JP2008223627A - 送液装置、燃料電池型発電装置、及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電気浸透材51の上流側及び下流側に電極53,54が設けられた電気浸透流ポンプ50と、電気浸透流ポンプ50の下流側に液体の流路を形成する下流側流路構造体70と、を備える送液装置40である。下流側流路構造体70は、電気浸透流ポンプ50との対向面に凹部71を有し、凹部71の底面の中央に液体が排出される排出孔72が設けられるとともに、凹部71の外周部には気体のみを透過させる気体透過膜74aにより塞がれた脱気孔74が設けられ、電気浸透流ポンプ50と排出孔72との間には、電気浸透流ポンプ50により送出される液体を凹部71の外周部に誘導させる誘導部材(迂回部材)81が設けられている。
【選択図】図7
Description
このような原理で駆動する電気浸透流ポンプは、可動部がなく構造が単純であり、小型化が可能、無脈動、無騒音、等の利点がある。
また、駆動液体の自己充填機構とガス抜き機構とをさらに備える送液装置の提案も行なわれている(特許文献2参照)。
しかし、特許文献2に記載されるような構造においても、下流では、流路で発生した気泡が気体透過性及び液体遮断性を有する気体透過膜(気体を透過させやすく、液体を透過させにくい膜)まで届く前に液体透過性及び気体遮断性を有する液体透過膜(液体を透過させやすく、気体を透過させにくい膜)に到達してしまう場合があり、流路の液体透過膜に局所的に高い圧力がかかると、通常は透過しない気体を透過させてしまうという問題があった。
図1は電子機器1000のブロック図である。電子機器1000は、燃料電池型の燃料電池型発電装置1と、燃料電池型発電装置1により生成された電気エネルギーを適切な電圧に変換するDC/DCコンバータ904と、DC/DCコンバータ904に接続される2次電池905と、それらを制御する制御部906と、DC/DCコンバータ904より電気エネルギーが供給される電子機器本体901と、を備える。
次に、燃料電池型発電装置1について詳細に説明する。
図2は燃料電池型発電装置1のブロック図である。燃料電池型発電装置1は、燃料カートリッジ2,2と、送液装置40,40と、流路制御部100と、マイクロリアクタ6及び発電セル20と、エアポンプ30等とからなる。燃料電池型発電装置1は二つの燃料カートリッジ2,2を持つシステムとしている。
燃料排出孔は送液装置40と対向して設けられ、燃料カートリッジ2,2が送液装置40に対して着脱可能とされている。
次に、この燃料電池型発電装置1の動作について説明する。
まず、送液装置40の作用によって、燃料カートリッジ2から気化器7へ混合液が送液される。
CH3OH+H2O→3H2+CO2 … (1)
H2+CO2→H2O+CO … (2)
2CO+O2→2CO2 … (3)
H2→2H++2e- …(4)
2H++1/2O2+2e-→H2O …(5)
ここで、送液装置40の詳細な構造について説明する。図3は送液装置40を燃料カートリッジ2側から見た斜視図、図4は送液装置40を流路制御部100側から見た斜視図、図5は送液装置40を燃料カートリッジ2側から見た分解斜視図、図6は送液装置40を流路制御部100側から見た分解斜視図、図7は図3のVII−VII矢視断面図である。
電気浸透材51は板状のもので、ここでは円板形であり、ホルダー52内に側面を密着して納められる。ホルダー52は絶縁体からなり、電気浸透材51を収容する内空52aが形成されている。また、ホルダー52の厚さは、電気浸透材の厚さとほぼ同じになっている。内空52aに電気浸透材51が収容されることにより、電気浸透材51の径方向の位置が固定される。
電気浸透材51は、引き出し電極53の開口53a側から混合液を吸収する。
上流側流路構造体60の電気浸透流ポンプ50側の面には、凹部61が設けられている。凹部61の中央には導入孔62が貫通しており、導入孔62よりも外側部に脱気孔63が設けられている。
上流側流路構造体60の電気浸透流ポンプ50側の面は、凹部61の外周部において引き出し電極53と接合される。
下流側流路構造体70の電気浸透流ポンプ50側の面には、凹部71が設けられている。凹部71の底部には中央に排出孔72が貫通しており、排出孔72よりも外側部に脱気孔73が設けられている。
さらに、凹部71の底部には、脱気孔73よりも外側部に、後述する流路形成部材80が嵌合される環状の溝75が設けられている。
また、凹部71の側面部には、外側に向かって貫通する脱気孔74が放射状に設けられている。
気体透過膜73a,74aは、気体透過膜63aと同様に、酸素や水素といった気体を透過させ、水、メタノールといった液体を透過させない性質を有する疎水性膜である。
これに対して、液体透過膜72aは、気体透過膜64,45fとは反対に、水、メタノールといった液体を透過させやすく、酸素や水素といった気体を透過させにくい性質を有する親水性膜(液体透過膜)である。
誘導部材81はここでは円錐形であり、その底面81aを液体透過膜72aから離間して対向させるとともに、底面81aの外縁を凹部71の側面部から離間させた状態で、頂点81bを凹部71の電気浸透流ポンプ50側に向けて凹部71内に配置される。
誘導部材81は、底面81aの外縁部で固定部82と一体に形成されている。
電気浸透流ポンプ50により送出された混合液は、誘導部材81の側面81cに沿って流れ、貫通孔83を通って固定部82の内部に流入し、液体透過膜72aを透過して排出孔72から排出される。このように、流路形成部材80を設けることで、流路の中央部で発生した気泡は凹部71の外周部に移動し、液体透過膜72aよりも先に気体透過膜73a,74aに到達させることができ、気泡を脱気孔73,74から確実に除去することができる。
次に、送液装置40の動作について説明する。
まず、燃料カートリッジ2,2の逆止弁2aに導入管66を挿入すると、燃料カートリッジ2,2内の混合液が送液装置40に供給される。そして、混合液は、電気浸透材51に浸透する。
図7において気泡を白丸で示し、気泡の移動経路を矢印で示している。
酸素の気泡は、上流側流路構造体60内の凹部61を経由して、気体透過膜63a、脱気孔63を通って上流側流路構造体60の外部に放出される。
気体透過膜74a及び脱気孔74を通過しなかった気泡は、貫通孔83を通って固定部82内に入り、気体透過膜73、脱気孔73を通って下流側流路構造体70の外部に放出される。
なお、排出孔72が液体透過膜72aにより覆われているため、水素の気泡は排出管76内に流れることはない。
そして、混合液の流路の上流側に気体透過膜73a,74a及び脱気孔73,74が二重に配置され、その下流に液体透過膜72a及び排出孔72が形成されているため、気泡を液体透過膜72aよりも先に気体透過膜73a,74aに到達させることができるので、上流側で確実に気泡を除去することができ、液体透過膜72aを気泡が透過することを防止することができる。
図11は本実施形態の第1の変形例に係る送液装置40Aの図7に対応する断面図である。
図7との違いは、気体透過膜73a及び脱気孔73がないことである。
このような構造でも、混合液の流路の上流側に気体透過膜74a及び脱気孔74が配置され、その下流に液体透過膜72a及び排出孔72が形成されているため、気泡を液体透過膜72aよりも先に気体透過膜74aに到達させることができるので、上流側で確実に気泡を除去することができ、液体透過膜72aを気泡が透過することを防止することができる。
図12は本実施形態の第2の変形例に係る送液装置40Bの図7に対応する断面図である。
図7との違いは、気体透過膜74a及び脱気孔74がないことである。
このような構造でも、混合液の流路の上流側に気体透過膜73a及び脱気孔73が配置され、その下流に液体透過膜72a及び排出孔72が形成されているため、気泡を液体透過膜72aよりも先に気体透過膜73aに到達させることができるので、上流側で確実に気泡を除去することができ、液体透過膜72aを気泡が透過することを防止することができる。
図13は本実施形態の第3の変形例に係る送液装置40Cの図7に対応する断面図である。
誘導部材81Cがこのような形状でも、誘導部材81Cがあるため、気泡を液体透過膜72aよりも先に気体透過膜73a,74aに到達させることができるので、気泡を脱気孔73,74から確実に除去することができ、液体透過膜72aを気泡が透過することを防止することができる。
上記のような形状の誘導部材は、上流側の断面積が下流側の断面積より小さくなっており、誘導部材による流路抵抗がそれ程上がらないようにできるというメリットがある。
2 燃料カートリッジ
20 発電セル
40 送液装置
50 電気浸透流ポンプ
51 電気浸透材
53,54 引き出し電極
70 下流側流路構造体
71 凹部
72 排出孔
72a 液体透過膜
73,74 脱気孔
73a,74a 気体透過膜
81 誘導部材(迂回部材)
81b 頂点
901 電子機器本体
1000 電子機器
Claims (9)
- 電気浸透材の上流側及び下流側に電極が設けられた電気浸透流ポンプと、
前記電気浸透流ポンプの下流側に液体の流路を形成する下流側流路構造体と、を備え、
前記下流側流路構造体には、
液体透過性及び気体遮断性を有する液体透過膜により塞がれた排出孔と、
液体遮断性及び気体透過性を有する気体透過膜により塞がれた脱気孔と、が設けられ、
前記電気浸透流ポンプと前記排出孔との間には、
前記電気浸透流ポンプにより送出される液体に混ざっている気体が
前記液体透過膜に到達するよりも先に
前記気体透過膜に到達するように前記送出される液体を誘導する誘導部材が設けられていることを特徴とする送液装置。 - 前記下流側流路構造体は、前記電気浸透流ポンプとの対向面に凹部を有し、
前記排出孔は、前記凹部の底面の中央にあることを特徴とする請求項1に記載の送液装置。 - 前記下流側流路構造体は、前記電気浸透流ポンプとの対向面に凹部を有し、
前記脱気孔は、前記凹部の外周部にあることを特徴とする請求項1または2に記載の送液装置。 - 前記凹部の底面には、前記排出孔の周囲に、気体透過膜により塞がれた脱気孔がさらに設けられていることを特徴とする請求項3に記載の送液装置。
- 前記下流側流路構造体は、前記電気浸透流ポンプとの対向面に凹部を有し、
前記脱気孔は、前記凹部の底面の前記排出孔の周囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の送液装置。 - 前記誘導部材は錐形であり、その頂点が上流側に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の送液装置。
- 前記誘導部材は、その上流側の断面積が下流側の断面積より小さいことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の送液装置。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の送液装置と、前記送液装置により燃料が供給される発電セルと、を備えることを特徴とする燃料電池型発電装置。
- 請求項8に記載の燃料電池型発電装置と、前記燃料電池型発電装置によって発電された電気により動作する電子機器本体と、を備えることを特徴とする電子機器。
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