JP2008224248A - センサ付軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】外部磁束に強く、高分解能な回転状態信号を出力可能なセンサ付軸受装置を提供すること。
【解決手段】内輪16と外輪18との間にボール20が配置された軸受12と、内輪16に支持された回転部材22と、外輪18に支持されて回転部材22の外周面を包囲する円筒部材26と、円筒部材26に配置された二対の検出コイル28〜34と、各検出コイル28〜34の出力を基に回転部材22の回転状態を検出する回転状態検出器とを備え、回転部材22は、磁性材料で構成され、回転部材22には軸方向に伸びる溝24が複数条形成され、円筒部材26には窓36〜42が複数列形成され、各列の窓36〜42が各検出コイル28〜34によって包囲され、検出コイル28、30と検出コイル32、34から差動信号が出力され、差動信号を回転状態検出器で2相信号に変換して、その比から回転部材22の角度を求める。
【選択図】図2
【解決手段】内輪16と外輪18との間にボール20が配置された軸受12と、内輪16に支持された回転部材22と、外輪18に支持されて回転部材22の外周面を包囲する円筒部材26と、円筒部材26に配置された二対の検出コイル28〜34と、各検出コイル28〜34の出力を基に回転部材22の回転状態を検出する回転状態検出器とを備え、回転部材22は、磁性材料で構成され、回転部材22には軸方向に伸びる溝24が複数条形成され、円筒部材26には窓36〜42が複数列形成され、各列の窓36〜42が各検出コイル28〜34によって包囲され、検出コイル28、30と検出コイル32、34から差動信号が出力され、差動信号を回転状態検出器で2相信号に変換して、その比から回転部材22の角度を求める。
【選択図】図2
Description
本発明は、センサ付軸受装置に係り、特に、ロボットアームや自動車のハブなどの回転支持部分に組み込んで、角度や回転角速度などを検出することに利用することができるセンサ付軸受装置に関する。
従来、センサとしては、例えば、回転軸に発生するトルクを検出するトルクセンサが知られているとともに、回転軸の角度や回転角速度を検出するセンサなどが知られている。これらセンサのうち回転状態検出機能を有するセンサを軸受に付加したセンサ付軸受装置が提案されている。例えば、多極に着磁されたマグネットの磁極をデジタル出力のホールICで検出し、ホールICからパルス信号を出力するようにしたものがある(特許文献1参照)。
特開昭63−111416号公報
しかしながら、上述した従来のセンサ付軸受装置を高分解能化しようとするとき、エンコーダのNS極のピッチを小さくするのには限界がある。また、マグネットにより回転状態を検出する方式では、外部磁束に影響されやすいという課題がある。
そこで、本発明は、前記従来技術の課題に鑑みて為されたものであり、外部磁束に強く、高分解能な回転状態信号を出力可能なセンサ付軸受装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、静止輪と回転輪との間に複数の転動体が配置された軸受と、前記回転輪に支持又は一体に成形された回転部材と、前記静止輪に支持されて前記回転部材の外周面を包囲する円筒部材と、前記円筒部材に配置された二対の検出コイルと、前記二対の検出コイルの出力に従って前記回転部材の回転状態を検出する回転状態検出器とを備え、前記回転部材は、磁性材料で構成され、前記回転部材に軸方向に延びる溝が複数条形成され、前記円筒部材には前記回転部材との相対回転位置に応じて前記溝との重なり具合が変化するように窓が複数列形成され、前記各列の窓が形成された領域を包囲するように前記各検出コイルが配置されてなることを特徴とするセンサ付軸受装置である。
本発明によれば、円筒部材の内側には磁性材料からなる回転部材が配置され、回転部材には複数条の溝が円筒部材の窓と同期を持って形成されており、磁界中に置かれた磁性材料により回転部材が磁化されて、磁束を発生する際に、その量は飽和に至るまで磁界の強さに応じて大きくなる。
このため、円筒部材によって作られる円周方向に周期的な強弱と半径方向に勾配を有する磁界によって、回転部材の磁束は円筒部材との相対的な位相によって増減する。この磁束が最大となる位相は窓の中心と、溝と溝との間の凸部の中心とが一致した状態であり、磁束の増減に応じて、一対の検出コイルのインダクタンスも増減し、その変化は、ほぼ正弦波状となる。検出コイルは2個一組のものを二対、合計4つ配置されており、各対のコイルから差動出力されるように窓が配置されている。
しかも、一方の一対の検出コイルに対応する窓と、他方の一対の検出コイルに対応する窓は互いに位相差を持つように形成されているので、各検出コイルからの信号を2相信号に変換し、角度を回転状態検出器によって演算することにより、回転部材の回転状態を検出することが可能である。また、磁気エンコーダを使用しない構造のため、外部磁束に強く、回転部材の回転状態を高精度に検出することができる。
本発明によれば、外部磁束に強く高分解能化が可能となり、回転部材の回転状態を高精度に検出することができるセンサ付軸受装置を提供することができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施例を示すセンサ付軸受装置の斜視図、図2は、本発明の一実施例を示すセンサ付軸受装置の分解斜視図である。図1および図2において、センサ付軸受装置10は、軸受12を備え、軸受12には、軸受12の回転状態を検出するためのセンサ14が付加されている。軸受12は、内輪16と、外輪18と、内輪16と外輪18との間に装着された転動体としてのボール20を複数個備えて構成されており、内輪16、外輪18のうち一方が静止輪となり、他方が回転輪となって軸受装置を構成するようになっている。内輪16を回転輪とした場合、内輪16にはほぼ円筒状に形成された回転部材22が支持される。
回転部材22は磁性体として、磁性材料を用いて構成されており、その外周側には複数の凹凸部が等間隔で周方向に沿って形成されている。各凹凸部のうち凹部は溝24として形成され、凸部は溝24と溝24との間に形成されている。すなわち回転部材22の外周側には、軸方向に伸びる溝24が複数条形成されており、各条の溝24は回転部材22の周方向において等間隔で形成されている。
円筒部材22の外側には円筒部材26が配置されており、円筒部材26の外周側には二対の検出コイル28、30、32、34が配置されている。円筒部材26、検出コイル28、30、32、34は静止輪としての外輪18に支持されている。
円筒部材26は、導電性で且つ非磁性の材料から形成されており、この円筒部材26には、その周方向に沿って等間隔に離隔した長方形の複数の窓36、38、40、42が複数列形成されている。窓38は、窓36に対して180度位相がずれるように配置されており、窓42は窓40に対して180度位相がずれて配置されている。一方、窓40は、窓36に対して90度位相がずれるように配置されている。
検出コイル28、30、32、34は、各列の窓36、38、40、42をそれぞれ包囲するように配置されている。各検出コイル28、30、32、34は、回転状態検出器(図示せず)に接続されており、各検出コイル28、30、32、34には、回転状態検出器から正弦波状の電圧が印加されるようになっている。
回転状態検出器は、各検出コイル28、30、32、34に正弦波状の電圧を印加して各検出コイル28、30、32、34に起電力を誘導させて、この起電力を基に回転部材22の回転状態としてその角度を算出するように構成されている。
上記構成において、内輪16が回転輪として回転すると、それに伴って回転部材22が回転する。この際、円筒部材26に窓36、38、40、42がない状態では、円筒部材26は導電性で且つ非磁性の材料で構成されていることから、検出コイル28、30、32、34に交流電流を流して検出コイル28、30、32、34内部に交番磁界を生じさせると、円筒部材26の外周面には各検出コイル28、30、32、34に流れるコイル電流とは反対方向の渦電流が発生する。この渦電流による磁界と検出コイル28、30、32、34による磁界とを重ね合わせると、円筒部材26の内側の磁界は相殺される。
これに対して、円筒部材26に、窓36、38、40、42を2列に設けた場合、円筒部材26の外周面に生じた渦電流は、窓36、38、40、42によって外周面を周回できないため、窓36、38、40、42の端面に沿って円筒部材26の内周面側に回りこみ、その内周面をコイル電流と同一方向に流れ、さらに相隣接する窓36、38、40、42の端面に沿って外周面側に戻り、ループを形成する。つまり、検出コイル28、30、32、34の内側に、渦電流のループを周方向に周期的に配置した状態となる。
円筒部材26の内側には、磁性材料からなる回転部材22が同軸に配置され、その回転部材22には軸方向に沿って溝24が、窓36、38、40、42と同じ周期で形成されているので、磁界中に置かれた回転部材22は磁化されて磁束を発生するが、その量は飽和に至るまでには磁界の強さに応じて大きくなる。
このため、円筒部材26によって作られる周方向に周期的な強弱と半径方向に勾配を有する磁界によって、回転部材22の磁束は、円筒部材26との相対的な位相によって増減する。このとき、磁束が最大となる位相は、各窓36、38、40、42の中心と、溝24と溝24との間の凸部の中心とが一致した状態であり、磁束の増減に応じて、検出コイル28、30、32、34のインダクタンスも増減する。その変化は、ほぼ正弦波状となる。このとき、回転部材22の回転状態を示す信号として、一方の一対の検出コイル28、30と他方の一対の検出コイル32、34からは、90度の位相を持つ2相の差動信号が出力される。
回転状態検出器は、入力された差動信号をシングルエンド信号に変換し、90度の位相差を持つ2相信号に変換し、その2相信号の比を演算で求めることにより、回転部材22の回転状態として、回転部材22の角度を演算することができる。
演算された角度は、アナログ信号またはデジタル信号として出力される。例えば、0〜5Vに均等に割り当て、角度に対応したアナログ電圧を出力する。また、0〜360度を10ビット(0〜1023)に均等に割り当て、角度に対応したデジタル値を出力する。
または、回転に応じてパルス信号を出力することができる。例えば、1周を10ビット(1024)に分割して、回転に応じてパルス信号を出力する。特に、1周期を分割してパルスを生成すれば、「1周期のパルス数×周期数」のパルスを生成することができ、高分解能化が可能である。また、パルス信号をカウントして回転角速度を出力することもできる。
または、回転に応じてパルス信号を出力することができる。例えば、1周を10ビット(1024)に分割して、回転に応じてパルス信号を出力する。特に、1周期を分割してパルスを生成すれば、「1周期のパルス数×周期数」のパルスを生成することができ、高分解能化が可能である。また、パルス信号をカウントして回転角速度を出力することもできる。
また、回転状態検出器は軸受に組み込んでもよいし、外付けであってもよい。また、上記実施の形態においては、玉軸受に適用した例を示したが、それに限定するものではなく、円錐ころ軸受・ニードル軸受・こと軸受・複列軸受・その他任意の種類の軸受に適用してもよい。
また、角度を算出する方法は、2相信号の比を求める方法を示したが、これに限定するものではなく、他の方法でもよい。
また、上記実施の形態において、回転部材22は、内輪16に支持された構造としているが、回転部材22と内輪16を一体で形成すると、部品点数が削減できるので、好ましい。
また、上記実施の形態においては、検出コイル対の位相差は90度で形成しているが、これに限定するものではない。しかし、位相差を90度にすると2相信号の位相差が90度となり、角度の算出が容易となるので、90度の位相差が好ましい。
また、窓36、38、40、42は、窓36と窓40、窓38と窓42がそれぞれ対になる場合を示したが、図3に示すように、窓62は、窓58に対して180度位相がずれるように配置し、窓64は、窓60に対して180度位相がずれるように配置し、窓60は窓58に対して90度位相がずれるように配置してもよい。つまり、検出コイル50と検出コイル54が対となり、検出コイル52と検出コイル56が対となるように窓58、60、62、64を配置してもよい。
本実施の形態によれば、磁気エンコーダ方式とは異なり、外部磁束に強く、高分解能化が可能であって、回転部材22の回転状態を高精度に検出することができる。
10 センサ付軸受装置
12 軸受
14 センサ
16 内輪
18 外輪
20 ボール
22 回転部材
24 溝
26 円筒部材
28、30、32、34 検出コイル
36、38、40、42 窓
50、52、54、56 検出コイル
58、60、62、64 窓
12 軸受
14 センサ
16 内輪
18 外輪
20 ボール
22 回転部材
24 溝
26 円筒部材
28、30、32、34 検出コイル
36、38、40、42 窓
50、52、54、56 検出コイル
58、60、62、64 窓
Claims (6)
- 静止輪と回転輪との間に複数の転動体が配置された軸受と、前記回転輪に支持又は一体に成形された回転部材と、前記静止輪に支持されて前記回転部材の外周面を包囲する円筒部材と、前記円筒部材に配置された二対の検出コイルと、前記二対の検出コイルの出力に従って前記回転部材の回転状態を検出する回転状態検出器とを備え、前記回転部材は、磁性材料で構成され、前記回転部材に軸方向に延びる溝が複数条形成され、前記円筒部材には前記回転部材との相対回転位置に応じて前記溝との重なり具合が変化するように窓が複数列形成され、前記各列の窓が形成された領域を包囲するように前記各検出コイルが配置されてなることを特徴とするセンサ付軸受装置。
- 前記二対の検出コイルは、それぞれ一対ずつ差動信号を出力する請求項1に記載のセンサ付軸受装置。
- 前記回転状態検出器は、前記二対の検出コイルの差動信号をシングルエンド信号に変換し、得られた2相信号から前記回転部材の回転状態を検出してなることを特徴とする請求項1または2に記載のセンサ付軸受装置。
- 前記回転状態検出器は、前記回転部材の回転状態をアナログ信号で出力してなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のセンサ付軸受装置。
- 前記回転状態検出器は、前記回転部材の回転状態をデジタル信号で出力してなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のセンサ付軸受装置。
- 前記回転状態検出器は、前記回転部材の回転状態をパルス信号で出力してなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のセンサ付軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007059105A JP2008224248A (ja) | 2007-03-08 | 2007-03-08 | センサ付軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007059105A JP2008224248A (ja) | 2007-03-08 | 2007-03-08 | センサ付軸受装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008224248A true JP2008224248A (ja) | 2008-09-25 |
Family
ID=39843071
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007059105A Pending JP2008224248A (ja) | 2007-03-08 | 2007-03-08 | センサ付軸受装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008224248A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104706273A (zh) * | 2015-03-20 | 2015-06-17 | 朱金凤 | 无死角玻璃机器人 |
-
2007
- 2007-03-08 JP JP2007059105A patent/JP2008224248A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104706273A (zh) * | 2015-03-20 | 2015-06-17 | 朱金凤 | 无死角玻璃机器人 |
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