JP2008225039A - プロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】耐光性及び耐熱性に優れ寿命が長い偏光素子を射出面側に有する光変調装置を備え、投影画像のコントラストの低下及び色むらを抑制することのできるプロジェクタを提供すること。
【解決手段】第1射出偏光フィルタ43cに入射した変調光のうち、所定方向の直線偏光成分であるS偏光の成分が、不要な成分の光として吸収されるとともに、変調光のP偏光の成分が、必要な成分の光として取り出される。第1射出偏光フィルタ43cを経た変調光は、さらに、第2射出偏光フィルタ44cに入射すると、所定方向の直線偏光成分であるS偏光の成分が、不要な成分の光として吸収され、必要な偏光方向の成分であるP偏光の成分が取り出される。以上のようにして、第2射出偏光フィルタ44cを経た変調光は、P偏光についての偏光の選択性の良好な状態で取り出される。
【選択図】図2
【解決手段】第1射出偏光フィルタ43cに入射した変調光のうち、所定方向の直線偏光成分であるS偏光の成分が、不要な成分の光として吸収されるとともに、変調光のP偏光の成分が、必要な成分の光として取り出される。第1射出偏光フィルタ43cを経た変調光は、さらに、第2射出偏光フィルタ44cに入射すると、所定方向の直線偏光成分であるS偏光の成分が、不要な成分の光として吸収され、必要な偏光方向の成分であるP偏光の成分が取り出される。以上のようにして、第2射出偏光フィルタ44cを経た変調光は、P偏光についての偏光の選択性の良好な状態で取り出される。
【選択図】図2
Description
本発明は、偏光調整機能を有する光吸収型の無機偏光素子を組み込んだ光変調装置を備えるプロジェクタに関する。
例えば、光変調装置である液晶ライトバルブを組み込んだタイプのプロジェクタ等において、偏光状態を調整するために、通常、液晶パネルの入射面側及び射出面側には偏光素子が配置される。このうち、射出面側の偏光素子には、液晶パネルへの戻り光が生じないように、光吸収型の偏光素子が用いられるのが一般的である。
光吸収型の偏光素子としては、有機偏光板が多く用いられるが、耐光性及び耐熱性に劣り寿命が短いという問題がある。このため、例えば、射出面側の偏光素子を複数の偏光板で構成して各偏光板の透過率を調整して吸収する熱量を調整して、劣化を等しくするものが知られている(特許文献1参照)。
また、偏光素子についての別の技術として、金属を含むガラス製の無機偏光板を偏光素子として用いるものが知られている(特許文献2参照)。
特開2004−325807号公報
特開平8−50205号公報
しかしながら、射出面側の偏光素子を複数の偏光板で構成しても、偏光素子として有機偏光板を用いた場合、偏光特性の劣化に伴って発熱量は増大し、これによる射出面側の偏光素子の寿命の問題は依然として残る。
また、射出面側に無機偏光板を用いた場合、例えば、発熱の影響により無機偏光板の材料であるガラスに歪が生じ、これにより偏光特性の形成される画像の面内分布が悪化し、プロジェクタの投影画像のコントラストの低下や色むらを生じるおそれがある。
そこで、本発明は、耐光性及び耐熱性に優れ寿命が長い偏光素子を射出面側に有する光変調装置を備え、投影画像のコントラストの低下及び色むらを抑制することのできるプロジェクタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るプロジェクタは、(a)光源光を均一化して照明光を形成する照明光学系と、(b1)照明光を偏光方向に関して変調する液晶パネルと(b2)金属粉とガラスを含む無機材料により形成され、液晶パネルの後段に配置されて液晶パネルから射出された変調光から所定方向の直線偏光成分を選択的に吸収する第1射出側偏光素子と(b3)第1射出側偏光素子の後段に配置され、所定方向の直線偏光成分をさらに選択的に吸収し、かつ第1射出偏光素子よりコントラストが高い第2射出側偏光素子とを有する光変調装置と、(c)光変調装置を経た像光を投射する投射光学系とを備える。
上記プロジェクタでは、光変調装置において、まず、熱耐久性の強い無機材料により形成される第1射出側偏光素子が、画像投射において不要な成分である所定方向の直線偏光成分を選択的に吸収し、さらに、同じ成分の光を第2射出側偏光素子においても吸収する。従って、光変調装置が、耐光性及び耐熱性に優れ、かつ、良好な像光を形成可能なものとなり、このような光変調装置を組み込んだプロジェクタは、投影画像のコントラストの低下及び色むらを抑制するものとなる。
また、第2射出側偏光素子が、第1射出側偏光素子よりコントラストの高いものであることにより、発熱を抑えるため第1射出側偏光素子のコントラストが比較的低いものであっても、第2射出側偏光素子とあわせた射出側の偏光素子全体としてのコントラストを高いものとすることができる。
また、本発明の具体的な態様として、第2射出側偏光素子が、吸収型有機偏光素子である。これにより、第2射出側偏光素子のコントラストを比較的容易かつ安価に高コントラストのものとすることができる。
また、本発明の具体的な態様として、第1射出側偏光素子のコントラストが、1.5:1〜1000:1である。これにより、第2射出側偏光素子に係る熱負担を十分に低減させることができ、また、第1射出側偏光素子を現実に使用可能な無機材料から形成させることが可能である。
また、本発明の具体的な態様として、第1射出側偏光素子が、熱膨張率(線膨張係数)と照明光の光軸方向についての厚さとの積が2.0×10−6mm/K以下である。これにより、光の吸収による発熱に伴って発生する第1射出側偏光素子の歪を十分に抑えることができる。
また、本発明の具体的な態様として、第1射出側偏光素子の照明光の光軸方向についての厚さが、0.3mm以下である。これにより、第1射出側偏光素子は、熱的な歪を抑えるために十分薄いものとなる。
また、本発明の具体的な態様として、第1射出側偏光素子を形成する無機材料に含まれるガラスが、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、耐熱ガラスのいずれかである。これにより、第1射出側偏光素子に用いるガラスの熱膨張率(線膨張係数)を、熱的な歪を抑えるために必要となる所望の値の範囲内に収めることができる。
また、本発明の具体的な態様として、本願発明に係るプロジェクタが、第1射出側偏光素子を密着して支持し、第1射出側偏光素子より大きな体積を有し、より熱伝導性の高い放熱板をさらに備える。これにより、放熱板の放熱効果で第1射出側偏光素子の放熱性をさらに高めることができる。
また、本発明の具体的な態様として、放熱板が、サファイア及び水晶のいずれか1つにより構成される。これにより、放熱板の熱伝導性を高めることにより、放熱効果を上げることができる。
また、本発明の具体的な態様として、放熱板において、自己の光学軸と第1射出側偏光素子の軸とのなす角が0°±1.0°の範囲及び90°±1.0°の範囲のいずれかである。これにより、第1射出側偏光素子のコントラスト等の性能を十分に保ちながら、第1射出側偏光素子の放熱性を高めることができる。
また、本発明の具体的な態様として、光変調装置が、液晶パネルの前段に配置されて液晶パネルに入射する照明光の偏光方向を揃える入射側偏光素子を有する。これにより、液晶パネルに入射する前の照明光の偏光方向を揃えることができるので、プロジェクタのシステムとしてのコントラストを高めることができる。
図1は、第1実施形態に係るプロジェクタを説明するための概念図である。本実施形態におけるプロジェクタ100は、光源装置10と、均一化光学系20と、色分離導光光学系30と、光変調装置である液晶ライトバルブ40a、40b、40cと、クロスダイクロイックプリズム50と、投射光学系である投射レンズ60とを備える。
光源装置10は、所望の光源光を射出する装置であり、例えば、高圧水銀ランプなどを発光源とすることで像光形成の必要に足る光量を有する略白色の光源光を発生させ、発生させた光源光の光束方向をリフレクタにより反射させて所定の光路方向に折り曲げて射出させる。
均一化光学系20は、光源装置10からの光源光の光束方向を平行化する光平行化手段である平行化レンズ22と、光を分割して重畳するためのインテグレータ光学系を構成する一対のフライアイレンズである第1及び第2フライアイレンズ23a、23bと、光の偏光方向を揃える偏光変換素子24と、両フライアイレンズ23a、23bを経た光を重畳させる重畳レンズ25と、光の光路を折り曲げるミラー26とを備え、これらにより均一化された照明光を形成する。均一化光学系20において、平行化レンズ22は、光源光の光束方向を略平行に変換する。第1及び第2フライアイレンズ23a、23bは、それぞれマトリックス状に配置された複数の要素レンズからなり、これらの要素レンズによって平行化レンズ22を経た光を分割して個別に集光・発散させる。偏光変換素子24は、PBSアレイで形成されており、第1フライアイレンズ23aにより分割された各部分光束の偏光方向を一方向の直線偏光(例えばS偏光)に揃える役割を有する。重畳レンズ25は、偏光変換素子24を経た照明光を全体として適宜収束させて、後段の各色の光変調装置である液晶ライトバルブ40a、40b、40cに対する重畳照明を可能にする。以上のように、均一化光学系20は、光源装置10と協働して光源光を発生させ、発生した光源光を均一化して照明光を形成する照明光学系として機能する。
色分離導光光学系30は、第1及び第2ダイクロイックミラー31a、31bと、反射ミラー32a、32b、32cと、3つのフィールドレンズ33a、33b、33cとを備え、均一化光学系20により形成された照明光を赤(R)、緑(G)及び青(B)の3色に分離するとともに、各色光を後段の液晶ライトバルブ40a、40b、40cへ導く。より詳しく説明すると、まず、第1ダイクロイックミラー31aは、RGBの3色のうちR光を透過させG光及びB光を反射する。また、第2ダイクロイックミラー31bは、GBの2色のうちG光を反射しB光を透過させる。次に、この色分離導光光学系30において、第1ダイクロイックミラー31aを透過したR光は、反射ミラー32aを経て入射角度を調節するためのフィールドレンズ33aに入射する。また、第1ダイクロイックミラー31aで反射され、さらに、第2ダイクロイックミラー31bでも反射されたG光は、入射角度を調節するためのフィールドレンズ33bに入射する。さらに、第2ダイクロイックミラー31bを通過したB光は、リレーレンズLL1、LL2及び反射ミラー32b、33cを経て入射角度を調節するためのフィールドレンズ33cに入射する。
液晶ライトバルブ40a、40b、40cは、入射した照明光の空間的強度分布を変調する非発光型の光変調装置であり、色分離導光光学系30から射出された各色光に対応してそれぞれ照明される3つの液晶パネル41a、41b、41cと、各液晶パネル41a〜41cの入射側にそれぞれ配置される入射側偏光素子である3つの入射偏光フィルタ42a〜42cと、各液晶パネル41a〜41cの射出側にそれぞれ配置される第1射出側偏光素子である3つの第1射出偏光フィルタ43a〜43cと、第1射出偏光フィルタ43a〜43cの後段に位置する第2射出側偏光素子である3つの第2射出偏光フィルタ44a〜44cとを備える。第1ダイクロイックミラー31aを透過したR光は、フィールドレンズ33a等を介して液晶ライトバルブ40aに入射し、液晶ライトバルブ40aの液晶パネル41aを照明する。第1及び第2ダイクロイックミラー31a、31bの双方で反射されたG光は、フィールドレンズ33b等を介して液晶ライトバルブ40bに入射し、液晶ライトバルブ40bの液晶パネル41bを照明する。第1ダイクロイックミラー31aで反射され、第2ダイクロイックミラー31bを透過したB光は、フィールドレンズ33c等を介して液晶ライトバルブ40cに入射し、液晶ライトバルブ40cの液晶パネル41cを照明する。各液晶ライトバルブ40a〜40cは、入射した照明光の空間的強度分布を変調し、各液晶ライトバルブ40a〜40cにそれぞれ入射した3色の光は、各液晶パネル41a〜41cに電気的信号として入力された駆動信号或いは画像信号に応じて変調される。この際、入射偏光フィルタ42a〜42cによって、各液晶パネル41a〜41cに入射する照明光の偏光方向が調整される。また、第1射出偏光フィルタ43a〜43c及び第2射出偏光フィルタ44a〜44cによって、各液晶パネル41a〜41cから射出される変調光から所定の偏光方向の変調光が取り出される。以上により、各液晶ライトバルブ40a、40b、40cは、それぞれに対応する各色の像光を形成する。尚、第1射出偏光フィルタ43a〜43c等について詳しくは図2(a)により後述する。
クロスダイクロイックプリズム50は、各液晶ライトバルブ40a、40b、40cからの各色の像光を合成する。より詳しく説明すると、クロスダイクロイックプリズム50は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、X字状に交差する一対の誘電体多層膜51a、51bが形成されている。一方の第1誘電体多層膜51aは、R光を反射し、他方の第2誘電体多層膜51bは、B光を反射する。クロスダイクロイックプリズム50は、液晶ライトバルブ40aからのR光を誘電体多層膜51aで反射して進行方向右側に射出させ、液晶ライトバルブ40bからのG光を誘電体多層膜51a、51bを介して直進・射出させ、液晶ライトバルブ40cからのB光を誘電体多層膜51bで反射して進行方向左側に射出させる。このようにして、クロスダイクロイックプリズム50によりR光、G光及びB光が合成され、カラー画像による画像光である合成光が形成される。
投射レンズ60は、クロスダイクロイックプリズム50を経て形成された合成光による画像光を所望の拡大率で拡大してスクリーン(不図示)上にカラーの画像を投射する。
図2(a)、(b)は、本実施形態の特徴部分である光変調装置即ち液晶ライトバルブについて説明するための図である。尚、図2(a)、(b)では、B光に対応する液晶ライトバルブ40cについて説明するが、他の液晶ライトバルブ40a、40bについても同様であるので、図示及び説明を省略する。
図2(a)において例示する本実施形態に係る液晶ライトバルブ40cは、図1で説明したように、液晶パネル41cと、入射偏光フィルタ42cと、第1射出偏光フィルタ43cと、第2射出偏光フィルタ44cとを備える。尚、これら液晶ライトバルブ40cの各部材は、ホルダHDにより一体的に固定されている。また、液晶ライトバルブ40c全体については、ホルダHDあるいはホルダHDの周辺の空冷装置(不図示)等により、放熱がなされている。
ここで、液晶ライトバルブ40cのうち、特に、第1射出偏光フィルタ43cは、微量の金属粉(例えば銅粉)を有するホウケイ酸ガラスを含む無機材料により形成されており、液晶パネル40cから射出された変調光から所定方向の直線偏光成分(ここでは、例えば、紙面上下方向に振動するS偏光の成分)を選択的に吸収する性質を有する。また、第1射出偏光フィルタ43cの光軸方向即ちシステム光軸OAの方向についての厚さdは、0.2mmとなっている。この場合、第1射出偏光フィルタ43cを形成するための無機材料を適切に選択すれば、第1射出偏光フィルタ43cの熱膨張率(線膨張係数)(単位:1/K)と照明光の光軸方向についての厚さ(単位:mm)との積を2.0×10−6mm/K以下とすることができる。つまり、本実施形態に係る第1射出偏光フィルタ43cは、厚さを抑え、また、熱膨張率の低いガラスを用いることにより、光の吸収による発熱に伴って発生する歪を十分に抑えることができる。これにより、熱歪による偏光特性の形成される画像の面内分布の悪化を最小限に抑えることができる。尚、この際、第1射出偏光フィルタ43cのコントラスト即ち(入射光量):(透過光量)の比率は、1.5:1〜4:1となっている。言い換えると、第1射出偏光フィルタ43cにP偏光が入射した場合に第1射出偏光フィルタ43cを透過するP偏光の光量と、第1射出偏光フィルタ43cに先ほどのP偏光と同光量のS偏光が入射した場合に第1射出偏光フィルタ43cを透過するS偏光の光量との比率が、1.5:1〜4:1となっている。
また、液晶ライトバルブ40cのうち、第2射出偏光フィルタ44cは、高コントラストな吸収型有機偏光素子により構成されている。吸収型有機偏光素子としては、例えば、PVA(ポリビニルアルコール)フィルムをヨウ素や有機系染料で染色し、一軸延伸することで染料分子を規則的に並べたものを用いる。この場合、第2射出偏光フィルタ44cのコントラストを、例えば、およそ1000:1〜5000:1とすることが可能であり、第1射出偏光フィルタ43cのコントラストよりも高いものとすることができる。ここで、第2射出偏光フィルタ44cは、第1射出偏光フィルタ43cの後段に位置するため、一般に吸熱量を少なくすることができる。従って、第1射出偏光フィルタ43cと第2射出偏光フィルタ44cとにおける吸熱量のバランスに応じて、第2射出偏光フィルタ44cのコントラストを比較的高くすることができる。
以下、図2(a)において、システム光軸OA上に沿ってB光の光路を追うことにより、液晶ライトバルブ40cの動作について説明する。B光は、液晶ライトバルブ40cのうち、まず、システム光軸OA上で液晶パネル41cの前段に位置する入射偏光フィルタ42cに入射する。入射偏光フィルタ42cは、入射した光の偏光成分のうち、所定の偏光方向の偏光成分(ここでは、例えば紙面上下方向に振動するS偏光の成分とする。)のみを透過させる。これにより、液晶パネル41cには、所定の偏光成分たるS偏光のみが入射する。液晶パネル41cに入射したB光は、上述のように、液晶パネル41cに電気的信号として入力された駆動信号或いは画像信号に応じて変調される。より具体的にはここで、液晶パネル41cとして、所謂ノーマリーホワイトのTN配向液晶パネルを用いている。この場合、液晶パネル41cは、電圧非印加時に液晶がねじれた水平状態に配置され、偏光状態を90°回転させて光を透過させる。従って、液晶パネル41cに入射したB光について空間的強度分布の変調がなされると、形成される変調光の主要な成分は、S偏光からP偏光に変換された状態で射出される。
液晶パネル41cで形成された変調光は、液晶パネル41cから射出されると、システム光軸OA上で液晶パネル41cの後段に位置する第1射出偏光フィルタ43cに入射する。ここで、第1射出偏光フィルタ43cと入射偏光フィルタ42cとは、クロスニコルに配置されている。つまり、第1射出偏光フィルタ43cは、P偏光の成分を透過するものとなっている。これにより、第1射出偏光フィルタ43cに入射した変調光のうち、所定方向の直線偏光成分であるS偏光の成分が、不要な成分の光として上述した第1射出偏光フィルタ43cに設立されたコントラストの割合で吸収されるとともに、変調光のP偏光の成分が、第1射出偏光フィルタ43cを透過することで、必要な成分の光として取り出される。
第1射出偏光フィルタ43cを経た変調光は、さらに、第2射出偏光フィルタ44cに入射すると、同様にして、所定方向の直線偏光成分であるS偏光の成分が、不要な成分の光として上述した第2射出偏光フィルタ43cについてのコントラストの割合で吸収され、必要な偏光方向の成分であるP偏光の成分が、第2射出偏光フィルタ44cを透過することで取り出される。
以上のようにして、第2射出偏光フィルタ44cを経た変調光は、必要な成分であるP偏光についての選択性の良好な状態で取り出される。以上のようにして液晶ライトバルブ40cにより、青色の像光が形成される。尚、液晶ライトバルブ40a、40bについても同様の動作により、偏光の選択性の良好な状態で赤色及び緑色の像光がそれぞれ形成される。
以上のように、本実施形態では、液晶パネル41cから射出された変調光に含まれる不要な成分の光を、まず、熱耐久性に優れる吸収型無機偏光素子により構成される第1射出偏光フィルタ43cにより吸収する。次に、第1射出偏光フィルタ43cを経た変調光のうち、コントラストの高い第2射出偏光フィルタ44cによってさらに不要な成分の光を吸収する。これにより、本実施形態におけるプロジェクタ100の光変調装置である液晶ライトバルブ40a〜40cは、耐光性及び耐熱性に優れ寿命が長い偏光素子を射出面側に有するものとなり、これらを組み込んだプロジェクタ100は、投影画像のコントラストの低下及び色むらを抑制することができる。
図2(b)は、本実施形態の変形例である。本変形例では、第1射出偏光フィルタ43cが放熱板SBに貼付された構成となっている。尚、本変形例では、放熱板SB以外の構成について同符号のものは図2(a)の場合と同様であるので説明を省略する。
本変形例において、第1射出偏光フィルタ43cは、放熱板SBに貼付されることにより密着して支持されている。ここで、放熱板SBは、サファイア基板により構成されており、図2(b)からも明らかなように、サイズ及び厚さのいずれも第1射出偏光フィルタ43cより大きく、結果として体積が第1射出偏光フィルタ43cより大きなものとなっている。ここでは、一例として放熱板SBの材料としてサファイアを用い、より熱伝導性の高いものとし、また、放熱板SBを第1射出偏光フィルタ43cに比してより大きな体積とすることで、より放熱効果が高いものとなっている。放熱板SBの放熱効果により、第1射出偏光フィルタ43cの温度上昇を抑えることができる。
図3は、放熱板SBの光学軸と第1射出偏光フィルタ43cの軸(吸収軸)とのなす角について説明するものである。本変形例では、第1射出偏光フィルタ43cの軸(吸収軸)の軸方向X1と、放熱板SBの光学軸の軸方向X2とが略垂直となっている。より具体的には、軸方向X1と軸方向X2とのなす角θが90°±1.0°の範囲に収まるものとなっている。これにより、サファイア基板による複屈折が生じることを抑えることができ、複屈折現象による発熱や投影画像のコントラスト低下等を十分に抑制することができる。尚、図3では、θ=90°±1.0°の範囲となっているが、θの範囲は、θ=0°±1.0°となる場合も考えられる。
本変形例でのプロジェクタ100は、液晶ライトバルブ40a〜40cにおいて、液晶パネル41a〜41cから射出される各色の変調光は、それぞれ無機材料による偏光素子である第1射出偏光フィルタ43a〜43cとコントラストの高い第2射出偏光フィルタ44a〜44cとにより良好な偏光特性の状態で取り出され、この際、特に、第1射出偏光フィルタ43a〜43cに無機材料を用いているので、射出面側の偏光素子を耐光性及び耐熱性に優れたものとすることができ、さらに、放熱板SBにより、第1射出偏光フィルタ43a〜43cの放熱効果が高められている。従って、液晶ライトバルブ40a〜40cの寿命を長くすることができ、本実施形態のプロジェクタ100は、投影画像のコントラストの低下及び色むらを抑制されたるものとなる。
尚、この発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
まず、第1射出側偏光素子である第1射出偏光フィルタ43cについて、上記実施形態では、無機材料を構成するガラスをホウケイ酸ガラスとして使用しているが、これに限らず、所望の熱膨張率を有するものとして、この他にも例えば、石英ガラスの使用が可能であり、また、その他の耐熱ガラス等を用いることも可能である。また、第1射出偏光フィルタ43cについて、材料として用いるガラスが有する微量の金属粉には、一例として銅を用いているが、金属として例えば銅や銀、その化合物等を用いることも可能である。また、放熱板SBは、サファイアにより構成されるものとしているが、サファイアに限らず、例えば水晶を用いて構成することも可能である。
また、上記実施形態では、第1射出偏光フィルタ43cのコントラストを1.5:1〜4:1の比較的低いものとしているが、これに限定されることなく、例えばコントラストを1000:1以下の範囲でこれよりも高いものであってもある程度の耐久性があれば使用可能である。このようなものを使用する場合、さらに、第2射出偏光フィルタ44cのコントラストと併せてさらに射出側の偏光素子全体としてのコントラストを上げることも可能である。
また、上記実施形態では、第2射出偏光フィルタ44cに吸収型有機偏光素子を用いているが、第2射出偏光フィルタ44cとして吸収型の無機偏光素子を使用し、熱の分配によるシステム信頼性の向上を図ることも考えられる。
また、上記実施形態のプロジェクタ100では、光源装置10からの光を複数の部分光束に分割するため、一対のフライアイレンズ23a、23bを用いていたが、この発明は、このようなフライアイレンズすなわちレンズアレイを用いないプロジェクタにも適用可能である。さらに、フライアイレンズ23a、23bをロッドインテグレータに置き換えることもできる。
また、上記プロジェクタ100において、光源装置10からの光を特定方向の偏光とする偏光変換素子24を用いていたが、この発明は、このような偏光変換素子24を用いないプロジェクタにも適用可能である。
また、プロジェクタとしては、投写面を観察する方向から画像投写を行う前面プロジェクタと、投写面を観察する方向とは反対側から画像投写を行う背面プロジェクタとがあるが、図5に示すプロジェクタの構成は、いずれにも適用可能である。
また、上記実施形態では、3つの液晶パネル41a〜41cを用いたプロジェクタ100の例のみを挙げたが、本発明は、1つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、2つの液晶パネルを用いたプロジェクタ、或いは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用可能である。
10…光源装置、 20…照明光学系、 30…色分離導光光学系、 40a、40b、40c…液晶ライトバルブ、 41a、41b、41c…液晶ライトパネル、 42a、42b、42c…入射偏光フィルタ、 43a、43b、43c…第1射出偏光フィルタ、 44a、44b、44c…第2射出偏光フィルタ、 50…クロスダイクロイックプリズム、 60…投射レンズ、 SB…放熱板、 100…プロジェクタ
Claims (10)
- 光源光を均一化して照明光を形成する照明光学系と、
前記照明光を偏光方向に関して変調する液晶パネルと、金属粉とガラスを含む無機材料により形成され、前記液晶パネルの後段に配置されて前記液晶パネルから射出された変調光から所定方向の直線偏光成分を選択的に吸収する第1射出側偏光素子と、前記第1射出側偏光素子の後段に配置され、前記所定方向の直線偏光成分をさらに選択的に吸収し、かつ前記第1射出偏光素子よりコントラストが高い第2射出側偏光素子とを有する光変調装置と、
前記光変調装置を経た像光を投射する投射光学系と
を備えるプロジェクタ。 - 前記第2射出側偏光素子は、吸収型有機偏光素子である請求項1記載のプロジェクタ。
- 前記第1射出側偏光素子のコントラストは、1.5:1〜1000:1である請求項1及び請求項2のいずれか一項記載のプロジェクタ。
- 前記第1射出側偏光素子は、熱膨張率と前記照明光の光軸方向についての厚さとの積が2.0×10−6mm/K以下である請求項1から請求項3のいずれか一項記載のプロジェクタ。
- 前記第1射出側偏光素子は、前記照明光の光軸方向についての厚さが0.3mm以下である請求項4記載のプロジェクタ。
- 前記第1射出側偏光素子を形成する前記無機材料に含まれるガラスは、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、耐熱ガラスのいずれかである請求項1から請求項5のいずれか一項記載のプロジェクタ。
- 前記第1射出側偏光素子を密着して支持し、前記第1射出側偏光素子より大きな体積を有し、より熱伝導性の高い放熱板をさらに備える請求項1から請求項6のいずれか一項記載のプロジェクタ。
- 前記放熱板は、サファイア及び水晶のいずれか1つにより構成される請求項7記載のプロジェクタ。
- 前記放熱板において、自己の光学軸と前記第1射出側偏光素子の軸とのなす角が0°±1.0°の範囲及び90°±1.0°の範囲のいずれかである請求項7及び請求項8のいずれか一項記載のプロジェクタ。
- 前記光変調装置は、前記液晶パネルの前段に配置されて前記液晶パネルに入射する前記照明光の偏光方向を揃える入射側偏光素子を有する請求項1から請求項9のいずれか一項記載のプロジェクタ。
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JP2007062985A JP2008225039A (ja) | 2007-03-13 | 2007-03-13 | プロジェクタ |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010079172A (ja) * | 2008-09-29 | 2010-04-08 | Sanyo Electric Co Ltd | 液晶表示装置 |
JP2020140072A (ja) * | 2019-02-28 | 2020-09-03 | セイコーエプソン株式会社 | 光変調装置、光学モジュールおよびプロジェクター |
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2007
- 2007-03-13 JP JP2007062985A patent/JP2008225039A/ja not_active Withdrawn
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