JP2008225125A - カラーフィルター用インク、カラーフィルター、画像表示装置、および、電子機器 - Google Patents

カラーフィルター用インク、カラーフィルター、画像表示装置、および、電子機器 Download PDF

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正也 柴谷
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Abstract

【課題】各部位での色むら、濃度むらが抑制され、個体間での特性の均一性に優れたカラーフィルターを提供すること、長時間にわたってインクジェットヘッドからの安定した吐出が可能であり、該カラーフィルターの製造に好適に用いることのできるインクジェット方式のカラーフィルター用インクを提供すること、また、前記カラーフィルターを備えた画像表示装置、電子機器を提供すること。
【解決手段】本発明のカラーフィルター用インクは、インクジェット方式によるカラーフィルターの製造に用いられるカラーフィルター用インクであり、顔料と、分散剤と、液性媒体とを含み、液性媒体は少なくとも液体Aと液体Bとを含み、前記液体Aの大気圧下における沸点は180〜290℃であり、液体Bの含有量は、5〜20wt%であり、分散剤と液体Bについて、溶解度パラメータが所定の関係を満足することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルター用インク、カラーフィルター、画像表示装置、および、電子機器に関するものである。
カラー表示を行う液晶表示装置(LCD)等には、一般に、カラーフィルターが用いられている。
カラーフィルターは、従来、着色剤、感光性樹脂、官能性モノマー、重合開始剤等を含む材料(着色層形成用組成物)で構成された塗膜を基板上に形成し、その後、フォトマスクを介して光を照射する感光処理、現像処理等を行う、いわゆるフォトリソグラフィー法を用いて製造されてきた。このような方法では、通常、基板のほぼ全面に、各色に対応する塗膜を形成し、その一部のみを硬化させ、それ以外の大部分を除去するという操作を繰り返すことにより、各色が重なり合わないようにカラーフィルターを製造する。このため、カラーフィルターの製造において形成される塗膜は、最終的に得られるカラーフィルターには、その一部のみが着色層として残存するのみで、その大部分が製造工程において除去されることとなる。このため、カラーフィルターの製造コストが上昇するばかりでなく、省資源の観点からも好ましくない。
一方、近年、インクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)を用いて、カラーフィルターの着色層を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような方法は、着色層形成用の材料(着色層形成用組成物)の液滴の吐出位置等の制御が容易で、着色層形成用組成物の無駄を少なくすることができるため、環境への負荷を低減することができ、また、製造コストも抑制することができる。
ところで、カラーフィルターの製造に用いる液滴吐出装置(産業用)は、プリンターに適用されるもの(民生用)とは全く異なるものであり、例えば、大量生産を行うため、大量の液滴を長時間にわたって吐出することが求められる。また、カラーフィルターの製造に用いる液滴吐出装置(産業用)では、プリンターに適用されるもの(民生用)で用いるインクに比べて、一般に、粘度が高いものであるため、吐出時の液切れも悪く、インクジェットヘッドの吐出口(ノズル)にインクが残存しやすい。この結果、長時間継続して吐出した場合、インクジェットヘッドの吐出口が目詰まりしたり、液滴の飛行曲がりが頻発する。このような過酷な条件下で、長時間にわたる吐出を安定して行うため、インクジェットヘッドを洗浄するクリーニングが定期的に行われる。インクジェットヘッドのクリーニングは、例えば、液滴吐出装置のカラーフィルター用の基板(ワーク)のない部分で液滴を吐出することによる行う方法(つば吐き)や、吸引手段を用いてインクジェットヘッド内に溜まっているインクを強制的に吸引する方法により行われる。このようなクリーニングが行われた液滴吐出装置の各部分では、通常、吐出によって発生した廃インクが、複数色混在している。このような廃インクは、通常、吸引等の手段によって除去される。しかしながら、従来のカラーフィルター用インクを用いた場合、混在した廃インクは、粘度が高く、また複数種の廃インクが混在することで、顔料等が凝集し、固化しやすい。また、カラーフィルター用インクは、一般に、民生用のインクと異なり、固化したインクを再分散することが難しい。このため、一定個所にクリーニングを繰り返すと、このように固化した廃インクは、除去されずに堆積し、固形物を形成する。このため、クリーニング時において、この固形物上に吐出を行うと、吐出した液滴が固形物と衝突して飛散し、飛散した液滴がインクジェットヘッドの吐出口付近に付着しやすかった。また、固形物とインクジェットヘッドとが接触する場合があった。このため、カラーフィルターの製造時において、従来のカラーフィルター用インクを用いた場合、インクジェットヘッドのクリーニングを十分に行った場合でも、長期間、液滴吐出を行うと、液滴の吐出が不安定化する問題を生じることがあった。このような問題を生じると、本来同一の着色濃度であることが求められる複数個の着色部の間での着色濃度のばらつきが発生してしまい、結果として、カラーフィルターの各部位での色むら、濃度むらが発生してしまったり、多数のカラーフィルター間での特性(特に、コントラスト比、色再現域等の色特性)にばらつきを生じ、カラーフィルターの信頼性は低いものとなってしまう問題があった。このような問題は、特に、着色剤として顔料を用いた場合に、顕在化しやすいものであった。
特開2002−372613号公報
本発明の目的は、長時間にわたってインクジェットヘッドからの安定した吐出が可能であり、各部位での色むら、濃度むらが抑制され、個体間での特性の均一性に優れたカラーフィルターの製造に安定的に好適に用いることができる、インクジェット方式のカラーフィルター用インクを提供すること、各部位での色むら、濃度むらが抑制され、個体間での特性の均一性に優れたカラーフィルターを提供すること、また、該カラーフィルターを備えた画像表示装置、電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のカラーフィルター用インクは、インクジェット方式によるカラーフィルターの製造に用いられるカラーフィルター用インクであって、
顔料と、前記顔料を分散させる分散剤と、前記顔料が分散する液性媒体とを含み、
前記液性媒体は、少なくとも、液体Aと、前記液体Aとは異なる液体Bとを含み、
前記液体Aの大気圧下における沸点は180〜290℃であり、
カラーフィルター用インク中の、前記液体Bの含有量は、5〜20wt%であり、
前記分散剤についての溶解度パラメータをSP(X)[(cal/cm1/2]、前記液体Bについての溶解度パラメータをSP(Y)[(cal/cm1/2]としたとき、|SP(X)−SP(Y)|≦2.3の関係を満足することを特徴とする。
これにより、長時間にわたって液滴吐出ヘッドからの吐出が可能であり、各部位での色むら、濃度むらが抑制され、個体間での特性の均一性に優れたカラーフィルターの製造に安定的に好適に用いることができる、インクジェット方式のカラーフィルター用インクを提供することができる。
本発明のカラーフィルター用インクでは、カラーフィルター用インク中の前記分散剤の含有量は、0.5〜10wt%であることが好ましい。
これにより、クリーニング時における液滴吐出ヘッドのノズルへの液滴等の付着を特に有効に防止し、長期間にわたって、安定して液滴の吐出が可能となり、製造されるカラーフィルターを、より高品質で個体間での特性の均一性に優れたものとすることができる。
本発明のカラーフィルター用インクでは、カラーフィルター用インク中の前記液体Aの含有量は、20〜80wt%であることが好ましい。
これにより、液性媒体の揮発等による液滴吐出ヘッドの目詰まりを好適に防止できるとともに、クリーニング時に吐出した廃インク中の液性媒体が揮発することを確実に防止、カラーフィルター用の液滴吐出ヘッドからの吐出性を特に優れたものとすることができる。また、各部位での色むら、濃度むらがより効果的に抑制され、個体間での特性の均一性が特に優れたカラーフィルターを、より長期間にわたって安定的に製造することができる。
本発明のカラーフィルター用インクでは、カラーフィルター用インク中の、前記液体Aの含有量をx[wt%]、前記液体Bの含有量をy[wt%]としたとき、4≦x/y≦15の関係を満足することが好ましい。
これにより、液滴吐出ヘッドの目詰まり、飛行曲がり等が長期にわたって抑制され、安定に液滴の吐出を行うことが可能になる。このため、製造されるカラーフィルターを、より高品質で個体間での特性の均一性に優れたものとすることができる。
本発明のカラーフィルター用インクでは、前記液体Bは、前記液体Aに対し任意の量比で溶解するものであることが好ましい。
これにより、長時間にわたって液滴吐出ヘッドによる液滴の吐出を特に安定して行うことができ、カラーフィルターの生産性を特に優れたものとすることができる。
本発明のカラーフィルター用インクでは、カラーフィルター用インクの25℃における粘度は、5〜15mPa・sであることが好ましい。
これにより、カラーフィルター用インクを吐出する液滴吐出ヘッドの目詰まり等を効果的に防止することができ、製造されるカラーフィルターを、より高品質で個体間での特性の均一性に優れたものとすることができる。
本発明のカラーフィルターは、本発明のカラーフィルター用インクを用いて製造されたことを特徴とする。
これにより、各部位での色むら、濃度むらが抑制され、個体間での特性の均一性に優れたカラーフィルターを提供することができる。
本発明の画像表示装置は、本発明のカラーフィルターを備えたことを特徴とする。
これにより、表示部の各部位での色むら、濃度むらが抑制され、個体間での特性の均一性に優れた画像表示装置を提供することができる。
本発明の画像表示装置は、液晶パネルであることが好ましい。
これにより、表示部の各部位での色むら、濃度むらが抑制され、個体間での特性の均一性に優れた画像表示装置を提供することができる。
本発明の電子機器は、本発明の画像表示装置を備えたことを特徴とする。
これにより、表示部の各部位での色むら、濃度むらが抑制され、個体間での特性の均一性に優れた電子機器を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
《カラーフィルター用インク》
本発明のカラーフィルター用インクは、カラーフィルターの製造(カラーフィルターの着色部の形成)に用いられるインクであり、特に、インクジェット方式によるカラーフィルターの製造に用いられるものである。
本発明のカラーフィルター用インクは、着色剤としての顔料、顔料を分散させる分散剤、顔料が分散する液性媒体、樹脂材料等を含むものである。
ところで、カラーフィルターの製造に用いる液滴吐出装置(産業用)は、プリンターに適用されるもの(民生用)とは全く異なるものであり、例えば、大量生産を行うため、大量の液滴を長時間にわたって吐出することが求められる。また、カラーフィルターの製造に用いる液滴吐出装置(産業用)では、プリンターに適用されるもの(民生用)で用いるインクに比べて、一般に、粘度が高いものであるため、吐出時の液切れも悪く、インクジェットヘッドの吐出口(ノズル)にインクが残存しやすい。この結果、長時間継続して吐出した場合、インクジェットヘッドの吐出口が目詰まりしたり、液滴の飛行曲がりが頻発する。このような過酷な条件下で、長時間にわたる吐出を安定して行うため、インクジェットヘッドを洗浄するクリーニングが定期的に行われる。インクジェットヘッドのクリーニングは、例えば、液滴吐出装置のカラーフィルター用の基板(ワーク)のない部分で液滴を吐出することによる行う方法(つば吐き)や、吸引手段によりインクジェットヘッド内に溜まっているインクを強制的に吸引する方法により行われる。このようなクリーニングが行われた液滴吐出装置の各部分では、通常、吐出によって発生した廃インクが、複数色混在している。このような廃インクは、通常、吸引等の手段によって除去される。しかしながら、従来のカラーフィルター用インクを用いた場合、混在した廃インクは、粘度が高く、また複数種の廃インクが混在することで、顔料等が凝集し、固化しやすい。また、カラーフィルター用インクは、一般に、民生用のインクと異なり、固化したインクを再分散することが難しい。このため、一定個所にクリーニングを繰り返すと、このように固化した廃インクは、除去されずに堆積し、固形物を形成する。このため、クリーニング時において、この固形物上に吐出を行うと、吐出した液滴が固形物と衝突して飛散し、飛散した液滴がインクジェットヘッドの吐出口付近に付着しやすかった。また、固形物とインクジェットヘッドとが接触する場合があった。このため、カラーフィルターの製造時において、従来のカラーフィルター用インクを用いた場合、インクジェットヘッドのクリーニングを十分に行った場合でも、長期間、液滴吐出を行うと、液滴の吐出が不安定化する問題を生じることがあった。すなわち、インクジェットヘッドに付着した廃インクや固形分が、目詰まりや、飛行曲がり等を誘発していた。また、混色した廃インクがカラーフィルターのセル内に混入したり、飛行曲がりによって吐出の目的となるセルに入らない場合があった。このような問題を生じると、得られるカラーフィルターに、混色したインクによって着色されたセル(不良点)が発生する。また、本来同一の着色濃度であることが求められる複数個の着色部の間での着色濃度のばらつきが発生してしまい、結果として、カラーフィルターの各部位での色むら、濃度むら、光漏れが発生してしまったり、多数のカラーフィルター間での特性(特に、コントラスト比、色再現域等の色特性)にばらつきを生じ、カラーフィルターの信頼性は低いものとなってしまう問題があった。
これに対し、本発明では、液性媒体は、構成する成分として、少なくとも、液体Aと、液体Aとは異なる成分で、分散剤を容易に溶解できる液体Bを含むものである。このため、クリーニング時に発生した廃インクの粘度が上昇した場合であっても、再度クリーニングを行った際に、吐出された液滴は、廃インクと速やかに混合するとともに、廃インク中の分散剤を容易に溶解できる。このため、廃インク中の分散剤は、凝集した顔料等を好適に再分散させることができる。結果として、廃インクの粘度上昇、固化を防止することができ、廃インクは、流動性を有することができる。このため、吸引等の手段によって好適に廃インクを除去することができる。このように、廃インクを好適に除去することで、固形物の発生を防止し、クリーニング時におけるインクジェットヘッドへの跳ね返った液滴の付着や、インクジェットヘッドと固形物との接触を防止することができる。以上により、本発明のカラーフィルター用インクを用いることで、インクジェットヘッドの目詰まりや、吐出した液滴の飛行曲がりを防止することができ、長期間にわたって安定して液滴の吐出を行うことができる。また、このようなカラーフィルター用インクを用いて製造されたカラーフィルターは、各部位での色むら、濃度むら、光漏れが抑制され、個体間での特性の均一性に優れたものとなる。また、製造されたカラーフィルターに、混色したインクによって着色されたセル(不良点)が発生することを防止することができる。
以下、本発明のカラーフィルター用インクを構成する各成分について詳細に説明する。
<着色剤>
カラーフィルターは、通常、異なる複数色の着色部(一般に、RGBに対応する3色の着色)を有している。着色剤は、通常、形成すべき着色部の色調に応じて選択される。カラーフィルター用インクを構成する着色剤としては、例えば、各種顔料、各種染料を用いることができる。
また、本発明において、カラーフィルター用インクは、着色剤として、顔料を含むものである。一般に、カラーフィルター用インクに顔料を用いた場合、得られるカラーフィルターは、高い光透過性を有しつつ、優れた色調および十分に高い着色濃度が得られる。また、長時間にわたって光が照射されるカラーフィルターには、カラーフィルターを構成する各材料に光や熱に対する耐性が要求されるが、顔料は、光や熱に対する耐性が優れており、このような要求を十分に満たすものである。
顔料インクを構成する顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2,3,5,17,22,23,38,81,48:1,48:2,48:3,48:4,49:1,52:1,53:1,57:1,63:1,112,122,144,146,149,166,170,176,177,178,179,185,202,207,209,254,101,102,105,106,108,108:1、C.I.ピグメントグリーン7,36,15,17,18,19,26,50、C.I.ピグメントブルー1,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,17:1,18,27,28,29,35,36,60,80、C.I.ピグメントイエロー1,3,12,13,14,17,34,35,35:1,37,37:1,42,43,53,55,73,74,81,83,93,94,95,97,108,109,110,129,138,139,150,151,153,154,157,168,184,185、C.I.ピグメントバイオレット1,3,14,16,19,23,50、C.I.ピグメントオレンジ5,13,16,20,20:1,36,43,104、C.I.ピグメントブラウン7,11,25,33等が挙げられる。
また、顔料としては、上記のような材料で構成された粉末に、例えば、親液化処理(後述する液性媒体に対する親和性を向上させる処理)等の表面処理を施したものを用いてもよい。これにより、例えば、カラーフィルター用インク中における顔料粒子の分散性、分散安定性を特に優れたものとすることができる。顔料に対する表面処理としては、例えば、顔料粒子表面をポリマーで改質する処理等が挙げられる。顔料の粒子表面を改質するポリマーとしては、例えば、特開平8−259876号公報等に記載されたポリマーや、市販の各種の顔料分散用のポリマーまたはオリゴマー等が挙げられる。
また、顔料としては、例えば、上記から選択される2種以上の成分を組み合わせて用いてもよい。
カラーフィルター用インク中において、顔料の平均粒径は、20〜200nmであるのが好ましく、30〜180nmであるのがより好ましい。これにより、カラーフィルター用インクを用いて製造されるカラーフィルターの耐光性を十分に優れたものとしつつ、カラーフィルターにおける消偏性(コントラスト)、発色性等を特に優れたものとすることができる。また、カラーフィルター用インク中における顔料の分散安定性を特に優れたものとすることができる。
カラーフィルター用インク中における顔料の含有率は、2.0〜20.0wt%であるのが好ましく、3.0〜15.0wt%であるのがより好ましい。顔料の含有率が前記範囲内の値であると、カラーフィルター用の液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)からの吐出性を特に優れたものとしつつ、製造されるカラーフィルターの耐久性を優れたものとすることができる。また、製造されるカラーフィルターにおいて、十分な着色濃度を確保することができる。
また、カラーフィルター用インクは、着色剤として、上述したような顔料に加え、染料を含んでいてもよい。
染料としては、例えば、アゾ染料、アントラキノン染料、縮合多環芳香族カルボニル染料、インジゴイド染料、カルボニウム染料、フタロシアニン染料、メチン、ポリメチン染料等が挙げられる。染料の具体例としては、例えば、C.I.ダイレクトレッド2,4,9,23,26,28,31,39,62,63,72,75,76,79,80,81,83,84,89,92,95,111,173,184,207,211,212,214,218,221,223,224,225,226,227,232,233,240,241,242,243,247、C.I.アシッドレッド35,42,51,52,57,62,80,82,111,114,118,119,127,128,131,143,145,151,154,157,158,211,249,254,257,261,263,266,289,299,301,305,319,336,337,361,396,397、C.I.リアクティブレッド3,13,17,19,21,22,23,24,29,35,37,40,41,43,45,49,55、C.I.ベーシックレッド12,13,14,15,18,22,23,24,25,27,29,35,36,38,39,45,46、C.I.ダイレクトバイオレット7,9,47,48,51,66,90,93,94,95,98,100,101、C.I.アシッドバイオレット5,9,11,34,43,47,48,51,75,90,103,126、C.I.リアクティブバイオレット1,3,4,5,6,7,8,9,16,17,22,23,24,26,27,33,34、C.I.ベーシックバイオレット1,2,3,7,10,15,16,20,21,25,27,28,35,37,39,40,48、C.I.ダイレクトイエロー8,9,11,12,27,28,29,33,35,39,41,44,50,53,58,59,68,87,93,95,96,98,100,106,108,109,110,130,142,144,161,163、C.I.アシッドイエロー17,19,23,25,39,40,42,44,49,50,61,64,76,79,110,127,135,143,151,159,169,174,190,195,196,197,199,218,219,222,227、C.I.リアクティブイエロー2,3,13,14,15,17,18,23,24,25,26,27,29,35,37,41,42、C.I.ベーシックイエロー1,2,4,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,39,40、C.I.アシッドグリーン16、C.I.アシッドブルー9,45,80,83,90,185、C.I.ベーシックオレンジ21,23等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
<液性媒体>
液性媒体(液状媒質)は、上述したような顔料を、分散する機能を有するものである。すなわち、液性媒体は、顔料の分散媒として機能するものである。そして、通常、液性媒体は、カラーフィルターを製造する過程において、その大部分が除去されるものである。
また、液性媒体は、構成する成分として、少なくとも、液体Aと、液体Aとは異なる成分である液体Bとを含む。液体Bは、分散剤を容易に溶解させることのできるものである。
液性媒体を構成する成分としては、例えば、エステル化合物、エーテル化合物、ヒドロキシケトン、炭酸ジエステル、環状アミド化合物等を用いることができ、中でも、(1)多価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等)の縮合物としてのエーテル(多価アルコールエーテル)や、多価アルコールまたは多価アルコールエーテルのアルキルエーテル(例えば、メチルエーテル、エチルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル等)、エステル(例えば、ホルメート、アセテート、プロピオネート等)、(2)多価カルボン酸(例えば、こはく酸、グルタル酸等)のエステル(例えば、メチルエステル等)、(3)分子内に少なくとも1つの水酸基と少なくとも1つのカルボキシル基とを有する化合物(ヒドロキシ酸)のエーテル、エステル等、(4)多価アルコールとホスゲンとの反応で得られるような化学構造を有する炭酸ジエステルが好ましい。
また、液体A、液体Bとして、それぞれ後述するような所定の条件を満足するものである。以下、液体A、液体Bについて説明する。
[液体A]
液体Aは、常温下で比較的揮発しにくい液体である。液性媒体が、このような液体Aを含むことで、液体Bが常温下で揮発しやすいものであっても、液性媒体全体として、揮発しにくくなり、長時間にわたって安定して液滴の吐出が可能となる。
具体的には、液体Aの大気圧(1気圧)下における沸点は、180〜290℃である。液体Aの大気圧下における沸点が、前記範囲内の値であると、カラーフィルター用インクを吐出する液滴吐出ヘッドにおける目詰まり等をより効果的に防止することができ、カラーフィルターの生産性を特に優れたものとすることができる。また、クリーニング時に吐出した廃インク中の液性媒体が揮発して、廃インクの粘度が上昇することを効果的に防止することができる。このため、液滴吐出装置のクリーニングを行った部位において、廃インクの除去が容易になり、廃インクが固化した固形分の発生を確実に防止することができる。このため、長期間にわたって安定して液滴の吐出が可能になる。これに対し、液体Aの沸点が前記下限値未満だと、吐出時において、カラーフィルターインク中の液性媒体が揮発しやすくなり、目詰まりや飛行曲がりが頻発する。また、クリーニングで吐出された廃インク中の液性媒体が揮発しやすくなり、廃インクの粘度上昇が顕著なものとなる。この結果、長期間にわたって、安定して液滴の吐出を行うことができない。一方、液体Aの沸点が前記上限値を超えると、吐出後のカラーフィルター用基板上にあるカラーフィルター用インク中の液性媒体を好適に除去することが困難となる。このため、比較的高温で液性媒体の除去を行うことが必要となり、製造されるカラーフィルターは、熱によって、変質、変形したものが多いものとなり、個体間の均一性に欠ける。また、乾燥時に着色剤等の材料が変質する場合がある。液体Aの沸点は上述範囲内であれば良いが、190〜280℃であるのがより好ましく、より顕著な効果を得ることができる。また、本明細書中において、特に断りのない限り、沸点は、大気圧(1気圧)下における沸点のことを指す。
また、液体Aの20℃における蒸気圧は、0.10mmHg以下であるのが好ましい。液性媒体の蒸気圧が十分に低いと、カラーフィルター用インクを吐出する液滴吐出ヘッドにおける目詰まり等をより効果的に防止することができ、カラーフィルターの生産性を特に優れたものとすることができる。また、クリーニング時に吐出した廃インク中の液性媒体が揮発して、廃インクの粘度が上昇することを効果的に防止することができる。このため、液滴吐出装置のクリーニングを行った部位において、廃インクの除去が容易になり、廃インクが固化した固形分の発生を確実に防止することができる。このため、長期間にわたって安定して液滴の吐出が可能になる。なお、本明細書中において、特に断りのない限り、蒸気圧は、20℃における蒸気圧のことを指す。
カラーフィルター用インク中における液体Aの含有量は、20〜80wt%であるのが好ましく、48〜72wt%であるのがより好ましい。液体Aの含有率が前記範囲内の値であると、液性媒体の揮発等によるインクジェットヘッドの目詰まりを好適に防止できるとともに、クリーニング時に吐出した廃インク中の液性媒体が揮発することを確実に防止できる。また、カラーフィルター用インクの粘度を適度なものとすることができ、カラーフィルター用の液滴吐出ヘッドからの吐出性を特に優れたものとすることができる。また、製造されるカラーフィルターにおいて、耐久性を優れたものとしつつ、十分な着色濃度を確保することができる。
液体Aとしては、前述したような範囲の沸点を有しているものであれば特に限定されないが、例えば、2−(2−メトキシ−1−メチルエトキシ)−1−メチルエチルアセテート、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ビス(2−ブトキシエチル)エーテル、グルタル酸ジメチル、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、オクタン酸エチル、こはく酸ジメチル、エチレングリコール、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジn−ブチレート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、メチルプロピレントリグリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジアセチン、ブチルグリコレート等が挙げられる。液体Aは、上述した液体の中でも、1,3−ブチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジアセテート、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ビス(2−ブトキシエチル)エーテルから選択される液体であるのが好ましい。これにより、カラーフィルター用インクを吐出する液滴吐出ヘッドの目詰まりや廃インクの固化等を特に効果的に防止することができ、製造されるカラーフィルターを、より高品質で個体間での特性の均一性に優れたものとすることができる。
[液体B]
液体Bは、後述する分散剤を容易に溶解させることのできるものである。このような液体Bを含むことで、カラーフィルター用インクは、顔料の分散性に優れたものとなる。また、粘度が上昇した廃インクや、顔料等が凝集して固化した固形物等に対し、カラーフィルター用インクを吐出することで、廃インクの粘度を低下させ、固形物中の顔料等を再分散させることができる。
本発明においては、液体Bと分散剤との溶解性の指標として溶解性パラメータを用いる。以下、溶解性パラメータ(SP値)について説明する。
溶解性パラメータ(SP値)δ[(cal/cm1/2]は、複数の物質の相溶性および親和性の指標として用いられるものであり、下記式(A)に表される式で定義される。
δ=(ΔE/V1/2÷2.046[(cal/cm1/2
‥‥ (A)
ただし、ΔE[10N・m・mol−1]は蒸発熱、V[m・mol−1]は1molあたりの体積である。二つの物質の溶解性パラメータの差は、その二つの物質が相溶するために必要なエネルギーと密接な関係が有り、溶解性パラメータの差が小さいほど二つの物質が相溶するために必要なエネルギーは小さなものとなる。すなわち、二つの物質が存在した場合、一般に、溶解性パラメータの差が小さいほど、親和性が高く、相溶性が高いものとなる。
溶解性パラメータは、実験によって求めることもできるが、計算によって求めることもできる。計算によって溶解性パラメータを求める方法は、いくつか提案されており、例えば、比較的高分量の材料に関しては、Smallの方法(P.A.Small:J.Appl.Chem,3,71(1953))を用いることができる。また、比較的低分子量の材料に関しては、Hildebrandの方法 (J.H.Hildebrand and R.L.Scott:The Solubility of Non−Electrolytes,ACS Monograph Series,1950)を用いることができる。これらの方法を用いることにより、溶解性パラメータをより妥当な値として得ることができ、溶解パラメータを求めることが容易なものとなる。
このため、本発明では、溶解性パラメータは、分散剤に関しては、Smallの方法を用い、液性媒体を構成する液体に関しては、Hildebrandの方法を用いることで、容易に溶解性パラメータとして妥当な値が得ることができる。また、上述したような方法で計算ができない材料に関しては、「溶解性テスト」(「溶剤ポケットハンドブック」、p22、有機合成化学協会編)に準拠して、溶解度パラメータを求めることことができる。なお、材料の溶解度パラメータが公知である場合、溶解度パラメータは、その値を用いるものであっても良い。
このような溶解度パラメータを用い、分散剤についての溶解度パラメータをSP(X)[(cal/cm1/2]、液体Bについての溶解度パラメータをSP(Y)[(cal/cm1/2]としたとき、分散剤と液体Bとは、|SP(X)−SP(Y)|≦2.3の関係を満足するものである。分散剤と液体Bとがこのような関係を満足することにより、分散剤は、好適に液体Bに溶解することができる。このため、粘度が上昇した廃インクや、顔料等が凝集して固化した固形物等に対し、カラーフィルター用インクを吐出することで、液滴に含まれる液体Bが廃インク中の分散剤を速やかに溶解し、結果として廃インクの粘度を低下させ、固形物中の顔料等を再分散させることができる。これに対し、分散剤と液体Bとが、上述したような関係を満足できない場合、分散剤は、液体Bに好適に溶解することができない。このため、クリーニングによって発生した廃インクの粘度上昇や、廃インクの固化による固形物の発生を防止できない。結果として、インクジェットヘッドの目詰まり等のトラブルが発生しやすくなり、長期間、安定して液滴を吐出することができない。
なお、分散剤として、複数種の成分が含まれる場合、分散剤のSP値は、それらの成分のSP値をその成分のモル分率によって相加平均し、求めることができる。
液体Bとしては、前述したような溶解パラメータの関係を満たすものであればよいが、例えば、2−(2−メトキシ−1−メチルエトキシ)−1−メチルエチルアセテート)、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ビス(2−ブトキシエチル)エーテル、グルタル酸ジメチル、エチレングリコールジn−ブチレート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、1,6−ジアセトキシヘキサン、メチルプロピレントリグリコール、ブトキシプロパノール、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、3−メトキシブチルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、オクタン酸エチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、酢酸シクロヘキシル、こはく酸ジエチル、エチレングリコールジアセテート、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、こはく酸ジメチル、1−ブトキシ−2−プロパノール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシ−n−ブチルアセテート、ジアセチン、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ブチルグリコレート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。上述した液体の中でも、液体Bとして、酢酸シクロヘキシル、3−エトキシプロピオン酸エチルを用いるのが好ましい。これにより、カラーフィルター用インクを吐出する液滴吐出ヘッドの目詰まりや、クリーニング後の廃インクの粘度上昇等を効果的に防止することができ、製造されるカラーフィルターを、より高品質で個体間での特性の均一性に優れたものとすることができる。
カラーフィルター用インク中における液体Bの含有量は、5〜20wt%である。液体Bの含有量が前記範囲内であると、範囲内であると、廃インク中に含まれる分散剤は、吐出されたカラーフィルター用インク中に含まれる液体Bに速やかに溶解することができる。このため、粘度が上昇した廃インクや、顔料等が凝集して固化した固形物等に対し、カラーフィルター用インクを吐出することで、容易に、廃インクの粘度を低下させ、固形物中の顔料等を再分散させることができる。このため、吸引等の手段によって、廃インクを除去することが容易になる。これに対し、液体Bの含有量が前記下限値未満だと、吐出されたカラーフィルター用インク中の液体Bは、廃インク中に含まれる分散剤を十分には溶解することができない。このため、クリーニング時に、廃インクに対してカラーフィルター用インクを吐出しても、廃インクの粘度を下げることが困難になる。このため、廃インクが固化した固形物による、インクジェットヘッドの目詰まり等のトラブルが発生しやすくなり、長期間、安定して液滴を吐出することができない。一方、液体Bの含有量が前記上限値を超えると、液体Bの含有量の増加に応じて液体Aの含有量が減ってしまうため、カラーフィルター用インクを吐出する際に、液性媒体が揮発しやすくなり、目詰まりや、飛行曲がり等のトラブルがおきやすくなる。このため、長期間、安定して液滴を吐出することができない。カラーフィルター用インク中における液体Bの含有量は、上述した範囲内であれば良いが、7〜18wt%であるのが好ましく、上述した効果をより顕著に得ることができる。
また、カラーフィルター用インク中の、前記液体Aの含有量をx[wt%]、前記液体Bの含有量をy[wt%]としたとき、4≦x/y≦15の関係を満足することが好ましく、3.5≦x/y≦12の関係を満足することがより好ましい。液体Aの含有量と液体Bの含有量との関係が前記範囲内であると、吐出時における、液性媒体の揮発を十分に防止しつつ、クリーニング時において、廃インクの粘度上昇、固化を確実に防止することができる。結果として、液滴吐出ヘッドの目詰まり、飛行曲がり等が長期にわたって抑制され、安定に液滴の吐出を行うことが可能になる。このため、製造されるカラーフィルターを、より高品質で個体間での特性の均一性に優れたものとすることができる。
また、液体Bは、液体Aに対し、任意の量比で溶解するものであるのが好ましい。これにより、クリーニング時に、粘度が上昇した廃インクに対し、カラーフィルター用インクを液滴として吐出すると、液滴に含まれる液性媒体が速やかに廃インクを希釈することができ、容易かつ確実に、廃インクの粘度を低下させることができる。また、顔料等が凝集してできた固形物を容易に分散することができる。この結果、長時間にわたって、液滴吐出ヘッドによる液滴の吐出を特に安定して行うことが可能となる。
また、液性媒体は、液体A、液体Bに加え、他の液体を含むものであっても良い。
<分散剤>
カラーフィルター用インク中には、分散剤が含まれる。これにより、カラーフィルター用インクは、顔料の分散安定性を優れたものとすることができる。このため、カラーフィルター用インクの粘度を適度なものとすることができるとともに、クリーニング時に発生する廃インクの粘度上昇、廃インクの固化を防止することができる。また、上述したように、分散剤は、液体Bに溶解することが容易なものである。このため、廃インクが粘度上昇した場合や、固化した場合であっても、クリーニングによって、廃インクに液体Bを含むカラーフィルター用インクが付着することで、廃インク中に含まれる分散剤が、カラーフィルター用インクに容易に溶解し、この結果、固化、粘度上昇した廃インクを流動化、低粘度化させることができる。また、カラーフィルター用インク中での顔料の分散性が良好となるので、カラーフィルター用インクの保存安定性を優れたものとすることができる。
カラーフィルター用インク中における分散剤の含有量は、0.5〜10wt%であるのが好ましい。分散剤の含有量が前記範囲内であると、カラーフィルターインク中の顔料の分散性を高いものとでき、クリーニングによって発生した廃インクの粘度上昇、固化を確実に防止することができる。この結果、クリーニング時における液滴吐出ヘッドのノズルへの液滴等の付着を特に有効に防止し、長期間にわたる安定した液滴の吐出が可能となる。
また、カラーフィルター用インク中における液体Bの含有量をy[wt%]、分散剤の含有量をz[wt%]としたとき、0.32≦z/y≦3.0の関係を満足することが好ましい。液体Bの含有量と分散剤の含有量との関係が前記範囲内であると、カラーフィルター用インク中における顔料の分散性を特に優れたものとすることができ、カラーフィルター用インクの保存安定性を特に優れたものとすることができる。また、クリーニング時において、吐出された液滴が速やかに廃インク中に含まれる分散剤を溶解させることができる。また、吐出された液滴が少量であっても、廃インク中に含まれる分散剤を好適に溶解させることができる。このため、廃インクの粘度上昇、固化を確実に防止することができ、長期間にわたる安定した液滴の吐出が可能となる。
カラーフィルター用インクに用いることのできる分散剤としては、上述した溶解性パラメータの関係を満たすものであればよいが、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤が挙げられる。界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類;ソルビタン脂肪酸エステル類;脂肪酸変性ポリエステル類;3級アミン変性ポリウレタン類;ポリエチレンイミン類等のほか、以下商品名で、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(トーケムプロダクツ社製)、メガファック(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(以上、旭硝子(株)製)、DisperBYK(ビックケミー・ジャパン(株)製)、ソルスパース3000,5000,11200,12000,13240,13650,13940,16000,17000,18000,20000,21000,22000,24000SC,24000GR(日本ルブリゾール(株)製)等が挙げられる。
また、分散剤としては、例えば、下記式(I)および下記式(II)で表される部分構造を有する化合物を用いることができる。このような化合物を分散剤として用いることにより、カラーフィルター用インク中における着色剤(顔料)の分散性を特に優れたものとすることができるとともに、カラーフィルター用インクの吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
Figure 2008225125
(式中、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、又は置換されていてもよい環状若しくは鎖状の炭化水素基を表すか、R、R及びRのうち2つ以上が互いに結合して環状構造を形成する。Rは水素原子又はメチル基を表す。Xは2価の連結基を表し、Yは対アニオンを表す。)
Figure 2008225125
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表す。Rは置換基を有していてもよい環状又は鎖状のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表す。)
<樹脂材料>
カラーフィルター用インクは、通常、樹脂材料(バインダー樹脂)を含むものである。これにより、製造されるカラーフィルターにおいて、着色層を基板との密着性に優れたものとすることができ、カラーフィルターの耐久性を優れたものとすることができる。
カラーフィルター用インクを構成する樹脂材料としては、各種熱可塑性樹脂、各種熱硬化性樹脂等、いかなる樹脂材料を用いてもよいが、エポキシ系樹脂であるのが好ましい。エポキシ系樹脂は、透明性が高く、硬度が高いものであるとともに、熱収縮量が小さい。このため、着色部の基板への密着性を特に優れたものとすることができる。また、カラーフィルター用インクを構成する樹脂材料としては、エポキシ系樹脂の中でも、特に、シリルアセテート構造(SiOCOCH)と、エポキシ構造とを有するエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。これにより、インクジェット方式による液滴吐出を好適に行うことができるとともに、着色層と基板との密着性を特に優れたものとすることができ、カラーフィルターの耐久性を特に優れたものとすることができる。
カラーフィルター用インク中における樹脂材料の含有率は、0.5〜40wt%であるのが好ましい。樹脂材料の含有率が前記範囲内の値であると、インクの粘度上昇を抑制しつつ塗膜強度(着色部の物理的強度)を優れたものとすることができる。また、カラーフィルター用の液滴吐出ヘッドからの吐出性を特に優れたものとしつつ、製造されるカラーフィルターの耐久性を特に優れたものとすることができる。また、製造されるカラーフィルターにおいて、十分な色濃度を確保することができる。これに対し、樹脂材料の含有率が低すぎると、カラーフィルター用インクの吐出性が低下したり、形成される着色部の硬度が低下し製造されるカラーフィルターの耐久性が低下する。一方、樹脂材料の含有率が高すぎると、製造されるカラーフィルターにおいて、十分な耐熱性を確保するのが困難となり、その結果色変化が大きくなる可能性がある。
なお、カラーフィルター用インクセットを構成する各インクで、樹脂材料の種類、含有率等の条件は同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
<その他の成分>
カラーフィルター用インクは、必要に応じて、種々の他の成分を含むものであってもよい。このような成分(他の添加剤)としては、例えば、各種架橋剤;各種重合開始剤;銅フタロシアニン誘導体等の青色顔料誘導体や黄色顔料誘導体等の分散助剤;ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフロロアルキルアクリレート等の高分子化合物;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤;メタノール、エタノール、i−プロパノール、n−ブタノール、グリセリン等のインクジェット吐出性能安定化剤;以下商品名で、エフトップEF301、同EF303、同EF352(以上、新秋田化成(株)製)、メガファックF171、同F172、同F173、同F178K(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子(株)製)、KP341(信越化学工業(株)製)、ポリフローNo.75、同No.95(以上、共栄社油脂化学工業(株)製)等の界面活性剤等が挙げられる。
また、カラーフィルター用インクは、熱酸発生剤や酸架橋剤を含有するものであってもよい。前記熱酸発生剤は、加熱により酸を発生する成分であり、その例としては、スルホニウム塩、ベンゾチアゾリウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩等が挙げられ、特に、スルホニウム塩およびベンゾチアゾリウム塩が好ましい。
カラーフィルター用インクの25℃における粘度は、特に限定されないが、5〜15mPa・sであるのが好ましく、6〜14mPa・sであるのがより好ましい。カラーフィルター用インクの粘度が前記範囲内の値であると、後述するようなインクジェット方式による液滴吐出において、吐出されるカラーフィルター用インクの液滴量のばらつきを特に小さいものとしつつ、液滴吐出ヘッドにおける目詰まりの発生等をより確実に防止することができる。また、クリーニングによって発生した廃インクの粘度上昇、固化を好適に防止でき、廃インクの除去を特に容易に行うことができる。なお、本発明において、粘度の値としては、振動式粘度計を用いて25℃で測定して求められる値を採用することができ、特に、JIS Z8809に準拠して25℃で測定して求められる値を採用することができる。
《インクセット》
上述したようなカラーフィルター用インクは、インクジェット方式によるカラーフィルターの製造に用いられるものである。カラーフィルターは、通常、フルカラー表示に対応するため、複数色の着色部(通常は、光の三原色に対応するRGBの3色)を有している。そして、これら複数色の着色部の形成には、それぞれに対応する色の複数種のカラーフィルター用インクが用いられる。すなわち、カラーフィルターの製造には、複数色のカラーフィルター用インクを備えるインクセットが用いられる。本発明においては、カラーフィルターの製造において、上述したようなカラーフィルター用インクが、少なくとも1種の着色部の形成に用いられるものであればよいが、全色の着色部の形成に用いられるのが好ましい。
《カラーフィルター》
次に、上述したようなカラーフィルター用インク(インクセット)を用いて製造されるカラーフィルターの一例について説明する。
図1は、本発明のカラーフィルターの好適な実施形態を示す断面図である。
図1に示すように、カラーフィルター1は、基板11と、上述したカラーフィルター用インクを用いて成形された着色部12とを備えている。着色部12としては、互いに異なる色の第1の着色部12A、第2の着色部12B、および第3の着色部12Cが設けられている。そして、隣接する着色部12の間には、隔壁13が設けられている。
<基板>
基板11は、光透過性を有する板状の部材で、着色部12、隔壁13を保持する機能を有している。
基板11は、実質的に透明な材料で構成されたものであるのが好ましい。これにより、カラーフィルター1を透過する光により、より鮮明な画像を形成することができる。
また、基板11は、耐熱性、機械的強度に優れたものであるのが好ましい。これにより、例えば、カラーフィルター1の製造時に加わる熱による変形等を確実に防止することができる。このような条件を満足する基板11の構成材料としては、例えば、ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ノルボルネン系開環重合体やその水素添加物等が挙げられる。
<着色部>
着色部12は、上述したようなカラーフィルター用インクを用いて形成されたものである。
着色部12は、上述したようなカラーフィルター用インクを用いて形成されたものであるため、各画素間での特性のばらつきが小さい。このため、カラーフィルター1は、色むら、濃度むらの発生が抑制された、信頼性が高いものとなっている。
各着色部12は、後述する隔壁13により囲まれた領域であるセル14内に設けられている。
第1の着色部12A、第2の着色部12B、および第3の着色部12Cは、互いに異なる色のものである。例えば、第1の着色部12Aを赤色フィルター領域(R)、第2の着色部12Bを緑色フィルター領域(G)、第3の着色部12Cを青色フィルター領域(B)とすることができる。そして、一組の異なる色の着色部12A、12B、12Cで1画素を構成している。そして、カラーフィルター1においては、その横方向および縦方向に、着色部12が所定数配置されている。例えば、カラーフィルター1が、ハイビジョン用のカラーフィルターである場合には1366×768個の画素が配置されており、フルハイビジョン用のカラーフィルターである場合には1920×1080個の画素が配置されており、スーパーハイビジョン用のカラーフィルターである場合には7680×4320個の画素が配置されている。なお、カラーフィルター1は、例えば、有効領域外に予備の画素を備えたものであってもよい。
<隔壁>
隣接する着色部12の間には、隔壁(バンク)13が設けられている。これにより、隣接する着色部12同士が混色してしまうのを確実に防止することができ、その結果、鮮明な画像を確実に表示することができる。
隔壁13は、透明な材料で構成されたものであってもよいが、遮光性を有する材料で構成されたものであるのが好ましい。これにより、コントラストに優れた画像を表示することができる。隔壁(遮光部)13の色は、特に限定されないが、黒色であるのが好ましい。これにより、表示される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
隔壁13の高さは、特に限定されないが、着色部12の膜厚よりも大きいものであるのが好ましい。これにより、隣接する着色部12の間での混色を確実に防止することができる。隔壁13の具体的な厚さは、0.1〜10μmであるのが好ましく、0.5〜3.0μmであるのがより好ましい。これにより、隣接する着色部12の間での混色を確実に防止することができるとともに、カラーフィルター1を備えた画像表示装置、電子機器における視野角特性を優れたものとすることができる。
隔壁13は、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、例えば、主として樹脂材料で構成されたものであるのが好ましい。これにより、後述するような方法で、隔壁13を容易に所望の形状を有するものとして形成することができる。また、隔壁13が遮光部としての機能を有するものである場合、その構成材料として、カーボンブラック等の光吸収性の材料を含むものであってもよい。
《カラーフィルターの製造方法》
次に、カラーフィルター1の製造方法の一例について説明する。
図2は、カラーフィルターの製造方法を示す断面図、図3は、カラーフィルターの製造に用いる液滴吐出装置を示す斜視図、図4は、図3に示す液滴吐出装置における液滴吐出手段をステージ側から観察した図、図5は、図3に示す液滴吐出装置における液滴吐出ヘッドの底面を示す図、図6は、図3に示す液滴吐出装置における液滴吐出ヘッドを示す図であり、(a)は断面斜視図、(b)は断面図、図7は、図3に示す液滴吐出装置におけるクリーニング機構の一部を示す断面図である。
図2に示すように、本実施形態では、基板11を準備する基板準備工程(1a)と、基板11上に隔壁13を形成する隔壁形成工程(1b、1c)と、インクジェット方式によりカラーフィルター用インク2を隔壁13で囲まれた領域に付与するインク付与工程(1d)と、カラーフィルター用インク2から液性媒体を除去し、固形状の着色部12とする着色部形成工程(1e)とを有している。
<基板準備工程>
まず、基板11を準備する(1a)。本工程で準備する基板11は、洗浄処理が施されたものであるのが好ましい。また、本工程で準備する基板11は、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理が施されたものであってもよい。
<隔壁形成工程>
次に、基板11の隔壁形成用の感放射線性組成物を基板11の一方の面のほぼ全体に付与し、塗膜3を形成する(1b)。なお、基板11上に感放射線性組成物を付与した後、必要に応じて、プリベーク処理を行ってもよい。プリベーク処理は、例えば、加熱温度:50〜150℃、加熱時間:30〜600秒という条件で行うことができる。
その後、フォトマスクを介して、放射線を照射して、ポストエキスポジャーベーク処理(PEB)を行い、さらに、アルカリ現像液を用いた現像処理を行うことにより、隔壁13が形成される(1c)。PEBは、例えば、加熱温度:50〜150℃、加熱時間:30〜600秒、放射線照射強度:1〜500mJ/cmという条件で行うことができる。また、現像処理は、例えば、液盛り法、ディッピング法、振動浸漬法等により行うことができ、現像処理時間は、例えば、10〜300秒とすることができる。また、現像処理の後、必要に応じて、ポストベーク処理を行ってもよい。ポストベーク処理は、例えば、加熱温度:150〜280℃、加熱時間:3〜120分という条件で行うことができる。
<インク付与工程>
次に、インクジェット方式により、カラーフィルター用インク2を、隔壁13で囲まれたセル14内に付与する(1d)。
本工程は、形成すべき複数色の着色部12に対応する複数種のカラーフィルター用インク2を用いて行う。この際、隔壁13が設けられているため、2種以上のカラーフィルター用インク2が混ざり合うことが確実に防止される。
カラーフィルター用インク2の吐出は、図3〜図7に示すような液滴吐出装置を用いて行う。
図3に示すように、本工程で用いる液滴吐出装置100は、カラーフィルター用インク2を保持するタンク101と、チューブ110と、チューブ110を介してタンク101からカラーフィルター用インク2が供給される吐出走査部102とを備える。吐出走査部102は、複数の液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)114をキャリッジ105に搭載してなる液滴吐出手段103と、液滴吐出手段103の位置を制御する第1位置制御装置104(移動手段)と、前記工程で隔壁13が形成された基板11(以下、単に「基板11」とも言う。)を保持するステージ106と、ステージ106の位置を制御する第2位置制御装置108(移動手段)と、液滴吐出ヘッドの洗浄(クリーニング)を行うクリーニング機構109と、制御手段112とを備えている。タンク101と、液滴吐出手段103における複数の液滴吐出ヘッド114とは、チューブ110で連結されており、タンク101から複数の液滴吐出ヘッド114のそれぞれにカラーフィルター用インク2が圧縮空気によって供給される。
第1位置制御装置104は、制御手段112からの信号に応じて、液滴吐出手段103をX軸方向、およびX軸方向に直交するZ軸方向に沿って移動させる。さらに、第1位置制御装置104は、Z軸に平行な軸の回りで液滴吐出手段103を回転させる機能も有する。本実施形態では、Z軸方向は、鉛直方向(つまり重力加速度の方向)に平行な方向である。第2位置制御装置108は、制御手段112からの信号に応じて、X軸方向およびZ軸方向の双方に直交するY軸方向に沿ってステージ106を移動させる。さらに、第2位置制御装置108は、Z軸に平行な軸の回りでステージ106を回転させる機能も有する。
ステージ106は、X軸方向とY軸方向との双方に平行な平面を有する。また、ステージ106は、カラーフィルター用インク2を付与すべきセル14を有する基板11をその平面上に固定、または保持できるように構成されている。
上述のように、液滴吐出手段103は、第1位置制御装置104によってX軸方向に移動させられる。一方、ステージ106は、第2位置制御装置108によってY軸方向に移動させられる。つまり、第1位置制御装置104および第2位置制御装置108によって、ステージ106に対する液滴吐出ヘッド114の相対位置が変わる(ステージ106に保持された基板11と、液液滴吐出手段103とが相対的に移動する)。
制御手段112は、カラーフィルター用インク2を吐出すべき相対位置を表す吐出データを外部情報処理装置から受け取るように構成されている。
図4に示すように、液滴吐出手段103は、それぞれほぼ同じ構造を有する複数の液滴吐出ヘッド114と、これらの液滴吐出ヘッド114を保持するキャリッジ105とを有している。本実施形態では、液滴吐出手段103に保持される液滴吐出ヘッド114の数は8個である。それぞれの液滴吐出ヘッド114は、後述する複数のノズル118が設けられた底面を有している。それぞれの液滴吐出ヘッド114のこの底面の形状は、2つの長辺と2つの短辺とを有する多角形である。液滴吐出手段103に保持された液滴吐出ヘッド114の底面はステージ106側を向いており、さらに、液滴吐出ヘッド114の長辺方向と短辺方向とは、それぞれX軸方向とY軸方向とに平行である。
図5に示すように、液滴吐出ヘッド114は、X軸方向に並んだ複数のノズル118を有する。これら複数のノズル118は、液滴吐出ヘッド114におけるX軸方向のノズルピッチHXPが所定の値となるように配置されている。ノズルピッチHXPの具体的な値は、特に限定されないが、例えば、50〜90μmとすることができる。ここで、「液滴吐出ヘッド114におけるX軸方向のノズルピッチHXP」は、液滴吐出ヘッド114におけるノズル118のすべてをY軸方向に沿ってX軸上に射像して得られた複数のノズル像間のピッチに相当する。
本実施形態では、液滴吐出ヘッド114における複数のノズル118は、ともにX軸方向に延びるノズル列116Aと、ノズル列116Bとをなす。ノズル列116Aと、ノズル列116Bとは、間隔を空けて並行に配置されている。そして、本実施形態においては、ノズル列116Aおよびノズル列116Bのそれぞれにおいて、90個のノズル118が一定間隔LNPでX軸方向に一列に並んでいる。LNPの具体的な値は、特に限定されないが、100〜180μmとすることができる。
ノズル列116Bの位置は、ノズル列116Aの位置に対して、ノズルピッチLNPの半分の長さだけX軸方向の正の方向(図5の右方向)にずれている。このため、液滴吐出ヘッド114のX軸方向のノズルピッチHXPは、ノズル列116A(またはノズル列116B)のノズルピッチLNPの半分の長さである。
したがって、液滴吐出ヘッド114のX軸方向のノズル線密度は、ノズル列116A(またはノズル列116B)のノズル線密度の2倍である。なお、本明細書において「X軸方向のノズル線密度」とは、複数のノズルをY軸方向に沿ってX軸上に射像して得られた複数のノズル像の単位長さ当たりの数に相当する。もちろん、液滴吐出ヘッド114が含むノズル列の数は、2つだけに限定されない。液滴吐出ヘッド114はM個のノズル列を含んでもよい。ここで、Mは1以上の自然数である。この場合には、M個のノズル列のそれぞれにおいて複数のノズル118は、ノズルピッチHXPのM倍の長さのピッチで並ぶ。さらに、Mが2以上の自然数の場合には、M個のノズル列のうちの一つに対して、他の(M−1)個のノズル列は、ノズルピッチHXPのi倍の長さだけ重複無くX軸方向にずれている。ここで、iは1から(M−1)までの自然数である。
さて、本実施形態では、ノズル列116Aおよびノズル列116Bのそれぞれが90個のノズル118からなるため、1つの液滴吐出ヘッド114は180個のノズル118を有する。ただし、ノズル列116Aの両端のそれぞれ5ノズルは「休止ノズル」として設定されている。同様に、ノズル列116Bの両端のそれぞれ5ノズルも「休止ノズル」として設定されている。そして、これら20個の「休止ノズル」からはカラーフィルター用インク2が吐出されない。このため、液滴吐出ヘッド114における180個のノズル118のうち、160個のノズル118がカラーフィルター用インク2を吐出するノズルとして機能する。
図4に示すように、液滴吐出手段103においては、複数個の上記液滴吐出ヘッド114がX軸方向に沿って2列に配置されている。一方の列の液滴吐出ヘッド114と他方の列の液滴吐出ヘッド114とは、休止ノズル分を考慮して、Y軸方向から見て一部重なるように配置されている。これにより、液滴吐出手段103においては、基板11のX軸方向の寸法分の長さに渡り、カラーフィルター用インク2を吐出するノズル118が前記ノズルピッチHXPでX軸方向に連続するように構成されている。
本実施形態の液滴吐出手段103では、基板11のX軸方向の寸法分の長さ全体をカバーするように液滴吐出ヘッド114を配置しているが、本発明における液滴吐出手段は、基板11のX軸方向の寸法分の長さの一部をカバーするようにものでもよい。
図6(a)および(b)に示すように、それぞれの液滴吐出ヘッド114は、インクジェットヘッドである。より具体的には、それぞれの液滴吐出ヘッド114は、振動板126と、ノズルプレート128とを備えている。振動板126と、ノズルプレート128との間には、タンク101から孔131を介して供給されるカラーフィルター用インク2が常に充填される液たまり129が位置している。
また、振動板126と、ノズルプレート128との間には、複数の隔壁122が位置している。そして、振動板126と、ノズルプレート128と、1対の隔壁122とによって囲まれた部分がキャビティ120である。キャビティ120はノズル118に対応して設けられているため、キャビティ120の数とノズル118の数とは同じである。キャビティ120には、1対の隔壁122間に位置する供給口130を介して、液たまり129からカラーフィルター用インク2が供給される。
振動板126上には、それぞれのキャビティ120に対応して、振動子124が位置する。振動子124は、ピエゾ素子124Cと、ピエゾ素子124Cを挟む1対の電極124A、124Bとを含む。この1対の電極124A、124Bとの間に駆動電圧を与えることで、対応するノズル118からカラーフィルター用インク2が吐出される。なお、ノズル118からZ軸方向にカラーフィルター用インク2が吐出されるように、ノズル118の形状が調整されている。
制御手段112(図3参照)は、複数の振動子124のそれぞれに互いに独立に信号を与えるように構成されていてもよい。つまり、ノズル118から吐出されるカラーフィルター用インク2の体積が、制御手段112からの信号に応じてノズル118毎に制御されてもよい。また、制御手段112は、塗布走査の間に吐出動作を行うノズル118と、吐出動作を行わないノズル118とを設定することでもできる。
本明細書では、1つのノズル118と、ノズル118に対応するキャビティ120と、キャビティ120に対応する振動子124とを含んだ部分を「吐出部127」と表記することもある。この表記によれば、1つの液滴吐出ヘッド114は、ノズル118の数と同じ数の吐出部127を有する。
また、液滴吐出装置100は、クリーニング機構109を備えている。
クリーニング機構109は、ノズル118内に残存したカラーフィルター用インク2を吸引して、ノズルの目詰まりを解消するための機構である。図7に示すように、クリーニング機構109は、液滴吐出ヘッド114を封止するキャップ133と、カラーフィルター用インク2を吸引する吸引ポンプ134とを備えている。また、クリーニング機構109は、キャリッジ105が有する液滴吐出ヘッドに対応する数のキャップ133を備えている。
キャップ133は、キャップ本体135と、該キャップ本体135内に配置されるインク吸収体(液体吸収体)136とで構成されている。キャップ本体135は、シリコンゴム等の弾性材料からなり、上側が開口した略箱体形状に形成されている。インク吸収体136は、多孔質素材で形成され、ノズル118から吐出されるカラーフィルター用インク2を吸収するようになっている。具体的には、例えば、インク吸収体136は、カラーフィルター用インク保持率70パーセントのポリエチレンテレフタレートの不織布が使用されている。なお、キャップ133は、図示しない公知の昇降手段により上下動可能となっており、上昇すると、液滴吐出ヘッド114に当接して、液滴吐出ヘッド114のノズル118を封止するようになっている。
キャップ本体135の下面には、吸引ポンプ134に連通する排出孔137が貫通形成されている。この排出孔137には吸引チューブ138の一端が接続されている。吸引チューブ138は、カラーフィルター用インク2等を吸引する流路であって、吸引ポンプ134を介して他端が前記廃液タンク140内まで延設されている。さらに、吸引チューブ138には吸引ポンプ134との連通状態を開閉する吸引バルブ139が設けられている。したがって、吸引バルブ139が開弁状態にあるときに吸引ポンプ134が駆動されると、液滴吐出ヘッド114とキャップ本体135とで形成される空間が負圧状態となり、ノズル118内の増粘したインクや気泡等がキャップ本体135内に吐出される。そして、吐出されたカラーフィルター用インク2は、吸引ポンプ134によりインク吸収体136及び吸引チューブ138を介して廃液タンク140まで排出され、吸収部材141に吸収される。
さらに、キャップ本体135の側面には、大気開放孔142が、排出孔137とは十分に離れた位置となるように、貫通形成されている。この大気開放孔142には開放チューブ143の一端が接続されている。開放チューブ143は、空気を送入する流路であって、他端が大気に開放されている。さらに、開放チューブ143には、開放チューブ143の流路を開放する開放バルブ144が設けられている。したがって、開放バルブ144が開弁されると、キャップ133内が大気と連通した状態となり、キャップ133内が大気圧とされる。また、吸引ポンプ134の作動時に、廃インクは、大気開放孔142とは十分に離れた排出孔137に集まり、大気開放孔142周辺の廃インクは少ないものとなる。また、大気開放孔142は、側面に設けられている。このため、開放バルブ144が開放された際にキャップ本体135に流入する空気は、主に水平方向に流動する。このため、吸引ポンプの停止後、開放チューブ143の流路を開放した際に、流入した空気によって、粘度低下した廃インクが飛散し、液滴吐出ヘッド114に付着することを確実に防止することができる。また、大気開放孔142はキャップ本体135の側面に設けられているため、廃インクの流入による大気開放孔142の目詰まりを好適に防止することができる。
一方、クリーニング機構132におけるキャップ133は、ノズル118の乾燥を防止する蓋としての機能も有しており、液滴吐出装置100の不使用時には図7に示すようにキャップ本体135が液滴吐出ヘッド114のノズル118を封止した状態に維持される。このとき、クリーニング動作後のインク吸収体136には、ノズル118から吸引したインクのうち廃液タンク140に排出されなかったカラーフィルター用インク2が保持されている。ノズル118の乾燥は、インク吸収体136から蒸発するインク溶媒によりキャップ133と液滴吐出ヘッド114とで形成された空間内が湿潤状態に保たれることで防止される。
ところで、従来のカラーフィルター用インクを使用する際に、このようなクリーニング機構を用いて液滴吐出ヘッドのクリーニングを行うとインク吸収体に吐出されたカラーフィルター用インク(廃インク)の液性媒体が揮発し、粘度が上昇する場合があった。また、組成の異なるカラーフィルター用インクを用い、引き続きクリーニングを行うと、組成の異なるカラーフィルター用インク同士が混合することで、顔料等が凝集を起こし、固化する問題があった。このため、長期間液滴吐出装置を運転し、クリーニングを頻繁に行うと、粘度上昇したり、固化したカラーフィルター用インク(廃インク)が吸引によっては除去されず、インク吸収体上に残存したまま積層し、固形物(フィルターケーキ)を形成する。このため、クリーニング時において、この固形物上に吐出を行うと、吐出した液滴が固形物と衝突して飛散し、飛散した液滴が液滴吐出ヘッドのノズル付近に付着しやすかった。また、固形物と液滴吐出ヘッドとが接触する場合があった。
しかしながら、本発明のカラーフィルター用インクを使用することで、このような問題を防止することができる。すなわち、クリーニング時に発生した廃インクの粘度が上昇した場合であっても、再度クリーニングを行った際に、吐出された液滴は、廃インク中の分散剤を容易に溶解できる。このため、廃インク中の液性媒体に溶解した分散剤は、凝集した顔料等を好適に再分散させることができる。結果として、廃インクの粘度上昇、固化を防止することができ、好適に廃インクをインク吸収体136から除去することができる。このように、廃インクを好適に除去することで、固形物(フィルターケーキ)の発生を防止し、クリーニング時における液滴吐出ヘッド114への跳ね返った液滴の付着や、液滴吐出ヘッド114と固形物との接触を防止することができる。このため、液滴吐出装置100は、長時間にわたって安定して運転することが可能となり、製造されるカラーフィルター1は、各部位での色むら、濃度むら、不良点の発生が抑制され、個体間での特性の均一性に優れたものとなる。
上記のような液滴吐出装置100を用いて、カラーフィルター1が有する複数色の着色部12に対応するカラーフィルター用インク2を、セル14内に付与する。上記のような装置を用いることにより、セル14内に、効率よくかつ選択的にカラーフィルター用インク2を付与することができる。なお、図示の構成では、液滴吐出装置100は、カラーフィルター用インク2を保持するタンク101、チューブ110等を1色分しか有していないが、これらの部材を、カラーフィルター1が有する複数色の着色部12に対応する複数色分有するものであってもよい。また、カラーフィルター1の製造においては、複数色のカラーフィルター用インク2に対応する複数の液滴吐出装置100を用いてもよい。
なお、本発明では、液滴吐出ヘッド114は、駆動素子として、ピエゾ素子の代わりに静電アクチュエータを用いるものでもよい。また、液滴吐出ヘッド114は、駆動素子として電気熱変換素子を用い、この電気熱変換素子による材料の熱膨張を利用してカラーフィルター用インクを吐出する構成であってもよい。
<着色部形成工程>
次に、セル14内のカラーフィルター用インク2から液性媒体を除去し、固形状の着色部12とする(1e)。これにより、カラーフィルター1が得られる。また、本工程においては、必要に応じて、樹脂材料を架橋成分等と反応させてもよい。液性媒体の除去は、例えば、加熱により行うことができる。また、この際、カラーフィルター用インク2が付与された基板11を、減圧環境下に置いてもよい。これにより、基板11等への悪影響の発生を防止しつつ、液性媒体の除去をより効率よく進行させることができる。また、本工程においては、紫外線や電子線、もしくは放射線等のエネルギー照射を行ってもよい。これにより、樹脂材料の架橋成分等との反応を効率よく進行させることができる。
《画像表示装置》
次に、カラーフィルター1を有する画像表示装置(電気光学装置)である液晶表示装置の好適な実施形態について説明する。
図8は、液晶表示装置の好適な実施形態を示す断面図である。同図に示すように、液晶表示装置60は、カラーフィルター1と、カラーフィルター1の着色部12に対向するように設けられた基板(対向基板)62と、カラーフィルター1と基板62との間の空隙に封入された液晶よりなる液晶層61と、カラーフィルター1の基板11の図7中下側に設けられた偏光板63と、基板62の図7中上側に設けられた偏光板64とを有している。基板62は、可視光に対して光透過性を有する基板であり、例えばガラス基板である。
また、液晶表示装置60は、マトリクス状に配置され、可視光に対して光透過性を有する複数の画素電極と、各画素電極に対応する複数のスイッチング素子(例えば、TFT:薄膜トランジスタ)と、可視光に対して光透過性を有する共通電極とを有している(いずれも図示せず)。
そして、この液晶表示装置60は、図示しないバックライトから発せられた光が、カラーフィルター1側(図7中下側)から入射するようになっている。そして、カラーフィルター1の各着色部12(12A、12B、12C)に入射した光は、各着色部12(12A、12B、12C)に対応する色の光として、反対の面側から出射する。
上述したように、着色部12は、本発明のカラーフィルター用インク2を用いて形成されたものであるため、各画素間での特性のばらつきが抑制されたものである。その結果、液晶表示装置60において、各部位での色むら、濃度むらが抑制された画像を安定的に表示することができる。
《電子機器》
前述したようなカラーフィルター1を有する液晶表示装置等の画像表示装置(電気光学装置)1000は、各種電子機器の表示部に用いることができる。
図9は、本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このパーソナルコンピュータ1100においては、表示ユニット1106が画像表示装置1000を備えている。
図10は、本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206とともに、画像表示装置1000を表示部に備えている。
図11は、本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、画像表示装置1000が表示部に設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、被写体を電子画像として表示するファインダとして機能する。
ケースの内部には、回路基板1308が設置されている。この回路基板1308は、撮像信号を格納(記憶)し得るメモリが設置されている。
また、ケース1302の正面側(図示の構成では裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板1308のメモリに転送・格納される。
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示のように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピュータ1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、回路基板1308のメモリに格納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピュータ1440に出力される構成になっている。
なお、本発明の電子機器は、上述したパーソナルコンピュータ(モバイル型パーソナルコンピュータ)、携帯電話機、ディジタルスチルカメラの他にも、例えば、テレビ(例えば、液晶テレビ)や、ビデオカメラ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、タッチパネルを備えた機器(例えば金融機関のキャッシュディスペンサー、自動券売機)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電表示装置、超音波診断装置、内視鏡用表示装置)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレータ、その他各種モニタ類、プロジェクター等の投射型表示装置等に適用することができる。中でも、テレビは、近年の表示部の大型化の傾向が顕著であるが、このような大型の表示部(例えば、対角線長80cm以上の表示部)を有する電子機器では、従来のカラーフィルター用インクセットを用いて製造されるカラーフィルターを適用した場合、色むら、濃度むらの問題を特に生じやすかったが、本発明を適用すれば、このような問題の発生を確実に防止することができる。すなわち、上記のような大型の表示部を有する電子機器に適用した場合に、本発明の効果は、より顕著に発揮される。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、前述した実施形態においては、各色の着色部に対応するカラーフィルター用インクを、セル内に付与した後に、一括で、セル内の各色のカラーフィルター用インクから液性媒体を除去するもの、すなわち、着色部形成工程を1回のみ行うものとして説明したが、インク付与工程および着色部形成工程は、各色に対応して、繰り返し行うものであってもよい。
また、本発明のカラーフィルターにおいては、着色部の基板に対向する面とは反対の面側に、着色部を被覆する保護膜が設けられていてもよい。これにより、着色部の損傷や劣化等をより効果的に防止することができる。
また、カラーフィルター、画像表示装置、電子機器を構成する各部は、同様の機能を発揮する任意のものと置換、または、その他の構成を追加することもできる。
また、前述した実施形態では、カラーフィルター用のインクセットが、光の三原色に対応する3種(3色)のカラーフィルター用インクを備える場合について中心的に説明したが、カラーフィルター用インクセットを構成するカラーフィルター用インクの数、種類(色)は、上述したものに限定されない。例えば、本発明のカラーフィルター用インクセットは、4種以上のカラーフィルター用インクを備えるものであってもよい。
[1]カラーフィルター用インクの調製
(実施例1)
まず、樹脂材料としての樹脂aを以下のようにして合成した。
四つ口フラスコに、n−ヘキサン:320重量部、メタアクリル酸:86重量部、トリエチルアミン:111重量部を投入した後、この四つ口フラスコに、温度計、還流冷却器、撹拌機および窒素ガス導入口を取り付けた。この四つ口フラスコを、氷水で冷却しつつ、トリメチルクロルシラン:120重量部を滴下した。この際、反応系内の温度が25℃以下となるようにした。その後、25℃で1時間反応を続けた。次に、トリエチルアミンの塩酸塩を濾別し、得られたろ液から減圧下でn−ヘキサンを除去した後、減圧蒸留にて精製し、シリルアセテート構造を有するエチレン性不飽和単量体を得た。
次に、温度計、還流冷却器、撹拌機および窒素ガス導入口が取り付けられ、溶媒としてのジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート:100重量部を仕込んだ四つ口フラスコを用意した。この四つ口フラスコ内のジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを攪拌しつつ60℃まで昇温した後、上記エチレン性不飽和単量体:27重量部と、メタアクリル酸グリシジル:30重量部と、スチレン:38重量部と、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル):6重量部との混合物を1時間かけて滴下した。滴下後60℃にて1時間保持した後、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル):0.08重量部を加え、さらに60℃で6時間反応させ、その後、未反応のモノマーを減圧処理により除去することにより、シリルアセテート構造とエポキシ構造とを有するエポキシ系樹脂としての樹脂aの溶液を得た。
一方、液性媒体を構成する液体としての72.6重量部のジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートと9重量部の3−エトキシプロピオン酸エチルとを用意し、これに、分散剤としてのDisperBYK−2000(ビックケミー・ジャパン社製):2.1重量部およびDisperBYK−183(ビックケミー・ジャパン社製):2.1重量部と、着色剤としてのC.I.ピグメントグリーン36:6.0重量部と、着色剤としてのC.I.ピグメントイエロー150:1.0重量部とを添加した。その後、ビーズミル(ジルコニアビーズ:0.65mm使用)へ導入し、顔料の粉砕を行い、顔料分散液を得た。
その後、上記樹脂aの溶液:7.2重量部と、顔料分散液:92.8重量部とを混合することにより、緑色のカラーフィルター用インク(グリーンインク(Gインク))を調製した。グリーンインク中におけるC.I.ピグメントグリーン36、ならびにC.I.ピグメントイエロー150が混在した粒子の平均粒径は、160nmであった。
また、着色剤としてC.I.ピグメントグリーン36の代わりにC.I.ピグメントレッド254およびC.I.ピグメントレッド177を用いるとともに、樹脂合成における溶媒、顔料分散液の調製に用いる液性媒体、分散剤を変更し、さらに、各成分の配合比率を変更した以外は、グリーンインクと同様にして赤色のカラーフィルター用インク(レッドインク(Rインク))を調製した。レッドインク中におけるC.I.ピグメントレッド254、およびC.I.ピグメントイエロー150が混在した粒子の平均粒径は、160nmであった。
また、着色剤としてC.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントイエロー150の代わりにC.I.ピグメントブルー15:6を用いるとともに、樹脂合成における溶媒、顔料分散液の調製に用いる液性媒体、分散剤を変更し、さらに、各成分の配合比率を変更した以外は、グリーンインクと同様にして青色のカラーフィルター用インク(ブルーインク(Bインク))を調製した。ブルーインク中におけるC.I.ピグメントブルー15:6の平均粒径は、160nmであった。
これにより、上記のような3種のインク(カラーフィルター用インク)からなるカラーフィルター用インクセットが得られた。
(実施例2〜10)
着色剤、液性媒体の種類を表に示すようにするとともに、各成分の使用量を表に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして各色のカラーフィルター用インクを調製し、カラーフィルター用インクセットを得た。
(比較例1〜6)
着色剤、液性媒体の種類を表に示すようにするとともに、各成分の使用量を表に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして各色のカラーフィルター用インクを調製し、カラーフィルター用インクセットを得た。また、比較例5では、得られた3種のインクは、ゲル化しており、カラーフィルター用インクとして、使用することができないものであった。
前記各実施例および各比較例について、カラーフィルター用インクセットを構成するインクの組成・特性等を、表1、表2にまとめて示した。なお、表中、C.I.ピグメントレッド254を「PR254」、C.I.ピグメントイエロー150を「PY150」、C.I.ピグメントグリーン36を「PG36」、C.I.ピグメントブルー15:6を「PB15:6」、C.I.ピグメントバイオレット23を「PV23」、上記樹脂aを「a」、DisperBYK−2000を「b」、DisperBYK−2001(ビックケミー・ジャパン社製)を「c」、DisperBYK−183(ビックケミー・ジャパン社製)を「d」、DisperBYK−130(ビックケミー・ジャパン社製)を「e」、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを「A」、2−(2−メトキシ−1−メチルエトキシ)−1−メチルエチルアセテートを「B」、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オンを「C」、ビス(2−ブトキシエチル)エーテルを「D」、1,3−ブチレングリコールジアセテートを「E」、グルタル酸ジメチルを「F」、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルを「G」、3−メトキシブチルアセテートを「H」、3−エトキシプロピオン酸エチルを「I」、シクロヘキサノールアセテートを「J」、プロピレングリコールn−ブチルエーテルを「K」、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルを「L」、エチレングリコールジアセテートを「M」、ジプロピレングリコールジメチルエーテルを「N」で示した。また、表中、「粘度」の欄には、B型粘度計(DVL−BII、東機産業社製)、ローターNo.4を用いて測定されたカラーフィルター用インクの25℃における粘度を示し、「沸点」の欄には、液性媒体の常圧(1気圧)における沸点を示した。また、分散剤の溶解度パラメータは、「溶解性テスト」(「溶剤ポケットハンドブック」、p22、有機合成化学協会編)に準拠して測定し、値を求めた。また、液体Bの溶解度パラメータは、Hildebrandの方法により算出して求めた。
Figure 2008225125
Figure 2008225125
[2]液滴吐出の安定性評価(安定吐出性評価)
[2.1]着弾位置精度評価
図3〜図7に示すような液滴吐出装置および前記各実施例および各比較例のカラーフィルター用インクセットを用意し、ピエゾ素子の駆動波形を最適化した状態で、各インクについて、液滴吐出ヘッドの各ノズルから、10000発(10000滴)の液滴の連続吐出を行った。液滴吐出ヘッドの中央部付近の指定したノズルから吐出された10000発の液滴について、着弾した各液滴の中心位置の中心狙い位置からのズレ量dの平均値を求め、以下の3段階の基準に従い、評価した。なお、ズレ量dの平均値としては、3色のインクについて得られた値の平均値を採用した。
A:ズレ量dの平均値が0.06μm未満。
B:ズレ量dの平均値が0.06μm以上0.12μm未満。
C:ズレ量dの平均値が0.12μm以上。
[2.2]液滴吐出量の安定性評価
図3〜図7に示すような液滴吐出装置および前記各実施例および各比較例のカラーフィルター用インクセットを用意し、ピエゾ素子の駆動波形を最適化した状態で、各インクについて、液滴吐出ヘッドの各ノズルから、10000発(10000滴)の液滴の連続吐出を行った。液滴吐出ヘッドの左右両端の指定の2つのノズルについて、吐出された液滴の総重量を求め、上記2つのノズルから吐出された液滴の平均吐出量の差の絶対値ΔW[ng]を求めた。このΔWの、液滴の目標吐出量W[ng]に対する比率(ΔW/W)を求め、以下の3段階の基準に従い、評価した。ΔW/Wの値が小さいほど、液滴吐出量の安定性に優れていると言える。なお、ΔW/Wの値としては、3色のインクについて得られた値の平均値を採用した。
A:ΔW/Wの値が、0.020未満。
B:ΔW/Wの値が、0.020以上0.600未満。
C:ΔW/Wの値が、0.600以上。
[2.3]間欠印字性能評価
図3〜図7に示すような液滴吐出装置および前記各実施例および各比較例のカラーフィルター用インクセットを用意し、ピエゾ素子の駆動波形を最適化した状態で、各インクについて、液滴吐出ヘッドの各ノズルから、1000発(1000滴)の液滴の連続吐出を行い、その後、30秒間、液滴の吐出を中断した(1シーケンス目)。その後、同様に、液滴の連続吐出、および、滴々の吐出の中断の操作を繰り返し行った。液滴吐出ヘッドの中央部付近の指定したノズルについて、1シーケンス目に吐出された液滴の平均重量W[ng]と、10シーケンス目に吐出された液滴の平均重量W10[ng]とを求めた。そして、WとW10との差の絶対値の、液滴の目標吐出量W[ng]に対する比率(|W−W10|/W)を求め、以下の3段階の基準に従い、評価した。|W−W10|/Wの値が小さいほど、間欠印字性能(液滴吐出量の安定性)に優れていると言える。なお、|W−W10|/Wの値としては、3色のインクについて得られた値の平均値を採用した。
A:|W−W10|/Wの値が、0.020未満。
B:|W−W10|/Wの値が、0.020以上0.600未満。
C:|W−W10|/Wの値が、0.600以上。
[2.4]連続吐出試験
図3〜図7に示すような液滴吐出装置および前記各実施例および各比較例のカラーフィルター用インクセットを用意し、25℃、50%RH環境下で、液滴吐出装置を24時間、連続で運転させることにより、カラーフィルター用インクセットを構成する各インクの吐出を行った。
連続運転後における、液滴吐出ヘッドを構成するノズルの目詰まりの発生率([(目詰まりノズル数)/(全ノズル数)]×100)を求め、ノズルの目詰まりが発生しているものについては、可塑材料で構成されたクリーニング部材により、目詰まりの解消が可能であるか否かを調べた。その結果を、以下の4段階の基準に従い、評価した。なお、ノズルの目詰まりの発生率の値としては、3色のインクについて得られた値の平均値を採用した。
A:ノズルの目詰まりの発生がない。
B:ノズルの目詰まりの発生率が0.5%未満(ただし、ゼロを除く)であり、かつ、クリーニングによる目詰まりの解消が可能。
C:ノズルの目詰まりの発生率が0.5%以上1.0%未満であり、かつ、クリーニングによる目詰まりの解消が可能。
D:ノズルの目詰まりの発生率が1.0%以上、または、クリーニングによる目詰まりの解消が不可能。
なお、上記の評価は、各実施例および各比較例について、同様の条件で行った。
[2.5]キャップ部における固形物の堆積、キャップ部目詰まり
図3〜図7に示すような液滴吐出装置および前記各実施例および各比較例のカラーフィルター用インクセットを用意し、25℃、50%RH環境下で、液滴吐出装置を24時間、連続で運転させることにより、カラーフィルター用インクセットを構成する各インクの吐出を行った。また、運転時には、定期的に、キャップ部でクリーニングを行いながら吐出を行った。液滴吐出装置の連続運転中におけるキャップ部の不具合について、下記の3段階の基準に従い評価した。
A:キャップ部における固形物の堆積、キャップ部の排出孔、インク吸収体の目詰まりは、確認できない。
B:キャップ部における固形物の堆積、キャップ部の排出孔、インク吸収体の目詰まりが僅かに確認されたが、問題のない範囲である。
C:キャップ部における固形物の堆積、キャップ部の排出孔、インク吸収体の目詰まりが確認され、これらの解消のために運転中止を余儀なくされた。
[2.6]インク固形物の再分散性(再溶解性)評価
前記各実施例および各比較例で調整したカラーフィルター用インクについて、3色のインクをそれぞれ、1mlずつ測りとり、10mlシャーレ中で混合した。次に、混合したインクについて、40℃、8時間乾燥させた後、さらに20℃で96時間乾燥し、インクの固形物を得た。得られた固形物に対し、新たに各色のインクをスポイトを用いて1滴ずつそれぞれ別の場所に滴下して、固形物の再分散(再溶解)する様子を観察し、下記の3段階の基準に従い評価した。なお、一般に、インクの固形物の再分散性(再溶解性)が優れていると、ノズルの目詰まりが少ないものとなり、ノズルの目詰まりが発生した場合でも、クリーニングによって目詰まりを解消できるものとなる。また、液滴吐出時における飛行曲がりが少ないものとなる。
A:どの色のインクを滴下した場合でも、固形物は速やかに分散(溶解)する。
B:少なくとも1色のインクは、新たにインクを滴下した場合、固形物が分散(溶解)するのが遅い。
C:どのインクを新たに滴下しても、固形物が分散(溶解)するのが遅い。または、固形物が分散(溶解)されない。
[3]カラーフィルターの製造
前記各実施例および各比較例で調製したカラーフィルター用インク(インクセット)を用いて、以下のようにして、カラーフィルターを製造した。
まず、両面にナトリウムイオンの溶出を防止するシリカ(SiO)膜が形成されたソーダガラス製の基板(G5サイズ:1100×1300mm)を用意し、洗浄処理を施した。
次に、カーボンブラックを含む隔壁形成用の感放射線性組成物を、洗浄済の基板の一方の面の全体に付与し、塗膜を形成した。
次に、加熱温度:110℃、加熱時間:120秒という条件でプリベーク処理を行った。
その後、フォトマスクを介して、放射線を照射して、ポストエキスポジャーベーク処理(PEB)を行い、引き続き、アルカリ現像液を用いた現像処理を行い、さらに、ポストベーク処理を行うことにより、隔壁を形成した。PEBは、加熱温度:110℃、加熱時間:120秒、放射線照射強度:150mJ/cmという条件で行った。また、現像処理は、例えば、振動浸漬法により行った。現像処理時間は、60秒とした。また、ポストベーク処理は、加熱温度:150℃、加熱時間:5分という条件で行った。形成された隔壁の厚さは、3.1μmであった。
次に、図3〜図7に示すような液滴吐出装置を用いて、隔壁で囲まれた領域としてのセル内に、カラーフィルター用インクを吐出した。この際、3色のカラーフィルター用インクを用い、各色のカラーフィルター用インクが混色しないようにした。
その後、ホットプレート上にて100℃で10分間の加熱処理を施し、さらに200℃のオーブン内で1時間加熱処理を施すことにより、3色の着色部が形成された。また、着色部の液性媒体が十分に除去できない場合は、200℃での加熱処理を延長し、液性媒体の除去を行った。これにより、図1に示すようなカラーフィルターが得られた。
上記のような方法を用いて、各実施例および各比較例のカラーフィルター用インク(インクセット)を用いて、それぞれ、1000枚のカラーフィルターを製造した。
[4]カラーフィルターの評価
上記のようにして得られた各カラーフィルターを用いて、以下のような評価を行った。
[4.1]色むら、濃度むら、光漏れ
前記各実施例および各比較例のカラーフィルター用インク(インクセット)を用いて製造されたカラーフィルターのうち、それぞれ、1000枚目に製造されたカラーフィルターを用いて、同条件で図8に示すような液晶表示装置を製造した。
これらの液晶表示装置を用いて、暗室で、赤色の単色表示、緑色の単色表示、青色の単色表示、白色の単色表示を行った状態で目視による観察を行い、各部位での色むら、濃度むら、光漏れ(不良点)の発生状況を、以下の5段階の基準に従い、評価した。
A:色むら、濃度むら、光漏れが全く認められない。
B:色むら、濃度むら、光漏れがほとんど認められない。
C:色むら、濃度むら、光漏れがわずかに認められる。
D:色むら、濃度むら、光漏れがはっきりと認められる。
E:色むら、濃度むら、光漏れが顕著に認められる。
[4.2]個体間での特性差
前記各実施例および各比較例のカラーフィルター用インク(インクセット)を用いて製造されたカラーフィルターのうち、それぞれ、990〜999枚目に製造されたカラーフィルターを用意し、暗室で、赤色の単色表示、緑色の単色表示、青色の単色表示、白色の単色表示を行い、分光光度計(大塚電子社製、MCPD3000)を用いて測色した。その結果から、各実施例および各比較例について、それぞれ、990〜999枚目に製造されたカラーフィルターを備えたカラーフィルター間で最大となる色差(Lab表示系での色差ΔE)を求め、以下の4段階の基準に従い、評価した。
A:色差(ΔE)が3未満。
B:色差(ΔE)が3以上5未満。
C:色差(ΔE)が5以上。
D:光漏れにより測定毎のばらつきが大きく、測定意味をなさない。
なお、上記の評価においては、各液晶表示装置について、同様の条件で製造し、同様の条件で表示を行い、同様の条件で観察、測定を行った。
これらの結果を表3に示す。
Figure 2008225125
表3から明らかなように、本発明では、色むら、濃度むら、光漏れの発生が抑制されており、個体間での特性のばらつきも小さかった。また、本発明のインクは、固化したインクの再分散性(再溶解性)に優れるものであり、液滴吐出時における液滴吐出装置のノズルの目詰まり、液滴の飛行曲がりも少なく、キャップ部の不具合もほとんどなかった。これに対し、各比較例では、満足な結果が得られなかった。
また、市販の液晶テレビを分解し、液晶表示装置部分を、上記のようにして製造したものと交換して、上記と同様の[3]の評価を行ったところ、上記と同様な結果が得られた。
本発明のカラーフィルターの好適な実施形態を示す断面図である。 カラーフィルターの製造方法を示す断面図である。 カラーフィルターの製造に用いる液滴吐出装置を示す斜視図である。 図3に示す液滴吐出装置における液滴吐出手段をステージ側から観察した図である。 図3に示す液滴吐出装置における液滴吐出ヘッドの底面を示す図である。 図3に示す液滴吐出装置における液滴吐出ヘッドを示す図であり、(a)は断面斜視図、(b)は断面図である。 図3に示す液滴吐出装置におけるクリーニング機構の一部を示す断面図である。 液晶表示装置の実施形態を示す断面図である。 本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。
符号の説明
1…カラーフィルター 11…基板 12…着色部 12A…第1の着色部 12B…第2の着色部 12C…第3の着色部 13…隔壁 14…セル 2…カラーフィルター用インク 3…塗膜 60…液晶表示装置 61…液晶層 62…基板(対向基板) 63、64…偏光板 100…液滴吐出装置 101…タンク 102…吐出走査部 103…液滴吐出手段 104…第1位置制御装置 105…キャリッジ 106…ステージ 108…第2位置制御装置 109…クリーニング機構 110…チューブ 112…制御手段 114…液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド) 116A、116B…ノズル列 118…ノズル 120…キャビティ 122…隔壁 124…振動子 124A、124B…電極 124C…ピエゾ素子 126…振動板 127…吐出部 128…ノズルプレート 129…液たまり 130…供給口 131…孔 133…キャップ部 134…吸引ポンプ 135…キャップ本体 136…インク吸収体 137…排出孔 138…吸引チューブ 139…吸引バルブ 140…廃液タンク 141…吸収部材 142…大気開放孔 143…開放チューブ 144…開放バルブ 1000…画像表示装置 1100…パーソナルコンピュータ 1102…キーボード 1104…本体部 1106…表示ユニット 1200…携帯電話機 1202…操作ボタン 1204…受話口 1206…送話口 1300…ディジタルスチルカメラ 1302…ケース(ボディー) 1304…受光ユニット 1306…シャッタボタン 1308…回路基板 1312…ビデオ信号出力端子 1314…データ通信用の入出力端子 1430…テレビモニタ 1440…パーソナルコンピュータ

Claims (10)

  1. インクジェット方式によるカラーフィルターの製造に用いられるカラーフィルター用インクであって、
    顔料と、前記顔料を分散させる分散剤と、前記顔料が分散する液性媒体とを含み、
    前記液性媒体は、少なくとも、液体Aと、前記液体Aとは異なる液体Bとを含み、
    前記液体Aの大気圧下における沸点は180〜290℃であり、
    カラーフィルター用インク中の、前記液体Bの含有量は、5〜20wt%であり、
    前記分散剤についての溶解度パラメータをSP(X)[(cal/cm1/2]、前記液体Bについての溶解度パラメータをSP(Y)[(cal/cm1/2]としたとき、|SP(X)−SP(Y)|≦2.3の関係を満足することを特徴とするカラーフィルター用インク。
  2. カラーフィルター用インク中の前記分散剤の含有量は、0.5〜10wt%である請求項1に記載のカラーフィルター用インク。
  3. カラーフィルター用インク中の前記液体Aの含有量は、20〜80wt%である請求項1または2に記載のカラーフィルター用インク。
  4. カラーフィルター用インク中の、前記液体Aの含有量をx[wt%]、前記液体Bの含有量をy[wt%]としたとき、4≦x/y≦15の関係を満足する請求項1ないし3のいずれかに記載のカラーフィルター用インク。
  5. 前記液体Bは、前記液体Aに対し任意の量比で溶解するものである請求項1ないし4のいずれかに記載のカラーフィルター用インク。
  6. カラーフィルター用インクの25℃における粘度は、5〜15mPa・sである請求項1ないし5のいずれかに記載のカラーフィルター用インク。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載のカラーフィルター用インクを用いて製造されたことを特徴とするカラーフィルター。
  8. 請求項7に記載のカラーフィルターを備えたことを特徴とする画像表示装置。
  9. 画像表示装置は、液晶パネルである請求項8に記載の画像表示装置。
  10. 請求項8または9に記載の画像表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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