JP2008223933A - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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Hitoshi Takamatsu
仁 高松
Hisami Terajima
久視 寺島
Junichi Matsuda
純一 松田
Yuzo Totani
祐三 戸谷
Michiharu Okada
道治 岡田
Takao Imada
隆夫 今田
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Abstract

【課題】ブレーキ応答性を高めることができ、車両走行時にパッド部材が振動することを抑制でき、制動時にパッド部材がサポート部材のパッド支持部に強く衝突して異音を発生することを抑制できる、ディスクブレーキ装置を提供する。
【解決手段】ディスクブレーキ装置1において、各パッド部材3のディスクロータ周方向の両端部分の1対の被支持部3aにパッド側磁石6が設けられ、サポート部材4の各パッド支持部4aにパッド側磁石6と反発するサポート側磁石7が設けられ、これらパッド側磁石6及びサポート側磁石7により、サポート部材4に対して1対のパッド部材3の1対の被支持部3aがフローティング状態で支持可能に構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ディスクブレーキ装置に関し、特に、パッド部材とサポート部材とに互いに反発する磁石を設けて、サポート部材に対してパッド部材をフローティング状態で支持可能に構成したディスクブレーキ装置に関するものである。
従来、自動車等の車両に装備されるディスクブレーキ装置においては、1対のパッド部材が車体側部材に取付けられるサポート部材に組付けられて、車輪と一体回転するディスクロータを挟んで対向状に配設され、これら1対のパッド部材が互いに接近離隔する方向へ移動自在となるように、1対のパッド部材のディスクロータ周方向の両端部分が夫々サポート部材に形成された1対のパッド支持部に摺動するように支持され、キャリパー等の駆動機構により1対のパッド部材が互いに接近する方向へ駆動されディスクロータに押圧されて、走行車両が制動される(例えば、特許文献1参照)。
このディスクブレーキ装置では、車両走行時、1対のパッド部材がディスクロータに押圧されると、これら部材間に発生する摩擦により、1対のパッド部材がディスクロータから回転力を受けて、サポート部材の1対のパッド支持部のうちディスクロータの回転方向リーディング側のパッド支持部に受け止められるので、走行車両が制動される。つまり、1対のパッド支持部のうち、一方の前進側パッド支持部が車両前進時制動時にパッド部材を受け止め、他方の後進側パッド支持部が車両後進時制動時にパッド部材を受け止める。
ところで、パッド部材のディスクロータ周方向の両端部分と1対のパッド支持部との間には微小ではあるが隙間が発生し、特に、ディスクロータ周方向において、パッド部材と1対のパッド支持部との間に発生する隙間により、車両前進時制動時には、パッド部材が前進側パッド支持部に接触してパッド部材と後進側パッド支持部との間の隙間が拡大し、車両後進時制動時には、パッド部材が後進側パッド支持部に接触してパッド部材と前進側パッド支持部との間の隙間が拡大する。
ここで、特許文献1には、パッド部材とサポート部材のパッド支持部との間の隙間によって発生するパッド部材のガタつきを防止するために、パッド支持部にパッド部材の磁性体製の裏板を吸着可能に磁石を備えたディスクブレーキ装置が開示されている。
特開2006−83882号公報
従来のディスクブレーキ装置では、先ず、パッド部材のディスクロータ周方向の両端部分がサポート部材の1対のパッド支持部に対して摺動するように支持されているので、その摺動抵抗によって、1対のパッド部材が互いに接近離隔する方向へ迅速に移動させる上で、つまり、キャリパー等の駆動機構により1対のパッド部材を互いに接近する方向へ駆動して作動させるブレーキの応答性を高める上で不利になる。
次に、前記のように、パッド部材のディスクロータ周方向の両端部分と1対のパッド支持部との間に微小ではあるが隙間が発生し、特に、ディスクロータ周方向において、パッド部材と1対のパッド支持部との間の隙間により、車両前進時制動時には、パッド部材と後進側パッド支持部との間の隙間が拡大し、車両後進時制動時には、パッド部材と前進側パッド支持部との間の隙間が拡大するので、パッド部材のディスクロータ周方向の両端部分が単にサポート部材の1対のパッド支持部に対して摺動するように支持されているのでは、隙間を埋める際の摺動抵抗により制動初期にパッド部材が振動する虞がある。
更に、前記摺動抵抗によって、車両前進時制動と車両後進時制動の一方の後に他方が行われる際、パッド部材が前進側パッド支持部又は後進側パッド支持部に強く衝突する虞が高くなる。つまり、車両前進時制動時又は車両後進時制動時、パッド部材が後進側パッド支持部又は前進側パッド支持部に近接した状態で、パッド部材がディスクロータに押圧されると、ディスクロータから前記摺動抵抗に対する回転力を受けて前進側パッド支持部又は後進側パッド支持部の方へ移動するで、パッド部材がパッド支持部に強く衝突して異音を発生する虞がある。また、ブレーキ解除時にパッド部材のひきずりを生じ易く、パッド部材やパッド支持部も偏摩耗し易くなる。
特許文献1のディスクブレーキ装置では、パッド支持部に磁石を設けてパッド部材の裏板を積極的に吸着させて、パッド部材のガタつきを防止したものであるが、車両前進時制動時又は車両後進時制動時、パッド部材が後進側パッド支持部又は前進側パッド支持部に近接した状態で、この磁石の吸着力が、パッド部材を前進側パッド支持部又は後進側パッド支持部の方へ移動させる抵抗となるので、パッド部材が移動する際の力が大きくなって、パッド支持部に一層強く衝突して異音が発生する虞が高くなる。
本発明の目的は、ブレーキ応答性を高めることができ、制動初期にパッド部材が振動することを抑制でき、制動時にパッド部材がサポート部材のパッド支持部に強く衝突して異音を発生することを抑制でき、パッド部材やパッド支持部も偏摩耗しにくくなって、安定した性能を長期に亙って維持できて、耐久性に優れた、ディスクブレーキ装置を提供することである。
請求項1のディスクブレーキ装置は、車輪と一体回転するディスクロータを挟んで対向状に配設された1対のパッド部材と、1対のパッド部材が互いに接近離隔する方向へ移動自在となるように1対のパッド部材のディスクロータ周方向の両端部分を夫々支持する1対のパッド支持部が形成されたサポート部材と、1対のパッド部材を互いに接近する方向へ駆動してディスクロータに押圧させる駆動手段とを備えたディスクブレーキ装置において、前記各パッド部材の前記両端部分にパッド側磁石を設けるとともに、前記各パッド支持部にパッド側磁石と反発するサポート側磁石を設け、これらパッド側磁石及びサポート側磁石により、サポート部材に対して1対のパッド部材の前記両端部分の少なくとも一部をフローティング状態で支持可能に構成されたことを特徴とする。
このディスクブレーキ装置では、1対のパッド部材が車体側部材に取付けられるサポート部材に組付けられて、車輪と一体回転するディスクロータを挟んで対向状に配設され、これら1対のパッド部材が互いに接近離隔する方向へ移動自在となるように、1対のパッド部材のディスクロータ周方向の両端部分が夫々サポート部材に形成された1対のパッド支持部に支持され、駆動手段により1対のパッド部材が互いに接近する方向へ駆動されディスクロータに押圧されて、走行車両が制動される。各パッド部材のディスクロータ周方向の両端部分と1対のパッド支持部との間には微小ではあるが隙間が発生するが、その対策として、各パッド部材のディスクロータ周方向の両端部分にパッド側磁石が設けられ、各パッド支持部にパッド側磁石と反発するサポート側磁石が設けられている。
つまり、パッド側磁石及びサポート側磁石により、サポート部材に対して1対のパッド部材のディスクロータ周方向の両端部分の少なくとも一部がフローティング状態で支持可能に構成され、故に、パッド部材がパッド支持部を摺動する摺動抵抗が低減されるので、1対のパッド部材が互いに接近離隔する方向へ迅速に移動され、駆動手段により1対のパッド部材を互いに接近する方向へ駆動して作動させるブレーキの応答性が高められる。
また、ディスクロータ周方向において、パッド部材が1対のパッド支持部に対してフローティング状態で支持され保持可能であり、パッド部材がパッド支持部を摺動する摺動抵抗が低減されることから、制動時、1対のパッド部材がディスクロータに押圧される際、これら部材間に発生する摩擦により、1対のパッド部材が小さな回転力を受けることで直ちに、1対のパッド支持部のうちディスクロータの回転方向リーディング側のパッド支持部の方へ移動しそのパッド支持部に受け止められるので、制動初期にパッド部材が振動することが抑制されるとともに、パッド部材がパッド支持部に強く衝突して異音を発生することが抑制され、且つ、ブレーキ解除時のパッド部材のひきずりを抑制できて、パッド部材やパッド支持部が偏摩耗することも抑制され、耐久性が高められる。
請求項1の従属請求項として次の構成を採用してもよい。
前記各パッド支持部がパッド部材の方へ開口する凹部に形成され、前記各サポート側磁石として、前記凹部の奥端面側に第1磁石を設け、前記凹部の下面側に第2磁石を設け(請求項2)、更に、前記凹部の上面側に第3磁石を設ける(請求項3)。
前記各サポート側磁石の表面をカバー可能に前記凹部に取付けられたカバー部材を設ける(請求項4)。前記各パッド部材の前記両端部分が前記凹部に係合する凸部に形成され、この凸部に前記凹部の方へ開口する収容凹部が形成されるとともに、パッド側磁石が凸部よりも前記凹部側へ突出しないように前記収容凹部に装着される(請求項4)。
請求項1のディスクブレーキ装置によれば、特に、各パッド部材のディスクロータ周方向の両端部分にパッド側磁石を設けるとともに、各パッド支持部にパッド側磁石と反発するサポート側磁石を設け、これらパッド側磁石及びサポート側磁石により、サポート部材に対して1対のパッド部材のディスクロータ周方向の両端部分の少なくとも一部をフローティング状態で支持可能に構成したので、前記のように、ブレーキ応答性を高めることができ、制動初期にパッド部材が振動することを抑制でき、制動時にパッド部材がサポート部材のパッド支持部に強く衝突して異音を発生することを抑制でき、パッド部材やパッド支持部も偏摩耗しにくくなって、安定した性能を長期に亙って維持できて、耐久性に優れたものにすることができる。
請求項2のディスクブレーキ装置によれば、各パッド支持部をパッド部材の方へ開口する凹部に形成し、各サポート側磁石として、凹部の奥端面側に第1磁石を設け、凹部の下面側に第2磁石を設けたので、1対のパッド部材を互いに接近離隔する方向へ確実にガイドして支持できるとともに、サポート部材に対して1対のパッド部材のディスクロータ周方向の両端部分をディスクロータ周方向及び下方からフローティング状態で支持できるので、前記効果を一層高めることができる。
請求項3のディスクブレーキ装置によれば、各サポート側磁石として、更に、凹部の上面側に第3磁石を設けたので、サポート部材に対して1対のパッド部材のディスクロータ周方向の両端部分を上方からフローティング状態で支持できて、全体的にフローティング状態として安定させて支持できるので、前記効果をより一層高めることができる。
請求項4のディスクブレーキ装置によれば、各サポート側磁石の表面をカバー可能に凹部に取付けられたカバー部材を設けたので、サポート側磁石の凹部への取付けを確実に且つ容易に行うことができ、また、パッド部材がサポート側磁石に直接当たることを防止できるので、サポート側磁石の損傷を防止できる。
請求項5のディスクブレーキ装置によれば、各パッド部材のディスクロータ周方向の両端部分が凹部に係合する凸部に形成され、この凸部に凹部の方へ開口する収容凹部が形成されるとともに、パッド側磁石が凸部よりも凹部側へ突出しないように収容凹部に装着されたので、パッド側磁石をパッド部材に確実に取付け、パッド側磁石がサポート部材に直接当たること、更に、パッド側磁石に大きな力が作用することを防止できるので、パッド側磁石の損傷を確実に防止できる。
本発明のディスクブレーキ装置は、1対のパッド部材、サポート部材、駆動手段を備え、自動車の車輪のディスクブレーキ装置に適用され、特に、各パッド部材のディスクロータ周方向の両端部分にパッド側磁石を設けるとともに、サポート部材の各パッド支持部にパッド側磁石と反発するサポート側磁石を設け、これらパッド側磁石及びサポート側磁石により、サポート部材に対して1対のパッド部材のディスクロータ周方向の両端部分をフローティング状態で支持可能に構成されている。
図1〜図6に示すように、ディスクブレーキ装置1は、車輪と一体回転するディスクロータ2の上側部分を挟んで左右に対向状に配設された左右1対のパッド部材3と、1対のパッド部材3が互いに接近離隔する方向(左右方向)へ移動自在となるように1対のパッド部材3のディスクロータ周方向の両端部分の前後1対の被支持部3aを夫々支持する前後1対のパッド支持部4aが形成されたサポート部材4と、1対のパッド部材3を互いに接近する方向へ駆動してディスクロータ2に押圧させる駆動手段であるキャリパー5とを備えている。
このディスクブレーキ装置1は、各パッド部材3の1対の被支持部3aにパッド側磁石6を夫々設けるとともに、サポート部材4の各被支持部3aに対応する各パッド支持部4aにパッド側磁石6と反発するサポート側磁石7を設け、これらパッド側磁石6及びサポート側磁石7により、サポート部材4に対して各1対のパッド部材3の1対の被支持部3aをフローティング状態で支持可能に構成されている。
図1〜図4に示すように、サポート部材4は、車体側部材(図示略)に取付けられ、ディスクロータ2の上側部分を挟んで左右に対向状に配設された左右1対のサポート本体部10と、ディスクロータ2の上側に位置して1対のサポート本体部10の前上端部同士と後上端部同士を連結する前後1対の連結部11と、外側のサポート本体部11の外方側をカバーするカバー部12とを有し、1対のサポート本体部10に1対のパッド部材3が夫々左右方向へ可動に組付けられている。
各サポート本体部10は、前後方向へ延びる下方部10aと、下方部10aの前後両端部から立上がる前後1対の側方部10bとを有して上方が開口する凹形に形成され、各側方部10bに、パッド部材3の方へ開口する凹部4aからなるパッド支持部4aが形成されている。つまり、サポート部材4には合計4つのパッド支持部4aがディスクロータ2を挟んで左右対称に形成され、各パッド部材3に対応する1対のパッド支持部4aがパッド部材3を挟んで前後に対向している。
図1、図2、図6に示すように、1対のパッド部材3は左右対称に形成され、各パッド部材3は、裏板20と、ディスクロータ2と対面するように裏板20に面接触状に連結支持された摩擦材21とを有し、裏板20及び摩擦材21は、ディスクロータ2の周方向に沿って湾曲形状に形成されている。各パッド部材3の裏板20の前後両端部側に、裏板20の本体部分よりも多少左右幅が広い前後1対の凸部3aからなる被支持部3aが形成され、各被支持部3aが対応する凹部4aに係合している。
図1に示すように、キャリパー5は、キャリパーボディ30と、キャリパーボディ30に設けられた1又は複数の油圧シリンダ31と、キャリパーボディ31に一体的に連結されたキャリパー連結部32とを有する。キャリパーボディ30はサポート部材4の内端側に配設されてサポート部材4に左右方向へ可動に連結され、キャリパー連結部32は、その外方側部分が外側のパッド部材3の外方側に配設されて、ディスクロータ2の上側を通るようにキャリパーボディ30に連結されている。油圧シリンダ31は、キャリパーボディ30に形成されたシリンダ部30aと、シリンダ部30aに油密に内嵌されたピストン33とを有し、ピストン33の先端部が内側のパッド部材3の裏板20に臨んでいる。
油圧シリンダ31において、シリンダ部30aとピストン33との間に形成された油室34にブレーキ作動圧が供給されると、ピストン33により内側のパッド部材3が駆動されてディスクロータ2に押圧されるとともに、その反力によりキャリパーボディ30と共にキャリパー連結部32が内方側へ駆動され、このキャリパー連結部32により外側のパッド部材3が駆動されてディスクロータ2に押圧される。尚、このキャリパー5の代わりに、1対のパッド部材3を独立に駆動する1対の油圧シリンダを有するもの等、種々の駆動手段を適用可能である。
図1〜図5に示すように、サポート部材4の各凹部4aに、永久磁石(例えば、アルニコ磁石、ヘェライト磁石、ネオジウム系磁石、サマリウム系磁石等)からなるサポート側磁石7が設けられ、このサポート側磁石7として、凹部4aの奥端面側に第1磁石40が設けられ、凹部4aの下面側に第2磁石41が設けられ、凹部4aの上面側に第3磁石42が設けられている。サポート部材4の各凹部4aの奥端面側部分と下面側分と上面側部分に夫々取付凹部4b〜4dが形成され、これら取付凹部4b〜4dに直方体状の第1〜第3磁石40〜42が夫々係合装着されている。
ここで、各サポート側磁石7(第1〜第3磁石40〜42)の表面をカバー可能に凹部4aに取付けられたカバー部材45が設けられている。カバー部材45は、門形に形成されて左右に隣り合う2つの凹部4aに共通のカバーに構成され、その2つの凹部4a及びその上下両側部分をカバーする左右1対の凹部カバー部45aと、これら凹部カバー部45aの上端部同士を繋ぐ上部カバー部45bとを有する。
ここで、第1磁石40の装着用の取付凹部4bはパッド部材3側及び反ディスクロータ2側を開口し、第2磁石41の装着用の取付凹部4cはパッド部材3側及び上方を開口し、第3磁石42の装着用の取付凹部4dはパッド部材3側及反ディスクロータ2側及び下方を開口し、カバー部材45には、左右2つの第1磁石40を反ディスクロータ2側から係止する左右1対の係止片45cと、左右2つの第3磁石42を反ディスクロータ2側から係止する左右1対の係止片45dが形成されている。
図1、図2、図6に示すように、各パッド部材3の各凸部3a(被支持部3a)に、永久磁石(例えば、アルニコ磁石、ヘェライト磁石、ネオジウム系磁石、サマリウム系磁石等)からなるパッド側磁石6が設けられているが、この凸部3aに対応する凹部4aの方へ開口する収容凹部3bが形成され、上下長が長くて左右幅が比較的小さな直方体状のパッド側磁石6が、凸部3aよりも凹部4a側へ突出しないように収容凹部3bに装着されている。ここで、各凸部3aの収容凹部3bの反ディスクロータ2側を覆う上下に細長いカバー部材47が設けられている。このカバー部材47は、その上下両端部がピン47aを介して凸部3aに連結支持されており、このカバー部材47を介してパッド側磁石6が収容凹部3bに取付けられている。
ここで、各被支持部3a及びパッド支持部4aにおいて、パッド側磁石6とサポート側磁石7の第1磁石70との反発力と、ディスクロータ周方向他方側のパッド側磁石6とサポート側磁石7の第1磁石70との反発力とが同じになり、また、パッド側磁石6とサポート側磁石7の第2磁石71との反発力が、被支持部3aから受ける荷重と、パッド側磁石6とサポート側磁石7の第3磁石72との反発力との和に等しくなるようにして、パッド側磁石6及びサポート側磁石7により、サポート部材4に対して1対のパッド部材3の1対の被支持部3aをフローティング状態で支持可能に構成されている。
ディスクブレーキ装置1の作用・効果について説明する。
1対のパッド部材3が車体側部材に取付けられるサポート部材4に組付けられて、車輪と一体回転するディスクロータ2を挟んで対向状に配設され、これら1対のパッド部材3が互いに接近離隔する方向へ移動自在となるように、1対のパッド部材3のディスクロータ周方向の両端部分の1対の被支持部3aが夫々サポート部材4に形成された1対のパッド支持部4aに支持され、キャリパー5により1対のパッド部材3が互いに接近する方向へ駆動されディスクロータ2に押圧されて、走行車両が制動される。
ここで、各パッド部材3の1対の被支持部3aと1対のパッド支持部4aとの間には微小ではあるが隙間が発生するが、その対策として、各パッド部材3の1対の被支持部3aにパッド側磁石6が設けられ、各パッド支持部4aにパッド側磁石6と反発するサポート側磁石7が設けられ、これらパッド側磁石6及びサポート側磁石7により、サポート部材4に対して1対のパッド部材3の1対の被支持部3aがフローティング状態で支持可能に構成されている。
従って、パッド部材3がパッド支持部4aを摺動する摺動抵抗が低減されるので、1対のパッド部材3が互いに接近離隔する方向へ迅速に移動され、キャリパー5により1対のパッド部材3を互いに接近する方向へ駆動して作動させるブレーキの応答性が高められる。
また、ディスクロータ周方向において、パッド部材3が1対のパッド支持部4aに対してフローティング状態で支持され保持可能であり、パッド部材3がパッド支持部4aを摺動する摺動抵抗が低減されることから、制動時、1対のパッド部材3がディスクロータ2に押圧される際、これら部材2,3間に発生する摩擦により、1対のパッド部材3が小さな回転力を受けることで直ちに、1対のパッド支持部4aのうちディスクロータ2の回転方向リーディング側のパッド支持部4aの方へ移動しそのパッド支持部4aで受け止められるので、制動初期にパッド部材3が振動することが抑制されるとともに、パッド部材3がパッド支持部4aに強く衝突して異音を発生することが抑制され、且つ、ブレーキ解除時のパッド部材3のひきずりを抑制できて、パッド部材3やパッド支持部4aの劣化が偏摩耗することも抑制される。
このように、本発明のディスクブレーキ装置1によれば、特に、各パッド部材3の1対の被支持部3aにパッド側磁石6を設けるとともに、各パッド支持部4aにパッド側磁石6と反発するサポート側磁石7を設け、これらパッド側磁石6及びサポート側磁石7により、サポート部材4に対して1対のパッド部材3の1対の被支持部3aをフローティング状態で支持可能に構成したので、前記のように、ブレーキ応答性を高めることができ、制動初期にパッド部材3が振動することを抑制でき、制動時にパッド部材3がサポート部材4のパッド支持部4aに強く衝突して異音を発生することを抑制でき、パッド部材3やパッド支持部4aも偏摩耗しにくくなって、安定した性能を長期に亙って維持できて、耐久性に優れたものにすることができる。
各パッド支持部4aをパッド部材3の方へ開口する凹部4aに形成したので、1対のパッド部材3を互いに接近離隔する方向へ確実にガイドして支持できるとともに、各サポート側磁石7として、凹部4aの奥端面側に第1磁石40を設け、凹部4aの下面側に第2磁石41を設け、凹部4aの上面側に第3磁石42を設けたので、サポート部材4に対して1対のパッド部材3の1対の被支持部3aをディスクロータ周方向及び下方及び上方からから 全体的にフローティング状態として安定させて支持でき、前記摺動抵抗を略0とすることができるので、前記効果をより一層高めることができる。
各サポート側磁石7の表面をカバー可能に凹部4aに取付けられたカバー部材45を設けたので、サポート側磁石5の凹部4aへの取付けを確実に且つ容易に行うことができ、また、パッド部材3がサポート側磁石7に直接当たることを防止できるので、サポート側磁石7の損傷を防止できる。また、各パッド部材3の1対の被支持部3aが凸部3aに形成され、この凸部3aに凹部4aの方へ開口する収容凹部3bが形成されるとともに、パッド側磁石6が凸部3aよりも凹部4a側へ突出しないように収容凹部3bに装着されたので、パッド側磁石6をパッド部材3に確実に取付け、パッド側磁石6がサポート部材4に直接当たることを、更に、パッド側磁石6に大きな力が作用することを防止できるので、パッド側磁石6の損傷を確実に防止できる。
尚、前記実施例を次のように変更可能である。
1]各サポート側磁石7として、第3磁石72を省略すること、更に、第1,第2磁石70,71の一方を省略することができる。
2]各サポート側磁石7として、第1〜第3磁石70〜72を、又は、第1,第2磁石70,71を、又は、第1,第3磁石70,72を、1つの磁石で構成してもよい。
3]各サポート側磁石7に電磁石を採用してもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を付加して実施可能であり、また、本発明については、自動車に装備される種々のディスクブレーキ装置、或いは、自動車以外の車両に装備される種々のディスクブレーキ装置に適用可能である。
ディスクブレーキ装置の横断面図である。 ディスクブレーキ装置の要部の斜視図である。 サポート部材とサポート側磁石の斜視図である。 サポート部材とサポート側磁石の要部の斜視図である。 サポート側磁石とカバー部材の斜視図である。 パッド部材とパッド側磁石等の斜視図である。
符号の説明
1 ディスクブレーキ装置
2 ディスクロータ
3 パッド部材
3a 凸部
3b 収容凹部
4 サポート部材
4a 凹部(パッド支持部)
5 キャリパー(駆動手段)
6 パッド側磁石
7 サポート側磁石
40 第1磁石
41 第2磁石
42 第3磁石
45 カバー部材

Claims (5)

  1. 車輪と一体回転するディスクロータを挟んで対向状に配設された1対のパッド部材と、1対のパッド部材が互いに接近離隔する方向へ移動自在となるように1対のパッド部材のディスクロータ周方向の両端部分を夫々支持する1対のパッド支持部が形成されたサポート部材と、1対のパッド部材を互いに接近する方向へ駆動してディスクロータに押圧させる駆動手段とを備えたディスクブレーキ装置において、
    前記各パッド部材の前記両端部分にパッド側磁石を設けるとともに、前記各パッド支持部にパッド側磁石と反発するサポート側磁石を設け、これらパッド側磁石及びサポート側磁石により、サポート部材に対して1対のパッド部材の前記両端部分の少なくとも一部をフローティング状態で支持可能に構成されたことを特徴とするディスクブレーキ装置。
  2. 前記各パッド支持部がパッド部材の方へ開口する凹部に形成され、
    前記各サポート側磁石として、前記凹部の奥端面側に第1磁石を設け、前記凹部の下面側に第2磁石を設けたことを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ装置。
  3. 前記各サポート側磁石として、更に、前記凹部の上面側に第3磁石を設けたことを特徴とする請求項2に記載のディスクブレーキ装置。
  4. 前記各サポート側磁石の表面をカバー可能に前記凹部に取付けられたカバー部材を設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のディスクブレーキ装置。
  5. 前記各パッド部材の前記両端部分が前記凹部に係合する凸部に形成され、この凸部に前記凹部の方へ開口する収容凹部が形成されるとともに、パッド側磁石が凸部よりも前記凹部側へ突出しないように前記収容凹部に装着されたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のディスクブレーキ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010216553A (ja) * 2009-03-16 2010-09-30 Toyota Motor Corp ブレーキキャリパ
EP4004390A4 (en) * 2019-07-31 2023-10-18 Federal-Mogul Motorparts LLC VEHICLE BRAKE COMPONENT FOR BRAKE DUST COLLECTION

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