JP2008224781A - 光触媒リソグラフィ法およびそれに用いるテンプレート - Google Patents

光触媒リソグラフィ法およびそれに用いるテンプレート Download PDF

Info

Publication number
JP2008224781A
JP2008224781A JP2007059320A JP2007059320A JP2008224781A JP 2008224781 A JP2008224781 A JP 2008224781A JP 2007059320 A JP2007059320 A JP 2007059320A JP 2007059320 A JP2007059320 A JP 2007059320A JP 2008224781 A JP2008224781 A JP 2008224781A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pattern
photocatalyst
gap
template
lithography method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2007059320A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Abe
真 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2007059320A priority Critical patent/JP2008224781A/ja
Publication of JP2008224781A publication Critical patent/JP2008224781A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】光透過性基板上に光触媒よりなる所定のパターンを設けたテンプレートを用いた光触媒リソグラフィ法において、被加工物表面にコントラストが高く高精度の微細パターンを短時間に形成することができる光触媒リソグラフィ法およびそれに用いるテンプレートを提供する。
【解決手段】光透過性基板の一方の主面上に光触媒よりなるパターン12を有するテンプレート10を用いた光触媒リソグラフィ法であって、前記光触媒よりなるパターン12が空隙部を有し、前記テンプレート10のパターン側を被加工物13に密着させ、前記光透過性基板の他方の主面側より紫外線または可視光14を照射し、前記パターンに光触媒反応により活性種15を生成させ、該活性種15により前記被加工物表面を前記テンプレートのパターン状にエッチングまたは変性16することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光触媒を用いたリソグラフィ法、およびそれに用いるテンプレートに関する。
リソグラフィ法は、印刷版、回路板などの基板上に所定のパターン(画像)を形成するように光、紫外線、電子線やX線を照射して、照射部と非照射部の表面の性質を異なるようにし、その性質の違いを用いて一方をエッチングしてパターンを顕在化するものであり、通常は基板の処理面上に光硬化性あるいは光分解性の感光性レジストを塗布し、所定のパターンを形成したフォトマスクを介して露光して、露光部分を硬化あるいは分解し、所定の現像液で現像することにより、硬化の場合は未露光部分を、分解の場合は露光部分を除去して処理面を露出させ、レジストパターンを形成し、基板の露出部分をエッチング加工または化学変性して凹凸パターンあるいは化学変性パターンを形成し、次いでレジストパターンを酸素プラズマあるいは強酸などの剥離液で剥離除去するものである。
上記のエッチング加工方法としては、被加工物を溶解する溶液によるウェットエッチング法や酸素プラズマ等のプラズマを照射して基板の露出部分をエッチングするドライエッチング方法が知られている。また、化学変性する方法としては、基材表面を所定のパターンでマスキングして、露出部分を液体中で酸化剤等により酸化処理する化学酸化処理法などがある。
一般に、有機化合物はいろいろな工業製品に使われている。例えば、光学製品や電子製品分野では、レンズ、回折格子、液晶用カラーフィルタ、偏光フィルタ機能などの光学素子、有機EL(エレクトロルミネッセンス)などの発光素子、有機トランジスタなど電気回路素子、エッチング用マスクなど、多岐にわたる製品に用いられている。さらに、これらの製品の小型化に伴い、製品に用いられる有機化合物のさらなる微細加工が必要とされている。そのため、これらの有機化合物を加工するために、有機化合物に光や電子線での加工性を加えるように新たに分子設計をしたり、マスク加工とエッチング加工によりマスクのパターン形状を有機化合物に転写するなどの加工が必要であった。前者のマスク加工の場合、本来必要とされるマスク機能に加えて、加工のための機能、例えば、フォトリソグラフィでは光に反応する感光基が必要であり、光インプリントでは光で硬化する反応基が必要であった。そのため、有機化合物の高度な分子設計が必要となったり、それぞれの機能が単体での機能より劣化してしまう問題を生じたりした。また、両機能を両立できない場合は加工できなかった。後者のエッチング加工の場合、加工の工程が増えるため製造コストが増加するとともに、転写による形状の劣化が問題となっていた。
そこで上記の問題点を解決する方法として、光触媒を利用した光触媒リソグラフィ法が提案されている(特許文献1参照)。図6に特許文献1に記載された光触媒リソグラフィ法の一例を示す。透明支持体61上に所定のパターンを光触媒層62で作り、3mm以下の間隔をあけて被処理物66に対峙させ、紫外線または可視光64を照射し、光触媒反応により活性種65を生成させ、この活性種65により被処理物66表面を所定のパターンでエッチングまたは変性するという方法である。この光触媒リソグラフィ法によれば、光触媒により発生する活性酸素などの活性種は反応性が高く、ほとんどの有機化合物を分解することができるため、有機化合物に特殊な構造がなくても、有機化合物を加工することができるという利点を有する。
特開2003−236390号公報
しかしながら、特許文献1に記載された発明による光触媒リソグラフィ法は、上記のように、光触媒よりなるパターンと被加工物を3mm以下の間隔をあけて紫外線または可視光で照射する必要があった。この方法はパターンと被加工物との間が一定間隔離れているため、光触媒の作用により発生した活性酸素などの活性種が被加工物に形成すべきパターン以外の周囲にも拡散してしまいがちであり、被加工物に形成されるパターンのコントラストあるいは輪郭がぼやけるという精度面の問題が生じ、より微細なパターンを形成するのが困難であるという問題があった。一方、コントラストを上げ高解像の微細パターンを形成するために、光触媒よりなるパターンと被加工物とを密着させて紫外線または可視光で照射すると、パターン形成すべき被加工物に接した光触媒パターン部分の活性種となるべき酸素などが不足し、パターン形成時間が長くなりすぎて実用に適しないという問題があった。そのため、従来の光触媒リソグラフィ法は、光触媒よりなるパターンと被加工物との間隔をあけて行なわざるを得ないという問題があった。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、光透過性基板上に光触媒よりなる所定のパターンを設けたテンプレートを用いた光触媒リソグラフィ法において、被加工物表面にコントラストが高く高精度の微細パターンを短時間に形成することができる光触媒リソグラフィ法およびそれに用いるテンプレートを提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係る光触媒リソグラフィ法は、光透過性基板の一方の主面上に光触媒よりなるパターンを有するテンプレートを用いた光触媒リソグラフィ法であって、前記光触媒よりなるパターンが空隙部を有し、前記テンプレートのパターン側を被加工物に密着させ、前記光透過性基板の他方の主面側より紫外線または可視光を照射し、前記パターンに光触媒反応により活性種を生成させ、該活性種により前記被加工物表面を前記テンプレートのパターン状にエッチングまたは変性することを特徴とするものである。
請求項2の発明に係る光触媒リソグラフィ法は、請求項1に記載の光触媒リソグラフィ法において、前記紫外線または可視光を酸素または空気の雰囲気中で照射することを特徴とするものである。
請求項3の発明に係る光触媒リソグラフィ法は、請求項1または請求項2に記載の光触媒リソグラフィ法において、前記パターンが前記光透過性基板上に断面逆台形状に形成されており、前記パターンの空隙部が、前記テンプレートを前記被加工物に密着させたとき、前記逆台形状パターンの上底部と下底部との間に形成される隙間であることを特徴とするものである。
請求項4の発明に係る光触媒リソグラフィ法は、請求項3に記載の光触媒リソグラフィ法において、前記断面逆台形状のパターンが、前記光透過性基板上に形成したレジストパターン上に前記光触媒を塗布した後、前記レジストパターンをリフトオフ法により除去して形成されたたものであることを特徴とするものである。
請求項5の発明に係る光触媒リソグラフィ法は、請求項1または請求項2に記載の光触媒リソグラフィ法において、前記パターンの空隙部が、前記パターンにあらかじめ設計して設けた隙間であり、前記空隙部は、前記光触媒が作用する距離の2倍以下の幅を有し、前記パターン表面側に前記隙間が開口していることを特徴とするものである。
請求項6の発明に係る光触媒リソグラフィ法は、請求項1または請求項2に記載の光触媒リソグラフィ法において、前記パターンの空隙部が、前記パターン表面に形成された多孔質の隙間であることを特徴とするものである。
請求項7の発明に係る光触媒リソグラフィ法は、請求項6に記載の光触媒リソグラフィ法において、前記多孔質の隙間が、光電気化学エッチング法により形成されたことを特徴とするものである。
請求項8の発明に係る光触媒リソグラフィ法は、請求項6に記載の光触媒リソグラフィ法において、前記多孔質の隙間が、金属の陽極酸化法により形成されたことを特徴とするものである。
請求項9の発明に係る光触媒リソグラフィ法は、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の光触媒リソグラフィ法において、 前記光触媒が酸化チタン系光触媒であることを特徴とするものである。
請求項10の発明に係るテンプレートは、 光透過性基板の一方の主面上に光触媒よりなるパターンを有するテンプレートであって、前記光触媒よりなるパターンが空隙部を有することを特徴とするものである。
請求項11の発明に係るテンプレートは、請求項10に記載のテンプレートにおいて、前記パターンが、前記光透過性基板上に断面逆台形状に形成されていることを特徴とするものである。
請求項12の発明に係るテンプレートは、請求項10に記載のテンプレートにおいて、前記パターンの空隙部が、前記パターンの空隙部が、前記パターンにあらかじめ設計して設けた隙間であり、前記空隙部は、前記光触媒が作用する距離の2倍以下の幅を有し、前記パターン表面側に前記隙間が露出していることを特徴とするものである。
請求項13の発明に係るテンプレートは、請求項10に記載のテンプレートにおいて、前記パターンの空隙部が、前記パターン表面に形成された多孔質の隙間であることを特徴とするものである。
本発明の光触媒リソグラフィ法によれば、空隙部を有する光触媒からなるパターンを設けたテンプレートを被加工物に密着させて紫外線または可視光を照射することにより、フォトリソグラフィ法におけるような感光性レジストを用いた一連の工程を不要とし、被加工物表面にコントラストが高く高精度の微細パターンを短時間に形成することができる。また、感光性レジストを使用しないので、プラズマや強酸などの強い薬品を用いずにドライプロセスで被加工物を損傷せずにパターン加工し、被加工物をエッチングしたり親水化するなどの表面変性が可能となる。
本発明の方法によれば、有機化合物の加工と、有機化合物の機能を分離できるため、既存の機能性有機化合物をそのまま加工することができる。また、従来加工できなかったあるいは困難であった有機化合物も加工できる可能性がある。特殊な機能を持つ機能性有機化合物は、微妙な分子設計のもと成り立っているので、これらの有機化合物に加工のための構造を付与することは困難であることが多いが、そのような分子設計は必要なくなり、微細加工できる被加工物の対象が広がるという利点を有する。
また、本発明の方法により微細パターンを形成した被加工物は、所定のパターンで変性した表面の変性部分または非変性部分のみに機能性物質を結合させて、特定の部分のみ機能を発揮させることが可能であり、互いに異なるDNA断片や抗原、抗体、酵素などを同一表面に結合させれば、DNAチップ、抗原、抗体センサ、酵素センサなどに応用可能である。
本発明の光触媒リソグラフィ法に用いるテンプレートは、光触媒によるパターンが空隙部を有するので、テンプレートのパターン側を被加工物に密着させても、活性酸素などの活性種が欠乏して加工が不十分になることがなく、実用的なパターン形成時間で被加工物を高精度に微細パターン加工することが可能となる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係る光触媒を用いたリソグラフィ法、およびそれに用いるテンプレートについて詳細に説明する。
(光触媒リソグラフィ法)
図1は、本発明の光触媒を用いたリソグラフィ法を説明するための工程断面模式図である。 図1(a)に示すように、光透過性基板11の一方の主面上に光触媒よりなるパターン12を有するテンプレート10を準備する。別途、パターンを形成する被加工物13を用意する。テンプレート10の光触媒によるパターン12は空隙部(図1には示してない)を有している。
次に、図1(b)に示すように、このテンプレート10のパターン12側を被加工物13に密着させ、光透過性基板11の他方の主面側より紫外線または可視光14を照射し、パターン12に光触媒反応により活性種15を生成させ、この活性種15が密着している被加工物13表面をパターン状にエッチングまたは変性し、パターン状の被加工物のエッチング部分または変性部分16を形成する。
図1(c)は、光触媒リソグラフィ法を終えテンプレート10と被加工物13とを分離した状態を示し、被加工物13表面には、所望するパターン状にエッチング部分または変性部分16が形成される。
本発明の光触媒リソグラフィ法においては、光触媒よりなるパターンと被加工物を密着させても、パターンが空隙部を有するので、活性酸素などの活性種が欠乏することがなく、実用的なパターン形成時間で被加工物に微細なパターン加工をすることができる。また、本発明の方法によれば、光触媒による所定のパターンを設けた1枚のテンプレートを作成すると、被加工物を取り替えるだけで、同じパターンに加工された多数の被加工物を得ることができる。
(光透過性基板)
本発明で用いられるテンプレート10の光透過性基板11としては、紫外線または可視光を透過させるために透明の板状である必要があり、ガラス板、石英板、透明プラスチックシートなどを例示でき、プラスチックシートとしてはポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリエステル、非晶性ポリアミド、AS樹脂などを示すことができる。これらの材料の中では、ソーダライムガラス、低熱膨張ガラスなどのガラスおよび石英が好ましく、照射光が紫外線で微細パターンを位置精度よく形成するには、通常、フォトマスクに多用されており品質が安定し、短波長の照射光の透過率が高い合成石英ガラスがより好ましい。
(光触媒)
光触媒は、特定のバンドギャップ以上のエネルギーを持つ波長の光を照射すると、光励起により電子や正孔を生じる物質である。光励起により生じた電子の持つ還元力や、正孔の持つ強い酸化力が有機物の分解・浄化などの光触媒作用を起こす。
本発明で用いられる光触媒よりなるパターン12を形成する光触媒としては、紫外線あるいは可視光の照射により活性酸素などの活性種を発生する光触媒が用いられ、光半導体として知られる例えば酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス(Bi23)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化タンタル(TaO2)、酸化鉄(Fe23)、およびチタン酸ストロンチウム、酸化チタンの酸素の少なくとも一部を窒素に置換したものなどを挙げることができ、これらから選択して1種または2種以上を混合して用いることができる。紫外線で活性種を発生する光触媒を用いた場合は、明るい場所で操作することができるという利点を有し、可視光で活性種を発生する光触媒を用いた場合は光源の入手が容易であるという利点を有する。
本発明においては、特に光触媒性の酸化チタンが、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手も容易であることから好適に使用される。光触媒性酸化チタンにはアナターゼ型とルチル型があり、本発明ではいずれも使用することができる。アナターゼ型光触媒性酸化チタンは励起波長が380nm以下の紫外線領域にあり、紫外線で活性種を発生し、光触媒の機能が十分に発揮されて効果が著しいのでより好ましい。
このようなアナターゼ型光触媒性酸化チタンとしては、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平均粒径12nm))などを挙げることができる。
光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効果的に起こり、さらにパターンのエッジ精度の向上も容易となるのでより好ましく、平均粒径が20nm以下であることが好ましく、さらには5nm以下の光触媒を使用するのが特に好ましい。光透過性基板11上に形成する光触媒の厚さは0.01〜1μmの範囲であることが好ましい。厚さ0.01μm未満では光触媒の効果が不十分となり、一方、1μmを超えると光触媒よりなるパターンの解像性が低下するからである。
光透過性基板11の一方の面に光触媒を形成する方法としては、例えば、光触媒粉体を水あるいは揮発性有機溶媒に分散させ、これを光透過性基板11上に塗布、乾燥する方法を用いることができる。
(被加工物)
次に、本発明の光触媒リソグラフィを適用し得る被加工物の例について説明する。本発明の光触媒リソグラフィは、被加工物自体には加工のための操作を加えることが不要であり、感光性レジストや強い薬品を用いずにドライプロセスで被加工物を損傷せずにパターン加工し、被加工物を微細パターン状にエッチングしたり親水化などの表面変性をすることができる。そのため、様々な有機化合物の表面パターニング加工が可能であり、被加工物は特定の有機化合物に限定されるものではない。
(密着照射)
本発明の光触媒リソグラフィ法において、紫外線または可視光14を照射するとき、光触媒よりなるパターン12と被加工物13との密着の程度は、必ずしも両者を強固に密着(ハードコンタクト)する必要はなく、両者が接触する程度の密着(ソフトコンタクト)であれば十分である。本発明においては、光触媒よりなるパターン12は空隙部を有するので、活性種の発生源となる酸素などの供給は十分に行われる。
このような密着照射系は、例えば、光触媒よりなるパターン12と被加工物13とをそれぞれ密着する反対側から所定の圧力を軽くかけることにより達成することができる。このとき、酸素または空気の雰囲気中で密着させることにより、密着照射系への酸素供給量が増え、活性酸素が増加して被加工物表面のエッチングまたは変性が促進されるので、より好ましい。
紫外線、可視光を照射する光源としては、これらを発光する光源として通常用いられるものは何ら制限なく用いることができ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、中圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、ブラックライト、紫外線レーザなどを例示することができるが、これらに限定されるものではない。可視光、紫外線の強度は、目的とする加工に応じて適宜選択することができ、単位面積あたりの照射光量、照射時間も目的とするエッチング、変性の種類、処理の程度に応じて適宜選択できる。
(光触媒リソグラフィ法とテンプレート)
次に、本発明の光触媒リソグラフィ法の実施形態について、本発明のテンプレートの実施形態とを合わせて説明する。
(第一の実施形態)
図2は、本発明のテンプレートの第一の実施形態を示す部分断面模式図であり、図2(a)はテンプレートの部分模式図であり、図2(b)はその一部の拡大模式図である。
図2(a)に示すように、本実施形態のテンプレート20は、光透過性基板21の一方の主面上に光触媒よりなるパターン22を有するテンプレートであって、光触媒によるパターン22が光透過性基板21上に断面が逆台形状に形成されているものである。
本実施形態の光触媒よりなるパターン22の空隙部は、拡大模式図である図2(b)において、テンプレート20を被加工物に密着させたとき、逆台形状パターン22の上底部と下底部との間に形成される隙間23aである。通常のフォトリソグラフィでは、パターンの断面は略垂直もしくは略順台形状に形成するのが一般的であるが、本実施形態の場合には、パターンの断面を逆台形状に形成することにより、被加工物との密着時に上底部と下底部との寸法差により生じる隙間を酸素などの供給場所として利用し、活性酸素の発生を容易になさしめるものである。本発明の光触媒リソグラフィは、活性酸素の被加工物への接触、拡散により進行し、フォトリソグラフィとは異なる機構で反応が進むので、被加工物に形成されるパターン寸法はテンプレートの逆台形状パターンの上底部の寸法に依存し、下底部の寸法には殆ど依存しない。
また、本実施形態の光触媒によるパターン22は、図2(b)に示すように、空隙部としてパターン22の上底部の断面が略すり鉢状に凹んだ箇所23bを酸素供給場所として併用することも可能である。この凹んだ箇所23bは、逆台形状パターン22を形成するときに同時に形成することができる。
上記のように、本実施形態の光触媒よりなるパターン22の断面形状は、略逆台形状であれば被加工物と密着したときに、加工に十分な活性酸素を供給し得るものである。
図5は、図2に示すテンプレート20の製造方法を示す工程断面模式図である。
図5(a)に示すように、光透過性基板21の一方の主面上にフォトレジストを塗布し、露光、現像し、所望する光触媒によるパターンのネガ像となるレジストパターン24を形成する。このとき、露光・現像条件を制御し、レジストパターン24が順台形状となるようにする。
次に、図5(b)に示すように、レジストパターン24を形成した光透過性基板21上に、光触媒粉体を水あるいは揮発性有機溶媒に分散させて塗布し、乾燥して光触媒塗布膜22aを形成する。
次に、レジストパターン24を溶解または剥離する剥離液によりレジストパターン24をリフトオフ法で除去し、図5(c)に示すように、光透過性基板21上に光触媒による断面逆台形状のパターン22を有するテンプレート20を得る。
上記の工程において、レジストパターン24の厚みの影響などにより、光触媒塗布層22aの表面が平坦面とならずに若干の凹凸を生じ、リフトオフ後の逆台形状のパターン22の上底部の断面が凹むこともあるが、その凹部が酸素供給場所として作用するので、本発明の光触媒リソグラフィ法を実施する上で効果的である。
(第二の実施形態)
図3は、本発明のテンプレートの第二の実施形態を示す部分模式図であり、図3(a)は、光透過性基板31の一方の主面上に形成された光触媒よりなる一つのパターン32の部分平面模式図であり、図3(b)は、図3(a)のA−A線における断面模式図である。本実施形態のテンプレート30は、空隙部を有する光触媒よりなるパターン32を複数設けたものである。
本実施形態の光触媒よりなるパターン32の空隙部は、パターンにあらかじめ設計して設けた縦横の隙間33a、33bであり、この隙間を酸素などの供給場所として利用し、活性酸素の発生を容易になさしめるものである。図3では、隙間よりなる空隙部の幅dを縦横同じ幅の場合を例示している。空隙部は、光触媒が作用する距離の2倍以下であり、パターン32の表面側(被加工物と密着させる側)に隙間が開口しており、あらかじめ設計して設けた隙間である。空隙部の幅dを光触媒が作用する距離の2倍以下とすることにより、テンプレートの光触媒によるパターン32は被加工物に作用するときに、空隙部の痕跡を残さずに被加工物表面を加工し、被加工物表面にパターンを形成することができる。
図3では、パターン32の隙間33a、33bは、パターンの厚み方向に光透過性基板31にまで達しているが、パターン厚の途中までの深さの隙間であってもよい。任意の深さの隙間が適用できるが、パターン表面側に隙間が開口していることが必要である。また、パターン32に設ける隙間は、1本以上で複数本形成することができ、空隙部の形状も平面図において矩形に限らず、円形、不定形、斜線状など多様な形態を取り得るが、空隙部の作製のし易さからは、矩形がより好ましい。
本実施形態における光触媒からなるパターン32を有するテンプレート30の作製は、空隙部を含む所定のパターンを設計し、通常のリフトオフ法により作製することができる。すなわち、光透過性基板の一方の主面上にフォトレジストを塗布し、露光、現像して、所望する光触媒によるパターンのネガ像となるレジストパターンを形成する。この場合、リフトオフに用いるレジストパターンの断面形状は略垂直が適用し得る。
次に、レジストパターンを形成した光透過性基板上に、光触媒粉体を水あるいは揮発性有機溶媒に分散させて塗布し、乾燥して光触媒塗布膜を形成する。
次に、レジストパターンを溶解または剥離する剥離液によりレジストパターンをリフトオフ法で除去し、光透過性基板上に空隙部を有する光触媒よりなるパターンを設けたテンプレートが得られる。
(第三の実施形態)
図4は、本発明のテンプレートの第三の実施形態を示す部分模式図であり、光透過性基板41の一方の主面上に形成された光触媒よりなる複数のパターン42の部分平面模式図である。本発明のテンプレート40は、光触媒によるパターン42が空隙部を有し、この空隙部がパターンを構成する光触媒に形成された多孔質の隙間であることを特徴とするものである(図4では、多孔質の空隙部そのものは図示してない。)。上記の多孔質の隙間を有する光触媒よりなるパターン42を作製する2つの方法について説明する。なお、図4において、2つの方法が同じ場所を示す場合は、同じ符号を用いている。
第1の方法は、光触媒よりなるパターン42を構成する多孔質の光触媒を光電気化学エッチング法により製造する方法である。例えば、酸化チタン(TiO2)を硫酸水溶液中で光電気化学エッチングすることにより、孔径数10nmのハニカム構造が形成され、側壁はルチル構造であることが知られている。この多孔質の構造を有する酸化チタンを所定の大きさの粉体として使用するものである。
本実施形態における光触媒からなるパターンを有するテンプレート40の作製は、所定のパターンを設計し、通常のリフトオフ法により作製することができる。すなわち、光透過性基板41の一方の主面上にフォトレジストを塗布し、露光、現像して、所望する光触媒によるパターンのネガ像となるレジストパターンを形成する。この場合、リフトオフに用いるレジストパターンの断面形状は略垂直が適用し得る。
次に、レジストパターンを形成した光透過性基板41上に、上記の多孔質の構造を有する所定の大きさの酸化チタン粉体を水あるいは揮発性有機溶媒に分散させて塗布し、乾燥して光触媒塗布膜を形成する。
次に、レジストパターンを溶解または剥離する剥離液によりレジストパターンをリフトオフ法で除去し、光透過性基板41上に多孔質の空隙部を有する光触媒によるパターン42を設けたテンプレート40を得る。本実施形態の場合には、パターン自体が微細な多孔質構造なので、個々の孔の開口部がパターン表面側に開口していなくても、パターン全体で酸素供給場所として十分に作用する。
第2の方法は、光触媒よりなるパターン42を金属の陽極酸化法により形成する方法である。金属としては、陽極酸化することにより光触媒性の金属酸化物半導体とすることができる金属が用いられ、例えば、チタン、タンタル、タングステン、亜鉛、スズ、インジウム、鉄等の薄膜が挙げられる。陽極酸化法で形成された金属酸化膜の薄膜は光透過性があり多孔質であることが知られており、本実施形態では、金属酸化膜の多孔質の隙間をパターンの空隙部として用いるものである。
本実施形態における光触媒からなるパターンを有するテンプレート40の作製は、図示はしてないが、例えば、光透過性基板41の一方の主面上に酸化スズ等の透明導電膜を形成し、この透明導電膜上に陽極酸化することにより光触媒性の金属酸化物半導体となる金属薄膜を形成する。次に、上記の金属薄膜を通常のフォトエッチング法によりパターン加工し、所定形状の金属薄膜パターンとする。
次に、上記の金属薄膜パターンを透明導電膜上に設けた光透過性基板41を陽極酸化処理層中で陽極酸化し、多孔質の金属酸化物よりなる光触媒によるパターン42を設けたテンプレート40を得る。陽極酸化は、例えば、陽極酸化処理槽を硫酸水溶液等の電解液で満たし、陽極には透明導電膜上に金属薄膜パターンを設けた光透過性基板を用い、陰極に白金電極を用い、両電極間に所定の時間、所要の電圧をかけて金属薄膜パターンを陽極酸化させ、多孔質の金属酸化物よりなる光触媒によるパターン42を形成することができる。
上記の実施形態においては、金属パターンに電極の導通が取れない箇所があっても陽極酸化が可能なように、透明導電膜を設けた場合について説明したが、金属パターンのみで電極としての導通が確保できる場合には、必ずしも透明導電膜を設けなくてもよい。
本実施形態において、陽極酸化することによりパターン寸法が変動する場合には、予め寸法変化量を算出して、金属パターン寸法を補正しておくのが望ましい。
(加工例)
本発明の方法によれば、フォトリソグラフィ法におけるような被加工物表面へのフォトレジスト剤の塗布工程、現像工程、露出部分処理後の残存レジストの剥離工程の一連の工程が不要であり、光透過性基板上に光触媒による所定のパターンを有するテンプレートを被加工物に密着させ、紫外線または可視光を照射することにより、被加工物表面をパターン状にエッチングや親水化などの表面変性ができる。また、所定のパターンで変性した表面の変性部分または非変性部分のみに機能性物質を結合させて、特定の部分のみ機能を発揮させることが可能である。
本発明における被加工物表面をエッチングする加工例としては、固体表面にプラスチック系有機材料薄膜を形成し、その有機薄膜表面と所定パターンを設けたテンプレートを密着させ、紫外線または可視光を照射し、照射部分のみを分解除去する例を示すことができる。
本発明における表面変性の例としては、疎水性有機材料からなる被加工物の表面を活性酸素で酸化することにより親水性官能基を導入して、所定パターンの部分のみを親水性表面にすることができる。また、被加工物表面に色素含有ポリマー薄膜を塗布したものに本発明の方法を適用すると、所定パターン状に脱色してパターンを顕示化することができる。さらに、他の加工例としては、所定パターン部分のみ親水化した後、親水化部分のみに機能性物質を結合することによりパターン状に機能を発揮する表面が得られる。機能性物質としては、例えば色素や蛍光色素(色素付着による顕示、表示デバイスなどへの応用)、触媒や酵素(任意物質の合成や分解)、導電性材料や半導体材料(各種電子デバイスや電池などへの応用)、イオン伝導性材料や酸化還元物質(電池などへの応用)、分子親和性材料やイオン親和性材料(表面濡れ性制御や物質分離など)などが挙げられる。また、機能性物質として、物質認識機能を有する化合物を付加することもできる。このような物質認識機能を有する化合物として、DNAまたはその断片(ペアとなるDNAを認識)、抗原(抗体認識)、抗体(抗原認識)、配位子(イオン認識)、クラウンエーテル(イオン認識)、酵素(酵素反応可能な物質)、触媒(反応性物質)などを例示できる。
また、本発明は無機化合物にも適用することが可能であり、シリコン基板に適用して、所定パターン部分を酸化して絶縁性にすることができる。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに詳しく説明する。
(実施例1)
光透過性基板として、外形が縦6インチ、横6インチ、厚さ0.25インチの直方体の合成石英基板を用い、この基板の一主面上に、ネガ型フォトレジストを塗布し、プリベーク後、紫外線露光装置にてパターン露光し、現像し、厚さ0.25μmで断面形状が順台形状のレジストパターンを形成した。
次に、上記のレジストパターンを覆って基板の一主面上に、アナターゼ型の光触媒性酸化チタンを水とイソプロピルアルコールの混合溶媒(重量比1:1)に分散させた分散溶液をスピンコート法で塗布し、200℃で30分乾燥し、厚さ0.3μmの光触媒層を形成した。
次に、上記レジストの剥離液でレジストパターンをリフトオフして剥離した。続いて、300℃で1時間乾燥し、厚さ0.3μmの光触媒よりなる断面逆台形状パターンを有するテンプレートを得た。
別途、ポリカーボネートが主成分のユーピロンZ400(三菱ガス化学製)をジクロロメタンとトリクロロエタンに混合溶媒に溶解し、この溶液をガラス基板上にスピンコート法で塗布し、100℃で1時間乾燥して、厚さ0.01μmの透明なポリカーボネート膜を有する被加工物とした。
次に、上記のテンプレートのパターン側をポリカーボネート膜を形成したガラス基板に密着させ、テンプレートの裏面側から超高圧水銀灯(波長365nm)により40mW/cm2の照度で10分間照射した。照射後、被加工物のポリカーボネートはパターン状に分解除去されており、従来の非密着照射では解像し得ないような微細パターンも十分に解像しているのが確認された。
(実施例2)
光透過性基板として、外形が縦6インチ、横6インチ、厚さ0.25インチの直方体の合成石英基板を用い、この基板の一主面上に、ポジ型電子線レジストを塗布し、プリベーク後、電子線描画装置にてパターン描画し、現像し、各個別パターンをx方向、y方向に分割する幅0.5μmの空隙部を有する厚さ0.25μmの所望のレジストパターンを形成した。このレジストパターンの断面は略垂直であった。
次に、上記のレジストパターンを覆って基板の一主面上に、イソプロピルアルコールと光触媒無機コーティング剤であるST−K03(石原産業(株)製)とを混合した分散溶液をスピンコート法で塗布し、150℃で30分乾燥し、厚さ0.3μmの光触媒層を形成した。
次に、上記レジストの剥離液でレジストパターンをリフトオフして剥離した。続いて、200℃で1時間乾燥し、厚さ0.3μmの光触媒よりなる空隙部を有するパターンを設けたテンプレートを得た。
別途、カチオン性高分子であるポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドと、アニオン性高分子であるポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩とをガラス基板上に交互吸着させ、厚さ約2nmの交互吸着膜を有する被加工物とした。
次に、上記のテンプレートのパターン側を交互吸着膜を有する被加工物に密着させ、テンプレートの裏面側から超高圧水銀灯(波長365nm)により40mW/cm2の照度で2分間照射した。照射後、被加工物の交互吸着膜はパターン状に加工されており、従来の非密着照射では解像し得ないような微細パターンも解像しているのが確認された。
(実施例3)
光透過性基板として、外形が縦6インチ、横6インチ、厚さ0.25インチの直方体の合成石英基板を用い、この基板の一主面上に、ポジ型電子線レジストを塗布し、プリベーク後、電子線描画装置にてパターン描画し、現像し、厚さ0.25μmの所望のレジストパターンを形成した。このレジストパターンの断面は略垂直であった。
一方、光触媒機能があり多孔質構造を有する酸化チタン(TiO2)を以下の方法で作製した。酸化チタン粉末を加圧成型してタブレットを作製し、このタブレットを焼成し、還元処理した後、硫酸水溶液中、定電位下で、超高圧水銀灯により光照射して光電気化学エッチングすることにより、孔径数10nmのハニカム構造を有する酸化チタンを得た。この酸化チタンの側壁はルチル構造であることが知られている。この多孔質の構造を有する酸化チタンを平均粒径7μmの大きさの粉体とした。
次に、上記の多孔質構造を有する酸化チタン粉体をイソプロピルアルコールに分散し、この分散溶液を上記のレジストパターンを覆ってスピンコート法で塗布し、150℃で30分乾燥し、厚さ0.3μmの光触媒層を形成した。
次に、上記レジストの剥離液でレジストパターンをリフトオフして剥離した。続いて、200℃で1時間乾燥し、厚さ0.3μmの多孔質の光触媒よりなるパターンを有するテンプレートを得た。
別途、イソプロピルアルコールとフルオロアルキルシラン(GE東芝シリコーン(株))とテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン(株))と0.5規定塩酸とを混合攪拌し、これをイソプロピルアルコールにより100倍に希釈して濡れ性変化層用組成物とした。
上記の濡れ性変化層用組成物を、ガラス基板上にスピンコート法により塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、透明な濡れ性変化層(厚さ0.1μm)を有する被加工物とした。
次に、上記のテンプレートのパターン側を濡れ性変化層を有する被加工物に密着させ、テンプレートの裏面側から超高圧水銀灯(波長365nm)により40mW/cm2の照度で2分間照射した。照射後、被加工物の濡れ性変化層はパターン状に加工されており、従来の非密着照射では解像し得ないような微細パターンも解像しているのが確認された。
このとき、紫外線未照射部および照射部と濡れ標準試薬(40mN/m)との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)した結果、それぞれ、75°と7°であった。
(実施例4)
光透過性基板として、外形が縦6インチ、横6インチ、厚さ0.25インチの直方体の合成石英基板を用い、この基板の一主面上に、酸化スズの透明導電膜をスパッタリングにより500nmの厚さに形成し、次いで、ターゲットにチタン・ターゲットを用いスパッタリング法により、膜厚が200nmのチタン薄膜を形成した。
次に、上記のチタン薄膜上に電子線レジストを塗布し、電子線描画し、現像し、ライン状のレジストパターンを形成した。次に、レジストパターンをマスクとしてチタン薄膜を5%フッ化水素酸水溶液でエッチングし、チタン金属パターンを形成した。このとき、合成石英基板の裏面側主面と側面には電子線レジストを塗布して、基板がエッチングされないように保護した。
次に、上記のレジストパターンおよび裏面と側面の電子線レジストを剥離した後、塩化ビニール製の陽極酸化処理槽中で、電解液として硫酸3%水溶液を用い、処理品ホルダーを兼ねる陽極に上記の透明導電膜上にチタン薄膜パターンが形成された石英基板を接続して、両極間に電圧21Vを必要時間かけて陽極酸化処理を行い、チタン薄膜パターンを陽極酸化して多孔質の二酸化チタンのパターンとし、石英基板の透明導電膜上に多数の微細な孔を有する光触媒性の二酸化チタンよりなるパターンを設けたテンプレートを得た。
別途、実施例1と同様にして、ポリカーボネートが主成分のユーピロンZ400(三菱ガス化学製)をジクロロメタンとトリクロロエタンに混合溶媒に溶解し、この溶液をガラス基板上にスピンコート法で塗布し、100℃で1時間乾燥して、厚さ0.01μmの透明なポリカーボネート膜を有する被加工物とした。
次に、上記のテンプレートのパターン側をポリカーボネート膜を形成したガラス基板に密着させ、テンプレートの裏面側から超高圧水銀灯(波長365nm)により40mW/cm2の照度で10分間照射した。照射後、被加工物のポリカーボネートはパターン状に分解除去されており、従来の非密着照射では解像し得ないような微細パターンも十分に解像しているのが確認された。
本発明の光触媒リソグラフィ法を説明するための工程断面模式図である。 本発明のテンプレートの第一の実施形態を示す部分断面模式図である。 本発明のテンプレートの第二の実施形態を示す部分模式図である。 本発明のテンプレートの第三の実施形態を示す部分模式図である。 図2に示す本発明の第一の実施形態のテンプレートの製造方法を示す工程断面模式図である。 従来の光触媒リソグラフィ法を説明するための断面模式図である。
符号の説明
10、20、30、40 テンプレート
11、21、31、41 光透過性基板
12、22、32、42 光触媒よりなるパターン
13 被加工物
14 紫外線または可視光
15 活性種
16 被加工物表面のエッチング部分または変性部分
22a 光触媒塗布層
23a 隙間
23b 凹んだ箇所
33a、33b 隙間
61 透明支持体
62 光触媒層
63 マスク
64 紫外線または可視光
65 活性種
66 被処理物
67 光触媒層と被処理物の間の空間
68 被処理物表面のエッチング部分または変性部分

Claims (13)

  1. 光透過性基板の一方の主面上に光触媒よりなるパターンを有するテンプレートを用いた光触媒リソグラフィ法であって、前記光触媒よりなるパターンが空隙部を有し、前記テンプレートのパターン側を被加工物に密着させ、前記光透過性基板の他方の主面側より紫外線または可視光を照射し、前記パターンに光触媒反応により活性種を生成させ、該活性種により前記被加工物表面を前記テンプレートのパターン状にエッチングまたは変性することを特徴とする光触媒リソグラフィ法。
  2. 前記紫外線または可視光を酸素または空気の雰囲気中で照射することを特徴とする請求項1に記載の光触媒リソグラフィ法。
  3. 前記パターンが前記光透過性基板上に断面逆台形状に形成されており、前記パターンの空隙部が、前記テンプレートを前記被加工物に密着させたとき、前記逆台形状パターンの上底部と下底部との間に形成される隙間であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光触媒リソグラフィ法。
  4. 前記断面逆台形状のパターンが、前記光透過性基板上に形成したレジストパターン上に前記光触媒を塗布した後、前記レジストパターンをリフトオフ法により除去して形成されたたものであることを特徴とする請求項3に記載の光触媒リソグラフィ法。
  5. 前記パターンの空隙部が、前記パターンにあらかじめ設計して設けた隙間であり、前記空隙部は、前記光触媒が作用する距離の2倍以下の幅を有し、前記パターン表面側に前記隙間が開口していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光触媒リソグラフィ法。
  6. 前記パターンの空隙部が、前記パターン表面に形成された多孔質の隙間であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光触媒リソグラフィ法。
  7. 前記多孔質の隙間が、光電気化学エッチング法により形成されたことを特徴とする請求項6に記載の光触媒リソグラフィ法。
  8. 前記多孔質の隙間が、金属の陽極酸化法により形成されたことを特徴とする請求項6に記載の光触媒リソグラフィ法。
  9. 前記光触媒が酸化チタン系光触媒であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の光触媒リソグラフィ法。
  10. 光透過性基板の一方の主面上に光触媒よりなるパターンを有するテンプレートであって、前記光触媒よりなるパターンが空隙部を有することを特徴とするテンプレート。
  11. 前記パターンが、前記光透過性基板上に断面逆台形状に形成されていることを特徴とする請求項10に記載のテンプレート。
  12. 前記パターンの空隙部が、前記パターンにあらかじめ設計して設けた隙間であり、前記空隙部は、前記光触媒が作用する距離の2倍以下の幅を有し、前記パターン表面側に前記隙間が露出していることを特徴とする請求項10に記載のテンプレート。
  13. 前記パターンの空隙部が、前記パターン表面に形成された多孔質の隙間であることを特徴とする請求項10に記載のテンプレート。
JP2007059320A 2007-03-09 2007-03-09 光触媒リソグラフィ法およびそれに用いるテンプレート Withdrawn JP2008224781A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007059320A JP2008224781A (ja) 2007-03-09 2007-03-09 光触媒リソグラフィ法およびそれに用いるテンプレート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007059320A JP2008224781A (ja) 2007-03-09 2007-03-09 光触媒リソグラフィ法およびそれに用いるテンプレート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008224781A true JP2008224781A (ja) 2008-09-25

Family

ID=39843522

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007059320A Withdrawn JP2008224781A (ja) 2007-03-09 2007-03-09 光触媒リソグラフィ法およびそれに用いるテンプレート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008224781A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012223731A (ja) * 2011-04-21 2012-11-15 Canon Machinery Inc 二酸化チタン光触媒層のパターン形成方法
WO2021157414A1 (ja) * 2020-02-04 2021-08-12 日機装株式会社 光触媒デバイスおよび光触媒デバイスの製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012223731A (ja) * 2011-04-21 2012-11-15 Canon Machinery Inc 二酸化チタン光触媒層のパターン形成方法
WO2021157414A1 (ja) * 2020-02-04 2021-08-12 日機装株式会社 光触媒デバイスおよび光触媒デバイスの製造方法
JPWO2021157414A1 (ja) * 2020-02-04 2021-08-12
JP7418477B2 (ja) 2020-02-04 2024-01-19 日機装株式会社 光触媒デバイスおよび光触媒デバイスの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100877708B1 (ko) 패턴 형성체의 제조 방법 및 그것에 사용하는 포토마스크
JP4526029B2 (ja) 光触媒組成物および光触媒含有層
JP2003195029A (ja) パターン形成体の製造方法
JP2008221491A (ja) ナノインプリント用モールドおよびその製造方法
JP4201175B2 (ja) パターン形成体の製造方法
JP2008224781A (ja) 光触媒リソグラフィ法およびそれに用いるテンプレート
JPH02165540A (ja) プラズマディスプレイパネル用の障壁形成法
JP4201174B2 (ja) パターン形成体の製造方法
JP4694300B2 (ja) 光触媒含有層の製造方法
JP4201173B2 (ja) パターン形成体の製造方法
JP4459829B2 (ja) パターン形成体およびその製造方法
JP4601459B2 (ja) 露光用マスクおよびその製造方法
JP2005186005A (ja) 光触媒含有層基板およびパターン形成体の製造方法
JP4324355B2 (ja) パターン形成体の製造方法
JP4844568B2 (ja) パターン形成体の製造方法
JP2007094159A (ja) パターン形成体の製造方法
JP2007044596A (ja) 光触媒含有層
JP4641774B2 (ja) パターン形成体の製造方法
JP4788750B2 (ja) パターン形成体の製造方法
JP4779496B2 (ja) 酸化チタン含有層の製造方法
JP2006162754A (ja) パターン形成体およびその製造方法
JP2007109768A (ja) パターン形成体およびその製造方法
JP2008197234A (ja) 近接露光用フォトマスク、露光方法及び露光装置
JP2005156739A (ja) パターン形成体用塗工液
JP2005148321A (ja) パターン形成体およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20100511