φとを記憶する記憶手段;前記センサからの入力信号に対し、前記固有振動数fnの近傍以上又は以外の周波数を遮断するフィルタ処理と、前記オープンループの位相特性φを補償する位相補償処理と、ゲインkcの乗算処理とを施した加振信号をアクチュエータに出力する制御手段;並びに前記フィルタ処理のカットオフ周波数fcを変えながら、そのカットオフ周波数fcと前記モード質量mとに応じた乗算処理のゲインkcによりセンサからの入力信号の振幅が安定するか否かを判定するサイクルを繰り返して安定限界のカットオフ周波数fc及びゲインkcを検出し、その安定限界より小さいカットオフ周波数fc及びゲインkcを制御手段に設定するフィルタ特性設定手段として機能させるアクティブ制振制御プログラム。
  6. 請求項5の制御プログラムにおいて、前記アクチュエータに固有振動数fnの加振信号を出力し且つその出力信号とセンサからの入力信号との位相ずれから前記オープンループの位相特性φを検出して記憶手段に設定する位相補償特性設定手段を設けてなるアクティブ制振制御プログラム。
  7. 請求項5又は6の制御プログラムにおいて、前記アクチュエータに周波数の異なる加振信号を出力しながらその出力信号とセンサからの入力信号との振幅比を計測するサイクルを繰り返し且つその振幅比の極大点近傍のデータから前記固有振動数fn及びモード質量mを検出して記憶手段に設定する制振対象特性同定手段を設けてなるアクティブ制振制御プログラム。
  8. 請求項7の制御プログラムにおいて、前記制振対象特性同定手段により前記固有振動数fn及びモード質量mと共に制振対象の減衰比ζを検出して記憶手段に設定し、前記フィルタ特性設定手段により、前記フィルタ処理のカットオフ周波数fcを変えながらそのカットオフ周波数fcと前記モード質量m及び減衰比ζとに応じた乗算処理のゲインkcにより入力信号の振幅が安定するか否かを判定するサイクルを繰り返してなるアクティブ制振制御プログラム。
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